JP4988318B2 - 多錘の溶融紡糸装置およびそれから得られる極細マルチフィラメント糸条 - Google Patents

多錘の溶融紡糸装置およびそれから得られる極細マルチフィラメント糸条 Download PDF

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Description

本発明は、ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィンなどからなる高分子重合体(以下、「ポリマー」と言う)を多錘の紡糸口金群から紡出し、フィラメント数が90以上の極細マルチフィラメント糸条群を溶融紡糸するための多錘溶融紡糸装置及びそれから得られる極細マルチフィラメント糸条に関する。
ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィンなどからなる熱可塑性ポリマーを紡糸口金に穿設されたポリマー吐出孔群から紡出して繊維化した糸条を冷却して繊維化する溶融紡糸プロセスは、熱可塑性合成繊維を生産する一般的なプロセスである。中でも、紡出された合成繊維を冷却する冷却プロセスは、高品質な糸を生産する上で極めて重要な役割を果たしている。特に、衣料用長繊維の溶融紡糸プロセスでは、冷却プロセスが溶融紡糸後の糸強度や伸度、染織性に非常に大きな影響を与えることが従来から知られている。
また、近年において、一つの口金から多数のマルチフィラメント群から構成される糸条(特に、90フィラメント以上の「ハイマルチ」と呼ばれる糸条)を高い密集状態で溶融紡糸することが行われている。しかも、例えば,その単糸(「一本のフィラメント」のことである)の繊度が0.3デシテックス以下の極細繊維も生産されている。
このように、極細マルチフィラメント糸条を一つの口金から高密度で紡糸するプロセスにおいては、各フィラメント間で物性差が生じないように得られる品質を均一化することが非常に難しい。そのため、しばしば、不均一な冷却によって惹起される冷却斑などに起因した繊度斑がフィラメント間に生じる。そこで、繊度斑が生じないように、紡出された糸条の冷却を均一に制御することが非常に重要であって、この均一な冷却技術によって、初めて均質な糸条を安定して生産することができる。
このような理由から、均質なマルチフィラメント糸条を得るための紡出糸の条の冷却技術が要求されるのであるが、このような従来技術として、例えば、特許文献1(特開平7−97709号公報)や特許文献2(特開2000−34615号公報)に開示されているものがある。
ここで、この従来技術について簡単に説明すると、この従来技術は、口金から紡出された糸条の紡出方向に沿って冷却風の吹出手段を設けて、紡出された糸条に対して横方向から一方的に冷却風を供給して、紡出糸条を冷却しようとするものである。
確かに、このような紡糸方法を採用すると、例えば、横一列に並置した紡糸口金群から一斉に多錘糸条群を紡出し、これらの多錘糸条群に対して横方向から一斉に冷却風を吹きつけることができる。このため、紡糸設備を単純化できる上に、多錘化が容易である点とと設備コスト面において大きな利点を有する。
しかしながら、この従来技術では、冷却装置から元々乱れた状態で供給される冷却風を整然と流すために乱れを整流した上で、その風速や流れ状態を均一かつ定常に維持しなけ糸条に吹き付けねばならない。そのため、冷却風が吹き出される間、あるいは吹き出された後に、様々な気流整流手段などを用いて冷却風を整流制御しなければならない。
そのために、冷却風の吹出面に金網、パンチングプレート、あるいは多孔質金属等の様々な圧力抵抗低体(均圧体)を設置して冷却風の吹出風速を均一化したり、冷却風の吹出面と糸条との間に、格子部材やハニカム構造部材のような整流部材を設置して冷却風の流れを整流するなどの方策が古くから行われている。
