JP2002309847A - ウインドレギュレータ - Google Patents

ウインドレギュレータ

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JP2002309847A
JP2002309847A JP2001116542A JP2001116542A JP2002309847A JP 2002309847 A JP2002309847 A JP 2002309847A JP 2001116542 A JP2001116542 A JP 2001116542A JP 2001116542 A JP2001116542 A JP 2001116542A JP 2002309847 A JP2002309847 A JP 2002309847A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アウタケーシング,スプリングが不要で、た
るみが発生しないウインドレギュレータを提供すること
を課題とする。 【解決手段】 ワイヤ111の一方の端部が掛止され、
その周面にワイヤ111が巻回される第1のドラム30
1と、ワイヤ111の他方の端部が掛止され、その周面
にワイヤ111が巻回される第2のドラム302と、第
1のドラム301がワイヤ111を繰り出す方向に回転
する際に第1のドラム301に負荷を加えるスプリング
(第1のブレーキ手段)421と、第2のドラム302
がワイヤ111を繰り出す方向に回転する際に第2のド
ラム302に負荷を加えるスプリング(第2のブレーキ
手段)422と、ハンドル軸223の回転方向により、
ハンドル軸223の回転を第1のドラム301、第2の
ドラム302のうち、ワイヤ111を巻き取るドラムへ
選択的に伝達する伝達切替手段とで構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガイドに案内され
たウインドに中間部が取り付けられ、実質的に一本とな
るワイヤと、周面に前記ワイヤが巻回されたドラムとを
有し、前記ドラムを回転させることにより前記ワイヤを
移動させ、前記ウインドを移動させるウインドレギュレ
ータに関する。
【0002】
【従来の技術】従来のウインドレギュレータの一例を示
す図5を用いて説明する。図において、ウインドの昇降
方向に沿って設けられたガイドレール1には、ウインド
3が取り付けられたスライダベース2が摺動可能に設け
られている。
【0003】ガイドレール1の上端部には、第1のガイ
ド4が、ガイドレール1の下端部には、第2のガイド5
がそれぞれ設けられている。ガイドレール1以外の部分
に設けられたベース7には、ドラム8が回転可能に設け
られている。このドラム8は駆動源としてのモータ10
によって回転駆動されるようになっている。
【0004】ドラム8に巻回されたワイヤ11は、第1
のガイド4,第2のガイド5に案内されてスライダベー
ス2に接続されている。ベース7とガイドレール1の上
端部との間には、ワイヤ11が挿通する第1のアウタケ
ーシング15が、ベース7とガイドレール1の下端部と
の間には、ワイヤ11が挿通する第2のアウタケーシン
グ16がそれぞれ設けられている。
【0005】このようなウインドレギュレータを長期間
使用すると、ワイヤ11に「たるみ」が生じる。「たる
み」が発生する要因としては、ドラム8の磨耗、繰返し
荷重によるワイヤ11の伸び、第1のガイド4,第1の
ガイド5の磨耗等がある。
【0006】この「たるみ」を防止するため、ベース7
と第1及び第2のアウタケーシング15,16との間
は、第1及び第2のアウタケーシング15,16をガイ
ドレール1の上端部、下端部へ押し付けるコイルスプリ
ング17,18を設け、「たるみ」が発生すると、スプ
リング17,18の付勢力により、二点鎖線で示すよう
に第1及び第2のアウタケーシング15,16が撓み、
ワイヤ11の経路が長くなり「たるみ」がなくなるよう
にしている。
【0007】次に、上記構成のワイヤ式ウインドレギュ
レータの作動を説明する。モータ10が駆動されると、
ワイヤ11が移動し、ワイヤ11に取り付けられたスラ
イダベース2がガイドレール1に沿って移動し、ウイン
ド3が昇降する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記構成のウ
インドレギュレータにおいては、以下のような問題点が
