JP2002308993A - 水性樹脂分散液、及びこれを含む水性塗料組成物 - Google Patents

水性樹脂分散液、及びこれを含む水性塗料組成物

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JP2002308993A
JP2002308993A JP2001109841A JP2001109841A JP2002308993A JP 2002308993 A JP2002308993 A JP 2002308993A JP 2001109841 A JP2001109841 A JP 2001109841A JP 2001109841 A JP2001109841 A JP 2001109841A JP 2002308993 A JP2002308993 A JP 2002308993A
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Yoshio Nakajima
義夫 中島
Hiromi Harakawa
浩美 原川
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Kansai Paint Co Ltd
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Kansai Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】アクリル樹脂、疎水メラミン樹脂、及びポリエ
ステル樹脂の混合物を増粘化率を追跡しながら加温処理
することにより、水分散安定性が良好で仕上り性の良好
な塗膜を形成できる水性樹脂分散液、及びそれを使用し
た水性塗料組成物を提供する。 【解決手段】アクリル樹脂(A)5〜70重量%、疎水
メラミン樹脂(B)10〜90重量%、及びポリエステ
ル樹脂(C)0〜50重量%とを加温処理して得た反応
物を含んでなる水性樹脂分散液であって、加温処理を行
う前後での該成分(A)、該成分(B)、及び該成分
(C)の混合物の増粘化率が20〜200%であること
を特徴とする水性樹脂分散液、およびそれを含む水性塗
料組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に自動車外板用
中塗り、上塗り等の水性塗料に有用な、アクリル樹脂、
疎水メラミン樹脂、及びポリエステル樹脂とを加温処理
させて得た反応物を含む水性樹脂分散液、及びそれを使
用した水性塗料組成物に関する。
【0002】
【従来技術及びその課題】水酸基やカルボキシル基等の
官能基を有するアクリル樹脂、ポリエステル樹脂等の樹
脂に、架橋剤としてメラミン樹脂を配合してなる樹脂組
成物は、電着塗料や自動車外板の中塗り、上塗り等の分
野における水性塗料に多く利用されている。近年、こう
した水性塗料の架橋剤として、疎水性メラミン樹脂を使
用した例が提案されている。
【0003】しかしながらかかる疎水性メラミン樹脂を
使用した場合、水溶性メラミン樹脂の場合と比較して熱
的安定性、機械的安定性、耐水性等に優れた塗膜が得ら
れる一方で、疎水性メラミン樹脂の配合量が多いと水分
散性、仕上り性に劣るという問題点があった。
【0004】こうした問題の方策として例えば、特開昭
52−107029号公報、特開昭53−99232号
公報等には、疎水性メラミン樹脂と水酸基含有多価カル
ボン酸樹脂とを共縮合した組成物が提案されている。こ
の方法では、ハジキ、付着性が改良された塗膜が得られ
るが、共縮合物を得るための反応条件の制御が困難であ
り、作業が煩雑になる上、得られた共縮合物の水分散物
が、経時につれて粒度が変化したり、2相に分離したり
する等、貯蔵安定性に問題点があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
を解決すべく鋭意研究した結果、特定のアクリル樹脂、
疎水性メラミン樹脂、及びポリエステル樹脂を特定の条
件にて加温処理して得た反応物が、水分散性に優れ、該
水性樹脂水分散液から形成される塗膜は、仕上り性、耐
水性等が優れることを見出し、本発明を完成した。即ち
本発明は、 1.アクリル樹脂(A)5〜70重量%、疎水メラミン