ところが、このような方策を講じているにもかかわらず、特に、長繊維の極細マルチフィラメント糸条の冷却においては、未だに良好な冷却が困難であって、繊度斑や染着斑が生じている。このような理由から、冷却斑を解消して繊度斑や染着斑を改善することができる冷却プロセスを提供することが大きな課題となっている。
ところが、この糸条冷却装置は、特定の一方向からのみ冷却風を紡出糸条に対して吹き付けて冷却する「横吹冷却方式」であるため、このような問題を劇的に改善することが困難である。何故ならば、この「横吹冷却方式」では、冷却風の風圧によって紡出糸条が風下方向へ大きくふくらむからである。このようにして、紡出されたフィラメント群が風下方向へ大きく膨らむと、冷却風の吹出面からフィラメント群が遠ざかってしまい、その結果として、冷却風とフィラメント群(糸条)との間の熱交換効率が低下する。
なお、このような欠点を克服するために、冷却風の流速を大きくし、糸条との間の熱交換効率を向上させるような手段も考えられる。しかしながら、このような手段では、冷却風の風圧がより一層増大し、糸条が更に大きく風下側へとふくらむと共に、冷却風が糸条に到達するまでに乱れるという副作用を伴う。その結果、糸揺れが発生して、かえって、紡出糸条の均一な冷却を阻害するという大きな問題がある。
しかも、このような従来の横吹冷却方式では、一つの口金から紡出される糸条のフィラメント数が多くなればなる程、フィラメント群が密集して随伴気流を伴いながら走行する。そうすると、冷却風のフィラメント群間への貫流性が低下し、冷却風の流入側に位置するフィラメント群と流出側に位置するフィラメント群との間で冷却効率に差が生じる。その結果、フィラメント間に冷却斑が生じてしまい、得られる繊維の品質を低下させる要因ともなっている。したがって、特に、ハイマルチの極細マルチフィラメント糸条に対する冷却プロセスとしては、従来の横吹冷却技術には大きな限界が生じている。
そこで、従来の横吹冷却方式に代えて、例えば、特許文献3(特開2003−253522号公報)、あるいは、特許文献4(特開2004−300614号公報)に開示されている糸条冷却装置が使われるようになってきた。この糸条冷却装置では、独立した円筒形状を有する冷却風吹出面を有する円筒状糸条冷却装置内に紡出された各錘のフィラメント群(糸条)をそれぞれ導いて、紡出糸条の外周側から内側へ向けて放射状に冷却風を吹き付けることにより、紡出糸条に生じる冷却斑を抑制して均一に糸条を冷却する縦吹冷却装置の開発が行われている。
以上に述べた縦吹冷却装置は、スフや産業資材用繊維の溶融紡糸に古くから利用されてきた技術であって、衣料用繊維とは全く異なるオーダの極めて多数のフィラメント群を一つの口金から紡出するものである。このため、この縦吹冷却方式を衣料用長繊維の紡糸プロセスに適用するためには、解決しなければならない課題が幾つかある。
その一つとして、先ず多錘化に対応したより単純化した構造とすることが要求される。また、この方式は、円筒形状を有する冷却風吹出面を有する糸条冷却装置の内部へ紡出糸条を導かなければならないという装置の宿命がある。
そうすると、この制約を受けて、冷却装置の構造上の問題として、紡出糸条を通過させるための開口部が上下両端部に形成されていなければならない。ところが、このような開放端が上下の2箇所に形成されていると、冷却風がこれらの2つの開放端から吹き出す。その結果、これら開放端から冷却風が流出するという問題が生じる。
このような場合において、冷却風が糸条と共に冷却装置の下端部から流出することについては問題はないが、開放された上端部から口金方向に向かって冷却風が流出すると、この冷却風の影響で口金面が急激に冷却されてしまう。その結果、口金のポリマー吐出面に温度分布差が生じて、口金に穿設されたポリマー吐出孔から吐出されるポリマーの吐出斑あるいは吐出不良を惹起する。そうすると、単糸切れ(フィラメント切れ)や断糸を誘発し紡糸調子の悪化を招き、ひどい場合には紡糸が不可能となってしまう。また、多錘化された紡糸装置では、この冷却風が隣接錘へも流れるようになって、更に悪影響が広範囲に及ぶという問題がある。
