JP2002308806A - 2−フェニル−1−プロパノールの精製方法 - Google Patents

2−フェニル−1−プロパノールの精製方法

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JP2002308806A
JP2002308806A JP2001112435A JP2001112435A JP2002308806A JP 2002308806 A JP2002308806 A JP 2002308806A JP 2001112435 A JP2001112435 A JP 2001112435A JP 2001112435 A JP2001112435 A JP 2001112435A JP 2002308806 A JP2002308806 A JP 2002308806A
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JP
Japan
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propanol
phenyl
propanediol
extraction
crude
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JP2001112435A
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English (en)
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Hiroyuki Tanaka
宏幸 田中
Yoshimitsu Onodera
吉光 小野寺
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Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複雑な装置や操作を要することなく、単純な
操作のみで、かつ効率的に、粗製2−フェニル−1−プ
ロパノールから異臭成分を選択的に分離除去することが
でき、香料用の優れた香気を有する高純度の2−フェニ
ル−1−プロパノールを得ることができる2−フェニル
−1−プロパノールの精製方法を提供する。 【解決手段】 粗製2−フェニル−1−プロパノールの
精製方法であって、下記の工程を含む2−フェニル−1
−プロパノールの精製方法。アルカリ洗浄工程:粗製2
−フェニル−1−プロパノールをアルカリ水溶液で洗浄
する工程抽出蒸留工程:アルカリ洗浄後の2−フェニル
−1−プロパノールを抽出蒸留することにより精製2−
フェニル−1−プロパノールを得る工程

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、2−フェニル−1
−プロパノールの精製方法に関するものである。更に詳
しくは、本発明は、複雑な装置や操作を要することな
く、単純な操作のみで、かつ効率的に、粗製2−フェニ
ル−1−プロパノールから異臭成分を選択的に分離除去
することができ、香料用の優れた香気を有する高純度の
2−フェニル−1−プロパノールを得ることができる2
−フェニル−1−プロパノールの精製方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】2−フェニル−1−プロパノールはライ
ラック系香料として、洗浄剤、化粧品等に使用されてい
る価値ある物質であり、その使用に際しては高純度でか
つ香気のすぐれた製品が要求される。一般に、香料成分
は本来の香気に影響を及ぼす不純物が微量でも存在する
と製品価値が著しく減少するので、その精製法には特に
注意が払われている。これまでに報告されている2−フ
ェニル−1−プロパノールの精製法としては、不純物を
シリカゲルに吸着させて精製する方法、高段数の精留塔
を用いて精製する方法などがある。しかしながら、これ
らの方法にはそれぞれ欠点があり、工業的手法としては
問題点を有している。すなわち不純物を吸着させる方法
では精製効果が小さく、更にシリカゲルを再生して使用
する点には問題がある。蒸留法では高段数の精留塔を用
いても、沸点を近似する成分や共沸成分が存在すると満
足できる品質の2−フェニル−1−プロパノールを得る
ことは困難である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】かかる現状において、
本発明が解決しようとする課題は、複雑な装置や操作を
要することなく、単純な操作のみで、かつ効率的に、粗
製2−フェニル−1−プロパノールから異臭成分を選択
的に分離除去することができ、香料用の優れた香気を有
