JP2000001662A - 粘性制御剤 - Google Patents

粘性制御剤

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JP2000001662A
JP2000001662A JP16743798A JP16743798A JP2000001662A JP 2000001662 A JP2000001662 A JP 2000001662A JP 16743798 A JP16743798 A JP 16743798A JP 16743798 A JP16743798 A JP 16743798A JP 2000001662 A JP2000001662 A JP 2000001662A
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Japan
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polymer
hydrophobic
hydrophilic
viscosity
group
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JP16743798A
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Hiroshi Nakamura
浩 中村
Kazuyuki Tate
和幸 舘
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Toyota Central R&D Labs Inc
Original Assignee
Toyota Central R&D Labs Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】水性分散体の粘度の濃度依存性を低減できる粘
性制御剤を提供する。 【解決手段】溶解パラメーター(δsp)が9.5以上の
親水性ポリマーを疎水化修飾して得られる、及び/又
は、溶解パラメーター(δsp)9.5未満の疎水性ポリ
マーを親水化修飾して得られる、疎水性部分と親水性部
分とを備える粘性制御剤を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する分野】本発明は、粘性制御剤の分野に属
し、詳しくは、水性分散体(水性塗料等)の濃度依存性
を低減することのできる粘性制御剤に関する。
【0002】
【従来の技術】水性分散体、例えば水性塗料等の塗料の
粘性を制御することは、高い仕上がり品質の塗膜を得る
ために重要である。特に、水性塗料(いわゆる、水溶性
樹脂塗料、ディスパージョン塗料、エマルション塗料を
包含する。以下、同じ。)をスプレー塗装する場合、ス
プレー時には、当該塗料の微粒化状態を良好に保つため
に粘度が低く、塗着時には、塗料のたれ等を防ぐことが
できる程度に粘度が高いことが必要である。かかる要求
は、水性塗料が擬塑性流動(せん断速度及びせん断応力
の増大とともに粘度が低下する流動)を示すことで実現
される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このため、特開昭56
−157358号公報には、基体樹脂にコア・シェルエ
マルションを用いることが、特開平1−287162号
公報には、グラフトポリマーを分散した組成物を水性塗
料に用いることが提案されている。しかしながら、コア
・シェルエマルションを用いる方法では、塗装後の乾燥
による塗料の濃度(樹脂、顔料等の不揮発分濃度)の上
昇に伴って、粘度が単調に上昇する。塗料の粘度が上昇
すると、塗料のフロー(レベリング)性が低下し、仕上
がりに悪影響を及ぼすことが知られている。また、グラ
フトポリマーを用いる方法でも、濃度上昇に伴って粘度
が単調に増加する。このため、塗装条件、特に、塗装ブ
ースにおける温湿度条件が変動した場合、塗料のフロー
(レベリング)性が被塗装物毎あるいは塗装工程毎にば
らついてしまい、安定して良好な仕上がりを得るのが困
難であった。特に、大型の被塗装物を塗装する場合に
は、塗装箇所によって塗料の濃度に違いが生じやすいた
めに、フロー性が塗装箇所によってばらついてしまい、
良好な仕上がりを得るのが困難であった。
【0004】そこで、本発明は、水性分散体の粘度の濃
度依存性を低減できる粘性制御剤を提供することを目的
とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明では、親水性ポリ
マーを疎水化修飾して得られる、及び/又は、疎水性ポ
リマーを親水化修飾して得られる、疎水性部分と親水性
部分とを備える粘性制御剤を提供する。
【0006】本発明で提供する粘性制御剤は、その水性
分散体、及び、必要により粘性制御剤以外の他の物質も