特開平7−97709号公報 特開2000−34615号公報 特開2003−253522号公報 特開2004−300614号公報
以上に述べた従来技術が有する諸問題に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、例えば、単糸繊度が0.3デシテックス以下で、かつ90フィラメント以上(いわゆる、フィラメント数が通常の糸条よりも多い“ハイマルチ”の糸条)といった密集状態で一つの口金から紡出された極細マルチフィラメント糸条を均一に冷却でき、ことによって、繊度斑や染着斑が改善されると共に、更に、溶融紡糸を実施時に単糸切れや断糸がなく工程調子に優れた多錘の溶融紡糸装置とこれを用いて得られる極細マルチフィラメント糸条を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を達成するために、鋭意検討した結果、口金の下方に配置した円筒形状の冷却風吹出面を有する糸条冷却装置から放射状に吹出された冷却風を、その内部を通過する各錘糸条に対して吹き付けて冷却する方法において、前記冷却風の吹出面と糸条との間の距離を短く設定し、フィラメント群(糸条)間へ貫流させる冷却風の貫通性を向上させることを着想した。
また、これと共に、生産効率を上げるために、多数本のマルチフィラメント糸条群(多錘糸条群)が一斉に溶融紡糸される多錘の溶融紡糸装置では、隣接錘との干渉を避ける必要がある。例えば、紡出された各錘糸条を徐冷するために、その内部雰囲気が所定の温度に加熱もしくは保温された徐冷ゾーンが、隣接錘から受ける影響を回避する必要がある。
このために、本発明者らは、無風領域である徐冷ゾーン内の雰囲気が乱されないようにするため、各錘の糸条をそれぞれ仕切る仕切り部材を設置することを想到した。また、これと共に、更に、紡出された糸条を冷却する前記円筒状糸条冷却装置の上端部に冷却風が前記徐冷ゾーンへ上昇するのを防ぐ円環形状の上昇気流抑止部材を設置すれば、除冷ゾーンへの冷却風の吹き上がりを抑制でき、これによって錘間物性差の低減と繊度斑の抑制に寄与することが可能となることを見出し本発明に到達したものである。
ここに、前記課題を解決するための発明として、
「溶融した熱可塑性高分子重合体をマルチフィラメント糸条としてそれぞれ紡出する紡糸口金群と、
前記紡糸口金群の直下に設けられ、且つ紡出された前記糸条群を徐冷するための徐冷ゾーンと、
前記徐冷ゾーンの直下に前記各錘糸条に対応してそれぞれ設けられ、且つ上端には前記紡出糸条がを通過する開口が形成され、前記開口を通過した各錘糸条に対して糸条に近接した位置からその全外周を包み込むように外周側から内側へ向かって放射状に冷却風をそれぞれ吹き付ける、円筒形状を有する冷却風吹出面が形成された円筒状糸条冷却装置と、
前記徐冷ゾーンを各錘毎に個別且つ独立に仕切ると共に糸条が通過する前記開口を除いてその内部を気密にシールするシール部材と、
前記開口部に設けられた円環形状を有する部材であって、且つ前記円環の内部を前記各錘糸条が通過する上昇気流抑制部材と、を少なくとも備えた多錘溶融紡糸装置」が提供される。
このとき、本発明に係る前記多錘溶融紡糸装置は、前記紡糸口金として、前記マルチフィラメント糸条を構成するフィラメント群を多重同心円列を形成させて紡出する口金とすることが好ましい。
また、本発明に係る前記多錘溶融紡糸装置では、前記上昇気流紡糸部材の円環内壁面とその内部を通過する前記紡出糸条との間隔を2〜15mmとすることが好ましい。
更に、本発明に係る前記多錘溶融紡糸装置は、前記昇気流紡糸部材を前記開口に着脱自在とすることが好ましい。
次に、本発明に係る「極細マルチフィラメント糸条」として、前述の多錘溶融紡糸装置を使用して溶融紡糸したマルチフィラメント糸条であって、その単糸繊度が0.05デシテックス以上、3.0デシテックス以下であり、且つそのフィラメント数が90本以上、500本以下とした極細マルチフィラメント糸条が得られる。
