JP2507806B2 - 缶用水性塗料組成物 - Google Patents

缶用水性塗料組成物

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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 (産業上の利用分野) 本発明は,スピログアナミン単独あるいはメラミンと
スピログアナミンにより構成されるアミノ化合物より誘
導されるアルキルエーテル化アミノ樹脂,カルボキシル
基,水酸基およびフェニル核を含有する水性ポリエステ
ル樹脂を配合した缶用水性塗料組成物に関し,特に塗膜
の耐水性,硬度,可撓性に優れた缶用水性塗料樹成物に
関する。
(従来の技術) 清涼飲料水等を収容する飲料缶および食品を包装する
食缶の外面は,缶材の腐食を防止し,美的商品価値を高
め,かつ食品殺菌処理時の熱処理工程に耐えうる塗膜に
より被覆形成されている。従来これらの塗料はエポキシ
/アミノ系樹脂,アクリル/アミノ系樹脂,ポリエステ
ル/アミノ系樹脂等の有機溶剤溶液をロールコーターに
て塗装し,ガスオーブンにて焼付硬化する方法が行われ
ている。しかしこれらの塗料は,焼付時に多量の溶剤揮
散をもたらし,大気汚染の原因となり,省資源の点から
も好ましくない。そこで,これらの問題点を解決可能な
水性塗料の出現が望まれている。
公知の水性塗料は水分散性と水溶性の2タイプがあ
り,水分散性樹脂は通常,界面活性剤を用いて乳化重合
法で合成されるものが多く,使用する界面活性剤が塗膜
形成後も塗膜中に残存し,耐水性を低下させる欠点があ
った。一方,界面活性剤を使用しないで有機溶剤系で合
成し酸分(カルボキシル基)を含む樹脂を合成し,揮発
性塩基で中和し分散体ないしは水溶性とする方法もある
が,これらの水性塗料は,基本となる樹脂構造中に酸価
20以上の酸分が必要であり,耐水性,耐アルカリ性等の
性能が劣る欠点があった。これらの欠点を改善するため
にヘキサメトキシメチルメラミン,メチル化ベンゾグア
ナミン等の水性アミノ樹脂を多量に混合する方法が行わ
れてきたが,塗膜の可撓性の低下が大きく,一方,可撓
性を改善するために水性アミノ樹脂を低減させると,塗
膜硬度が低下する傾向があり,塗膜の耐水性,硬度,お
よび可撓性のバランスをとるのが困難であった。
また,従来の水溶性塗料は,塗料の貯蔵安定性および
塗膜形成におけるレベリング向上のために有機溶剤を10
重量%以上含んでおり,焼付時における溶剤揮散による
大気汚染および省資源の点でまだ不充分であった。
(発明が解決しようとする課題) 本発明は,上記現状に鑑みてなされたものであり,そ
の目的とするところは飲料缶,食缶殺菌処理の熱処理工
程にも耐えうる耐水性を有し,缶の搬送過程で傷つきに
くい高硬度で,しかも各種缶形態に加工しうる可撓性の
優れた塗膜を被覆形成し,且つ有機溶剤含有量が低い缶
外面用水性塗料組成物を提供するものである。
〔発明の構成〕
(課題を解決するための手段) すなわち,本発明は, (A)スピログアナミン単独もしくはスピログアナミン
とメラミンの混合物に,ホルムアルデヒドをスピログア
ナミンもしくはメラミンの一分子あたり平均3個以上の
結合ホルムアルデヒドを有するように付加もしくは付加
縮合させ,ついで,メタノールもしくはエタノールの単
独または混合物でアルキルエーテル化したアルキルエー
テル化アミノ樹脂 5〜60重量% および, (B)酸価10〜100,水酸基価10〜300および樹脂成分中
のフェニル核が5〜45重量%である,揮発性塩基の存在
下で水性媒体に可溶もしくは分散可能な水性ポリエステ
ル樹脂 40〜95重量% を樹脂成分とする缶用水性塗料組成物である。
本発明(A)成分のアルキルエーテル化アミノ樹脂の
製造法は,従来より既知のメラミン樹脂と同様,反応条
