JP2004084134A - 溶融紡糸装置 - Google Patents

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長棟 恵示
Hiroyuki Aisaka
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Abstract

【課題】分割口金を用いて多錘化を図る際に、紡糸口金パック内でのポリマーの異常滞留を解消し、更に紡出された糸条群冷却斑が生じない溶融紡糸装置を提供する。
【解決手段】複数錘からなる熱可塑性マルチフィラメント糸条群を一個の紡糸口金パック1から同時に溶融紡糸するための溶融紡糸装置であって、各錘に対応させて吐出孔群が分割され、更に分割された各吐出孔群がそれぞれ多重同心円上に穿設された分割口金、分割された前記各吐出孔群毎に分離供給される前記ポリマーをそれぞれ分離するためのシール部材が形成され、前記各濾過媒体に対応させてそれぞれグループ分けして形成された分配流路群、各錘と一対一に対応させて設けられグループ分けされた前記各分配流路群のそれぞれに独立して前記ポリマーを供給する濾過層群を含んで構成されていることを特徴とする溶融紡糸装置。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は複数錘からなる熱可塑性マルチフィラメント糸条群を一個の紡糸口金パックから同時に紡出して巻き取るための溶融紡糸装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
熱可塑性合成繊維の溶融紡糸装置を多錘化するための方式としては、複数の紡糸口金パックを横一列に配置して、横一列に糸条群を紡出し、紡出した糸条群の真横から冷却風を当てて冷却し、その後、油剤を付与し、糸条を構成するフィラメント同士を交絡させた後に巻き取る方式を採用するのが一般的である。
【0003】
何故ならば、このような一つの糸条を一つの紡糸口金パックで紡糸する溶融紡糸装置を用いることで、各錘糸条の溶融紡糸条件に合わせて、最適なパック構造を設計することができるからである。また、紡出後の糸条群の冷却についても、冷却風の各糸条への当たり方を同様に個別に設定することもできるため、各錘の糸条間で染斑や繊度斑などの品質斑が少ない多錘糸条が得られるからである。
【0004】
しかしながら、このような溶融紡糸装置では、錘数が増えるにしたがって、錘数に対応した数の紡糸口金パック群を横方向へ並設することが要求されるため、溶融紡糸装置を設置するためのスペースが広がると共に、錘数に合わせた数だけ紡糸口金パックを設ける必要もあって、その設備コストも上昇する。
【0005】
また、このような溶融紡糸装置では、紡糸口金パックを錘毎に個別に設ける必要があって、その錘間距離が長くなる。このために、一つのギアポンプでポリマーを連続的に計量しながら各紡糸口金パックへ配給しようとした場合、ポリマーの配給流路が長くなるために、ポリマーが長時間に渡って加熱されたり、各配給流路間での熱履歴差が発現しやすくなったりして、配給流路内でポリマーが劣化する等の問題を惹起する。
【0006】
そこで、このような問題を解消するために、紡糸口金パックに取り付ける口金を1枚としながらも、一枚の口金中に複数錘の糸条群を紡出できるように複数錘の吐出孔群を分割して穿設して、分割した吐出孔群毎に糸条を紡出して複数錘の糸条群を同時に溶融紡糸できる分割口金が、例えば実開平7−15780号に提案されている。このような分割口金を用いた場合、パックの組立、分解といった作業効率が向上すると共に、その設置スペースも大幅にコンパクト化されるという利点がある。
【0007】
しかしながら、こうした分割口金を用いたパックにおいては、特に、各錘を分割する分割領域の境界でポリマーの異常滞留が発生しやすいと言う問題がある。そして、このような異常滞留が発生すると、ここで長時間に渡って加熱されポリマーが変質して粘度変化を起こし、吐出孔群から吐出されるポリマーは分割境界側と非境界側とで粘度斑が生じる。このために、ポリマーが口金から吐出された直後に大きく曲がるなどの異常吐出を惹起し、工程調子が悪化して、単繊維切れや断糸を起こしたりする。また、紡出されたフィラメント間に斑が発生して、染斑や繊度斑などの糸品質斑を起こしたり、製造中に生じるガイドなどとの接触擦過による毛羽発生などの品位上の欠陥を有したりする糸条となりやすい。
【0008】