本発明は、単糸繊度が非常に小さく、かつ、フィラメント数が多い糸条において、特に、従来のように一方向から冷却風を紡出糸条へ吹き付ける横吹式の糸条冷却装置を使用するのでは無く、その内部を走行する紡出糸条に対して、円筒形状を有する冷却風吹出面から放射状に冷却風を吹き付けて糸条を冷却している。
したがって、本発明では、糸の揺らぎによって接触しない程度の極めて近接した位置から走行するフィラメント群(糸条)に対して、その外周側から内側へと拡散せずに整流された冷却風を吹き付けることができる。このため、密集して走行するフィラメント群であっても、冷却風の速度をそれほど大きくせずに、走行するフィラメント群を包み込むようにしてその間へ冷却風を全外周方向から内部へと貫通させることができる。したがって、冷却風の風圧を下げることができ、それ故に、紡出された糸条が風下側へ大きくふくらということもなくなる。
その結果、糸条と冷却風との間の熱交換効率を高めることが可能となり、冷却風の風速を従来よりも小さくしても十分な冷却性能が発揮できることとなり、強い風速に起因する糸揺れの発生も抑制することが可能となる。したがって、冷却斑が解消され、均繊性と均染色性に優れた品質の良い糸条を得ることができる。
また、本発明では、円筒状糸条冷却装置と口金との間に形成された徐冷ゾーンから内部気流が流出しないように、紡出糸条が走行する開口部を残して、それ以外の箇所を気密となるようにシールを十分に行う。特に、隣接錘との間には、本発明においては、気密性の高い仕切り部材を設けて各錘を独立に仕切ることによって、円筒状糸条冷却装置の上端の開放部から流れ出た冷却風が隣接錘に悪影響を及ぼさないようにしてある。
しかしながら、このような対策を施しても、まだ円筒状糸条冷却装置の開放端から流れ出た冷却風が口金面へ流れて、口金面を急激に冷却してしまい、これにより断糸を誘発し紡糸が不可能となってしまうという問題が残る。
この問題に対して、本発明では、円筒状糸条冷却装置の上端開放部の開口に、最外周に位置するフィラメント群との間に形成された隙間を小さく設定した「円環形状(リング形状)の上昇気流抑制部材」を設置する。このようにすることによって、糸条冷却装置の上端開口からの冷却風の吹き上がりを低減し、吹き上がった冷却風による口金の冷却という問題を解消できる。その結果、単糸切れや断糸の発生が少なくなり、紡糸調子に優れた溶融紡糸装置を提供できるという効果を奏する。
以下に本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1は、ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィンなどの熱可塑性ポリマーからなる極細マルチフィラメント糸条を溶融紡糸するための溶融紡糸装置を模式的に例示した概略装置構成図である。なお、本発明は多錘の溶融紡糸装置に関するものであって、図1の紙面に対して直角方向にも多くの錘が存在しているが、図1では単錘のみを記載していることを付言しておく。
なお、実際の生産工程において使用される溶融紡糸装置では、生産性の向上を図るために、複数錘(例えば、2錘、4錘、6錘、8錘など)をまとめて一台の巻取機で巻き取る場合が多いが、本発明においては、便宜上、単錘のみを巻き取る格好にしてあることも併せて付言しておく。
ここで、前記図1において、各参照符号に対応する各要素の名称について簡単に説明すると、1は紡糸口金(以下、単に「口金」とも言う)、2は断熱部材、3は糸条冷却装置、4はシール部材、5は上昇気流抑制部材、6は円筒状糸条冷却装置(以下、単に「糸条冷却措置」と言う)、7は油剤付与装置、8は第1引取りローラ、9は第2引取りロ−ラ、10は巻取機、Yはマルチフィラメント糸条をそれぞれ示す。
以上に説明した溶融紡糸装置において、通常、前記紡糸口金は円形をしており、そのポリマー吐出面には、多重(通常、2重、3重、又は4重)に形成された同心円上に多数のポリマー吐出孔が穿設されている。このため、これらの吐出孔群から紡出されたマルチフィラメント糸条は、通常、多重同心円列を形成したフィラメント群を形成しており、本発明においては、多錘(多数本)のマルチフィラメント糸条群として溶融紡糸される。
