JP2002309431A - 紡糸装置 - Google Patents

紡糸装置

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JP2002309431A
JP2002309431A JP2000185518A JP2000185518A JP2002309431A JP 2002309431 A JP2002309431 A JP 2002309431A JP 2000185518 A JP2000185518 A JP 2000185518A JP 2000185518 A JP2000185518 A JP 2000185518A JP 2002309431 A JP2002309431 A JP 2002309431A
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cooling air
cylindrical filter
yarn
cooling
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JP2000185518A
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Inventor
Yasushi Fujii
恭 藤井
Taku Iwade
卓 岩出
Makoto Nishioji
誠 西大路
Masamitsu Yamashita
雅充 山下
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Toray Engineering Co Ltd
Original Assignee
Toray Engineering Co Ltd
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    • DTEXTILES; PAPER
    • D01NATURAL OR MAN-MADE THREADS OR FIBRES; SPINNING
    • D01DMECHANICAL METHODS OR APPARATUS IN THE MANUFACTURE OF ARTIFICIAL FILAMENTS, THREADS, FIBRES, BRISTLES OR RIBBONS
    • D01D5/00Formation of filaments, threads, or the like
    • D01D5/08Melt spinning methods
    • D01D5/088Cooling filaments, threads or the like, leaving the spinnerettes
    • D01D5/092Cooling filaments, threads or the like, leaving the spinnerettes in shafts or chimneys

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の課題とするところは、合成繊維糸条
の製造において、糸条製造工程中の糸切れが防止でき、
繊度斑(U%)の小さい良好な糸条が得られる紡糸装置
を提供することである。 【解決手段】 温調された冷却空気流15aが、外枠3
0の導入口34から外枠30内に導入され、導入された
冷却空気流15aはさらに筒体35の通気孔35aを通
って冷却流供給室38へ流入する。そして、冷却空気流
15aが筒状フィルター31を通過することによって整
流された冷却空気流15となり、この冷却空気流15が
筒状フィルター31の内周面から単糸7を横切るように
単糸7の周囲に均一に吹き出て単糸7が冷却される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は合成繊維糸条の製造
設備において適用する紡糸装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、ポリエステルあるいはポリアミ
ド等の合成繊維糸条の製造は、図5に示すような紡糸装
