JP2002309075A - 難燃性ポリカーボネート樹脂組成物 - Google Patents

難燃性ポリカーボネート樹脂組成物

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JP2002309075A
JP2002309075A JP2001114030A JP2001114030A JP2002309075A JP 2002309075 A JP2002309075 A JP 2002309075A JP 2001114030 A JP2001114030 A JP 2001114030A JP 2001114030 A JP2001114030 A JP 2001114030A JP 2002309075 A JP2002309075 A JP 2002309075A
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Ichiro Sato
佐藤  一郎
Koji Okada
耕治 岡田
Takehiro Arimura
岳大 有村
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Sumitomo Dow Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】ポリカーボネート樹脂(A)100重量部あた
り、難燃剤(B)0.5〜20重量部、繊維形成型の含
フッ素ポリマー(C)0.05〜2重量部、ポリエチレ
ンワックス(D)0.01〜2重量部、および所望によ
り有機金属塩(E)0.001〜1重量部を配合してな
ることを特徴とする難燃性ポリカーボネート樹脂組成
物。 【効果】離型剤としてポリエチレンワックスを使用する
ことにより、離型性のみならず難燃性も改善され、機械
的性質さらには表面外観に優れる難燃性ポリカーボネー
ト樹脂組成物を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は難燃性ポリカーボネ
ート樹脂に関し、更に詳細には、特定の難燃剤と離型剤
を特定量配合することにより、優れた難燃性と離型性を
併せ持つ難燃性ポリカーボネート樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリカーボネート樹脂は、電気、電子、
機械、自動車、雑貨などの分野に広く用いられている
が、とりわけ電気・電子・OA分野では高い難燃性が求
められる。また、製品の軽量化に伴い薄肉厚みにおいて
高い難燃性が求められるのが近年の傾向でもある。そこ
で、ポリカーボネート樹脂の難燃性を向上するために、
種々の難燃剤や燃焼時の滴下防止剤さらには炭化を促進
する目的での特定構造を有する有機金属塩等が提案され
配合されている。
【0003】また、前述の分野における各種の用途で
は、複雑な構造や形状を有する成形品が極めて多く、成
形加工時において金型からの離型性を容易にするため、
成形用材料に離型剤を配合することは必須である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、配合す
る離型剤の選択が適切でないと、離型性はもとより薄肉
厚みにおいての高い難燃性が得られないといった問題が
発生していた。
【0005】ポリカーボネート樹脂に配合する難燃剤や
滴下防止剤の量を増せば難燃性は改善されるが、得られ
た成形品の機械的物性、熱安定性、表面外観、さらには
経済性もが悪化してしまうといった新たな問題に直面す
ることになり、従来から改良が求められていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前述の問
題点に鑑み鋭意研究した結果、ポリカーボネート樹脂に
難燃剤、滴下防止剤とともに特定の離型剤を特定量配合
することにより、難燃性、離型性、機械的物性、さらに
は表面外観も優れる難燃性ポリカーボネート樹脂組成物
を得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明は、ポリカーボネート樹
脂(A)100重量部あたり、難燃剤(B)0.5〜2
0重量部、繊維形成型の含フッ素ポリマー(C)0.0
5〜2重量部、およびポリエチレンワックス(D)0.