このとき、本発明は、その単糸繊度(一本のフィラメントの繊度)が0.3デシテックス以下の極細マルチフィラメントを溶融紡糸するために好ましく用いることができる。なお、単糸繊度が0.05デシテックスよりも小さくなると、溶融紡糸を安定に行うことが厳しくなる。
また、本発明においては、一本のマルチフィラメント糸条が構成するフィラメント数が90本以上かつ500本以下のハイマルチの極細マルチフィラメント糸条を溶融紡糸するのに好ましく用いることができる。このとき、一本のマルチフィラメント糸条を構成するフィラメント数が90本よりも少なくなると、本発明のような溶融紡糸装置を用いなくても、従来の横吹方式の冷却装置を備えた溶融紡糸装置でもある程度の品質を有する糸条を溶融紡糸することができる。なお、フィラメント数が500本以上となると衣料用繊維としての用途としての価値が無くなる。
また、糸条Yを紡出する紡糸口金1の下方には、口金1に穿設された多数のポリマー吐出孔から紡出された糸条Yを冷却する糸条冷却装置3が設けられている。このとき、口金1と糸条冷却装置3との間には、紡出糸条の物性、すなわち、その配向性と結晶性を制御するために徐冷ゾーン(「冷却遅延ゾーン」あるいは「ホットゾーン」ともいう)が設けられている。
なお、この徐冷ゾーンは、一般に、ポリマーの溶融温度より低い温度に加熱あるいは保温されており、この温度が大きくかく乱されると、得られる糸物性に大きな影響がある。特に、極細マルチフィラメント糸条の溶融紡糸では、紡出された糸条を冷却するのに要する冷却時間と冷却距離が太い糸の場合よりも短くなるため、更にその影響は大きくなる。そこで、この徐冷ゾーンは、その温度を保つ上からも気密状態にする必要があり、本発明では、このために図示したようにシール部材4が設けられている。
なお、このシール部材4は、図1の紙面と垂直方向に存在する隣接錘との間を気密に仕切るための仕切り部材の役割も果たしている。ただし、この仕切り部材をかねるシール部材4は、口金1と冷却装置との間に設けられるために、徐冷ゾーンからの熱が糸条冷却装置3に伝導して温度上昇などを引き起こすことが無いように、糸条冷却装置3の上端には断熱部材2が設けられている。
ところで、図1に例示した溶融紡糸装置では、複数錘(例えば、2錘、4錘、6錘、8錘など)の糸条冷却装置3を纏めて一つのグループとし、この一つのグループを単位とした多錘紡糸方式が採用されている。しかも、このようなケースでは、徐冷ゾーンはこれらのグループで共用されており、共通のグループを構成する各錘から吹き上げる冷却風の風量のバランスが保たれている間は徐冷ゾーンの共用は問題ない。
しかしながら、その風量バランスが一旦崩れると、このバランスの崩れに誘発されて除冷ゾーン内に雰囲気温度差が異なる領域が生じる。そうすると、口金直下の徐冷ゾーンへ紡出された各錘糸条は、この雰囲気温度差が異なる領域をそれぞれ通過することとなって、その配向度や結晶構造に大きな影響を受け、その結果が糸物性の錘間差となって現れることとなる。
このような理由から、前記シール部材4は、各錘毎に徐冷ゾーンを個別かつ独立に気密に仕切るための仕切り部材としての役割をも果たしているのである。このようにすることによって、共通の徐冷ゾーン内で冷却風の吹き上がりバランスが崩れて、徐冷ゾーンに温度分布差が生じ、これによって錘間で糸物性差が生じるという問題を解消することができる。
次に、本発明の溶融紡糸装置が備える糸条冷却装置3について説明する。この糸条冷却装置3は、図1に示すように、円筒状の冷却風吹出面6を有しており、また、その上端部には前述のように断熱部材2を備えており、更に、この断熱部材2には、糸条Yが通過するための上端開放部としての開口が設けられている。
しかも、本発明の溶融紡糸装置では、この開口部に上昇気流抑制部材5が設けられており、これによって、冷却風吹出面6から吹き出された冷却風が、前述の徐冷ゾーンへ吹き上がらないようにされている。なお、この上昇気流抑制部材5は、図1に示したように、糸条の走行方向に延びた円環形状(リング形状)をしており、これによって、紡出糸条Yは円環内を容易に通過できる。