置100によって行われている。
【0003】つまり、紡糸パック57内に内蔵された複
数の吐出孔59aを有する紡糸口金59から溶融ポリマ
ー58が吐出され、吐出された溶融ポリマー58を冷却
装置50で冷却空気流52によって冷却しつつ引き取る
ことによって、複数の単糸53が形成され、これらが集
束ガイド54で集束されて糸条51が製造されている。
【0004】吐出された溶融ポリマー58を冷却するた
めの冷却装置50は、フィルター55が設けられ、冷却
空気流52の吹き出し面55aから冷却空気流52が複
数の単糸53の走行方向に略直交して一方向にのみ吹き
出る構成になっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述のような構成にお
いては、冷却空気流52の吹き出し面55aから複数の
単糸53のそれぞれまでの距離の差異、あるいは、紡糸
口金の複数の吐出孔59aの配置形態(例えば、円形口
金断面に千鳥の配置)等により、各単糸53に作用する
冷却空気流の冷却状態が非常に不安定で各単糸が異なっ
た糸質となる。そのような単糸53が最終的に糸条51
として集束された際、糸条51の繊度斑(U%)が大き
くなり、十分な品質が得られないという問題がある。
【0006】又、冷却空気流52の流量によっては、冷
却空気流52の吹き出しが一方向からのため、複数の単
糸53が吹き出し面55aから遠のく方向へ湾曲状に揺
られるので、単糸が屈曲したり、固化不十分な時点で単
糸同士が接触して融着することにより、繊度斑が大きく
なったり、単糸切れが発生するという問題がある。
【0007】さらに、特に冷却空気流52の流量が大き
い場合は、紡糸口金59近傍に上昇気流が発生し、紡糸
口金59の表面温度が低下して単糸53が正規に形成さ
れなかったり、単糸切れが発生する等の問題がある。
【0008】かかる問題を解決する方法として、特許第
2888888号公報に開示されている、糸条の周囲か
ら冷却風を吹き込んで糸条を冷却する冷却装置等が提案
されている。
【0009】しかしながら、この冷却装置は冷却風の吹
き込み口の面積に対して冷却装置出口の断面積が小さい
ために、吹き込みの流速が高い場合、吹き込み口上部か
ら冷却風が高速で流下するので糸条の繊度斑が大きくな
り、逆に、吹き込み流速を低くすると単糸が十分冷却さ
れず単糸同士が融着して糸切れが発生するという問題が
ある。
【0010】以上により、本発明の課題とするところ
は、合成繊維糸条の製造において、糸条製造工程中の糸
切れが防止でき、繊度斑(U%)が小さい良好な糸条が
得られる紡糸装置を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
めに、本発明による紡糸装置は、紡糸口金下流の冷却装
置に筒状フィルターを備えると共に、、前記紡糸口金に
溶融ポリマーを吐出する複数の吐出孔を少なくとも一条
の配列径上に環状に配列し、その配列径の直径が筒状フ
ィルターの内径寸法の3/5倍以上であり、又、前記筒
状フィルターから冷却装置内部に流入する冷却空気流
が、その流速が筒状フィルターの上流から下流に行くに
従って高くなるという速度勾配を持つことを特徴として
いる。
【0012】又、前記紡糸口金の配列径上に環状に配列
された複数の吐出孔の隣り合う中心距離を、その孔径の
8倍以上としている。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る紡糸装置の一
実施形態を図面に基づいて説明する。図1は紡糸装置の
実施の形態を示す概略全体図であり、紡糸装置1は溶融
ポリマー11を吐出する、加熱、保温機能を備えたスピ
ンビーム2と、吐出された溶融ポリマー11を冷却して
複数の単糸7を形成する冷却装置3を有している。そし
て、その下流で、複数の単糸7が集束ガイド4で集束さ
れて糸条10となり、糸条巻取機5によって巻き取られ
る。
【0014】スピンビーム2には、溶融ポリマーを計量
して送り出すメターリングポンプ22が取り付けられ、
送り出された溶融ポリマー11を導入して溶融ポリマー
11を吐出する複数の吐出孔26を有する紡糸口金25
を内蔵した紡糸パック24が少なくとも一個着脱自在に