樹脂(B)10〜90重量%、及びポリエステル樹脂
(C)0〜50重量%とを加温処理して得た反応物を含
んでなる水性樹脂分散液であって、加温処理を行う前後
での該成分(A)、該成分(B)、及び該成分(C)の
混合物の増粘化率が20〜200%であることを特徴と
する水性樹脂分散液、 2.アクリル樹脂(A)が重量平均分子量5,000〜
100,000、酸価10〜100mgKOH/g、水
酸基価20〜200mgKOH/gである1項に記載の
水性樹脂分散液、 3.疎水メラミン樹脂(B)が水/メタノール混合溶剤
(重量比35/65)での溶剤希釈率が20以下であ
り、重量平均分子量が800〜4,000である1項ま
たは2項に記載の水性樹脂分散液、 4.ポリエステル樹脂(C)が重量平均分子量500〜
10,000、酸価10〜100mgKOH/g、水酸
基価50〜200mgKOH/gである1項ないし3項
のいずれか1項に記載の水性樹脂分散液、 5.さらに親水性メラミン樹脂(D)を含む1項ないし
4項のいずれか1項に記載の水性樹脂分散液、 6.1項ないし5項のいずれか1項に記載の水性樹脂分
散液を含む水性塗料組成物、 に関する。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の水性樹脂分散液は、アク
リル樹脂(A)、疎水メラミン樹脂(B)、及びポリエ
ステル樹脂(C)とを加温処理して得た反応物を水分散
してなる。アクリル樹脂(A) 本発明に使用されるアクリル樹脂は、従来公知のものが
制限なく使用できるが、水分散基としてカルボキシル基
を、架橋官能基として水酸基を含む組成物が好適であ
り、重量平均分子量5,000〜100,000、酸価
10〜100mgKOH/g、水酸基価20〜200m
gKOH/gであることが好ましい。具体的には、例え
ば、水溶性有機溶剤中でカルボキシル基含有重合性不飽
和単量体、水酸基含有重合性不飽和単量体を含む重合性
不飽和単量体混合物を重合せしめることによって得られ
るものが挙げられる。
【0007】カルボキシル基含有重合性不飽和単量体と
しては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタ
コン酸、マレイン酸、フマル酸などが挙げられ、これら
は適宜選択して単独あるいは2種以上併用することがで
きる。
【0008】水酸基含有重合性不飽和単量体としては、
例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2
−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒド
ロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチ
ル(メタ)アクリレートなどのアクリル酸またはメタク
リル酸のC2〜C8ヒドロキシアルキルエステル等が挙げ
られ、これらは適宜選択して単独あるいは2種以上併用
することができる。
【0009】本発明において「(メタ)アクリレート」
は、「アクリレート又はメタクリレート」を表すものとす
る。
【0010】また、必要に応じてその他の重合性不飽和
単量体を上記水酸基含有重合性不飽和単量体、及びカル
ボキシル基含有重合性不飽和単量体に共重合してもよ
く、その他の重合性不飽和単量体として具体的には、メ
チル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレー
ト、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メ
タ)アクリレート、イソ−ブチル(メタ)アクリレー
ト、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)
アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレー
ト、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル
(メタ)アクリレートなどのアクリル酸またはメタクリ
ル酸の炭素数1〜24のモノアルコール類とのモノエス
テル類、グリシジル(メタ)アクリレート、アクリロニ
