JP2002310278A - 自動変速機 - Google Patents

自動変速機

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JP2002310278A
JP2002310278A JP2001119508A JP2001119508A JP2002310278A JP 2002310278 A JP2002310278 A JP 2002310278A JP 2001119508 A JP2001119508 A JP 2001119508A JP 2001119508 A JP2001119508 A JP 2001119508A JP 2002310278 A JP2002310278 A JP 2002310278A
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gear
speed
input shaft
output shaft
switching
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JP2001119508A
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Hosei Suzuki
歩誠 鈴木
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Subaru Corp
Original Assignee
Fuji Heavy Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数のバイパスクラッチを有する自動変速機
において、変速機中立から第1速段または後退段への変
速段の切り換えを円滑に行うことにある。 【解決手段】 自動変速機は、複数の駆動歯車21a〜
27aが設けられた入力軸11と、駆動歯車21a〜2
7aと噛み合う複数の従動歯車21b〜27bが設けら
れた出力軸12と、入力軸11と出力軸12との締結お
よび締結解除をそれぞれ行う複数のバイパスクラッチ3
1,32とを備えている。変速機が中立の状態より前進
段または後退段に選択されたときには、複数のバイパス
クラッチ31,32を係合して、入力軸11と出力軸1
2とを停止させてから変速段の切り換えを行う。複数の
バイパスクラッチ31,32を係合させる際には、出力
軸トルクの合力が打ち消し合うように係合トルクを立ち
上げることで効率よく入力軸11と出力軸12とを停止
させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は自動車に搭載される
自動変速機に関する。
【0002】
【従来の技術】運転者の手動操作により変速操作を行う
マニュアル式変速機(MT)は、エンジンに連結され複
数の駆動歯車が装着される入力軸と、駆動歯車と対とな
った複数の従動歯車が装着され駆動輪に連結される出力
軸とを有しており、入力軸と出力軸との間には複数の変
速ギヤ列が設けられている。このMTにあっては、変速
時にクラッチを切断後、複数の変速ギヤ列の中から、動
力の伝達を行う歯車対の切り換えをシンクロメッシュ機
構などの切り換え機構を手動により切り換え、クラッチ
を接続することで変速動作すなわちシフトチェンジが行
われる。
【0003】このシフトチェンジとクラッチ操作を油圧
により作動するシフトアクチュエータによって行うよう
にすると、マニュアル式変速機の構成をベースとした自
動変速機とすることができる。複数の変速ギヤ列を有す
るこのタイプの自動変速機(Automated Manual Transmi
ssion。以下AMTと略す)は、自動変速機構にプラネ
タリーギヤなどを有する通常のトルクコンバータ式自動
変速機(AT)に比して部品点数を少なくして軽量化を
図り易く、しかも駆動系の伝達効率が高いという利点を
有している。
【0004】このAMTタイプの自動変速機としては、
エンジンのクランク軸と入力軸との間にこれらを締結状
態と締結解除状態とに切り換える発進クラッチすなわち
入力クラッチと、変速動作時に入力軸から出力軸にトル
クを伝達することにより変速トルク切れの発生を防止す
るため最高段に油圧多板クラッチ式のバイパスクラッチ
とを有するものが、たとえば、特許第2703169号に開示
されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このようなAMTにあ
っては、多段の変速機の最高段にバイパスクラッチを設
けているために、変速段切換時に出力軸への伝達トルク
が小さくなる。そのために1速ギヤから2速ギヤへのい
