JP2002308629A - 黒色磁性酸化鉄粒子粉末 - Google Patents

黒色磁性酸化鉄粒子粉末

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JP2002308629A JP2002013575A JP2002013575A JP2002308629A JP 2002308629 A JP2002308629 A JP 2002308629A JP 2002013575 A JP2002013575 A JP 2002013575A JP 2002013575 A JP2002013575 A JP 2002013575A JP 2002308629 A JP2002308629 A JP 2002308629A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、黒色度及び帯電性能に優れ、しか
も、低温低湿及び高温高湿などの雰囲気下でも帯電量を
安定して維持できる環境安定性に優れた黒色磁性酸化鉄
粒子粉末に関するものである。 【解決手段】 平均粒子径0.05〜1.0μmの黒色
粒状スピネル型酸化鉄粒子であって、該黒色粒状スピネ
ル型酸化鉄粒子は、芯部分と表層部分と該表層部分と芯
部分との間に中間層とからなる三相構造を有していると
共に、前記芯部分と前記表層部分の各部分に粒子の全F
eに対して0.1〜10重量%のMn、Zn、Cu、N
i、Cr、Cd、Sn、Mg、Ti、Ca及びAlから
選ばれたFe以外の異種金属元素の一種又は二種以上を
含有しており、且つ、中間層中にFe以外の前記異種金
属元素を含んでいない黒色磁性酸化鉄粒子粉末である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、黒色度及び帯電性能に
優れ、しかも、低温低湿及び高温高湿などの雰囲気下で
も帯電量を安定して維持できる環境安定性に優れた黒色
磁性酸化鉄粒子粉末に関するものである。
【0002】本発明に係る黒色磁性酸化鉄粒子粉末は黒
色であることから、塗料用、樹脂用、印刷インキ等の黒
色着色顔料として使用することができ、殊に、磁性トナ
ー用の黒色磁性粒子として好適である。
【0003】
【従来の技術】マグネタイト粒子粉末は、代表的な黒色
顔料であり、塗料用、印刷インク用、化粧品用、ゴム・
樹脂組成物用等の着色剤として古くから汎用されてい
る。
【0004】特に、樹脂中にマグネタイト粒子粉末等の
黒色磁性酸化鉄粒子粉末を混合分散させた複合体粒子を
現像剤として用いる一成分系磁性トナーに多用されてい
る。
【0005】近時、レーザービームプリンターやデジタ
ル複写機の高速化や高画質化に伴って、現像剤である磁
性トナーの特性向上が強く要求されており、その為に
は、磁性トナーが十分な黒色度を有し、帯電性能がより
向上し、更に、環境安定性、殊に、温度や湿度によって
帯電量が変動することなく安定していることが強く要求
される。
【0006】そこで、黒色磁性酸化鉄粒子粉末について
も、前記磁性トナーに対する要求を満足させるために、
更に一層の特性改善が強く望まれている。
【0007】即ち、黒色度、帯電性能及び環境安定性に
優れた磁性トナーを得るためには、黒色磁性酸化鉄粒子
粉末が十分な黒色度及び適度なFeO含有量を有し、分
散性及び電気的特性がより優れており、しかも、環境安
定性に優れていることが要求されている。
【0008】黒色磁性酸化鉄粒子粉末の黒色度は、黒色
磁性酸化鉄粒子中のFe2+(FeO)含有量に依存し
て変化することが知られており、黒色度に優れた粒子を
得るためには、FeO含有量が多いことが必要である。
【0009】一方、電気的特性の観点からいえば、黒色
磁性酸化鉄粒子粉末中のFeO含有量は少ない方が好ま
しい。即ち、黒色磁性酸化鉄粒子粉末の電気抵抗値は該
粒子粉末中のFeO含有量に依存して変化し、FeO含
有量が多い場合には、電気抵抗が低くなり、磁性トナー
