JP2002308884A - テトラキスフルオロアルキルホウ酸塩およびそれらの導電性塩としての使用 - Google Patents
テトラキスフルオロアルキルホウ酸塩およびそれらの導電性塩としての使用Info
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Abstract
はごくわずかしか加水分解の徴候を示さない導電性塩を
提供することである。本発明の別の目的は、1次および
2次電池、コンデンサ、スーパコンデンンサおよび/ま
たはガルバニ電池の耐用年数および性能を改善するかま
たは高めることである。 【解決手段】 本発明はテトラキスフルオロアルキルホ
ウ酸塩、例えばテトラキスフルオロメチルホウ酸カリウ
ムK[B(CF3)4]、その製造方法、および電解質、
電池、コンデンサ、スーパーコンデンサ、およびガルバ
ニ電池にそれらを使用することに関する。
Description
アルキルホウ酸塩、その製造方法、およびそれらを電解
質、電池、コンデンサ、スーパーコンデンサ、およびガ
ルバニ電池に使用することに関する。
ップおよびパームトップコンピュータ、携帯電話または
ビデオカメラなどの普及、従ってまた軽量で高性能の電
池の需要が世界的に劇的に拡大した。
関連する環境問題のゆえに、耐用年数の長い充電可能な
電池の開発がますます重要となっている。
オン電池は販売されてきた。これらの電池のほとんどは
導電性塩として六フッ化リン酸リチウムを用いる。しか
し、このリチウム塩は極めて加水分解を受けやすくまた
熱安定性が悪い化合物であり、従ってこの塩のこのよう
な性質のために、適正な電池は非常に費用がかかり従っ
て極端にコスト集約的なプロセスによってのみ製造でき
る。また、このリチウム塩の鋭敏さのため、このような
リチウム電池の耐用年数および性能を低下させ、高温な
ど極端な条件で使用することを難しくする。
するために非常に多くの試みがされてきた。例えば、U
S4505997およびUS9202966は、リチウ
ム[トリス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド]
またはリチウム[トリス(トリフルオロメチルスルホニ
ル)メタニド]を電池の導電性塩として使用することを
記載する。これらの塩はいずれも優れた陰イオン安定性
を示し、有機炭酸エステルと高伝導性の溶液を生成す
る。しかし、リチウム[ビス(トリフルオロメチルスル
ホニル)イミド]にはリチウム電池において正極電流導
体として機能する金属アルミニウムを適切に不動態化し
ないという欠点がある。他方、リチウム[トリス(トリ
フルオロメチルスルホニル)メタニド]は非常に大きな
労力によってのみ製造し精製することができ、そのため
電池に導電性塩としてこの塩を使用することは、このよ
うなリチウム電池の製造コストをかなり増加させる。
フッ化ホウ酸リチウムである。しかし、この塩は大抵の
溶剤に比較的溶解しにくく、そのためその溶液は通常イ
オン伝導性が小さい。
は、長期間に渡って全くあるいはごくわずかしか加水分
解の徴候を示さない導電性塩を提供することである。さ
らに、これらの導電性塩はイオン伝導性が大きく、熱安
定性に優れ、通常の溶剤に対する溶解性は良好または非
常に良好であるべきである。本発明の別の目的は、1次
および2次電池、コンデンサ、スーパコンデンンサおよ
び/またはガルバニ電池の耐用年数および性能を改善す
るかまたは高めることである。
般式(I)のテトラキスフルオロアルキルホウ酸塩を提
供することによって達成される。
り、配位子Rの各々は同一で直鎖または分岐鎖であり、
また(CxF2x+1)で表され、1≦x≦8、およびn=
1、2または3である。
スフルオロアルキルホウ酸塩において、Mn+は好ましく
はリチウム、ナトリウムまたはカリウムカチオン、また
より好ましくはリチウムカチオンであるアルカリ金属カ
チオン、マグネシウムカチオンまたはアルミニウムカチ
オンであることが好ましい。
ロアルキルホウ酸塩において、Mn+カチオンは有機カチ
オン、好ましくはニトロシルカチオン、ニトリルカチオ
ン、または一般式[N(R7)4]+、0≦k≦4として
[P(N(R7)2)kR4-k]+、または[C(N(R7)
2)3]+のカチオンであることが好ましい。ここで各置
換基R7は同一であるかまたは異なり、H、CoF
2o+1-p-qHpAq、またはAを表し、式中、1≦o≦1
0、0≦p≦2o+1、0≦q≦2o+1、好ましくは
1≦o≦6、0≦p≦2o+1、0≦q≦2o+1であ
り、またAは任意選択でヘテロ原子をもつ芳香族残基、
あるいは好ましくは5または6員環のシクロアルキル残
基を表す。
0≦k≦4として[P(N(R7)2)kR4-k]+、また
は[C(N(R7)2)3]+カチオンの調製に適するすべ
ての芳香族、複素芳香族または脂環式化合物を、任意選
択でヘテロ原子を含む芳香族または脂環式残基Aとして
用いることができる。
び/または硫黄原子および/または酸素原子を含む5ま
たは6員環の芳香族または脂環式残基、より好ましくは
フェニルまたはピリジン残基である。
Mn+カチオンは一般式が(II)から(IX)の複素芳
香族カチオンからなる群から選択される複素芳香族カチ
オンである。
なり、H、ハロゲン、好ましくはフッ素、あるいは任意
選択でF、Cl、N(CaF(2a+1-b)Hb)2、O(CaF
(2a+ 1-b)Hb)、SO2(CaF(2a+1-b)Hb)、またはC
aF(2a+1-b)Hbで置換されたC1〜8のアルキル残基を表
し、式中1≦a≦6、および0≦b≦2a+1である。
選択でF、Cl、N(CaF(2a+1-b )Hb)2、O(CaF
(2a+1-b)Hb)、SO2(CaF(2a+1-b)Hb)、またはC
aF( 2a+1-b)Hb置換基で置換されたC1〜8のアルキル残
基であってもよく、式中1≦a≦6、および0≦b≦2
a+1である。
スフルオロアルキルホウ酸塩においてもまた、配位子R
が各々同一で、(CxF2x+1)を表し、またx=1また
は2であることが好ましい。各々の配位子Rが同一でC
F3残基であるテトラキスフルオロアルキルホウ酸塩は
特に好ましい。
塩は、純粋な形およびそれらの混合物の形で、電解質、
1次および2次電池、コンデンサ、スーパーコンデンサ