する高純度の2−フェニル−1−プロパノールを得るこ
とができる2−フェニル−1−プロパノールの精製方法
を提供する点に存するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、粗
製2−フェニル−1−プロパノールの精製方法であっ
て、下記の工程を含む2−フェニル−1−プロパノール
の精製方法に係るものである。 アルカリ洗浄工程:粗製2−フェニル−1−プロパノー
ルをアルカリ水溶液で洗浄する工程 抽出蒸留工程:アルカリ洗浄後の2−フェニル−1−プ
ロパノールを抽出蒸留することにより精製2−フェニル
−1−プロパノールを得る工程
【0005】
【発明の実施の形態】本発明における原料である粗製2
−フェニル−1−プロパノールとしては、たとえば酸化
スチレンの水素還元による方法、ベンゼンと酸化エチレ
ンとの反応による方法、フェニル酢酸の水素還元による
方法及び芳香族炭化水素化合物の酸化反応による方法な
どから得られるものを用いることができる。
【0006】本発明のアルカリ洗浄工程は、粗製2−フ
ェニル−1−プロパノールをアルカリ水溶液で洗浄する
工程である。アルカリ水溶液としては、たとえばアンモ
ニア水や苛性ソーダ水などを用いることができ、取り扱
いの容易さの観点から苛性ソーダ水溶液が好ましい。ア
ルカリ水溶液のアルカリ濃度は、通常1〜50重量%程
度である。アルカリ洗浄するには、要するに粗製2−フ
ェニル−1−プロパノールをアルカリ水溶液と混合接触
させ、その後油水分離すればよい。洗浄時の温度は通
常、室温(20℃程度)〜100℃であり、用いるアル
カリ水溶液の量は、粗製2−フェニル−1−プロパノー
ル100重量部に対し50〜500重量部である。
【0007】本発明においては、このアルカリ洗浄工程
を次の抽出蒸留工程と組み合わせることによって、より
効果的に粗製2−フェニル−1−プロパノールから異臭
成分を選択的に分離除去することができ、香料用の優れ
た香気を有する高純度の2−フェニル−1−プロパノー
ルを得ることができる。
【0008】本発明の抽出蒸留工程は、アルカリ洗浄後
の2−フェニル−1−プロパノールを抽出蒸留すること
により精製2−フェニル−1−プロパノールを得る工程
である。
【0009】抽出蒸留工程で用いる抽出溶媒としては、
臭気成分の除去効率の観点から、下記の(I)、(II)
及び(III)から選ばれるものが好ましい。 (I)水 (II)水と1,2−エタンジオール、1,2−プロパン
ジオール又は1,3-プロパンジオールとの混合液 (III)水と1,2−エタンジオールモノメチルエーテ
ル、1,2−エタンジオールモノエチルエーテル、1,
2−プロパンジオールモノメチルエーテル、1,2−プ
ロパンジオールモノエチルエーテル、1,3−プロパン
ジオールモノメチルエーテル又は1、3−プロパンジオ
ールモノエチルエーテルとの混合液
【0010】上記の混合液における混合液は、単独でも
用いてもよいし、2種類以上の混合物で用いてもよい
が、水と二価アルコール又は二価アルコールモノアルキ
ルエーテルの重量比が1:9〜7:3であることが好ま
しい。抽出蒸留する具体例を図1に基づいて説明する。
供給管(1)から原料である2−フェニル−1−プロパ
ノールを、供給管(2)からアルカリ水溶液を、各々ア
ルカリ洗浄槽(3)へ供給し、両者を接触させた後、抽
出蒸留塔(7)の中段に設けられた供給管(5)を通し
て供給する。一方、溶媒である水と二価アルコール又は
二価アルコールモノアルキルエーテルの混合液は、供給
管(5)より下部に設けられている供給管(6)より供
給する。2−フェニル−1−プロパノール及び溶媒は、
いずれも連続的に供給される。抽出蒸留塔(7)におい
て抽出蒸留が行われ、塔頂の留出管(8)より揮発性の
高い抽出蒸留溶媒と異臭を有する不純物が留出する。抽
出蒸留塔(7)の塔底より精製された2−フェニル−1
−プロパノールを抜出管(9)を通して取り出す。抽出
蒸留の条件としては、通常の蒸留条件が採用され、たと
えば、減圧下、温度50〜200℃、還流比0.1〜5
0の条件をあげることができる。抽出蒸留塔(7)への
粗製2−フェニル−1−プロパノール及び抽出溶媒の供
給位置は、必要に応じ任意に調整される。
【0011】抽出蒸留工程後の2−フェニル−1−プロ
パノールは、たとえば精留塔(10)を用いた蒸留法な
どの簡単な後処理を施すことにより、更に純度が高めら
れた最終製品である精製2−フェニル−1−プロパノー
ルとすることができる。
【0012】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明する。 実施例1 アルカリ洗浄槽(3)には洗浄効率を上げるため回転翼
を内装したものを用い、温度80℃で大気圧下で運転を