取り付けられている。メターリングポンプ22の吐出口
から紡糸パック24の溶融ポリマー導入口までは、紡糸
パック24の設置数に対応して、ポリマー管23を介し
てポリマー通路が連通している。
【0015】スピンビーム2の下方に位置する冷却装置
3は、外枠30によってスピンビーム2に取り付けられ
る紡糸パック24の数に対応した範囲を包囲されてお
り、外枠30に一体的に設けられたブロック39を介し
て昇降装置6の作動によってスピンビーム2と接合、離
脱可能となっている。そのため、紡糸パック24の交
換、及び、紡糸口金25の清掃等の作業は冷却装置3を
昇降させることで容易に行うことができる。
【0016】図2は、一つの紡糸パックに対応する冷却
装置3の要部を示す概略断面図であり、所定の内径D1
を有した筒状フィルター31が紡糸パック24に対応し
て外枠30内に装着され、筒状フィルター31の下方
に、冷却空気流を案内する案内管33が内径を筒状フィ
ルター31の内径D1と同じにして設けられている。そ
して、筒状フィルター31の周囲に、紡糸パック24側
を小径とした円錐台状の緩衝体32が設けられて冷却流
供給室38が形成され、緩衝体32の大径側には筒体3
5が形成されている。この筒体35の周面には冷却空気
流15aが通過する通気孔35aが適宜設けられてい
る。
【0017】筒状フィルター31は、ハニカム等の整流
作用を有する部材で筒状に形成し、ハニカムの孔目が筒
状フィルター31の中心から放射状に向くようにして、
筒状フィルター31内を通過する単糸7に対して冷却空
気流15が筒状フィルター31の内周面から均一に吹き
出るようにするのが好ましいが、焼結金属、網状部材、
及び不織布状部材等を筒状に形成して冷却空気流15が
単糸7に対してその内周面から吹き出るようにすること
も可能である。
【0018】又、緩衝体32の傾斜部32aの内周面
に、空気流供給室38に導入された冷却空気流15aが
旋回気流となるのを抑制する複数の整流板36が設けら
れ、案内管33の内周面にも単糸7の走行に伴なって発
生する随伴気流15bが旋回するのを抑制して単糸7を
安定させる複数の整流板37が設けられている。さら
に、案内管33の下端部を内径D1より大径D2とした
テーパ状に形成すると、通過する単糸7がより安定す
る。
【0019】実質的には、上述した一つの紡糸パックに
対応した筒状フィルター31等の組み合わせを、必要な
紡糸パックの数だけ外枠30内に列設して運転される。
【0020】次に、紡糸口金25について説明する。図
3は紡糸口金25の口金面を示す概略図であり、紡糸口
金25には紡糸パック24内へ導入された溶融ポリマー
11を吐出する複数の吐出孔26が穿設されている。こ
れらの吐出孔26は、直径D0を有する一条の配列径2
7上に環状に所定の単糸数均等に配列されている。この
ようにすると、紡糸口金25が紡糸パック24に内蔵さ
れてスピンビーム2に装着されたとき、吐出孔26が筒
状フィルター31の内周面から筒状フィルター31内を
通過する単糸7を横切る方向にそれぞれ等距離に位置す
ることになり、単糸7それぞれに対する冷却空気流15
の冷却状態がより均一になるので好ましい。
【0021】又、配列径27の直径D0を、筒状フィル
ター31内を通過する複数の単糸7が冷却空気流15に
よって揺られ、単糸7同士が接触して融着するのを防止
するために、筒状フィルター31の内径D1の3/5倍
以上、かつ、筒状フィルター31の内径D1以下にする
と共に、隣り合う吐出孔26の中心距離pがその孔径d
の8倍以上となるように、所定数の吐出孔26を配列す
るのが好ましい。配列径27の直径D0は、筒状フィル
ター31の内径に近いほど筒状フィルター31からの冷
却空気流15が単糸7に確実に直交してあたるので、冷
却効率が向上し、糸条の繊度斑がより小さくなる。
【0022】前記したように、紡糸口金25の吐出孔2
6が環状に配列されている配列径27は一条が好ましい
が、配列径27を、紡糸口金25の吐出孔26に対する
前記寸法関係を満たした上で必要な単糸数に応じて複数
条設けても単糸7に対する本発明の冷却効果は得られ