および/またはガルバニ電池に導電性塩として用いるこ
とができる。導電性の塩として、本発明によるこれらの
塩を当業者に公知の他のリチウム塩との混合物に使用す
ることもまた可能である。
電性塩と組み合わせて1〜99%の間の量で用いること
ができる。例えば、LiPF6、LiBF4、LiClO
4、LiAsF6、LiCF3SO3、LiN(CF3S
O2)2、LiC(CF3SO2) 3およびこれらの化合物
の少なくとも2種の混合物からなる群から選択される導
電性塩が適切である。
電気化学電池の電解質に用いることもできる。
に有機イソシアネートを含むこともできる(DE199
44603)。
きる(DE9941566)。
(CF3)2N- 式中、KtはN、P、As、Sb、S、Seを表し、A
はN、P、P(O)、O、S、S(O)、SO2、A
s、As(O)、Sb、Sb(O)を表し、R1、R2お
よびR3は同一であるかまたは異なり、H、ハロゲン、
置換および/または無置換のアルキルCnH2n+1、1〜
18個の炭素原子および1個または複数の二重結合をも
つ置換および/または無置換のアルケニル、1〜18個
の炭素原子および1個または複数の三重結合をもつ置換
および/または無置換のアルキニル、置換および/また
は無置換のシクロアルキルCmH2m-1、一または多置換
および/または無置換フェニル、置換および/または無
置換の複素芳香族基を表し、AはR1、R2および/また
はR3中の異なる位置に含まれていてもよく、Ktは環
または複素環に含まれていてもよく、Ktに結合する基
は同一であるかまたは異なり、nは1〜18であり、m
は3〜7であり、kは0、1〜6であり、lは、x=1
の場合1または2であり、x=0の場合1であり、xは
0、1であり、yは1〜4である。これらの化合物を調
製する方法は、D+がアルカリ金属からなる群から選択
される以下の一般式のアルカリ塩 D+(CF3)2N- を極性有機溶剤中で以下の一般式の塩 [([R1(CR2R3)k]lAx)yKt]+E- と反応させることに特徴がある。式中、Kt、A、
R1、R2、R3、k、l、xおよびyは前記の意味を有
し、またE-はF-、Cl-、Br-、I-、BF4 -、Cl
O4 -、AsF6 -、SbF6 -、またはPF6 -を表す。
物 X−(CYZ)m−SO2N(CR1R2R3)2、 を含む電解質に含めることもでき、式中、XはH、F、
Cl、CnF2n+1、CnF2n-1、(SO2)kN(CR1R2
R3)2であり、YはH、F、Clであり、ZはH、F、
Clであり、R1、R2、R3はHおよび/またはアルキ
ル、フルオロアルキル、シクロアルキルであり、mは0
〜9であり、X=Hの場合は、m≠0であり、nは1〜
9であり、kはm=0の場合、0であり、m=1〜9の
場合、k=1であり、部分的にフッ素化されたかまたは
過フッ素化されたフッ化アルキルスルホニルを有機溶剤
中でジメチルアミンと反応させることによって調製され
る(DE19946673)。
R1およびR2は同一であるかまたは異なり、任意選択で
単結合または二重結合で互いに直接結合し、各々単独ま
たは共に、無置換であるか、あるいはアルキル(C1〜
C6)、アルコキシ基(C1〜C6)、またはハロゲン
(F、Cl、Br)により一から六置換されたフェニ
ル、ナフチル、アントラシルまたはフェナントリルから
なる群からの芳香族環を表すか、あるいは各々単独また
は共に、無置換であるか、あるいはアルキル(C1〜
C6)、アルコキシ基(C1〜C6)、またはハロゲン
(F、Cl、Br)により一から四置換されたピリジ
ル、ピラジルまたはピリミジルからなる群からの芳香族
複素環を表すか、もしくは各々単独または共に、無置換
であるか、あるいはアルキル(C1〜C6)、アルコキシ
基(C1〜C6)、またはハロゲン(F、Cl、Br)に
より一から四置換されたヒドロキシベンゼンカルボニ
ル、ヒドロキシナフタレンカルボニル、ヒドロキシベン
ゼンスルホニル、およびヒドロキシナフタレンスルホニ
ルからなる群からの芳香族環を表し、R3〜R6は各々単
独にまたは対で、任意選択で単結合または二重結合で互
いに直接結合し、以下のように表し、 1.アルキル(C1〜C6)、アルコキシ(C1〜C6)、
またはハロゲン(F、Cl、Br)、 2.無置換であるかあるいはアルキル(C1〜C6)、ア
ルコキシ基(C1〜C6)、またはハロゲン(F、Cl、
Br)により一から六置換されたフェニル、ナフチル、
アントラシルまたはフェナントリル、無置換であるかま
たはアルキル(C1〜C6)、アルコキシ基(C1〜
C6)、またはハロゲン(F、Cl、Br)により一か
ら四置換されたピリジル、ピラジルまたはピリミジルか
らなる群からの芳香族環であって、これらは、以下の方
法を用いて調製される(DE19932317)。 a)適切な溶剤中の三、四、五、六置換フェノールにク
ロロスルホン酸を加え、 b)a)の中間体をクロロトリメチルシランと反応さ
せ、濾過しそして分留し、 c)b)の中間体を適切な溶剤中でリチウムホウ酸テト
ラメタノラートと反応させ、そして最終生成物をそこか
ら単離する。
4)を含む電解質を用いることもでき、適当なホウ素ま
たはリン/ルイス酸/溶剤付加物とリチウムまたはテト
ラアルキルアンモニウムイミド、メタニドまたはトリフ
ラートを反応させることによって調製される。
金属イオンを表し、Eは、BR1R2R3、AlR1R
2R3、PR1R2R3R4R5、AsR1R2R3R4R5、VR
1R2R3R4R5からなる群から選択されるルイス酸を表
し、R1〜R5は同一であるかまたは異なり、任意選択で
単結合または二重結合で互いに直接結合しており、各々
単独にまたは共に、ハロゲン(F、Cl、Br)、部分
的または完全にF、Cl、Brで置換されていてもよい
アルキルまたはアルコキシ残基(C1〜C8)、置換され
ていないかあるいはアルキル(C1〜C8)またはF、C
l、Brによって一から四置換されていてもよく、任意
選択で酸素を通して結合するフェニル、ナフチル、アン
トラシル、またはフェナントリルからなる群からの芳香
族環、置換されていないかあるいはアルキル(C1〜
C8)またはF、Cl、Brによって一から四置換され
ていてもよく、任意選択で酸素を通して結合するピリジ