ここで、この上昇気流抑制部材5と、その内部を通過する一群のマルチフィラメントから構成される糸条Yとの関係について説明する。この関係については、糸条Yを構成する最外周に位置するフィラメント群と上昇気流抑制部材5の内壁面との間の間隔が重要である。もし、この間隔を正常な範囲に保つことができなければ、前記徐冷ゾーンへの冷却風の進入を防止するための上昇気流抑制部材5は、その役割を果たすことができない。さらに、この間隔は、走行する糸条Yの周りに形成される随伴気流の発達を抑制する上でも重要である。
つまり、この間隔は、紡出糸条に随伴して上昇気流抑制部材5を流下する気流と、逆に上昇気流抑制部材5から上昇する冷却風との間の気流バランス(風量バランス)を一定に保つ上で重要な役割を担っているからである。したがって、紡糸条件にもよるが、この距離は通常の溶融紡糸条件において、目安として、その間隔を2〜15mmとすることが好ましい。
なお、この値が2mmより小さくなると、紡出糸条に微小な揺らぎ(糸揺れ)が生じても、上昇気流抑制部材5の内壁面と接触するため好ましくない。また、大きすぎると、徐冷ゾーンに出入りする気流のバランスが崩れてしまい、冷却風の吹き上がりが大きくなって口金1のポリマー吐出面を急冷してしまたり、走行糸条Yの周りに発達する随伴気流の抑制効果が低下したりしてしまうなどの好ましくない影響が出る。
更に、本発明の上昇気流抑制部材5を断熱部材2と脱着自在に構成しておけば、生産する糸条の各銘柄に合わせて、その円環サイズを容易に変更することが可能であるから、フィラメント群Yの最外周径と円環内径との隙間を任意に設定することが可能である。したがって、紡出糸条Yが持ち込む随伴気流の大きさによってその隙間の調整を容易に行うことができる。
また、溶融紡糸装置立上げ時や断糸処理時に行う糸掛け作業において、上昇気流抑制部材5を設けることで、前記糸条冷却装置3内へ糸通しを行う作業時に糸が断熱部材2の開口部などに引っ掛かることなくスムーズに糸通しを行えるという利点もある。更に、防止する糸条の各銘柄に合わせて、上昇気流抑制部材5の円環の先端部のテーパ角度を変更し、紡出された糸条が持ち込む随伴気流の速度に合わせて、随伴気流の持込を最適に制限できる角度に設定することも可能である。
なお、この上昇気流抑制部材6の材質としては、特に制限する必要は無いが、製糸ガイドに慣用される各種のセラミックを好適に使用することができる。また、炭素鋼、ステンレス鋼など一般的な金属材料の表面にセラミックコーティング処理や硬質クロムメッキなどを行ったものを使用しても良い。
以上に説明したように、本発明の溶融紡糸装置では、口金1に高密度で穿設された多数のポリマー吐出孔群から密集した状態で熱可塑性ポリマーを紡出するような紡糸工程において、大きな効果を奏する。ただし、このような溶融紡糸工程では、口金1から紡出された熱可塑性ポリマーは、徐冷ゾーンを通過した後に糸条冷却装置3へ導入されて、各フィラメント間に冷却斑が生じないように均一に冷却する冷却工程も重要である。
そこで、本発明に係る糸条冷却装置3について、以下に説明する。
図1に示したように、本発明の糸条冷却装置3はで、冷却風吹出室の内部に設けられた円筒形状を有する冷却風吹出面6からその円筒内部の中心方向に向かって放射状に吹き出される冷却風によって紡出糸条Yを冷却する。なお、この冷却風吹出面6から吹き出される冷却風は、円筒内を通過するフィラメント群の全外周から、フィラメント群を包み込むように極めて近接した位置から吹き出され、糸条Yに吹き付けられる。
このように、冷却風吹出面6は、走行するフィラメント群Yの至近距離から冷却風を吹き出すことができるが、冷却風吹出面6を構成する部材としては、従来のものと同様に、金網、パンチングプレート、あるいは多孔質金属等の様々な圧力抵抗低体(均圧体)などで形成することができる。