01〜2重量部を配合してなることを特徴とする難燃性
ポリカーボネート樹脂組成物を提供するものである。ま
た、本発明の別の態様では上記の難燃性ポリカーボネー
ト樹脂組成物にさらに有機金属塩(E)0.001〜1
重量部(ポリカーボネート樹脂(A)100重量部あた
り)を配合してなる難燃性ポリカーボネート樹脂組成物
を提供する。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を詳細に説明す
る。
【0009】本発明にて用いられるポリカーボネート樹
脂(A)とは、種々のジヒドロキシジアリール化合物と
ホスゲンとを反応させるホスゲン法、またはジヒドロキ
シジアリール化合物とジフェニルカーボネートなどの炭
酸エステルとを反応させるエステル交換法によって得ら
れる重合体であり、代表的なものとしては、2,2−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノー
ルA)から製造された芳香族ポリカーボネート樹脂が挙
げられる。
【0010】上記ジヒドロキシジアリール化合物として
は、ビスフェノールAの他に、ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オク
タン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタ
ン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル−3−メチ
ルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ
−3−第三ブチルフェニル)プロパン、2,2−ビス
(4−ヒドロキシ−3−ブロモフェニル)プロパン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3、5−ジブロモフェ
ニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,
5−ジクロロフェニル)プロパンのようなビス(ヒドロ
キシアリール)アルカン類、1,1−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)シクロヘキサンのようなビス(ヒド
ロキシアリール)シクロアルカン類、4,4′−ジヒド
ロキシジフェニルエーテル、4,4′−ジヒドロキシ−
3,3′−ジメチルジフェニルエーテルのようなジヒド
ロキシジアリールエーテル類、4,4′−ジヒドロキシ
ジフェニルスルフィドのようなジヒドロキシジアリール
スルフィド類、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスル
ホキシド、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジメチ
ルジフェニルスルホキシドのようなジヒドロキシジアリ
ールスルホキシド類、4,4′−ジヒドロキシジフェニ
ルスルホン、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジメ
チルジフェニルスルホンのようなジヒドロキシジアリー
ルスルホン類等が挙げられる。
【0011】これらは、単独または2種類以上混合して
使用される。これらの他に、ピペラジン、ジピペリジル
ハイドロキノン、レゾルシン、4,4′−ジヒドロキシ
ジフェニル等を混合して使用してもよい。
【0012】さらに、上記のジヒドロキシアリール化合
物と以下に示すような3価以上のフェノール化合物を混
合使用してもよい。3価以上のフェノールとしてはフロ
ログルシン、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ−
(4−ヒドロキシフェニル)−ヘプテン、2,4,6−
ジメチル−2,4,6−トリ−(4−ヒドロキシフェニ
ル)−ヘプタン、1,3,5−トリ−(4−ヒドロキシ
フェニル)−ベンゾール、1,1,1−トリ−(4−ヒ
ドロキシフェニル)−エタンおよび2,2−ビス−
[4,4−(4,4′−ジヒドロキシジフェニル)−シ
クロヘキシル]−プロパンなどが挙げられる。
【0013】本発明にて使用される難燃剤(B)とは、
ハロゲン系難燃剤、りん酸エステル系難燃剤などが挙げ
られる。ハロゲン系難燃剤としては、テトラブロモビス
フェノールAを主体とするカーボネートオリゴマーが好
適に用いられ、その代表的な市販品の例としてはグレー
トレークス社のBC52、BC58等が挙げられる。
【0014】難燃剤(B)の配合量としては、ポリカー
ボネート樹脂(A)100重量部に対して、0.5〜2
0重量部が好ましい。当該難燃剤の量が前述の量より少
ないと十分な難燃性が得られず、逆に前述の量より多い