トリル、アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、
N−メチロールアクリルアミド、N−ブトキシメチルア
クリルアミド、スチレン、フェニルエチル(メタ)アク
リレートなどが挙げられる。これらは適宜選択して単独
あるいは2種以上併用することができる。
【0011】本発明においてはアクリル樹脂(A)の重
量平均分子量が5,000未満では耐水性や耐チッピン
グ性等の塗膜性能が劣り、一方、100,000を超え
ると高粘度となるために取り扱いが困難であり、さらに
本発明組成物を塗膜にしたときの仕上り性が劣るために
好ましくない。
【0012】アクリル樹脂(A)の酸価が10mgKO
H/g未満では、加温処理物の水溶/水分散化が困難と
なり、一方、100mgKOH/gを超えると塗膜の耐
水性や水溶/水分散後の貯蔵安定性が劣るために好まし
くない。
【0013】水酸基価が20mgKOH/g未満では、
後述の疎水メラミン樹脂(B)と反応する架橋官能基が
減少するために、耐水性や耐チッピング性が不十分とな
り、一方、200mgKOH/gを超えると仕上り性に
劣るために好ましくない。
【0014】疎水メラミン樹脂(B) 本発明で用いる疎水メラミン樹脂(B)は、水/メタノ
ール混合溶剤(重量比35/65)での溶剤希釈率が2
0以下、特に1〜18であり、且つ重量平均分子量が8
00〜4,000、好ましくは1,000〜3,500
の範囲であることが好ましい。
【0015】該疎水メラミン樹脂(B)は、上記溶剤希
釈率及び分子量が満足される限りにおいて、特に限定は
なく、種々のエーテル化をしたもの、例えばメチルアル
コール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、
n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、オクチ
ルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール、ベンジ
ルアルコール等の1価アルコールから選ばれた1種又は
2種以上でエーテル化したものがあげられる。
【0016】エーテル化は、C4以上、好ましくはC4〜
C7の1価アルコールで行ったものが好適である。ま
た、該メラミン樹脂(B)中のエーテル基の量は、特に
制限はないが、トリアジン環1核当り5モル以下程度、
好ましくは1.5〜3モル程度であるのが適当である。
【0017】また、アミノ基、イミノ基、メチロール基
等についても、上記溶剤希釈率及び分子量が満足されれ
ば適宜存在してもよく、通常イミノ基、アミノ基及びメ
チロール基の量は夫々トリアジン1核当り0.2〜2.
0モル、更に好ましくは0.5〜1.5モルの範囲が好
適である。
【0018】疎水メラミン樹脂(B)の溶剤希釈率は、
該メラミン樹脂(B)の親水性溶剤への溶解性を表わす
指標であり、これが低いほど疎水性である。その測定方
法は、50ccのビーカーにメラミン樹脂(B)2gを
採り、五号活字を印刷した紙上に置き、次いで25℃に
て水/メタノール混合溶剤(重量比35/65)を滴下
し撹拌しながら活字が判読できなくなるまで滴下する。
このときの滴下量(cc)をメラミン樹脂の採取量で割
った値(cc/g)で表示する。
【0019】ポリエステル樹脂(C) 本発明に使用されるポリエステル樹脂(C)は、多価ア
ルコール成分、及び多塩基酸成分を通常の方法により反
応又は縮合させて得られるものであり、本発明において
は、重量平均分子量500〜10,000、酸価10〜
100mgKOH/g、水酸基価50〜200mgKO
H/gであることが望ましい。
【0020】多価アルコール成分としては、例えばエチ
レングリコール、ジエチレングリコール、プロピレング
リコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、2,2
−ジメチルプロパンジオール、1,6−ヘキサンジオー
ル、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロ
ールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリ
トール等が使用できる。これらは単独で、あるいは2種