また、分割口金を使用した溶融紡糸の多錘化では、紡出された糸条を冷却する際にも細心の注意が必要とされる。例えば、紡出された糸条群に横方向から糸条群を横切るようにして冷却風を吹き付ける方式では、冷却風の糸条への当たり方に斑が生じるために、染斑や繊度斑などの糸品質斑が生じると言う問題がある。そこで、円筒型の紡糸筒を使用して、紡糸筒外郭より紡出糸条群を囲繞するように冷却風を紡糸筒の中心に向かって吹き出して糸条を冷却するいわゆる縦吹き冷却方式が採用されることが多い。
【0009】
しかしながら、この縦吹き冷却方式では、風力が紡糸筒の中央部で極端に弱まるため、走行糸条の随伴流の影響を受けやすく、内部まで冷却風が充分に貫流しないと言う問題がある。このため、マルチフィラメント糸条群を複数の多重同心円状に紡出した場合には、内周側に位置するフィラメント群は外周側に位置するにフィラメント群に対して冷却が遅延しやすくなって冷却斑を発生させる。
【0010】
また、この糸条の冷却技術に関しては、実開平5−77269号に開示されている技術のように紡糸筒下部より紡出されたフィラメント群の間を縫って風を送り込む導管を設け、紡糸筒中央に冷却風を送り込むことで、紡糸筒の中心側から外周側へ冷却風を吹き出す装置を設置したものがある。しかしながら、このような技術では、糸揺れが発生したりすると、前記導管に糸条が当たって糸条にダメージを与えたりする。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、以上に述べた従来技術が有する問題に鑑み、分割口金を用いて多錘化を図る際に、従来技術のように染斑や繊度斑などを惹起するポリマーの紡糸口金パック内での異常滞留を解消すると共に、紡出された糸条群を冷却する際に冷却斑が生じない溶融紡糸装置を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
以上に述べた本発明の課題は、「複数錘からなる熱可塑性マルチフィラメント糸条群を一個の紡糸口金パックから同時に溶融紡糸するための溶融紡糸装置であって、前記紡糸口金パックは、
各錘に対応させて吐出孔群が分割され、更に分割された各吐出孔群がそれぞれ多重同心円上に穿設された分割口金、
分割された前記各吐出孔群毎に分離供給される前記ポリマーをそれぞれ分離するためのシール部材が形成され、かつ前記シール部材に囲まれた領域には分割錘数に相当する数の濾過媒体群が形成された口金直上濾過部材、
前記各濾過媒体へ前記ポリマーをそれぞれ独立に分配供給するために、前記各濾過媒体に対応させてそれぞれグループ分けして形成された分配流路群、そして各錘と一対一に対応させて設けられ、かつグループ分けされた前記各分配流路群のそれぞれに独立して前記ポリマーを供給する濾過層群を含んで構成され、
更に、前記各分配流路群の各ポリマー供給口が前記濾過媒体の直上の前記シール部材内縁に沿って略等間隔に設けられていることを特徴とするよう有望視装置」によって解決される。
【0013】
このとき、本発明においては、請求項2に記載のように、前記分配流路の各ポリマー供給口の出口径をdとし、互いに隣接する分配流路間隔(流路中心間の距離)をDとした場合に、D≦4dを満足することが、紡糸口金パック内でのポリマーの異常滞留を解消する上で好ましい。
【0014】
また、本発明においては、請求項3に記載のように、前記ポリマーを連続計量しながら前記各濾過層にそれぞれ供給し、かつ各濾過層に一対一に対応して設けられた計量供給装置を有することが好ましい。何故ならば、このようにすることによって、独立して設けられた各計量供給装置から各錘に対して一対一に対応させた状態で個別にポリマーを供給できることになるからである。そして、これによって、一台の計量供給装置を使用してポリマーを各錘へ分流して供給する場合にはポリマーの分配斑が生じやすいという問題が解消される。
【0015】
そして、本発明においては、請求項4に記載のように、前記分割口金から多重同心円状に紡出された糸条群に対して、前記糸条群の内周側から外周側へ向かって冷却風を吹き出して紡出された糸条群を冷却する冷却装置を設け、更にその下流に冷却された各錘糸条を各錘毎に集束しながら油剤を付与するためのガイド式給油装置を設けることが好ましい。何故ならば、本発明では糸条群が多重同心円状に紡出されるので、このようにすることによって、紡出された糸条群に対して、斑のない均一な冷却を可能とするからである。
【0016】