と機械的物性が大きく損なわれるので好ましくない。好
ましくは1〜15重量部、さらに好ましくは4〜12重
量部の範囲である。
【0015】りん酸エステル系難燃剤としては、下記一
般式に示される化合物などが挙げられる。
【0016】
【化1】 式中、Ar1、Ar2、Ar3、Ar4は、各々、同一
もしくは相異なる1価の芳香族基であり、フェニル基、
クレジル基、キシリル基、t−ブチルフェニル基等が挙
げられる。また、Xは2価のフェノール類より誘導され
る芳香族基であり、カテコール、レゾルシノール、ヒド
ロキノール、4−t−ブチルカテコール、2−tert
−ブチルヒドロキノン、ビスフェノールA、ビスフェノ
ールSスルフィド、ビスフェノールF、ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)スルホン、ビス(3、5ジメチル−4
−ヒドロキシルフェニル)スルホン等が挙げられる。こ
れらの2価のフェノールは、レゾルシノール、ヒドロキ
ノール、ビスフェノールAが好ましく、更には、レゾル
シノールがより好ましい。該ポリホスフェートは、これ
ら2価のフェノール類およびAr・OHで表される1価
のフェノール類と、オキシ塩化燐との反応によって得る
ことが出来る。
【0017】上記、ポリホスフェートにはフェニル・レ
ゾルシンポリホスフェート、クレジル・レゾルシンポリ
ホスフェート、フェニル・クレジル・レゾルシンポリホ
スフェート、フェニル・ヒドロキノンポリホスフェー
ト、クレジル・ヒドロキノンポリホスフェート、フェニ
ル・クレジル・ヒドロキノンポリホスフェート、フェニ
ル・2,2−ビス(4−オキシフェニル)プロパン(:
ビスフェノ−ルA型)ポリホスフェート、クレジル・
2,2−ビス(4−オキシフェニル)プロパン(:ビス
フェノールA型)ポリホスフェート、フェニル・クレジ
ル・2,2−ビス(4−オキシフェニル)プロパン(:
ビスフェノールA型)ポリホスフェート、キシリル・レ
ゾルシンポリホスフェート、フェニル、p−t−ブチル
フェニルレゾルシン・ポリホスフェート、フェニルイソ
プロピルフェニルレゾルシンポリホスフェート、クレジ
ルキシリルレゾルシンポリホスフェート、フェニルイソ
プロピルフェニルジイソプロピルフェニルレゾルシンポ
リホスフェート等が例として挙げられる。これらは市販
品として入手可能である。
【0018】本発明にて使用される繊維形成型含フッ素
ポリマー(C)とは、ポリカーボネート樹脂組成物中で
繊維構造(フィブリル状構造)を形成するものがよく、
ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン
系共重合体(例えば、テトラフルオロエチレン/ヘキサ
フルオロプロピレン共重合体、等)、米国特許第437
9910号に示される様な部分フッ素化ポリマー、フッ
素化ジフェノールから製造されるポリカーボネート等が
挙げられる。
【0019】これらは、燃焼時の滴下防止剤として使用
され、好適にはポリテトラフルオロエチレン(以下PT
FEと略す)が使用される。その代表的な市販品の例と
しては、デュポンフロロケミカル社のテフロン6CJ、
ダイキン工業社のネオフロンFA500、旭ガラス社の
CD076等が挙げられ、入手可能である。
【0020】繊維形成型含フッ素ポリマー(C)の配合
量は、ポリカーボネート樹脂(A)100重量部あたり
0.05〜2重量部である。0.05重量部未満では、
得られた難燃性ポリカーボネート樹脂の難燃性が低下す
るので好ましくない。また、2重量部を超えると、得ら
れた難燃性ポリカーボネート樹脂の機械的性質が低下し
たり、表面外観が悪化するといった問題が発生する。よ
り好適な配合量は、0.2〜1重量部の範囲である。
【0021】本発明にて使用されるポリエチレンワック
ス(D)は分岐構造をとり、その主鎖および側鎖に官能
基を有さず、かつその数平均分子量が500〜3500
であるものが好適である。ポリエチレンワックス(D)
の配合量は、ポリカーボネート樹脂(A)100重量部
あたり0.01〜2重量部である。0.01重量部未満
では、離型性が十分得られないばかりでなく難燃性も十
分発現されず好ましくない。また、2重量部を超える
と、逆に難燃性が顕著に低下したり、表層剥離が発生す
るので好ましくない。より好適な配合量は、0.2〜1
重量部の範囲である。
【0022】本発明にて使用される有機金属塩(E)と
は、芳香族スルホン酸塩、パーフルオロアルカンスルホ
ン酸塩などが挙げられ、好適には、4−メチル−N−
(4−メチルフェニル)スルフォニル−ベンゼンスルフ
ォンアミドのカリウム塩(以下、KPTSMと略す)、
ジフェニルスルホン-3−スルホン酸カリウム、ジフェ
ニルスルホン-3−3'―ジスルホン酸カリウム、パーフ
ルオロブタンスルホン酸カリウム塩等が用いられる。