件を適宜選ぶことにより容易に合成できる。例えばスピ
ログアナミン単独あるいはスピログアナミンとメラミン
の混合物にホルムアルデヒドを50〜80℃の温度で2〜10
時間付加反応させ,更にメタノールあるいはエタノール
の単独ないし混合アルコールを酸性下(好ましくはpH2
〜5)で加熱してアルキルエーテル化することにより合
成できる。特に酸性下におけるアルキルエーテル化反応
においては,反応時間をコントロールすることにより縮
合程度をコントロールし好みの分子量が得られる。スピ
ログアナミンもしくはメラミン一分子当たりの平均結合
ホルムアルデヒド数は3個以上であることが好ましく,
上記数値が3未満であるとアルキルエーテル化アミノ樹
脂が白濁しやすく,塗料とした場合に他水性樹脂との相
溶性も劣り,層分離,ゲル化がおこり,塗料安定性が低
下する。スピログアナミンとメラミンの混合系とする場
合,スピログアナミンは混合物の20重量%以上とするこ
とが好ましい。
本発明のアルキルエーテル化アミノ樹脂はメタノール
でアルキルエーテル化すると,水希釈性が優れ,塗料と
した場合に塗料安定性が向上し,固形分を高くすること
が可能である。また,炭素数3以上のアルコールを使用
した場合は水希釈性が劣り,塗料安定性が低下する。ア
ルキルエーテル化は,スピログアナミンもしくはメラミ
ン一分子当たり平均2個以上が好ましく,2個未満では塗
料安定性が劣るとともに耐水性が低下する。
なお,スピログアナミンは,2,4,8,10−テトラオキサ
スピロ〔5,5〕ウンデカン−3,9−ビス(2−エチルグア
ナミン)を意味し,その構造は下式で示される。このも
のは,例えば味の素(株)製商品名CTUグアナミンとし
て入手することができる。
本発明(B)成分の水性ポリエステル樹脂は,多価ア
ルコール成分と多価カルボン酸とを縮重合させて得られ
るもので,フェニル核を有するアルコール成分もしくは
カルボン酸成分を使用することにより導入されるフェニ
ル核を樹脂中に5〜45重量%含む。フェニル核を含有す
るアルコール成分としては,ビスフェノールA,ビスフェ
ノールジヒドロキシプロピルエーテル,エチレンオキサ
イド付加ビスフェノールA等がある。上記以外の多価ア
ルコールとしては,水素化ビスフェノールA,エチレング
リコール,プロピレングリコール,1,3−ブチレングリコ
ール,1,6−ヘキサンジオール,ジエチレングリコール,
ジプロピレングリコール,ネオペンチルグリコール,ト
リエチレングリコール等の2価アルコール,トリメチロ
ールエタン,トリメチロールプロパン,トリスヒドロキ
シメチルアミノメタン,ペンタエリスリット,ジペンタ
エリスリット,ジグリセリン等の3価以上のアルコール
がある。また,フェニル核を有するカルボン酸成分とし
ては,(無水)フタル酸,イソフタル酸,テレフタル
酸,ヘキサヒドロ(無水)フタル酸,(無水)トリメリ
ット酸,(無水)ピロメリット酸等がある。その他のカ
ルボン酸成分としては,テトラヒドロ(無水)フタル
酸,メチレンジクロヘキセントリカルボン酸(無水),
(無水)ハイミック酸,アジピン酸,アゼライン酸,
(無水)コハク酸,(無水)マレイン酸,フマル酸,セ
バチン酸,イタコン酸等の多価カルボン酸もしくはその
無水物がある。その他,必要に応じて安息香酸やt−ブ
チル安息香酸などの一塩基酸をカルボン酸酸成分として
使用してもよく,また,上記アルコール成分およびカル
ボン酸成分に加え,ヒマシ油,脱水ヒマシ油,桐油,サ
フラワー油,大豆油,アマニ油,トール油,ヤシ油等の
油成分を加えて,3成分として反応させて得られるアルキ
ッド樹脂であってもよい。また,上記で得られるポリエ
ステル樹脂にアクリル樹脂をグラフトしたグラフト変性
ポリエステル樹脂であってもよい。水性ポリエステル樹
脂中のフェニル核が5重量%未満では塗膜の硬度が劣
り,逆に,45重量%を越えると塗膜の可撓性が劣る。