以上を適宜選択して使用できる。多塩基酸成分として
は、例えば(無水)フタル酸、イソフタル酸、テトラヒ
ドロ(無水)フタル酸、ヘキサヒドロ(無水)フタル
酸、(無水)マレイン酸、(無水)コハク酸、アジピン
酸、セバチン酸等の2塩基酸が挙げられ、これらは単独
で、あるいは2種以上を適宜選択して使用できる。ま
た、必要に応じて(無水)トリメリット酸、(無水)ピ
ロメリット酸等の3及び4塩基酸を併用してもよい。
【0021】該ポリエステル樹脂(C)の重量平均分子
量が500未満では耐水性や耐チッピング性等の塗膜性
能や水溶化/水分散後の貯蔵安定性に劣り、一方10,
000を超えると高粘度となり取り扱いが困難になる
上、仕上り性が劣るために好ましくない。また、酸価が
10mgKOH/g未満では、加温処理物の水溶/水分
散化が困難であり、一方100mgKOH/gを超える
と耐水性、貯蔵安定性が不十分となり好ましくない。水
酸基価が50mgKOH/g未満では、疎水メラミン樹
脂(B)と反応する架橋官能基の減少により架橋密度が
低下し、耐水性、耐チッピング性等が不十分となり、一
方200mgKOH/gを超えると塗膜にしたときの仕
上り性が劣るために好ましくない。
【0022】本発明においては、上記アクリル樹脂
(A)、及びポリエステル樹脂(C)は、該成分
(A)、該成分(B)及び該成分(C)の混合物の加温
処理を行う前に各々をあらかじめ中和剤で中和してもよ
い。かかる中和剤としては、例えば、モノメチルアミ
ン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルア
ミン、ジブチルアミン、トリプロピルアミン等のアルキ
ルアミン;モノエタノールアミン、ジエタノールアミ
ン、モノ(2−ヒドロキシプロピル)アミン、2−アミ
ノ−2−メチル−1−プロパノール、ジメチルエタノー
ルアミン、ジエチルアミノエタノール等のアルカノール
アミン;エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、ト
リエチレンテトラミン等のアルキレンポリアミン;エチ
レンイミン、プロピレンイミン等のアルキレンイミン;
ピペラジン、モルホリン、ピリジン等のその他のアミ
ン;等が挙げられる。これらのうちアルカノールアミン
が特に好ましい。
【0023】本発明においては、成分間の相溶性を向上
させ、水分散性を安定にするために、上記アクリル樹脂
(A)、疎水メラミン樹脂(B)、及びポリエステル樹
脂(C)を加温処理して反応することが必須である。該
反応物を製造するには、これら成分(A)、成分(B)
及び成分(C)を配合して、通常40〜100℃で1〜
10時間攪拌せしめればよい。
【0024】このときのアクリル樹脂(A)、疎水メラ
ミン樹脂(B)、及びポリエステル樹脂(C)の配合割
合は、これら合計樹脂の固形分に基づいて、アクリル樹
脂(A)が5〜70重量%、好ましくは10〜65重量
%、疎水メラミン樹脂(B)が10〜90重量%、好ま
しくは15〜85重量%、ポリエステル樹脂(C)が0
〜50重量%、好ましくは5〜40重量%であることが
好ましい。アクリル樹脂(A)の割合が5重量%未満で
は加温処理物の水溶/水分散化が困難となり、一方70
重量%を超えると水溶/水分散後の貯蔵安定性や、これ
を塗料としたときに塗料が高粘度になり、被塗物にワキ
やムラといった塗膜欠陥が生じたり、平滑性不良であっ
たりするために好ましくない。疎水メラミン樹脂(B)
が10重量%未満では、架橋密度が低下することによ
り、耐水性、耐チッピング性等の性能が不十分となり、
一方90重量%を超えると加温処理物の水溶/水分散化
が著しく困難となり好ましくない。ポリエステル樹脂
(C)が50重量%を超えると水溶/水分散後の貯蔵安
定性や、これを塗料としたときに塗料が高粘度になり、
被塗物にワキやムラといった塗膜欠陥が生じたり、平滑
性不良となり好ましくない。
【0025】また、該反応物を製造する際の反応温度が
40℃未満では、反応は緩慢であり、100℃を超える
と加温処理中にゲル化しやすいので好ましくない。
【0026】本発明においては、該成分(A)、
(B)、及び(C)混合物の加温処理を行うにおいて、
増粘化率を追跡することによって、反応の終点を決定す