ある。 (1)コイルスプリング17,18を用いるために、す
なわち、直線的なたるみとり構造なので、たるみの吸収
量が少ない。 (2)ワイヤ11のたるみを防止するために、アウタケ
ーシング15,16及びコイルスプリング17,18が
必要である。 (3)ケーブル11が伸びた分、第1及び第2のアウタ
ケーシング15,16を撓ませ、ワイヤ11の経路を長
くするという対応なので、根本的な解決ではない。
【0009】本発明は、上記問題点に鑑みてなされたも
ので、その課題は、アウタケーシング,スプリングが不
要で、たるみが発生しないウインドレギュレータを提供
することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する請求
項1記載の発明は、ガイドに案内されたウインドに中間
部が取り付けられ、実質的に一本となるワイヤと、周面
に前記ワイヤが巻回されたドラムとを有し、前記ドラム
を回転させることにより前記ワイヤを移動させ、前記ウ
インドを移動させるウインドレギュレータにおいて、前
記ワイヤの一方の端部が掛止され、その周面に前記ワイ
ヤが巻回される第1のドラムと、前記ワイヤの他方の端
部が掛止され、その周面に前記ワイヤが巻回される第2
のドラムと、前記第1のドラムが前記ワイヤを繰り出す
方向に回転する際に前記第1のドラムに負荷を加える第
1のブレーキ手段と、前記第2のドラムが前記ワイヤを
繰り出す方向に回転する際に前記第2のドラムに負荷を
加える第2のブレーキ手段と、駆動軸の回転方向によ
り、前記駆動軸の回転を前記第1のドラム、前記第2の
ドラムのうち、ワイヤを巻き取るドラムへ選択的に伝達
する伝達切替手段とを設けたことを特徴とするウインド
レギュレータである。
【0011】伝達切替手段により第1のドラム、第2の
ドラムのうち、ワイヤを巻き取る方のドラムに駆動軸の
回転が伝達される。駆動軸の回転が伝達されたほうのド
ラムはワイヤを巻き取る。
【0012】この時、他方のドラムは、ブレーキ手段に
より負荷がかかった状態でワイヤを繰り出す。よって、
ワイヤにたるみが発生しない。
【0013】また、従来必要であったアウタケーシン
グ,スプリングが不要となる。請求項2記載の発明は、
請求項1記載の発明の前記伝達切替手段は、前記第1の
ドラムを回転可能に支持する第1の軸と、前記第2のド
ラムを回転可能に支持する第2の軸と、駆動軸によって
回転される駆動はすば歯車と前記第1の軸に回転可能に
支持され、前記駆動はすば歯車に噛合する第1のはすば
歯車と、前記第2の軸に回転可能に支持され、前記第1
のはすば歯車に噛合する第2のはすば歯車と、前記第1
のはすば歯車の回転を前記第1のドラムに伝達/遮断す
る第1のクラッチ手段と、前記第2のはすば歯車の回転
を前記第2のドラムに伝達/遮断する第2のクラッチ手
段とで構成し、前記第1のはすば歯車、前記第2のはす
ば歯車に発生する互いに異なる方向の軸力により、前記
第1のクラッチ手段、前記第2のクラッチ手段の伝達/
遮断を行なうことを特徴とするウインドレギュレータで
ある。
【0014】はすば歯車は歯がねじれているので、回転
すると、軸方向の力(スラスト力)が発生する。またそ
の力の方向は回転方向により異なる。よって、第1のは
すば歯車、第2のはすば歯車に発生する軸方向の力の方
向は互いに異なる方向となる。
【0015】この異なる方向の力を用いて第1のクラッ
チ手段、第2のクラッチ手段の伝達/遮断を行う。噛合
関係にある第1のはすば歯車、第2のはすば歯車に発生
する軸方向の力を利用することにより、構造が簡単とな
る。
【0016】請求項3記載の発明は、請求項1または2
記載の発明の前記第1のブレーキ手段、前記第2のブレ
ーキ手段は、前記第1の軸、前記第2の軸に巻回され、
端部が前記第1のドラム、前記第2のドラムに掛止さ
れ、前記第1のドラム、前記第2のドラムがワイヤを繰
り出す方向に回転すると、縮径し、前記第1の軸、前記
第2の軸に押接するスプリングであることを特徴とする
ウインドレギュレータである。
【0017】軸に巻回されるスプリングを用いること
で、構造が簡単で省スペースである。請求項4記載の発
明は、請求項2記載の発明の前記第1のクラッチ手段、
前記第2のクラッチ手段は、前記第1のドラム、前記第
2のドラムの前記第1のはすば歯車、前記第2のはすば
歯車との対向面に形成されたドラム側ラチェット歯と、
前記第1のはすば歯車、前記第2のはすば歯車の前記第