ル、ピラジル、またはピリミジルからなる群からの芳香
族複素環を表し、またZはOR6、NR6R7、CR6R7
R8、OSO2R6、N(SO2R6)(SO2R7)、C
(SO2R6)(SO2R7)(SO2R8)、OCOR6を
表し、式中R6〜R8は同一であるかまたは異なり、任意
選択で単結合または二重結合で互いに直接結合してお
り、各々単独にまたは共に、水素を表しまたはR1〜R5
と同じ意味をもつ。
722)をまた含むことも可能である。
ルアンモニウムイオンを表し、x、yは1、2、3、
4、5または6を表し、R1〜R4は同一であるかまたは
異なり、任意選択で単結合あるいは二重結合によって互
いに直接結合しているアルコキシまたはカルボキシ残基
(C1〜C8)を表す。これらのホウ酸塩は、非プロトン
性溶剤中でリチウムホウ酸テトラアルコラートまたはリ
チウムアルコラートとホウ酸エステルの1:1混合物を
適切なヒドロキシまたはカルボキシ化合物と2:1また
は4:1の割合で反応させることによって調製される。
を含むこともできる。
2y+1-zHz、OC(O)CyF2y+1-zHz、OSO2CyF
2y+1-zHzであり、1≦x≦6、1≦y≦8、および0
≦z≦2y+1であり、またはR1〜R4は同一であるか
または異なり、置換されていないかあるいはF、CyF
2y+1-zHzまたはOCyF2y+1-zHz、OC(O)CyF
2y+1-zHz、OSO2CyF2y+1-zHz、N(CnF2n+1-z
Hz)2によって一または多置換されていてもよいフェニ
ル、ナフチルからなる群からの芳香族環を表すか、もし
くは各々F、CyF2y+1-zHzまたはOCyF2y+1-zHz、
OC(O)CyF2y+1-zHz、OSO2CyF2y+1-zHz、
N(CnF2n+1-zHz)2よって置換されていてもよいピ
リジル、ピラジルまたはピリミジルからなる群からの複
素環芳香族を表す(DE10027626)。
ロアルキルリン酸リチウムを含む電解質に用いることも
できる。
または異なり、次の一般式の化合物は除外する(DE1
0008955)。
件で、aは2〜5の整数、b=0または1、c=0また
は1、d=2、eは1〜4の整数であり、また配位子
(CHbFc(CF3)d)は同一であるかまたは異なって
いてもよい。フルオロアルキルリン酸リチウムの調製方
法は、少なくとも1つの以下の一般式の化合物がフッ化
水素中の電気分解によってフッ素化され、このようにし
て得られたフッ素化生成物の混合物が抽出、相分離およ
び/または蒸留によって分離され、こうして得られたフ
ッ素化アルキルホスホランを非プロトン性溶剤または混
合溶剤中でフッ化リチウムと水分を排除して反応させ、
そして得られる塩を通常の方法で精製し単離するという
ことに特徴がある。
る。
電解質中に用いることもできる。
(OR4)dFe] 式中、0≦a+b+c+d≦5、およびa+b+c+d
+e=6であり、R1〜R4は互いに独立にアルキル、ア
リールまたはヘテロアリール残基であり、R1〜R4のう
ち少なくとも2つは単結合または二重結合によって互い
に直接結合していてもよい(DE10016801)。
これらの化合物は有機溶剤の存在下に以下の一般式のリ
ン(V)化合物とフッ化リチウムを反応させることによ
って調製できる。
+e=5であり、R1〜R4は前記と同じ意味である。
含むこともできる。
り、任意選択で単結合または二重結合で互いに直接結合
しており、各々は単独にまたは共に、H、ハロゲン、
F、Cl、N(CnF(2n+1-x)Hx)2、O(CnF
(2n+1-x)Hx)、SO2(CnF(2n+1-x)Hx)、CnF
(2n+1-x)Hxによって部分的にまたは完全に置換されて
いてもよいアルキル残基(C1〜C8)を表し、ここで、
1<n<6および0<x≦13である。
アニオンである。
p=4であり、式中、R1〜R4は異なるかまたはそれら
の対として同一であり、任意選択で互いに単結合または
二重結合で直接結合しており、各々単独にまたは共に、
置換されていないかあるいはCnF(2n+1-x)Hx(ここ
で、1<n<6および0<x≦13)またはハロゲン
(F、ClまたはBr)によって一置換または多置換さ
れたフェニル、ナフチル、アントラシルまたはフェナン
トリルからなる群からの芳香族環を表すか、あるいは置
換されていないかあるいはCnF(2n+1-x)Hx(ここで、
1<n<6および0<x≦13)またはハロゲン(F、
ClまたはBr)によって一置換または多置換されたピ
リジル、ピラジルまたはピリミジルからなる群から選択
される芳香族複素環を表すか、あるいはさらなる基、好
ましくはF、Cl、N(CnF(2n+1-x)Hx)2、O(Cn
F(2n+ 1-x)Hx)、SO2(CnF(2n+1-x)Hx)、CnF
(2n+1-x)Hx(ここで、1<n<6および0<x≦1
3)によって部分的または完全に置換されていてもよい
アルキル残基(C1〜C8)を表す。
は共に芳香族または脂肪族カルボキシル、ジカルボキシ
ル、オキシスルホニル、またはオキシカルボニル残基を
表し、これらはさらなる基、好ましくはF、Cl、N
(CnF(2n+1-x)Hx)2、O(CnF(2n+1-x)Hx)、S
O2(CnF(2n+1-x)Hx)、CnF(2n+1-x)Hx(ここ
で、1<n<6および0<x≦13)によって部分的ま
たは完全に置換されていてもよい(DE1002656
5)。
らなる群から選択されるアニオンであるイオン性液体K
+A-を含むこともまた可能である(DE1002799
5)。
+1である。
d、In、Pb、Ga、およびスズまたはこれらの合金
からなる群から選択される被覆金属コアからなる負極材
料を含む電気化学電池のための電解質中に用いることが
できる(DE10016024)。この負極材料の調製
方法は以下の特徴をもつ。 a)ウロトロピン中にコア金属または合金の懸濁液ある
いはゾルを調製し、 b)その懸濁液をC5〜C12の炭化水素で乳化し、 c)そのエマルジョンを金属または合金コア上に沈殿さ
せ、そして d)焼入れすることによって金属水酸化物またはオキシ
水酸化物を対応する酸化物に変化させる。
ムインターカレーションおよび挿入化合物からなる正極
を有する電気化学電池の電解質に用いることもできる
が、また有機溶剤に粒子を懸濁させ、加水分解しうる金