水性ポリエステル樹脂は,酸価10〜100,水酸基価10〜
300の範囲にあることが必要であり,酸価が10未満では
水性化が困難となり,100を越えると塗膜の耐水性が劣
る。また,水酸基価が10未満では架橋密度が低くなるた
め耐水性が劣り,300を越えると塗膜の可撓性が劣る。分
子量としては,重量平均分子量1000〜20000のものが好
ましい。
本発明の塗料組成物におけるアルキルエーテル化アミ
ノ樹脂(A成分)と水性ポリエステル樹脂(B成分)の
配合割合は,アルキルエーテル化アミノ樹脂が5〜60重
量%であり,好ましくは10〜40重量%である。アルキル
エーテル化アミノ樹脂の配合割が5重量%未満では塗膜
の架橋密度が低くなるので耐水性が劣り,60重量%を越
えると塗膜の可撓性が劣る。
水性ポリエステル樹脂を水性媒体に溶解もしくは分散
させるためにの揮発性塩基としては,モノエタノールア
ミン,ジメチルアミン,ジエチルアミン,トリエチルア
ミン,トリエタノールアミン,ジエチルエタノールアミ
ン,ジメチルエタノールアミン,モルホリンなどの有機
アミンがある。揮発性塩基の使用量としては,水性樹脂
のカルボン酸を少なくとも部分的に中和する量であれば
よい。
水性媒体は,水もしくは水を主成分とし親水性有機溶
剤を混合した混合溶剤であって,親水性有機溶剤として
は,イソプロピルアルコール,n−ブチルアルコール,イ
ソブチルアルコール,n−アミルアルコール,イソアミル
アルコール等のアルコール系溶剤,エチレングリコール
モノメチルエーテル,エチレングリコールモノエチルエ
ーテル,エチレングリコールモノイソプロピルエーテ
ル,エチレングリコールモノブチルエーテル,ジエチレ
ングリコールモノブチルエーテル等のエステル系溶剤等
がある。
本発明の塗料組成物は,必要に応じて硬化助剤として
アミンでブロックした酸触媒,例えば,p−トルエンベン
ゼンスルホン酸,ドデシルベンゼンスルホン酸,ジノニ
ルナフタレンジスルホン酸等を樹脂固形分100部に対し
0.1〜1部を添加して塗料化する。また水性塗料用樹脂
として一般的に用いられている水溶性樹脂,水分散性樹
脂,例えば,メチル化メラミン,メチル化ベンゾグアナ
ミン,水溶性もしくは水分散性アクリル樹脂,マレイン
化脂肪酸,水溶性ポリエーテルポリオール樹脂,水溶性
ポリエステルポリオール樹脂,水溶性あるいは水分散性
エポキシ樹脂などを混合することも可能である。また,
同様にレベリング剤,消泡剤,潤滑剤を添加することも
できる。また顔料をポリエステル樹脂溶液あるいは水溶
性アクリル樹脂等の水性樹脂と練肉し顔料ペーストを作
成し,前述と同様の方法で塗料化することができる。
本発明の水性塗料組成物はロールコート,スプレーは
け塗り等の通常の手段により塗装することができる。缶
材としては,スズメッキ鋼板,ティンフリースチール,
アルミ板等の金属板がある。
また,本発明の水性塗料は,150〜200℃−10分間程度
の焼付から250℃−10秒程度の高温短時間焼付まで幅広
い焼付条件で硬化させることができる。
以下,実施例により本発明を説明する。例中,部とは
重量部を,%とは重量%をそれぞれ表す。
製造例1(アルキルエーテル化アミノ樹脂溶液A−1) 温度計,撹拌機,還流冷却器,窒素吹込管を備えた四
ツ口フラスコに,スピログアナミン27.8部,ホルムアル
デヒド含有メタノール40%溶液(ホルミットMH;広栄化
学社製;以下の例も同じ)72.2部を仕込み,ナトリウム
メチラートにてpH10に調整し,60℃で3時間加熱した。
次に,無水フタル酸0.1部を仕込み,引き続き70℃にて
8時間反応した後,メタノールおよび水を減圧除去し,
瀘紙で濾過取り出した。ブチルセロソルブで固形分を調
整し75%とした。
製造例2(アルキルエーテル化アミノ樹脂溶液A−2) 製造例1と同じ装置を用いて製造例1で使用したスピ
