JP2002310005A - ガソリンエンジンシステム - Google Patents

ガソリンエンジンシステム

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JP2002310005A
JP2002310005A JP2001116871A JP2001116871A JP2002310005A JP 2002310005 A JP2002310005 A JP 2002310005A JP 2001116871 A JP2001116871 A JP 2001116871A JP 2001116871 A JP2001116871 A JP 2001116871A JP 2002310005 A JP2002310005 A JP 2002310005A
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carbon atoms
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substituted isomers
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Application number
JP2001116871A
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English (en)
Inventor
Masaki Nagao
正基 長尾
Tadatoshi Sone
忠豪 曽根
Akihiro Ohashi
章浩 大橋
Haruhisa Ota
晴久 太田
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Eneos Corp
Original Assignee
Nippon Oil Corp
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

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  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)
  • Liquid Carbonaceous Fuels (AREA)
  • Lubricants (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 主として精密な電子制御化によって燃料の供
給を行うガソリン自動車において、排出ガス浄化能力、
燃費特性、運転性能を最高レベルまでバランス良く引き
出すことができるような燃料油組成物とエンジン油組成
物との最適な組み合わせを提供する。 【解決手段】 数平均分子量1000〜3000の成分
を10質量%以上含有し、少なくとも1個の塩基性窒素
を持つ清浄分散剤を組成物全量基準で0.01〜10質
量%含有する燃料油組成物と、重量平均分子量3000
〜15000のコハク酸イミド及び/又はその誘導体を
組成物全量基準で1〜15質量%含有するエンジン油組
成物とを組み合わせて使用することを特徴とするガソリ
ンエンジンシステム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃料油組成物とエ
ンジン油組成物とを組み合わせて使用するガソリンエン
ジンシステムに関する。更に詳しくは、本発明は、ガソ
リンエンジンからの環境汚染物質の排出量を低減し、さ
らにはガソリンエンジンの耐久性を向上させることがで
きる燃料油組成物とエンジン油組成物とを組み合わせて
使用する方法に関する。
【0002】
【従来技術】省資源及び地球温暖化抑制の観点から世界
的に化石燃料の使用を減らすことが求められており、ガ
ソリン自動車に対しては燃費の向上が最大の課題となっ
ている。また、都市部の中にはNOxなどの汚染物質が
環境基準を達成していない地域もあり、ガソリン自動車
に対してもさらなる汚染物質の低減が求められている。
このような要求に対して、自動車においては、排出ガス
浄化装置の触媒の能力を増強したり、燃料の供給に際し
ては燃料噴射時期や燃料噴射量等をより精密に電子制御
することが必要になる。そして、排出ガス浄化能力とと
もに燃費特性、運転性能を最高レベルまでバランスよく
引き出すためには、その燃料であるガソリンやエンジン
オイルについてもその品質が共に優れたバランスで最適
化されていることが望ましい。しかしながら、これら各
種性能をバランス良く満たすように最適化されたガソリ
ンとエンジンオイルの組み合わせは現在まで提案されて
いない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
状況を鑑み、主として精密な電子制御化によって燃料の
供給を行うガソリン自動車において、排出ガス浄化能
力、燃費特性、運転性能を最高レベルまでバランス良く
引き出すことができるような燃料油組成物とエンジン油
組成物との最適な組み合わせで使用する方法を提供する
ことを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、数平均分子量
1000〜3000の成分を10質量%以上含有し、少
なくとも1個の塩基性窒素を持つ清浄分散剤を組成物全
量基準で0.01〜10質量%含有する燃料油組成物
と、重量平均分子量3000〜15000のコハク酸イ
ミド及び/又はその誘導体を組成物全量基準で1〜15
質量%含有するエンジン油組成物とを組み合わせて使用
することを特徴とするガソリンエンジンシステムにあ
る。
【0005】
【発明の実施の形態】先ず、本発明で用いる燃料油組成
物を説明する。本発明で用いる燃料油組成物は、無鉛ガ
ソリンに数平均分子量1000〜3000の成分を10
質量%以上含有し、かつ少なくとも1個の塩基性窒素を
持つ清浄分散剤を含有してなるものである。このような
清浄分散剤としては、例えば、コハク酸イミド系化合
物、ポリアルキルアミン系化合物、及びポリエーテルア
ミン系化合物等を挙げることができる。本発明では、ポ
リブテニルアミン系化合物及び/又はポリエーテルアミ
ン系化合物を用いることが好ましい。
【0006】上記ポリブテニルアミン系化合物は、n−
ブテン、2−ブテンおよびイソブテンの中から選ばれた
少なくとも1種を重合させたポリブテン化合物の末端を
アミンで修飾した化合物である。そしてポリブテニルア
ミン系化合物を構成するポリブテン部分としては、n−
ブテン、2−ブテンおよびイソブテンの中から選ばれた
1種のみを用いた単独重合体でもよく、2種以上を用い
た共重合体であっても良い。共重合体には、ランダム共
重合体、交互重合体、あるいはブロック共重合体が含ま
れる。本発明においては、より優れた清浄性が得られる
ことから、イソブテンを用いることが好ましい。また、
ポリブテニルアミン系化合物を構成するアミン部分の窒
素原子には、水素原子の他、炭化水素基、アルカノール
基等の含酸素基、アミノアルキル基等の含窒素基などが
結合していてもよい。本発明に用いるポリブテニルアミ
ン系化合物としては、具体的には例えば、下記一般式
(1)で表される化合物が挙げられる。
【0007】
【化1】
【0008】(一般式(1)において、Aは、n−ブチ
ル基、sec−ブチル基又はtert−ブチル基を示
し、R1、R2、R3およびR4はそれぞれ別個に、水素原
子、メチル基またはエチル基を示し、かつR1、R2、R
3およびR4の合計炭素数が2であり、Bは下記式(2)
〜(7)の何れかで表される基を示し、R5およびR6
それぞれ別個に水素原子、炭素数1〜10の炭化水素
基、炭素数1〜8のアルカノール基または下記一般式
(8)で表される基を示し、そしてmは1〜100の整
数を示す。)
【0009】
【化2】
【0010】
【化3】
【0011】(一般式(8)において、R7は、炭素数
1〜4のアルキレン基を示し、R8は水素原子または炭
素数1〜4のアルキル基を示し、R9は水素原子または
炭素数1〜10の炭化水素基を示し、そしてnは1〜5
の整数を示す。)
【0012】以下に一般式(1)で示されるポリブテニ
ルアミン系化合物を詳述する。上記Aは、より優れた清
浄性が得られることから、tert−ブチル基であるこ
とが好ましい。また、より優れた清浄性が得られること
から、上記R1およびR3が水素原子であり、かつR2
よびR4がメチル基である場合、またはR1およびR3
メチル基であり、かつR2およびR4が水素原子である場
合が好ましい。
【0013】なお、下記式(9)で表される基は、下記
式(10)で表される基を構成単位とする、一般式
(1)で表されるポリブテニルアミン化合物の重合骨格
を示す。
【0014】
【化4】
【0015】上記式(1)および(9)において、m個
の上記式(10)で表される基は同一分子中で同じでも
異なっていてもよい。つまり、上記式(1)で表される
化合物および上記式(9)で表される基は、単独重合体
であっても、共重合体であっても良い。共重合体は、ラ
ンダム共重合体であっても、交互重合体であっても、ブ
ロック共重合体であっても良い。
【0016】上記Bは、より優れた清浄性が得られるこ
とから、式(2)または式(6)で表される基であるこ
とが好ましく、式(6)で表される基であることがより
好ましい。
【0017】上記R5およびR6は、それぞれ別個に水素
原子、炭素数1〜10の炭化水素基、炭素数1〜8のア
ルカノール基または上記一般式(8)で表される基を示
す。R5およびR6で表される炭素数1〜10の炭化水素
基としては、炭素数1〜10の直鎖状または分枝状のア
ルキル基、炭素数5〜10のシクロアルキル基またはア
ルキルシクロアルキル基、炭素数2〜10の直鎖状また
は分枝状のアルケニル基、炭素数6〜10のアリール基
またはアルキルアリール基、炭素数7〜10のアリール
アルキル基が挙げられる。
【0018】炭素数1〜10のアルキル基としては、具
体的には例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル
基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s
ec−ブチル基、tert−ブチル基、直鎖または分枝
ペンチル基、直鎖または分枝ヘキシル基、直鎖または分
枝ヘプチル基、直鎖または分枝オクチル基、直鎖または
分枝ノニル基、及び直鎖または分枝デシル基などが挙げ
られる。
【0019】炭素数5〜10のシクロアルキル基または
アルキルシクロアルキル基としては、具体的には例え
ば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプ
チル基、メチルシクロペンチル基、ジメチルシクロペン
チル基(すべての置換異性体を含む)、エチルシクロペ
ンチル基(すべての置換異性体を含む)、直鎖または分
枝プロピルシクロペンチル基(すべての置換異性体を含
む)、エチルメチルシクロペンチル基(すべての置換異
性体を含む)、トリメチルシクロペンチル基(すべての
置換異性体を含む)、ジエチルシクロペンチル基(すべ
ての置換異性体を含む)、エチルジメチルシクロペンチ
ル基(すべての置換異性体を含む)、直鎖または分枝プ
ロピルメチルシクロペンチル基(すべての置換異性体を
含む)、直鎖または分枝プロピルエチルシクロペンチル
基(すべての置換異性体を含む)、メチルシクロヘキシ
ル基(すべての置換異性体を含む)、ジメチルシクロヘ
キシル基(すべての置換異性体を含む)、エチルシクロ
ヘキシル基(すべての置換異性体を含む)、直鎖または
分枝プロピルシクロヘキシル基(すべての置換異性体を
含む)、エチルメチルシクロヘキシル基(すべての置換
異性体を含む)、トリメチルシクロヘキシル基(すべて
の置換異性体を含む)、ジエチルシクロヘキシル基(す
べての置換異性体を含む)、エチルジメチルシクロヘキ
シル基(すべての置換異性体を含む)、直鎖または分枝
プロピルメチルシクロヘキシル基(すべての置換異性体
を含む)、メチルシクロヘプチル基(すべての置換異性
体を含む)、ジメチルシクロヘプチル基(すべての置換
異性体を含む)、エチルシクロヘプチル基(すべての置
換異性体を含む)、直鎖または分枝プロピルシクロヘプ
チル基(すべての置換異性体を含む)、エチルメチルシ
クロヘプチル基(すべての置換異性体を含む)、及びト
リメチルシクロヘプチル基(すべての置換異性体を含
む)などが挙げられる。
【0020】炭素数2〜10のアルケニル基としては、
具体的には例えば、エテニル基、n−プロペニル基、イ
ソプロペニル基、n−ブテニル基、イソブテニル基、s
ec−ブテニル基、tert−ブテニル基、直鎖または
分枝ペンテニル基、直鎖または分枝ヘキセニル基、直鎖
または分枝ヘプテニル基、直鎖または分枝オクテニル
基、直鎖または分枝ノネニル基、及び直鎖または分枝デ
セニル基などが挙げられる。
【0021】炭素数6〜10のアリール基またはアルキ
ルアリール基としては、例えば、フェニル基、トリル基
(すべての置換異性体を含む)、キシリル基(すべての
置換異性体を含む)、エチルフェニル基(すべての置換
異性体を含む)、直鎖または分枝プロピルフェニル基
(すべての置換異性体を含む)、エチルメチルフェニル
基(すべての置換異性体を含む)、トリメチルフェニル
基(すべての置換異性体を含む)、直鎖または分枝ブチ
ルフェニル基 (すべての置換異性体を含む)、直鎖ま
たは分枝プロピルメチルフェニル基(すべての置換異性
体を含む)、ジエチルフェニル基(すべての置換異性体
を含む)、エチルジメチルフェニル基(すべての置換異
性体を含む)、及びテトラメチルフェニル基(すべての
置換異性体を含む)などが挙げられる。
【0022】炭素数7〜10のアルキルアリール基とし
ては、具体的には例えば、ベンジル基、メチルベンジル
基(すべての置換異性体を含む)、ジメチルベンジル基
(すべての置換異性体を含む)、フェネチル基、メチル
フェネチル基(すべての置換異性体を含む)、及びジメ
チルフェネチル基(すべての置換異性体を含む)などが
挙げられる。
【0023】上記R5およびR6で表される炭素数1〜8
のアルカノール基としては、具体的には例えば、ヒドロ
キシメチル基、ヒドロキシエチル基、直鎖または分枝ヒ
ドロキシプロピル基、直鎖または分枝ヒドロキシブチル
基、直鎖または分枝ヒドロキシペンチル基、直鎖または
分枝ヒドロキシヘキシル基、直鎖または分枝ヒドロキシ
ヘプチル基、直鎖または分枝ヒドロキシオクチル基、直
鎖または分枝ヒドロキシノニル基、及び直鎖または分枝
ヒドロキシデシル基等が挙げられる。
【0024】次に一般式(8)で表される基を説明す
る。上記R7で表される炭素数1〜4のアルキレン基と
しては、具体的には例えば、メチレン基、エチレン基、
プロピレン基(1−メチルエチレン基、2−メチルエチ
レン基)、トリメチレン基、ブチレン基(1−エチルエ
チレン基、2−エチルエチレン基)、1,2−ジメチル
エチレン基、2,2−ジメチルエチレン基、1−メチル
トリメチレン基、2−メチルトリメチレン基、3−メチ
ルトリメチレン基、及びテトラメチレン基などを挙げる
ことができる。より優れた清浄性が得られることから、
7は、好ましくは、炭素数1〜3のアルキレン基であ