【0023】有機金属塩(E)の配合量は、ポリカーボ
ネート樹脂(A)100重量部あたり0.05〜1重量
部である。0.05重量部未満では、得られた難燃性ポ
リカーボネート樹脂の難燃性が低下するので好ましくな
い。また、1重量部を超えると、得られた難燃性ポリカ
ーボネート樹脂の機械的性質や難燃性の低下や表面外観
の悪化といった問題が発生する。より好適な配合量は、
0.2〜1重量部の範囲である。
【0024】さらに、必要に応じて本発明の効果を損な
わない範囲で、各種の添加剤、例えば、シリコーン系難
燃剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、衝撃強度改良用エラス
トマー、各種染料、顔料、各種フィラー(ガラス繊維、
ガラスパウダー、ガラスフレーク、タルク、炭素繊維、
金属ファイバー、ウイスカー等)、帯電防止剤、酸化防
止剤等の添加剤を配合しても良い。
【0025】本発明の難燃性ポリカーボネート樹脂組成
物を製造するにあたり、ポリカーボネート樹脂(A)、
難燃剤(B)、繊維形成型の含フッ素ポリマー(C)、
ポリエチレンワックス(D)、所望により有機金属塩
(E)以外の配合成分、例えばシリコーン系難燃剤、熱
安定剤、紫外線吸収剤、衝撃強度改良用エラストマー、
各種染料、顔料、各種フィラー(ガラス繊維、ガラスパ
ウダー、ガラスフレーク、タルク、炭素繊維、金属ファ
イバー、ウイスカー等)、帯電防止剤、酸化防止剤熱安
定剤、離型剤、滑剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤などを
同時にもしくは別個に配合してもよい。配合にあたって
は特に制限はなく、公知の混合機、例えばタンブラー、
リボン・ブレンダー、混合槽に攪拌羽を装備した高速ミ
キサー等により材料を混合し、押出機により溶融混練す
る方法が挙げられる。
【0026】
【実施例】以下に本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はそれら実施例に制限されるものではな
い。尚、「部」、「%」は断りの無い限り、重量基準に
基づく。
【0027】(難燃性ポリカーボネート樹脂組成物の製
造) 1.ポリカーボネート樹脂(住友ダウ社製・カリバー2
00−20、分子量:18,600) 2.ポリテトラフルオロエチレン(ダイキン工業社製・
ネオフロンFA500) 3.ハロゲン系難燃剤(グレートレークス社・BC5
2) 4.燐系難燃剤(旭電化工業社製・アデカスタブ・FP
500:1,3フェニレンビス(ジキシレニルフォスフ
ェート)) 5.ポリエチレンワックス(クラリアントジャパン社製
・リコワックス・PE520) 6.グリセリン・モノステアレート(理研ビタミン社製
・リケマールS100A) 7.有機金属塩(イーストマン・コダック社製・KPT
SM)
【0028】前述の各種原料を表1および表2の配合比
率に基づき、一括してタンブラーに投入し、10分間乾
式混合した後、二軸押出機(神戸製鋼製KTX37)を
用いて、溶融温度280℃にて溶融混練し、難燃性ポリ
カーボネート樹脂組成物のペレットを得た。
【0029】得られたペレットから、射出成形機(日本
製鋼社製J100E−C5)を用いて溶融温度300℃
の条件下、ASTM仕様の機械物性評価用試験片とUL
94燃焼性評価用の試験片(0.8mm厚)を作成し
た。
【0030】評価方法はそれぞれ下記のとおりである。 1. 衝撃強度:23℃における1/8インチ厚のノッ
チ付アイゾット衝撃強度をASTMD256に準拠して
測定した。数値が20Kg-cm/cm以上を合格とした。 2.荷重たわみ温度:1/4インチ厚の荷重たわみ温度
をASTM D642に準拠して測定した。100℃以
上を合格とした。 3.燃焼性:下記のUL94V垂直燃焼試験法に準拠し
て燃焼性を評価した。該試験片を温度23℃、湿度50
%の恒温室の中で48時間放置し、アンダーライターズ
・ラボラトリーズの定めるUL94試験(機器の部品用
プラスチック材料の燃焼性試験)に準拠して難燃性の評
価を行った。UL94Vとは、鉛直に保持した所定の大
きさの試験片にバーナーの炎を10秒間接炎した後の残
炎時間やドリップ性から難燃性を評価する方法であり、
以下のクラスに分けられる。 V−0 V−1 V−2 各試料の残炎時間 10秒以下 30秒以下 30秒以下 5試料の全残炎時間 50秒以下 250秒以下 250秒以下 ドリップによる綿の着火 なし なし あり 上に示す残炎時間とは、着火源を遠ざけた後の、試験片
が有炎燃焼を続ける時間の長さであり、ドリップによる
綿の着火とは、試験片の下端から約300mm下にある
標識用の綿が、試験片からの滴下(ドリップ)物によっ
て着火されるかどうかによって決定される。評価の基準
