JP3385391B2 - 水性樹脂分散体 - Google Patents

水性樹脂分散体

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JP3385391B2 JP10686694A JP10686694A JP3385391B2 JP 3385391 B2 JP3385391 B2 JP 3385391B2 JP 10686694 A JP10686694 A JP 10686694A JP 10686694 A JP10686694 A JP 10686694A JP 3385391 B2 JP3385391 B2 JP 3385391B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水性塗料の架橋剤とし
て有用な、貯蔵安定性、熱的安定性、機械的安定性等の
優れた疎水性メラミン樹脂の水性分散体に関する。
【0002】
【従来の技術及びその課題】疎水性メラミン樹脂を分散
安定剤としての水溶性樹脂の存在下で水中に分散せしめ
てなる水性分散体は、すでに公知である。そして、この
水性分散体を調製するための該水溶性樹脂としては、例
えば、カルボキシル基、アミノ基等の親水性基を有せし
めたアクリル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂等が使
用されているが、これらの樹脂はいずれも直鎖状の構造
のものが多い。
【0003】しかしながら、かかる水性分散体には、室
温及び加温下で貯蔵中又は機械的負荷を加えたりすると
粘度低下が著しく、そのために、これを塗料に使用する
とタレやワキ等が発生しやすいという欠点がある。ま
た、疎水性メラミン樹脂を水分散するのに必要な水溶性
樹脂量が多いため高粘度化するという欠点があり、その
ため、これを用いた塗料を噴霧塗装するときにその微粒
化が十分でない傾向にあるので好ましくなかった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、従来の
疎水性メラミン樹脂の水性分散体の諸欠点が解消された
新規な水性樹脂分散体を提供することにある。
【0005】本発明の他の目的は、貯蔵安定性、熱安定
性、機械的安定性等の優れた新規な水性樹脂分散体を提
供することにある。
【0006】本発明のこれら及び更に他の目的は、以下
の記載から明らかになるであろう。
【0007】本発明は、グラフト樹脂(A)と疎水性メ
ラミン樹脂(B)とを水性媒体中で分散してなる水性分
散体であって、該グラフト樹脂(A)は重量平均分子量
10,000〜100,000、酸価5〜80であり、
疎水性主鎖と親水性側鎖とからなり、そして該親水性側
鎖は重量平均分子量が5,000〜50,000で、酸
価が20より大きいこと、且つグラフト樹脂(A)と疎
水性メラミン樹脂(B)との配合割合が、疎水性メラミ
ン樹脂(B)の固形分20重量部に対して、グラフト樹
脂(A)が4〜40重量部であることを特徴とする水性
樹脂分散体を提供するものである。
【0008】本発明者は、従来の疎水性メラミン樹脂の
水性分散体の諸欠点を解消すべく鋭意研究した。その結
果、疎水性メラミン樹脂の分散安定剤として上記特定の
グラフト樹脂を用いることにより、得られる水性樹脂分
散体の貯蔵安定性、熱的安定性、機械的安定性等が顕著
に改良されること、分散安定剤としての該グラフト樹脂
の使用量を低減できること等を見出した。
【0009】本発明は、かかる新たな知見に基づいて、
完成されたものである。
【0010】以下に、本発明で使用するグラフト樹脂
(A)及び疎水性メラミン樹脂(B)について説明す
る。
【0011】グラフト樹脂(A)は、疎水性メラミン樹
脂(B)を水中に均一に分散せしめるためのものであっ
て、重量平均分子量が10,000〜100,000、
酸価5〜80であり、疎水性主鎖と親水性側鎖とからな
り、そして該親水性側鎖は重量平均分子量が5,000
〜50,000で、酸価が20より大きいものである。
【0012】グラフト樹脂(A)の主鎖及び側鎖を構成
する樹脂骨格は、特に制限されず、例えばアクリル樹
脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹
脂等から選ばれた1種又は2種以上が使用できる。主鎖
及び側鎖部分の樹脂骨格は同一でも異なっていてもよ
い。
【0013】本発明では、主鎖及び側鎖部分がアクリル
樹脂からなるグラフト樹脂(A)を使用することが好ま
しく、主としてこれについて説明する。
【0014】まず、主鎖を構成するアクリル樹脂は疎水
性部分に相当する。該主鎖は、必要に応じてカルボキシ
ル基含有アクリル系モノマーを含むアクリル系モノマー
を重合せしめることによって得られる。
【0015】カルボキシル基含有アクリル系モノマー以
外のアクリル系モノマーとしては、分子中に1個の重合
性不飽和二重結合を有しかつカルボキシル基を有さない
化合物であればよく、例えば、(メタ)アクリル酸メチ
ル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プ
ロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル
酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、
(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸シク
ロヘキシル等のアクリル酸又はメタクリル酸と炭素数1
〜20個の1価アルコールとのモノエステル化物;例え
ば、(メタ)アクリル酸メトキシブチル、(メタ)アク
リル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシブ
チル、(メタ)アクリル酸エトキシプロピル等のアクリ
ル酸又はメタクリル酸の炭素数2〜18個のアルコキシ
アルキルエステル;例えば、(メタ)アクリル酸2−ヒ
ドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−ヒドロキシブチ
ル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル等のアクリ
ル酸又はメタクリル酸の炭素数2〜8個のヒドロキシア
ルキルエステル等の水酸基含有アクリル系モノマー;例
えば、(メタ)アクリル酸グリシジル等のグリシジル基
含有アクリル系モノマー;例えば、(メタ)アクリル酸
アミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−
メトキシメチル(メタ)アクリルアミド等のチッ素含有
アクリルモノマー等があげられ、これらは単独で又は2
種以上併用して用いることができる。
【0016】必要に応じて用いられるカルボキシル基含
有アクリル系モノマーは、1分子中に1個以上のカルボ
キシル基と1個の重合性不飽和二重結合とを有する化合
物であって、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタ
コン酸等があげられる。該カルボキシル基含有アクリル
系モノマーは、主鎖部分の酸価が側鎖部分の酸価より大
きくならない範囲内で併用できる。
【0017】また、これらのアクリル系モノマーに、さ
らにスチレン及びその誘導体、(メタ)アクリロニトリ
ル、酢酸ビニル、塩化ビニル、エチルビニルエーテル、
ビニルケトン、ビニルトルエン等のその他のビニルモノ
マーも併用することができる。
【0018】グラフト樹脂(A)の側鎖は、主としてア
クリル樹脂で構成され、その重量平均分子量が5,00
0〜50,000、特に好ましくは15,000〜3
0,000で、酸価が20より大きく、特に好ましくは
30〜110の範囲を有する親水性部分である。
【0019】該側鎖を構成するアクリル樹脂は、カルボ
キシル基含有アクリル系モノマーとそれ以外のアクリル
系モノマーとを共重合せしめることによって得られ、こ
れらのモノマーは上記主鎖の説明で例示したものが使用
できる。
【0020】該側鎖の重量平均分子量が5,000〜5
0,000よりはずれたり、酸価が20より小さくなる
と、得られる水性樹脂分散体の安定性が低下し、貯蔵中
に相分離を起こすことがある。
【0021】主鎖及び側鎖部分にアクリル樹脂を使用し
てなるグラフト樹脂(A)において、この両部分は化学
的に結合しており、その結合方法は特に制限されず、以