り、具体的には、メチレン基、エチレン基、プロピレン
基(1−メチルエチレン基、2−メチルエチレン基)又
はトリメチレン基である。
【0025】上記R8で表される炭素数1〜4のアルキ
ル基としては、具体的には例えば、メチル基、エチル
基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、
イソブチル基、sec−ブチル基及びtert−ブチル
基などが挙げられる。R8は、より優れた清浄性が得ら
れることから、好ましくは水素原子又は炭素数1〜3の
アルキル基であり、水素原子、メチル基またはエチル基
であること更に好ましく、水素原子であることが最も好
ましい。
【0026】上記R9で表される炭素数1〜10の炭化
水素基は、前記R5およびR6で表される炭素数1〜10
の炭化水素基と同じ基を挙げることができる。これらの
中でもよりすぐれた清浄性が得られることから、水素原
子又は炭素数1〜3のアルキル基であり、水素原子、メ
チル基またはエチル基であることが更に好ましく、水素
原子であることが最も好ましい。一般式(8)における
nは、よりすぐれた清浄性が得られることから、1、2
又は3であることが好ましく、より好ましくは1又は2
であり、1であることが最も好ましい。なお、一般式
(8)で表される基において、その構成単位(―R7
(R8)−)は、一種(単独重合)からなるものであっ
てもよいし、あるいは二種以上(共重合)からなるもの
であってもよい。そして二種以上の構成単位からなる場
合には、それらの構成単位はランダム結合、交互結合、
あるいはブロック結合のいずれの結合形態を採ることが
できる。
【0027】一般式(1)において、R5およびR6は、
より優れた清浄性が得られることから、それぞれ別個に
水素原子または一般式(8)で表される基であることが
好ましい。
【0028】次にポリエーテルアミン系化合物を説明す
る。本発明で用いるポリエーテルアミン系化合物は、少
なくとも1種以上のエポキシ化合物を重合させたポリエ
ーテル化合物の末端をアミンで修飾した化合物である。
ポリエーテルアミン系化合物を構成するポリエーテル部
分としては、1種のみを用いた単独重合体でもよく、2
種以上を用いた共重合体であっても良い。共重合体に
は、ランダム共重合体、交互重合体、あるいはブロック
共重合体が含まれる。また、ポリエーテルアミン系化合
物を構成するアミン部分の窒素原子には、水素原子の
他、炭化水素基、アルカノール基等の含酸素基、アミノ
アルキル基等の含窒素基などが結合していてもよい。
【0029】本発明に用いるポリエーテルアミン系化合
物としては、具体的には例えば、下記一般式(11)で
表される化合物が挙げられる。一般式(11)で表され
る化合物は、ガソリンエンジンにおける吸気系を清浄に
保持する能力に優れ、特にエンジンの冷機時などの過酷
な条件下において優れた清浄効果を発揮し、しかもそれ
自身はスラッジ化することがないという点で本発明に好
ましく使用することができる。
【0030】
【化5】
【0031】(一般式(11)において、R11は水素原
子または炭素数1〜30の炭化水素基を示し、R12、R
13、R14およびR15はそれぞれ別個に水素原子、炭素数
1〜16の炭化水素基または下記一般式(12)で表さ
れる基を示し、R16は炭素数1〜10の炭化水素基を示
し、ZはA群の中から選ばれる基を示し、Xは下記のB
群の中から選れる基を示し、aは1〜200の整数であ
り、bは0または1であり、cは0または1であり、d
は1〜3、eは0〜2の整数で、かつd+e=3であ
る。)
【0032】
【化6】 (一般式(12)において、R17およびR18はそれぞれ
個別に水素原子、炭素数1〜10の炭化水素基または炭
素数2〜10のアルコキシアルキル基を示し、R19は炭
素数2〜6のアルキレン基、又はアルコキシアルキル基
を置換基として有する総炭素数4〜10のアルキレン基
を示し、R20は水素原子または炭素数1〜30の炭化水
素基を示し、fは0〜50の整数を示す。)
【0033】A群 A1:−O−CO− A2:−CO− A3:−O−CO−R21− A4:−O−CO−O−R22− A5:−CO−O−R23− (R21、R22、及びR23はそれぞれ別個に炭素数1〜6
のアルキレン基を示す)
【0034】B群 B1:水素原子 B2:炭素数1〜30の炭化水素基 B3:一般式(13)で表されるアルカノール基 −R24−OH (13) (一般式(13)において、R24は炭素数1〜6のアル
キレン基を示す。) B4:一般式(14)で表される含窒素基
【0035】
【化7】
【0036】(一般式(14)において、R25は、炭素
数2〜6のアルキレン基を示し、R 26は水素原子、炭素
数1〜4のアルキル基または上記一般式(13)で表さ
れる基を示し、R27は水素原子、炭素数1〜30の炭化
水素基または上記一般式(13)で表される基を示し、
gは1〜5の整数を示す。) B5:一般式(15)で表される基
【0037】
【化8】
【0038】(一般式(15)において、R28は、炭素
数2〜6のアルキレン基を示し、R 29、R30、R31およ
びR32はそれぞれ別個に水素原子、炭素数1〜10の炭
化水素基またはヒドロキシル基を示し、Yはメチレン
基、炭素数1〜10の炭化水素基もしくはヒドロキシル
基で置換されたメチレン基、イミノ基、炭素数1〜10
の炭化水素基もしくはヒドロキシル基で置換されたイミ
ノ基または酸素原子を示し、hはe=1の場合は1であ
り、e=2の場合は0または1である(但し、h=0の
場合、一般式(15)中のN(窒素原子)は、一般式
(1)中のN(窒素原子)に該当する)
【0039】一般式(11)で表されるポリエーテルア
ミン化合物を詳述する。上記R11は、水素原子または炭
素数1〜30の炭化水素基を示すが、R11は水素原子で
あるか、あるいは炭素数1〜24の直鎖状または分枝状
のアルキル基、炭素数5〜13のシクロアルキル基また
はアルキルシクロアルキル基、炭素数2〜24の直鎖状
または分枝状のアルケニル基、炭素数6〜18のアリー
ル基またはアルキルアリール基、炭素数7〜19のアリ
ールアルキル基などのいずれかであることが好ましい。
【0040】上記R11として好ましいアルキル基として
は、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イ
ソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−
ブチル基、tert−ブチル基、直鎖または分枝ペンチ
ル基、直鎖または分枝ヘキシル基、直鎖または分枝ヘプ
チル基、直鎖または分枝オクチル基、直鎖または分枝ノ
ニル基、直鎖または分枝デシル基、直鎖または分枝ウン
デシル基、直鎖または分枝ドデシル基、直鎖または分枝
トリデシル基、直鎖または分枝テトラデシル基、直鎖ま
たは分枝ペンタデシル基、直鎖または分枝ヘキサデシル
基、直鎖または分枝ヘプタデシル基、直鎖または分枝オ
クタデシル基、直鎖または分枝ノナデシル基、直鎖また
は分枝イコシル基、直鎖または分枝ヘンイコシル基、直
鎖または分枝ドコシル基、直鎖または分枝トリコシル
基、直鎖または分枝テトラコシル基などが挙げられる。
【0041】上記R11として好ましいシクロアルキル基
としては、例えばシクロペンチル基、シクロヘキシル
基、シクロヘプチル基などを挙げることができ、また好
ましいアルキルシクロアルキル基としては、例えば、メ
チルシクロペンチル基、ジメチルシクロペンチル基(す
べての置換異性体を含む)、エチルシクロペンチル基
(すべての置換異性体を含む)、直鎖または分枝プロピ
ルシクロペンチル基(すべての置換異性体を含む)、エ
チルメチルシクロペンチル基(すべての置換異性体を含
む)、トリメチルシクロペンチル基(すべての置換異性
体を含む)、ジエチルシクロペンチル基(すべての置換
異性体を含む)、エチルジメチルシクロペンチル基(す
べての置換異性体を含む)、直鎖または分枝プロピルメ
チルシクロペンチル基(すべての置換異性体を含む)、
直鎖または分枝プロピルエチルシクロペンチル基(すべ
ての置換異性体を含む)、ジ−直鎖または分枝プロピル
シクロペンチル基(すべての置換異性体を含む)、直鎖
または分枝プロピルエチルメチルシクロペンチル基(す
べての置換異性体を含む)、メチルシクロヘキシル基
(すべての置換異性体を含む)、ジメチルシクロヘキシ
ル基(すべての置換異性体を含む)、エチルシクロヘキ
シル基(すべての置換異性体を含む)、直鎖または分枝
プロピルシクロヘキシル基(すべての置換異性体を含
む)、エチルメチルシクロヘキシル基(すべての置換異
性体を含む)、トリメチルシクロヘキシル基(すべての
置換異性体を含む)、ジエチルシクロヘキシル基(すべ
ての置換異性体を含む)、エチルジメチルシクロヘキシ
ル基(すべての置換異性体を含む)、直鎖または分枝プ
ロピルメチルシクロヘキシル基(すべての置換異性体を
含む)、直鎖または分枝プロピルエチルシクロヘキシル
基(すべての置換異性体を含む)、ジ−直鎖または分枝
プロピルシクロヘキシル基(すべての置換異性体を含
む)、直鎖または分枝プロピルエチルメチルシクロヘキ
シル基(すべての置換異性体を含む)、メチルシクロヘ
プチル基(すべての置換異性体を含む)、ジメチルシク
ロヘプチル基(すべての置換異性体を含む)、エチルシ
クロヘプチル基(すべての置換異性体を含む)、直鎖ま
たは分枝プロピルシクロヘプチル基(すべての置換異性
体を含む)、エチルメチルシクロヘプチル基(すべての
置換異性体を含む)、トリメチルシクロヘプチル基(す
べての置換異性体を含む)、ジエチルシクロヘプチル基
(すべての置換異性体を含む)、エチルジメチルシクロ
ヘプチル基(すべての置換異性体を含む)、直鎖または
分枝プロピルメチルシクロヘプチル基(すべての置換異
性体を含む)、直鎖または分枝プロピルエチルシクロヘ
プチル基(すべての置換異性体を含む)、ジ−直鎖また
は分枝プロピルシクロヘプチル基(すべての置換異性体
を含む)、直鎖または分枝プロピルエチルメチルシクロ
ヘプチル基(すべての置換異性体を含む)などが挙げら
れる。
【0042】上記R11として好ましいアルケニル基とし
ては、例えば、ビニル基、プロペニル基、イソプロペニ
ル基、直鎖または分枝ブテニル基、ブタジエニル基、直
鎖または分枝ペンテニル基、直鎖または分枝ヘキセニル
基、直鎖または分枝ヘプテニル基、直鎖または分枝オク
テニル基、直鎖または分枝ノネニル基、直鎖または分枝
デセニル基、直鎖または分枝ウンデセニル基、直鎖また
は分枝ドデセニル基、直鎖または分枝トリデセニル基、
直鎖または分枝テトラデセニル基、直鎖または分枝ペン
タデセニル基、直鎖または分枝ヘキサデセニル基、直鎖
または分枝ヘプタデセニル基、オレイル基などの直鎖ま
たは分枝オクタデセニル基、直鎖または分枝ノナデセニ
ル基、直鎖または分枝イコセニル基、直鎖または分枝ヘ
ンイコセニル基、直鎖または分枝ドコセニル基、直鎖ま
たは分枝トリコセニル基、直鎖または分枝テトラコセニ
ル基などが挙げられる。
【0043】上記R11として好ましいアリール基として
は、例えば、フェニル基、ナフチル基などを挙げること
ができる。また好ましいアルキルアリール基としては、
例えば、トリル基(すべての置換異性体を含む)、キシ
リル基(すべての置換異性体を含む)、エチルフェニル
基(すべての置換異性体を含む)、直鎖または分枝プロ
ピルフェニル基(すべての置換異性体を含む)、エチル
メチルフェニル基(すべての置換異性体を含む)、トリ
メチルフェニル基(すべての置換異性体を含む)、直鎖
または分枝ブチルフェニル基 (すべての置換異性体を
含む)、直鎖または分枝プロピルメチルフェニル基(す
べての置換異性体を含む)、ジエチルフェニル基(すべ
ての置換異性体を含む)、エチルジメチルフェニル基
(すべての置換異性体を含む)、テトラメチルフェニル
基(すべての置換異性体を含む)、直鎖または分枝ペン
チルフェニル基(すべての置換異性体を含む)、直鎖ま
たは分枝ヘキシルフェニル基(すべての置換異性体を含
む)、直鎖または分枝ヘプチルフェニル基(すべての置
換異性体を含む)、直鎖または分枝オクチルフェニル基
(すべての置換異性体を含む)、直鎖または分枝ノニル
フェニル基(すべての置換異性体を含む)、直鎖または
分枝デシルフェニル基(すべての置換異性体を含む)、
直鎖または分枝ウンデシルフェニル基(すべての置換異
性体を含む)、直鎖または分枝ドデシルフェニル基(す
べての置換異性体を含む)などが包含され、同じく好ま
しいアリールアルキル基には、ベンジル基、メチルベン
ジル基(すべての置換異性体を含む)、ジメチルベンジ
ル基(すべての置換異性体を含む)、フェネチル基、メ
チルフェネチル基(すべての置換異性体を含む)、ジメ
チルフェネチル基(すべての置換異性体を含む)などが
挙げられる。
【0044】これらの中でも、R11が水素原子、炭素数
1〜12の直鎖状もしくは分枝状のアルキル基、炭素数
6〜18のアリール基またはアルキルアリール基である
場合がより好ましく、特に、水素原子、炭素数1〜6の
直鎖状もしくは分枝状のアルキル基、フェニル基または
炭素数7〜15の直鎖もしくは分枝アルキルアリール基
である場合が一層好ましく、水素原子である場合が最も
好ましい。
【0045】一般式(11)におけるR12、R13、R14
およびR15は、それぞれ個別に水素原子、炭素数1〜1
6の炭化水素基または一般式(12)で表される基を示
す。上記炭素数1〜16の炭化水素基には、炭素数1〜
16の直鎖状または分枝状のアルキル基、炭素数5〜1
6のシクロアルキル基またはアルキルシクロアルキル
基、炭素数2〜16の直鎖状または分枝状のアルケニル
基、炭素数6〜16のアリール基またはアルキルアリー
ル基、及び炭素数7〜16のアリールアルキル基などが
包含される。
【0046】上記好ましいアルキル基としては、例え
ば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピ
ル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル
基、tert−ブチル基、直鎖または分枝ペンチル基、
直鎖または分枝ヘキシル基、直鎖または分枝ヘプチル
基、直鎖または分枝オクチル基、直鎖または分枝ノニル
基、直鎖または分枝デシル基、直鎖または分枝ウンデシ
ル基、直鎖または分枝ドデシル基、直鎖または分枝トリ
デシル基、直鎖または分枝テトラデシル基、直鎖または
分枝ペンタデシル基、直鎖または分枝ヘキサデシル基な
どが挙げられる。
【0047】上記好ましいシクロアルキル基としては、
例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロ
ヘプチル基などが挙げられる。また、上記好ましいアル
キルシクロアルキル基としては、例えば、メチルシクロ
ペンチル基(すべての置換異性体を含む)、ジメチルシ
クロペンチル基(すべての置換異性体を含む)、エチル
シクロペンチル基(すべての置換異性体を含む)、直鎖
または分枝プロピルシクロペンチル基(すべての置換異
性体を含む)、エチルメチルシクロペンチル基(すべて
の置換異性体を含む)、トリメチルシクロペンチル基
(すべての置換異性体を含む)、ジエチルシクロペンチ