る。ここでいう増粘化率(%)は下記式に基づいて算出
する。
【0027】
【数1】
【0028】加温処理を行う前の成分(A)、成分
(B)、及び成分(C)混合物を、エチレングリコール
モノブチルエーテルで希釈して該混合物の40%溶液を
作成する。この試料を温度25℃にして、B型粘度計
(60rpm)で測定した粘度をV[mPa・sec]
とする。同様に、加温処理中の反応容器から試料をサン
プリングし、これをエチレングリコールモノブチルエー
テルで希釈して、サンプリング物の40%溶液を作成
し、温度を25℃にして、B型粘度計(60rpm)で測
定した粘度をV[mPa・sec]とする。希釈溶液
を作成するにおいては、加温処理前後において各成分の
理論固形分を使用し、加温処理後においても系内は成分
(A)、成分(B)、及び成分(C)の混合物のみであ
ると仮定する。
【0029】上記増粘化率は20〜200%の範囲が好
ましい。20%未満では加温処理の程度が不十分で、各
成分の相溶性不良から水分散安定性が不十分となり、2
00%を超えるとワキが発生する等、仕上り性が低下す
る上、加温処理を行う時にゲル化し易いために好ましく
ない。
【0030】上記のようにして得られた加温処理物の重
量平均分子量は、成分(A)、成分(B)、成分(C)
の単なる混合物よりも高分子量化している。このとき、
重量平均分子量が1,000〜300,000、好まし
くは2,000〜250,000となるように加温処理
することが好ましい。1,000未満では耐水性や耐チ
ッピング性等の塗膜性能や水溶化/水分散後の貯蔵安定
性に劣るために好ましくない。一方、300,000を
超えると加温処理物が高粘度となり、取り扱いが困難に
なる上、仕上り性が劣るために好ましくない。
【0031】上記の様にして得られた加温処理物は水溶
/水分散化される。方法は、まず、上記加温処理物をデ
ィスパー、ホモミキサー、ボールミル、サンドミル等で
強く撹拌しながら、加温処理物に対し0.5〜5重量倍
程度の脱イオン水を徐々に加えることにより、乳白色又
は着色された水性樹脂分散液が得られる。脱イオン水を
加える際の撹拌の程度は、用いる撹拌機や仕込み量等に
より適宜調整すればよいが、例えば1,000〜1,5
00rpm程度のディスパーの場合15〜60分程度撹
拌すれば良い。
【0032】中和、混合、反応、水分散を行う順番とし
ては、特に制限がなく、アクリル樹脂(A)、及びポリ
エステル樹脂(C)をそれぞれ中和し、疎水メラミン樹
脂(B)を混合して加温処理を行い、水溶/水分散を行
う方法、アクリル樹脂(A)、疎水メラミン樹脂
(B)、及びポリエステル樹脂(C)を混合してから混
合物の中和を行い、その後加温処理を行ってから水溶/
水分散を行う方法、アクリル樹脂(A)、疎水メラミン
樹脂(B)、及びポリエステル樹脂(C)を混合してか
ら加温処理を行い、加温処理物を中和し、水溶/水分散
を行う方法などが挙げられる。
【0033】本発明の水性樹脂分散液は、単独で用いて
も十分な塗膜性能が得られるが、塗料として使用する際
には、該塗料を低粘度化せしめ、取り扱いを容易にする
ため、また、広範囲な温度、湿度条件下でも耐ワキ、タ
レ、ムラ性などを確保し、仕上り性を向上させるために
必要に応じてジ−、トリ−、テトラ−、ペンタ−、及び
ヘキサメチロールメラミン、あるいはそのメチルエーテ
ル化物等の水溶性メラミン樹脂を含んでいてもよい。か
かる水溶性メラミン樹脂は成分(A)、成分(B)、及
び成分(C)と共に加温処理をしてもよいし、該加温処
理物を水分散した後に添加することもできる。
【0034】また、本発明の水性塗料組成物は、上記水
性樹脂分散液を含むものであり、これに必要に応じてア
クリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の公知の樹
脂の水溶液、または水分散液;硬化触媒、消泡剤、分散
剤、表面調整剤等の各種添加剤、溶剤、顔料等を配合し
て得られるものである。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、特定のアクリル樹脂
(A)、疎水メラミン樹脂(B)、及びポリエステル樹
脂(C)を加温処理して得た反応物により水分散性が容
易で、貯蔵安定性が良好な水性樹脂分散液が得られる。