下に例示する方法があげられる。
【0022】(1)主鎖に含有せしめたカルボキシル基
の一部にグリシジル基含有アクリル系モノマーを付加し
て重合性二重結合を導入し、該重合性二重結合に側鎖部
分を形成するモノマー成分を共重合せしめる。
【0023】(2)側鎖に含有せしめたカルボキシル基
の一部にグリシジル基含有アクリル系モノマーを付加し
て重合性二重結合を導入し、該重合性二重結合に主鎖部
分を形成するモノマー成分を共重合せしめる。
【0024】(3)主鎖に含有せしめた水酸基の一部又
は全部に、ジイソシアネート化合物が有する2個のイソ
シアネート基のうち1個を付加し、次いで残存している
イソシアネート基に水酸基含有アクリル系モノマーを反
応させて重合性二重結合を導入し、その後、該重合性二
重結合に側鎖部分を形成するモノマー成分を共重合せし
める。
【0025】(4)側鎖に含有せしめた水酸基の一部又
は全部にジイソシアネート化合物をほぼ等モル比で付加
し、ついで残存しているイソシアネート基に水酸基含有
アクリル系モノマーを反応させて重合性二重結合を導入
し、該重合性二重結合に主鎖部分を形成するモノマー成
分を共重合せしめる。
【0026】上記(3)及び(4)の方法で用いるジイ
ソシアネート化合物は、1分子中に2個のイソシアネー
ト基を有する化合物であって、例えばヘキサメチレンジ
イソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシア
ネート等の脂肪族ジイソシアネート、水素添加キシリレ
ンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の
環状脂肪族ジイソシアネート、トリレンジイソシアネー
ト、ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族ジイ
ソシアネート等があげられる。
【0027】グラフト樹脂(A)において、該主鎖と該
側鎖との比率は、該両成分の合計重量に基づいて、主鎖
/側鎖=70/30〜30/70、特に60/40〜4
0/60(重量比)が好ましい。
【0028】両成分の比率が、この範囲からばずれると
得られる水性樹脂分散体が貯蔵中に相分離を起こすこと
があるので好ましくない。そして、該主鎖と該側鎖とか
らなるグラフト樹脂(A)の重量平均分子量は10,0
00〜100,000、特に20,000〜80,00
0の範囲が好ましく、10,000より小さくなると得
られる水性分散体を用いた塗料での塗膜性能が低下し、
一方100,000より大きくなると得られる水性分散
体を用いた塗料の塗膜の外観不良となるので好ましくな
い。
【0029】また、グラフト樹脂(A)の酸価は、5〜
80、好ましくは25〜60である。酸価が5より小さ
くなると水性分散体の安定性が低下して相分離しやすく
なり、一方酸価が80より大きくなると水性分散体を用
いた塗膜の耐水性、メタリック感、平滑性等が低下する
ので、いずれも好ましくない。
【0030】本発明において、グラフト樹脂(A)は、
疎水性メラミン樹脂(B)と混合するにあたり、あらか
じめ中和剤で中和しておくことが好ましい。かかる中和
剤としては、例えば、モノメチルアミン、ジメチルアミ
ン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジブチルア
ミン、トリプロピルアミン等のアルキルアミン;モノエ
タノールアミン、ジエタノールアミン、モノ(2−ヒド
ロキシプロピル)アミン、2−アミノ−2−メチル−1
−プロパノール、ジメチルアミノエタノール、ジエチル
アミノエタノール等のアルカノールアミン;エチレンジ
アミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミ
ン等のアルキレンポリアミン;エチレンイミン、プロピ
レンイミン等のアルキレンイミン;ピペラジン、モルホ
リン、ピリジン等のその他のアミン;等があげられる。
これらのうちアルカノールアミンが特に好ましい。
【0031】本発明で用いる疎水性メラミン樹脂(B)
は、重量平均分子量が400〜5,000、好ましくは
700〜3,000の範囲であることが適当で、しかも
水/メタノール混合溶剤(重量比35/65)での溶剤