ル基(すべての置換異性体を含む)、エチルジメチルシ
クロペンチル基 (すべての置換異性体を含む)、直鎖
または分枝プロピルメチルシクロペンチル基(すべての
置換異性体を含む)、直鎖または分枝プロピルエチルシ
クロペンチル基(すべての置換異性体を含む)、メチル
シクロヘキシル基(すべての置換異性体を含む)、ジメ
チルシクロヘキシル基(すべての置換異性体を含む)、
エチルシクロヘキシル基(すべての置換異性体を含
む)、直鎖または分枝プロピルシクロヘキシル基(すべ
ての置換異性体を含む)、エチルメチルシクロヘキシル
基(すべての置換異性体を含む)、トリメチルシクロヘ
キシル基(すべての置換異性体を含む)、ジエチルシク
ロヘキシル基(すべての置換異性体を含む)、エチルジ
メチルシクロヘキシル基(すべての置換異性体を含
む)、直鎖または分枝プロピルメチルシクロヘキシル基
(すべての置換異性体を含む)、メチルシクロヘプチル
基(すべての置換異性体を含む)、ジメチルシクロヘプ
チル基(すべての置換異性体を含む)、エチルシクロヘ
プチル基(すべての置換異性体を含む)、直鎖または分
枝プロピルシクロヘプチル基(すべての置換異性体を含
む)、エチルメチルシクロヘプチル基(すべての置換異
性体を含む)、トリメチルシクロヘプチル基(すべての
置換異性体を含む)などが挙げられる。
【0048】上記好ましいアルケニル基としては、ビニ
ル基、プロペニル基、イソプロペニル基、直鎖または分
枝ブテニル基、ブタジエニル基、直鎖または分枝ペンテ
ニル基、直鎖または分枝ヘキセニル基、直鎖または分枝
ヘプテニル基、直鎖または分枝オクテニル基、直鎖また
は分枝ノネニル基、直鎖または分枝デセニル基、直鎖ま
たは分枝ウンデセニル基、直鎖または分枝ドデセニル
基、直鎖または分枝トリデセニル基、直鎖または分枝テ
トラデセニル基、直鎖または分枝ペンタデセニル基、直
鎖または分枝ヘキサデセニル基などが挙げられる。
【0049】上記好ましいアリール基としては、例え
ば、フェニル基、ナフチル基などが挙げられる。また好
ましいアルキルアリール基としては、例えば、トリル基
(すべての置換異性体を含む)、キシリル基(すべての
置換異性体を含む)、エチルフェニル基(すべての置換
異性体を含む)、直鎖または分枝プロピルフェニル基
(すべての置換異性体を含む)、エチルメチルフェニル
基(すべての置換異性体を含む)、トリメチルフェニル
基(すべての置換異性体を含む)、直鎖または分枝ブチ
ルフェニル基(すべての置換異性体を含む)、直鎖また
は分枝プロピルメチルフェニル基(すべての置換異性体
を含む)、ジエチルフェニル基(すべての置換異性体を
含む)、エチルジメチルフェニル基(すべての置換異性
体を含む)、テトラメチルフェニル基(すべての置換異
性体を含む)などが挙げられる。そして、好ましいアリ
ールアルキル基としては、ベンジル基、メチルベンジル
基(すべての置換異性体を含む)、ジメチルベンジル基
(すべての置換異性体を含む)、フェネチル基、メチル
フェネチル基(すべての置換異性体を含む)、ジメチル
フェネチル基(すべての置換異性体を含む)などが挙げ
られる。
【0050】上記R12、R13、R14およびR15で表され
る炭素数1〜16の炭化水素基の中でも、炭素数1〜8
の直鎖または分枝状のアルキル基がより一層好ましく、
特に炭素数1〜3の直鎖または分枝状のアルキル基が最
も好ましい。ただし、窒素原子を含有する極性基の極性
が大きい場合には、炭素数8〜16の炭化水素基を全分
子中に1個ないし数個含有することが好ましい。
【0051】一般式(11)におけるR12、R13、R14
およびR15で表される一般式(12)を説明する。一般
式(12)のR17およびR18はそれぞれ個別に、水素原
子、炭素数1〜10の炭化水素基または炭素数2〜10
のアルコキシアルキル基を示す。上記炭素数1〜10の
炭化水素基には、炭素数1〜10の直鎖状または分枝状
のアルキル基、炭素数5〜10のシクロアルキル基また
はアルキルシクロアルキル基、炭素数2〜10の直鎖状
または分枝状のアルケニル基、炭素数6〜10のアリー
ル基またはアルキルアリール基、及び炭素数7〜10の
アリールアルキル基などが包含される。
【0052】上記好ましいアルキル基としては、例え
ば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピ
ル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル
基、tert−ブチル基、直鎖または分枝ペンチル基、
直鎖または分枝ヘキシル基、直鎖または分枝ヘプチル
基、直鎖または分枝オクチル基、直鎖または分枝ノニル
基、直鎖または分枝デシル基などが挙げられる。
【0053】上記好ましいシクロアルキル基としては、
例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロ
ヘプチル基などが挙げられる。また上記好ましいアルキ
ルシクロアルキル基としては、例えば、メチルシクロペ
ンチル基(すべての置換異性体を含む)、ジメチルシク
ロペンチル基(すべての置換異性体を含む)、エチルシ
クロペンチル基(すべての置換異性体を含む)、直鎖ま
たは分枝プロピルシクロペンチル基(すべての置換異性
体を含む)、エチルメチルシクロペンチル基(すべての
置換異性体を含む)、トリメチルシクロペンチル基(す
べての置換異性体を含む)、ジエチルシクロペンチル基
(すべての置換異性体を含む)、エチルジメチルシクロ
ペンチル基 (すべての置換異性体を含む)、直鎖また
は分枝プロピルメチルシクロペンチル基(すべての置換
異性体を含む)、直鎖または分枝プロピルエチルシクロ
ペンチル基(すべての置換異性体を含む)、メチルシク
ロヘキシル基(すべての置換異性体を含む)、ジメチル
シクロヘキシル基(すべての置換異性体を含む)、エチ
ルシクロヘキシル基(すべての置換異性体を含む)、直
鎖または分枝プロピルシクロヘキシル基(すべての置換
異性体を含む)、エチルメチルシクロヘキシル基(すべ
ての置換異性体を含む)、トリメチルシクロヘキシル基
(すべての置換異性体を含む)、ジエチルシクロヘキシ
ル基(すべての置換異性体を含む)、エチルジメチルシ
クロヘキシル基(すべての置換異性体を含む)、直鎖ま
たは分枝プロピルメチルシクロヘキシル基(すべての置
換異性体を含む)、メチルシクロヘプチル基(すべての
置換異性体を含む)、ジメチルシクロヘプチル基(すべ
ての置換異性体を含む)、エチルシクロヘプチル基(す
べての置換異性体を含む)、直鎖または分枝プロピルシ
クロヘプチル基(すべての置換異性体を含む)、エチル
メチルシクロヘプチル基(すべての置換異性体を含
む)、トリメチルシクロヘプチル基(すべての置換異性
体を含む)などが挙げられる。
【0054】上記好ましいアルケニル基としては、例え
ば、ビニル基、プロペニル基、イソプロペニル基、直鎖
または分枝ブテニル基、ブタジエニル基、直鎖または分
枝ペンテニル基、直鎖または分枝ヘキセニル基、直鎖ま
たは分枝ヘプテニル基、直鎖または分枝オクテニル基、
直鎖または分枝ノネニル基、直鎖または分枝デセニル基
などが挙げられる。
【0055】上記好ましいアリール基としては、例え
ば、フェニル基、ナフチル基などが挙げられる。また上
記好ましいアルキルアリール基としては、トリル基(す
べての置換異性体を含む)、キシリル基(すべての置換
異性体を含む)、エチルフェニル基(すべての置換異性
体を含む)、直鎖または分枝プロピルフェニル基(すべ
ての置換異性体を含む)、エチルメチルフェニル基(す
べての置換異性体を含む)、トリメチルフェニル基(す
べての置換異性体を含む)、直鎖または分枝ブチルフェ
ニル基(すべての置換異性体を含む)、直鎖または分枝
プロピルメチルフェニル基(すべての置換異性体を含
む)、ジエチルフェニル基(すべての置換異性体を含
む)、エチルジメチルフェニル基(すべての置換異性体
を含む)、テトラメチルフェニル基(すべての置換異性
体を含む)などが挙げられる。そして、好ましいアリー
ルアルキル基としては、ベンジル基、メチルベンジル基
(すべての置換異性体を含む)、ジメチルベンジル基
(すべての置換異性体を含む)、フェネチル基、メチル
フェネチル基(すべての置換異性体を含む)、ジメチル
フェネチル基(すべての置換異性体を含む)などが挙げ
られる。
【0056】上記炭素数2〜10のアルコキシアルキル
基としては、例えば、メトキシメチル基、エトキシメチ
ル基、n−プロポキシメチル基、イソプロポキシメチル
基、n−ブトキシメチル基、イソブトキシメチル基、s
ec−ブトキシメチル基、tert−ブトキシメチル
基、ペントキシメチル基(すべての異性体を含む)、ヘ
キソキシメチル基(すべての異性体を含む)、ヘプトキ
シメチル基(すべての異性体を含む)、オクトキシメチ
ル基(すべての異性体を含む)、ノニロキシメチル基
(すべての異性体を含む)、メトキシエチル基(すべて
の異性体を含む)、エトキシエチル基(すべての異性体
を含む)、プロポキシエチル基(すべての異性体を含
む)、ブトキシエチル基(すべての異性体を含む)、ペ
ントキシエチル基(すべての異性体を含む)、ヘキソキ
シエチル基(すべての異性体を含む)、ヘプトキシエチ
ル基(すべての異性体を含む)、オクトキシエチル基
(すべての異性体を含む)、メトキシプロピル基(すべ
ての異性体を含む)、エトキシプロピル基(すべての異
性体を含む)、プロポキシプロピル基(すべての異性体
を含む)、ブトキシプロピル基(すべての異性体を含
む)、ペントキシプロピル基(すべての異性体を含
む)、ヘキソキシプロピル基(すべての異性体を含
む)、ヘプトキシプロピル基(すべての異性体を含
む)、メトキシブチル基(すべての異性体を含む)、エ
トキシブチル基(すべての異性体を含む)、プロポキシ
ブチル基(すべての異性体を含む)、ブトキシブチル基
(すべての異性体を含む)、ペントキシブチル基(すべ
ての異性体を含む)、ヘキソキシブチル基(すべての異
性体を含む)、メトキシペンチル基(すべての異性体を
含む)、エトキシペンチル基(すべての異性体を含
む)、プロポキシペンチル基(すべての異性体を含
む)、ブトキシペンチル基(すべての異性体を含む)、
ペントキシペンチル基(すべての異性体を含む)、メト
キシヘキシル基(すべての異性体を含む)、エトキシヘ
キシル基(すべての異性体を含む)、プロポキシヘキシ
ル基(すべての異性体を含む)、ブトキシヘキシル基
(すべての異性体を含む)、メトキシヘプチル基(すべ
ての異性体を含む)、エトキシヘプチル基(すべての異
性体を含む)、プロポキシヘプチル基(すべての異性体
を含む)、メトキシオクチル基 (すべての異性体を含
む)、エトキシオクチル基(すべての異性体を含む)、
メトキシノニル基(すべての異性体を含む)などが挙げ
られる。
【0057】一般式(12)におけるR17およびR18
共に、または個別に水素原子、炭素数1〜6のアルキル
基または炭素数2〜6のアルコキシアルキル基であるこ
とが好ましく、特に水素原子または炭素数1〜3のアル
キル基であることがより一層好ましい。
【0058】一般式(12)におけるR19は炭素数2〜
6のアルキレン基を示すか、またはアルコキシアルキル
基を置換基として有する総炭素数4〜10のアルキレン
基を示す。上記炭素数2〜6のアルキレン基としては、
例えば、エチレン基、プロピレン基(1−メチルエチレ
ン基、2−メチルエチレン基)、トリメチレン基、ブチ
レン基(1−エチルエチレン基、2−エチルエチレン
基)、1,2−ジメチルエチレン基、2,2−ジメチル
エチレン基、1−メチルトリメチレン基、2−メチルト
リメチレン基、3−メチルトリメチレン基、テトラメチ
レン基、ペンチレン基(1−ブチルエチレン基、2−ブ
チルエチレン基)、1−エチル−1−メチルエチレン
基、1−エチル−2−メチルエチレン基、1,1,2−
トリメチルエチレン基、1,2,2−トリメチルエチレ
ン基、1−エチルトリメチレン基、2−エチルトリメチ
レン基、3−エチルトリメチレン基、1,1−ジメチル
トリメチレン基、1,2−ジメチルトリメチレン基、
1,3−ジメチルトリメチレン基、2,3−ジメチルト
リメチレン基、3,3−ジメチルトリメチレン基、1−
メチルテトラメチレン基、2−メチルテトラメチレン
基、3−メチルテトラメチレン基、4−メチルテトラメ
チレン基、ペンタメチレン基、ヘキシレン基(1−ブチ
ルエチレン基、2−ブチルエチレン基)、1−メチル−
1−プロピルエチレン基、1−メチル−2−プロピルエ
チレン基、2−メチル−2−プロピルエチレン基、1,
1−ジエチルエチレン基、1,2−ジエチルエチレン
基、2,2−ジエチルエチレン基、1−エチル−1,2
−ジメチルエチレン基、1−エチル−2,2−ジメチル
エチレン基、2−エチル−1,1−ジメチルエチレン
基、2−エチル−1,2−ジメチルエチレン基、1,
1,2,2−テトラメチルエチレン基、1−プロピルト
リメチレン基、2−プロピルトリメチレン基、3−プロ
ピルトリメチレン基、1−エチル−1−メチルトリメチ
レン基、1−エチル−2−メチルトリメチレン基、1−
エチル−3−メチルトリメチレン基、2−エチル−1−
メチルトリメチレン基、2−エチル−2−メチルトリメ
チレン基、2−エチル−3−メチルトリメチレン基、3
−エチル−1−メチルトリメチレン基、3−エチル−2
−メチルトリメチレン基、3−エチル−3−メチルトリ
メチレン基、1,1,2−トリメチルトリメチレン基、
1,1,3−トリメチルトリメチレン基、1,2,2−
トリメチルトリメチレン基、1,2,3−トリメチルト
リメチレン基、1,3,3−トリメチ ルトリメチレン
基、2,2,3−トリメチルトリメチレン基、2,3,
3−トリメチルトリメチレン基、1−エチルテトラメチ
レン基、2−エチルテトラメチレン基、3−エチルテト
ラメチレン基、4−エチルテトラメチレン基、1,1−
ジメチルテトラメチレン基、1,2−ジメチルテトラメ
チレン基、1,3−ジメチルテトラメチレン基、1,4
−ジメチルテトラメチレン基、2,2−ジメチルテトラ
メチレン基、2,3−ジメチルテトラメチレン基、2,
4−ジメチルテトラメチレン基、3,3−ジメチルテト
ラメチレン基、3,4−ジメチルテトラメチレン基、
4,4−ジメチルテトラメチレン基、1−メチルペンタ
メチレン基、2−メチルペンタメチレン基、3−メチル
ペンタメチレン基、4−メチルペンタメチレン基、5−
メチルペンタメチレン基、ヘキサメチレン基などが挙げ
られる。
【0059】また、上記R19で表される、アルコキシア
ルキル置換の総炭素数4〜10のアルキレン基として
は、例えば、1−(メトキシメチル)エチレン基、2−
(メトキシメチル)エチレン基、1−(メトキシエチ
ル)エチレン基、2−(メトキシエチル)エチレン基、
1−(エトキシメチル)エチレン基、2−(エトキシメ
チル)エチレン基、1−メトキシメチル−2−メチルエ
チレン基、1,1−ビス(メトキシメチル)エチレン
基、2,2−ビス(メトキシメチル)エチレン基、1,
2−ビス(メトキシメチル)エチレン基、1,1−ビス
(メトキシエチル)エチレン基、2,2−ビス(メトキ
シエチル)エチレン基、1,2−ビス(メトキシエチ
ル)エチレン基、1,1−ビス(エトキシメチル)エチ
レン基、2,2−ビス(エトキシメチル)エチレン基、
1,2−ビス(エトキシメチル)エチレン基、1−メチ