該組成物によれば、成分間の相溶性が向上しているため
に、仕上がり性、耐水性、耐チッピング性等に優れた塗
膜を形成することができる。
【0036】
【実施例】以下に、実施例及び比較例によって、本発明
を更に詳細に説明する。実施例中、「部」及び「%」は
別記しない限り「重量部」及び「重量%」を示す。
【0037】アクリル樹脂の製造 製造例1 撹拌機、温度計、還流冷却器を備えた反応容器にエチレ
ングリコールモノブチルエーテル40部、イソブチルア
ルコール30部を仕込み、加熱撹拌し、100℃に達し
てから下記の単量体等の混合物を3時間かけて滴下し
た。 スチレン 20部 メチルメタクリレート 20部 n−ブチルアクリレート 33部 2−ヒドロキシエチルメタクリレ−ト 20部 アクリル酸 7部 2,2´−アゾビスイソブチロニトリル 1部 イソブチルアルコール 5部 滴下終了後、更に30分間100℃に保持した後、2,
2´−アゾビスイソブチロニトリル0.5部とエチレン
グリコールモノブチルエーテル10部との混合物である
追加触媒溶液を1時間要して滴下した。さらに100℃
で1時間撹拌を続けた後、冷却し、イソブチルアルコー
ル15部を加え、75℃になったところでジメチルエタ
ノールアミン4部を加え、30分間撹拌して固形分濃度
50%のアクリル樹脂溶液(A−1)を得た。得られた
樹脂は、酸価54mgKOH/g、水酸基価86mgK
OH/g、及び重量平均分子量40,000を有してい
た。
【0038】製造例2及び3 製造例1において、滴下する単量体等の混合物の組成を
後記表1に示すとおりとする以外は製造例1と同様の操
作を行い、固形分濃度50%のアクリル樹脂溶液(A−
2)、および(A−3)を合成した。製造例2及び3で
得た各アクリル樹脂の特数値をあわせて後記表1に示
す。
【0039】
【表1】
【0040】ポリエステル樹脂の製造 製造例4 撹拌機、温度計、精留塔、窒素導入管、還流冷却器等を
備えた反応容器に、イソフタル酸150.0部、ヘキサ
ヒドロフタル酸139.2部、アジピン酸263.8
部、ネオペンチルグリコール260.9部、1,6−ヘ
キサンジオール133.3部、トリメチロールプロパン
123.3部を仕込み、加熱撹拌して160℃に達して
から4時間かけて230℃まで昇温した。昇温後1.5
時間熟成した後、精留塔を還流冷却器に切り換え、トル
エン30部を導入し還流下にて反応を行った。そのまま
230℃で6時間反応を行った後、減圧下トルエンを除
去し、170℃まで冷却して無水トリメリット酸43.
4部を添加した。そのまま170℃で30分熟成した
後、エチレングリコールモノブチルエーテル300部を
添加して、固形分濃度77%、水酸基価143mgKO
H/g、酸価30mgKOH/g、重量平均分子量4,
000のポリエステル樹脂溶液(P−1)を得た。
【0041】製造例5、及び6 製造例5において、配合組成を後記表2に示すとおりと
する以外は製造例4と同様の操作を行い、固形分濃度7
7%のポリエステル樹脂溶液(P−2)、及び(P−
3)を合成した。製造例4〜6で得た各ポリエステル樹
脂の特数値をあわせて下記表2に示す。
【0042】
【表2】
【0043】製造例7 撹拌機、温度計、還流冷却器を備えた反応容器に、製造
例1で得たアクリル樹脂溶液(A−1)60部、製造例
4で得たポリエステル樹脂溶液(P−1)39部、「ユ
ーバン28−70W」(注1)57.2部を順に仕込
み、70℃で4時間攪拌し加温処理を行った。得られた
加温処理物(C−1)は、固形分64%、酸価25mg
KOH/g、重量平均分子量45,000であった。こ
のときの増粘化率は、本文記載の方法に基づいて測定し
たところ、80%であった。 注1)「ユーバン28−70W」:三井化学社製、商品
名、疎水性メラミン樹脂、ブチル化メラミンの70%エ
チレングリコールモノブチルエーテル溶液 製造例8〜18 上記製造例7において、配合組成を下記表3に示すとお
りとする以外は製造例7と同様の操作を行い、それぞれ
加温処理物(C−2)〜(C−12)を得た。各加温処
理物の特数値をあわせて下記表3に示す。
【0044】
【表3】
【0045】注2)「サイメル350」: 三井化学社
製、商品名、親水性メラミン樹脂、固形分100% 実施例1〜9、及び比較例1〜3 表4に示すように上記で得られた各加温処理物(C−
