JP4049469B2 - 燃料油組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料油に対する溶解性に優れ、特にガソリンエンジンの吸気系及び燃焼室内の清浄性に優れた燃料油添加剤を含有してなる燃料油組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
内燃エンジンの燃料系統や燃焼室内にスラッジやデポジット等の沈積物を生じると、エンジンの機能が低下したり、排気ガス中の一酸化炭素濃度や未燃炭化水素濃度が上昇する等の不都合が起こる。このため、気化器又は電子制御式噴射装置、吸気弁等のデポジットの除去や付着防止を主な目的として、ガソリン等の燃料油には、ポリエーテルアミン系やポリアミン系等のガソリン清浄剤で代表される燃料添加剤が添加される場合が多い。
この種の燃料添加剤の中では、米国特許第4,247,301号や同第4,160,648号等に開示されたポリエーテル系ガソリン清浄剤が、吸気弁のデポジットの除去や付着防止に優れた性能を発揮して来た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
昨今においては自動車の燃費を向上させることに加えて、自動車排気ガスが及ぼす人体及び環境への悪影響を払拭することに関心が集まっている。しかし、ポリエーテルアミン系やポリアミン系等を代表例とする従来のガソリン清浄剤は、吸気弁のデポジットの除去や付着防止には優れた性能を発揮する一方で、燃焼室内のデポジットを増加させる傾向にあり、総合的に排出ガスを改善するには至っておらず、ガソリンエンジンの吸気系及び燃焼室内の清浄性に一段と優れ、特にエンジンの冷機時等の過酷な条件下においても、優れた清浄効果を発揮する燃料油添加剤の開発が待ち望まれている。
そこで、本発明は、このような実情に鑑みなされたものであり、その目的は、従来のガソリン清浄剤を凌駕する性能を備え、しかもそれ自身はスラッジ化することのない特殊な芳香環に結合したアミン基を有する化合物からなる新規な燃料油添加剤を含有する燃料油組成物を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、ガソリンエンジンの吸気系及び燃焼室内の清浄性により優れた燃料油添加剤を開発すべく研究を重ねた結果、芳香環に結合したアミン基を有する下記特定の化合物が、従来のガソリン清浄剤より非常に優れた性能を有することを見出したのである。
本発明は、芳香環に結合したアミン基を有する化合物であって、下記一般式(5)及び(7)で表されるアミン化合物、及び芳香環に直接結合したアミン基を有する化合物であって、該化合物が更に下記式(11)で示されるポリアルキレン構造(Y)を有し、かつ該ポリアルキレン構造(Y)が芳香環と−O−又は−CO−O−で表される連結基を介して結合する化合物からなる群より選ばれるアミン化合物を含む燃料油組成物を提供する。
【化4】
(上記式(5)において、R9は水素又は炭素数1〜30の炭化水素基、炭素数1〜30のアルコキシ基、炭素数1〜30のアルカノール基を示す。)
【化5】
(上記式(7)において、R13及びR14はそれぞれ個別に水素、炭素数1〜30の炭化水素基、炭素数1〜30のアルコキシ基、炭素数1〜30のアルカノール基を示す。)
【化6】
(上記一般式(11)において、R20、R21、R22およびR23はそれぞれ個別に水素、炭素数1〜3のアルキル基を表し、R24は水素または炭素数1〜30の炭化水素基を表し、pは1〜200の整数を表す。)
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の内容をさらに詳細に説明する。
本発明でいう芳香環に結合したアミン基を有する化合物とは、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環等の芳香環に直接結合したアミン基を有する化合物のことである。分子内のアミン基の数については特に制限はないが、燃料油に対する溶解性の点から好ましくは1〜4個、より好ましくは1〜3個、最も好ましくは1〜2個である。
フェニルベンゼンやベンジルベンゼン等のように2個以上の芳香族環が直接又はアルキレン基等を介して間接的に結合したものにアミン基が結合した化合物も本発明でいう芳香環に結合したアミン基を有する化合物に含まれる。
また、これら芳香族環にはアミン基が結合してさえいれば良く、その他の置換基については何ら制限はない(ただしフェノール性水酸基を除く)。具体的には例えば、アルキル基やシクロアルキル基等の炭化水素基や、アルコキシ基やカルボキシル基等の含酸素基、アミド基等の含窒素基等が結合していても良い。
【0006】
本発明でいう芳香環に結合したアミン基を有する化合物の具体例としては、以下のものが挙げられる。
A:下記一般式(1)で表される化合物
【化7】
(上記式(1)において、R1及びR2はそれぞれ個別に水素又は炭素数1〜30の炭化水素基を示す。)
B:下記一般式(2)で表される化合物
【化8】
(上記式(2)において、R3及びR4はそれぞれ個別に水素又は炭素数1〜30の炭化水素基、炭素数1〜30のアルコキシ基、炭素数1〜30のアルカノール基を示す。)
C:下記一般式(3)で表される化合物
【化9】
(上記式(3)において、R5は水素又は炭素数1〜30の炭化水素基を示す。)
D:下記一般式(4)で表される化合物
【化10】
(上記式(4)において、R6及びR7はそれぞれ個別に水素又は炭素数1〜30の炭化水素基、炭素数1〜30のアルコキシ基、炭素数1〜30のアルカノール基を示し、R8は炭素数1〜10のアルキレン基を示す。)
E:下記一般式(5)で表される化合物
【化11】
(上記式(5)において、R9は水素又は炭素数1〜30の炭化水素基、炭素数1〜30のアルコキシ基、炭素数1〜30のアルカノール基を示す。)
F:下記一般式(6)で表される化合物
【化12】
(上記式(6)において、R10及びR11はそれぞれ個別に水素又は炭素数1〜30の炭化水素基を示し、R12は、炭素数1〜10のアルキレン基を示す。)
G:下記一般式(7)で表される化合物
【化13】
(上記式(7)において、R13及びR14はそれぞれ個別に水素、炭素数1〜30の炭化水素基、炭素数1〜30のアルコキシ基、炭素数1〜30のアルカノール基を示す。)
H:下記一般式(8)で表される化合物
【化14】
(上記式(8)において、R15及びR16は、それぞれ個別に炭素数1〜30の炭化水素基、炭素数1〜30のアルコキシ基、炭素数1〜30のアルカノール基を示す。)
I:下記一般式(9)で表される化合物
【化15】
(上記式(9)において、R17は炭素数1〜30の炭化水素基を示す。)
J:下記一般式(10)で表される化合物
【化16】