ログアナミン22.9部,ホルムアルデヒド含有メタノール
40%溶液77.1部を仕込み,25%水酸化ナトリウム0.16部
を添加後,60℃で3時間加熱した。次に62%硝酸0.15部
(pH3.5)を仕込み,引き続き70℃にて8時間反応し
た。反応終了後,25%水酸化ナトリウムにて中和した後7
0℃以下でメタノール水を減圧除去し,ブチルセロソル
ブで固形分を75%に調整した後,瀘紙で濾過取り出し
た。
製造例3(アルキルエーテル化アミノ樹脂溶液A−3) 製造例1と同じ装置を用いて製造例2で使用したスピ
ログアナミン18.9部,ホルムアルデヒド含有メタノール
40%溶液79.7部,およびメラミン1.4部を仕込み,25%水
酸化ナトリウム0.2部を添加後60℃で3時間加熱した。
次に62%硝酸0.13部(pH3.5)を仕込み引き続き70℃に
て8時間反応した。反応終了後25%水酸化ナトリウムに
て中和した後,70℃以下でメタノール,水を減圧除去し
ブチルセロソルブで固形分を75%に調整した後,瀘紙で
濾過取り出した。
製造例4(アルキルエーテル化アミノ樹脂溶液A−4 製造例1と同じ装置を用いて製造例2で使用したスピ
ログアナミン14.7部,ホルムアルデヒド含有メタノール
40%溶液82.5部,およびメラミン2.8部を仕込み,25%水
酸化ナトリウム0.16部を添加後60℃で4時間加熱した。
次に62%硝酸0.15部(pH3.5)を仕込み引き続き70℃に
て8時間反応した。反応終了後25%水酸化ナトリウムに
て中和した後,70℃以下でメタノール,水を減圧除去し
ブチルセロソルブで固形分を75%に調整した後,瀘紙で
濾過取り出した。
以上のようにして得られたアルキルエーテル化アミノ
樹脂A−1〜A−4のスピログアナミンもしくはメラミ
ン一分子あたりの平均結合ホルムアルデヒド数,平均結
合アルキルエーテル基の分析結果を表−1に示す。
製造例5(水性ポリエステル樹脂溶液B−1) 温度計,撹拌機,分離槽付き還流冷却器,窒素ガス吹
込管を備えた四ツ口フラスコにエチレングリコール14.7
部,ネオペンチルグリコール24.6部,アジピン酸25.6
部,テレフタル酸29.1部を仕込み窒素ガスを導入しつつ
かきまぜながら230℃に加温し,酸価が5以下になるま
で反応し,次に170℃まで冷却しアジピン酸2.6部,無水
トリメリット酸3.4部を添加し,更に反応を続け酸価が6
0になった時点で反応を終了させた。80℃以下に冷却
し,エチレングリコールモノブチルエーテル8.6部,ジ
メチルエタノールアミン8.1部および水69.1部を添加し
固形分50%,有機溶剤10%の透明で粘調な中和前酸価6
0,水酸基価165,フェニル核含有量15.9%の水性ポリエス
テル樹脂溶液(B−1)が得られた。
製造例6(水性ポリエステル樹脂溶液B−2) 製造例5と同様の四ツ口フラスコに,エチレングリコ
ール14.2部,ネオペンチルグリコール23.9部,イソフタ
ル酸56.4部を仕込み窒素ガスを導入しつつかきまぜなが
ら230℃に加温し,酸価が5以下になるまで反応し,次
に70℃まで冷却し,無水トリメリット酸5.5部添加し,
更に反応を続け酸価が60になった時点で反応を終了させ
た。80℃以下に冷却し,エチレングリコールモノブチル
エーテル8.6部,ジメチルエタノールアミン8.2部,水6
9.4部を添加し,固形分50%,有機溶剤10%の透明で粘
調な中和前酸価60,水酸基化163,フェニル核含有量33%
の水性ポリエステル樹脂溶液(B−2)が得られた。
製造例7(水性ポリエステル樹脂溶液B−3) 製造例5と同様の四ツ口フラスコに,エチレングリコ
ール15.7部,ネオペンチルグリコール26.3部,イソフタ
ル酸48.5部,無水マレイン酸9.5部を仕込み窒素ガスを
導入しつつかきまぜながら200℃に加温し,酸価が5以
下になるまで反応した後,100℃まで冷却し,n−ブタノー