1のドラム、前記第2のドラムとの対向面に形成され、
前記ドラム側ラチェット歯に噛合可能なはすば歯車側ラ
チェット歯とからなる一方向クラッチであって、前記ド
ラム側ラチェット歯、前記はすば歯車側ラチェット歯の
形状は、前記各ドラムのワイヤ巻き取り方向の伝達を行
うように設定したことを特徴とするウインドレギュレー
タである。
【0018】ラチェット歯の噛合、すなわち、歯と歯と
の係合による抜き差しクラッチであるので、摩擦係合に
よる摩擦クラッチに比べ伝達が確実である。また、ラチ
ェット歯の噛合による抜き差しクラッチであるので運転
中の抜き差しも可能である。
【0019】さらに、前記ドラム側ラチェット歯、前記
はすば歯車側ラチェット歯の形状は、前記各ドラムのワ
イヤ巻き取り方向の伝達を行うように設定したことによ
り、ワイヤ繰り出し方向には各ドラムは駆動されないの
で、ブレーキ手段により確実なたるみ発生防止を行うこ
とができる。
【0020】
【発明の実施の形態】次に図面を用いて本発明の実施の
形態例を説明する。 (全体構成)最初に図3を用いて本実施の形態例のウイ
ンドレギュレータの全体構成を説明する。
【0021】図において、ウインドの昇降方向に沿って
設けられたガイドレール101には、ウインド103が
取り付けられたスライダベース102が摺動可能に設け
られている。
【0022】ガイドレール101の上端部には、第1の
ガイド104が、ガイドレール101の下端部には、第
2のガイド105がそれぞれ設けられている。ガイドレ
ール101以外の部分には、2つのドラム301,30
2が回転可能に設けられている。これらのドラム30
1,302はハンドル軸(駆動軸)223に設けられた
ハンドル223aによって回転駆動されるようになって
いる。
【0023】ワイヤ111の一端部は、第1のドラム3
01に掛止され、第1のドラム301の周面にはワイヤ
111が巻回されている。ワイヤ111の他端部は、第
2のドラム302に掛止され、第2のドラム302の周
面には、ワイヤ111が巻回されている。
【0024】そして、ワイヤ111の中間部は、第1の
ガイド104,第2のガイド105に案内されてスライ
ダベース102に接続されている。 (第1のドラム,第2のドラム)次に、図1を用いて第
1のドラム301,第2のドラム302の説明を行う。
【0025】第1のドラム301,第2のドラム302
は、3つの部屋、すなわち、スプリングケース部400
a、第1の歯車ハウジング部400b、第2の歯車ハウ
ジング部400cからなるロアケース400の、第1の
歯車ハウジング部400b、第2の歯車ハウジング部4
00cの底面に立設された第1の軸401,第2の軸4
02にそれぞれ回転可能に支持されている。
【0026】また、第1の軸401には第1のはすば歯
車411が、第2の軸402には第1のはすば歯車に噛
合する第2のはすば歯車412が回転可能支持されてい
る。さらに、ハンドル軸233の回転はブレーキ機構2
00を介して駆動はすば歯車250に伝達され、この駆
動はすば歯車250は第1のはすば歯車411に噛合
し、駆動はすば歯車250、第1のはすば歯車411、
第2のはすば歯車412よりなる歯車列が形成されてい
る。
【0027】第1のはすば歯車の回転は第1のクラッチ
手段C1を介して第1のドラムへ、第2のはすば歯車の
回転は第2のクラッチ手段C2を介して第2のドラムへ
伝達/遮断される。
【0028】本実施の形態例の第1のクラッチ手段、第
2のクラッチ手段は、第1のドラム301、第2のドラ
ム302の第1のはすば歯車411、第2のはすば歯車
412との対向面に形成されたドラム側ラチェット歯3
01r,302rと、第1のはすば歯車411、第2の
はすば歯車412の第1のドラム301、第2のドラム
302との対向面に形成され、ドラム側ラチェット歯3
01r,302rに噛合可能なはすば歯車側ラチェット
歯411r,412rとからなる一方向クラッチとし
た。
【0029】さらに、第1のドラム301側のラチェッ
ト歯301r,第2のドラム302側のラチェット歯3
02r、第1のはすば歯車411側のラチェット歯41
1r,第2のはすば歯車412側のラチェット歯412
rの形状は、各ドラムのワイヤ巻き取り方向の伝達を行
うように設定されている。
【0030】また、第1のドラム301,第2のドラム
302内には、各ドラムがワイヤ111を繰り出す際