(上記式(10)において、R18及びR19はそれぞれ個別に炭素数1〜30の炭化水素基、炭素数1〜30のアルコキシ基、炭素数1〜30のアルカノール基を示し、a1及びa2はそれぞれ個別に0〜5の整数である。)
【0007】
以下、上記した各化合物について詳述する。
まず、Aの化合物について説明する。上記一般式(1)において、R1及びR2はそれぞれ個別に水素又は炭素数1〜30の炭化水素基を示す。
炭素数1〜30の炭化水素基としては、炭素数1〜30、好ましくは1〜24の直鎖状又は分枝状のアルキル基、炭素数5〜30、好ましくは5〜13のシクロアルキル基又はアルキルシクロアルキル基、炭素数6〜30、好ましくは炭素数6〜18のアリール基又はアルキルアリール基、炭素数7〜30、好ましくは炭素数7〜19のアリールアルキル基等が挙げられる。
炭素数1〜24のアルキル基としては、具体的には例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、直鎖又は分枝ペンチル基、直鎖又は分枝ヘキシル基、直鎖又は分枝ヘプチル基、直鎖又は分枝オクチル基、直鎖又は分枝ノニル基、直鎖又は分枝デシル基、直鎖又は分枝ウンデシル基、直鎖又は分枝ドデシル基、直鎖又は分枝トリデシル基、直鎖又は分枝テトラデシル基、直鎖又は分枝ペンタデシル基、直鎖又は分枝ヘキサデシル基、直鎖又は分枝ヘプタデシル基、直鎖又は分枝オクタデシル基、直鎖又は分枝ノナデシル基、直鎖又は分枝イコシル基、直鎖又は分枝ヘンイコシル基、直鎖又は分枝ドコシル基、直鎖又は分枝トリコシル基、直鎖又は分枝テトラコシル基等が挙げられる。
炭素数5〜13のシクロアルキル基としては、具体的には例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等が包含され、同じく好ましいアルキルシクロアルキル基には、メチルシクロペンチル基、ジメチルシクロペンチル基(すべての置換異性体を含む)、エチルシクロペンチル基(すべての置換異性体を含む)、直鎖又は分枝プロピルシクロペンチル基(すべての置換異性体を含む)、エチルメチルシクロペンチル基(すべての置換異性体を含む)、トリメチルシクロペンチル基(すべての置換異性体を含む)、ジエチルシクロペンチル基(すべての置換異性体を含む)、エチルジメチルシクロペンチル基(すべての置換異性体を含む)、直鎖又は分枝プロピルメチルシクロペンチル基(すべての置換異性体を含む)、直鎖又は分枝プロピルエチルシクロペンチル基(すべての置換異性体を含む)、ジ−直鎖又は分枝プロピルシクロペンチル基(すべての置換異性体を含む)、直鎖又は分枝プロピルエチルメチルシクロペンチル基(すべての置換異性体を含む)、メチルシクロヘキシル基(すべての置換異性体を含む)、ジメチルシクロヘキシル基(すべての置換異性体を含む)、エチルシクロヘキシル基(すべての置換異性体を含む)、直鎖又は分枝プロピルシクロヘキシル基(すべての置換異性体を含む)、エチルメチルシクロヘキシル基(すべての置換異性体を含む)、トリメチルシクロヘキシル基(すべての置換異性体を含む)、ジエチルシクロヘキシル基(すべての置換異性体を含む)、エチルジメチルシクロヘキシル基(すべての置換異性体を含む)、直鎖又は分枝プロピルメチルシクロヘキシル基(すべての置換異性体を含む)、直鎖又は分枝プロピルエチルシクロヘキシル基(すべての置換異性体を含む)、ジ−直鎖又は分枝プロピルシクロヘキシル基(すべての置換異性体を含む)、直鎖又は分枝プロピルエチルメチルシクロヘキシル基(すべての置換異性体を含む)、メチルシクロヘプチル基(すべての置換異性体を含む)、ジメチルシクロヘプチル基(すべての置換異性体を含む)、エチルシクロヘプチル基(すべての置換異性体を含む)、直鎖又は分枝プロピルシクロヘプチル基(すべての置換異性体を含む)、エチルメチルシクロヘプチル基(すべての置換異性体を含む)、トリメチルシクロヘプチル基(すべての置換異性体を含む)、ジエチルシクロヘプチル基(すべての置換異性体を含む)、エチルジメチルシクロヘプチル基(すべての置換異性体を含む)、直鎖又は分枝プロピルメチルシクロヘプチル基(すべての置換異性体を含む)、直鎖又は分枝プロピルエチルシクロヘプチル基(すべての置換異性体を含む)、ジ−直鎖又は分枝プロピルシクロヘプチル基(すべての置換異性体を含む)、直鎖又は分枝プロピルエチルメチルシクロヘプチル基(すべての置換異性体を含む)等が挙げられる。
炭素数6〜18のアリール基又はアルキルアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、トリル基(すべての置換異性体を含む)、キシリル基(すべての置換異性体を含む)、エチルフェニル基(すべての置換異性体を含む)、直鎖又は分枝プロピルフェニル基(すべての置換異性体を含む)、エチルメチルフェニル基(すべての置換異性体を含む)、トリメチルフェニル基(すべての置換異性体を含む)、直鎖又は分枝ブチルフェニル基(すべての置換異性体を含む)、直鎖又は分枝プロピルメチルフェニル基(すべての置換異性体を含む)、ジエチルフェニル基(すべての置換異性体を含む)、エチルジメチルフェニル基(すべての置換異性体を含む)、テトラメチルフェニル基(すべての置換異性体を含む)、直鎖又は分枝ペンチルフェニル基(すべての置換異性体を含む)、直鎖又は分枝ヘキシルフェニル基(すべての置換異性体を含む)、直鎖又は分枝ヘプチルフェニル基(すべての置換異性体を含む)、直鎖又は分枝オクチルフェニル基(すべての置換異性体を含む)、直鎖又は分枝ノニルフェニル基(すべての置換異性体を含む)、直鎖又は分枝デシルフェニル基(すべての置換異性体を含む)、直鎖又は分枝ウンデシルフェニル基(すべての置換異性体を含む)、直鎖又は分枝ドデシルフェニル基(すべての置換異性体を含む)等が挙げられる。
炭素数7〜19のアリールアルキル基としては、ベンジル基、メチルベンジル基(すべての置換異性体を含む)、ジメチルベンジル基(すべての置換異性体を含む)、フェネチル基、メチルフェネチル基(すべての置換異性体を含む)、ジメチルフェネチル基(すべての置換異性体を含む)等が挙げられる。
これらの中でも、炭素数1〜12の直鎖状もしくは分枝状のアルキル基である場合、炭素数5〜11のシクロアルキル基である場合又はアルキルシクロアルキル基である場合、炭素数6〜18のアリール基である場合又はアルキルアリール基である場合がより一層好ましく、特に、炭素数1〜6の直鎖状もしくは分枝状のアルキル基である場合、炭素数5〜9のシクロアルキル基である場合又はアルキルシクロアルキル基である場合、フェニル基である場合又は炭素数7〜15の直鎖もしくは分枝アルキルアリール基である場合が最も好ましい。