わゆる低速段での変速段切換にあっては、走行時に比べ
伝達されるトルクが十分ではないので、変速段切換時の
引き込み感を十分に改善することができない。また最高
段のバイパスクラッチだけを使用し、低速段での変速段
切換時のトルクを伝達する場合には、走行時に使用する
クラッチ容量よりも大きなクラッチ容量に設定すること
が必要となる。
【0006】これらを改善するためにバイパスクラッチ
を中速段に設けた場合にあっては、低速段での変速段切
換時には引き込み感が改善されるものの、バイパスクラ
ッチを設けた変速段より高い変速段での変速段切換時に
は、トルク伝達を切断して切換を行う必要があり、引き
込み感が改善されないことになる。またトルク伝達を切
断するために入力クラッチの設定が必要となる。
【0007】この入力クラッチとして湿式多板クラッチ
を用いた場合にあっては、特に低温時での引きずり抵抗
が大きく、変速機中立から第1速に変速段切換を行う時
にはシンクロメッシュ機構への負担を大きくし、変速機
中立から後退段に変速段切換を行う時には選択摺動式の
ギヤでは係合が困難であった。
【0008】本発明の目的は、バイパスクラッチを有す
る自動変速機において、変速機中立から第1速または後
退段への変速段切換を円滑に行い得るようにすることに
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の自動変速機は、
複数の駆動歯車が設けられた入力軸と、前記駆動歯車と
噛み合う複数の従動歯車が設けられた出力軸と、前記入
力軸と前記出力軸との間に配置され、車両の運転モード
として後退段が選択されたときに前記入力軸および前記
出力軸にそれぞれ設けられた後退用の歯車に係合する後
退用アイドラ歯車とを有する自動変速機であって、前記
駆動歯車と前記従動歯車とにより形成される複数の変速
ギヤ列のうち動力を伝達する変速ギヤ列を切り換える切
り換え機構と、前記入力軸の動力を前記出力軸に対して
選択的に伝達および遮断する複数のバイパスクラッチ
と、変速機が中立の状態より第1速または後退段に切り
換え動作を行うときには、前記複数のバイパスクラッチ
を係合させて前記入力軸を停止させた状態で前記切り換
え機構を作動させる制御手段とを有することを特徴とす
る。
【0010】本発明の自動変速機は、ブレーキペダルが
踏まれたときに後退段に切り換え動作を行うことを特徴
とする。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて詳細に説明する。
【0012】図1は本発明の一実施の形態である自動変
速機を示すスケルトン図であり、図2は図1におけるA
−A線方向から見た歯車の噛み合い状態を示すスケルト
ン図である。この自動変速機はエンジン10に連結され
る入力軸11と、これに平行であって駆動輪に連結され
る出力軸12とを有している。入力軸11と出力軸12
は車両の進行方向を向いてトランスミッションケース
(図示しない)内に組み込まれる。
【0013】エンジン10のクランク軸13にはロック
アップクラッチ14を有するトルクコンバータ15が連
結され、トルクコンバータ15の出力軸であるタービン
軸16と入力軸11とは連結されている。入力軸11に
は第1速と第2速の駆動歯車21a,22aが固定さ
れ、第3速〜第6速までの駆動歯車23a〜26aが入
力軸11に対して回転自在に取り付けられる。出力軸1
2には第1速と第2速の従動歯車21b,22bが回転
自在に取り付けられ、第3速から第6速までの従動歯車
23b〜26bが固定され、それぞれ対応する駆動歯車
と噛み合って前進段の変速ギヤ列となっている。なお、
タービン軸16と入力軸11との間に、タービン軸16
を入力軸11に締結する係合状態と締結を解除する開放
状態とに切り換える湿式多板式の発進クラッチすなわち
入力クラッチを設けても良い。
【0014】入力軸11には第1と第2の2つのバイパ
スクラッチ31,32が設けられている。第1のバイパ
スクラッチ31は、入力軸11に固定されたクラッチハ
ブ31aと、第3速の駆動歯車23aに固定されるクラ
ッチドラム31bとを有している。クラッチハブ31a
とクラッチドラム31bとにそれぞれ設けられたクラッ
チディスクを押圧することにより、第1のバイパスクラ
ッチ31は係合状態すなわち動力伝達状態となって入力
軸11の動力は第3速の駆動歯車23aと従動歯車23
bとを介して出力軸12に伝達される。一方、係合を解
くと動力の伝達を遮断する状態となる。
【0015】第2のバイパスクラッチ32は、入力軸1
1に固定されたクラッチハブ32aと、第6速の駆動歯