属化合物および加水分解溶液の溶液を懸濁液に加え、続
いて濾過し、乾燥し任意選択で被覆粒子を焼成すること
による1種または複数の金属酸化物で被覆されたリチウ
ム複合酸化物粒子からなる正極材料をもつものに用いる
こともできる(DE19922522)。前記の材料は
また1種または複数のポリマーで被覆されたリチウム複
合酸化物粒子からなることも可能であり(DE1994
6066)、それは粒子を溶剤に懸濁させ、次いで被覆
された粒子を濾過し、乾燥し任意選択で焼成させるプロ
セスを用いて得られる。同様に、本発明による化合物は
アルカリ金属化合物および金属酸化物の1種または複数
の被覆をもつリチウム複合酸化物粒子からなる正極を含
む系に用いることもできる(DE10014884)。
これらの材料の調製方法は、粒子を有機溶剤に懸濁さ
せ、有機溶剤に懸濁されたアルカリ金属塩化合物を加
え、有機溶剤に溶解する金属酸化物を加え、加水分解溶
液をその懸濁液に加え、被覆された粒子を続いて濾別
し、乾燥し、焼成するということに特徴がある。同様
に、本発明による化合物はドープされたスズ化合物をも
つ負極材料を含む系に用いることもできる(DE100
25761)。この負極材料は、 a)塩化スズ溶液に尿素を加えること、 b)溶液にウロトロピンと適切なドーピング化合物を加
えること、 c)こうして得られるゾルを石油エーテル中で乳化する
こと、 d)得られるゲルを洗浄し、吸引により溶剤を除去する
こと、および e)ゲルを乾燥し焼入れすること によって調製できる。
スズ酸化物をもつ負極材料を含む系に用いることもでき
る(DE10025762)。この負極材料は、 a)塩化スズ溶液に尿素を加えること、 b)溶液にウロトロピンを加えること、 c)こうして得られるゾルを石油エーテル中で乳化する
こと、 d)得られるゲルを洗浄し、吸引により溶剤を除去する
こと、 e)ゲルを乾燥し焼入れすること、および f)得られたSnO2を気体供給可能なオーブン中で還
元気体流にさらすこと によって製造される。
として純粋な形で用いられ、その理由はこのようにする
と特に優れた電気化学的特性の再生能が達成できるため
である。
F3残基を表し一般式(I)を有する本発明のテトラキ
スフルオロアルキルホウ酸塩の製造方法を対象とする。
(X)、 Mn+([B(CN)4]-)n (X) (式中、Mn+およびnは前記の意味をもつ)の少なくと
も1種の塩を少なくとも1種の溶剤中で少なくとも1種
のフッ素化剤と反応させることによってフッ素化し、こ
のようにして得られる一般式(I)のフッ素化化合物は
当業者に公知の方法により精製され単離される。
ルホウ酸塩の純度はしばしば>99%である。必要であ
れば、この塩のさらなる精製を当業者に公知の方法、例
えば適切な溶剤または混合溶剤中での再結晶により実施
することができる。当業者は簡単な予備試験によって適
切な溶剤または混合溶剤を選択することができる。
ardt、G.Henkel、H.Willner、
Z.Anorg.Allg.Chem.2000、Vo
l.626、p.560で公表された方法から類推して
合成することができる。この引用文献をここに参照によ
って組み込み、開示の一部とみなす。
の反応は、好ましくは−80〜+20℃の範囲の温度、
より好ましくは−60〜0℃の範囲の温度で実施され
る。
化剤としてフッ素、フッ化塩素、三フッ化塩素、五フッ
化塩素、三フッ化臭素、五フッ化臭素、またはこれらの
フッ素化剤の少なくとも2種の混合物を用いることが好
ましい。フッ化塩素、三フッ化塩素またはフッ化塩素お
よび/または三フッ化塩素を含む少なくとも2種のフッ
素化剤の混合物を使用することが特に好ましい。
な溶剤として、フッ化水素、五フッ化ヨウ素、ジクロロ
メタン、クロロホルム、またはこれらの溶剤の少なくと
も2種の混合物を用いることが好ましい。フッ化水素を
溶剤として用いることが特に好ましい。
ルホウ酸塩はまた固体電解質に使用するのに適してい
る。本発明の意味では、固体電解質は、任意選択で架橋
されたポリマーおよび導電性塩を通常含むポリマー電解
質、さらに任意選択で架橋されたポリマーおよび導電性
塩に加えて少なくとも1種の溶剤を含むゲル電解質であ
ると理解されている。
ロアルキルホウ酸塩、および b)少なくとも1種のポリマー を含む混合物を対象とする。
およびb)の純粋な混合物、成分a)の塩が成分b)の
ポリマーに含まれている混合物、さらに化学的および/
または物理的結合が成分a)の塩と成分b)のポリマー
の間に存在する混合物を含む。
明の混合物は5〜99wt%の成分a)および95〜1
wt%の成分b)、より好ましくは60〜99wt%の
成分a)および40〜1wt%の成分b)を含む。特定
の重量分率の各々は成分a)およびb)の合計に対する
ものである。
ニトリル、好ましくはアクリロニトリル、ビニリデン、
好ましくは二フッ化ビニリデン、アクリル酸エステル、
好ましくはアクリル酸メチル、メタクリル酸エステル、
好ましくはメタクリル酸メチル、環状エーテル、好まし
くはテトラヒドロフラン、アルキレンオキシド、好まし
くはエチレンオキシド、シロキサン、ホスファゼン、ア
ルコキシシランの不飽和のホモポリマーまたはコポリマ
ー、あるいは有機物で変性されたセラミック、もしくは
少なくとも2種の前記のホモポリマーおよび/またはコ
ポリマーおよび任意選択で少なくとも1種の有機物で変
性されたセラミックの混合物を好ましくは含む。
マーは有機物で変性されたセラミックとして適してお
り、これらのポリマーは有機物で変性されたシリコンア
ルコキシドの加水分解および融合とそれに続く無機骨格
に付けられた架橋可能な基の架橋によって得られる。例
として、適当な有機物で変性されたセラミックはORM
OCERE(登録商標)の名称で市販されている。
リデン、アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸メチ
ル、テトラヒドロフランのポリマーまたはコポリマーで
あり、特に好ましくは二フッ化ビニリデンのホモポリマ
ーまたはコポリマーである。
ーおよびコポリマーは、Atofina Chemic
als,Inc.からKynar(登録商標)およびK
ynarflex(登録商標)の名称で、またSolv