では使用できなくなる。そこで、適度な黒色度を有し、
且つ、電気抵抗が高いことが必要とされている。
【0010】また、磁性トナーの帯電性能は、磁性トナ
ー表面に露出している黒色磁性酸化鉄粒子の表面状態に
大きく依存する。特に、前述の通り、黒色磁性酸化鉄粒
子中のFeOは磁性トナーとしての電気抵抗を低下させ
るため、その含有量及び粒子中での存在分布は磁性トナ
ーの帯電性能を大きく左右するものである。この事実
は、特開平4−338971号公報に「磁性酸化鉄中の
FeO含有量よりも、磁性酸化鉄の表面層におけるFe
(II)の分布状態が、トナーの様々な環境下における
摩擦耐電量の安定に寄与する…」と記載されている通り
である。
【0011】黒色磁性酸化鉄粒子粉末の分散性は、該粒
子粉末の表面状態に大きく依存することから、黒色磁性
酸化鉄粒子粉末の粒子表面をケイ素化合物又はアルミニ
ウム化合物などで被覆することによって、黒色磁性酸化
鉄粒子粉末の粒子表面を改善し分散性の向上が試みられ
ている。また、黒色磁性酸化鉄粒子粉末は微粒子である
ため磁気的凝集を起こしやすく、樹脂との混合性を低下
させるため、それを抑制することが要求されている。
【0012】また、低温低湿や高温高湿等の環境の変化
に対しても常に安定した特性を発揮することが望まれて
いることから、環境安定性に優れ、磁性トナーの帯電量
が常に安定化していることが強く望まれている。
【0013】従来、黒色磁性酸化鉄粒子中に鉄以外の異
種元素を含有させること及び黒色磁性酸化鉄粒子を複数
の層で被覆することによって諸特性を向上させる試みが
なされている。(特開平7−240306号公報、特開
平7−267646号公報、特開平8−48524号公
報、特開平8−50369号公報、特開平8−1015
29号公報、特開平11−157843号公報、特開平
11−189420号公報、特開平11―314919
号公報、特開2000−239021号公報、特開20
00−272923号公報、特開2000−33592
0号公報、特開2000−335921号公報、特開2
000−344527号公報、特開2000−3445
28号公報、特開2000−10821号公報等)。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】前記諸特性を満たす黒
色磁性酸化鉄粒子粉末は現在最も要求されているところ
であるが、未だ得られていない。
【0015】即ち、前出特開平7−240306号公報
には、粒子内部にケイ素を含有し、粒子表面にシリカと
アルミナの共沈物が存在し、更に該共沈物上にFe、T
i、Zr、Si、Alから選ばれた元素の非磁性酸化物
微粒子又は非磁性含水酸化物微粒子が固着されている磁
性粒子粉末が記載されているが、最外層が非磁性粒子粉
末であってフェライトを形成するものではなく、環境安
定性に優れるとは言い難いものである。
【0016】前出特開平7−267646号公報には、
マグネタイト粒子の外殻部にZn、Mn、Cu、Ni、
Co、Mg、Cd、Al、Cr、V、Mo、Ti、Sn
から選ばれる少なくとも一種の金属元素を含有させるこ
とが記載されているが、3相構造を有しておらず、電気
抵抗値が低いだけでなく、帯電の立ち上がり及び帯電性
の安定性が十分とは言い難いものである。
【0017】前出特開平8−48524号公報には、粒
子表面に鉄−亜鉛酸化物の薄膜が被覆され、その上に鉄
−ケイ素酸化物の薄膜が被覆されているマグネタイト粒
子が記載されているが、3相構造を有しておらず、ま
た、最外層が異種金属元素を含有するスピネル型酸化鉄
ではないことから電気抵抗値が低いだけでなく、帯電の
立ち上がり及び帯電性の安定性が十分とは言い難いもの
である。
【0018】前出特開平8−50369号公報には、ケ
イ素が表面に偏在し、且つ、Zn、Mg又はMnを含有
する磁性粒子粉末が記載されているが、3相構造を有し