このとき、本発明においては、請求項5に記載のように、前記紡糸口金パックの下流に前記冷却装置から吹き出された冷却風の上流側への進入を遮断する冷却風遮断手段を設け、前記冷却風遮断手段に前記冷却装置へ冷却風を送出する冷却風送出手段を設けることが好ましい。何故ならば、このようにすることによって、紡出されたフィラメント群に糸揺れが発生しても、冷却風送出手段とフィラメントが接触することがなくなって、フィラメントにダメージを与えることがなくなるからである。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0018】
図1は、本発明に係わる溶融紡糸装置の一実施形態を説明するための説明図であって、多錘(図の例は4錘)の熱可塑性マルチフィラメント糸条を対象とした溶融紡糸装置を例示したものである。なお、この図で、1は紡糸口金パック、2は紡糸筒、3はガイド式給油装置、そして、4は計量供給手段をそれぞれ示す。また、この図1において、前記紡糸口金パック1と前記紡糸筒2とは、その内部の様子を明示するために透視図で示しており、その外形線を一点鎖線で示している。
【0019】
更に、図中に描画線が複雑に入り込んで理解の妨げとなるのを防止するためと、説明の重複を回避するために、実線で示した特定の一錘を取り上げて説明する。しかしながら、点線で示した他の錘についても、実線で示した錘と同様のことが言えることを予め付言しておく。その際、本発明は複数錘(図の例では4錘)からなる熱可塑性マルチフィラメント糸条群Yを一個の紡糸口金パック1から同時に溶融紡糸するための溶融紡糸装置であるから、紡糸口金パック1内では各錘はそれぞれ分割しされて独立であって、各錘を流れるポリマーは互いに混合しあうことなく、分離して流れている。したがって、以下の実施形態の説明においては、各錘は互いに独立していることを強調するために、参照符号A、B、C、そして、D(4錘の場合)を付して、各錘を区別するものとする。
【0020】
ここで、本発明に好適に使用できる前記紡糸口金パック1としては、例えば、図2(模式側断面図)に示したような実施形態例のような構成を採る。そこで、前記図1と図2を併用しながら、先ず本願発明の紡糸口金パック1の実施形態例について説明する。前記図1及び2において、10はパック本体であって、この実施態様ではパック本体10は3分割された上パック部材101、中パック部材102、そして、下パック部材103から構成されており、図2中に一点鎖線で表した部分で図示省略したボルトなどの締結部材によって互いに締結される。
【0021】
また、このようなパック本体10中には、濾過層群12A〜12Dが形成されており、更に、この濾過層群12A〜12Dは図2の例では金網フィルター120A〜120D及び、メタルサンドやガラスビーズなどの濾過材121A〜121D、金網フィルター122A〜122D、そして、分配板123A〜123Dを含んで構成されている。したがって、ポリマーはこの濾過層12A〜12Dをそれぞれ通過した後、各分配板123A〜123Dの下方で合流させられ、各分配流路群13A〜13Dによって、口金直上濾過部材14へ分流させられ、最終的に、図1に示すように、分割口金15に穿設された各吐出孔群150A〜150Dより、それぞれマルチフィラメント群Y〜Yとして紡出される。このとき、前記各分配流路群13A〜13Dは、前記口金直上濾過部材14へポリマーをそれぞれ独立に分配供給するために、各錘に対応させてそれぞれグループ分けされている。
【0022】
ここで、前記口金直上濾過部材14と口金15との間の関係について、以下に図3及び4を参照しながら詳細に説明する。なお、これらの図3及び4は、前記口金直上濾過部材14と分割口金15の一実施形態をそれぞれ例示した図であって、ポリマーの流れ方向に関して、その上流側から見た模式平面図である。
【0023】
前記図3及び4に示すように、前記口金直上濾過部材14ではシール部材140に囲まれた領域には分割錘数が4に相当する数の濾過媒体群141A〜141Dが形成されている。また、前記分割口金15には、4錘のそれぞれに対応させて各吐出孔群150A〜150Dが分割して多重同心円上にそれぞれ穿孔されている。したがって、分割口金15の直上に口金直上濾過部材14を重ねあわせ、口金直上濾過部材14のシール部材140によって分割口金15の各吐出孔穿孔領域151A〜151Dを分離して隔離することができる。
【0024】