一般式(1)においてR1及び/又はR2がフェニル基である化合物としては、具体的には例えば、N−フェニル−N'−ヘプチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N'−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N−1,3−ジメチルブチル−N'−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−オクチル−N'−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−シクロヘキシル−N'−フェニル−p−フェニレンジアミン、N,N'−ジフェニル−p−フェニレンジアミン等が挙げられる。
一般式(1)においてR1及びR2の何れもがフェニル基でない化合物としては、具体的には例えば、N,N'−ジイソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N'−ビス(1−メチルヘプチル)−p−フェニレンジアミン、N,N'−ビス(1,4−ジメチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、N,N'−ジオクチル−p−フェニレンジアミン、N,N'−ビス(1−エチル−3−メチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、N,N'−ジ−β−ナフチル−p−フェニレンジアミン、N,N'−ジ(2−メチルプロピル)−p−フェニレンジアミン等が挙げられる。
【0008】
続いて、Bの化合物について説明する。上記一般式(2)において、R3及びR4はそれぞれ個別に水素又は炭素数1〜30の炭化水素基、炭素数1〜30のアルコキシ基、炭素数1〜30のアルカノール基を示す。
炭素数1〜30の炭化水素基としては、具体的には例えば、上記R1及びR2について列挙した基と同一の基等が挙げられる。
これらの中でも、炭素数1〜12の直鎖状もしくは分枝状のアルキル基である場合、炭素数5〜11のシクロアルキル基である場合又はアルキルシクロアルキル基である場合、炭素数6〜18のアリール基である場合又はアルキルアリール基である場合がより一層好ましく、特に、炭素数1〜6の直鎖状もしくは分枝状のアルキル基である場合、炭素数5〜9のシクロアルキル基である場合又はアルキルシクロアルキル基である場合、フェニル基である場合又は炭素数7〜15の直鎖もしくは分枝アルキルアリール基である場合が最も好ましい。
炭素数1〜30のアルコキシ基としては、直鎖状のものであっても分枝状のものであっても良い。また、炭素数1〜30のアルコキシ基の中でも、炭素数1〜24のものが好ましく、炭素数1〜12のものがより好ましく、炭素数1〜8のものが最も好ましい。
炭素数1〜8のアルコキシ基としては、具体的には例えば、メトキシ基、エトキシ基、直鎖又は分枝プロポキシ基、直鎖又は分枝ブトキシ基、直鎖又は分枝ペントキシ基、直鎖又は分枝ヘキソキシ基、直鎖又は分枝ヘプトキシ基、直鎖又は分枝オクトキシ基等が挙げられる。
炭素数1〜30のアルカノール基とは、アルキル基の少なくとも一つの任意の水素原子を水酸基で置換した基であり、直鎖状のものであっても分枝状のものであっても良い。また、炭素数1〜30のアルカノール基の中でも、炭素数1〜24のものが好ましく、炭素数1〜12のものがより好ましく、炭素数1〜8のものが最も好ましい。
炭素数1〜8のアルカノール基としては、具体的には例えば、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、直鎖又は分枝ヒドロキシプロピル基、直鎖又は分枝ヒドロキシブチル基、直鎖又は分枝ヒドロキシペンチル基、直鎖又は分枝ヒドロキシヘキシル基、直鎖又は分枝ヒドロキシヘプチル基、直鎖又は分枝ヒドロキシオクチル基等が挙げられる。
一般式(2)で表される化合物としては、具体的には例えば、ジフェニルアミン、p−イソプロピルジフェニルアミン、p−イソプロポキシジフェニルアミン、p,p−ジオクチルジフェニルアミン、p,p−ジメトキシ−ジフェニルアミン、4,4'−ビス(4−α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン等が挙げられる。
【0009】
続いて、Cの化合物について説明する。上記一般式(3)において、R5はそれぞれ個別に水素又は炭素数1〜30の炭化水素基を示す。
炭素数1〜30の炭化水素基としては、具体的には例えば、上記R1及びR2について列挙した基と同一の基等が挙げられる。
これらの中でも、炭素数1〜12の直鎖状もしくは分枝状のアルキル基である場合、炭素数5〜11のシクロアルキル基である場合又はアルキルシクロアルキル基である場合、炭素数6〜18のアリール基である場合又はアルキルアリール基である場合がより一層好ましく、特に、炭素数1〜6の直鎖状もしくは分枝状のアルキル基である場合、炭素数5〜9のシクロアルキル基である場合又はアルキルシクロアルキル基である場合、フェニル基である場合又は炭素数7〜15の直鎖もしくは分枝アルキルアリール基である場合が最も好ましい。
一般式(3)で表される化合物としては、具体的には例えば、α−ナフチルアミン、β−ナフチルアミン、フェニル−α−ナフチルアミン、フェニル−β−ナフチルアミン、アルドル−α−ナフチルアミン、アルドル−α−ナフチルアミン等が挙げられる。
【0010】
続いて、Dの化合物について説明する。上記一般式(5)において、R6及びR7はそれぞれ個別に水素又は炭素数1〜30の炭化水素基、炭素数1〜30のアルコキシ基、炭素数1〜30のアルカノール基を示し、R8は炭素数1〜10のアルキレン基を示す。
R6及びR7における炭素数1〜30の炭化水素基としては、具体的には例えば、上記R1及びR2について列挙した基と同一の基等が挙げられる。
これらの中でも、炭素数1〜12の直鎖状もしくは分枝状のアルキル基である場合、炭素数5〜11のシクロアルキル基である場合又はアルキルシクロアルキル基である場合、炭素数6〜18のアリール基である場合又はアルキルアリール基である場合がより一層好ましく、特に、炭素数1〜6の直鎖状もしくは分枝状のアルキル基である場合、炭素数5〜9のシクロアルキル基である場合又はアルキルシクロアルキル基である場合、フェニル基である場合又は炭素数7〜15の直鎖もしくは分枝アルキルアリール基である場合が最も好ましい。
炭素数1〜30のアルコキシ基としては、直鎖状のものであっても分枝状のものであっても良い。また、炭素数1〜30のアルコキシ基の中でも、炭素数1〜24のものが好ましく、炭素数1〜12のものがより好ましく、炭素数1〜8のものが最も好ましい。
炭素数1〜8のアルコキシ基としては、具体的には例えば、上記R3及びR4について列挙した基と同一の基等が挙げられる。