る。図4は、配列径27が二条の場合を示すが、このと
き、配列径27の直径D0、D3は共に、前記理由によ
り筒状フィルター31の内径D1の3/5倍以上、か
つ、筒状フィルター31の内径D1以下になるようにし
ている。即ち、配列径27が複数条の場合、配列径27
の全ての直径は筒状フィルター31の内径D1の3/5
倍以上、かつ、筒形フィルター31の内径D1以下にな
るようにするのが好ましい。又、このとき、それぞれ隣
り合う吐出孔26の中心距離p1、p2、p3が吐出孔
26の孔径dの8倍以上となるように所定数の吐出孔2
6を配列するのが好ましい。
【0023】以上に述べた、紡糸口金25を内蔵した紡
糸パック24が装着されたスピンビーム2と、冷却装置
3からなる紡糸装置1における単糸7への冷却作用は次
のとおりである。
【0024】冷却装置3の外枠30に設けられた導入口
34に、温調された冷却空気流15aがブロア(図示せ
ず)によって所定の流速で供給されて外枠30内に導入
される。外枠30内に導入された冷却空気流15aはさ
らに筒体35の通気孔35aを通って冷却流供給室38
へ流入する。このとき、冷却流供給室38で気流の乱れ
によって旋回気流が生じた場合は、緩衝体32の傾斜部
32a内面に設けられた整流板36によって旋回気流が
効果的に抑制される。
【0025】そして、冷却空気流15aが筒状フィルタ
ー31を通過することによって整流された冷却空気流1
5となり、この冷却空気流15が筒状フィルター31の
内周面から単糸7を横切るように単糸7の周囲に均一に
吹き出て単糸7が冷却される。
【0026】緩衝体32に、紡糸パック24に向かって
小径となる傾斜部32aを設けることによって、筒状フ
ィルター31から吹き出る冷却空気流15に、その流速
が筒状フィルター31の上流側、即ち、紡糸口金25近
傍では低く、下流側、即ち、案内管33近傍に行くに従
って高くなるという速度勾配が生じるので、紡糸口金2
5近傍への上昇気流が減勢し、紡糸口金直下の溶融状態
の単糸が低い流速で冷却され、単糸揺れも減少する。そ
の結果、紡糸口金25の表面温度の低下が抑制されるの
で紡糸口金の表面温度の低下によって単糸7が正規に形
成されずに繊度斑が大きくなったり、単糸切れが生じる
ということがなくなる。
【0027】冷却空気流15が持つ前記速度勾配の設定
は、図2において、筒状フィルター31の長さをLfと
して、筒状フィルター31の上面から1/4Lfの位置
での冷却空気流15の吹き出し流速(紡糸口金表面温度
が所定温度より低下しない流速)に対して、1/2Lf
の位置で1倍以上の流速、3/4Lfの位置で1.5倍
以上の流速となるよう設定するのが好ましい。
【0028】この速度勾配の設定は、緩衝体32の傾斜
部32aの傾斜を調節することで可能である。又、この
ような速度勾配は、筒状フィルター31の形状及び孔の
配置密度等を適宜選択することによっても得ることがで
きる。
【0029】筒状フィルタ31からの冷却空気流15
は、単糸7を冷却しながら単糸7の走行に伴ない随伴気
流15bとなって案内管33へ流下していく。このと
き、随伴気流15bの乱れによって単糸7が揺れ、走行
が不安定になることがあるので、案内管33の長さLp
を筒状フィルター31の内径D1の1/3以上となるよ
うにすると単糸7の走行が安定しやすい。
【0030】又、筒状フィルタ31への冷却空気流15
aの供給量を多くした場合には、前記随伴気流15bも
大きく乱れ案内管33内に旋回気流が発生して単糸7が
旋回されることがあるが、案内管33の整流板37によ
って旋回気流が効果的に抑制されるので通過する単糸7
が安定する。さらに、案内管33の反筒状フィルター3
1側の端部がテーパ状に開口されていると、この部位で
随伴気流15bが減勢するので単糸7はより安定して案
内管33内を通過することができる。
【0031】以上に述べた実施形態では、図2に示すよ
うに、ブロア(図示せず)を用いて外部から冷却装置3
内に冷却空気流15aを供給して、筒状フィルター31
から冷却空気流15を吹き出すようにしているが、冷却
装置3にエジェクタ機構(図示せず)を付設して筒状フ
ィルター31内部を負圧状態にして、冷却空気流15a