ル−2−メトキシメチルエチレン基、1−メトキシメチ
ル−2−メチルエチレン基、1−エチル−2−メトキシ
メチルエチレン基、1−メトキシメチル−2−エチルエ
チレン基、1−メチル−2−エトキシメチルエチレン
基、1−エトキシメチル−2−メチルエチレン基、1−
エチル−2−エトキシメチルエチレン基、1−エトキシ
メチル−2−エチルエチレン基、1−メチル−2−メト
キシエチルエチレン基、1−メトキシエチル−2−メチ
ルエチレン基、1−エチル−2−メトキシエチルエチレ
ン基、1−メトキシエチル−2−エチルエチレン基など
で例示される総炭素数2〜8のアルコキシアルキル置換
エチレン基が好ましい例として挙げられる。
【0060】一般式(12)のR19は、炭素数2〜4の
アルキレン基、あるいは総炭素数2〜6のアルコキシア
ルキル置換エチレン基であることが特に好ましい。
【0061】一般式(12)におけるR20は、水素原子
または炭素数1〜30の炭化水素基を示すが、R20は水
素原子であるか、あるいは上記R11について先に説明し
た炭素数1〜24の直鎖状または分枝状のアルキル基、
炭素数2〜24の直鎖状または分枝状のアルケニル基、
炭素数5〜13のシクロアルキル基またはアルキルシク
ロアルキル基、炭素数6〜18のアリール基またはアル
キルアリール基、炭素数7〜19のアリールアルキル基
のいずれかであることが好ましい。R20は炭素数1〜2
4のアルキル基であることがより一層好ましく、炭素数
1〜12のアルキル基であることが特に好ましい。
【0062】一般式(12)におけるfは0〜50の範
囲の任意の整数であるが、好ましくは0〜30、より好
ましくは0〜20の整数である。
【0063】一般式(12)で表される基は、R17およ
びR18がそれぞれ個別に水素原子、炭素数1〜6のアル
キル基または炭素数2〜6のアルコキシアルキル基であ
り、R19が炭素数2〜6のアルキレン基または総炭素数
2〜8のアルコキシアルキル置換エチレン基であり、R
20が炭素数1〜24のアルキル基であり、かつfが0〜
30の整数であるものが好ましい。以下、このような基
(一般式(12)で表される基を指す)を、便宜上、「好
ましい置換基群(2a)」と呼ぶ。更に一般式(12)で
表される基は、R17およびR18それぞれ個別に水素原子
または炭素数1〜3のアルキル基であり、R19が炭素数
2〜4のアルキレン基であり、R20が炭素数1〜12の
アルキル基であり、かつfが0〜20の整数であるもの
がより一層好ましい。以下、このような基(一般式
(2)で表される基を指す)を、便宜上、「より好まし
い置換基群(2b)」と呼ぶ。
【0064】本発明に用いる一般式(11)で表される
化合物は、R12、R13、R14およびR15が、それぞれ水
素原子または炭素数1〜8のアルキル基または上記の
「好ましい置換基群(2a)」であることが好ましい。さ
らに、R12、R13、R14およびR15が、それぞれ水素原
子または炭素数1〜3のアルキル基または上記の「より
好ましい置換基群(2b)」であることがより好ましい。
また、R12、R13、R14およびR15のうちの少なくとも
1つが、一般式(12)で表される基であることが好ま
しく、R12、R13、R14およびR15の1つが一般式(1
2)で表される基であり、他の3つがそれぞれ個別に水
素原子または炭素数1〜16の炭化水素基であることが
より好ましい。
【0065】一般式(11)におけるR16は、炭素数1
〜10の炭化水素基を示すが、その炭化水素基には、R
17およびR18について先に説明した炭素数1〜10の直
鎖状または分枝状のアルキル基、炭素数2〜10の直鎖
状または分枝状のアルケニル基、炭素数5〜10のシク
ロアルキル基またはアルキルシクロアルキル基、炭素数
6〜10のアリール基またはアルキルアリール基、炭素
数7〜10のアリールアルキル基などが包含される。上
記R16は、炭素数1〜6のアルキレン基が好ましく、さ
らには炭素数3〜6のアルキレン基が好ましく、具体的
には、トリメチレン基、1−メチルトリメチレン基、2
−メチルトリメチレン基、3−メチルトリメチレン基、
テトラメチレン基、1−メチルテトラメチレン基、2−
メチルテトラメチレン基、3−メチルテトラメチレン
基、4−メチルテトラメチレン基、ペンタメチレン基、
1−メチルペンタメチレン基、2−メチルペンタメチレ
ン基、3−メチルペンタメチレン基、4−メチルペンタ
メチレン基、5−メチルペンタメチレン基、ヘキサメチ
レン基などを好ましい例としてあげることができる。
【0066】一般式(11)におけるZは、下記A群中
から選ばれる基を示す。 A群 A1:−O−CO− A2:−CO− A3:−O−CO−R21− A4:−O−CO−O−R22− A5:−CO−O−R23− (上記R21、R22、及びR23は各々別個に炭素数1〜6
のアルキレン基を示す)
【0067】上記A群のR21、R22、及びR23で表され
る炭素数1〜6のアルキレン基としては、例えば、メチ
レン基、エチレン基、プロピレン基(1−メチルエチレ
ン基、2−メチルエチレン基)、トリメチレン基、ブチ
レン基(1−エチルエチレン基、2−エチルエチレン
基)、1,2−ジメチルエチレン基、2,2−ジメチル
エチレン基、1−メチルトリメチレン基、2−メチルト
リメチレン基、3−メチルトリメチレン基、テトラメチ
レン基、ペンチレン基(1−ブチルエチレン基、2−ブ
チルエチレン基)、1−エチル−1−メチルエチレン
基、1−エチル−2−メチルエチレン基、1,1,2−
トリメチルエチレン基、1,2,2−トリメチルエチレ
ン基、1−エチルトリメチレン基、2−エチルトリメチ
レン基、3−エチルトリメチレン基、1,1−ジメチル
トリメチレン基、1,2−ジメチルトリメチレン基、
1,3−ジメチルトリメチレン基、2,3−ジメチルト
リメチレン基、3,3−ジメチルトリメチレン基、1−
メチルテトラメチレン基、2−メチルテトラメチレン
基、3−メチルテトラメチレン基、4−メチルテトラメ
チレン基、ペンタメチレン基、ヘキシレン基(1−ブチ
ルエチレン基、2−ブチルエチレン基)、1−メチル−
1−プロピルエチレン基、1−メチル−2−プロピルエ
チレン基、2−メチル−2−プロピルエチレン基、1,
1−ジエチルエチレン基、1,2−ジエチルエチレン
基、2,2−ジエチルエチレン基、1−エチル−1,2
−ジメチルエチレン基、1−エチル−2,2−ジメチル
エチレン基、2−エチル−1,1−ジメチルエチレン
基、2−エチル−1,2−ジメチルエチレン基、1,
1,2,2−テトラメチルエチレン基、1−プロピルト
リメチレン基、2−プロピルトリメチレン基、3−プロ
ピルトリメチレン基、1−エチル−1−メチルトリメチ
レン基、1−エチル−2−メチルトリメチレン基、1−
エチル−3−メチルトリメチレン基、2−エチル−1−
メチルトリメチレン基、2−エチル−2−メチルトリメ
チレン基、2−エチル−3−メチルトリメチレン基、3
−エチル−1−メチルトリメチレン基、3−エチル−2
−メチルトリメチレン基、3−エチル−3−メチルトリ
メチレン基、1,1,2−トリメチルトリメチレン基、
1,1,3−トリメチルトリメチレン基、1,2,2−
トリメチルトリメチレン基、1,2,3−トリメチルト
リメチレン基、1,3,3−トリメチルトリメチレン
基、2,2,3−トリメチルトリメチレン基、2,3,
3−トリメチルトリメチレン基、1−エチルテトラメチ
レン基、2−エチルテトラメチレン基、3−エチルテト
ラメチレン基、4−エチルテトラメチレン基、1,1−
ジメチルテトラメチレン基、1,2−ジメチルテトラメ
チレン基、1,3−ジメチルテトラメチレン基、1,4
−ジメチルテトラメチレン基、2,2−ジメチルテトラ
メチレン基、2,3−ジメチルテトラメチレン基、2,
4−ジメチルテトラメチレン基、3,3−ジメチルテト
ラメチレン基、3,4−ジメチルテトラメチレン基、
4,4−ジメチルテトラメチレン基、1−メチルペンタ
メチレン基、2−メチルペンタメチレン基、3−メチル
ペンタメチレン基、4−メチルペンタメチレン基、5−
メチルペンタメチレン基、及びヘキサメチレン基などが
挙げられる。
【0068】これらの中でもR21、R22、及びR23は、
それぞれ炭素数1〜4のアルキレン基であることが好ま
しく、具体的には、メチレン基、エチレン基、プロピレ
ン基(1−メチルエチレン基、2−メチルエチレン
基)、トリメチレン基、ブチレン基(1−エチルエチレ
ン基、2−エチルエチレン基)、1,2−ジメチルエチ
レン基、2,2−ジメチルエチレン基、1−メチルトリ
メチレン基、2−メチルトリメチレン基、3−メチルト
リメチレン基、又はテトラメチレン基などが好ましい。
さらにR21、R22、及びR23は、それぞれ炭素数1〜3
のアルキレン基、具体的にはメチレン基、エチレン基、
プロピレン基(1−メチルエチレン基、2−メチルエチ
レン基)またはトリメチレン基が最も好ましい。
【0069】一般式(11)のZは上記A群中でも、A
1、A2またはA4であることが好ましい。
【0070】一般式(11)において、aは1〜20
0、好ましくは2〜100の整数である。また、一般式
(11)においてbおよびcはそれぞれ個別に0または
1である。すなわち、b及びcが共に0の場合は下記一
般式(16)で表される化合物を表し、bが0でcが1
の場合は下記一般式(17)で表される化合物を表し、
bが1でcが0の場合は下記一般式(18)で表される
化合物を表し、b及びcが共に1の場合は下記一般式
(19)で表される化合物を表す。
【0071】
【化9】 (一般式(16)におけるR11、R12、R13、R14、R
15およびXは、それぞれ一般式(11)におけるR11
12、R13、R14、R15およびXと同一の基を示し、一
般式(16)におけるa、dおよびeもそれぞれ一般式
(11)におけるa、dおよびeと同一の整数を示
す。)
【0072】
【化10】 (一般式(17)におけるR11、R12、R13、R14、R
15、X、及びZは、それぞれ一般式(11)におけるR
11、R12、R13、R14、R15、X、及びZと同一の基を
示し、一般式(17)におけるa、dおよびeもそれぞ
れ一般式(11)におけるa、dおよびeと同一の整数
を示す。)
【0073】
【化11】 (一般式(18)におけるR11、R12、R13、R14、R
15、R16及びXは、それぞれ一般式(1)における
11、R12、R13、R14、R15、R16及びXと同一の基
を示し、一般式(18)におけるa、dおよびeもそれ
ぞれ一般式(11)におけるa、dおよびeと同一の整
数を示す。)
【0074】
【化12】 (一般式(19)におけるR11、R12、R13、R14、R
15、R16、X、及びZは、それぞれ一般式(11)にお
けるR11、R12、R13、R14、R15、R16、X、及びZ
と同一の基を示し、一般式(19)におけるa、dおよ
びeもそれぞれ一般式(11)におけるa、dおよびe
と同一の整数を示す。)
【0075】一般式(11)におけるcは、0である場
合が好ましい。一般式(11)におけるdは1、2又は
3、好ましくは1又は2である。eは0、1又は2、好
ましくは1又は2である。但し、d+eは3であり、最
も好ましくはd=1かつe=2である。なお、一般式
(11)で表されるポリエーテルアミン系化合物におい
て、dが2の場合は以下の一般式(20)で表される基
を1分子中に2個有するものであるが、この場合、それ
らの基は同一の構造であっても良く、また異なる構造で
あっても良い。
【0076】
【化13】
【0077】(一般式(20)におけるR11、R12、R
13、R14、R15、R16およびZは、それぞれ一般式(1
1)におけるR11、R12、R13、R14、R15、R16およ
びZと同一の基を示し、一般式(20)におけるa、b
およびcもそれぞれ一般式(11)におけるa、bおよ
びcと同一の整数を示す。)
【0078】一般式(11)において、Xは下記のB群
の中から選ばれる基を示す。 B群 B1:水素原子 B2:炭素数1〜30の炭化水素基 B3:一般式(13)で表されるアルカノール基 −R24−OH (13) (上記R24は、炭素数1〜6のアルキレン基を示す。) B4:一般式(14)で表される含窒素基
【0079】
【化14】
【0080】一般式(14)において、R25は炭素数2
〜6のアルキレン基を示し、R26は水素原子、炭素数1
〜4のアルキル基または上記一般式(13)で表される
基を示し、R27は水素原子、炭素数1〜30の炭化水素
基または上記一般式(13)で表される基を示し、gは
1〜5の整数を示す。 B5:一般式(15)で表される基
【0081】
【化15】
【0082】(一般式(15)において、R28は、炭素
数2〜6のアルキレン基を示し、R 29、R30、R31およ
びR32はそれぞれ別個に水素原子、炭素数1〜10の炭
化水素基またはヒドロキシル基を示し、Yはメチレン
基、炭素数1〜10の炭化水素基もしくはヒドロキシル
基で置換されたメチレン基、イミノ基、炭素数1〜10
の炭化水素基もしくはヒドロキシル基で置換されたイミ
ノ基または酸素原子を示し、hはe=1の場合は1であ
り、e=2の場合は0または1である(但し、h=0の
場合、一般式(15)中のN(窒素原子)は、一般式
(1)中のN(窒素原子)に該当する)
【0083】上記B2の炭素数1〜30の炭化水素基と
して好ましいものには、一般式(11)のR11について
先に説明した炭素数1〜24の直鎖状または分枝状のア
ルキル基、炭素数2〜24の直鎖状または分枝状のアル
ケニル基、炭素数5〜13のシクロアルキル基またはア
ルキルシクロアルキル基、炭素数6〜18のアリール基
またはアルキルアリール基、炭素数7〜19のアリール
アルキル基などが包含される。上記B2としては、炭素
数1〜12の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、また
は炭素数6〜12のアリール基もしくはアリールアルキ
ル基がより好ましく、特に炭素数1〜6の直鎖状もしく
は分岐状のアルキル基、フェニル基または炭素数7〜9
のアリールアルキル基が最も好ましい。
【0084】上記B3のアルカノール基を表す一般式
(13)において、R24で表される炭素数1〜6のアル
キレン基としては、具体的には上記A群で示した基の中
のR21、R22、及びR23として説明した基が挙げられ
る。これらの中でもR24としては、炭素数1〜4のアル
キレン基が好ましく、具体的には、メチレン基、エチレ
ン基、プロピレン基(1−メチルエチレン基、2−メチ
ルエチレン基)、トリメチレン基、ブチレン基(1−エ
チルエチレン基、2−エチルエチレン基)、1,2−ジ
メチルエチレン基、2,2−ジメチルエチレン基、1−
メチルトリメチレン基、2−メチルトリメチレン基、3
−メチルトリメチレン基、テトラメチレン基などが好ま
しい。さらにR24は、炭素数1〜3のアルキレン基、具
体的にはメチレン基、エチレン基、プロピレン基(1−
メチルエチレン基、2−メチルエチレン基)またはトリ
メチレン基が最も好ましい。
【0085】上記B4の含窒素基を表す一般式(14)
において、R25は、炭素数2〜6のアルキレン基を示す
が、このようなアルキレン基としては、具体的にはR19