なお、冷却風吹出面6に冷却風の流れを整流する整流部材としての機能を付与すれば,冷却風の速度の均一化とともに、その流れの整流をも良好に行うことができる。なお、このような整流機能を付与するためには、例えば、多層積層板で構成された整流板などを内壁部あるいは外壁部に接するように円筒状に設ければよい。
そうすると、さらに、吹き出し方向までも一定の方向に揃えられた冷却風が、整流された状態で乱されずに、流速も小さくしたままでフィラメント群Yへ吹き付けることができ、更に、上昇気流抑制部材5によって随伴気流がカットされたフィラメント群間への冷却風の貫流性も大幅に向上させることができる。
このようにして、本発明の溶融紡糸装置によれば、密集した極細マルチフィラメント糸条Yを溶融紡糸する場合であっても、冷却時の糸揺れが抑制されると同時に、冷却斑の発生も抑制され、それ故に、各フィラメント間に冷却斑に起因する繊度斑の発生もなく、品質に優れた繊維を溶融紡糸することができる。
以上に説明したように糸条冷却装置3より吹き出される放射状の冷却風により所定温度以下(例えば、ポリエステルではそのガラス転移点以下)まで冷却された紡出糸条Y、糸条冷却装置3の下方に位置する油剤付与装置7によって油剤を付与される。ついで、必要に応じて空気ノズルから噴出される圧縮空気などによって交絡処理が施され、一対の第1引取りロ−ラ8と第2引取りロ−ラ9に一定の紡糸速度で引き取られ、最終的に糸条パッケージとして巻取機10で巻き取られる。
最後に、本発明者らの検討によれば、極細マルチフィラメント糸条の溶融紡糸においては、口金1のポリマー吐出面から糸条冷却装置3の上端部までの距離を短く設定する程、紡出糸条の冷却固化点が上流側へ移動し、紡糸張力の増加と共に繊度斑が低減することが分かっている。しかし、その一方で、冷却風吹出面6の上部からの口金1面への冷却風の吹き上がりの影響を受け易い状態となり、錘間物性差が生じ易いことが確認できた。しかしながら、本発明の溶融紡糸装置を使用することによって、このような問題も解消できることを確認した。
本発明に係る合成繊維の溶融紡糸装置の一実施形態を例示した概略装置構成図である。
符号の説明
1:紡糸口金
2:断熱部材
3:糸条冷却装置
4:シール部材
5:上昇気流抑制部材
6:冷却風吹出面
7:油剤付与装置
8:第1ローラ
9:第2ロ−ラ
10:巻取機
Y:糸条

Claims (4)

  1. 溶融した熱可塑性高分子重合体をマルチフィラメント糸条としてそれぞれ紡出する紡糸口金群と、
    前記紡糸口金群の直下に設けられ、且つ紡出された前記糸条群を徐冷するための徐冷ゾーンと、
    前記徐冷ゾーンの直下に前記各錘糸条に対応してそれぞれ設けられ、且つ上端には前記紡出糸条が通過する開口が形成され、前記開口を通過した各錘糸条に対して糸条に近接した位置からその全外周を包み込むように外周側から内側へ向かって放射状に冷却風をそれぞれ吹き付ける、円筒形状を有する冷却風吹出面が形成された円筒状糸条冷却装置と、
    前記徐冷ゾーンを各錘毎に個別且つ独立に仕切ると共に糸条が通過する前記開口を除いてその内部を気密にシールするシール部材と、
    前記開口部に設けられた円環形状を有する断熱部材と、
    前記断熱部材の内部に、糸条の走行方向に延びたリング形状をしており、前記各錘糸条が通過する上昇気流抑制部材と、
    を少なくとも備えた多錘溶融紡糸装置。
  2. 前記紡糸口金が前記マルチフィラメント糸条を構成するフィラメント群を多重同心円列を形成させて紡出する口金である、請求項1に記載の多錘溶融紡糸装置。
  3. 前記上昇気流抑制部材の円環内壁面とその内部を通過する前記紡出糸条との間隔を2〜15mmにした、請求項1又は請求項2に記載の多錘溶融紡糸装置。
  4. 前記上昇気流抑制部材を前記開口に着脱自在とした、請求項1〜3の何れかに記載の多錘溶融紡糸装置。

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