炭素数1〜30のアルカノール基とは、アルキル基の少なくとも一つの任意の水素原子を水酸基で置換した基であり、直鎖状のものであっても分枝状のものであっても良い。また、炭素数1〜30のアルカノール基の中でも、炭素数1〜24のものが好ましく、炭素数1〜12のものがより好ましく、炭素数1〜8のものが最も好ましい。
炭素数1〜8のアルカノール基としては、具体的には例えば、上記R3及びR4について列挙した基と同一の基等が挙げられる。
R8における炭素数1〜10のアルキレン基としては、直鎖状のものであっても分枝状のものであっても良い。また、炭素数1〜10のアルキレン基の中でも、炭素数1〜8のものが好ましく、炭素数1〜6のものがより好ましく、炭素数1〜4のものが最も好ましい。
炭素数1〜4のアルキレン基としては、具体的には例えば、メチレン基、メチルメチレン基(エチリデン基)、エチレン基、エチルメチレン基(プロピリデン基)、ジメチルメチレン基(イソプロピリデン基)、メチルエチレン基(プロピレン基)、トリメチレン基、n−プロピルメチレン基(ブチリデン基)、イソプロピルメチレン基(イソブチリデン基)、エチルメチルメチレン基、エチルエチレン基、1,1−ジメチルエチレン基、1,2−ジメチルエチレン基、1−メチルトリメチレン基、2−メチルトリメチレン基、テトラメチレン基等が挙げられる。
一般式(4)で表される化合物としては、具体的には例えば、N,N'−ジフェニルエチレンジアミン、N,N'−ジフェニルプロピレンジアミン、N,N'−ビス(4−ジメチルフェニル)エチレンジアミン等が挙げられる。
【0011】
続いて、Eの化合物について説明する。上記一般式(5)において、R9は水素又は炭素数1〜30の炭化水素基、炭素数1〜30のアルコキシ基、炭素数1〜30のアルカノール基を示す。
炭素数1〜30の炭化水素基としては、具体的には例えば、上記R1及びR2について列挙した基と同一の基等が挙げられる。
これらの中でも、炭素数1〜12の直鎖状もしくは分枝状のアルキル基である場合、炭素数5〜11のシクロアルキル基である場合又はアルキルシクロアルキル基である場合、炭素数6〜18のアリール基である場合又はアルキルアリール基である場合がより一層好ましく、特に、炭素数1〜6の直鎖状もしくは分枝状のアルキル基である場合、炭素数5〜9のシクロアルキル基である場合又はアルキルシクロアルキル基である場合、フェニル基である場合又は炭素数7〜15の直鎖もしくは分枝アルキルアリール基である場合が最も好ましい。
炭素数1〜30のアルコキシ基としては、直鎖状のものであっても分枝状のものであっても良い。また、炭素数1〜30のアルコキシ基の中でも、炭素数1〜24のものが好ましく、炭素数1〜12のものがより好ましく、炭素数1〜8のものが最も好ましい。
炭素数1〜8のアルコキシ基としては、具体的には例えば、上記R3及びR4について列挙した基と同一の基等が挙げられる。
炭素数1〜30のアルカノール基とは、アルキル基の少なくとも一つの任意の水素原子を水酸基で置換した基であり、直鎖状のものであっても分枝状のものであっても良い。また、炭素数1〜30のアルカノール基の中でも、炭素数1〜24のものが好ましく、炭素数1〜12のものがより好ましく、炭素数1〜8のものが最も好ましい。
炭素数1〜8のアルカノール基としては、具体的には例えば、上記R3及びR4について列挙した基と同一の基等が挙げられる。
一般式(5)で表される化合物としては、具体的には例えば、6−エトキシ−2,2,4−トリメチル−1,2−ジハイドロキノリン、2,2,4−トリメチル−1,2−ジハイドロキノリン、6−ドデシル−2,2,4−トリメチル−1,2−ジハイドロキノリン等が挙げられる。
【0012】
続いて、Fの化合物について説明する。上記一般式(6)において、R10及びR11はそれぞれ個別に水素又は炭素数1〜30の炭化水素基を示し、R12は、炭素数1〜10のアルキレン基を示す。
R10及びR11における炭素数1〜30の炭化水素基としては、具体的には例えば、上記R1及びR2について列挙した基と同一の基等が挙げられる。
これらの中でも、炭素数1〜12の直鎖状もしくは分枝状のアルキル基である場合、炭素数5〜11のシクロアルキル基である場合又はアルキルシクロアルキル基である場合、炭素数6〜18のアリール基である場合又はアルキルアリール基である場合がより一層好ましく、特に、炭素数1〜6の直鎖状もしくは分枝状のアルキル基である場合、炭素数5〜9のシクロアルキル基である場合又はアルキルシクロアルキル基である場合、フェニル基である場合又は炭素数7〜15の直鎖もしくは分枝アルキルアリール基である場合が最も好ましい。
R12における炭素数1〜10のアルキレン基としては、具体的には例えば、上記R8について列挙した基と同一の基等が挙げられる
これらの中でも、炭素数1〜6の直鎖状もしくは分枝状のアルキル基である場合、炭素数5〜9のシクロアルキル基である場合又はアルキルシクロアルキル基である場合、フェニル基である場合又は炭素数7〜10の直鎖もしくは分枝アルキルアリール基である場合が好ましい。
一般式(6)で表される化合物としては、具体的には例えば、4,4'−テトラメチルジアミノジフェニルメタン等が挙げられる。
【0013】
続いて、Gの化合物について説明する。上記一般式(7)において、R13及びR14はそれぞれ個別に水素、炭素数1〜30の炭化水素基、炭素数1〜30のアルコキシ基、炭素数1〜30のアルカノール基を示す。
炭素数1〜30の炭化水素基としては、具体的には例えば、上記R1及びR2について列挙した基と同一の基等が挙げられる。
これらの中でも、炭素数1〜12の直鎖状もしくは分枝状のアルキル基である場合、炭素数5〜11のシクロアルキル基である場合又はアルキルシクロアルキル基である場合、炭素数6〜18のアリール基である場合又はアルキルアリール基である場合がより一層好ましく、特に、炭素数1〜6の直鎖状もしくは分枝状のアルキル基である場合、炭素数5〜9のシクロアルキル基である場合又はアルキルシクロアルキル基である場合、フェニル基である場合又は炭素数7〜15の直鎖もしくは分枝アルキルアリール基である場合が最も好ましい。
炭素数1〜30のアルコキシ基としては、直鎖状のものであっても分枝状のものであっても良い。また、炭素数1〜30のアルコキシ基の中でも、炭素数1〜24のものが好ましく、炭素数1〜12のものがより好ましく、炭素数1〜8のものが最も好ましい。
炭素数1〜8のアルコキシ基としては、具体的には例えば、上記R3及びR4について列挙した基と同一の基等が挙げられる。
炭素数1〜30のアルカノール基とは、アルキル基の少なくとも一つの任意の水素原子を水酸基で置換した基であり、直鎖状のものであっても分枝状のものであっても良い。また、炭素数1〜30のアルカノール基の中でも、炭素数1〜24のものが好ましく、炭素数1〜12のものがより好ましく、炭素数1〜8のものが最も好ましい。
炭素数1〜8のアルカノール基としては、具体的には例えば、上記R3及びR4について列挙した基と同一の基等が挙げられる。