行なった。また、抽出蒸留塔(7)は50段、精留塔
(10)は15段の塔を用い、ともに140mmHgの
減圧で運転を行った。不純物92.5重量%を含み、異
臭を有する2−フェニル−1−プロパノールを供給管
(1)より1時間あたり315重量部の速度で連続的に
供給した。同時に苛性ソーダ濃度25重量%のアルカリ
水をアルカリ洗浄槽(3)に供給管(2)より1時間あ
たり52重量部の速度で連続的に供給した。このアルカ
リ洗浄を行った2−フェニル−1−プロパノールは塔頂
より数えて20段目に設けられた供給管(5)より抽出
蒸留塔(7)に供給し、一方、抽出蒸留溶媒である水と
1,2−プロパンジオールとの混合液(重量比1:1)
は塔頂から数えて40段目に設けられた供給管(6)よ
り1時間あたり499重量部の速度で連続的に供給し
た。このとき異臭成分は塔頂の留出管(8)を通して、
1,2−プロパンジオール及び水と共に1時間当たり5
85重量部の速度で留出した。一方、塔底の抜出管
(9)を通して取り出された液を精留塔(10)の塔頂
から8段目に供給したところ、塔頂の抜出管(11)か
ら大部分の異臭成分が取り除かれ、塔底の留出管(1
2)を通して異臭成分が除かれた租製2−フェニル−1
−プロパノールが留出した。ここで得られた租製2−フ
ェニル−1−プロパノールは、連続して次の精留等へ供
給しても、一旦貯蔵しておいてもよい。こうして得られ
た2−フェニル−1−プロパノールは、精留塔(13)の
塔頂より数えて20段目に設けられた供給管(12)よ
り、1時間あたり267重量部の速度で連続的に供給し
た。このとき異臭成分は塔頂の留出管(14)を通し
て、1時間当たり91重量部の速度で留出した。一方、
塔底の抜出管(15)を通して取り出された液を精留塔
(16)の塔頂から8段目に供給したところ、塔底の抜
出管(18)を通して異臭成分が除かれ、塔頂の留出管
(17)から精製2−フェニル−1−プロパノールが1
時間あたり110重量部の速度で流出した。このように
して得られた精製2−フェニル−1−プロパノールは、
不快な異臭も無く、香料用途に適した品質(純度99.
3重量%)のものであった。
【0013】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明により、複
雑な装置や操作を要することなく、単純な操作のみで、
かつ効率的に、粗製2−フェニル−1−プロパノールか
ら異臭成分を選択的に分離除去することができ、香料用
の優れた香気を有する高純度の2−フェニル−1−プロ
パノールを得ることができる2−フェニル−1−プロパ
ノールの精製方法を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1のフローを示す図である。
【符号の説明】
1 供給管 2 供給管 3 アルカリ洗浄槽 4 精留塔 5 供給管 6 供給管 7 抽出蒸留塔 8 留出管 9 抜出管 10 精留塔 11 抜出管 12 供給管 13 精留塔 14 留出管 15 抜出管 16 精留塔 17 留出管 18 抜出管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4H006 AA02 AD13 AD30 FE11

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粗製2−フェニル−1−プロパノールの
    精製方法であって、下記の工程を含む2−フェニル−1
    −プロパノールの精製方法。 アルカリ洗浄工程:粗製2−フェニル−1−プロパノー
    ルをアルカリ水溶液で洗浄する工程 抽出蒸留工程:アルカリ洗浄後の2−フェニル−1−プ
    ロパノールを抽出蒸留することにより精製2−フェニル
    −1−プロパノールを得る工程
  2. 【請求項2】 アルカリ洗浄工程のアルカリ水溶液が苛
    性ソーダ水溶液である請求項1記載の精製方法。
  3. 【請求項3】 抽出蒸留工程で用いる抽出溶媒が、下記
    の(I)、(II)及び(III)から選ばれる少なくとも
    一である請求項1記載の精製方法。 (I)水 (II)水と1,2−エタンジオール、1,2−プロパン
    ジオール又は1,3-プロパンジオールとの混合液 (III)水と1,2−エタンジオールモノメチルエーテ
    ル、1,2−エタンジオールモノエチルエーテル、1,
    2−プロパンジオールモノメチルエーテル、1,2−プ
    ロパンジオールモノエチルエーテル、1,3−プロパン
    ジオールモノメチルエーテル又は1、3−プロパンジオ
    ールモノエチルエーテルとの混合液
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