JP2002003791A - 水性塗料 - Google Patents

水性塗料

Info

Publication number
JP2002003791A
JP2002003791A JP2000189823A JP2000189823A JP2002003791A JP 2002003791 A JP2002003791 A JP 2002003791A JP 2000189823 A JP2000189823 A JP 2000189823A JP 2000189823 A JP2000189823 A JP 2000189823A JP 2002003791 A JP2002003791 A JP 2002003791A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
water
coating material
aqueous
coating
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000189823A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Nakamura
浩 中村
Masafumi Harada
雅史 原田
Kazuyuki Tate
和幸 舘
Mamoru Mitsusaki
守 光崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Toyota Central R&D Labs Inc
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Toyota Central R&D Labs Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp, Toyota Central R&D Labs Inc filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2000189823A priority Critical patent/JP2002003791A/ja
Publication of JP2002003791A publication Critical patent/JP2002003791A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Paints Or Removers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】良好な仕上がり品質を得るとともに、水性塗料
にクリア塗料をウエットオンウエット塗装する場合でも
良好な光沢と耐水性が得られる水性塗料を得る。 【解決手段】水性塗料中に、(A)高疎水性基を含有
し、水に溶解または分散可能な塗料用樹脂、(B)分子
量が1000以上の架橋剤、とを含むようにする。高疎
水性基を含有する樹脂の水分散液は、低濃度領域では擬
塑性流動を示し、濃度上昇に伴う粘度上昇が抑制され
る。また、分子量が1000以上の架橋剤を含む水性ベ
ース塗料に、クリア塗料をウエットオンウエットで積層
した場合、水性ベース塗料中からクリア塗料中への架橋
剤の移行が抑制される。このため、水性ベース塗料の硬
化不足やクリア塗料の過剰硬化が抑制される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は水性塗料に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】水性塗料をスプレー塗装する場合、良好
な仕上がり品質を得るために、(1)スプレー時には粘
度が低く、塗着時にたれない程度に粘度が高いこと、お
よび(2)塗着後の濃度上昇に伴う粘度上昇がないこと
が必要とされる。
【0003】前記(1)に対しては基本樹脂に、コア・
シェルエマルションを用いる方法(特開昭56−157
358号)や水溶性アクリル樹脂と樹脂粒子とからなる
組成物を用いる方法(特開昭63−111976号)が
提案されている。しかし、これらの方法では、いずれも
濃度上昇に伴って塗料の粘度が単調に上昇するために、
塗装条件(特に、ブース温湿度条件)が変動した場合に
塗料のフロー性(レベリング性)が変動し、良好な仕上
がり品質が得られにくかった。
【0004】また、水性塗料では、これまで、架橋剤と
して水に容易に分散する単核体のメラミン樹脂が主に用
いられていた。このような水性ベース塗料の上にクリア
塗料を積層する場合、2コート1ベーク塗装を行った際
に、水性ベース塗料中からクリア塗料中に架橋剤が移行
しやすい傾向があった。このため、ベース塗料の硬化不
足やクリア塗料の過剰硬化を引き起こして、塗膜の耐水
性や光沢が低下することがあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明では、
良好な仕上がり品質を得るとともに、水性塗料にクリア
塗料をウエットオンウエット塗装する場合でも良好な耐
水性と光沢とが得られる水性塗料を得ることを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記した課題を解決する