併せて分散された水性分散体(水性塗料等)において、
以下の作用を奏する。本粘性制御剤が低濃度領域にある
ときは、溶媒である水性媒体の量が多いため、疎水性相
互作用によって、疎水性部分が会合する。これにより、
水性分散体に擬塑性流動を発現させることができる。一
方、高濃度領域にあるときは、疎水性部分の会合が減少
し、あるいはなくなってしまう。これにより、樹脂の濃
度が高くなっても、粘度上昇が抑制される。いずれの濃
度領域においても、親水性部分により、本粘性制御剤の
水性媒体における分散性あるいは溶解性は確保されてい
る。すなわち、本粘性制御剤は、その水性分散体に、粘
度の濃度依存性が低減された濃度範囲を付与する。
【0007】このため、この粘性制御剤を用いて、例え
ば水性塗料を調製した場合には、塗料をスプレー塗装す
る際、塗料中には水が多く塗料の濃度が低いが、この粘
性制御剤により擬塑性流動が発現するので、良好な微粒
化状態を保つとともに塗装直後の塗料のたれが防止され
る。また、塗布後、乾燥工程において塗料の濃度が高ま
っても、この粘性制御剤により粘性上昇が抑制されるの
で、フロー性が良好となる。したがって、この粘性制御
剤を用いた水性塗料は、塗装条件、特に温湿度条件の変
動にかかわらず、安定したフロー性を発揮し、安定的に
良好な仕上がりの塗膜が得られる。また、大型被塗物の
塗装に際しても、全体に均一なフロー性により良好な仕
上がりの塗膜が得られる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て詳細に説明する。本発明の粘性制御剤は、親水性ポリ
マーを疎水化修飾して得られるポリマー、及び/又は、
疎水性ポリマーを親水化修飾して得られるポリマー、を
含有する粘性制御剤である。
【0009】本発明で用いる親水性ポリマーは、水性媒
体中で溶解あるいは分散する性質を有するポリマーであ
り、溶解性パラメーター(δsp)が9.5以上のポリマ
ーである。親水性ポリマーは、本粘性制御剤に親水性部
分を付与する。
【0010】このような親水性ポリマーは、親水性エチ
レン性モノマーを主成分とするモノマーを重合すること
によって得られる。ここでエチレン性モノマーとは、重
合性不飽和二重結合を有する化合物である。親水性エチ
レン性モノマーの例としては、イオン性基含有エチレン
性モノマー、水素結合性基含有エチレン性モノマーや炭
化水素数の少ないエチレン性モノマーが挙げられる。イ
オン性基含有エチレン性モノマーの例としては、アクリ
ル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、3−ビ
ニルサリチル酸、3−ビニルアセチルサリチル酸、スチ
レンスルホン酸、p−ビニルベンゼンスルホン酸、2−
アクリルアミドプロパンスルホン酸等が挙げられる。水
素結合性基含有エチレン性モノマーの例としては、アク
リル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキ
シプロピル、アクリル酸2−ヒドロキシブチル、メタク
リル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロ
キシプロピル、メタクリル酸2−ヒドロキシブチル、ア
クリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチル
アミノエチル、アクリルアミド、N,N−ジメチルアク
リルアミド、ビニルアルコール、エチレングリコール、
エチレンイミン、ビニルピリジン、ビニルアミン、アリ
ルアミン、ビニルピロリドン等がある。また、炭化水素
数の少ないエチレン性モノマーの例としては、アクリル
酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピ
ル、アクリル酸イソプロピル、メタクリル酸メチル、メ
タクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタク
リル酸イソプロピル等を挙げることができる。これら親
水性ポリマーは、1種類でも、あるいは2種類以上を組
み合わせて使用することができる。
【0011】本発明で用いる、溶解性パラメーター(δ
sp)とは、分子間の凝集エネルギーを表わすパラメータ
ーであり、式(1) によって表わされる。 δsp= (ΔHv−RT)/V (1) ΔHv:温度T(K)における蒸発潜熱 R:分子気体定数 T:絶対温度 V:分子容 より具体的には式(2) を用いて原子団の凝集エネルギー
からδspを求めることができることがSmall(Journal of
Applied Chemistry,vol.69,2809p(1953) やHoy(Journa
l of Paint Technology,vol.42,No.541,76p(1970))によ