希釈率が20以下、特に1〜18であることが好まし
い。
【0032】該メラミン樹脂(B)は、上記分子量及び
溶剤希釈率が満足される限りにおいて、特に限定はな
く、種々のエーテル化をしたもの、例えばメチルアルコ
ール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n
−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、オクチル
アルコール、2−エチルヘキシルアルコール、ベンジル
アルコール等の1価アルコールから選ばれた1種又は2
種以上でエーテル化したものがあげられる。
【0033】エーテル化は、C4 以上、好ましくはC4
〜C7 の1価アルコールで行ったものが好適である。ま
た、該メラミン樹脂(B)中のエーテル基の量は、特に
制限はないが、トリアジン環1核当り5モル以下程度、
好ましくは1.5〜3モル程度であるのが適当である。
また、アミノ基、イミノ基、メチロール基等について
も、上記溶剤希釈率及び分子量が満足されれば適宜存在
してもよく、通常イミノ基、アミノ基及びメチロール基
の量は夫々トリアジン1核当り0.2〜2.0モル、更
に好ましくは0.5〜1.5モルの範囲が好適である。
【0034】疎水性メラミン樹脂(B)の溶剤希釈率
は、該メラミン樹脂(B)の親水性溶剤への溶解性を表
わす指標であり、これが低いほど疎水性である。その測
定方法は、50ccのビーカーにメラミン樹脂(B)2g
を採り、五号活字を印刷した紙上に置き、次いで25℃
にて水/メタノール混合溶剤(重量比35/65)を滴
下し撹拌しながら活字が判読できなくなるまで滴下す
る。このときの滴下量(cc)をメラミン樹脂の採取量で
割った値(cc/g)で表示する。
【0035】疎水性メラミン樹脂(B)の重量平均分子
量が400より小さくなると、この疎水性メラミン樹脂
の水性分散体を塗料系に用いたとき塗膜性能(耐水性
等)が劣る傾向にあり、一方5,000より大きくなる
と、この疎水性メラミン樹脂の水性分散体を塗料系に用
いたときの塗膜の外観不良がおこる傾向にあるので、好
ましくない。また、溶剤希釈率が20より大きくなると
このメラミン樹脂の水性分散体を塗料系に用いたときの
塗膜性能が低下し、また高湿度での塗装作業性におい
て、タレ等が生じる傾向にあるので好ましくない。
【0036】本発明の水性樹脂分散体は、前記のグラフ
ト樹脂(A)と疎水性メラミン樹脂(B)とを水分散化
することにより調製することができる。即ち、まず前記
の両成分を、ディスパー、ホモミキサー、ボールミル、
サンドミル等で混合均一化する。この時必要に応じて、
着色顔料、メタリック顔料、体質顔料等を配合しても良
い。また、少量のアルコール系溶剤、エーテル系溶剤等
の親水性溶剤を加えるこもできる。次に、強く撹拌しな
がら、グラフト樹脂(A)と疎水性メラミン樹脂(B)
との合計量に対し0.5〜5重量倍程度の脱イオン水を
徐々に加えることにより、乳白色又は着色された水性樹
脂分散体が得られる。顔料を含まない場合の水性樹脂分
散体の平均粒子径は、0.05〜0.5μm程度の範囲
である。脱イオン水を加える際の撹拌の程度は、用いる
撹拌機や仕込み量等により適宜調整すればよいが、例え
ば1,000〜1,500rpm 程度のディスパーの場合
15〜60分程度撹拌すれば良い。
【0037】水性樹脂分散体に配合できる顔料として
は、通常塗料の分野で用いられるメタリック顔料、着色
顔料を使用する。より具体的には、メタリック顔料とし
ては、例えばアルミニウムフレーク、銅ブロンズフレー
ク等を挙げることができ、又着色顔料としては、例えば
二酸化チタン、酸化鉄、酸化クロム、クロム酸鉛、カー
ボンブラック等の如き無機顔料、フタロシアニンブル
ー、フタロシアニングリーン、カルバゾールバイオレッ
ト、アントラピリミジン イエロー、フラバンスロン
イエロー、イソインドリン イエロー、インダンスロン
ブルー、キナクリドン バイオレット等の如き有機顔
料を挙げることができる。
【0038】グラフト樹脂(A)と疎水性メラミン樹脂
(B)との配合割合は、疎水性メラミン樹脂(B)の固
形分20重量部に対して、グラフト樹脂(A)を約4〜
40重量部、特に好ましくは8〜32重量部の範囲とす