ための手段として、本発明では、以下の水性塗料を創作
した。すなわち、(A)高疎水性基を含有し、水に溶解
または分散可能な塗料用樹脂、(B)分子量が1000
以上の架橋剤、を含むことを特徴とする水性塗料を提供
する。
【0007】高疎水性基を含有する樹脂の水分散液は、
低濃度領域では、溶媒である水の量が多いために疎水性
相互作用によって高疎水性基同志の会合が起こり、擬塑
性流動を示す。さらに、濃度上昇に伴って水の量が減少
すると高疎水性基同志の会合が減少して分散液が水中油
滴型(oil in water)エマルションから油中水滴型(wa
ter in oil)エマルションに相変化するために、濃度上
昇に伴う粘度上昇が抑制される。また、高疎水性基を含
有し、水に分散可能な樹脂は、1000以上の分子量を
有する、通常水に分散しない架橋剤を水に分散させるこ
とができる。分子量が1000以上の架橋剤を含む水性
ベース塗料に、クリア塗料をウエットオンウエットで積
層した場合、水性ベース塗料中からクリア塗料中への架
橋剤の移行が抑制される。このため、水性ベース塗料の
硬化不足やクリア塗料の過剰硬化が抑制される。したが
って、本発明の水性塗料によれば、低濃度領域で擬塑性
流動を示し、かつ濃度が上昇しても粘度がほとんど変化
しない濃度範囲を有するために良好な仕上がり品質が得
られるとともに、クリア塗料をウエットオンウエットで
積層し、焼付けた場合でも水性塗料中の架橋剤がクリア
塗料に移行しにくいために良好な耐水性と光沢とが得ら
れる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につき
詳細に説明する。本発明の水性塗料は、少なくとも、以
下の成分(A)及び(B)を有する。 (A)高疎水性基を含有し、水に溶解し、または分散可
能な塗料用樹脂 (B)分子量が1000以上の架橋剤
【0009】本発明の水性塗料に含まれる塗料用樹脂
は、高疎水性基を含有している。高疎水性基としては、
アルキル基やアルケニル基等の脂肪族炭化水素基、シク
ロアルキル基等の脂環式炭化水素基、フェニル基やフェ
ニレン基等の芳香族炭化水素基等が挙げられる。好まし
くは、炭素数12〜24のアルキル基である。このよう
な高疎水性基は、1種あるいは2種以上を組み合わせて
備えることができる。
【0010】本発明の水性塗料に含まれる高疎水性基を
含有する塗料用樹脂は、少なくとも一つの高疎水性基を
有するエチレン性モノマーと、少なくとも一つのその他
の共重合可能なエチレン性モノマー、とを共重合するこ
とによって得られる。高疎水性基を含有するエチレン性
モノマーは、上記の高疎水性基を含有するエチレン性モ
ノマーである。具体的にはアクリル酸n−プロピル、ア
クリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリ
ル酸イソブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸n
−ヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル
酸デシル、アクリル酸ドデシル(ラウリル)、アクリル
酸シクロへキシル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸ヘ
キサデシル(セチル)、アクリル酸ヘプタデシル、アク
リル酸オクタデシル(ステアリル)、メタクリル酸n−
プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソ
ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸n−ヘ
キシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル
酸デシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸シクロ
へキシル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸ヘキサ
デシル(セチル)、メタクリル酸ヘプタデシル、メタク
リル酸オクタデシル(ステアリル)、スチレン、α−メ
チルスチレン、ビニルトルエン等が挙げられる。
【0011】その他の共重合可能なエチレン性モノマー
としては、少なくとも一つの高親水性基を含有するエチ
レン性モノマーを共重合することが望ましい。高親水性
基を含有するエチレン性モノマーの例としては、酸性基
を含有するエチレン性モノマーや水酸基を含有するエチ
レン性モノマーやそれ以外の高親水性基を有するエチレ
ン性モノマーが挙げられる。
【0012】酸性基を含有するエチレン性モノマーの酸
性基の例としては、カルボキシル基やスルホン酸基等が
挙げられる。カルボキシル基を含有するモノマーの例と
しては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレ
イン酸、フマル酸、クロトン酸、イソクロトン酸、3−
ビニルサリチル酸、3−ビニルアセチルサリチル酸等が
あり、また、スルホン酸基を含有するモノマーの例とし