って示されている。 δsp= ρ(ΣG)/M (2) ρ:密度 G:凝集エネルギー M:分子量
【0012】なお、親水性ポリマーは、親水性基を有す
るモノマーを重合することによって得られるもののみな
らず、親水性でないポリマーに、イオン性基や水素結合
性基を付加することや、ポリマーの部分的分解によって
イオン性基や水素結合性基を生成することによっても得
られる。
【0013】親水性ポリマーには、親水性基を有するモ
ノマーに由来する構造単位以外にも、得られる親水性ポ
リマーの溶解性パラメーター(δsp)を9.5未満にさ
せない程度に、上記以外のモノマー単位を有していても
よい。このような親水性ポリマーとしては、数平均分子
量が1,000〜50,000であることが好ましい。
1,000未満であると、粘度が低すぎて低濃度領域で
擬塑性流動を示しにくく、50,000を越えると粘度
が高くなりすぎるからである。より好ましくは、2,0
00〜30,000である。
【0014】本発明で用いられる疎水性ポリマーは、水
性媒体中で凝集あるいは沈殿するポリマーであり、溶解
性パラメーター(δsp)が9.5未満のポリマーであ
る。疎水性ポリマーは、本粘性制御剤に、疎水性部分を
付与する。このような疎水性ポリマーは、疎水性エチレ
ン性モノマーを主成分とするモノマーを重合することに
よって得られる。このような疎水性エチレン性モノマー
としては、例えば、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸
イソブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸n−ヘ
キシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸デ
シル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクタデシル、
アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸グリシジル、メ
タクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタ
クリル酸t−ブチル、メタクリル酸n−ヘキシル、メタ
クリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸デシル、メ
タクリル酸ドデシル、メタクリル酸オクタデシル、メタ
クリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸グリシジル、ス
チレン、メチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルピリ
ジン、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン、アクリ
ロニトリル、メタクロニトリル等を挙げることができ
る。これらの疎水性エチレン性モノマーは、1種類で
も、あるいは2種類以上を組み合わせて使用することが
できる。
【0015】疎水性ポリマーには、疎水性基を有するモ
ノマーに由来する構造単位以外にも、得られる疎水性ポ
リマーの溶解性パラメーター(δsp)を9.5以上にさ
せない程度に、上記以外のモノマー単位を有していても
よい。このような疎水性ポリマーとしては、数平均分子
量が1,000〜50,000であることが好ましい。
1,000未満であると、粘度が低すぎて低濃度領域で
擬塑性流動を示しにくく、50,000を越えると粘度
が高くなりすぎるからである。より好ましくは、2,0
00〜30,000である。
【0016】親水性ポリマー及び疎水性ポリマーは、こ
れらのモノマーを反応容器中で、アゾ化合物、有機過酸
化物などの重合開始剤を用い、モノマー混合組成物を5
0〜150℃の温度で、3〜15時間重合することによ
り得られる。アゾ化合物としては2,2’−アゾビスイ
ソブチロニトリル、2,2’アゾビス(2,4’−ジメ
チルバレロニトリル)、ジメチル2,2’−アゾビスイ
ソブチレイトなどが使用でき、一方、有機過酸化物とし
てはベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ
ベンゾエイト、t−ブチルパーオキシイソブチレート、
t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエイト、クメ
ンヒドロパーオキサイド等が使用できる。
【0017】重合の実施に際しては、従来公知の方法に
よって、各種形態の共重合体を得るようにする。共重合
体の形態は、ランダム共重合体、交互共重合体、テーパ
ー、ジ、トリ、テトラ、マルチ、ラジアル等のブロック
共重合体、グラフト共重合体等とすることができる。ラ
ンダム共重合体及びテーパーブロック共重合体は、一般