ていないことから電気抵抗値が低いだけでなく、帯電の
立ち上がり及び帯電性の安定性が十分とは言い難いもの
である。また、吸湿性の観点から環境安定性に優れると
は言い難いものである。
【0019】前出特開平8−101529号公報には、
鉄−亜鉛酸化物の薄膜で被覆された磁性粒子粉末が記載
されているが、3相構造を有していないことから電気抵
抗値が低いだけでなく、帯電の立ち上がり及び帯電性の
安定性が十分とは言い難いものである。また、吸湿性の
観点から環境安定性に優れるとは言い難いものである。
【0020】前出特開平11−157843号公報に
は、粒子の中心から表面へ連続的にケイ素成分を含有
し、粒子表面にケイ素成分が露出し、且つ、ケイ素成分
と結合したZn、Mn、Cu、Ni、Co、Cr、C
d、Al、Sn、Mg、Tiの中から選ばれた金属成分
からなる金属化合物によって粒子外殻を被覆したマグネ
タイト粒子が記載されているが、粒子内部に金属成分を
含有しておらず、また、中間層を有していないので、帯
電量の立ち上がりの良い磁性粒子粉末とは言い難いもの
である。
【0021】前出特開平11−189420号公報に
は、粒子の中心から表面へ連続的にケイ素成分とアルミ
ニウム成分とを含有し、粒子表面にはケイ素成分及びア
ルミニウム成分が露出し、且つ、ケイ素成分及びアルミ
ニウム成分と結合したZn、Mn、Cu、Ni、Co、
Cr、Cd、Sn、Mg、Tiの中から選ばれた金属成
分からなる金属化合物によって粒子外殻を被覆したマグ
ネタイト粒子が記載されているが、粒子内部に金属成分
を含有しておらず、また、中間層を有していないので、
帯電量の立ち上がりが良い磁性粒子粉末とは言い難いも
のである。
【0022】前出特開平11−314919号公報に
は、アルミナの水和物又はアルミナゾルを含む第一層で
被覆され、更に、当該第一層の表面がコロイダルシリカ
を原料とするシリカ粒子からなる第二層で被覆されてい
るマグネタイト粒子が記載されているが、フェライトに
よる被覆ではないことから電気抵抗値が低く、帯電の立
ち上がり及び帯電性の安定性が十分とは言い難いもので
ある。また、吸湿性の観点から環境安定性に優れるとは
言い難いものである。
【0023】前出特開2000−239021号公報に
は、AlとFeの複合酸化鉄層によって被覆された酸化
鉄粒子粉末が記載されているが、3相構造を有していな
いことから電気抵抗値が低いだけでなく、帯電の立ち上
がり及び帯電性の安定性が十分とは言い難いものであ
る。
【0024】前出特開2000−272923号公報に
は、粒子の中心から表面へ連続的にケイ素成分を含有
し、ケイ素成分と結合したZn、Mn、Cu、Ni、C
o、Cr、Cd、Al、Sn、Mg、Tiの中から選ば
れた金属成分からなる金属化合物によって外殻が被覆さ
れ、且つ、ケイ素成分が露出した芯部分に、Al成分を
被覆した酸化鉄粒子が記載されているが、金属成分は外
殻に存在し、異種金属元素を含有しない中間層を有して
おらず、また、残留磁化と保磁力が低く、電気抵抗が高
く帯電量の調整ができるマグネタイトが開示されている
が、これは帯電の立ち上がりが十分とは言い難いもので
ある。
【0025】前出特開2000−335920号公報に
は、粒子中にMg、Na、K、Ca、Li、Ti、S、
Al、Si、B、Cのうち少なくとも1種類以上含有
し、粒子表面より80wt%以内の部位に含有される上
記元素の総量が、上記粒子中に含まれる元素の総量に対
して95wt%以上である酸化鉄粒子粉末が記載されて
いるが、これは低比重の磁性粒子を得るためのものであ
り、帯電性能が十分とは言い難いものである。
【0026】前出特開2000−335921号公報に
は、鉄とケイ素とAl、Ce、Mo、W、Pから選ばれ
る一種以上の元素とを含有する複合酸化物の薄膜で被覆
された酸化鉄粒子が記載されているが、中間層が存在し
ないため、帯電の立ち上がりが十分とは言い難いもので
ある。
【0027】前出特開2000−344527号公報に