ては、スチレンスルホン酸、p−ビニルベンゼンスルホ
ン酸、2−アクリルアミドプロパンスルホン酸等があ
る。酸性基を含有するエチレン性モノマーは二塩基酸モ
ノマー(マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等)のハー
フエステル、ハーフアミド、ハーフチオエステル類等で
あってもよい。
【0013】水酸基を含有するエチレン性モノマーの例
としては、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル
酸2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸2−ヒドロキシ
ブチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリ
ル酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸2−ヒドロ
キシブチル、ビニルアルコール、アリルアルコール等が
ある。
【0014】酸性基を含有するエチレン性モノマーと水
酸基を含有するエチレン性モノマー以外の高親水性基を
含有するエチレン性モノマーの例としてはアクリルアミ
ド、メタクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N
−メチルメタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリル
アミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N−エチ
ルアクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、N−
ブチルアクリルアミド、N−ブチルメタクリルアミド、
アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル等があ
る。
【0015】本発明の水性塗料に含まれる塗料用樹脂を
合成するための高親水性基を含有するモノマーとして酸
性基を含有するエチレン性モノマーと水酸基を含有する
エチレン性モノマーとを用いるときは酸性基を含有する
エチレン性モノマーを2〜15重量%、水酸基を含有す
るエチレン性モノマーを5〜30重量%使用するのが好
ましい。より好ましくは酸性基を含有するエチレン性モ
ノマーを3〜10重量%、水酸基を含有するエチレン性
モノマーを10〜25重量%使用する。酸性基を含有す
るエチレン性モノマーが2重量%未満では、水分散性が
悪く、樹脂が凝集、沈殿してしまい、15重量%を超え
ると、親水性が高くなりすぎて塗膜の耐水性が低下す
る。水酸基を含有するエチレン性モノマーが5重量%未
満では、塗膜の硬化性が劣り、30重量%を超えると、
親水性が高くなりすぎて塗膜の耐水性が低下する。
【0016】本発明の水性塗料に含まれる塗料用樹脂
は、上記モノマーを反応容器中で溶媒の存在下、アゾ化
合物、有機過酸化物などの重合開始剤を用い、50〜1
50℃の温度で、3〜15時間重合することにより得ら
れる。溶媒としてはメチルアルコール、エチルアルコー
ル、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコー
ル、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール等の
アルコールやエチレングリコールメチルエーテル、エチ
レングリコールエチルエーテル、エチレングリコールn
−プロピルエーテル、エチレングリコールイソプロピル
エーテル、エチレングリコールn−ブチルエーテル、エ
チレングリコールイソブチルエーテル、プロピレングリ
コールメチルエーテル、プロピレングリコールエチルエ
ーテル、プロピレングリコールn−プロピルエーテル、
プロピレングリコールイソプロピルエーテル、プロピレ
ングリコールn−ブチルエーテル、プロピレングリコー
ルイソブチルエーテル等のアルキレングリコールアルキ
ルエーテル等やこれらの混合溶媒が使用できる。アゾ化
合物としては2,2−アゾビスイソブチロニトリル、
2,2−アゾビス(2,4’−ジメチルバレロニトリ
ル)、ジメチル2,2’−アゾビスイソブチレート等が
あり、一方、有機過酸化物としてはベンゾイルパーオキ
サイド、ターシャリーブチルパーオキシベンゾエート、
ターシャリーブチルパーオキシイソブチレート、ターシ
ャリーブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、ク
メンヒドロパーオキサイド等が使用できる。
【0017】このようにして得られる樹脂は、使用した
高疎水性基を含有するエチレン性モノマーの高疎水性基
を有している。さらに、当該樹脂は、高親水性基とし
て、酸性基、水酸基、あるいはこれら以外の高親水性基
を有している場合もある。本発明の塗料用樹脂は、好ま
しくは、高疎水性基と、酸性基と、水酸基とを有する。
また、本塗料用樹脂は、架橋性の官能基を備えることが
好ましい。この樹脂の数平均分子量は2000〜100
000、好ましくは3000〜50000であり、20
00未満では低濃度領域で擬塑性流動を示さないこと、