ay CompanyによってSolef(登録商標)
の名称で市販されている。
なくとも部分的に架橋されていてもよい。架橋は当業者
に公知の架橋剤を用いて公知の通常の方法によって実施
できる。架橋はまた成分a)および任意選択でさらなる
成分の存在下で実施することができる。
ルホウ酸塩およびポリマーに加えて、本発明による混合
物は溶剤あるいは2種以上の溶剤からなる溶剤の混合物
を含むこともできる。
くは炭酸エチレン、炭酸プロピレン、炭酸ブチレン、炭
酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸エチルメチル、または
炭酸メチルプロピル、有機エステル好ましくはギ酸メチ
ル、ギ酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン
酸メチル、プロピオン酸エチル、酪酸メチル,酪酸エチ
ル、γ−ブチロラクトン、有機エーテル好ましくはジエ
チルエーテル、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、
有機アミド好ましくはジメチルホルムアミドまたはジメ
チルアセトアミド、硫黄含有溶剤好ましくはジメチルス
ルホキシド、亜硫酸ジメチル、亜硫酸ジエチル、または
プロパンスルトン、非プロトン性溶剤好ましくはアセト
ニトリル、アクリロニトリル、またはアセトン、あるい
は前記の溶剤の少なくとも部分的にフッ素化された誘導
体、もしくはこれらの溶剤および/またはこれらの溶剤
がフッ素化された誘導体の少なくとも2種の混合物であ
る。
対象とし、これにより少なくとも1種の前記一般式
(I)のテトラキスフルオロアルキルホウ酸塩および少
なくとも1種のポリマーと任意選択で少なくとも1種の
溶剤が一緒に混合される。
ましくは20〜90℃で、特に好ましくは40〜60℃
で混合され、これらの温度は用いられる成分により替え
てもよい。
池、コンデンサ、スーパーコンデンサ、および/または
ガルバニ電池に、任意選択で他の公知の導電性塩および
/または添加剤と組み合わせて、少なくとも1種の本発
明によるテトラキスフルオロアルキルホウ酸塩または本
発明による混合物を使用することを対象とする。
ルキルホウ酸塩はオレフィンの重合に適している。それ
らはまた触媒活性を有する化合物を製造するのに適して
おり、テトラキスフルオロアルキルホウ酸アニオンがカ
チオン性触媒の対イオンとして機能する。従って、本発
明はまた、テトラキスフルオロアルキルホウ酸塩をオレ
フィンの重合および触媒の製造に使用することを対象と
する。
(I)の本発明によるテトラキスフルオロアルキルホウ
酸塩または本発明による混合物、さらに任意選択で他の
導電性塩および/または添加剤を含む電解質、1次およ
び2次電池、コンデンサ、スーパーコンデンサ、および
ガルバニ電池を対象とする。他の導電性塩および添加剤
は、例えばDoron Auerbach著「Nona
queous Electrochemistry(非
水系の電気化学)」、Marc DekkerIn
c.、New York、1999;D.Linden
の「Handbook of Batteries(電
池ハンドブック)」第2版、MacGraw−Hill
Inc.、New York、1995、およびG.
MamantovとA.I.Popov著「Chemi
stry of Nonaqueous Soluti
ons、Current Progress(非水溶液
の化学、最近の進歩)、VCH Verlagsges
ellscaft、Weinheim、1994によっ
て当業者に知られている。これらの引用文献をここに参
照として組み込み、開示の一部であるとみなす。
01〜3mol/l、より好ましくは0.01〜2mo
l/l、特に好ましくは0.1〜1.5mol/lの濃
度で本発明のテトラキスフルオロアルキルホウ酸塩が含
まれる。
酸エステル好ましくは炭酸エチレン、炭酸プロピレン、
炭酸ブチレン、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸エチ
ルメチル、または炭酸メチルプロピル、有機エステル好
ましくはギ酸メチル、ギ酸エチル、酢酸メチル、酢酸エ
チル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酪酸
メチル,酪酸エチル、γ−ブチロラクトン、有機エーテ
ル好ましくはジエチルエーテル、ジメトキシエタン、ジ
エトキシエタン、有機アミド好ましくはジメチルホルム
アミドまたはジメチルアセトアミド、硫黄含有溶剤好ま
しくはジメチルスルホキシド、亜硫酸ジメチル、亜硫酸
ジエチル、またはプロパンスルトン、非プロトン性溶剤
好ましくはアセトニトリル、アクリロニトリル、または
アセトン、あるいは前記の溶剤の少なくとも部分的にフ
ッ素化された誘導体、もしくはこれらの溶剤および/ま
たはこれらの溶剤がフッ素化された誘導体の少なくとも
2種の混合物を好ましくは含む。
ホウ酸塩および本発明の混合物は、水の存在による分解
の徴候が長期間に渡ってないまたはほとんどないという
こと、およびそれらは大抵の溶剤または混合溶剤に対し
て良いないし非常に良い溶解性があるという点で利点が
ある。
のいずれにおいても熱安定性に優れ、また化学的安定性
に優れる。従って、本発明によるこの塩および混合物は
フッ素などの強い酸化剤に対して安定である。
含む電解質、電池、コンデンサ、スーパーコンデンサ、
およびガルバニ電池を厳しい条件、例えば高温で、この
ような条件により耐用年数および性能に悪影響を受ける
ことなくまた用いることができる。
パーコンデンサ、およびガルバニ電池は電圧が優れて一
定であること、多くの充電/放電サイクルに渡って機能
が制限されないこと、さらに製造コストが低いことなど
によって際立っている。
ホウ酸塩または混合物を大きな電池、例えば電気自動車
またはハイブリッド自動車で使用されるようなもので用
いることにはまた大きな利点がある。というのは毒性が
あり強力な腐蝕性のフッ化水素が電池の損傷、例えば、
水、例えば湿気または消火水との接触なしの事故、の場
合にさえ形成されないからである。
これらの実施例は単に本発明を例示するためのものであ
り、本発明の一般的な考え方を制限しない。