は、SiとFeの複合酸化鉄が粒子表面に存在する酸化
鉄粒子が記載されており、また、特開2000−344
528号公報には、下層がSiとFeの複合酸化鉄にて
被覆され、上層がAl成分にて被覆されている酸化鉄粒
子が記載されているが、いずれも異種金属元素を含むフ
ェライトで被覆されていないことから、環境安定性に優
れているとは言い難いものである。
【0028】前出特開2001−10821号公報に
は、粒子表面に亜鉛と鉄との複合酸化物を有し、更に、
該複合酸化物層の上に亜鉛と鉄との複合酸化物層又は亜
鉛化合物層を有する酸化鉄粒子が記載されているが、同
様の層を2層被覆させるため、帯電性能に優れていると
は言い難いものである。
【0029】そこで、本発明は、黒色度及び帯電性能、
殊に、帯電の立ち上がりに優れ、しかも環境安定性に優
れた黒色磁性酸化鉄粒子粉末を得ることを技術的課題と
する。
【0030】
【課題を解決する為の手段】前記技術的課題は、次の通
りの本発明によって達成できる。
【0031】即ち、本発明は、平均粒子径0.05〜
1.0μmの黒色粒状スピネル型酸化鉄粒子であって、
該黒色粒状スピネル型酸化鉄粒子は、芯部分と表層部分
と該表層部分と芯部分との間に中間層とからなる三相構
造を有していると共に、前記芯部分と前記表層部分の各
部分に粒子の全Feに対して0.1〜10重量%のM
n、Zn、Cu、Ni、Cr、Cd、Sn、Mg、T
i、Ca及びAlから選ばれたFe以外の異種金属元素
の一種又は二種以上を含有しており、且つ、中間層中に
Fe以外の前記異種金属元素を含んでいないことを特徴
とする黒色磁性酸化鉄粒子粉末である。
【0032】また、本発明は、黒色磁性酸化鉄粒子粉末
のaが1.0以下であることを特徴とする前記黒色磁
性酸化鉄粒子粉末である。
【0033】また、本発明は、ケイ素化合物が黒色磁性
酸化鉄粒子粉末の中間層、表層部分、中間層及び表層部
分に存在していることを特徴とする前記黒色磁性酸化鉄
粒子粉末である。
【0034】次に、本発明の構成をより詳しく説明すれ
ば次の通りである。
【0035】まず、本発明に係る黒色磁性酸化鉄粒子粉
末について述べる。
【0036】本発明に係る黒色磁性酸化鉄粒子粉末は、
芯部分と表層部分と該表層部分と芯部分との間に中間層
とからなる三相構造を有していると共に、前記芯部分と
前記表層部分の各部分に粒子中の全Feに対して0.1
〜10重量%のMn、Zn、Cu、Ni、Cr、Cd、
Sn、Mg、Ti、Ca及びAlから選ばれたFe以外
の異種金属元素の一種又は二種以上(以下、「異種金属
元素」という。)を含有しており、且つ、中間層にFe
以外の前記異種金属元素を含んでいない粒子からなる。
【0037】本発明に係る黒色磁性酸化鉄粒子粉末の粒
子形状は、六面体状、八面体状、多面体状、粒状、球状
等である。
【0038】本発明に係る黒色磁性酸化鉄粒子粉末の芯
部分とは、粒子の中心から異種金属元素を含有していな
い中間層までの異種金属元素を含有するスピネル型酸化
鉄からなる相である。中間層とは、芯部分の外部に存在
する異種金属元素を含有しないスピネル型酸化鉄からな
る相である。また、表層部分とは、異種金属元素を含有
しない中間層の表面に存在する異種金属元素を含有する
スピネル型酸化鉄からなる相である。
【0039】芯部分及び表層部分における異種金属元素
の含有量は、それぞれ、粒子全体のFeに対して各元素
換算で0.1〜10wt%が好ましく、より好ましくは
0.1〜8.0wt%、更により好ましくは0.1〜
5.0wt%である。0.1wt%未満の場合には電気
抵抗値が低く、良好な帯電性能が得られない。10wt
%を超える場合には黒色度が低下する。
【0040】また、芯部分及び表層部分において、異種
金属元素は各層内において均一に含有させても、また、
濃度勾配をつけても良い。
【0041】なお、本発明に係る黒色磁性酸化鉄粒子粉
末の粒子全体での異種金属元素の含有量は、全重量に対