を吸引することによって、冷却空気流15を発生するよ
うにすることも可能である。
【0032】次に、図5に示す従来の紡糸装置100
と、図1及び図2に示す本発明の紡糸装置1を用いて紡
糸した合成繊維の繊度斑(U%)を比較する。
【0033】ここで、比較例1及び4は、従来の紡糸装
置100を用いて実施した場合のものであり、比較例
2、3及び5、並びに実施例1、2及び3は、本発明の
紡糸装置1を用いて実施した場合のものである。
【0034】又、本発明の紡糸装置1を用いて実施し
た、比較例2、3及び5、並びに実施例1、2及び3に
おいて、図2における各部寸法をL0=40mm、Lf
=200mm、Lp=50mmに一定とし、吐出孔26
の孔径d、隣り合う吐出孔26の中心距離p、配列径2
7の直径D0、筒状フィルター31の内径D1のそれぞ
れの数値を、表1に示す。
【0035】
【表1】 (単位mm)
【0036】「比較例1」 紡糸条件を、ポリエステル
120dtx-36fの糸条、引取速度3300m/min
として、流速18m/minの冷却空気流で紡糸した。
この場合のU%は、1.1%であった。
【0037】「実施例1」 比較例1の紡糸条件にて、
吐出孔26に関する寸法を表1の実施例1に示す寸法と
し、筒状フィルター31から吹き出る冷却空気流15の
速度勾配を、筒状フィルター31の上面から1/4Lf
の位置で21m/min、1/2Lfの位置で25m/
min、3/4Lfの位置で32m/minに設定して
紡糸した。この場合のU%は、0.7%であり、繊度斑
は比較例1に比べて小さくなる結果となった。
【0038】「比較例2」 吐出孔26に関する寸法を
表1の比較例2に示す寸法とし、他は実施例1と同様の
紡糸条件で紡糸した。この場合のU%は、1.6%であ
った。比較例2では、配列径27の直径D0(35m
m)が本発明の下限条件(3/5D1以上)を逸脱して
いるため、冷却空気流が単糸に直交してあたらないため
冷却効率が低下して、紡糸中に単糸同士の融着が見られ
た。又、引き取られた繊維上には一部毛羽が発生した。
繊度斑は比較例1に比べて大きくなる結果となった。
【0039】「比較例3」 吐出孔26に関する寸法を
表1の比較例3に示す寸法とし、実施例1と同様の冷却
空気流15の速度勾配で、ポリエステル240dtx-
72fの糸条を3300m/minの引取速度で紡糸し
た。この場合のU%は、1.7%であった。比較例3で
は、吐出孔26の中心距離p(2.2mm)が、本発明
の中心距離pの設定条件を逸脱しているため、実施例2
同様に、紡糸中に単糸同士の融着が見られ、引き取られ
た繊維上には一部毛羽が発生した。繊度斑は比較例1に
比べて大きくなる結果となった。
【0040】「実施例2」 吐出孔26に関する寸法を
表1の実施例2に示す寸法とし、配列径27を二条(直
径75mm、65mm)設け、他は比較例3と同様の紡
糸条件で紡糸した。この場合のU%は、0.9%であ
り、繊度斑は比較例1に比べて小さくなる結果となっ
た。
【0041】「比較例4」 比較例4は、紡糸条件を、
ポリエステル120dtx-36fの糸条、引取速度4
000m/minとして、流速22m/minの冷却空
気流で紡糸した。この場合のU%は1.2%であった。
【0042】「実施例3」 比較例4の紡糸条件にて、
吐出孔26に関する寸法を表1の実施例3に示す寸法と
し、筒状フィルター31から吹き出る冷却空気流15の
速度勾配を、筒状フィルター31上面から1/4Lfの
位置で20m/min、1/2Lfの位置で28m/m
in、3/4Lfの位置で40m/minに設定して紡
糸した。この場合のU%は、0.9%であり、比較例4
に比べて高速引取の場合でも繊度斑は小さくなる結果と
なった。又、このときの紡糸口金25の表面温度は、2
93℃であった。
【0043】「比較例5」 実施例3の紡糸条件にて、
吐出孔26に関する寸法を表1の比較例5に示す寸法と
し、冷却装置3内の緩衝体32を、傾斜部32aを設け
ず筒状にして、筒状フィルター31から吹き出る冷却空
気流15の流速を、筒状フィルター31上面から1/4
Lfの位置で30m/minに設定して紡糸した。この
とき、筒状フィルタ31上面から1/2Lfの位置での