1)〜(C−12)100部に対し、ジメチルエタノー
ルアミンを4部を加え、攪拌した後に、脱イオン水18
1.7部を徐々に加えながら、ディスパーでよく攪拌す
ることにより、固形分35%の水性樹脂分散液を得た。
【0046】比較例4 製造例1で得たアクリル樹脂(A−1)溶液60部、製
造例4で得たポリエステル樹脂溶液(P−1)39部、
「ユーバン28−70W」57.2部をよく混合し、ジメ
チルエタノールアミン4部を加え、ディスパーで攪拌し
た後に、脱イオン水181.7部を徐々に加え、ディス
パーでよく攪拌することにより、固形分35%の水分散
樹脂分散液を得た。
【0047】実施例1〜9、及び比較例1〜4で得た各
水性樹脂分散液について下記試験方法に基づいて評価を
行った。試験方法 水分散安定性:各水性樹脂分散液を20℃7日間保存し
て、沈降や相分離が生じるかどうかを目視で確認した。 ○:均一で相分離や沈降がない △:わずかに相分離が認められる ×:相分離や沈降が認められる 塗膜外観:各水性樹脂分散液を、透明なガラス板上にバ
ーコータにて乾燥膜厚が約20μmとなるように塗布
し、140℃で30分間焼付けた。フィルム上に形成さ
れた塗膜の濁り程度を下記基準にて目視評価した。 ○:均一で濁りが全くない △:わずかに濁りが認められる ×:かなり濁りが認められる。
【0048】
【表4】
【0049】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08J 3/075 CFD C09D 161/28 C08L 33/00 167/00 61/28 C08J 3/03 CFA 67/00 CEY C09D 5/02 CFD 133/00 161/28 167/00 Fターム(参考) 4F070 AA32 AA45 AA47 AB11 AB21 AB22 BA02 CA04 CA17 CB03 4J002 BG00W BG01W BG07W CC18X CC184 CF00Y CF03Y CF04Y GH01 HA07 4J038 CC061 CC062 CG021 CG022 CG141 CG142 CG171 CG172 CH031 CH032 CH041 CH042 CH121 CH122 CH171 CH172 DA161 DA162 DB221 DB222 DD041 DD042 LA02 MA08 MA10 MA12 MA14 NA01 NA04 NA11 NA12 NA14 NA26

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アクリル樹脂(A)5〜70重量%、疎水
    メラミン樹脂(B)10〜90重量%、及びポリエステ
    ル樹脂(C)0〜50重量%とを加温処理して得た反応
    物を含んでなる水性樹脂分散液であって、加温処理を行
    う前後での該成分(A)、該成分(B)、及び該成分
    (C)の混合物の増粘化率が20〜200%であること
    を特徴とする水性樹脂分散液。
  2. 【請求項2】アクリル樹脂(A)が重量平均分子量5,
    000〜100,000、酸価10〜100mgKOH
    /g、水酸基価20〜200mgKOH/gである請求
    項1に記載の水性樹脂分散液。
  3. 【請求項3】疎水メラミン樹脂(B)が水/メタノール
    混合溶剤(重量比35/65)での溶剤希釈率が20以
    下であり、重量平均分子量が800〜4,000である
    請求項1または2に記載の水性樹脂分散液。
  4. 【請求項4】ポリエステル樹脂(C)が重量平均分子量
    500〜10,000、酸価10〜100mgKOH/
    g、水酸基価50〜200mgKOH/gである請求項
    1ないし3のいずれか1項に記載の水性樹脂分散液。
  5. 【請求項5】さらに親水性メラミン樹脂(D)を含む請
    求項1ないし4のいずれか1項に記載の水性樹脂分散
    液。
  6. 【請求項6】請求項1ないし5のいずれか1項記載の水
    性樹脂分散液を含む水性塗料組成物。
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