一般式(7)で表される化合物としては、具体的には例えば、フェノチアジン等が挙げられる。
【0014】
続いて、Hの化合物について説明する。上記一般式(8)において、R15及びR16は、それぞれ個別に炭素数1〜30の炭化水素基、炭素数1〜30のアルコキシ基、炭素数1〜30のアルカノール基を示す。
炭素数1〜30の炭化水素基としては、具体的には例えば、上記R1及びR2について列挙した基と同一の基等が挙げられる。
これらの中でも、炭素数1〜12の直鎖状もしくは分枝状のアルキル基である場合、炭素数5〜11のシクロアルキル基である場合又はアルキルシクロアルキル基である場合、炭素数6〜18のアリール基である場合又はアルキルアリール基である場合がより一層好ましく、特に、炭素数1〜6の直鎖状もしくは分枝状のアルキル基である場合、炭素数5〜9のシクロアルキル基である場合又はアルキルシクロアルキル基である場合、フェニル基である場合又は炭素数7〜15の直鎖もしくは分枝アルキルアリール基である場合が最も好ましい。
炭素数1〜30のアルコキシ基としては、直鎖状のものであっても分枝状のものであっても良い。また、炭素数1〜30のアルコキシ基の中でも、炭素数1〜24のものが好ましく、炭素数1〜12のものがより好ましく、炭素数1〜8のものが最も好ましい。
炭素数1〜8のアルコキシ基としては、具体的には例えば、上記R3及びR4について列挙した基と同一の基等が挙げられる。
炭素数1〜30のアルカノール基とは、アルキル基の少なくとも一つの任意の水素原子を水酸基で置換した基であり、直鎖状のものであっても分枝状のものであっても良い。また、炭素数1〜30のアルカノール基の中でも、炭素数1〜24のものが好ましく、炭素数1〜12のものがより好ましく、炭素数1〜8のものが最も好ましい。
炭素数1〜8のアルカノール基としては、具体的には例えば、上記R3及びR4について列挙した基と同一の基等が挙げられる。
一般式(8)で表される化合物としては、具体的には例えば、ジ−o−トリルチオウレア、チオカルボアニリド等が挙げられる。
【0015】
続いて、Iの化合物について説明する。上記一般式(9)において、R17は炭素数1〜30の炭化水素基を示す。
炭素数1〜30の炭化水素基としては、具体的には例えば、上記R1及びR2について列挙した基と同一の基等が挙げられる。
これらの中でも、炭素数1〜12の直鎖状もしくは分枝状のアルキル基である場合、炭素数5〜11のシクロアルキル基である場合又はアルキルシクロアルキル基である場合、炭素数6〜18のアリール基である場合又はアルキルアリール基である場合がより一層好ましく、特に、炭素数1〜6の直鎖状もしくは分枝状のアルキル基である場合、炭素数5〜9のシクロアルキル基である場合又はアルキルシクロアルキル基である場合、フェニル基である場合又は炭素数7〜15の直鎖もしくは分枝アルキルアリール基である場合が最も好ましい。
一般式(9)で表される化合物としては、具体的には例えば、p−メンチル−3−o−アミノベンゾエート等が挙げられる。
【0016】
続いて、Jの化合物について説明する。上記一般式(10)において、R18及びR19はそれぞれ個別に炭素数1〜30の炭化水素基、炭素数1〜30のアルコキシ基、炭素数1〜30のアルカノール基を示し、a1及びa2はそれぞれ個別に0〜5の整数である。
炭素数1〜30の炭化水素基としては、具体的には例えば、上記R1及びR2について列挙した基と同一の基等が挙げられる。
これらの中でも、炭素数1〜12の直鎖状もしくは分枝状のアルキル基である場合、炭素数5〜11のシクロアルキル基である場合又はアルキルシクロアルキル基である場合、炭素数6〜18のアリール基である場合又はアルキルアリール基である場合がより一層好ましく、特に、炭素数1〜6の直鎖状もしくは分枝状のアルキル基である場合、炭素数5〜9のシクロアルキル基である場合又はアルキルシクロアルキル基である場合、フェニル基である場合又は炭素数7〜15の直鎖もしくは分枝アルキルアリール基である場合が最も好ましい。
炭素数1〜30のアルコキシ基としては、直鎖状のものであっても分枝状のものであっても良い。また、炭素数1〜30のアルコキシ基の中でも、炭素数1〜24のものが好ましく、炭素数1〜12のものがより好ましく、炭素数1〜8のものが最も好ましい。
炭素数1〜8のアルコキシ基としては、具体的には例えば、上記R3及びR4について列挙した基と同一の基等が挙げられる。
炭素数1〜30のアルカノール基とは、アルキル基の少なくとも一つの任意の水素原子を水酸基で置換した基であり、直鎖状のものであっても分枝状のものであっても良い。また、炭素数1〜30のアルカノール基の中でも、炭素数1〜24のものが好ましく、炭素数1〜12のものがより好ましく、炭素数1〜8のものが最も好ましい。
炭素数1〜8のアルカノール基としては、具体的には例えば、上記R3及びR4について列挙した基と同一の基等が挙げられる。
また、a1及びa2はそれぞれ個別に0〜5の整数であり、好ましくは0〜3で、より好ましくは0〜2である。
一般式(10)で表される化合物としては、具体的には例えば、N−(2−エチルフェニル)−N'−(2−エトキシ−5−t−ブチルフェノル)オキサイド等が挙げられる。
【0017】
また、本発明の芳香環に結合したアミン基を有する化合物としては、アミン基に加えて、さらにポリオキシアルキレン構造を有するものも含まれる。ポリオキシアルキレン構造としては、例えば下記一般式(11)で表されるものが挙げられる。
【化17】
(上記一般式(11)において、R20、R21、R22およびR23はそれぞれ個別に水素、炭素数1〜3のアルキル基または一般式(12)で表される基を表し、R24は水素または炭素数1〜30の炭化水素基を表し、pは1〜200の整数を表す。)
【化18】
(上記一般式(12)において、R25およびR26はそれぞれ別個に水素、炭素数1〜10のアルキル基または炭素数2〜10のアルコキシアルキル基を示し、R27は炭素数2〜6のアルキレン基またはアルコキシアルキル基を置換基として有する総炭素数4〜10のアルキレン基を示し、R28は水素または炭素数1〜30の炭化水素基を示し、qは0〜50の整数を示す。)
上記一般式(11)において、R20、R21、R22およびR23はそれぞれ別個に水素、炭素数1〜3のアルキル基または一般式(12)で表される基を表す。炭素数1〜3のアルキル基としては具体的には例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基が挙げられる。
上記一般式(12)において、R25およびR26はそれぞれ別個に水素、炭素数1〜10のアルキル基または炭素数2〜10のアルコキシアルキル基を示す。炭素数1〜10のアルキル基としては、直鎖のものでも分枝のものでも良い。また、炭素数1〜10のアルキル基の中でも、炭素数1〜8のものが好ましく、炭素数1〜6のものがより好ましく、炭素数1〜4のものが最も好ましい。