粘度が低すぎるためにたれやすくなること、および塗膜
物性が劣ることで望ましくない。また、100000を
越えると水分散性が悪くなること、および濃度上昇に伴
って粘度が単調に増加するようになることで望ましくな
い。
【0018】本発明の水性塗料には、分子量が1000
以上の架橋剤を含んでいる。架橋剤の分子量が1000
未満の場合、水性ベース塗料の上にクリア塗料をウエッ
トオンウエットで積層した場合に水性ベース塗料中から
クリア塗料中に移行しやすいためにベース塗料の硬化不
足およびクリア塗料の過剰硬化を引き起こして塗膜の耐
水性や光沢が低下する恐れがある。本発明の水性塗料に
使用する分子量が1000以上の架橋剤の例としてはア
ミノ樹脂およびブロックポリイソシアネート等がある。
アミノ樹脂としては、例えば、メラミン、尿素、ベンゾ
グアナミン、アセトグアナミン、スピログアナミン、ジ
シアンジアミド等のアミノ成分とアルデヒドとの反応に
よって得られる公知の多核メチロール化アミノ樹脂等が
挙げられる。アルデヒドとしては、ホルムアルデヒド、
パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアル
デヒド等が挙げられる。また、この多核メチロール化ア
ミノ樹脂を適当なアルコールによってエーテル化したも
のも使用でき、エーテル化に用いられるアルコールの例
としてはメチルアルコール、エチルアルコール、n−プ
ロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチ
ルアルコール、イソブチルアルコール、2−エチルブタ
ノール、2−エチルヘキサノール等が挙げられる。具体
的には、多核体のメチルエーテル化メラミン樹脂、ブチ
ルエーテル化メラミン樹脂、メチル、ブチル混合エーテ
ル化メラミン樹脂、メチル、イソブチル混合エーテル化
メラミン樹脂等を用いることができる。
【0019】ブロックポリイソシアネートは、1分子中
に遊離イソシアネート基を2個以上有し、そのすべてに
ブロック剤を反応させてなるもので、これは解離温度以
上に加熱するとイソシアネート基が再生し、上記樹脂成
分と架橋反応する。ポリイソシアネート化合物としては
例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチル
ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族イソシアネ
ート類、キシレンジイソシアネート、イソホロンジイソ
シアネート等の環状脂肪族イソシアネート類、トリレン
ジイソシアネート4,4’−ジフェニルメタンジイソシ
アネート等の芳香族イソシアネート類等のオリゴマーや
ポリマーが挙げられる。ブロック剤としては、例えばフ
ェノール化合物、ラクタム化合物、アルコール化合物、
オキシム化合物等が使用される。
【0020】本発明の水性塗料に含まれる塗料用樹脂を
水性媒体中に分散させるには樹脂中の酸性基を塩基性物
質で少なくとも部分的に中和する必要がある。塩基性物
質の例としてはモノメチルアミン、ジメチルアミン、ト
リメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、
トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプ
ロピルアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテ
トラミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミ
ン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミ
ン、ジイソプロパノールアミン、ジメチルエタノールア
ミン、モルホリン、メチルモルホリン、ピペラジン、ア
ンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化
リチウム等がある。
【0021】本発明の水性塗料は、塗料化に際し、必要
に応じエポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂
およびアクリル樹脂等を配合することができる。また、
従来公知の下記成分、すなわち、酢酸エチル、酢酸−n
−ブチル、メチルセロソルブアセテート、ブチルカルビ
トールアセテート等のエステル系溶媒、メタノール、エ
タノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブ
タノール等のアルコール系溶媒、エチレングリコールモ
ノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエー
テル、エチレングリコールモノブチルエーテル等のエー
テル系溶媒等の有機溶媒、キナクリドン等のキナクリド
ン系、ピグメントレッド等のアゾ系、フタロシアニンブ
ルー、フタロシアニングリーン等のフタロシアニン系等
の有機顔料、酸化チタン、硫酸バリウム、炭酸カルシウ
ム、クレー、シリカ、マイカ等の無機顔料、カーボンブ
ラック等の炭素系顔料、アルミニウム、ニッケル、銅、