に2種類以上のモノマーを重合系に仕込むことにより得
られる。また、ブロック共重合体は、一般に、一方の単
量体を重合させた後、もう一方の重合体を仕込むことに
より得られる。グラフト共重合体は、グラフト可能なモ
ノマーを含んだ主鎖あるいは側鎖を合成し、このポリマ
ーに側鎖あるいは主鎖を形成するモノマーを共重合させ
たり、あるいは、主鎖あるいは側鎖の一部に、重合性二
重結合を導入し、この部位に、側鎖あるいは主鎖を形成
するモノマーを共重合させたりすることができる。ある
いは、マクロモノマーを用いたり、主鎖部分の炭素鎖と
側鎖部分の炭素鎖とを、エステル結合あるいはエーテル
結合等で結合してもよい。
【0018】本発明の粘性制御剤は、このような親水性
ポリマーを疎水化修飾して得られるポリマー、及び/又
は、このような疎水性ポリマーを親水化修飾して得られ
るポリマーによって含んでいる。すなわち、親水性ポリ
マーを疎水化修飾して得られるポリマーを含有する粘性
制御剤、疎水性ポリマーを親水化修飾して得られるポリ
マーを含有する粘性制御剤、あるいは、親水性ポリマー
を疎水化修飾して得られるポリマーと疎水性ポリマーを
親水化修飾して得られるポリマーとを含有する粘性制御
剤として得られる。親水性ポリマーを疎水化修飾すると
は、親水性ポリマーに、重合反応によらないで疎水性部
分を形成することである。具体的には、親水性ポリマー
に、炭素数が多いアルキル基や環状のアルキル基、コレ
ステロール基等の疎水性の官能基を結合したり、溶解性
パラメーター(δsp)が9.5未満の疎水性ポリマーを
結合したりすることによって達成される。したがって、
親水性ポリマーを疎水化修飾することにより、ポリマー
に由来する親水性部分と修飾によって得られた疎水性部
分とを備えた粘性制御剤が得られる。
【0019】疎水化修飾、すなわち、疎水性部分を形成
するのに好ましく用いられる官能基としては、炭素数6
〜24の直鎖状アルキル基を挙げることができ、例え
ば、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、
デシル基、ウンデシル基、ドデシル(ラウリル)基、ト
リデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサ
デシル(セチル)基、ヘプタデシル基、オクタデシル
(ステアリル)基等を挙げることができる。また、炭素
数6〜24の環状アルキル基も好ましく用いられ、例え
ば、シクロヘキシル基、シクロデシル基、シクロドデシ
ル基、シクロペンタデシル基等を挙げることができる。
更に、炭素数6〜24の分岐状アルキル基も好ましく用
いられ、例えば、イソヘキシル基、エチルヘキシル基、
エチルオクチル基、イソドデシル基、イソヘキサデシル
基、イソオクタデシル基等を挙げることができる。これ
らの官能基は、1種類でも、あるいは2種類以上を組み
合わせて使用することができる。
【0020】疎水化修飾は、例えば、以下の反応によっ
て達成される。 (1)親水性ポリマーの水酸基と、疎水性の官能基ある
いは疎水性ポリマー部分を有するエポキシ化合物とのエ
ーテル化反応 (2)親水性ポリマーの水酸基と、疎水性の官能基ある
いは疎水性ポリマー部分を有するカルボン酸クロライド
化合物とのエステル化反応 (3)親水性ポリマーのカルボキシル基と、疎水性の官
能基あるいは疎水性ポリマー部分を有するエポキシ化合
物とのエステル化反応 (4)親水性ポリマーのカルボキシル基と、疎水性の官
能基あるいは疎水性ポリマー部分を有するアミノ化合物
とのアミド化反応
【0021】疎水性ポリマーを親水化修飾するとは、疎
水性ポリマーに、重合反応によらないで親水性部分を形
成することである。具体的には、疎水性ポリマー中のエ
ステル結合を分解してカルボキシル基を得ること、親水
性の官能基を結合すること、溶解性パラメーター(δs
p)が9.5以上の親水性ポリマーを結合すること等に
よって達成される。したがって、疎水性ポリマーを親水
化修飾することにより、ポリマーに由来する疎水性部分
と修飾によって得られた親水性部分とを備えた粘性制御
剤が得られる。
【0022】親水性部分を形成するのに好ましく用いら
れる官能基は、カルボン酸、スルホン酸、リン酸、アミ
ン等のイオン性基、水酸基、アミド基や、エーテル結
合、ウレタン結合、尿素結合、エステル結合等を含む官
能基等を挙げられる。これらの官能基は、1種類でも、
あるいは2種類以上を組み合わせて使用することができ
る。
【0023】親水化修飾は、例えば、以下の反応によっ
て達成される。 (1)疎水性ポリマー中のアルキルエステル結合等のエ
ステル結合の加水分解反応 (2)疎水性ポリマー中のカルボン酸クロライド基と、
親水性ポリマー中の水酸基、あるいは、親水性ポリマー
部分や親水性の官能基と水酸基とを有する化合物とのエ