に、負荷を与えるブレーキ手段B1,B2が設けられて
いる。本実施の形態例では、第1の軸401、第2の軸
402に巻回され、一方の端部が第1のドラム301、
第2のドラム301に掛止され、他方の端部が第1のは
すば歯車411,第2のはすば歯車412に摺接し、第
1のドラム301、第2のドラムがワイヤ111を繰り
出す方向に回転すると縮径し、第1の軸401、第2の
軸402に押接するスプリング421,422とした。
【0031】さらに、第1のはすば歯車411,第2の
はすば歯車412とロアケース400との間には、第1
のはすば歯車411,第2のはすば歯車412を第1の
ドラム301,第2のドラム302の方向に付勢するコ
ニカルワッシャ431,432が配置されている。
【0032】そして、ロアケース400には、第1及び
第2のドラム301,302、スプリング421,42
2、第1のはすば歯車411,第2のはすば歯車41
2、コニカルワッシャ431,432、駆動はすば歯車
250、ブレーキ機構200を覆うように、3つの部
屋、すなわち、スプリングケース部390a、第1のド
ラムハウジング部390b、第2のドラムハウジング部
390cからなるアッパケース390が設けられる。
【0033】このアッパケース390には、ワイヤ11
1が挿通する穴390d,390eが開設されている。
次に、図1を用いてブレーキ機構200の説明を行な
う。
【0034】これらの図において、スプリングケース部
400a内にトーションスプリング221がスプリング
ケース部400aの内壁を圧接する如く配置されてお
り、該トーションスプリング221の内側に切欠222
aが刻設されたコア222が回転可能に挿入されてい
る。
【0035】又、このコア222はハンドル軸223に
一体的に固着されている。更に、コア222の切欠22
2aの空間内であってトーションスプリング221のフ
ック部221a,221b 間には、駆動はすば歯車25
0の下面に形成された爪部224aが挿入配置されてい
る。
【0036】ブレーキ機構200の作動原理を図4を用
いて説明する。出力側、即ち、駆動はすば歯車250側
からの回転力に対しては、爪部224aの側端部224
b又は224cがトーションスプリング221のフック
部221a又は221bを押し、トーションスプリング
221の外径を広げるように作用するため、トーション
スプリング221とスプリングケース部400aとの圧
接力が強くなり、駆動はすば歯車250の回転が阻止さ
れる。
【0037】一方、入力側、即ち、ハンドル軸223側
からの回転力に対しては、トーションスプリング221
のフック部221a又は221bがコア222の側端部
222b又は222cから外径を縮める方向の力を受け
るので、トーションスプリング221のスプリングケー
ス部400a内壁面への圧接力(ブレーキ力)は小さくな
りハンドル軸223の回転は可能になり、トーションス
プリング221及び爪部224aを介して駆動はすば歯
車250が回転する。
【0038】次に上記構成のレギュレータの作動を図1
及び図2を参照して説明する。駆動はすば歯車250が
図1の矢印I方向に回転すると、第1のはすば歯車41
1は反矢印I方向、すなわち、ワイヤ111を繰り出す
方向に回転し、第2のはすば歯車412は矢印I方向、
すなわち、ワイヤ111を巻き取る方向に回転する。
【0039】はすば歯車は歯がねじれているので、回転
すると、軸方向の力(スラスト力)が発生する。またそ
の力の方向は回転方向により異なる。この場合、第1の
はすば歯車411には、第1のドラム301より離脱す
る方向の軸力が発生し、第2のはすば歯車412には、
第2のドラム302へ接近する方向の軸力が発生する。
【0040】従って、駆動はすば歯車250の回転は、
第1のドラム301に伝達されず、第2のはすば歯車4
12のラチェット歯412rが第2のドラム302のラ
チェット歯302rに噛合し、第2のドラム302のみ
に伝達され、第2のドラム302はワイヤ111を巻き
取る方向に回転する。
【0041】一方、フリーな状態の第1のドラム301
からはワイヤ111が繰り出され回転するが、この時、
スプリング421は縮径し、第1の軸401に押接し、
第1のドラム301にブレーキ力が発生する。
【0042】尚、第2のドラム302側にスプリング4
22は拡径する方向の力を受けるので、ブレーキ力は発
生しない。逆に、駆動はすば歯車250が反矢印I方向