雲母状酸化鉄、ステンレススチール等のメタリックフレ
ーク粉末等を配合することができる。さらに、表面調整
剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、ドデシルベンゼンスル
ホン酸、パラトルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン
酸、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジオクテー
ト、ジブチル錫ジラウレート等の硬化触媒等を配合する
ことができる。
【0022】本発明の水性塗料は金属(例えば鋼板、表
面処理鋼板等)、プラスチック等の被塗物素材に直接ま
たは被塗物素材にプライマー、プライマー/中塗り、も
しくはプライマー/中塗り/上塗りベースを塗装した塗
膜面に塗布できる。本発明において被塗装物は特に制限
はなく、自動車、船舶、航空機等の輸送機器や建築物、
あるいは電気器具など外板塗装に適用され、特に、自動
車等の高い仕上がり品質が求められる塗装に好ましく適
用される。本発明の水性塗料は、特に、塗装方法は限定
されないが、被塗装物の表面にスプレー塗装されること
が好ましい。スプレー塗装の場合、塗装方法に特に制限
はなく、例えばエアスプレー塗装、エアレススプレー塗
装、エア霧化式、エアレス霧化式もしくは回転霧化式静
電塗装などを使用できる。
【0023】本発明の水性塗料をベース塗料として用
い、ベース塗料を焼付けることなくクリア塗料を塗装し
て焼付ける2コート1ベークで塗装する場合について説
明する。クリア塗料としては、架橋性官能基(例えば、
水酸基、エポキシ基、カルボン酸基、アルコキシシラン
基等)を有するアクリル樹脂、ビニル樹脂、ポリエステ
ル樹脂、アルキド樹脂、ウレタン等からなる群から選ば
れる1種もしくはそれ以上の基体樹脂と、これらを架橋
硬化させるためのアルキルエーテル化されたメラミン樹
脂、尿素樹脂、グアナミン樹脂、ブロックポリイソシア
ネート化合物、エポキシ化合物、カルボン酸含有化合物
等から選ばれる1種もしくはそれ以上の架橋成分とから
なる樹脂組成物を用いることができる。また、有機溶媒
溶液型、粉体型などの従来の公知の熱硬化性塗料が特に
制限なく用いられる。有機溶剤としては、例えば、エス
テル系溶剤、エーテル系溶剤、アルコール系溶剤、ケト
ン系溶剤、脂肪炭化水素系溶剤、脂環族炭化水素系溶
剤、芳香族炭化水素系溶剤等の通常の塗料用溶剤が使用
できる。
【0024】本発明の水性塗料をベース塗料として用
い、クリア塗料を2コート1ベークで塗装する場合、水
性ベース塗料は焼付け後の膜厚が約5〜50μm、特に
約10〜30μmに塗装することが望ましい。クリア塗
料は焼付け後の膜厚が約5〜80μm、特に約10〜6
0μmに塗装することが好ましい。水性ベース塗料は室
温〜90℃で1〜15分予備乾燥(プレヒート)するの
が好ましい。焼付けは100〜170℃で10〜40分
間熱風炉、赤外炉、誘電加熱炉などで加熱するのが好ま
しい。
【0025】
【実施例】本発明を実施例によりさらに詳細に説明す
る。本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
【0026】<実施例1> 塗料用樹脂の合成 攪拌機、温度調節器、還流冷却管を備えた反応容器にイ
ソプロピルアルコール82重量部を仕込み、窒素置換し
た後に温度を80℃にした。ここに、アクリル酸5重量
部、アクリル酸2−ヒドロキシエチル17重量部、メタ
クリル酸n−ブチル66重量部、アクリル酸ステアリル
12重量部およびアゾビスイソブチロニトル0.8重量
部からなるモノマー溶液を5時間かけて添加した後、1
時間攪拌を継続し、数平均分子量15000の樹脂を得
た。そして、この樹脂溶液を固形分濃度が80重量%に
なるまでエバポレータで脱溶媒した後、ジメチルエタノ
ールアミン6重量部と脱イオン水36重量部を添加して
固形分濃度60重量%の水性塗料用樹脂分散液を得た。
【0027】<実施例2> 水性塗料の作製 実施例1で作製した固形分濃度60重量%の水性塗料用
樹脂分散液にメラミン樹脂(三井化学製ユーバン28−
70W、分子量約2000)を水性塗料用樹脂固形分に
対して30重量%の割合で添加した。さらに樹脂固形分
に対して20重量%のジプロピレングリコールn−プロ
ピルエーテルと樹脂固形分に対して10重量%のアルミ
粉末とを混合し、水で希釈して固形分濃度25重量%の
水性メタリックベース塗料を作製した。
【0028】<比較例1> 水性塗料の作製 実施例1で作製した固形分濃度60重量%の水性塗料用
樹脂分散液にメラミン樹脂(三井サイテック社製サイメ
ル303、分子量約700)を水性塗料用樹脂固形分に
対して30重量%の割合で添加し、水で固形分濃度を2
5重量%に希釈して均一に混合した。さらに、樹脂固形
分に対して20重量%のジプロピレングリコールn−プ
ロピルエーテルと樹脂固形分に対して10重量%のアル
ミ粉末とを混合し、水で希釈して固形分濃度25重量%
の水性メタリックベース塗料を作製した。
【0029】<比較例2> 塗料用樹脂の合成 攪拌機、温度調節器、還流冷却管を備えた反応容器にイ