炭素数1〜4のアルキル基としては、具体的には例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等が挙げられる。
炭素数2〜10のアルコキシアルキル基としては、例えば、メトキシメチル基、エトキシメチル基、n−プロポキシメチル基、イソプロポキシメチル基、n−ブトキシメチル基、イソブトキシメチル基、sec−ブトキシメチル基、tert−ブトキシメチル基、ペントキシメチル基(すべての異性体を含む)、ヘキソキシメチル基(すべての異性体を含む)、ヘプトキシメチル基(すべての異性体を含む)、オクトキシメチル基(すべての異性体を含む)、ノニロキシメチル基(すべての異性体を含む)、メトキシエチル基(すべての異性体を含む)、エトキシエチル基(すべての異性体を含む)、プロポキシエチル基(すべての異性体を含む)、ブトキシエチル基(すべての異性体を含む)、ペントキシエチル基(すべての異性体を含む)、ヘキソキシエチル基(すべての異性体を含む)、ヘプトキシエチル基(すべての異性体を含む)、オクトキシエチル基(すべての異性体を含む)、メトキシプロピル基(すべての異性体を含む)、エトキシプロピル基(すべての異性体を含む)、プロポキシプロピル基(すべての異性体を含む)、ブトキシプロピル基(すべての異性体を含む)、ペントキシプロピル基(すべての異性体を含む)、ヘキソキシプロピル基(すべての異性体を含む)、ヘプトキシプロピル基(すべての異性体を含む)、メトキシブチル基(すべての異性体を含む)、エトキシブチル基(すべての異性体を含む)、プロポキシブチル基(すべての異性体を含む)、ブトキシブチル基(すべての異性体を含む)、ペントキシブチル基(すべての異性体を含む)、ヘキソキシブチル基(すべての異性体を含む)、メトキシペンチル基(すべての異性体を含む)、エトキシペンチル基(すべての異性体を含む)、プロポキシペンチル基(すべての異性体を含む)、ブトキシペンチル基(すべての異性体を含む)、ペントキシペンチル基(すべての異性体を含む)、メトキシヘキシル基(すべての異性体を含む)、エトキシヘキシル基(すべての異性体を含む)、プロポキシヘキシル基(すべての異性体を含む)、ブトキシヘキシル基(すべての異性体を含む)、メトキシヘプチル基(すべての異性体を含む)、エトキシヘプチル基(すべての異性体を含む)、プロポキシヘプチル基(すべての異性体を含む)、メトキシオクチル基(すべての異性体を含む)、エトキシオクチル基(すべての異性体を含む)、メトキシノニル基(すべての異性体を含む)などが挙げられる。
一般式(12)におけるR25およびR26は共に、または個別に水素、炭素数1〜6のアルキル基または炭素数2〜6のアルコキシアルキル基であることが好ましく、特に水素または炭素数1〜3のアルキル基であることがより一層好ましい。
一般式(12)におけるR27は炭素数2〜6のアルキレン基を示すか、またはアルコキシアルキル基を置換基として有する総炭素数4〜10のアルキレン基を示す。ここでいう炭素数2〜6のアルキレン基としては、例えば、エチレン基、プロピレン基(1−メチルエチレン基、2−メチルエチレン基)、トリメチレン基、ブチレン基(1−エチルエチレン基、2−エチルエチレン基)、1,2−ジメチルエチレン基、2,2−ジメチルエチレン基、1−メチルトリメチレン基、2−メチルトリメチレン基、3−メチルトリメチレン基、テトラメチレン基、ペンチレン基(1−ブチルエチレン基、2−ブチルエチレン基)、1−エチル−1−メチルエチレン基、1−エチル−2−メチルエチレン基、1,1,2−トリメチルエチレン基、1,2,2−トリメチルエチレン基、1−エチルトリメチレン基、2−エチルトリメチレン基、3−エチルトリメチレン基、1,1−ジメチルトリメチレン基、1,2−ジメチルトリメチレン基、1,3−ジメチルトリメチレン基、2,3−ジメチルトリメチレン基、3,3−ジメチルトリメチレン基、1−メチルテトラメチレン基、2−メチルテトラメチレン基、3−メチルテトラメチレン基、4−メチルテトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキシレン基(1−ブチルエチレン基、2−ブチルエチレン基)、1−メチル−1−プロピルエチレン基、1−メチル−2−プロピルエチレン基、2−メチル−2−プロピルエチレン基、1,1−ジエチルエチレン基、1,2−ジエチルエチレン基、2,2−ジエチルエチレン基、1−エチル−1,2−ジメチルエチレン基、1−エチル−2,2−ジメチルエチレン基、2−エチル−1,1−ジメチルエチレン基、2−エチル−1,2−ジメチルエチレン基、1,1,2,2−テトラメチルエチレン基、1−プロピルトリメチレン基、2−プロピルトリメチレン基、3−プロピルトリメチレン基、1−エチル−1−メチルトリメチレン基、1−エチル−2−メチルトリメチレン基、1−エチル−3−メチルトリメチレン基、2−エチル−1−メチルトリメチレン基、2−エチル−2−メチルトリメチレン基、2−エチル−3−メチルトリメチレン基、3−エチル−1−メチルトリメチレン基、3−エチル−2−メチルトリメチレン基、3−エチル−3−メチルトリメチレン基、1,1,2−トリメチルトリメチレン基、1,1,3−トリメチルトリメチレン基、1,2,2−トリメチルトリメチレン基、1,2,3−トリメチルトリメチレン基、1,3,3−トリメチルトリメチレン基、2,2,3−トリメチルトリメチレン基、2,3,3−トリメチルトリメチレン基、1−エチルテトラメチレン基、2−エチルテトラメチレン基、3−エチルテトラメチレン基、4−エチルテトラメチレン基、1,1−ジメチルテトラメチレン基、1,2−ジメチルテトラメチレン基、1,3−ジメチルテトラメチレン基、1,4−ジメチルテトラメチレン基、2,2−ジメチルテトラメチレン基、2,3−ジメチルテトラメチレン基、2,4−ジメチルテトラメチレン基、3,3−ジメチルテトラメチレン基、3,4−ジメチルテトラメチレン基、4,4−ジメチルテトラメチレン基、1−メチルペンタメチレン基、2−メチルペンタメチレン基、3−メチルペンタメチレン基、4−メチルペンタメチレン基、5−メチルペンタメチレン基、ヘキサメチレン基などが挙げられる。