して元素換算で0.1〜20wt%が好ましく、より好
ましくは0.1〜10wt%である。
【0042】中間層は、実質的に異種金属元素を含まな
い。しかしながら、通常、原料などには異種金属元素が
不純物として含まれることがあるため、不可避的な不純
物として異種金属元素が中間層に含まれる場合には、そ
の含有量は100ppm以下であることが好ましい。
【0043】また、本発明の黒色磁性酸化鉄粒子におけ
る表層部分、中間層および芯部分の量(深さ)は、後出
する黒色磁性酸化鉄粒子の粒子表面からの鉄元素溶解率
(%)によって表す。表層部分と中間層との境界は、粒
子表面からの鉄元素溶解率が2〜40%、好ましくは4
〜30%の範囲に存在する。中間層と芯部分との境界
は、粒子表面からの鉄元素溶解率が通常10〜70%の
範囲に存在する。即ち、表層部分は最大で粒子表面から
の鉄元素溶解率で40%までであり、芯部分は最大で粒
子表面からの鉄元素溶解率で10%から粒子の中心部
(粒子表面からの鉄元素溶解率が100%に相当する)
までであり、中間層は残部であって、粒子表面からの鉄
元素溶解率が2%以上70%未満に相当する部分である
ことが好ましく、4%以上70%未満に相当する部分で
あることがより好ましい。表層部分、中間層および芯部
分が前記範囲外の場合には、十分な黒色度及び良好な帯
電性能を有する黒色磁性酸化鉄粒子を得ることが困難と
なる。
【0044】なお、本発明においては、中間層及び表層
部分を構成する黒色スピネル型酸化鉄はいずれも、層状
構造を形成したものでも、多数の微粒子が集合して微粒
子層構造を形成したものでもどちらでもよい。
【0045】本発明に係る黒色磁性酸化鉄粒子において
は、粒子の中間層、表層部分または中間層及び表層部分
にケイ素元素を含有していてもよい。ケイ素元素の量
は、黒色磁性酸化鉄粒子に対しSiO2換算で0.05
〜5wt%であることが好ましい。殊に、表層部分中に
ケイ素化合物が存在する場合には、黒色磁性酸化鉄粒子
の流動性が向上すると共に、磁性トナーにした場合にも
流動性が向上するので好ましい。但し、ケイ素化合物が
過剰に存在する場合には、吸湿性が高くなると共に、電
気抵抗値も低下するので好ましくない。
【0046】本発明に係る黒色磁性酸化鉄粒子粉末は平
均粒子径が0.05〜1.0μm、好ましくは0.05
〜0.5μmである。0.05μm未満の場合には黒色
磁性酸化鉄粒子相互間の凝集力が大きく分散性が困難と
なる。1.0μmを超える場合には、一個の磁性トナー
粒子中に含まれる磁性粒子の個数が少なくなり、各磁性
トナー粒子について磁性粒子の分布に偏りが生じ易く、
その結果、磁性トナーの帯電性能の均一性が損なわれ
る。
【0047】本発明に係る黒色磁性酸化鉄粒子粉末のa
は1.0以下であることが好ましい。aが1.0を
超える場合には、赤みが大きくなり、黒色度が低下する
ため好ましくない。なお、下限値は−1.0程度であ
る。
【0048】本発明に係る黒色磁性酸化鉄粒子の粒子全
体のFeO含有量は16.0〜28.0重量%が好まし
い。FeO含有量が16.0重量%未満の場合には黒色
度が低下する。28.0重量%を越える場合には電気抵
抗が低下する。
【0049】本発明に係る黒色磁性酸化鉄粒子粉末のB
ET比表面積値は3〜18m/gが好ましく、より好
ましくは3.0〜15.0m/gである。
【0050】本発明に係る黒色磁性酸化鉄粒子粉末の飽
和磁化値σsは70.0〜95.0Am/kg(7
0.0〜95.0emu/g)が好ましく、より好まし
くは75.0〜95.0Am/kg(75.0〜9
5.0emu/g)である。
【0051】本発明に係る磁性酸化鉄粒子粉末の電気抵
抗値は1×10Ω・cm以上が好ましく、より好まし
くは1×10Ω・cm以上である。
【0052】本発明に係る黒色磁性酸化鉄粒子粉末の後
出する方法によって測定した帯電量の飽和時間は、10
分以下が好ましく、より好ましくは5分以下である。