るのが適当である。グラフト樹脂(A)が4重量部より
少ないと疎水性メラミン樹脂(B)の水分散体中での平
均粒径が大きくなり、かつ貯蔵安定性が低下する傾向に
ある。また、グラフト樹脂(A)が40重量部より多く
なると疎水性メラミン樹脂(B)の平均粒径は殆ど変わ
らないが貯蔵安定性が低下する傾向にある。
【0039】本発明の水性樹脂分散体は、上記グラフト
樹脂(A)と疎水性メラミン樹脂(B)を水性媒体中で
撹拌混合分散してなる組成物であって、その形態は、疎
水性メラミン樹脂(B)の粒子の表面にグラフト樹脂
(A)の主鎖(疎水性部分)が吸着し、該グラフト樹脂
(A)の側鎖(親水性部分)は水相側に位置しているも
のと思われる。つまり、メラミン樹脂(B)の粒子がグ
ラフト樹脂(A)によって保護された状態にあり、樹脂
(A)の親水性部分によって水中に安定に分散してい
る。
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、疎水性メラミン樹脂
(B)を水分散させるのに、分散安定剤としての従来の
水溶性樹脂に代えて、グラフト樹脂(A)を使用するこ
とによって、得られる水性分散体の貯蔵安定性、機械的
安定性及び熱的安定性が顕著に向上した。また、本発明
分散体によれば、樹脂(B)を水分散するのに要するグ
ラフト樹脂(A)の使用量が少なくてすむので、分散体
の低粘度化が可能となり、これを用いた塗料の噴霧塗装
時の微粒化が容易である。
【0041】
【実施例】以下に製造例、実施例及び比較例を挙げる。
各例における部及び%は重量に基づく。
【0042】製造例1 グラフト樹脂(A−1)の製造 反応容器にエチレングリコールモノブチルエーテル60
部を加え、窒素気流中で120℃に加温する。120℃
に達したらメタクリル酸メチル25部、アクリル酸n-
ブチル48部、アクリル酸2−ヒドロキシエチル15
部、アクリル酸12部、及びアゾビスイソブチロニトリ
ル2.5部の混合物を3時間かけて加える。添加終了後
120℃、30分間熟成し、アゾビスジメチルバレロニ
トリル0.5部とエチレングリコールモノブチルエーテ
ル10部の混合物を1時間を要して加え、その後1時間
熟成する。
【0043】ついで、ハイドロキノンモノメチルエーテ
ル0.02部とメタクリル酸グリシジル4部を加え、樹
脂酸価が15下がるまで反応を続ける。終点を確認して
エチレングリコールモノブチルエーテル34部で希釈後
40℃まで冷却して200メッシュのナイロンクロスで
ろ過する。
【0044】得られた反応生成物A(側鎖・親水性部
分、重量平均分子量23,000)の酸価は75、粘度
はU(ガードナー泡粘度計/25℃)、不揮発分50%
であった。
【0045】反応容器にエチレングリコールモノブチル
エーテル50部を加え、窒素気流中で120℃に加温す
る。120℃に達したらスチレン15部、メタクリル酸
メチル20部、アクリル酸n−ブチル30部、メタクリ
ル酸2−エチルヘキシル20部、アクリル酸2−ヒドロ
キシエチル13部、アクリル酸2部(これらのモノマー
の重合体は主鎖を構成する)と上記反応生成物A208
部及びアゾビスイソブチロニトリル2部の混合物を3時
間かけて加える。添加終了後120℃、30分間熟成
し、アゾビスジメチルバレロニトリル0.5部とエチレ
ングリコールモノブチルエーテル10部の混合物を1時
間に渡って加え、30分間熟成する。その後70℃まで
冷却し、ジメチルアミノエタノール14.8部を入れて
当量中和する。続いてエチレングリコールモノブチルエ
ーテル23部で希釈し、50℃で200メッシュのナイ
ロンクロスでろ過して、当量中和されたグラフト樹脂
(A−1)エマルジョンを得た。該エマルジョンの粘度
は、Z4 (ガードナー泡粘度計/25℃)で、不揮発分
は50%であった。このグラフト樹脂の重量平均分子量
は44,000、酸価は45であった。また、主鎖と側
鎖の重量比は50/50であった。
【0046】製造例2 グラフト樹脂(A−2)〜(A
−4)の製造 表1に示したモノマー成分を使用し、前記製造例1と同
様に側鎖部分を製造し、次いでこのものに表2に示した
モノマー成分を重合せしめてグラフト樹脂(A−2)〜
(A−4)を得た。
【0047】グラフト樹脂(A−1)〜(A−4)の重