ソプロピルアルコール82重量部を仕込み、窒素置換し
た後に温度を80℃にした。ここに、アクリル酸5重量
部、アクリル酸2−ヒドロキシエチル18重量部、メタ
クリル酸メチル77重量部およびアゾビスイソブチロニ
トリル0.8重量部からなるモノマー溶液を5時間かけ
て添加した後、1時間攪拌を継続し、数平均分子量13
000の樹脂を得た。そして、この樹脂溶液を固形分濃
度80重量%になるまでエバポータで脱溶媒した後、ジ
メチルエタノールアミン7重量部と脱イオン水35重量
部を添加して固形分濃度60重量%の水性塗料用樹脂分
散液を得た。
【0030】<比較例3> 水性塗料の作製 比較例2で作製した固形分濃度60重量%の水性塗料用
樹脂分散液にメラミン樹脂(三井化学製ユーバン28−
70W、分子量約2000)を水性塗料用樹脂固形分に
対して30重量%の割合で添加した。さらに、樹脂固形
分に対して20重量%のジプロピレングリコールn−プ
ロピルエーテルと樹脂固形分に対して10重量%のアル
ミ粉末とを混合し、水で希釈して固形分濃度25重量%
の水性メタリックベース塗料を作製した。
【0031】−水性塗料の粘性の評価− <実施例3>実施例2、比較例1及び3で作製した水性
塗料について、回転型粘度計で粘度のせん断速度依存性
を測定し、粘性挙動(擬塑性流動かニュートン流動か)
を調べるとともに、30〜50重量%に濃度上昇させた
塗料について、せん断速度1×10-1s-1の粘度を回転型粘
度計で測定した。表1に粘性挙動の測定結果を示し、図
1に粘度の測定結果を示す。
【表1】
【0032】表1に示すように、高疎水性基を有する塗
料用樹脂を含む実施例2及び比較例1の水性塗料は、低
濃度領域(固形分濃度25重量%)で擬塑性流動を示し
た。したがって、これらの水性塗料はスプレー塗装に適
していることがわかる。これに対し、高疎水性基を有し
ない塗料用樹脂を含む比較例3の水性塗料は、低濃度領
域でニュートン流動を示した。また、図1に示すよう
に、実施例2及び比較例1の水性塗料は、高濃度領域
(30〜50重量%)で、粘度の上昇が抑制され、固形
分濃度の上昇に伴って粘度が上昇しない濃度範囲を備え
ていた。このことから、これらの水性塗料は、スプレー
塗装後において良好なフロー性を有していることがわか
る。これに対し、比較例3の水性塗料は、濃度の上昇に
伴って粘度も上昇した。
【0033】−仕上がりの評価− <実施例4>電着塗装、中塗り塗装を施した鋼板に実施
例2、比較例1及び3で作製した水性塗料を乾燥塗膜で
15μmとなるようにエアスプレー塗装し、塗装性を評
価した。ついで、80℃で10分間予備乾燥した後、酸
エポキシ硬化型クリア塗料を乾燥塗膜で35μmとなる
ようにエアスプレー塗装し、140℃で30分間焼付け
てから塗膜の光沢と耐水性とを評価した。光沢は目視で
調べた。塗膜の耐水性は塗板を40℃の恒温水槽中に1
0日間浸漬してから、碁盤目剥離試験で調べた。結果を
表2に示す。
【表2】 ○:良好 △:やや不良 ×:不良
【0034】表2に示すように、実施例2の水性塗料
(高疎水性基含有樹脂、架橋剤:分子量1000以上)
を用いた場合、良好な塗装性を有するとともに、水性塗
料からクリア塗料中へ架橋剤が移行しないため、良好な
塗膜の光沢及び耐水性を得ることができた。したがっ
て、実施例2の水性塗料は、2コート1ベーク塗装に適
していることがわかる。これに対し、比較例1(高疎水
性基含有樹脂、架橋剤:分子量1000未満)の水性塗
料は、水性塗料からクリア塗料への架橋剤の移行によ
り、光沢及び耐水性について良好な結果が得られなかっ
た。また、比較例3の水性塗料(高疎水性基非含有樹
脂、架橋剤:分子量1000以上)では、塗装性が良好
でなく、また、塗膜の光沢に問題があった。
【0035】
【発明の効果】本発明の水性塗料によると、良好な仕上
がり品質を得るとともに、水性塗料にクリア塗料をウエ
ットオンウエット塗装する場合でも良好な光沢と耐水性
とが得られる水性塗料を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例2,比較例1及び3の水性塗料について
の、固形分濃度と粘度との関係を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 原田 雅史 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 舘 和幸 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 光崎 守 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 Fターム(参考) 4J038 CC011 CC012 CC021 CC022 CC081 CC082 CG141 CG142 CH031 CH032 CH041 CH042 CH071 CH072 CH081 CH082 DA141 DA142 DA161 DA162 DA171 DA172 DG301 DG302 GA03 GA06 HA176 HA306 JB03 JB09 KA03 MA14 NA01 NA04 NA19 PA19 PC02 PC08