車26aに固定されるクラッチドラム32bとを有して
いる。クラッチハブ32aとクラッチドラム32bとに
それぞれ設けられたクラッチディスクを押圧することに
より、第2のバイパスクラッチ32は係合状態となって
入力軸11の動力は第6速の駆動歯車26aと従動歯車
26bとを介して出力軸12に伝達される。一方、係合
を解くと動力の伝達を遮断する状態となる。なおバイパ
スクラッチ31,32は多板クラッチでも単板クラッチ
でも良く、湿式クラッチでも乾式クラッチでも良い。
【0016】入力軸11には後退用の駆動歯車27aが
固定され、出力軸12には後退用の従動歯車27bが固
定される。入力軸11に対して平行に摺動および回転自
在にミッションケース内に配置されたアイドラ軸28に
は、図2に示すように、後退用の駆動歯車27aと後退
用の従動歯車27bとに噛み合うアイドラ歯車28aが
取り付けられる。アイドラ歯車28aを移動させ後退用
の駆動歯車27aと従動歯車27bとに噛み合わせるこ
とにより、入力軸11の動力が回転を逆にして出力軸1
2に伝達される。
【0017】それぞれの駆動歯車21a〜26aは対応
する従動歯車21b〜26bに噛み合って変速ギヤ列す
なわち変速段となっており、動力を伝達する変速段を切
り換えることによって変速動作が行われる。出力軸12
には変速段を第1速と第2速のいずれかに切り換える第
1の切り換え機構35が装着され、入力軸11には変速
段を第4速と第5速のいずれかに切り換える第2の切り
換え機構36が装着されている。さらに、アイドラ軸2
8にはアイドラ歯車28aを後退用の駆動歯車27aと
従動歯車27bとに噛み合わせる位置と噛み合いを解く
位置とのいずれかに切り換える第3の切り換え機構37
が設けられている。第1と第2の切り換え機構35,3
6はシンクロメッシュ機構となっており、第3の切り換
え機構37は選択摺動式となっている。
【0018】第1の切り換え機構35は第1速と第2速
の2つの従動歯車21b,22bの間に配置されて出力
軸12に固定されたシンクロハブ35aと、これに常時
噛み合うシンクロスリーブ35bとを有している。この
シンクロスリーブ35bを従動歯車21bに一体形成さ
れたスプライン41に噛み合わせると変速段は第1速に
設定され、逆に従動歯車22bに一体形成されたスプラ
イン42に噛み合わせると第2速に設定される。
【0019】同様に第2の切り換え機構36は第4速と
第5速の2つの駆動歯車24a,25aの間に配置され
て入力軸11に固定されたシンクロハブ36aと、これ
に常時噛み合うシンクロスリーブ36bとを有してい
る。このシンクロスリーブ36bを駆動歯車24aに一
体形成されたスプライン44に噛み合わせると変速段は
第4速に設定され、逆に駆動歯車25aに一体形成され
たスプライン45に噛み合わせると第5速に設定され
る。
【0020】したがって、第1速と第2速の切り換えは
第1の切り換え機構35のシンクロスリーブ35bを作
動させることによって行われ、第4速と第5速の切り換
えは第2の切り換え機構36のシンクロスリーブ36b
を作動させることによって行われる。一方、第3速への
切り換えは第1のバイパスクラッチ31を係合状態とす
ることで行われ、第6速への切り換えは第2のバイパス
クラッチ32を係合状態とすることで行われる。
【0021】後退段への切り換えは選択摺動式の切り換
え機構37の移動部材37aによりアイドラ歯車28a
を移動させ後退用の駆動歯車27aと従動歯車27bと
に噛み合わせることで行うことができる。また、この自
動変速機はバイパスクラッチ31,32を有するので、
バイパスクラッチ31,32を介して動力を伝達しなが
ら変速操作を行うことができ、変速時のトルクの落ち込
みをなくすことができる。
【0022】自動変速機は前進6段の変速段を有し、第
1速から第3速までが低速段群、第4速から第6速まで
が高速段群となっており、低速段群において変速操作が
なされるときには、第1のバイパスクラッチ31を係合
状態として入力軸11から出力軸12にトルクの伝達が
行われる。一方、高速段群における変速操作および第3
速と第4速との間で変速操作がなされるときには、第2
のバイパスクラッチ32を係合状態としてトルクの伝達
が行われる。このように、2つのバイパスクラッチ3
1,32により変速段に応じてトルク伝達経路が別系統
となっているので、変速操作時にバイパスクラッチ3
1,32を経由する伝達トルクとそれぞれの変速段によ
る駆動トルクとの差を小さく設定することができる。
【0023】出力軸12はディファレンシャル装置(図
示しない)に連結される。ディファレンシャル装置を介