またR27についていうアルコキシアルキル基を置換基として含有する総炭素数4〜10のアルキレン基としては、例えば、1−(メトキシメチル)エチレン基、2−(メトキシメチル)エチレン基、1−(メトキシエチル)エチレン基、2−(メトキシエチル)エチレン基、1−(エトキシメチル)エチレン基、2−(エトキシメチル)エチレン基、1−メトキシメチル−2−メチルエチレン基、1,1−ビス(メトキシメチル)エチレン基、2,2−ビス(メトキシメチル)エチレン基、1,2−ビス(メトキシメチル)エチレン基、1,1−ビス(メトキシエチル)エチレン基、2,2−ビス(メトキシエチル)エチレン基、1,2−ビス(メトキシエチル)エチレン基、1,1−ビス(エトキシメチル)エチレン基、2,2−ビス(エトキシメチル)エチレン基、1,2−ビス(エトキシメチル)エチレン基、1−メチル−2−メトキシメチルエチレン基、1−メトキシメチル−2−メチルエチレン基、1−エチル−2−メトキシメチルエチレン基、1−メトキシメチル−2−エチルエチレン基、1−メチル−2−エトキシメチルエチレン基、1−エトキシメチル−2−メチルエチレン基、1−エチル−2−エトキシメチルエチレン基、1−エトキシメチル−2−エチルエチレン基、1−メチル−2−メトキシエチルエチレン基、1−メトキシエチル−2−メチルエチレン基、1−エチル−2−メトキシエチルエチレン基、1−メトキシエチル−2−エチルエチレン基などで例示される総炭素数2〜8のアルコキシアルキル基置換エチレン基が好ましい例として挙げられる。そして、一般式(12)のR27は、炭素数2〜4のアルキレン基であるか、あるいは総炭素数2〜6アルコキシアルキル基置換エチレン基であることが特に好ましい。
一般式(12)におけるR28は水素または炭素数1〜30の炭化水素基を示すが、R28は水素であるか、あるいはR1について先に説明した炭素数1〜24の直鎖状または分枝状のアルキル基、炭素数2〜24の直鎖状または分枝状のアルケニル基、炭素数5〜13のシクロアルキル基またはアルキルシクロアルキル基、炭素数6〜18のアリール基またはアルキルアリール基、炭素数7〜19のアリールアルキル基のいずれかであることが好ましい。そして、R28は炭素数1〜24のアルキル基であることがより一層好ましく、炭素数1〜12のアルキル基であることが特に好ましい。
一般式(12)におけるqは0〜50の範囲の任意の整数であって差し支えないが、好ましくは0〜30、より好ましくは0〜20の整数である。
また、一般式(11)におけるR24は炭素数1〜30の炭化水素基を示すが、R24は水素であるか、あるいはR1について先に説明した炭素数1〜24の直鎖状または分枝状のアルキル基、炭素数2〜24の直鎖状または分枝状のアルケニル基、炭素数5〜13のシクロアルキル基またはアルキルシクロアルキル基、炭素数6〜18のアリール基またはアルキルアリール基、炭素数7〜19のアリールアルキル基のいずれかであることが好ましい。そして、R24は炭素数1〜24のアルキル基であることがより一層好ましく、炭素数1〜12のアルキル基であることが特に好ましい。
また、一般式(11)におけるpは1〜200の整数を表すが、1〜100の整数であることが好ましく、1〜80の整数であることがより好ましい。また、当然のことながら、本発明のアミン基を有する化合物としては、上記一般式(11)で表されるポリオキシアルキレン構造を分子内に2つ以上有していても良い。
【0018】
また、一般式(11)で表されるポリオキシアルキレン構造は直接芳香族環に結合していても良く、アルキレン基、カルボニル基、アミド基、イミド基等の結合基を介して間接的に結合していても良い。具体的には例えば、一般式(11)で表される基をYとすると、下記一般式(13)〜(29)のような形で芳香族環に結合するものが挙げられる。
−Y (13)
−O−Y (14)
−R29−O−Y (15)
−CO−O−Y (16)
−R29−CO−O−Y (17)
−O−CO−Y (18)
−O−CO−O−Y (19)
−R29−O−CO−Y (20)
−R29−O−CO−O−Y (21)
−NH−CO−Y (22)
−NH−CO−O−Y (23)
−CO−NH−Y (24)
−O−CO−NH−Y (25)
−R29−NH−CO−Y (26)
−R29−NH−CO−O−Y (27)
−R29−CO−NH−Y (28)
−R29−O−CO−NH−Y (29)
(上記式(15)、(17)、(20)、(21)、(26)、(27)、(28)および(29)において、R29は炭素数1〜10のアルキレン基を示す。)上記式(15)、(17)、(20)、(21)、(26)、(27)、(28)および(29)における、R29は炭素数1〜10のアルキレン基を示す。
炭素数1〜10のアルキレン基としては、直鎖状のものであっても分枝状のものであっても良い。また、炭素数1〜10のアルキレン基の中でも、炭素数1〜8のものが好ましく、炭素数1〜6のものがより好ましく、炭素数1〜4のものが最も好ましい。
炭素数1〜4のアルキレン基としては、具体的には例えば、R8について具体的に列挙した基と同一の基等が挙げられる。
上記式(13)〜(29)の中でも、(14)、(15)、(16)、(17)、(19)、(21)、(23)または(27)であることが好ましく、(14)、(15)、(16)または(17)であることがより好ましい。
【0019】
本発明に係る燃料油組成物は、燃料油に芳香環に結合したアミン基を有する化合物を含有してなるものである。
ここでいう燃料油とは、主として燃焼を目的とした液状炭化水素を意味しており、通常、沸点が30〜700℃、好ましくは40〜600℃のものである。
液状炭化水素燃料油としては種々の種類のものが使用でき、特に制限されるものではない。具体的には例えば、石油、廃棄物、オイル・シェール、オイル・サンド、石炭、バイオマス等から誘導される任意の液状炭化水素燃料油が使用可能であるが、現在の環境下においては、原油又は石油留分を主成分とするものを用いるのが好ましい。
本発明の液状炭化水素燃料油として用いることができる原油としては、パラフィン基原油、ナフテン基原油、混合基原油、特殊原油、又はこれらの混合物等、任意の原油が使用可能である。
また本発明の燃料油として用いることができる石油留分とは、上記の原油又はこれらの混合物を蒸留、分解、改質やその他の精製処理等を適宜行うことによって得られる留分又は残渣を意味しており、より具体的には例えば、自動車エンジン用ガソリン、農業用内燃機関用ガソリン、林業用内燃機関用ガソリン等に代表されるガソリン留分;燃料用ナフサ等に代表されるナフサ留分(軽質ナフサ、重質ナフサ、ホールレンジナフサ等);ジェット燃料、航空ガソリン等に代表されるジェット燃料留分;冷暖房用灯油、厨房用灯油、石油発動機用灯油、工業燃料用灯油等に代表される灯油留分;自動車ディーゼルエンジン用軽油、加熱燃料用軽油等に代表される軽油留分;ボイラー用重油、ビル暖房用重油、船舶ディーゼルエンジン用重油、窯業用重油等に代表される重油留分(A重油、B重油、C重油等);及びこれらの混合物等が挙げられる。
廃棄物から誘導される液状炭化水素燃料油としては、具体的には例えば、都市廃棄物、産業廃棄物、廃油等の分解、精製その他の処理によって誘導させるもの等が挙げられる。
【0020】