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)高疎水性基を含有し、水に溶解また
    は分散可能な塗料用樹脂、(B)分子量が1000以上
    の架橋剤、を含むことを特徴とする水性塗料。
  2. 【請求項2】前記高疎水性基は炭素数12〜24のアル
    キル基であることを特徴とする、請求項1記載の水性塗
    料。
  3. 【請求項3】前記の架橋剤はアミノ樹脂およびポリイシ
    アネート化合物であることを特徴とする、請求項1又は
    2記載の水性塗料。
JP2000189823A 2000-06-23 2000-06-23 水性塗料 Pending JP2002003791A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000189823A JP2002003791A (ja) 2000-06-23 2000-06-23 水性塗料

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000189823A JP2002003791A (ja) 2000-06-23 2000-06-23 水性塗料

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002003791A true JP2002003791A (ja) 2002-01-09

Family

ID=18689407

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000189823A Pending JP2002003791A (ja) 2000-06-23 2000-06-23 水性塗料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002003791A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102959019A (zh) * 2010-07-02 2013-03-06 关西涂料株式会社 形成多层涂膜的方法
CN109504196A (zh) * 2018-10-30 2019-03-22 韶关市合众化工有限公司 一种可进行湿碰湿施工的水性丙烯酸氨基烘烤清漆的制备方法
CN109722154A (zh) * 2018-12-26 2019-05-07 南京长江涂料有限公司 一种汽车修补用水性聚氨酯金属闪光漆及其制备方法