に回転すると、駆動はすば歯車250の回転は、第1の
ドラム301のみに伝達され、第1のドラム301はワ
イヤ111を巻き取り、ワイヤ111を繰り出す第2の
ドラム302にのみブレーキ力が発生する。
【0043】すなわち、第1のドラム301を回転可能
に支持する第1の軸401と、第2のドラム302を回
転可能に支持する第2の軸402と、ハンドル軸223
によって回転される駆動はすば歯車250と、第1の軸
401に回転可能に支持され、駆動はすば歯車250に
噛合する第1のはすば歯車411と、第2の軸402に
回転可能に支持され、第1のはすば歯車411に噛合す
る第2のはすば歯車412と、第1のはすば歯車411
の回転を第1のドラム301に伝達/遮断する第1のク
ラッチ手段C1と、第2のはすば歯車42の回転を第2
のドラム302に伝達/遮断する第2のクラッチ手段C
2とで構成し、第1のはすば歯車411、第2のはすば
歯車412に発生する互いに異なる方向の軸力により、
第1のクラッチ手段C1、第2のクラッチ手段C2の伝
達/遮断を行なう伝達切替手段が構成されていることと
なる。
【0044】尚、コニカルワッシャ431,432の付
勢力は、第1のはすば歯車411,第2のはすば歯車4
12が、回転して第1のドラム301,第2のドラム3
02に向かう方向の軸力が発生した場合の補助となる。
【0045】従って、コニカルワッシャ431,432
はなくても、本実施例は作動する。上記構成によれば、
以下のような効果を得ることができる。 (1)伝達切替手段により第1のドラム301、第2の
ドラム302のうち、ワイヤ111を巻き取る方のドラ
ムに駆動はすば歯車250の回転が伝達される。
【0046】駆動はすば歯車250の回転が伝達された
ほうのドラムはワイヤ111を巻き取る。この時、他方
のドラムは、ブレーキ手段B1またはB2により負荷が
かかった状態でワイヤ111を繰り出す。
【0047】よって、ワイヤ111にたるみが発生しな
い。また、従来必要であったアウタケーシング,スプリ
ングが不要となる。 (2)噛合関係にある第1のはすば歯車411、第2の
はすば歯車412に発生する軸方向の力を利用すること
により、構造が簡単となる。 (3)ブレーキ手段B1,B2は、軸に巻回されるスプ
リング421,422を用いることで、構造が簡単で省
スペースである。 (4)クラッチ手段C1,C2は、ラチェット歯の噛
合、すなわち、歯と歯との係合による抜き差しクラッチ
であるので、摩擦係合による摩擦クラッチに比べ伝達が
確実である。
【0048】また、ラチェット歯の噛合による抜き差し
クラッチであるので運転中の抜き差しも可能である。さ
らに、ドラム側ラチェット歯、はすば歯車側ラチェット
歯の形状は、各ドラムのワイヤ巻き取り方向の伝達を行
うように設定したことにより、ワイヤ繰り出し方向には
各ドラムは駆動されないので、ブレーキ手段B1,B2
により確実なたるみ発生防止を行うことができる。
【0049】
【発明の効果】以上述べたように請求項1記載の発明に
よれば、伝達切替手段により第1のドラム、第2のドラ
ムのうち、ワイヤを巻き取る方のドラムに駆動軸の回転
が伝達される。
【0050】駆動軸の回転が伝達されたほうのドラムは
ワイヤを巻き取る。この時、他方のドラムは、ブレーキ
手段により負荷がかかった状態でワイヤを繰り出す。
【0051】よって、ワイヤにたるみが発生しない。ま
た、従来必要であったアウタケーシング,スプリングが
不要となる。請求項2記載の発明によれば、はすば歯車
は歯がねじれているので、回転すると、軸方向の力(ス
ラスト力)が発生する。またその力の方向は回転方向に
より異なる。
【0052】よって、第1のはすば歯車、第2のはすば
歯車に発生する軸方向の力の方向は互いに異なる方向と
なる。この異なる方向の力を用いて第1のクラッチ手
段、第2のクラッチ手段の伝達/遮断を行う。
【0053】噛合関係にある第1のはすば歯車、第2の
はすば歯車に発生する軸方向の力を利用することによ
り、構造が簡単となる。請求項3記載の発明によれば、
軸に巻回されるスプリングを用いることで、構造が簡単
で省スペースである。
【0054】請求項4記載の発明によれば、ラチェット
歯の噛合、すなわち、歯と歯との係合による抜き差しク
ラッチであるので、摩擦係合による摩擦クラッチに比べ
伝達が確実である。
【0055】また、ラチェット歯の噛合による抜き差し
クラッチであるので運転中の抜き差しも可能である。さ