量平均分子量、その酸価、側鎖の重量平均分子量、側鎖
の酸価及び主鎖と側鎖との重量比率を表3に示した。
【0048】
【表1】
【0049】
【表2】
【0050】
【表3】
【0051】製造例3 水溶性アクリル樹脂(A−5)
の製造 反応容器にエチレングリコールモノブチルエーテル60
部及びイソブチルアルコール15部を加えて窒素気流中
で115℃に加温する。115℃に達したらアクリル酸
n−ブチル26部、メタクリル酸メチル47部、スチレ
ン10部、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル10部、
アクリル酸6部及びアゾビスイソブチロニトリル1部の
混合物を3時間かけて加える。添加終了後115℃で3
0分間熟成し、アゾビスイソブチロニトリル1部とエチ
レングリコールモノブチルエーテル115部の混合物を
1時間に渡って加え、30分間熟成後50℃で200メ
ッシュのナイロンクロスでろ過する。
【0052】得られた反応生成物の酸価は48、粘度は
4 (ガードナー泡粘度計)、不揮発分55%であっ
た。このものをジメチルアミノエタノールで当量中和
し、さらに脱イオン水を加えることによって不揮発分5
0%アクリル樹脂水溶液(A−5)を得た。
【0053】製造例4 疎水性メラミン樹脂(B−1)
の製造 温度計、撹拌器及び還流冷却器を備えた2リットルの4
つ口フラスコに、メラミン126部、80%パラホルマ
リン225部、n−ブタノール592部を入れ、10%
苛性ソーダ水溶液にてpH9.5〜10.0に調整した
後、80℃で1時間反応させる(メラミン樹脂b−
1)。
【0054】その後n−ブタノールを888部加え、5
%硫酸水溶液にてpH5.5〜6.0に調整し、80℃で
3時間反応させる。反応終了後、20%苛性ソーダ水溶
液でpH7.0〜7.5まで中和し、60〜70℃でn−
ブタノールの減圧濃縮を行い、ろ過して、メラミン樹脂
(B−1)を得た。
【0055】この樹脂を分析したところ、不揮発分が8
0%、水/メタノール混合溶剤(重量比35/65)で
の溶剤希釈率(以下、単に溶剤希釈率という)が3.
6、重量平均分子量が800であった。
【0056】製造例5 疎水性メラミン樹脂(B−2)
の製造 温度計、撹拌器及び還流冷却器を備えた2リットルの4
つ口フラスコに、製造例4のメラミン樹脂(b−1)5
00部、メタノール320部を入れ、反応系内の酸価を
蟻酸にて1.0に調整する。その後、65℃にて6時間
反応させて、反応終了後1%苛性ソーダ水溶液で蟻酸を
中和し、40〜60℃でメタノールの減圧濃縮を行な
い、ろ過して、メラミン樹脂(B−2)を得た。
【0057】この樹脂を分析したところ、メチル・ブチ
ル混合エーテル化メラミン樹脂であり、その不揮発分は
70%、溶剤希釈率は17.3、重量平均分子量は1,
400〜1,800であった。
【0058】実施例1 製造例4で得た疎水性メラミン樹脂(B−1)を固形分
が20部になるように撹拌容器内に採り、製造例1で得
たグラフト樹脂(A−1)を固形分として5部加え、回
転数1,000〜1,500rpm のディスパーで撹拌し
ながら脱イオン水70部を徐々に加えた後、更に30分
間撹拌を続けて水分散化された平均粒径が0.13μm
で粘度200mPa ・s (E型粘度計100rpm )の本発
明水性樹脂分散体(i)を得た。
【0059】平均粒径は、コールターモデルN4SD(C
OULTER ELECTRONIC, INC) を用いて測定した。
【0060】実施例2 製造例5で得た疎水性メラミン樹脂(B−2)を固形分
が20部になるように撹拌容器内に採り、製造例1で得
たグラフト樹脂(A−1)を固形分として5部加え、実
施例1と同様の方法で水分散化された平均粒径が0.1
5μmで粘度238mPa ・s の本発明水性樹脂分散体
(ii) を得た。
【0061】実施例3 製造例5で得た疎水性メラミン樹脂(B−2)を固形分
20部になるように撹拌容器内に採り、製造例2で得た
グラフト樹脂(A−2)を固形分として5部加え、実施
例1と同様の方法で水分散化された平均粒径が0.16
μmで粘度が240mPa ・s の本発明水性樹脂分散体
(iii )を得た。