(CF3)4]の調製 1a)85mg(0.60mmol)のNH4[B(C
N)4]を、250mlのPFA(テトラフルオロエチ
レン/過フッ化プロピルビニルエーテルコポリマー)反
応容器中で減圧乾燥した。続いて、約5mlのフッ化水
素および28.4mmolのフッ化塩素(気体体積法で
計量された)を反応容器に凝縮させた。反応混合物を攪
拌しながら20〜25℃の温度でゆっくり加熱し、攪拌
をこの温度でさらに48時間続けた。その後すべての揮
発成分を減圧下反応混合物から除去した。こうして得ら
れた残留物を約5mlの蒸留水に入れ、200mgの炭
酸カリウムで中和し、そして水を減圧除去した。テトラ
キストリフルオロメチルホウ酸カリウム、K[B(CF
3)4]、を得られた残留物からジエチルエーテルで抽出
した。このジエチルエーテルを留去し、173mg
(0.53mmol)のK[B(CF3)4]を得た。
実験手順1b)または1c)により実施することができ
る。
のNH4[B(CN)4]を、500mlのステンレスス
チールのオートクレーブで減圧乾燥した。続いて、約3
0〜40mlのフッ化水素および562mmolのフッ
化塩素(気体容量的方法で計量された)を反応容器に凝
縮させた。反応混合物を攪拌しながら20〜25℃の温
度でゆっくり加熱し、攪拌をこの温度でさらに48〜7
2時間続けた。その後すべての揮発成分を減圧下反応混
合物から除去した。こうして得られた残留物を約50m
lの蒸留水に入れ、3.8gの炭酸カリウムで中和し、
そして水を減圧除去した。テトラキストリフルオロメチ
ルホウ酸カリウムK[B(CF3)4]を得られた残留物
からジエチルエーテルで抽出した。このジエチルエーテ
ルを留去し、3.4g(11.2mmol)のK[B
(CF3)4]を得た。
NH4[B(CN)4]を、250mlのPFA(テトラ
フルオロエチレン/過フッ化プロピルビニルエーテルコ
ポリマー)反応容器中で減圧乾燥した。続いて、約5m
lのフッ化水素および11.4mmolの三フッ化塩素
(気体容量的方法で計量された)を反応容器に凝縮させ
た。反応混合物を攪拌しながら20〜25℃の温度でゆ
っくり加熱し、攪拌をこの温度でさらに19時間続け
た。その後すべての揮発成分を減圧下反応混合物から除
去した。こうして得られた残留物を約7mlの蒸留水に
入れ、300mgの炭酸カリウムで中和し、そして水を
減圧除去した。テトラキストリフルオロメチルホウ酸カ
リウムK[B(CF3)4]を得られた残留物からジエチ
ルエーテルで抽出した。このジエチルエーテルを留去
し、209mg(0.69mmol)のK[B(C
F3)4]を得た。
セトニトリル(200mg/ml、1mol/25mo
lCD3CN)に溶解し、11Bおよび19FNMR分光法
を用いて特性評価をした。11BNMRスペクトルは16
0.5MHz、19FNMRスペクトルは470.6MH
z、および13CNMRスペクトルは125.8MHzの
周波数で記録された。内標準として、11BNMR分光法
ではδ=0ppmに(C2H5)2OBF3、19FNMR分
光法ではδ=0ppmにCFCl3、13CNMR分光法
ではδ=0ppmにテトラメチルシラン(TMS)を用
いた。NMR分光法のデータは以下のようであった。
ppm、2J(11B19F)=25.92Hz、1J(11B
13C)=73.4Hz、1Δ11B(12/13C)=0.00
30ppm、線幅0.5Hz19 FNMRスペクトル:δ=−61.60ppm、2J
(19F11B)=25.92Hz、2J(19F10B)=
8.68Hz、2Δ19F(10/11B)=0.0111pp
m、1J(19F13C)=304.3Hz、1Δ19F(
12/13C)=0.1315ppm、3J(19F13C)=
3.9Hz、3Δ19F(12/13C)=0.0010pp
m、4J(19F19F)=5.8Hz、線幅0.4Hz13 CNMRスペクトル:δ=132.9ppm、1J(
13C19F)=304.3Hz、3J(13C19F)=4.
0Hz、1J(13C11B)=73.4Hz、1J(13C10
B)=24.6Hz、1Δ13C(10/11B)=0.002
9ppm、線幅1.5Hz このようにして得られたテトラキストリフルオロメチル
ホウ酸カリウムの純度は、>99%であった。K[B
(CF3)4]は容易に水、ジエチルエーテルおよびアセ
トニトリルに溶解するが、ジクロロメタン、ペンタンお
よびヘプタンに不溶である。示差熱走査熱量測定によれ
ば、この塩は320℃まで固体状態で安定であり(ΔH
=−90J/g)、−63℃(ΔH=4.5J/g)お
よび−47℃(ΔH=7.8J/g)に2つの相転位が
ある。
リウムのかわりに他の炭酸塩、例えば炭酸リチウム、炭
酸ナトリウム、炭酸ルビジウム、または炭酸セシウムも
しくはそれらの混合物を用いた場合、対応するテトラキ
ストリフルオロメチルホウ酸のリチウム塩、ナトリウム
塩、ルビジウム塩、またはセシウム塩を同じ方法で得る
ことができ、対応するリチウムまたはナトリウム塩はそ
れに結合する溶剤分子をもち、それは引き続いてゆっく
りそれぞれの塩を加熱することによって除去できる。
および24mgの塩化リチウムをポリテトラフルオロエ
チレン製バルブを備える50mlのガラスフラスコ中で
減圧乾燥した。次に、約10mlのテトラヒドロフラン
をフラスコに濃縮し、そして反応混合物を20〜25℃
で1時間攪拌した。生成した塩化カリウムの沈澱を次に
濾別した。こうして得られた溶液を減圧で20〜25℃
の温度で十分に濃縮した。テトラヒドロフランを除去し
た後、300mgの[Li(THF)x][B(CF3)
4]を得た。
ルホウ酸リチウムは168℃まで安定である(ΔH=−
260J/g)。それは、水、テトラヒドロフラン、ア
セトニトリル、メタノール、およびアセトンに容易に溶
解する。テトラヒドロフラン溶媒和分子は140℃まで
に1個づつ除去される(97℃、ΔH=7J/g、13
0℃、ΔH=4J/g)。
F3)4]および1.225g(13.07mmol)の
LiBF4を2:1:2の比の炭酸エチレン、炭酸ジメ
チルおよび炭酸ジエチル混合溶剤13.052gに加え
た。生成したKBF 4の沈澱を濾過によって除去した。
このようにして得られたLi[B(CF3)4]の溶液
(14.522g、11.7ml)の塩濃度は、22.