ル87部を仕込み,滴下槽にアクリル酸6部,2−ヒドロキ
シエチルアクリレート9部,スチレン15部,過酸化ベン
ゾイル2.4の混合物を3時間にわたって滴下した。その
後,105℃に保ち1時間反応し,過酸化ベンゾイル0.2部
を添加し,1時間反応させ終了した。60℃以下に冷却し,
ジメチルエタノールアミン7.4部,水200部を添加し,減
圧したがって80℃にてn−ブタノールとともに水を留出
し,固形分50%,有機溶剤10%の透明で粘調な中和前酸
価40.5,水酸基化152,フェニル核含有量32.6%の水性ポ
リエステル樹脂溶液(B−3)が得られた。
実施例 1 アルキルエーテル化アミノ樹脂溶液A−1 21.3部,
水性ポリエステル樹脂溶液B−1 48部,アミンブロッ
クしたパラトルエンスルホン酸0.1部,水30.7部および
シリコーン系レベリング剤0.1部を混合し塗料化した。
実施例 2〜7 実施例1と同様の方法でアルキルエーテル化アミノ樹
脂溶液A−1〜A−4と水性ポリエステル樹脂溶液B−
1〜B−3を各々表−2のように組み合わせて塗料化し
た。
比較例 1,2 実施例1と同様の方法でヘキサメトキシメラミン(三
井東圧化学(株)社製サイメル303)と水性ポリエステ
ル樹脂溶液B−1を表−2のように組み合わせて塗料化
した。
実施例1〜7および比較例1,2で得られた塗料につい
て,以下の方法に従い,塗料安定性試験,塗膜物性試験
を行ない表−2に示した。
各試験方法は次のとおりである。
○塗料安定性試験 各塗料を2ケ月間常温で保存した後,樹脂のゲル化,
分離の状態を観察した。
○塗膜物性試験 膜厚7μとなるよう電気メッキブリキにロールコート
塗装し,ガスオーブンにて雰囲気温度180℃において10
分間焼付け,塗装パネルを作成した。
・耐溶剤性試験 メチルエチルケトンにてラビングテストを行ない,塗
膜が剥離する迄の往復回数を調べた。
・耐水性試験 塗装パネルを水中に浸漬し,100℃−30分間,125℃−30
分間熱処理を行った後塗膜の白化状態を評価した。
・鉛筆筆硬度試験 JIS規格にのっとった鉛筆硬度試験法により評価し
た。
・密着性試験 コバン目剥離試験を行った。
・加工性試験 エリクセン試験を行った。
耐衝撃性試験 デュポン式,1/2インチ,500g荷重で行った。
〔発明の効果〕
本発明の塗料組成物に配合するアルキルエーテル化ア
ミノ樹脂は,構成成分中にスピロ環を含むスピログアナ
ミンであるため水希釈が優れ,水性ポリエステル樹脂と
組み合わせることにより,塗膜の可撓性,耐水性,硬度
等缶用塗料として必要な性能を全て備えた塗料を得るこ
とができる。
また,スピログアナミンの分子量がメラミンの2倍以
上であることにより高温焼付時に発生するフュームが低
減されるので高温短時間焼付が必要とされる缶材の被覆
材として好ましい性質を有している。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)スピログアナミン単独もしくはスピ
    ログアナミンとメラミンの混合物に,ホルムアルデヒド
    をスピログアナミンもしくはメラミンの一分子あたり平
    均3個以上の結合ホルムアルデヒドを有するように付加
    もしくは付加縮合させ,ついで,メタノールもしくはエ
    タノールの単独または混合物でアルキルエーテル化した
    アルキルエーテル化アミノ樹脂 5〜60重量% および, (B)酸価10〜100,水酸基価10〜300および樹脂成分中
    のフェニル核が5〜45重量%である,揮発性塩基の存在
    下で水性媒体に可溶もしくは分散可能な水性ポリエステ
    ル樹脂 40〜95重量% を樹脂成分とする缶用水性塗料組成物。
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