【0062】実施例4 製造例5で得た疎水性メラミン樹脂(B−2)を固形分
20部になるように撹拌容器内に採り、製造例2で得た
グラフト樹脂(A−3)を固形分として5部加え、実施
例1と同様の方法で水分散化された平均粒径が0.15
μmで粘度が230mpa ・s の本発明水性樹脂分散体
(iv)を得た。
【0063】比較例1 製造例5で得た疎水性メラミン樹脂(B−2)を固形分
20部になるように撹拌容器内に採り、製造例2で得た
比較用のグラフト樹脂(A−4)を固形分として5部加
え、実施例1と同様の方法で水分散化された平均粒径が
0.17μmで粘度が240mPa ・s の比較水性樹脂分
散体(v)を得た。
【0064】比較例2 製造例5で得た疎水性メラミン樹脂(B−2)を固形分
20部になるように撹拌容器内に採り、製造例3で得た
比較用の水溶性アクリル樹脂(A−5)を固形分として
8部加え、実施例1と同様の方法で水分散化された平均
粒径が0.15μmで粘度が438mPa ・s の比較水性
樹脂分散体(vi)を得た。
【0065】性能試験 上記実施例及び比較例で得た各々の水性樹脂分散体の貯
蔵安定性、熱的安定性及び機械的安定性を下記試験方法
により調べた。
【0066】貯蔵安定性 水性樹脂分散体を20℃で30日間放置したときの粘度
変化と外観を調べた。粘度変化は、作成直後の粘度から
試験終了後の粘度を差引いたものである(E型粘度計1
00rpm 、25℃)。
【0067】熱的安定性 水性樹脂分散体を40℃で10日間放置したときの粘度
変化と外観を調べた。粘度変化は、上記と同様にして調
べた。
【0068】機械的安定性 水性樹脂分散体をサーキュレーション試験(500ター
ンオーバー)したときの粘度変化と外観を調べた。粘度
変化は、上記と同様にして調べた。
【0069】また、サーキュレーション試験条件は、試
料量:2リットル、流量:2リットル/分、装置:グラ
コ社(GRACO、Inc.、米国)製のプランジャーポン
プを用い、配管1/4インチ×5m、送り圧30kg/cm
2 、背圧5kg/cm2 とした。試験結果を表4に示す。
【0070】
【表4】
フロントページの続き (72)発明者 高谷 康雄 神奈川県平塚市東八幡4丁目17番1号 関西ペイント株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−24170(JP,A) 特開 昭63−193968(JP,A) 特開 昭56−49759(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 61/28 C08L 51/00 - 51/10 C09D 151/00 - 151/10 C09D 161/28 C08J 3/03

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】グラフト樹脂(A)と疎水性メラミン樹脂
    (B)とを水性媒体中で分散してなる水性分散体であっ
    て、該グラフト樹脂(A)は重量平均分子量10,00
    0〜100,000、酸価5〜80であり、疎水性主鎖
    と親水性側鎖とからなり、そして該親水性側鎖は重量平
    均分子量が5,000〜50,000で、酸価が20よ
    り大きいこと、且つグラフト樹脂(A)と疎水性メラミ
    ン樹脂(B)との配合割合が、疎水性メラミン樹脂
    (B)の固形分20重量部に対して、グラフト樹脂
    (A)が4〜40重量部であることを特徴とする水性樹
    脂分散体。
  2. 【請求項2】グラフト樹脂(A)の該主鎖と該側鎖との
    比率が、該両成分の合計重量に基づいて、主鎖/側鎖=
    70/30〜30/70(重量比)である請求項1に記
    載の水性樹脂分散体。
  3. 【請求項3】疎水性メラミン樹脂(B)の重量平均分子
    量が、400〜5,000である請求項1に記載の水性
    樹脂分散体。
  4. 【請求項4】疎水性メラミン樹脂(B)が、水/メタノ
    ール混合溶剤(重量比35/65 )での溶剤希釈率が20以
    下のものである請求項1に記載の水性樹脂分散体。
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