ステル化反応 (3)疎水性ポリマーのグリシジル基と、親水性ポリマ
ー中の水酸基、あるいは、親水性ポリマー部分や親水性
の官能基と水酸基とを有する化合物とのエーテル化反応 (4)疎水性ポリマーのアミノ基と、親水性ポリマー中
のカルボキシル基、あるいは、親水性ポリマー部分や親
水性の官能基とカルボキシル基を有する化合物とのエス
テル化反応 (5)疎水性ポリマーのグリシジル基と、親水性ポリマ
ー中のカルボキシル基、あるいは親水性ポリマー部分や
親水性の官能基とカルボキシル基を有する化合物とのエ
ステル化反応 なお、疎水性ポリマー中の酸クロライド基は、アクリル
酸クロライド、メタクリル酸クロライド等をモノマーと
して使用することによって付与される。また、グリシジ
ル基は、グリシジルメタクリレートやグリシジルアクリ
レート等をモノマーとして使用することによって付与さ
れる。
【0024】本粘性制御剤を構成するポリマーの数平均
分子量は1,000〜50,000であることが好まし
い。1,000未満であると、粘度が低すぎて低濃度領
域で擬塑性流動を呈しにくく、50,000を越える
と、粘度が高くなりすぎるからである。より好ましく
は、2,000〜30,000である。
【0025】本粘性制御を水性媒体中に分散させるため
に、本粘性制御剤中の酸性基の少なくとも一部を塩基性
物質で中和することができる。かかる塩基性物質の例と
しては、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチ
ルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエ
チルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピル
アミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミ
ン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリ
エタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイ
ソプロパノールアミン、ジメチルエタノールアミン、モ
ルホリン、メチルモルホリン、ピペラジン、アンモニ
ア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウ
ム等が挙げられる。
【0026】本粘性制御剤は、種々の形態及び/又は用
途で用いられる。形態としては、本粘性制御剤は、多く
の場合、水をはじめとする水性媒体への分散させた水性
分散体として提供される。用途としては、主に水性塗料
の粘性制御剤、接着剤の粘性制御剤、インクの粘性制御
剤として用いられる。塗料用に用いる場合、架橋剤を配
合して熱硬化性水性塗料組成物として用いるのが好まし
い。架橋剤の例としてはアミノ樹脂およびブロックポリ
イソシアネート等がある。アミノ樹脂としては、例え
ば、メラミン、尿素、ベンゾグアナミン、アセトグアナ
ミン、スピログアナミン、ジシアンジアミド等のアミノ
成分とアルデヒドとの反応によって得られる公知の部分
もしくは完全メチロール化アミノ樹脂等が挙げられる。
アルデヒドとしては、ホルムアルデヒド、パラホルムア
ルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド等が挙
げられる。また、このメチロール化アミノ樹脂を適当な
アルコールによってエーテル化したものも使用でき、エ
ーテル化に用いられるアルコールの例としてはメチルア
ルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコー
ル、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、
イソブチルアルコール、2−エチルブタノール、2−エ
チルヘキサノール等が挙げられる。
【0027】ブロックポリイソシアネートは1分子中に
遊離イソシアネート基を2個以上有するポリイソシアネ
ート基のすべてにブロック剤を反応させてなるもので、
これは解離温度以上に加熱するイソシアネート基が再生
し、上記樹脂成分と架橋反応する。ポリイソシアネート
化合物としては例えば、ヘキサメチレンジイソシアネー
ト、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の脂
肪族イソシアネート類、イソホロンジイソシアネート等
の環状脂肪族イソシアネート類、キシレンジイソシアネ
ート、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニ
ルメタンジイソシアネート等の芳香族イソシアネート類
等が挙げられる。ブロック剤としては、例えばフェノー
ル化合物、ラクタム化合物、アルコール化合物、オキシ
ム化合物等が使用される。