そして、これにより、同一の紡糸口金パック1内を流れるポリマーは、上パック本体101に設けられた各導入口11A〜11Dにそれぞれ流入してから、分割口金15に穿設された各吐出孔群150A〜150Dから紡出されるまでの間、各錘毎A〜Dに系統分けされて完全に分離した状態で流れることとなる。
【0025】
したがって、本発明においては、このような利点を活用するために、図1に示すように、紡糸口金パック1の各導入口11A〜11Dに前記ポリマーを計量供給装置4A〜4Dを使用して連続計量しながら各ポリマー配管5A〜5Dを介してそれぞれ供給することによって、前記各濾過層12A〜12Dに対して、ポリマーを個別に一対一に送ることがポリマーの各錘A〜Dへの分配斑を解消する上で好ましい。なお、前記計量供給装置4A〜4Dには、例えば、図示省略した公知の溶融押出機などによって、チップ状のポリマーが溶融させられ、溶融状態にされたポリマーが連続的に送られる。
【0026】
次に、図2に例示するように前記口金直上濾過部材14の上方では分配流路群13A〜13Dの供給口が開口している。ただし、このとき、各分配流路群13A〜13Dは、前記各濾過媒体141A〜141Dへポリマーをそれぞれ独立に分配供給するために、前記各濾過媒体141A〜141Dに対応させてそれぞれグループ分けして形成されている。なお、この分配流路群13A〜13Dの供給口が開口する位置は、図3中に点線で示した場所であって、前記濾過媒体141A〜141Dの直上の前記シール部材140の内縁に沿って略等間隔に設けられている。これによって、前記口金直上濾過部材14の濾過媒体群141A〜141Dをポリマーが通過する際に均圧化され、これと共に分割口金15に穿設された各吐出孔群150A〜150Dにポリマーが均等に分配されることとなる。
【0027】
その際、前記分配流路13A〜13Dの各ポリマー供給口の出口径をdとし、そして、互いに隣接する分配流路間隔(流路中心間の距離)をDとした場合に、D≦4dを満足することが好ましい。何故ならば、このような条件を採用することで、分配流路群13A〜13Dから各錘にポリマーを供給する際に、分割口金15に穿設された各吐出孔群150A〜150Dのそれぞれに対してポリマーを均等に分配することができ、これによって、各錘おけるポリマーの熱履歴差を解消できることが実験によって分ったからである。
【0028】
また、前述したように、分割口金では、各濾過媒体141A〜141Dを分離するシール部材140の境界端部においてポリマーの異常滞留が発生しやすい。しかしながら、本発明による口金直上濾過部材14では、各分配流路群13A〜13Dから供給されるポリマーを分割口金15のシール部を形成する外側から内側へポリマーを流す構造とすることによりその異常滞留を低減させることができる。
【0029】
次に、本発明の溶融紡糸装置は、図1に示すように、円筒状の紡糸口金パック1の下方に設けられた紡糸筒2に関しても大きな特徴を有するため、この点について以下に詳細に説明する。
【0030】
先ず、本発明の前記紡糸筒2では、円筒状の紡糸筒外壁20の内部へ前記分割口金15に穿設された各吐出孔群150A〜150Dから多重同心円状に紡出された糸条群Y(Y〜Y)に対して、前記糸条群Yの内周側から外周側の方向(破線で例示した矢印の方向)へ冷却風を吹き出して紡出された糸条群Yを冷却する冷却装置23が設けられている。本発明において、分割口金15に各吐出孔群150A〜150Dを多重同心円上に穿設することの意味は、正にこの点にある。そして、このようにすることによって、紡出された糸条群Yに対して、冷却風を充分に貫流させることが可能となって、溶融紡糸された糸条群Yを紡糸筒内で冷却する際に、均等に冷却できるため、フィラメント群間や錘間での冷却斑の発生を有効に防止することを可能とする。更には、紡糸調子の安定化を図ることも可能となって、繊度斑等がない品質に優れた糸条を紡糸することが可能となる。
【0031】
なお、その際、前記紡糸口金パック1の下流に前記冷却装置23から吹き出された冷却風が上流側へ進入するのを遮断するための冷却風遮断手段21が設けられている。そして、このような、冷却風遮断手段21は、例えば公知のシャッターから構成され、溶融紡糸装置を立ち上げる際や断糸が発生した際の糸掛けを行う場合に開放し、通常の溶融紡糸時は、糸条群Yが走行する間隙を残して閉止できるような構造としておくことが好ましい。何故ならば、このような構造とすることによって、紡糸筒2の上流に位置する前記分割口金15が冷却されて温度斑を発生したり、紡糸筒2と分割口金15との間に紡出した糸条群Yを除冷するための遅延冷却手段を設ける際に温度制御を正確に行ったりできるからである。