として先に説明した基が挙げられる。これらの中でもR
25としては、炭素数2〜4のアルキレン基が好ましく、
具体的には、エチレン基、プロピレン基(1−メチルエ
チレン基、2−メチルエチレン基)、トリメチレン基、
ブチレン基(1−エチルエチレン基、2−エチルエチレ
ン基)、1,2−ジメチルエチレン基、2,2−ジメチ
ルエチレン基、1−メチルトリメチレン基、2−メチル
トリメチレン基、3−メチルトリメチレン基、テトラメ
チレン基などが好ましく、炭素数2〜3のアルキレン
基、具体的には、エチレン基、プロピレン基(1−メチ
ルエチレン基、2−メチルエチレン基)、トリメチレン
基がより好ましい。
【0086】一般式(14)におけるR26は、水素原
子、炭素数1〜4のアルキル基または上記一般式(1
3)で表される基を示す。炭素数1〜4のアルキル基と
しては、具体的には例えば、メチル基、エチル基、n−
プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチ
ル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基などが挙
げられるが、好ましくは炭素数1〜3のアルキル基が挙
げられ、メチル基またはエチル基であることがより好ま
しい。
【0087】一般式(14)におけるR27は、水素原
子、炭素数1〜30の炭化水素基または上記一般式(1
3)で表される基を示す。上記炭素数1〜30の炭化水
素基として好ましいものには、上記一般式(11)のR
11について先に説明した炭素数1〜24の直鎖状または
分枝状のアルキル基、炭素数2〜24の直鎖状または分
枝状のアルケニル基、炭素数5〜13のシクロアルキル
基またはアルキルシクロアルキル基、炭素数6〜18の
アリール基またはアルキルアリール基、炭素数7〜19
のアリールアルキル基などが包含される。上記R27は、
水素原子、炭素数1〜12の直鎖状もしくは分岐状のア
ルキル基、炭素数6〜12のアリール基もしくはアリー
ルアルキル基、または一般式(13)で表される基がよ
り好ましく、特に水素原子、炭素数1〜6の直鎖状もし
くは分岐状のアルキル基、フェニル基、炭素数7〜9の
アリールアルキル基または一般式(13)で表される基
が最も好ましい。
【0088】一般式(14)におけるgは1〜5、好ま
しくは1〜4、より好ましくは1〜3の整数である。な
お、一般式(14)で表される基において、その構成単
位(―R25N(R26)−)は、一種(単独重合)からな
るものであってもよいし、あるいは二種以上(共重合)
からなるものであってもよい。そして二種以上の構成単
位からなる場合には、それらの構成単位はランダム結
合、交互結合、あるいはブロック結合のいずれの結合形
態を採ることができる。
【0089】上記B4に類別される一般式(14)で表
される含窒素基は、R25が炭素数2〜4のアルキレン基
であり、R26が水素原子、炭素数1〜3のアルキル基ま
たは一般式(13)で表される基であり、R27が水素原
子、炭素数1〜12の直鎖状もしくは分岐状のアルキル
基、炭素数6〜12のアリール基もしくはアルキルアリ
ール基または一般式(3)で表される基であり、かつg
が1〜4の整数である場合が好ましく、R25がエチレン
基、プロピレン基(1−メチルエチレン基、2−メチル
エチレン基)またはトリメチレン基であり、R26が水素
原子、メチル基、エチル基または一般式(13)で表さ
れる基であり、R27が水素原子、炭素数1〜6の直鎖状
もしくは分岐状のアルキル基、フェニル基、炭素数7〜
9のアルキルアリール基または一般式(13)で表され
る基であり、かつgが1〜3の整数である場合が最も好
ましい。
【0090】上記B5に該当する一般式(15)で表さ
れる基において、R28は炭素数2〜6のアルキレン基を
示す。このアルキレン基としては、具体的には上記R25
として先に説明した基と同一の基が挙げられる。これら
の中でもR28としては、炭素数2〜4のアルキレン基が
好ましく、具体的には、エチレン基、プロピレン基(1
−メチルエチレン基、2−メチルエチレン基)、トリメ
チレン基、ブチレン基(1−エチルエチレン基、2−エ
チルエチレン基)、1,2−ジメチルエチレン基、2,
2−ジメチルエチレン基、1−メチルトリメチレン基、
2−メチルトリメチレン基、3−メチルトリメチレン
基、テトラメチレン基などが好ましく、炭素数2〜3の
アルキレン基、具体的には、エチレン基、プロピレン基
(1−メチルエチレン基、2−メチルエチレン基)また
はトリメチレン基がより好ましい。
【0091】一般式(15)におけるR29、R30、R31
およびR32は、それぞれ個別に水素原子、炭素数1〜1
0の炭化水素基またはヒドロキシル基を示す。炭素数1
〜10の炭化水素基としては、上記一般式(12)のR
17およびR18について先に説明した炭素数1〜10の直
鎖状または分枝状のアルキル基、炭素数2〜10の直鎖
状または分枝状のアルケニル基、炭素数5〜10のシク
ロアルキル基またはアルキルシクロアルキル基、炭素数
6〜10のアリール基またはアルキルアリール基、及び
炭素数7〜10のアリールアルキル基などが挙げられ
る。これらの中でも、R29、R30、R31およびR32がそ
れぞれ個別に水素原子、炭素数1〜6のアルキル基また
はヒドロキシル基である場合が好ましく、それぞれ個別
に水素原子、炭素数1〜3のアルキル基またはヒドロキ
シル基である場合がより好ましい。
【0092】一般式(15)におけるYは、メチレン
基、炭素数1〜10の炭化水素基もしくはヒドロキシル
基で置換されたメチレン基、イミノ基、炭素数1〜10
の炭化水素基もしくはヒドロキシル基で置換されたイミ
ノ基または酸素原子を示す。炭素数1〜10の炭化水素
基としては、上記一般式(12)のR17およびR18につ
いて先に説明した炭素数1〜10の直鎖状または分枝状
のアルキル基、炭素数2〜10の直鎖状または分枝状の
アルケニル基、炭素数5〜10のシクロアルキル基また
はアルキルシクロアルキル基、炭素数6〜10のアリー
ル基またはアルキルアリール基、炭素数7〜10のアリ
ールアルキル基などが挙げられるが、これらの中でも炭
素数1〜6のアルキル基が好ましく、炭素数1〜3のア
ルキル基がより好ましい。Yは、メチレン基、炭素数1
〜6のアルキル基もしくはヒドロキシル基で置換された
メチレン基、イミノ基、炭素数1〜6のアルキル基もし
くはヒドロキシル基で置換されたイミノ基または酸素原
子である場合が好ましく、イミノ基、炭素数1〜3のア
ルキル基もしくはヒドロキシル基で置換されたイミノ基
または酸素原子である場合が最も好ましい。
【0093】一般式(15)におけるhは、一般式(1
1)においてe=1の場合はh=1であり、一般式(1
1)においてe=2の場合はh=0またはh=1であ
る。ただし、e=2かつh=0の場合、一般式(15)
中のN(窒素)は一般式(11)中のN(窒素)でもあ
る。すなわち、e=2かつh=0の場合には、一般式
(13)で表されるように、当該化合物に含まれるN
(窒素)は一般式(15)が示す複素環を構成する一員
である。
【0094】
【化16】
【0095】(一般式(21)におけるR11、R12、R
13、R14、R15、R16およびZは、それぞれ一般式(1
1)におけるR11、R12、R13、R14、R15、R16およ
びZと同一の基を示し、一般式(21)におけるa、b
およびcは、それぞれ一般式(11)におけるa、bお
よびcと同一の整数を示し、一般式(21)におけるR
29、R30、R31、R32およびYは、それぞれ一般式(1
5)におけるR29、R 30、R31、R32およびYと同一の
基を表す。)
【0096】B5に類別される一般式(15)で表され
る基は、R28が炭素数2〜4のアルキレン基であり、R
29、R30、R31、R32がそれぞれ個別に水素原子、炭素
数1〜6のアルキル基またはヒドロキシル基であり、Y
がメチレン基、炭素数1〜6のアルキル基もしくはヒド
ロキシル基で置換されたメチレン基、イミノ基、炭素数
1〜6のアルキル基もしくはヒドロキシル基で置換され
たイミノ基または酸素原子であり、hがe=1の場合は
h=1であり、e=2の場合はh=0またはh=1(た
だしh=0の場合、一般式(15)中のN(窒素)は一
般式(11)中のN(窒素)でもある)であるものがよ
り好ましく、R28がエチレン基、プロピレン基(1−メ
チルエチレン基、2−メチルエチレン基)またはトリメ
チレン基であり、R29、R30、R31、R32がそれぞれ個
別に水素原子、炭素数1〜3のアルキル基またはヒドロ
キシル基であり、Yがイミノ基、炭素数1〜3のアルキ
ル基もしくはヒドロキシル基で置換されたイミノ基また
は酸素原子であり、hがe=1の場合はh=1であり、
e=2の場合はh=0またはh=1(ただしh=0の場
合、一般式(15)中のN(窒素)は一般式(11)中
のN(窒素)でもある)であるものが最も好ましい。
【0097】一般式(11)において、Xは上記B1〜
B5の中から任意に選ぶことができる。また、e=2の
場合、すなわち、2個のXが選ばれる場合、その二つは
同種であっても異種であっても差し支えない。XはB
1、B3、B4またはB5であることが好ましい。
【0098】以上、本発明に用いる含窒素化合物の好ま
しい例として一般式(11)で示される化合物を説明し
たが、一般式(11)で示される化合物は、下記の構成
であることが好ましい。一般式(11)におけるR11
水素原子または炭素数1〜12の直鎖状もしくは分枝状
のアルキル基であるか、あるいは炭素数6〜18のアリ
ール基もしくはアルキルアリール基であり、R12
13、R14およびR15が、水素原子または炭素数1〜8
のアルキル基または一般式(12)で表される基であ
り、一般式(12)ではR17およびR18がそれぞれ個別
に水素原子、炭素数1〜6のアルキル基または炭素数2
〜6のアルコキシアルキル基であり、R19が炭素数1〜
6のアルキレン基または総炭素数2〜8のアルコキシア
ルキル置換エチレン基であり、R20が炭素数1〜24の
アルキル基であり、かつfが0〜30の整数であり、R
16が炭素数1〜6のアルキレン基であり、R21、R22
及びR23がそれぞれ炭素数1〜4のアルキレン基であ
り、aが1〜200の整数であって、bおよびcが個別
に0または1であり、dが1又は2であり、eが1又は
2であって、かつd+e=3であり、
【0099】ZがA群の中から選ばれる基であり、Xが
B群の中から選ばれる基であり、B2は、炭素数1〜1
2の直鎖状もしくは分枝状のアルキル基または炭素数6
〜12のアリール基もしくはアリールアルキル基であ
り、B3に該当する一般式(13)ではR24が炭素数1
〜4のアルキレン基であり、B4に該当する一般式(1
4)ではR25が炭素数2〜4のアルキレン基であり、R
26が水素原子、炭素数1〜3のアルキル基または一般式
(13)で表される基であり、R27が水素原子、炭素数
1〜12の直鎖状または分岐状のアルキル基、炭素数6
〜12のアリール基もしくはアリールアルキル基、また
は一般式(13)で表される基であり、gが1〜4の整
数であり、B5に該当する一般式(15)ではR28が炭
素数2〜4のアルキレン基であり、R29、R30、R31
よびR32がそれぞれ個別に水素原子、炭素数1〜6のア
ルキル基またはヒドロキシル基であり、Yがメチレン
基、炭素数1〜6のアルキル基もしくはヒドロキシル基
で置換されたメチレン基、イミノ基、炭素数1〜6のア
ルキル基もしくはヒドロキシル基で置換されたイミノ基
または酸素原子であり、e=1の場合はh=1であり、
e=2の場合はh=0またはh=1である(ただし、h
=0の場合、一般式(15)と一般式(11)とは同一
のN(窒素)を共有する)。
【0100】一般式(11)で示される化合物は更に好
ましくは下記の構成である。R11が水素原子または炭素
数1〜6のアルキル基、フェニル基または炭素数7〜1
5のアルキルアリール基であり、R12、R13、R14およ
びR15が、それぞれ水素原子または炭素数1〜3のアル
キル基または一般式(12)で表される基(R12
13、R14およびR15のうちの1個の基が一般式(1
2)で表される基であり、残りの3個がそれぞれ個別に
水素原子または炭素数1〜3のアルキル基)であり、一
般式(12)ではR17およびR18がそれぞれ個別に水素
原子または炭素数1〜3のアルキル基であり、R19が炭
素数2〜4のアルキレン基であり、R20が炭素数1〜1
2のアルキル基であり、かつfが0〜20の整数であ
り、R16が炭素数3〜6のアルキレン基であり、R21
22、R23が炭素数1〜3のアルキレン基であり、aが
2〜100の整数であって、bおよびcが個別に0また
は1であり、dが1、eが2であり、
【0101】ZがA1、A2、及びA4の中から選ばれ
る基であり、XがB1、B3、B4、及びB5の中から
選ばれる基であり、B3に該当する一般式(13)では
24が炭素数1〜3のアルキレン基であり、B4に該当
する一般式(14)ではR25が炭素数2〜3のアルキレ
ン基であり、R26が水素原子、メチル基、エチル基また
は一般式(13)で表される基であり、R27が水素原
子、炭素数1〜6の直鎖状または分岐状のアルキル基、
フェニル基、炭素数7〜9のアリールアルキル基、また
は一般式(13)で表される基であり、gが1〜3の整
数であり、B5に該当する一般式(15)ではR28が炭
素数2〜3のアルキレン基であり、R29、R30、R31
よびR32がそれぞれ個別に水素原子、炭素数1〜3のア
ルキル基またはヒドロキシル基であり、Yがイミノ基、
炭素数1〜3のアルキル基もしくはヒドロキシル基で置
換されたイミノ基または酸素原子であり、hが0または
1である(ただし、h=0の場合、一般式(15)と一
般式(11)とは同一のN(窒素)を共有する)。
【0102】本発明に用いる清浄分散剤として、上記一
般式(1)で表されるポリブテニルアミン系化合物、及
び一般式(11)で表されるポリエーテルアミン系化合
物をそれぞれ各式で表される化合物を単独で用いてもよ
く、あるいは構造の異なる2種以上の化合物を混合物と
して用いてもよい。また各式で表される化合物を混合し
て用いてもよく、さらにこれらに他の化合物、例えば、
コハク酸イミド系化合物などを混合して用いても良い。
【0103】これらの清浄分散剤の数平均分子量につい
ては、ガソリン中への分散性保持、清浄性保持の点か
ら、200以上であることが好ましく、400以上であ
ることがより好ましく、700以上であることがさらに
より好ましい。また、粘度上昇によるバルブスティック
や熱分解性悪化による燃焼室デポジットへの影響の点か
ら、6000以下であることが好ましく、3000以下
であることがより好ましく、2400以下であることが
さらにより好ましい。但し、本発明においては、100
0〜3000の数平均分子量を有する成分を10質量%
以上含有するように清浄分散剤を使用する。上記数平均
分子量1000〜3000の成分含有量は、更に効果を
高めるために好ましくは、30質量%以上であり、さら
に好ましくは、60質量%以上である。
【0104】清浄分散剤の含有量は、燃料油組成物全量
基準で0.01〜10質量%である。特に吸気系の清浄
性を向上させる点から、その含有量は、好ましくは0.