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63193968A (ja) * 1987-02-06 1988-08-11 Kansai Paint Co Ltd 水性被覆組成物
JPH0741729A (ja) * 1993-05-24 1995-02-10 Kansai Paint Co Ltd 水性樹脂分散体
JPH09235487A (ja) * 1995-12-28 1997-09-09 Nippon Paint Co Ltd 熱硬化性水性樹脂組成物、その製造方法、水性塗料組成物、塗装方法及び塗装物
JPH10183065A (ja) * 1996-12-27 1998-07-07 Toyota Central Res & Dev Lab Inc 塗料用樹脂組成物
WO1998031756A1 (fr) * 1997-01-21 1998-07-23 Kansai Paint Company, Limited Composition de peinture metallisee a base d'eau et procede de formation d'une couche de finition
JPH10338719A (ja) * 1997-06-05 1998-12-22 Nippon Paint Co Ltd フィルム形成性親水性樹脂および塗料組成物
JP2000063763A (ja) * 1997-10-03 2000-02-29 Toyota Central Res & Dev Lab Inc 塗料用樹脂

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63193968A (ja) * 1987-02-06 1988-08-11 Kansai Paint Co Ltd 水性被覆組成物
JPH0741729A (ja) * 1993-05-24 1995-02-10 Kansai Paint Co Ltd 水性樹脂分散体
JPH09235487A (ja) * 1995-12-28 1997-09-09 Nippon Paint Co Ltd 熱硬化性水性樹脂組成物、その製造方法、水性塗料組成物、塗装方法及び塗装物
JPH10183065A (ja) * 1996-12-27 1998-07-07 Toyota Central Res & Dev Lab Inc 塗料用樹脂組成物
WO1998031756A1 (fr) * 1997-01-21 1998-07-23 Kansai Paint Company, Limited Composition de peinture metallisee a base d'eau et procede de formation d'une couche de finition
JPH10338719A (ja) * 1997-06-05 1998-12-22 Nippon Paint Co Ltd フィルム形成性親水性樹脂および塗料組成物
JP2000063763A (ja) * 1997-10-03 2000-02-29 Toyota Central Res & Dev Lab Inc 塗料用樹脂

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102959019A (zh) * 2010-07-02 2013-03-06 关西涂料株式会社 形成多层涂膜的方法
CN102959019B (zh) * 2010-07-02 2015-05-13 关西涂料株式会社 形成多层涂膜的方法
CN109504196A (zh) * 2018-10-30 2019-03-22 韶关市合众化工有限公司 一种可进行湿碰湿施工的水性丙烯酸氨基烘烤清漆的制备方法
CN109722154A (zh) * 2018-12-26 2019-05-07 南京长江涂料有限公司 一种汽车修补用水性聚氨酯金属闪光漆及其制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6541070B2 (en) Method of forming a composite coating film comprising a pigment and resin emulsion
US7842751B2 (en) Water-based paint compositions
JP3099099B2 (ja) 塗料組成物及び塗装方法
US8409721B2 (en) Production method of pigment-dispersing resin
JP2863076B2 (ja) 硬化性樹脂組成物、塗料組成物および塗膜形成方法
EP0960917B1 (en) Water-base metallic paint composition and method of forming overcoat
WO2003106560A1 (ja) 水性樹脂組成物
JPH10338719A (ja) フィルム形成性親水性樹脂および塗料組成物
JP5127519B2 (ja) 水性メタリック塗料組成物
JPH07207220A (ja) 水性塗料組成物及びそれを用いた塗装法
JP2001311035A (ja) 塗膜形成方法
JP2002003791A (ja) 水性塗料
JP3356506B2 (ja) 水性塗料組成物
JP2001220539A (ja) 水性塗料
JP2741379B2 (ja) クリヤーコート用塗料
US20020007769A1 (en) Coating composition
JP2007197705A (ja) 水性メタリック塗料組成物
JP2001220412A (ja) 水性塗料用樹脂
JP5052374B2 (ja) リン酸基含有樹脂
JP3585001B2 (ja) 水性塗料用樹脂組成物
JPH078974B2 (ja) 熱硬化性溶剤型の塗料組成物
JP2000001662A (ja) 粘性制御剤
JP2001254056A (ja) 水性塗料
JP2822587B2 (ja) 塗膜の形成方法
WO2009081943A1 (ja) 複層塗膜形成方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060613

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20060620

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20060620

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20091222

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100112

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20100713