は、ここではV−0を合格とした。 4.離型性:射出成形機(ファナック製オートショット
225D)を使用して溶融温度300℃の条件下、サイ
ズ:W×L×H=250mm×250mm×50mmの
箱状試験片を成形した。この箱状試験片を離型する際、
オートショット225Dの突き出し(エジェクター)用
モーターにかかる負荷電圧(V)を検出した。この負荷
電圧を離型抵抗力(Kgf)に換算し、離型性能の指標
とした。離型抵抗力(Kgf)は、数値の低い方が離型
能力に優れる。 5.外観:前述4.離型性の試験を行った際に得られる
箱状試験片の表面外観(シルバーストリークの発生度)
を目視にて観察し評価した。 6.表層剥離性:射出成形したASTM1号ダンベルを
引張試験機(A&D社製のテンシロンUCT−1T)に
セットし、クロスヘッド速度50mm/分で引張試験を
行い、ダンベルの表層剥離度合いを目視にて観察した。
【0031】
【表1】表1 配合処方と評価結果 *1 : ○:シルバーストリーク発生せず。 ×:シルバーストリーク発生。 *2: ○:表層剥離発生せず。 ×:表層剥離発生。
【0032】
【表2】表2 配合処方と評価結果 *1 : ○:シルバーストリーク発生せず。 ×:シルバーストリーク発生。 *2: ○:表層剥離発生せず。 ×:表層剥離発生。
【0033】実施例1〜6は、本発明の要件を満足する
難燃性ポリカーボネート樹脂組成物を作成した場合であ
るが、いずれもの場合も燃焼性、機械物性、離型性、外
観、表層剥離に優れており、何ら問題は認められなかっ
た。一方、本発明の要件を満足しない比較例1では、ポ
リエチレンワックスが使用されていないので難燃性が劣
り、かつ離型性も大幅に低下する。比較例2では、ポリ
エチレンワックス量が範囲外となっているため、燃焼性
や表層剥離性が劣っている。比較例3、4では、難燃剤
量が範囲外となっているため、アイゾット衝撃強度が低
下した。とりわけりん系難燃剤を使用する比較例4では
これに加えて耐熱性も悪化した。比較例5においては、
PTFE量が範囲外となっているため、アイゾット衝撃
強度の大幅な低下がみられるとともに、試験片にシルバ
ーストリークが著しく発生した。比較例6では、離型剤
が本発明の要件であるポリエチレンワックス以外の離型
剤を使用しているために難燃性が低下した。
【0034】
【発明の効果】離型剤としてポリエチレンワックスを使
用することにより、離型性のみならず難燃性も改善さ
れ、機械的性質さらには表面外観に優れる難燃性ポリカ
ーボネート樹脂組成物を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J002 BB03Y BD15X CG011 CG021 CG031 EJ056 EV257 EW046 FA04X FD136 FD137 GQ00

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリカーボネート樹脂(A)100重量部
    あたり、難燃剤(B)0.5〜20重量部、繊維形成型
    の含フッ素ポリマー(C)0.05〜2重量部、および
    ポリエチレンワックス(D)0.01〜2重量部を配合
    してなることを特徴とする難燃性ポリカーボネート樹脂
    組成物。
  2. 【請求項2】難燃剤(B)がハロゲン系難燃剤またはり
    ん酸エステル系難燃剤である請求項1記載の難燃性ポリ
    カーボネート樹脂組成物。
  3. 【請求項3】難燃剤(B)がテトラブロモビスフェノー
    ルAを主体とするカーボネートオリゴマーである請求項
    1記載の難燃性ポリカーボネート樹脂組成物。
  4. 【請求項4】繊維形成型の含フッ素ポリマー(C)が、
    ポリテトラフルオロエチレンである請求項1記載の難燃
    性ポリカーボネート樹脂組成物。
  5. 【請求項5】ポリエチレンワックス(D)が分岐構造を
    とり、その主鎖および側鎖に官能基を有さず、かつその
    数平均分子量が500〜3500である請求項1に記載
    の難燃性ポリカーボネート樹脂組成物。
  6. 【請求項6】ポリカーボネート樹脂(A)100重量部
    あたり、難燃剤(B)0.5〜20重量部、繊維形成型
    の含フッ素ポリマー(C)0.05〜2重量部、ポリエ
    チレンワックス(D)0.01〜2重量部、および有機
    金属塩(E)0.001〜1重量部を配合してなること
    を特徴とする難燃性ポリカーボネート樹脂組成物。
  7. 【請求項7】有機金属塩(E)が、芳香族スルホン酸塩
    またはパーフルオロアルカンスルホン酸塩である請求項
    6記載の難燃性ポリカーボネート樹脂組成物。
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