02質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上で
ある。また燃料油の諸性能に悪影響を及ぼさない、それ
以上添加しても効果の向上が期待できないなどの点か
ら、その含有量が、好ましくは5質量%以下、より好ま
しくは4質量%以下、最も好ましくは3質量%以下であ
る。
【0105】燃料油組成物を構成するベースガソリン
は、任意の方法で製造することができる。この際用いら
れるガソリン基材としては、具体的には例えば、任意の
性状を有する、原油を常圧蒸留して得られる軽質ナフ
サ;接触分解法、水素化分解法などで得られる分解ガソ
リン;接触改質法で得られる改質ガソリン;オレフィン
の重合によって得られる重合ガソリン;イソブタンなど
の炭化水素に低級オレフィンを付加(アルキル化)する
ことによって得られるアルキレート;軽質ナフサを異性
化装置でイソパラフィンに転化して得られる異性化ガソ
リン;脱n−パラフィン油;ブタン;芳香族炭化水素化
合物;プロピレンを二量化し、続いてこれを水素化して
得られるパラフィン留分などが挙げられる。
【0106】無鉛ガソリンの典型的なガソリン基材の配
合例を以下に示す。 (1)改質ガソリン:0〜70容量% (2)改質ガソリンの軽質留分(沸点範囲:25〜12
0℃程度):0〜35容量% (3)改質ガソリンの重質留分(沸点範囲:110℃〜
200℃程度):0〜45容量% (4)分解ガソリン:0〜50容量% (5)分解ガソリンの軽質留分(沸点範囲:25〜90
℃程度):0〜45容量% (6)分解ガソリンの重質留分(沸点範囲:90〜20
0℃程度):0〜40容量% (7)アルキレート:0〜40容量% (8)プロピレンを二量化し、続いてこれを水素化して
得られるパラフィン留分:0〜30容量% (9)異性化ガソリン:0〜30容量% (10)MTBE:0〜15容量% (11)軽質ナフサ:0〜20容量% (12)ブタン:0〜10容量%
【0107】また、ベースガソリンを製造するにあたっ
ては、ベンゼンの含有量を低減させる必要がある場合が
ある。その際のベンゼンの低減方法は任意であるが、特
にベンゼンは改質ガソリン中に多く含まれていることか
ら、改質ガソリンの配合割合を少なくする方法、あるい
は改質ガソリン中のベンゼン濃度を低減させる処理を行
った後にガソリン基材として用いる方法を利用すること
が好ましい。ベンゼン濃度を低減させる処理としては下
記の方法を挙げることができる。 (1)改質ガソリンを蒸留してベンゼン留分を除去する (2)改質ガソリン中のベンゼンをスルホラン等の溶剤
を用いて抽出する (3)改質ガソリン中のベンゼンを他の化合物に転化す
る (A)ベンゼンを水素化しシクロヘキサン、メチルシク
ロペンタン等に転化する (B)ベンゼンおよび炭素数9以上の芳香族炭化水素化
合物とを反応させトルエン、キシレン、エチルベンゼン
等に転化する (C)ベンゼンを低級オレフィン(エチレン、プロピレ
ン等)または低級アルコール(メタノール、エタノール
等)を用いてアルキル化する (4)接触改質装置の原料として、炭素数6の炭化水素
化合物を蒸留して除去した脱硫重質ナフサを用いる (5)接触改質装置の運転条件を変更する
【0108】本発明に用いる燃料油組成物にはその他の
ガソリン添加剤を添加することができる。このような
ガソリン添加剤としては、具体的には例えば、フェノー
ル系、アミン系などの酸化防止剤;シッフ型化合物やチ
オアミド型化合物などの金属不活性化剤;有機リン系化
合物などの表面着火防止剤;多価アルコールおよびその
エーテルなどの氷結防止剤;有機酸のアルカリ金属塩ま
たはアルカリ土類金属塩、高級アルコール硫酸エステル
などの助燃剤;アニオン系界面活性剤、カチオン系界面
活性剤、両性界面活性剤などの帯電防止剤;アゾ染料な
どの着色剤;アルケニルコハク酸エステルなどのさび止
め剤;キリザニン、クマリンなどの識別剤;天然精油合
成香料などの着臭剤等が挙げられる。これらの添加剤
は、1種または2種以上を添加することができる。本発
明では、特に酸化防止剤と金属不活性剤を含有すること
が好ましい。添加剤の合計添加量は燃料油組成物全量基
準で0.1質量%以下とすることが好ましい。
【0109】以下に上記添加剤の代表的な例を記載す
る。上記酸化防止剤としては、フェノール系化合物を用
いることが好ましい。好ましい例としては下記一般式
(22)で表される化合物である。
【0110】
【化17】
【0111】(上記一般式(22)において、R40は、
塩素原子、炭素数1〜30の炭化水素基、炭素数1〜3
0のアルコキシ基、炭素数1〜30のアルカノール基、
カルボキシル基(−COOH)、スルホン酸基(−SO
3H)、炭素数1〜30のアミド基、炭素数1〜30の
アミノアルキル基又は−SR41(R41は炭素数1〜30
の炭化水素基)を表し、a1およびb1はそれぞれ0〜
5の整数を表し、かつa1+b1は0〜5の整数を表
す。)
【0112】上記R40及びR41で表される炭素数1〜3
0の炭化水素基は、各々別個に前記一般式(11)にお
けるR11で表される炭素数1〜30の炭化水素基の例示
と同じものを挙げることができる。またR40で表される
炭素数1〜30のアルコキシ基、炭素数1〜30のアル
カノール基、炭素数1〜30のアミド基及び炭素数1〜
30のアミノアルキル基を構成するアルキル基も前記一
般式(11)で説明したアルキル基の具体例と同じもの
を挙げることができる。上記R40及びR41は各々別個に
炭素数1〜8のアルキル基が好ましく、特に好ましく
は、炭素数1〜4のアルキル基である。a1は、0〜3
の整数が好ましく、特に好ましくは、0、1又は2であ
る。b1は1〜4の整数が好ましく、特に好ましくは、
1、2又は3である。
【0113】上記一般式(22)で表されるフェノール
系酸化防止剤の好ましい具体例としては、2,4,6−
トリ−tert−ブチルフェノール、2,6−ジ−te
rt−ブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−t
ert−ブチルフェノール、2,4−ジ−tert−ブ
チル−6−メチルフェノール、2,4−ジ−tert−
ブチルフェノール、2−tert−ブチル−4,6−ジ
メチルフェノール、2−tert−ブチル−4−メチル
フェノール、2−tert−ブチル−6−メチルフェノ
ール、2−tert−ブチルフェノール、4−tert
−ブチル−2,6−ジメチルフェノール、4−tert
−ブチル−2−メチルフェノール、4−tert−ブチ
ルフェノール、p−ノニルフェノール、4−ヒドロキシ
メチル−2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、4
−メトキシフェノール、4−メトキシ−2−tert−
ブチルフェノール、4−メトキシ−3−tert−ブチ
ルフェノール、1,4−ジヒドロキシ−2,5−ジ−t
ert−ブチルベンゼン、4−エチル−2,6−ジ−t
ert−ブチルフェノール、3−メチル−4−イソプロ
ピルフェノール、2−tert−ブチル−5−メチルフ
ェノール、シクロヘキシルフェノール、フェニルフェノ
ール、1,2−ジヒドロキシベンゼン、1,4−ジヒド
ロキシベンゼン、1,2−ジヒドロキシ−4−tert
−ブチルベンゼン、4−ドデカノイルアミドフェノー
ル、4−オクタデカノイルアミドフェノールを挙げるこ
とができる。
【0114】上記のフェノール系酸化防止剤の中では、
2,4,6−トリ−tert−ブチルフェノール、2,
6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、
2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、2,4−ジ
−tert−ブチル−6−メチルフェノール、2,4−
ジ−tert−ブチルフェノール、2−tert−ブチ
ル−4,6−ジメチルフェノール、2−tert−ブチ
ル−4−メチルフェノール、2−tert−ブチル−6
−メチルフェノール、2−tert−ブチルフェノー
ル、4−tert−ブチル−2,6−ジメチルフェノー
ル、4−tert−ブチル−2−メチルフェノール、又
は4−tert−ブチルフェノールがより好ましく、
2,4,6−トリ−tert−ブチルフェノール、2,
6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、
2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、2−ter
t−ブチル−4,6−ジメチルフェノール、又は2−t
ert−ブチルフェノールであることが最も好ましい。
これらの化合物は、1種類の化合物を単独で使用しても
よいし、あるいは二種以上の化合物を組み合わせて使用
してもよい。
【0115】上記金属不活性剤は、タンクや配管等から
微量に混入した燃料油中の金属微粒子が触媒の役割を果
たし、燃料の酸化劣化が促進するのを抑制する。これに
より、燃料の酸化劣化が抑制される。シッフ型化合物と
して、例えば、サリチリデン誘導体を挙げることがで
き、その好ましい例としては、N−サリチリデンエチレ
ンアミン、N,N´−ジサリチリデン−1,2−ジアミ
ノエタン、N,N´−ジサリチリデン−1,2−ジアミ
ノプロパン、N,N´−ジサリチリデンヒドラジン、
N,N´−ビス(α,5−ジメチルサリチリデン)エチ
レンジアミン、N,N´−ビス(α,5−ジメチルサリ
チリデン)−1,3−プロパンジアミン、N,N´−ビ
ス(α,5−ジメチルサリチリデン)−1,6−ヘキサ
ンジアミン、N,N´−ビス(α,5−ジメチルサリチ
リデン)−1,10−デカンジアミンを挙げることが出
来る。これらの中ではN,N´−ジサリチリデン−1,
2−ジアミノプロパンであることが最も好ましい。
【0116】本発明に用いる燃料油組成物の性状、組成
については、特に規定されるものではないが、JIS
K 2254「石油製品−蒸留試験方法」によって測定
される蒸留性状が、下記の条件を満たすことが望まし
い。 10容量%留出温度(T10):35〜55℃ 30容量%留出温度(T30):55〜75℃ 50容量%留出温度(T50):75〜100℃ 70容量%留出温度(T70):100〜130℃ 90容量%留出温度(T90):110〜160℃ 蒸留終点 :130〜210℃
【0117】T10の下限値は35℃であることが好まし
く、さらに好ましくは37℃である。35℃に満たない
場合はインジェクタ内でガソリンコーキングを生じる可
能性がある。一方、T10の上限値は55℃であることが
好ましく、更に好ましくは50℃、より好ましくは48
℃である。55℃を超える場合には、低温始動性に不具
合を生じる可能性がある。T30の下限値は55℃である
ことが好ましく、さらに好ましくは57℃である。55
℃に満たない場合は高温運転性に不具合を生じたりイン
ジェクタ内でガソリンのコーキングを生じたりする可能
性がある。一方、T30の上限値は75℃であることが好
ましく、さらに好ましくは70℃、より好ましくは68
℃である。75℃を超える場合には、低温運転性に不具
合を生じる可能性がある。T50の下限値は75℃である
ことが好ましく、さらに好ましくは77℃である。75
℃に満たない場合は高温運転性に不具合を生じる可能性
がある。一方、T50の上限値は100℃であることが好
ましく、さらに好ましくは95℃、より好ましくは93
℃である。100℃を超える場合には、低温および常温
運転性に不具合を生じる可能性がある。T70の下限値は
100℃であることが好ましい。一方、T70の上限値は
130℃であることが好ましく、さらに好ましくは12
5℃、より好ましくは123℃、最も好ましくは120
℃である。130℃を越える場合は低温および常温運転
性に不具合を生じる可能性がある。T90の下限値は11
0℃であることが好ましく、さらに好ましくは120℃
である。一方、T90の上限値は、低温および常温運転性
の点から、またエンジンオイルのガソリンによる希釈を
低減させ、排出ガスの増加、エンジンオイルの劣化およ
びスラッジの発生を防止することができるなどの点か
ら、160℃であることが好ましく、さらに好ましくは
150℃、より好ましくは140℃である。蒸留終点の
下限値は130℃であることが好ましい。一方、蒸留終
点の上限値は、210℃であることが好ましく、さらに
好ましくは200℃、より好ましくは195℃、最も好
ましくは190℃である。終点が210℃を越える場合
は常温運転性に不具合を生じる可能性がある。
【0118】本発明に用いる燃料油組成物の飽和分、オ
レフィン分および芳香族分の各含有量にはなんら制限は
ないが、下記の範囲にあることが好ましい。 飽和分(V(P)) :50〜100容量% オレフィン分(V(O)):0〜15容量% 芳香族分(V(Ar)) :0〜35容量% V(P)は、インジェクタ内でのガソリンのコーキング
防止、およびプラグのくすぶりを低減させる、排出ガス
のオゾン生成能を低く抑える、排出ガス中のベンゼン濃
度を低減させる、すすを発生させないなどの観点から、
50〜100容量%であることが好ましい。V(O)
は、インジェクタ内でのガソリンのコーキング防止の観
点から、0〜15容量%であることが好ましい。V(A
r)は、プラグのくすぶりを低減させる、排出ガスのオ
ゾン生成能を低く抑える、排出ガス中のベンゼン濃度を
低減させる、すすを発生させないなどの観点から、0〜
35容量%であることが好ましい。上記のV(P)、V
(O)およびV(Ar)は、全てJIS K 2536
「石油製品−炭化水素タイプ試験方法」の蛍光指示薬吸
着法により測定される値である。
【0119】本発明に用いる燃料油組成物の各成分の含
有量にはなんら制限はないが、以下のような条件を満た
すことが望ましい。 (1) V(Bz):0〜1容量% (2) V(Tol):0〜30容量% (3) V(C8A):0〜20容量% (4) V(C9A):0〜5容量% (5) V(C10+A):0〜3容量% (6) V(PA)=0 または V(PA)≠0の際に
V(MA)/V(PA):1以上 (7) V(C4):0〜10容量% (8) V(C5):10〜35容量% (9) V(C6):10〜30容量% (10)V(C7+p):10〜50容量% (11)V(C9+):0〜10容量%
【0120】上記V(Bz)は、燃料油組成物全量基準
のベンゼン含有量を示し、その値が0〜1容量%である
ことが好ましく、更に好ましくは0〜0.5容量%であ
る。ベンゼンの含有量を0〜1容量%とすることによっ
て、排出ガス中のベンゼン濃度を低く抑えることができ
る。上記V(Tol)およびV(C8A)は、それぞれ
燃料油組成物全量基準 のトルエン含有量および炭素数