本発明における燃料油としては、上述した各種の液状炭化水素燃料油及びそれらの混合物が何れも使用可能であるが、本発明の含窒素化合物は、特に内燃機関用ガソリンに添加した場合に、ガソリンエンジンの吸気系及び燃焼室内の清浄性に極めて優れた性能を発揮する。なお、ここでいうガソリンエンジンには、筒内直接噴射式のガソリンエンジンも含まれる。この内燃機関用ガソリンとしては、より具体的には、JISK2202「自動車ガソリン」で規定される1号ガソリンや2号ガソリン等が挙げられる。
【0021】
本発明の含窒素化合物を添加した燃料油組成物は、特に燃料油として内燃機関用ガソリンを用いた場合に、ガソリンエンジンの吸気系及び燃焼室内の清浄性に対して極めて優れた効果を示すものであるが、その性能をさらに高める目的で公知の燃料油添加剤を単独で、又は数種類組み合わせて添加することもできる。
これら添加剤としては、具体的には例えば、メタノール、エタノール等のアルコール、イソプロピルエーテル、メチルターシャリーブチルエーテル、メチルターシャリーアミルエーテル等のエーテル、芳香族アミン類等に代表されるオクタン価向上剤;硝酸エステルや有機過酸化物等に代表されるセタン価向上剤;有機リン酸エステル、ハロゲン化有機リン酸エステル等に代表される表面着火防止剤;フェニル−α−ナフチルアミン等の芳香族アミン類等に代表される酸化防止剤;サリチリデン誘導体等に代表される金属不活性化剤;金属スルフォネート、金属フェネート、金属サリシレート等に代表される金属清浄剤;アルケニルコハク酸イミド、アルキルポリアミン、ポリブテニルアミン、ポリエーテルアミン、ポリエーテルポリアミン等に代表される無灰清浄分散剤;グリコール、グリセリン、グリコールエーテル等に代表される氷結防止剤;グリコールエーテル、ホウ素化合物等に代表される微生物殺菌剤;金属ナフテネート、金属スルフォネート、硫酸アルコールエステル等に代表される助燃剤;エチレン−酢酸ビニル共重合体、アルケニルコハク酸アミド等に代表される低温流動性向上剤;脂肪族アミン、アルケニルコハク酸エステル等の腐食防止剤;アニオン系、カチオン系、両性系界面活性剤等の帯電防止剤;アゾ染料等の着色剤;等を挙げることができる。
これら添加剤を添加する際の添加量も任意であるが、通常、添加剤の個々の添加量は組成物全量基準で0.5質量%以下、望ましくは0.2質量%以下である。
【0022】
本発明の燃料油に芳香環に結合したアミン基を有する化合物を含有してなる燃料油組成物において、芳香環に結合したアミン基を有する化合物の含有量は特に規定されるものではないが、通常は、添加の効果や経済性を考慮すると燃料油組成物全量基準で含窒素化合物の含有量が0.0001〜10質量%、好ましくは0.001〜5質量%、さらに好ましくは0.005〜4質量%、より好ましくは0.01〜3質量%の範囲になるように選ばれる。特に内燃機関用ガソリンに添加する場合には、ガソリンエンジンの吸気系及び燃焼室内の清浄性に対して優れた効果を発揮する点から、燃料油組成物全量基準で芳香環に結合したアミン基を有する化合物の含有量が0.0005〜5質量%、好ましくは0.005〜4質量%、より好ましくは0.01〜3質量%となるように添加するのが望ましい。
【0023】
【実施例】
以下に本発明の内容を実施例及び比較例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれらによりなんら限定されるものではない。
【0024】
実施例1〜4及び比較例1〜3
接触改質ガソリン60容量部、接触分解ガソリン30容量部、アルキレート10容量部を混合して以下の性状を有する基材ガソリン(内燃機関用ガソリン)を調製した。
基材ガソリン性状
リード蒸気圧:0.64kgf/cm2
比重:0.729
沸点範囲:30〜190℃
オクタン価:98.1
この基材ガソリンに下記の化合物1〜4を表1の各例(実施例1〜4)に示すような割合で配合し、各種の本発明に係る燃料油組成物を調製した。
【0025】
化合物1
【化19】
化合物2
【化20】
化合物3
【化21】
化合物4
【化22】
【0026】
次にこれらの各燃料油組成物に対して以下に示すエンジン評価試験を行った。その結果を表1に示した。なお、比較のため、芳香環に隣接するアミン基を有する化合物を添加しない基材ガソリンだけの場合(比較例1)、芳香環に隣接するアミン基を有する化合物の代わりにポリブテニルアミン系清浄剤を用いた場合(比較例2及び比較例3)についても同様のエンジン評価試験を行った。その結果を表1に併記した。
【0027】
[エンジン評価試験]
▲1▼吸気系デポジット清浄性評価試験
総排気量2000mlの燃料インジェクター式未使用エンジンを装備した乗用車を使用し、以下に示す1サイクル1時間の走行モードを200時間繰り返した後、エンジンを分解して吸気弁に付着したデポジット量を測定し、基材ガソリンのみを用いた場合(比較例1)のデポジット量との差を吸気系デポジット清浄性の評価とした。
走行モード
アイドリング : 1分
エンジン回転数1500rpm 、吸気負圧−200mmHg:30分
エンジン回転数2700rpm 、吸気負圧−300mmHg:20分
エンジン停止 : 9分
▲2▼燃焼室デポジット清浄性評価試験
総排気量2000mlの燃料噴射式未使用エンジンを装備した乗用車を使用し、燃料として実施例の燃料油組成物を用いて、エンジン回転数1500rpm 、吸気負圧−150mmHg、冷却水温50℃の運転条件で96時間運転した。試験終了後エンジンを分解して燃焼室内デポジットの量を測定し、基材ガソリンのみを用いた場合の燃焼室内デポジットの量との差を求めた。
【0028】
【表1】
【0029】
表1のエンジン評価試験結果からも明らかなとおり、本発明に係る実施例1〜4の燃料油組成物は、いずれも燃焼室デポジット生成を未添加の場合と比較してほとんど増加させることなく、かつ吸気系デポジット清浄性に極めて優れた効果を発揮するものである。これに対して、芳香環に隣接するアミン基を有する化合物を含まない比較例1は吸気系デポジット清浄性が悪く、市販のポリブテニルアミン系清浄剤を含む比較例2、3は吸気系デポジット清浄性にはある程度優れるものの、燃焼室デポジットの量は未添加の場合と比較して大きく増加してしまう。
【0030】
【発明の効果】
以上要するに本発明によれば、特にエンジンの冷機時等の過酷な条件下においても、優れた清浄効果を発揮する燃料油組成物が得られる。
Claims (1)
- 芳香環に結合したアミン基を有する化合物であって、下記一般式(5) 及び(7)で表されるアミン化合物、及び芳香環に直接結合したアミン基を有する化合物であって、該化合物が更に下記式(11)で示されるポリアルキレン構造(Y)を有し、かつ該ポリアルキレン構造(Y)が芳香環と−O−又は−CO−O−で表される連結基を介して結合する化合物からなる群より選ばれるアミン化合物を含む燃料油組成物。
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