し駆動輪出力軸(図示しない)に動力が伝達され、駆動
輪を駆動し走行することができる。
【0024】エンジン10にはエンジントルクやエンジ
ン回転数を調整する電子制御スロットルが設けられてお
り、通常はアクセルペダル(図示しない)の踏み込み量
に応じた電子制御装置からの出力信号により電子制御ス
ロットルを開閉してエンジン制御が行われる。また、電
子制御スロットルは必要に応じてアクセルペダルの踏み
込みに関係なく、検出された運転状態により予め設定さ
れたマップなどに基づいて開閉されエンジン制御を行う
ことが可能である。
【0025】図3は図1の自動変速機の作動を制御する
ための油圧制御回路の一例を示すブロック図である。図
3に示すように、自動変速機は第1のバイパスクラッチ
31を作動するための第1のバイパスクラッチアクチュ
エータ53と第2のバイパスクラッチ32を作動するた
めの第2のバイパスクラッチアクチュエータ56とを有
している。さらに、自動変速機は複数の変速段の中から
動力伝達を行う変速段を選択し切り換え動作を行うため
に、シフトアクチュエータ50とセレクトアクチュエー
タ51とを有している。シフトアクチュエータ50とセ
レクトアクチュエータ51との切り換え動作は方向変換
機構(図示しない)を介して3つの切り換え機構35,
36,37の切り換え移動に伝達される。
【0026】シフトアクチュエータ50の切り換え動作
は、図3に示す矢印Cの方向への変速段の切り換え動作
として方向変換機構により伝達される。すなわち変速段
を第1速と第2速のいずれか、第4速と第5速のいずれ
か、または後退段に切り換えるための動作であり、最終
的にはシンクロスリーブ35b,36bとアイドラ歯車
28aとにおける切り換え移動の動作となる。
【0027】セレクトアクチュエータ51の切り換え動
作は、図3に示す矢印Bの方向への変速段の切り換え動
作として方向変換機構により伝達される。すなわちシフ
トアクチュエータ50の切り換え動作の伝達対象を決め
るための動作となり、具体的にはシンクロスリーブ35
b、シンクロスリーブ36b、またはアイドラ歯車28
aのいずれにシフトアクチュエータ50の切り換え動作
を伝達するかを決めるための動作となる。
【0028】シフトアクチュエータ50の動作が第1の
切り換え機構35に伝達されるとき、シフトアクチュエ
ータ50はシンクロスリーブ35bをスプライン41に
噛み合わせて第1速に設定する位置と、スプライン42
に噛み合わせて第2速に設定する位置と、これらのスプ
ライン41,42に噛み合わない中立位置とに作動す
る。第2の切り換え機構36に伝達されるときにも第4
速、第5速および中立位置の3つの位置に作動する。ま
た、アイドラ歯車28aの切り換え移動を行う第3の切
り換え機構37に伝達されるときには、アイドラ歯車2
8aを後退用の駆動歯車27aと従動歯車27bとに噛
み合わせて後退段に設定する位置と、駆動歯車27aと
従動歯車27bとに噛み合わない中立位置との2つの位
置に作動する。シフトアクチュエータ50は、油圧制御
装置52によって作動が制御される。この油圧制御装置
52からは第1と第2のバイパスクラッチアクチュエー
タ53,56に対しても油圧が供給されるようになって
いる。
【0029】この変速機では各種アクチュエータを駆動
する作動油は、電動モータ60によって駆動されるオイ
ルポンプ61から供給される。電動モータ60はECU
62により制御され、オイルポンプ61からの吐出圧で
あるライン圧は圧力センサ63により監視されている。
【0030】ECU62にはインヒビタスイッチ64、
シフトストロークセンサ65、入力軸回転数センサ6
6、ブレーキスイッチ67などから信号が入力される。
ECU62はインヒビタスイッチ64からの信号に基づ
き運転者が選択したセレクトレバーの位置を検出し、シ
フトストロークセンサ65からの信号によりシフトアク
チュエータ50およびセレクトアクチュエータ51によ
る所定の変速段に切り換えが終了したことを確認する。
また、入力軸回転数センサ66から入力軸11の回転数
を検出し、ブレーキスイッチ67により車室に設けられ
たブレーキペダル71の操作状況を検出する。これらの
検出データから車両の運転状況を検出し、必要に応じて
電動モータ60に駆動信号を出力し、油圧系68によっ
て各アクチュエータを駆動制御する。
【0031】ECU62は圧力センサ63によりオイル
ポンプ61から供給されるライン圧を常時監視している
ため、油圧が所定値以上となった場合には電動モータ6
0を停止する。各種変速動作が行われて油圧が消費さ
れ、油圧が所定値以下となった場合は再び電動モータ6
0を駆動する。オイルポンプ61より供給される作動油