【0028】本粘性制御剤は、塗料化に際し、必要に応
じセルロースアセテート、エポキシ樹脂、ポリエステル
樹脂、アルキド樹脂およびアクリル樹脂等を配合するこ
とができる。また、従来公知の下記成分を含有すること
ができる。すなわち、有機溶剤(エチレングリコールモ
ノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエー
テル、エチレングリコールモノn−ブチルエーテル、エ
チレングリコールモノn−ヘキシルエーテル等のエーテ
ル系溶媒、メタノール、エタノール、イソプロパノー
ル、n−ブタノール、sec−ブタノール、イソブタノ
ール、tert−ブタノール、n−ヘキサノール等のア
ルコール系溶媒、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イ
ソブチル、メチルセロソルブアセテート、ブチルカルビ
トールアセテート等のエステル系溶媒等)、有機顔料
(キナクリドン等のキナクリドン系、ピグメントレッド
等のアゾ系、フタロシアニンブルー、フタロシアニング
リーン等のフタロシアニン系等)、無機顔料(酸化チタ
ン、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、クレー、シリカ、
マイカ等)、炭素系顔料(カーボンブラック)、メタリ
ック粉末(アルミニウム、雲母状酸化鉄、ステンレスチ
ール等)、表面調整剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、硬
化触媒(ドデシルベンゼンスルホン酸、パラトルエンス
ルホン酸、ナフタレンスルホン酸、ジブチル錫ジアセテ
ート、ジブチル錫ジオクテート、ジブチル錫ジラウレー
ト、トリエチルアミン、ジエタノールアミン等)等が挙
げられる。
【0029】本粘性制御剤を配合した塗料は、金属(例
えば鋼板、表面処理鋼板等)、プラスチック等の被塗物
素材に直接または被塗物素材にプライマー、プライマー
/中塗り、もしくはプライマー/中塗り/上塗りベース
を施した塗膜面に塗布できる。本粘性制御剤を配合した
塗料の被塗装物は特に制限はなく、自動車、船舶、航空
機等の輸送機器や建築物、あるいは電気器具など外板塗
装に適用され、特に、自動車等の高い仕上がり品質が求
められる塗装に好ましく適用される。自動車用塗料とし
て使用する場合には、例えば、2コート1ベーク、2コ
ート2ベーク等の上塗りベース塗料(メタリック塗料ま
たはソリッドカラー塗料)およびクリアトップコート用
塗料、1コート1ベーク等のソリッドカラー塗料として
使用できる。
【0030】本粘性制御剤を配合した塗料は、被塗装物
の表面に前記塗装をスプレー塗装されるが、この場合塗
装方法に特に制限はなく、例えばエアスプレー塗装、エ
アレススプレー塗装、エア霧化式、エアレス霧化式もし
くは回転霧化式静電塗装などがある。
【0031】
【実施例】本発明を実施例によりさらに詳細に説明す
る。本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。実施例においてモノマーのδspはPolymer Handbook
Third Edition(J.Brandrup,E.H.Immergut(1989)John W
iley& Sons)に記載されているものはその値を、それ以
外は前述の式(2) にHoy(Journal of Paint Technology,
vol.42,No.541,76p(1970))の凝集エネルギーを代入し
て求めた。
【0032】<比較例1>攪拌機、温度調節器、還流冷
却管を備えた反応容器を窒素置換した後、エチレングリ
コールモノメチルエーテル315重量部を仕込み、温度
を90℃にした。ここに、アクリル酸(δsp:12.
9)96重量部、アククリル酸2−ヒドロキシエチル
(δsp:10.6)173重量部、アクリル酸メチル
(δsp:9.8) 116重量部およびアゾビスイソブチ
ロニトリル1.9重量部からなるモノマー溶液を5時間
かけて添加した後、1時間攪拌を継続し、完全にモノマ
ーを消費して、濃度が55重量%、数平均分子量780
0の樹脂(δsp:10.5)を得た。
【0033】<実施例1>攪拌機、温度調節器、還流冷
却管を備えた反応容器を窒素置換した後、ジメチルホル
ムアミド400重量部と、比較例1で合成した後真空乾
燥して溶媒を除いた樹脂100重量部を仕込み、トリエ
チルアミン(和光純薬製)5重量部を添加した。そこ
へ、ステアロイルクロライド(和光純薬製)15重量部
を添加した後、12時間攪拌を継続した。得られた分散
液から、トリエチルアミンの塩酸塩をろ別し、さらに、
真空乾燥して溶媒を除いて疎水化修飾した樹脂を得た。
【0034】<実施例2>攪拌機、温度調節器、還流冷
却管を備えた反応容器を窒素置換した後、イソプロピル