6wt%すなわち0.96mol/lであった。
フルオロメチルホウ酸の合成 等モル量のテトラキストリフルオロメチルホウ酸カリウ
ムおよび塩化1−エチル−3−メチルイミダゾリウムを
20〜25℃の温度でアセトニトリルに懸濁させた。次
いで、この混合物を10時間この温度で攪拌し、生成し
た塩化カリウムを完全に除去するように冷却してガラス
フリットで減圧濾過した。溶剤を減圧下に溜去し、そし
てこのようにして得た生成物を減圧乾燥した。
の比較 2:1:2の体積比の炭酸エチレン、炭酸ジエチルおよ
び炭酸ジメチル混合物に各塩の溶液を調製し、25℃の
温度で測定した。
計およびジャケットチューブをもつKnick 4極測
定セルを用いておこなった。温度調整をTI4空調キャ
ビネット中で実施し、また温度をPt 100抵抗温度
計を用いて制御した。
下の表1に示す。
[B(CF3)4]塩のイオン伝導性は改善されている。
極を含む測定セルで、炭酸エチレン、炭酸ジエチルおよ
び炭酸ジメチル(体積比2:1:2)中、0.96モル
溶液のLi[B(CF3)4]について、連続3回のサイ
クロボルタンモグラムを記録した。このために、残留電
位から出発し、電位を最初10mV/sの上昇率でLi
/Li+の電位に対して6.0Vまで増加させ、次に低
下させ残留電位に回帰させた。このようにして得たサイ
クロボルタンモグラムには電解質分解のいかなる徴候も
なかった。
Claims (30)
- 【請求項1】 一般式(I) Mn+([BR4]-)n (I) のテトラキスフルオロアルキルホウ酸塩。式中、Mn+は
1価、2価、または3価のカチオンであり、 配位子Rの各々は同一で直鎖または分岐鎖であり、(C
xF2x+1)で表され、 1≦x≦8、 n=1、2または3である。 - 【請求項2】 Mn+カチオンがアルカリ金属カチオン、
好ましくはリチウム、ナトリウムまたはカリウムカチオ
ン、より好ましくはリチウムカチオンであることを特徴
とする請求項1に記載のテトラキスフルオロアルキルホ
ウ酸塩。 - 【請求項3】 Mn+カチオンがマグネシウムまたはアル
ミニウムカチオンであることを特徴とする請求項1に記
載のテトラキスフルオロアルキルホウ酸塩。 - 【請求項4】 Mn+が有機カチオン、好ましくはニトロ
シルカチオン、ニトリルカチオン、あるいは一般式[N
(R7)4]+、0≦k≦4として[P(N(R7)2)kR
4-k]+、または[C(N(R7)2)3]+の一般式の有機
カチオンであり、式中、残基R7の各々は同一であるか
または異なり、 H、 CoF2o+1-p-qHpAq、またはAを表し、式中、 1≦o≦10、 0≦p≦2o+1、 0≦q≦2o+1であり、 Aは任意選択でヘテロ原子をもつ芳香族残基、あるいは
好ましくは5または6員環のシクロアルキル残基を表
す、ことを特徴とする請求項1に記載のテトラキスフル
オロアルキルホウ酸塩。 - 【請求項5】 1≦o≦6、0≦p≦2o+1、0≦q
≦2o+1であり、またAが任意選択でヘテロ原子をも
つ芳香族残基、または好ましくは5または6員環のシク
ロアルキル残基を表すことを特徴とする請求項4に記載
のテトラキスフルオロアルキルホウ酸塩。 - 【請求項6】 Aが、任意選択で窒素および/または硫
黄および/または酸素原子を含む5または6員環の芳香
族残基、あるいは好ましくは5または6員環のシクロア
ルキル残基、好ましくはフェニルまたはピリジン残基を
表すことを特徴とする請求項4または5に記載のテトラ
キスフルオロアルキルホウ酸塩。 - 【請求項7】 Mn+が一般式(II)〜(IX)の複素
芳香族カチオンであり、 【化1】 (式中、残基R1〜R6は各々同一であるかまたは異な
り、また任意選択で残基R1〜R6の2つは共に、H、ハ
ロゲン、好ましくはフッ素、あるいは任意選択でF、C
l、N(CaF(2a+1-b)Hb)2、O(CaF
(2a+1-b)Hb)、SO2(CaF( 2a+1-b)Hb)、またはC
aF(2a+1-b)Hbによって置換されたC1〜8のアルキル残
基を表し、式中1≦a≦6、および0≦b≦2a+1で
ある)ことを特徴とする請求項1に記載のテトラキスフ
ルオロアルキルホウ酸塩。 - 【請求項8】 各々の配位子Rが同一で(CxF2x+1)
を表し、x=1または2であることを特徴とする請求項
1から7のいずれかに記載のテトラキスフルオロアルキ
ルホウ酸塩。 - 【請求項9】 配位子Rの各々が同一で、CF3残基を
表すことを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載
のテトラキスフルオロアルキルホウ酸塩。 - 【請求項10】 少なくとも1種の一般式(X) Mn+([B(CN)4]-)n (X) (式中、Mn+およびnは請求項1から9と同じ意味をも
つ)の化合物が少なくとも1種の溶剤中で少なくとも1
種のフッ素化剤と反応することによってフッ素化され、
このようにして得られる請求項1に記載の一般式(I)
のフッ素化化合物が通常の方法により精製され単離され
ることを特徴とする請求項9に記載のテトラキスフルオ
ロアルキルホウ酸塩の製造方法。 - 【請求項11】 フッ素化剤との反応が−80〜20
℃、好ましくは−60〜0℃の範囲の温度で実施される
ことを特徴とする請求項10に記載の方法。 - 【請求項12】 フッ素、フッ化塩素、三フッ化塩素、
五フッ化塩素、三フッ化臭素、五フッ化臭素、またはこ
れらのフッ素化剤の少なくとも2種の混合物、好ましく
はフッ化塩素、三フッ化塩素あるいはフッ化塩素および
/または三フッ化塩素を含む少なくとも2種のフッ素化
剤の混合物がフッ素化剤として用いられることを特徴と
する請求項10または12に記載の方法。 - 【請求項13】 フッ化水素、五フッ化ヨウ素、ジクロ
ロメタン、クロロホルム、またはこれらの溶剤の少なく