の一部はアキュムレータ69に蓄圧され、ライン圧の安
定化を図るとともに、オイルポンプ61の故障等、油圧
系68に障害が生じた場合にあっても最低限の非常動作
が可能となっている。
【0032】作動油は電磁制御弁を介して各種アクチュ
エータに供給される。すなわち、オイルポンプ61から
供給された作動油は、電磁圧力制御弁VA1を介して第
1のバイパスクラッチアクチュエータ53に、電磁圧力
制御弁VA2を介して第2のバイパスクラッチアクチュ
エータ56に供給される。さらに、電磁切換弁VA3と
電磁切換弁VA4とを介してセレクトアクチュエータ5
1に作動油が供給され、電磁圧力制御弁VA5と電磁圧
力制御弁VA6とを介してシフトアクチュエータ50に
も作動油が供給される。
【0033】電磁切換弁VA3と電磁切換弁VA4とを
制御し、セレクトアクチュエータ51を駆動することで
図3に示す矢印B方向への変速準備の動作が行われる。
そして、電磁圧力制御弁VA5と電磁圧力制御弁VA6
とを制御しシフトアクチュエータ50を駆動すること
で、矢印C方向への変速の動作が行われる。
【0034】この場合、セレクトアクチュエータ51を
電磁切換弁VA3,VA4により制御するのに対し、シ
フトアクチュエータ50を制御するのに電磁圧力制御弁
VA5,VA6を用いるのは、アクチュエータの作動対
象の違いからである。セレクトアクチュエータ51の制
御方向である矢印B方向に制御するときには、3つの位
置に制御できれば良いのに対して、シフトアクチュエー
タ50の制御方向である矢印C方向に制御するときには
シンクロメッシュ機構を作動させることになり、単に油
圧のON/OFF制御ではシンクロによる同期がはかれ
ずシンクロメッシュ機構を損傷する恐れがあるばかり
か、作動音についても出やすくなる。そのため供給油圧
の微調整が可能な電磁圧力制御弁VA5,VA6を使用
し、シフトアクチュエータ50の作動初期は強く、シン
クロ同期時は中程度、作動終期は弱く制御している。
【0035】なお、オイルポンプ61の駆動を電動モー
タ60としているが、トルクコンバータ15に設けられ
クランク軸13の回転により駆動されるオイルポンプ7
0を使用しても良い。
【0036】図1の変速機における変速段の切り換え動
作について、変速機を中立とするニュートラルから第1
速、ニュートラルから後退段への切り換え動作、シンク
ロ機構を用いる第1速から第2速、第4速から第5速へ
の変速段の切り換え動作、バイパスクラッチを用いる第
3速または第6速を介する切り換え動作の順に説明す
る。
【0037】変速段の切り換え動作はECU62により
制御される。まず、エンジン10が始動されセレクトレ
バーによりニュートラルが選択されると、入力軸11が
クランク軸13とほぼ同じ回転数で回転駆動されるのに
対し、出力軸12には駆動が伝達されずに停止した状態
となる。次に、セレクトレバーにより後退が選択される
とアイドラ歯車28aが作動するのであるが、入力軸1
1と出力軸12との回転差が大きいために歯車の噛み合
いが困難となる。そこで、はじめに第1のバイパスクラ
ッチ31と第2のバイパスクラッチ32とを同時に係合
し入力軸11および出力軸12の回転を停止させ、第3
の切り換え機構37によりアイドラ歯車28aを移動し
て停止している後退段の駆動歯車27aと従動歯車27
bとに噛み合わせることで後退段の切り換えを可能とす
る。
【0038】図4は入力軸11を停止させる際のバイパ
スクラッチ係合トルク、入力軸回転数、および変速段の
関係図である。なお横軸については時間の経過を示す。
【0039】2つのバイパスクラッチ31,32を係合
した場合には、第6速のギヤ列は出力軸12を増速作用
するのに対して第3速のギヤ列は出力軸12を減速作用
するため、出力軸12および入力軸11の回転は停止す
ることになる。このとき、2つのバイパスクラッチ3
1,32を係合するトルクがずれると出力軸12が前進
方向に回転するために、それぞれの係合トルクの比がギ
ヤ列の変速比の逆数となるようにトルクを立ち上げる。
すなわち第3速に設けられた第1のバイパスクラッチ3
1の係合トルクをT3b、第6速に設けられた第2のバ
イパスクラッチ32の係合トルクをT6b、第3速のギ
ヤ列の変速比をI3、第6速のギヤ列の変速比をI6と
したとき、T3b/T6b=I6/I3となるように係
合トルクを立ち上げることで出力軸トルクが打ち消し合
い、出力軸12が前進方向に回転することを防止するこ
とができる。
【0040】入力軸11が停止したことを入力軸回転数
センサ66により検出し、ECU62より電磁切換弁V