8の芳香族炭化水素化合物含有量を示し、V(Tol)
が0〜30容量%であることが好ましく、更に好ましく
は0〜20容量%、V(C8A)が0〜20容量%であ
ることが好ましく、更に好ましくは0〜15容量%にあ
る。なお、炭素数8の芳香族炭化水素化合物には、エチ
ルベンゼン、キシレン(全ての置換異性体を含む)等が
含まれる。上記V(C9A)は、燃料油組成物全量基準
の炭素数9の芳香族炭化水素化合物含有量を示し、排出
ガスのオゾン生成能を低く抑えるために、その値は0〜
5容量%であることが好ましく、更に好ましくは0〜3
容量%である。炭素数9の芳香族炭化水素には、n−プ
ロピルベンゼン、イソプロピルベンゼン(クメン)、エ
チルメチルベンゼン(全ての置換異性体を含む)、トリ
メチルベンゼン(全ての置換異性体を含む)等が包含さ
れる。
【0121】上記V(C10+A)は、燃料油組成物全量
基準の炭素数10以上の芳香族炭化水素化合物含有量を
示し、排出ガスのオゾン生成能を低く抑えるために、そ
の量が0〜3容量%であることが好ましく、更に好まし
くは0〜1容量%、より好ましくは0容量%である。炭
素数10以上の芳香族炭化水素化合物には、ジエチルベ
ンゼン(全ての置換異性体を含む)、ジメチルエチルベ
ンゼン(全ての置換異性体を含む)、テトラメチルベン
ゼン(全ての置換異性体を含む)、n−ブチルメチルベ
ンゼン(全ての置換異性体を含む)等が包含される。上
記V(MA)およびV(PA)は、それぞれ燃料油組成
物全量を基準としたモノアルキル置換芳香族炭化水素化
合物含有量(容量%)および2つ以上のアルキル基で置
換された芳香族炭化水素化合物含有量(容量%)を示す
が、本発明にあってはV(PA)が0であるか、または
V(PA)が0でない場合は、前者の含有量と後者の含
有量の比、V(MA)/V(PA)が1以上であること
が好ましく、更に好ましくは1.5以上、より好ましく
は2以上である。なお、上記V(Bz)、V(To
l)、V(C8A)、V(C9A)、V(C10+A)、V
(MA)およびV(PA)は、いずれもJIS K 2
536「 石油製品−炭化水素タイプ試験方法」のガス
クロマトグラフ法で定量して得られる値である。
【0122】上記V(C4)は、燃料油組成物全量を基
準とした炭素数4の炭化水素化合物含有量を示す。エバ
ポエミッションの量をより低く抑えられる点から、V
(C4)が0〜10容量%であることが好ましく、更に
好ましくは0〜5容量%、より好ましくは0〜3容量%
である。炭素数4の炭化水素化合物には、n−ブタン、
2-メチルブタン(イソブタン)、1−ブテン、2−ブ
テン、2−メチルプロペン等が含まれる。上記V(C
5)は、燃料油組成物全量を基準とした炭素数5の脂肪
族炭化水素化合物含有量を示し、その下限値が10容量
%であることが好ましく、更に好ましくは15容量%で
あり、上限値が35容量%であることが好ましく、更に
好ましくは30容量%である。炭素数5の脂肪族炭化水
素化合物の含有量を10容量%以上にすることで、常温
運転性により優れた燃料油組成物が得られる。また、こ
れを35容量%以下にすることで高温運転性により優れ
た燃料油組成物が得られる。そして、インジェクタ内で
のガソリンのコーキング防止の観点から、炭素数5の脂
肪族炭化水素化合物の中の不飽和炭化水素化合物の含有
量(V(C5o))(容量%)が0であるか、あるいは
炭素数5の脂肪族炭化水素化合物の中の飽和炭化水素化
合物の含有量(V(C5p))(容量%)とV(C5o)
との比、V(C5p)/V(C5o)が1以上であること
が好ましく、更に好ましくは1.5以上、より好ましく
は2以上、最も好ましくは3以上である。炭素数5の飽
和脂肪族炭化水素化合物には、n−ペンタン、2−メチ
ルブタン(イソペンタン)、2,2−ジメチルプロパン
(ネオペンタン)等が包含され、同じく不飽和脂肪族炭
化水素化合物には、1−ペンテン、2−ペンテン、2−
メチル−1−ブテン、2−メチル−2−ブテン、3−メ
チル−1−ブテン等が包含される。
【0123】上記V(C6)は、燃料油組成物全量基準
とした炭素数6の脂肪族炭化水素化合物の含有量を示
し、その下限値が10容量%であることが好ましく、更
に好ましくは15容量%であり、上限値が30容量%で
あることが好ましく、更に好ましくは25容量%であ
る。炭素数6の脂肪族炭化水素化合物の含有量を10容
量%以上にすることで、常温運転性により優れた燃料油
組成物が得られる。また、これを30容量%以下にする
ことで高温運転性により優れた燃料油組成物が得られ
る。そして、インジェクタ内でのガソリンのコーキング
防止の観点から、炭素数6の脂肪族炭化水素化合物の中
の飽和炭化水素化合物の含有量(V(C6o))(容量
%)が0であるか、或るいは炭素数6の脂肪族炭化水素
化合物の中の飽和炭化水素化合物の含有量(V(C6
p))(容量%)とV(C6o)との比、V(C6p)/
V (C6o)は2以上であることが好ましく、更に好ま
しくは3以上、より好ましくは5以上、最も好ましく
は10以上である。炭素数6の飽和脂肪族炭化水素化合
物には、n−ヘキサン、2−メチルペンタン、3−メチ
ルペンタン、2,2−ジメチルブタン、2,3−ジメチ
ルブタン等が含まれ、同じく不飽和脂肪族炭化水素化合
物には、1−ヘキセン、2−ヘキセン、3−ヘキセン、
2−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテ
ン、4−メチル−1−ペンテン、2−メチル−2−ペン
テン、3−メチル−2−ペンテン、4−メチル−2−ペ
ンテン、2,3−ジメチル−1−ブテン、3,3−ジメ
チル−1−ブテン、2,3−ジメチル−2−ブテン等が
含まれる。
【0124】上記V(C7+p)は、燃料油組成物全量を
基準とした炭素数7以上の飽和脂肪族炭化水素化合物の
含有量を示し、その下限値が10容量%であることが好
ましく、更に好ましくは20容量%であり、上限値が5
0容量%であることが好ましく、更に好ましくは45容
量%である。炭素数7以上の飽和脂肪族炭化水素化合物
の含有量を10容量%以上にすることで、常温運転性に
より優れた燃料油組成物が得られ、これを50容量%以
下にすることで高温運転性により優れた燃料油組成物が
得られる。炭素数7以上の飽和脂肪族炭化水素化合物に
は、n−ヘプタン、2−メチルヘキサン、3−メチルヘ
キサン、2,2−ジメチルペンタン、2,3−ジメチル
ペンタン、2,4−ジメチルペンタン、3,3−ジメチ
ルペンタン、3−エチルペンタン、2,2,3−トリメ
チルブタン等が含まれる。上記V(C9+)は、燃料油組
成物全量を基準とした炭素数9以上の炭化水素化合物の
含有量を示し、低温および常温運転性の点から、またエ
ンジンオイルのガソリン希釈を低減させ、排出ガスの増
加、エンジンオイルの劣化およびスラッジ発生を防止で
きることなどから、この値が0〜10容量%であること
が好ましく、更に好ましくは0〜5容量%、より好まし
くは0容量%である。なお、上記したV(C4)、V
(C5)、V(C5p)、V(C5o)、V(C6 )、V
(C6p)、V(C6o)、V(C7+p)およびV(C9
+)は、以下に示すガスクロマトグラフィー法により定
量される値である。すなわち、カラムとしてメチルシリ
コンのキャピラリーカラム、キャリアガスとしてヘリウ
ムまたは窒素、検出器として水素イオン化検出器(FI
D)をそれぞれ用い、カラム長25〜50m、キャリア
ガス流量0.5〜1.5ml/分、分割比1:50〜
1:250、注入口温度150〜250℃、初期カラム
温度−10〜10℃、終期カラム温度150〜250
℃、及び検出器温150〜250℃の条件で測定した値
である。
【0125】本発明に用いる燃料油組成物は、含酸素化
合物を含んでいても良い。その含有量は、燃料油組成物
全量基準で酸素元素換算で0〜2.7質量%であること
が好ましく、更に好ましくは0〜2.0質量%である。
2.7質量%を越える場合は、燃料油組成物の燃費が悪
化し、また排出ガス中のNOxが増加する可能性があ
る。ここで含酸素化合物には、炭素数2〜4のアルコー
ル類、炭素数4〜8のエーテル類などが含まれる。含酸
素化合物としては、例えば、エタノール、メチルターシ
ャリーブチルエーテル(MTBE)、エチルターシャリ
ーブチルエーテル、ターシャリーアミルメチルエーテル
(TAME)、ターシャリーアミルエチルエーテルなど
を挙げることができる。なかでもMTBE、TAMEが
好ましく、最も好ましくはMTBEである。通常MTB
Eは、原料由来の化合物である。なお、メタノールは排
出ガス中のアルデヒド濃度が高くなる可能性があり、腐
食性もあるので好ましくない。
【0126】本発明に用いる燃料油組成物は、硫黄分が
該組成物全量基準で50ppm以下であることが好まし
い。硫黄分が50ppmを越える場合、排出ガス処理触
媒の性能に悪影響を及ぼし、排出ガス中のNOx、C
O、HCの濃度が高くなる可能性があり、またベンゼン
の排出量も増加する可能性がある。ここで、硫黄分と
は、JIS K 2541「原油及び石油製品−硫黄分
試験方法」により測定される硫黄含有量を意味する。
【0127】本発明に用いる燃料油組成物は、JIS
K 2261「石油製品−自動車ガソリン及び航空燃料
油−実在ガム試験方法−噴射蒸発法」により測定した未
洗実在ガム量が、20mg/100ml以下であること
が好ましい。未洗実在ガムの含有量が上記の値を超えた
場合は、燃料導入系統において析出物が生成したり、吸
入弁が膠着する心配がある。
【0128】本発明に用いる燃料油組成物は、灯油混入
量が0〜4容量%であることが望ましい。ここで、灯油
混入量とはガソリン組成物全量基準での炭素数13〜1
4の炭化水素含有量(容量%)を表し、この量は以下に
示すガスクロマトグラフィー法により定量して得られ
る。すなわち、カラムとしてメチルシリコンのキャピラ
リーカラム、キャリアガスとしてヘリウムまたは窒素
を、検出器として水素イオン化検出器(FID)をそれ
ぞれ用い、カラム長25〜50m、キャリアガス流量
0.5〜1.5ml/分、分割比1:50〜1:25
0、注入口温度150〜250℃、初期カラム温度−1
0〜10℃、終期カラム温度150〜250℃、検出器
温150〜250℃の条件で測定した値である。
【0129】本発明に用いる燃料油組成物の蒸気圧には
なんら制限はないが、インジェクタ内でのガソリンコー
キングの不具合が生じず、またエバポエミッションの量
が抑えられることから、蒸気圧が70kPa以下である
ことが好ましい。ここで蒸気圧とは、JIS K 22
58「原油及び燃料油蒸気圧試験方法(リ−ド法)」に
より測定される蒸気圧(リード蒸気圧(RVP)を意味
する。本発明に用いる燃料油組成物の密度(15℃)に
はなんら制限はないが、0.73〜0.77g/cm3
であることが好ましい。密度の下限値は0.73g/c
m3であることが好ましく、さらに好ましくは0.73
5g/cm3である。0.73g/cm3に満たない場合
は燃費が悪化する可能性がある。一方、密度の上限値は
0.77g/cm3であることが好ましく、更に好まし
く は0.76g/cm3である。0.77g/cm3を
超える場合は加速性の悪化 やプラグのくすぶりを生じ
る可能性がある。ここで、密度とは、JIS K 22
49「原油及び石油製品の密度試験方法並びに密度・質
量・容量換算表」により測定される密度を意味する。上
記ガソリン組成物は、四エチル鉛などのアルキル鉛化合
物を実質的に含有しないガソリンであり、たとえ極微量
の鉛化合物を含有する場合でも、その含有量はJIS
K 2255「ガソリン中の鉛分試験方法」の適用区分
下限値以下である。
【0130】本発明に用いる燃料油組成物のオクタン価
についてはなんら制限はないが、よりアンチノッキング
性を高めるため、リサーチ法オクタン価(RON)が8
9以上であることが好ましく、更に好ましくは90以上
である。また、より高速走行中のアンチノック性を高め
るために、モーター法オクタン価(MON)が80以上
であることが好ましく、更に好ましくは80.5以上で
ある。ここで、リサーチ法オクタン価およびモ−タ−法
オクタン価とは、それぞれ、JIS K 2280「オ
クタン価及びセタン価試験方法」により測定されるリサ
ーチ法オクタン価およびモ−タ−法オクタン価を意味す
る。
【0131】本発明に用いる燃料油組成物の、JIS
K 2279「原油及び石油製品−発熱量試験方法及び
計算による推定方法」により測定した総発熱量は、40
000J/g以上であることが好ましく、さらに好まし
くは45000J/g以上である。本発明に用いる燃料
油組成物の、JIS K 2287「ガソリン酸化安定
度試験方法(誘導期間法)」によって測定した酸化安定
度は、480分以上であることが好ましく、更に好まし
くは1440分以上である。酸化安定度が480分に満
たない場合は、貯蔵中にガムが生成する可能性がある。
本発明に用いる燃料油組成物は、銅板腐食(50℃、3
h)が1であることが好ましく、更に好ましくは1aで
ある。銅板腐食が1を越える場合は、燃料系統の導管が
腐食する可能性がある。ここで、銅板腐食とは、JIS
K 2513「石油製品−銅板腐食試験方法」(試験
温度50℃、試験時間3時間)に準拠して測定される値
を意味する。
【0132】次にエンジン油組成物について説明する。
本発明に用いるエンジン油組成物は、基油に分散剤とし
て重量平均分子量(Mw)3000〜15000のコハ
ク酸イミド及び/又はその誘導体を含有する。基油とし
ては、鉱油系基油及び合成系基油を挙げることができ
る。鉱油系基油としては、具体的には例えば、原油を常
圧蒸留及び減圧蒸留して得られた潤滑油留分を溶剤脱れ
き、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ろう、接触脱ろう、
水素化精製、硫酸洗浄、あるいは白土処理等の精製処理
等を適宜組み合わせて精製したパラフィン系、ナフテン
系等の油やノルマルパラフィン等が使用できる。合成系
基油としては、具体的には例えば、ポリα−オレフィ
ン、ポリオールエステル、イソブテンオリゴマー及びそ
の水素化物、イソパラフィン、アルキルベンゼン、アル
キルナフタレン、ジエステル(例、ジトリデシルグルタ
レート、ジ2−エチルヘキシルアジペート、ジイソデシ
ルアジペート、ジトリデシルアジペート、ジ2−エチル
ヘキシルセバケート等)、ポリオキシアルキレングリコ
ール、ジアルキルジフェニルエーテル、及びポリフェニ
ルエーテル等が使用できる。
【0133】コハク酸イミド又はその誘導体には長鎖炭
化水素基が含まれていることが好ましく、これらの例と
しては、アルキル基及びアルケニル基を挙げることがで
きる。具体的にはポリプロピレン、エチレン−プロピレ