冷却空気流15の流速は32m/minであり、3/4
Lfの位置で34m/minであった。この場合のU%
は、1.5%であった。又、このときの紡糸口金25の
表面温度は、279℃であった。比較例5では、緩衝体
32に傾斜部32aを設けていないので、冷却空気流に
速度勾配が得られず、紡糸口金25の表面温度が実施例
3に比べて大きく低下した。繊度斑は、比較例4及び実
施例3に比べて大きくなる結果となった。
【0044】
【発明の効果】以上に述べたように、本発明の紡糸装置
によれば、冷却装置に筒状フィルターを備えることによ
り、紡出される単糸群の周囲へ均一に冷却空気流が吹き
出るので単糸群の湾曲状の揺れが抑制され、糸質が悪化
するということがなくなる。又、紡糸口金に複数の吐出
孔を少なくとも一条の配列径上に環状に配列することに
より、各単糸間への冷却空気流の通過性が向上するので
単糸群の冷却が均一となり、繊度斑の小さい良質の糸条
を得ることができる。
【0045】さらに、紡糸口金の配列径の直径を、筒状
フィルターの内径寸法の3/5倍以上にし、配列径に配
列された隣り合う吐出孔の中心距離を、吐出孔の孔径の
8倍以上にすることにより、単糸の揺れによって生じる
単糸同士の融着を解消することができる。
【0046】又、筒状フィルターから冷却装置内に流入
する冷却空気流が、その流速が筒状フィルターの上流側
での流速より、下流側に行くに従って高くなるという速
度勾配を持つことにより、紡糸口金近傍への上昇気流が
減勢されるので、紡糸口金の表面温度が低下して繊度斑
が大きくなったり、単糸切れが発生したりすることがな
く、安定した紡糸が行なえる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態を示す概略全体図であ
る。
【図2】 冷却装置の要部を示す概略断面図である。
【図3】 一条の配列径を有する場合の口金面の概略図
である。
【図4】 二条の配列径を有する場合の口金面の概略図
である。
【図5】 従来の紡糸装置を示す概略横断面図である。
【符号の説明】
1 紡糸装置 2 スピンビーム 3 冷却装置 7 単糸 15、15a、 冷却空気流 15b 随伴気流 25 紡糸口金 26 吐出孔 27 配列径 30 外枠 31 筒状フィルター 32 緩衝体 33 案内管 35 筒体 35a 通気孔 36、37 整流板 38 冷却流供給室
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西大路 誠 滋賀県大津市園山1丁目1番1号 東レエ ンジニアリング株式会社内 (72)発明者 山下 雅充 滋賀県大津市園山1丁目1番1号 東レエ ンジニアリング株式会社内 Fターム(参考) 4L045 AA05 BA03 CB10 CB13 DA08 DA23 DA24 DC03

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶融ポリマーを吐出する複数の吐出孔を
    有する紡糸口金から吐出された溶融ポリマーを、紡糸口
    金下流の冷却装置で冷却して糸条として引き取る紡糸装
    置において、前記冷却装置に筒状フィルターを備えると
    共に、前記紡糸口金に溶融ポリマーの吐出孔を少なくと
    も一条の配列径上に環状に配列し、その配列径の直径が
    筒状フィルターの内径寸法の3/5倍以上であり、又、
    前記筒状フィルターから冷却装置内部に流入する冷却空
    気流が、その流速が筒状フィルターの上流から下流に行
    くに従って高くなるという速度勾配を持つことを特徴と
    する紡糸装置。
  2. 【請求項2】 紡糸口金の配列径上に環状に配列された
    複数の吐出孔の隣り合う孔の中心距離が、吐出孔の孔径
    の8倍以上であることを特徴とする請求項1に記載の紡
    糸装置。
JP2000185518A 2000-06-21 2000-06-21 紡糸装置 Pending JP2002309431A (ja)

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