とも2種の混合物、好ましくはフッ化水素が溶剤として
用いられることを特徴とする請求項10から12のいず
れかに記載の方法。 - 【請求項14】 a)少なくとも1種の請求項1から9
に記載の一般式(I)のテトラキスフルオロアルキルホ
ウ酸塩、および b)少なくとも1種のポリマーを含む混合物。 - 【請求項15】 混合物が5〜99wt(重量)%の成
分a)および95〜1wt%の成分b)、好ましくは6
0〜99wt%の成分a)および40〜1wt%の成分
b)を含み、重量分率の各々は成分a)およびb)の合
計に対するものであることを特徴とする請求項14に記
載の混合物。 - 【請求項16】 成分b)が、好ましくはアクリロニト
リルである不飽和ニトリル、好ましくは二フッ化ビニリ
デンであるビニリデン、好ましくはアクリル酸メチルで
あるアクリル酸エステル、好ましくはメタクリル酸メチ
ルであるメタクリル酸エステル、好ましくはテトラヒド
ロフランである環状エーテル、好ましくはエチレンオキ
シドであるアルキレンオキシド、シロキサン、ホスファ
ゼン、アルコキシシランのホモポリマーまたはコポリマ
ー、あるいは有機物で変性されたセラミック、あるいは
少なくとも2種の前記のホモポリマーおよび/またはコ
ポリマーおよび任意選択で少なくとも1種の有機物で変
性されたセラミックの混合物であることを特徴とする請
求項14または15に記載の混合物。 - 【請求項17】 成分b)が二フッ化ビニリデン、アク
リロニトリル、(メタ)アクリル酸メチル、テトラヒド
ロフラン、好ましくは二フッ化ビニリデンのホモポリマ
ーまたはコポリマーであることを特徴とする請求項16
に記載の混合物。 - 【請求項18】 ポリマーが少なくとも部分的に架橋さ
れていることを特徴とする請求項14から17のいずれ
かに記載の混合物。 - 【請求項19】 混合物がさらに少なくとも1種の溶剤
を含むことを特徴とする請求項14から18のいずれか
に記載の混合物。 - 【請求項20】 有機炭酸エステル好ましくは炭酸エチ
レン、炭酸プロピレン、炭酸ブチレン、炭酸ジメチル、
炭酸ジエチル、炭酸エチルメチル、または炭酸メチルプ
ロピル、有機エステル好ましくはギ酸メチル、ギ酸エチ
ル、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プ
ロピオン酸エチル、酪酸メチル,酪酸エチル、γ−ブチ
ロラクトン、有機エーテル好ましくはジエチルエーテ
ル、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、有機アミド
好ましくはジメチルホルムアミドまたはジメチルアセト
アミド、硫黄含有溶剤好ましくはジメチルスルホキシ
ド、亜硫酸ジメチル、亜硫酸ジエチル、またはプロパン
スルトン、非プロトン性溶剤好ましくはアセトニトリ
ル、アクリロニトリル、またはアセトン、あるいは前記
の溶剤の少なくとも部分的にフッ素化された誘導体、あ
るいはこれらの溶剤および/またはこれらの溶剤がフッ
素化された誘導体の少なくとも2種の混合物が溶剤とし
て存在することを特徴とする請求項19に記載の混合
物。 - 【請求項21】 少なくとも1種の請求項1から9のい
ずれかに記載の一般式(I)のテトラキスフルオロアル
キルホウ酸塩および少なくとも1種のポリマーおよび任
意選択で少なくとも1種の溶剤が混合されることを特徴
とする請求項14から20のいずれかに記載の混合物の
製造方法。 - 【請求項22】 前記の混合が高温で、好ましくは20
〜90℃、またより好ましくは40〜60℃で実施され
ることを特徴とする請求項21に記載の方法。 - 【請求項23】 少なくとも1種の請求項1から9のい
ずれかに記載の一般式(I)のテトラキスフルオロアル
キルホウ酸塩または少なくとも1種の請求項14から2
0のいずれかに記載の混合物を電解質、1次電池、2次
電池、コンデンサ、スーパーコンデンサ、またはガルバ
ニ電池に、任意選択で他の導電性塩および/または添加
剤と組合わせて使用すること。 - 【請求項24】 少なくとも1種の請求項1から9のい
ずれかに記載の一般式(I)のテトラキスフルオロアル
キルホウ酸塩または少なくとも1種の請求項14から2
0のいずれかに記載の混合物を含む電解質。 - 【請求項25】 電解質中におけるテトラキスフルオロ
アルキルホウ酸塩の濃度が0.01〜3mol/l、好
ましくは0.01〜2mol/l、より好ましくは0.
1〜1.5mol/lであることを特徴とする請求項2
4に記載の電解質。 - 【請求項26】 少なくとも1種の請求項1から9のい
ずれかに記載の一般式(I)のテトラキスフルオロアル
キルホウ酸塩または少なくとも1種の請求項14から2
0のいずれかに記載の混合物を含む1次電池。 - 【請求項27】 少なくとも1種の請求項1から9のい
ずれかに記載の一般式(I)のテトラキスフルオロアル
キルホウ酸塩または少なくとも1種の請求項14から2
0のいずれかに記載の混合物を含む2次電池。 - 【請求項28】 少なくとも1種の請求項1から9のい
ずれかに記載の一般式(I)のテトラキスフルオロアル
キルホウ酸塩または少なくとも1種の請求項14から2
0のいずれかに記載の混合物を含むコンデンサ。 - 【請求項29】 少なくとも1種の請求項1から9のい
ずれかに記載の一般式(I)のテトラキスフルオロアル
キルホウ酸塩または少なくとも1種の請求項14から2
0のいずれかに記載の混合物を含むスーパーコンデン
サ。 - 【請求項30】 少なくとも1種の請求項1から9のい
ずれかに記載の一般式(I)のテトラキスフルオロアル
キルホウ酸塩または少なくとも1種の請求項14から2
0のいずれかに記載の混合物を含むガルバニ電池。
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