らに、前記ドラム側ラチェット歯、前記はすば歯車側ラ
チェット歯の形状は、前記各ドラムのワイヤ巻き取り方
向の伝達を行うように設定したことにより、ワイヤ繰り
出し方向には各ドラムは駆動されないので、ブレーキ手
段により確実なたるみ発生防止を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態例の発明部分の分解斜視図である。
【図2】作動を説明する図である。
【図3】本実施の形態例のウインドレギュレータの全体
構成を説明する図である。
【図4】図1のブレーキ機構の作動原理を説明する図で
ある。
【図5】従来のウインドレギュレータの一例を示す図で
ある。
【符号の説明】
111 ワイヤ 223 ハンドル軸(駆動軸) 250 駆動はすば歯車 301 第1のドラム 302 第2のドラム 411 第1のはすば歯車 412 第2のはすば歯車 421,422 スプリング

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガイドに案内されたウインドに中間部が
    取り付けられ、実質的に一本となるワイヤと、周面に前
    記ワイヤが巻回されたドラムとを有し、前記ドラムを回
    転させることにより前記ワイヤを移動させ、前記ウイン
    ドを移動させるウインドレギュレータにおいて、 前記ワイヤの一方の端部が掛止され、その周面に前記ワ
    イヤが巻回される第1のドラムと、 前記ワイヤの他方の端部が掛止され、その周面に前記ワ
    イヤが巻回される第2のドラムと、 前記第1のドラムが前記ワイヤを繰り出す方向に回転す
    る際に前記第1のドラムに負荷を加える第1のブレーキ
    手段と、 前記第2のドラムが前記ワイヤを繰り出す方向に回転す
    る際に前記第2のドラムに負荷を加える第2のブレーキ
    手段と、 駆動軸の回転方向により、前記駆動軸の回転を前記第1
    のドラム、前記第2のドラムのうち、ワイヤを巻き取る
    ドラムへ選択的に伝達する伝達切替手段と、 を設けたことを特徴とするウインドレギュレータ。
  2. 【請求項2】 前記伝達切替手段は、 前記第1のドラムを回転可能に支持する第1の軸と、 前記第2のドラムを回転可能に支持する第2の軸と、 駆動軸によって回転される駆動はすば歯車と前記第1の
    軸に回転可能に支持され、前記駆動はすば歯車に噛合す
    る第1のはすば歯車と、 前記第2の軸に回転可能に支持され、前記第1のはすば
    歯車に噛合する第2のはすば歯車と、 前記第1のはすば歯車の回転を前記第1のドラムに伝達
    /遮断する第1のクラッチ手段と、 前記第2のはすば歯車の回転を前記第2のドラムに伝達
    /遮断する第2のクラッチ手段と、 で構成し、 前記第1のはすば歯車、前記第2のはすば歯車に発生す
    る互いに異なる方向の軸力により、前記第1のクラッチ
    手段、前記第2のクラッチ手段の伝達/遮断を行なうこ
    とを特徴とする請求項1記載のウインドレギュレータ。
  3. 【請求項3】 前記第1のブレーキ手段、前記第2のブ
    レーキ手段は、 前記第1の軸、前記第2の軸に巻回され、端部が前記第
    1のドラム、前記第2のドラムに掛止され、 前記第1のドラム、前記第2のドラムがワイヤを繰り出
    す方向に回転すると縮径し、前記第1の軸、前記第2の
    軸に押接するスプリングであることを特徴とする請求項
    1または2記載のウインドレギュレータ。
  4. 【請求項4】 前記第1のクラッチ手段、前記第2のク
    ラッチ手段は、 前記第1のドラム、前記第2のドラムの前記第1のはす
    ば歯車、前記第2のはすば歯車との対向面に形成された
    ドラム側ラチェット歯と、 前記第1のはすば歯車、前記第2のはすば歯車の前記第
    1のドラム、前記第2のドラムとの対向面に形成され、
    前記ドラム側ラチェット歯に噛合可能なはすば歯車側ラ
    チェット歯と、 からなる一方向クラッチであって、 前記ドラム側ラチェット歯、前記はすば歯車側ラチェッ
    ト歯の形状は、前記各ドラムのワイヤ巻き取り方向の伝
    達を行うように設定したことを特徴とする請求項2記載
    のウインドレギュレータ。
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