ンオリゴマー、及びポリブテンなどから誘導される分枝
アルケニル基やその水素化物である分枝アルキル基が挙
げられる。本発明では、長鎖炭化水素基としてポリブテ
ニル基を含むコハク酸イミド又はその誘導体であること
が好ましい。なお、ポリブテンとはブテン混合物あるい
は高純度イソブチレンを塩化アルミニウム系触媒又はフ
ッ化ホウ素系触媒等の共存下で重合させたポリブテンあ
るいはポリイソブチレンを意味する。コハク酸イミドの
製造方法については任意の従来方法を利用することがで
きる。例えば重量平均分子量1000以上のポリブテン
又は塩素化ポリブテンと無水マレイン酸とを100〜2
00℃の温度で反応させてポリブテニルコハク酸を得た
後、これにポリアミンを反応させることにより得ること
ができる。ポリアミンとしては、具体的にはジエチレン
トリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレン
ペンタミン、及びペンタエチレンヘキサミン等が好まし
い例として挙げることができる。
【0134】またコハク酸イミドの誘導体としては、具
体的には例えば、前述したようなコハク酸イミドに炭素
数1〜30のモノカルボン酸やシュウ酸、フタル酸、ト
リメリット酸、ピロメリット酸等の炭素数2〜30のポ
リカルボン酸若しくはこれらの無水物、又はエステル化
合物、炭素数2〜6のアルキレンオキサイド、ヒドロキ
シ(ポリ)オキシアルキレンカーボネート及びこれらの混
合物を作用させて、残存するアミノ基及び/又はイミノ
基の一部又は全部を中和したり、アミド化した、含酸素
炭化水素変性化合物;前述したようなコハク酸イミドに
硫黄化合物を作用させた硫黄変性化合物;前述したよう
なコハク酸イミド又は上記のコハク酸イミド変性化合物
をホウ酸、ホウ酸塩又はホウ酸エステル等のホウ素化合
物で変性した、いわゆるホウ素変性化合物等を挙げるこ
とができる。コハク酸イミド又はその誘導体の構造は、
モノ体、ビス体を問わず、いずれでも良く、また長鎖炭
化水素基の数もこれに応じて増減できる。ポリブテニル
基を二つ有するポリブテニルコハク酸イミド及び/又は
その誘導体であることが好ましい。
【0135】コハク酸イミド又はその誘導体の重量平均
分子量(Mw)は、3000〜15000であり、下限
は、好ましくは3500、更に好ましくは3800であ
り、一方、上限は、好ましくは12000、更に好まし
くは8000である。重量平均分子量(Mw)が300
0に満たない場合、本発明における燃料組成物を使用し
ても吸気デポジットは低減せず、燃費性能、排ガス排出
量も低減できず、一方重量平均分子量(Mw)が150
00を超える場合、オイルの低温粘度特性を悪化させる
ためそれぞれ好ましくない。コハク酸イミド及び/又は
その誘導体の含有量は、オイル全量基準で1〜15質量
%であり、好ましくは2〜12質量%である。その含有
量が1質量%に満たないエンジンオイルを使用した場合
は、本発明における燃料組成物を使用しても吸気デポジ
ットは低減せず、燃費性能、排ガス排出量も低減できな
いため好ましくない。一方、その含有量が15質量%を
超える場合は、含有量に見合うだけの排ガス排出量低減
効果が得られず、またオイルの低温粘度特性を悪化させ
るため、それぞれ好ましくない。
【0136】本発明に用いるエンジン油組成物には、さ
らに性能を高める目的で、公知の潤滑油添加剤を添加す
ることができる。例えば、潤滑油添加剤としては、例え
ば、上記コハク酸イミド及び/又はその誘導体以外の無
灰分散剤、金属系清浄剤、極圧添加剤及び摩耗防止剤、
摩擦調整剤、粘度指数向上剤、酸化防止剤、錆止め剤、
腐食防止剤、流動点降下剤、ゴム膨潤剤、消泡剤、及び
着色剤等を挙げることができる。これらは単独で又は数
種類組み合わせた形で添加することができる。
【0137】コハク酸イミド及び/又はその誘導体以外
の無灰分散剤としては、例えば、ベンジルアミン、アル
キルポリアミン、又はこれらのホウ素化合物や硫黄化合
物による変性品、アルケニルコハク酸エステル等を挙げ
ることができ、これらを混合して使用することも可能で
ある。金属系清浄剤としては、例えば、アルカリ土類金
属スルホネート、アルカリ土類金属フェネート、アルカ
リ土類金属サリシレート等を挙げることができる。アル
カリ土類金属としてはマグネシウム又はカルシウムが好
ましく、カルシウムが特に好ましい。これらの化合物の
全塩基価としては、通常0〜500mgKOH/g、好
ましくは0〜400mgKOH/gのものを適宜選択
し、必要に応じて混合使用することができる。金属系清
浄剤の添加量は、通常オイル全量基準で0.1〜10質
量%であり、好ましくは0.5〜8質量%である。
【0138】極圧添加剤および摩耗防止剤としては、例
えば、第1級及び/又は第2級のアルキル基を持つジア
ルキルジチオリン酸亜鉛を挙げることができる。本発明
においてはこれらを単独あるいは混合して使用すること
ができる。またその他の極圧添加剤および摩耗防止剤と
しては、例えば、硫黄系化合物やリン系化合物を挙げる
ことができる。硫黄系化合物としては、例えば、ジスル
フィド類、硫化オレフィン類、硫化油脂類を挙げること
ができる。またリン系化合物としては、例えば、リン酸
モノエステル類、リン酸ジエステル類、リン酸トリエス
テル類、亜リン酸モノエステル類、亜リン酸ジエステル
類、亜リン酸トリエステル類、及びこれらのエステル類
とアミン類、アルカノールアミン類との塩等を挙げるこ
とができる。
【0139】摩擦調整剤としては、例えば、ジチオカル
バミン酸モリブデンやジチオリン酸モリブデン等の有機
モリブデン化合物、炭素数6〜30のアルキル基又はア
ルケニル基、特に炭素数6〜30の直鎖アルキル基又は
直鎖アルケニル基を分子中に少なくとも1個有する、ア
ミン化合物、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド、脂肪酸金
属塩等およびこれらの任意混合物が挙げられる。これら
の中では、ジチオカルバミン酸モリブデンが好ましい。
摩擦調整剤の添加量は、オイル全量基準で通常0.01
〜5.0質量%であり、好ましくは0.1〜4.0質量
%である。
【0140】粘度指数向上剤としては分散型あるいは非
分散型の粘度指数向上剤等が挙げられ、例えば分散型あ
るいは非分散型のポリメタクリレート類や、分散型ある
いは非分散型のエチレン−プロピレン共重合体等のオレ
フィン共重合体、ポリイソブチレン、ポリスチレン、ス
チレン−ジエン共重合体等が使用可能である。酸化防止
剤としては、フェノール系化合物やアミン系化合物等、
潤滑油に一般的に使用されているものであれば、いずれ
も使用可能である。このような酸化防止剤としては、例
えば、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェ
ノール等のアルキルフェノール類、メチレン−4,4−
ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェ
ノール)等のビスフェノール類、フェニル−α−ナフチ
ルアミン等のナフチルアミン類、エステル基含有フェノ
ール類、ジアルキルジフェニルアミン類、フェノチアジ
ン類、及びモリブデン、銅等の金属系酸化防止剤等を挙
げることできる。フェノール系およびアミン系化合物を
併用することが好ましい。錆止め剤としては、例えば、
アルケニルコハク酸、アルケニルコハク酸エステル、多
価アルコールエステル、石油スルホネート、ジノニルナ
フタレンスルホネート等を挙げることができる。
【0141】腐食防止剤としては、例えば、ベンゾトリ
アゾール系、チアジアゾール系、イミダゾール系の化合
物等を挙げることができる。流動点降下剤としては、例
えば、使用する潤滑油基油に適合するポリメタクリレー
ト系のポリマー等を挙げることができる。消泡剤として
は、例えば、ジメチルシリコーンやフルオロシリコーン
等のシリコーン類を挙げることができる。これらの添加
剤の添加量は任意であるが、通常エンジンオイル全量基
準で粘度指数向上剤は0.05〜20質量%、腐食防止
剤は0.005〜0.2質量%、消泡剤は0.0005
〜0.01質量%の含有量となるように添加し、その他
の添加剤は、通常エンジンオイル全量基準でそれぞれ
0.005〜10質量%程度の含有量となるように添加
する。
【0142】上記燃料油組成物とエンジン油組成物とを
組み合わせて用いる対象は、ガソリンエンジンを原動機
とする車両であればなんら制限はない。ガソリンエンジ
ンとは燃料と空気から混合気を形成させ、圧縮行程にお
いて火花点火しピストンの往復運動から仕事を取り出す
機関である。ガソリンエンジンとしては、例えば、燃料
供給方式がキャブレターおよび電子制御燃料噴射方式を
利用したエンジン、リーンバーンエンジン、筒内直接燃
料噴射エンジン等を挙げることができ、本発明の組み合
わせて用いる方法は、これらの全てのエンジンに適用で
きるが、特に電子制御燃料噴射方式を利用したエンジン
に好適である。
【0143】
【実施例】以下に実施例および比較例により本発明をさ
らに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって何
ら限定されるものではない。
【0144】(実施例1〜11及び比較例1〜6)表1
に示す性状を有する各種の燃料油組成物(ガソリン組成
物)及びエンジン油組成物をそれぞれ製造した。そして
得られた燃料油組成物とエンジン組成物とを表1のよう
に組み合わせて(実施例1〜11及び比較例1〜6)、
下記表2に示す車両に適用した。上記燃料油組成物の調
製に用いた清浄剤は下記に示す化合物である。なお、式
中のm、nで表される重合度は、数平均分子量1000
〜3000の成分が表1に示す成分含量となるように調
整されている。
【0145】
【化18】 PEA−A
【0146】PEA−B R−[OCH(C25)CH2]nNH2 (R:炭素数1〜30の炭化水素基を表す) PBA−A CH3―C(CH32−[C(CH32CH2]n−CH2
2 PBA−B CH3―C(CH32−[C(CH32CH2]n−NHC
2CH2−NH2
【0147】
【表1】
【0148】
【表2】
【0149】得られた各組み合わせについて下記の方法
で排出ガス及び燃費の性能評価を行った。まず、比較例
1に示す燃料油組成物とエンジン油組成物との組み合わ
せで10・15モードにて1万kmの耐久走行を行い、
走行後の吸気バルブデポジット重量、排出ガス及び燃費
の性能評価を行った。その後、実施例1〜11及び比較
例1〜6に示す燃料油組成物とエンジン油組成物との各
組み合わせについて10・15モードにて500kmの
走行を行ない、走行後の吸気バルブデポジット重量、排
出ガス及び燃費の性能評価を行なった。その評価結果を
表3に示す。
【0150】(排出ガス及び燃費の性能評価)排出ガス
性能評価はTRIAS 24−4−1991 ガソリン
自動車10.15モード排出ガス試験方法に従って行な
った。燃費性能評価はTRIAS 5−3−1996
ガソリン自動車10.15モード燃料消費試験方法に従
って行なった。
【0151】
【表3】
【0152】表3に示す結果から、本発明の燃料油組成
物とエンジン油組成物とを組み合わせて用いた場合(実
施例)には、いずれも吸気弁デポジットの低減率が大き
く、燃費性能もよく、排出ガス排出量も抑えられている
ことがわかる。特に車両Aに適用した場合に優れた性能
が得られる。これに対して、清浄分散剤を含まない燃料
組成物と組み合わせた場合(比較例1及び2)、コハク
酸イミドを所定量を含有しないエンジン油組成物を組み
合わせた場合(比較例3)、重量平均分子量が所定の値
以外のコハク酸イミドを含むエンジン油組成物とを組み
合わせた場合(比較例4)、数平均分子量1000〜3
000の成分量が所定値以下の清浄分散剤を含む燃料油
組成物とコハク酸イミドを所定量を含有しないエンジン
油組成物を組み合わせた場合(比較例5)、そして数平
均分子量1000〜3000の成分含量が所定値以下の
清浄分散剤を含む燃料油組成物と重量平均分子量が所定
の値以外のコハク酸イミドを含むエンジン油組成物とを
組み合わせた場合(比較例6)には、いずれも吸気弁デ
ポジットは低減せず、燃費性能、排ガス排出量も低減し
ない。
【0153】
【発明の効果】特定の清浄分散剤を含有する燃料油組成
物と特定のコハク酸イミド(無灰分散剤)を含有するエ
ンジン油組成物とを組み合わせてガソリンエンジンに用
いることで、排出ガス量の低減及び燃費の向上を達成す
ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02D 19/12 F02D 19/12 Z F02M 37/00 341 F02M 37/00 341G // C10N 20:04 C10N 20:04 30:04 30:04 40:25 40:25 (72)発明者 大橋 章浩 神奈川県横浜市中区千鳥町8番地 日石三 菱株式会社潤滑油研究所内 (72)発明者 太田 晴久 東京都港区西新橋1丁目3番12号 日石三 菱株式会社技術開発部内 Fターム(参考) 3G092 AA01 AB02 AB16 FA03 FA15 FA24 4H013 AA06 4H104 BF03C EA03C LA02 PA41

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 数平均分子量1000〜3000の成分
    を10質量%以上含有し、少なくとも1個の塩基性窒素
    を持つ清浄分散剤を組成物全量基準で0.01〜10質
    量%含有する燃料油組成物と、重量平均分子量3000
    〜15000のコハク酸イミド及び/又はその誘導体を
    組成物全量基準で1〜15質量%含有するエンジン油組
    成物とを組み合わせて使用することを特徴とするガソリ
    ンエンジンシステム。
JP2001116871A 2001-04-16 2001-04-16 ガソリンエンジンシステム Pending JP2002310005A (ja)

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JP2001116871A JP2002310005A (ja) 2001-04-16 2001-04-16 ガソリンエンジンシステム

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014019866A (ja) * 2012-07-18 2014-02-03 Afton Chemical Corp 直噴エンジン用の潤滑剤組成物

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