A3,VA4へ信号が出力され、シフトアクチュエータ
50による動作の伝達対象がアイドラ歯車28aの移動
となる。シフトアクチュエータ50の作動前には、2つ
のバイパスクラッチ31,32のトルクバランスが崩れ
たことによる車両の前進を防ぐため、ブレーキスイッチ
67によりブレーキペダル71が踏まれ車両が制動状態
になったことを確認してから、ECU62より電磁圧力
制御弁VA5,VA6に信号が出力される。油圧が供給
されシフトアクチュエータ50が作動しアイドラ歯車2
8aを移動させ、後退段のギヤ列がアイドラ歯車28a
を介して噛み合うことになる。またギヤの端面が偶然に
当接して噛み合わないときには、電磁圧力制御弁VA1
信号が出力され第1のバイパスクラッチ31の係合トル
クを減少させることにより、入力軸11がわずかに回転
することで噛み合わせることができる。なお第2のバイ
パスクラッチ32の係合トルクを変化させ入力軸11を
わずかに回転させても良い。
【0041】ニュートラルから第1速への切り換えにあ
っても、入力軸11を停止させる上述の制御がなされた
後、第1の切り換え機構35を作動させて停止した第1
速の従動歯車21bに一体形成されたスプライン41に
シンクロスリーブ35bを噛み合わせることで第1速へ
の切り換えが可能となる。
【0042】第1速から第2速への変速段の切り換え動
作が行われるときには、ECU62より電磁切換弁VA
3,VA4へ信号が出力され、シフトアクチュエータ5
0による動作の伝達対象が第1の切り換え機構35とな
る。ECU62より電磁圧力制御弁VA1へ信号が出力
され、第1のバイパスクラッチ31の係合が開始され
る。そして伝達トルク容量を徐々に増加するように制御
し、同時にエンジン回転数を第2速の変速比に応じた回
転数まで低下させる。バイパスクラッチ31の係合が開
始されると、ECU62より電磁圧力制御弁VA5,V
A6に信号が出力され、シフトアクチュエータ50が作
動し、シンクロスリーブ35bがスプライン42に向け
て作動する。スプライン41との噛み合わせが徐々に解
放され、中立位置を経てスプライン42と噛み合い始め
る。ここでシンクロスリーブ35bが噛み合い始めたと
同時に、第1のバイパスクラッチ31の伝達トルク容量
が徐々に低下するように制御され、噛み合いが完了する
と同時にバイパスクラッチ31が解放される。
【0043】このように切り換え動作が行われること
で、出力軸12に対する伝達トルクが常に発生するた
め、トルクの伝達が中断されない滑らかな変速が可能と
なる。第4速から第5速への変速段の切り換え動作が行
われるときについても、第2のバイパスクラッチ32を
使用することで同様の制御が可能となる。
【0044】第2速から第3速への変速段の切り換え動
作が行われるときには、ECU62より電磁圧力制御弁
VA1へ信号が出力され、第1のバイパスクラッチ31
の係合が開始される。そして伝達トルク容量を徐々に増
加するように制御し、同時にエンジン回転数を第3速の
変速比に応じた回転数まで低下させる。バイパスクラッ
チ31の係合が開始されると、ECU62より電磁圧力
制御弁VA5,VA6に信号が出力され、シフトアクチ
ュエータ50が作動し、シンクロスリーブ35bが中立
位置に向けて作動する。スプライン42との噛み合わせ
が徐々に解放され、シンクロスリーブ35bが完全に解
放されると同時に第1のバイパスクラッチ31が係合す
る。なお、第5速から第6速への切り換え動作について
も、第2のバイパスクラッチ32を使用することで同様
の制御が可能となる。
【0045】第3速から第4速への切り換え動作につい
ても、第1のバイパスクラッチ31を解放し始めたとこ
ろで、第2のバイパスクラッチ32を係合し始め、第2
の切り換え機構36により第4速に切り換えを完了した
ところで第2のバイパスクラッチ32の解放が完了する
ように制御することで可能となる。
【0046】上述したように切り換え動作を行うことに
より、入力クラッチを有しない自動変速機であっても、
複数のバイパスクラッチ31,32を係合することによ
り入力軸11の回転を停止させてニュートラルから第1
速または後退段への切り換えを滑らかに行うことができ
る。変速段の切り換え時にはバイパスクラッチを係合す
ることで出力軸12に対する伝達トルクが常に発生し、
トルクの伝達が中断されない滑らかな変速が可能とな
る。さらに、変速時に係合状態とするバイパスクラッチ
31,32を変速段に応じて選択することで、出力軸1
2への伝達トルクが変速段に応じて確保され変速段全域
において滑らかな変速が可能となる。
【0047】本発明は前記実施の形態に限定されるもの
ではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能で
あることはいうまでもない。たとえば、2つのバイパス
クラッチ31,32は入力軸11に設けられているが、
共に出力軸12に設けても良く、一方を入力軸11に設
け他方を出力軸12に設けても良い。変速段の切り換え
機構35,36としては、シンクロメッシュ機構が使用
されているが、ドッククラッチ切り換えなどを用いるよ
うにしても良い。図示する実施の形態の場合には前進6
段となっているが、変速段は任意の段数とすることがで
きる。図示する自動変速機はFF車、FR車および四輪
駆動車に適用することができ、自動変速機はエンジンル
ームに縦置きとしても良く、横置きとしても良い。
【0048】
【発明の効果】本発明によれば、複数のバイパスクラッ
チを有するAMTにおいて、入力クラッチを設けなくと
も、あるいは引きずり抵抗の大きな入力クラッチを設け
ていてもニュートラルから第1速、またはニュートラル
から後退段に変速段の切り換えを滑らかに行うことがで
きる。車両が誤作動発進することなくニュートラルから
後退段に変速段の切り換えを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態である油圧制御装置を有
する自動変速機を示すスケルトン図である。
【図2】図1におけるA−A線方向から見た歯車の噛み
合い状態を示すスケルトン図である。
【図3】図1の自動変速機を駆動するための油圧制御回
路の一例を示すブロック図である。
【図4】入力軸を停止させる際のバイパスクラッチ係合
トルク、入力軸回転数、および変速段の関係図である。
【符号の説明】
11 入力軸 12 出力軸 21a,22a,23a,24a,25a,26a,2
7a 駆動歯車 21b,22b,23b,24b,25b,26b,2
7b 従動歯車 28 アイドラ軸 28a アイドラ歯車 31 第1のバイパスクラッチ 32 第2のバイパスクラッチ 35 第1の切り換え機構 36 第2の切り換え機構 37 第3の切り換え機構 67 ブレーキスイッチ 71 ブレーキペダル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3J552 MA04 MA05 MA12 MA26 NA01 NB01 PA03 RA20 RB02 SA07 SA15 SA26 SA60 SB38 SB40 VA32Z VD11W

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の駆動歯車が設けられた入力軸と、
    前記駆動歯車と噛み合う複数の従動歯車が設けられた出
    力軸と、前記入力軸と前記出力軸との間に配置され、車
    両の運転モードとして後退段が選択されたときに前記入
    力軸および前記出力軸にそれぞれ設けられた後退用の歯
    車に係合する後退用アイドラ歯車とを有する自動変速機
    であって、 前記駆動歯車と前記従動歯車とにより形成される複数の
    変速ギヤ列のうち動力を伝達する変速ギヤ列を切り換え
    る切り換え機構と、 前記入力軸の動力を前記出力軸に対して選択的に伝達お
    よび遮断する複数のバイパスクラッチと、 変速機が中立の状態より第1速または後退段に切り換え
    動作を行うときには、前記複数のバイパスクラッチを係
    合させて前記入力軸を停止させた状態で前記切り換え機
    構を作動させる制御手段とを有することを特徴とする自
    動変速機。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の自動変速機において、ブ
    レーキペダルが踏まれたときに後退段に切り換え動作を
    行うことを特徴とする自動変速機。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008069902A (ja) * 2006-09-15 2008-03-27 Nissan Motor Co Ltd 自動変速機
JP2010078119A (ja) * 2008-09-29 2010-04-08 Honda Motor Co Ltd 変速制御装置
JP2015052394A (ja) * 2014-10-31 2015-03-19 トヨタ自動車株式会社 車両用変速機の制御装置
JP2016148353A (ja) * 2015-02-10 2016-08-18 トヨタ自動車株式会社 変速制御装置

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