【0032】
ところで、図1に例示したように、前記冷却装置23の下流には、冷却された各錘糸条Y〜Yを各錘毎に集束しながら油剤を付与するためのガイド式給油装置3が同心円状に設けられていることは既に述べた。ここで、ガイド式給油装置3がこのように配置されていると、集束された各錘糸条Y〜Yの間には大きな開放空間が形成される。そこで、この開放空間を利用して、前記冷却装置へ冷却風を送出する冷却風送出手段22を設ける。このようにすると、普通に溶融紡糸を行っている間は、走行するフィラメント群は、この冷却風送出手段22と接触することが無いため、接触による糸条群Yへのダメージが発生することはない。
【0033】
【発明の効果】
以上に述べた本発明によれば、分割口金を用いて多錘化を図る際に、従来技術のように染斑や繊度斑などを惹起するポリマーの紡糸口金パック内での異常滞留が解消され、これと共に単繊維切れや断糸が抑制されて紡糸工程が安定し、更には、紡出された糸条群を冷却する際に冷却斑が生じないために繊度斑が生じないという極めて顕著な効果を奏する。このように、本発明によれば、品質と工程調子に優れた溶融紡糸装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる溶融紡糸装置の一実施形態を説明するための説明図である。
【図2】本発明に好適に使用できる紡糸口金パックの一実施形態を模式的に例示した図1の概略側断面図である。
【図3】本発明に好適に使用できる口金直上濾過部材の一実施形態を例示した説明図(平面図)である。
【図4】本発明に好適に使用できる分割口金の一実施形態をそれぞれ例示した説明図(平面図)である。
【符号の説明】
1:紡糸口金パック
2:紡糸筒
3A:ガイド式給油装置
4A〜4D:計量供給手段
5A〜5D:ポリマー配管
10A:パック本体
11A:導入口
12A:濾過層
13A:分配流路群
14:口金直上濾過部材
15:分割口金
20:円筒状の紡糸筒外壁
21:冷却風遮断手段
22:冷却風送出手段
23:冷却装置
Y(Y〜Y):糸条群

Claims (5)

  1. 複数錘からなる熱可塑性マルチフィラメント糸条群を一個の紡糸口金パックから同時に溶融紡糸するための溶融紡糸装置であって、前記紡糸口金パックは、
    各錘に対応させて吐出孔群が分割され、更に分割された各吐出孔群がそれぞれ多重同心円上に穿設された分割口金、
    分割された前記各吐出孔群毎に分離供給される前記ポリマーをそれぞれ分離するためのシール部材が形成され、かつ前記シール部材に囲まれた領域には分割錘数に相当する数の濾過媒体群が形成された口金直上濾過部材、
    前記各濾過媒体へ前記ポリマーをそれぞれ独立に分配供給するために、前記各濾過媒体に対応させてそれぞれグループ分けして形成された分配流路群、そして各錘と一対一に対応させて設けられ、かつグループ分けされた前記各分配流路群のそれぞれに独立して前記ポリマーを供給する濾過層群を含んで構成され、
    更に、前記各分配流路群の各ポリマー供給口が前記濾過媒体の直上の前記シール部材内縁に沿って略等間隔に設けられていることを特徴とする溶融紡糸装置。
  2. 前記分配流路の各ポリマー供給口の出口径をdとし、互いに隣接する分配流路間隔(流路中心間の距離)をDとした場合に、D≦4dを満足する請求項1記載の溶融紡糸装置。
  3. 前記ポリマーを連続計量しながら前記各濾過層にそれぞれ供給し、かつ各濾過層に一対一に対応して設けられた計量供給装置を有する請求項1又は2記載の溶融紡糸装置。
  4. 前記分割口金から多重同心円状に紡出された糸条群に対して、前記糸条群の内周側から外周側へ向かって冷却風を吹き出して紡出された糸条群を冷却する冷却装置を設け、更にその下流に冷却された各錘糸条を各錘毎に集束しながら油剤を付与するためのガイド式給油装置を設けた請求項1〜3の何れか一項に記載の溶融紡糸装置。
  5. 前記紡糸口金パックの下流に前記冷却装置から吹き出された冷却風の上流側への進入を遮断する冷却風遮断手段を設け、集束された各糸条群が形成する開放空間に前記冷却装置へ冷却風を送出する冷却風送出手段を設けた請求項4記載の溶融紡糸装置。
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