アルコール500重量部と、比較例1で合成した後真空
乾燥して溶媒を除いた樹脂100重量部を仕込み、水酸
化ナトリウム(和光純薬製)10重量部を添加して、温
度を80℃とした。そこへ、1,2−エポキシオクタデ
カン(和光純薬製)15重量部を添加した後、12時間
攪拌を継続した。得られた分散液を真空乾燥して溶媒を
除いて、疎水化修飾した樹脂を得た。
【0035】<実施例3>攪拌機、温度調節器、還流冷
却管を備えた反応容器を窒素置換した後、1−メチル2
−ピロリドン600重量部と、比較例1で合成した後真
空乾燥して溶媒を除いた樹脂100重量部を仕込み、ジ
シクロカルボジイミド(和光純薬製)1重量部を添加し
て、温度を90℃とした。そこへ、ステアリルアミン
(和光純薬製)1重量部を添加した後、12時間攪拌を
継続した。得られた分散液を真空乾燥して溶媒を除い
て、疎水化修飾した樹脂を得た。
【0036】<比較例2>攪拌機、温度調節器、還流冷
却管を備えた反応容器を窒素置換した後、エチレングリ
コールモノブチルエーテル315重量部を仕込み、温度
を100℃とした。ここに、メタクリル酸n−ブチル
(δsp:8.3)154重量部、メタクリル酸メチル
(δsp:9.3)93重量部、アクリル酸クロライド
(δsp:10.5)138重量部及びアゾビスイソブチ
ロニトリル1.9重量部からなるモノマー溶液を5時間
かけて添加した後、1時間攪拌を継続し、濃度55重量
%、数平均分子量7500の樹脂(δsp:8.9)を得
た。
【0037】<実施例4>攪拌機、温度調節器、還流冷
却管を備えた反応容器を窒素置換した後、ジメチルホル
ムアミド400重量部と、比較例2で合成した後真空乾
燥して溶媒を除いた樹脂100重量部を仕込み、トリエ
チルアミン(和光純薬製)5重量部を添加した。そこ
へ、ポリエチレングリコール(δsp:14.5)(和光
純薬製)15重量部を添加した後、12時間攪拌を継続
した。得られた分散液から、トリエチルアミンの塩酸塩
をろ別し、さらに真空乾燥して溶媒を除いて、親水化修
飾した樹脂を得た。
【0038】<実施例5> −分散液の粘性の評価− 実施例1、2、3、4及び比較例1の樹脂を、ジメチル
エタノールアミンで中和した後、水でそれぞれ25重量
%に希釈し、静置して、沈殿がないかを目視で確認し、
水分散性を評価した。水分散性が良好な場合、回転型粘
度計で粘度のせん断速度依存性を測定し、粘性挙動(擬
塑性流動かニュートン流動か)を調べた。これらの結果
を表1に示す。さらに、それぞれ、水で20〜50重量
%に希釈した分散液について、せん断速度10-1-1
粘度を回転型粘度計で測定した。この結果を図1に示
す。
【0039】
【表1】
【0040】<実施例6> −塗装の評価− 実施例1,2,3,4及び比較例1、2の樹脂を、ジメ
チルエタノールアミンで酸価に対して当量で中和し、そ
れぞれ水で25重量%に希釈した後、サイメル303
(三井サイテック社製へキサメトキシメチル化メラミ
ン)を、上記樹脂固形分に対して30重量%の割合で添
加し、均一に混合して水性塗料ワニスを作製した。電着
塗装、中塗り塗装を施した鋼板に上記水性塗料ワニスを
乾燥塗膜で20ミクロンとなるようにエアスプレー塗装
し、塗装性を評価した。ついで、塗装板を乾燥器で14
0℃、30分間焼付けてから外観を評価した。結果を表
2に示す。
【0041】
【表2】
【0042】これらの結果によれば、比較例1で得た修
飾前の樹脂は、粘性及び塗装性ともに不十分であった。
これに対して、実施例1ないし4で得た、修飾後の樹脂
は、粘性及び塗装性とも良好であった。
【0043】
【発明の効果】本発明によれば、水性分散体の粘度の濃
度依存性を低減することのできる粘性制御剤を提供でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1、2、3、4及び比較例1の粘性制御
剤分散液における、濃度と粘度との関係を示す図であ
る。
フロントページの続き Fターム(参考) 4J038 CA021 CA081 CC031 CC071 CC091 CE021 CG031 CG041 CG061 CG071 CG141 CG161 CG171 CG181 CH031 CH041 CH071 CH121 CH171 CH201 CK031 CK041 GA02 GA03 GA06 GA08 GA09 GA13 GA14 LA02 MA08 MA10 MA12 MA15

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】親水性ポリマーを疎水化修飾して得られ
    る、及び/又は、疎水性ポリマーを親水化修飾して得ら
    れる、疎水性部分と親水性部分とを備える粘性制御剤。
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