【0053】また、本発明に係る黒色磁性酸化鉄粒子粉
末の粒子表面は下記(1)〜(3)の化合物で被覆され
ていてもよい
【0054】(1)疎水基を有する有機化合物。 (2)アルミニウムの水酸化物、アルミニウムの酸化
物、ケイ素の水酸化物及びケイ素の酸化物から選ばれる
少なくとも一種からなる化合物。 (3)Al、Si、Zr及びTiから選ばれた元素の酸
化物微粒子。
【0055】前記(1)の疎水基を有する有機化合物に
より黒色磁性酸化鉄粒子の粒子表面の被覆することによ
って、磁性トナー用樹脂中での粒子の分散性が向上す
る。疎水基以外の官能基を有する有機化合物によって被
覆した場合には、樹脂とのなじみが悪くなり、分散性が
低下する。
【0056】疎水基を有する有機化合物としては、チタ
ネート系、シラン系等のカップリング剤又は汎用界面活
性剤等が用いられる。
【0057】疎水基を有するチタネート系カップリング
剤としては、イソプロピルトリイソステアロイルチタネ
ート、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチ
タネート、イソプロピルトリス(ジオクチルピロホスフ
ェート)チタネート、ビス(ジオクチルピロホスフェー
ト)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルピ
ロホスフェート)エチレンチタネート等が挙げられる。
【0058】疎水基を有するシラン系カップリング剤と
しては、ビニルトリメトキシシラン、γ−グリシドオキ
シプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプ
ロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシラ
ン、デシルトリエトキシシラン等が挙げられる。
【0059】汎用界面活性剤としては、周知のリン酸エ
ステル系等のアニオン界面活性剤、脂肪酸エステル系等
のノニオン界面活性剤、アルキルアミン等の天然油脂誘
導体等が挙げられる。
【0060】疎水基を有する有機化合物の被覆量は、黒
色磁性酸化鉄粒子粉末100重量部に対して、0.5〜
5.0重量部、好ましくは1〜4.0重量部である。
0.5重量部未満の場合には、黒色磁性酸化鉄粒子の疎
水化が不十分であるので、樹脂に対するなじみ性の改良
が困難である。5.0重量部を超える場合には、磁性に
関与しない成分が増加することによって磁性粒子の飽和
磁化値が減少し磁性トナー用粒子として好ましいとは言
い難い。
【0061】疎水基を有する有機化合物で表面処理され
た黒色磁性酸化鉄粒子粉末のaは1.0以下が好まし
く、粒子全体のFeO含有量は16.0〜28.0重量
%が好ましく、BET比表面積値は3〜18m/gが
好ましく、より好ましくは3.0〜15.0m/gで
あり、飽和磁化値は60.0〜95.0Am/kg
(60.0〜95.0emu/g)が好ましく、より好
ましくは65.0〜95.0Am/kg(65.0〜
95.0emu/g)であり、電気抵抗値は1×10
Ω・cm以上が好ましく、より好ましくは1×10Ω
・cm以上であり、帯電量の飽和時間は10分以下が好
ましく、より好ましくは5分以下であり、吸液量は通常
15ml/100g以下が好ましく、より好ましくは1
0ml/100g以下であり、スチレン−アクリル樹脂
混練物の樹脂膜面の20°光沢値は85%以上が好まし
く、より好ましくは90%以上である。
【0062】前記(2)のアルミニウムの水酸化物、ア
ルミニウムの酸化物、ケイ素の水酸化物及びケイ素の酸
化物から選ばれる少なくとも一種からなる化合物により
黒色磁性酸化鉄粒子粉末の粒子表面を被覆することによ
って、樹脂とのなじみがよくなり、より分散性が向上す
る。
【0063】アルミニウムの水酸化物又はアルミニウム
の酸化物による被覆量は、黒色磁性酸化鉄粒子に対して
Al元素として0.01〜0.5重量%が好ましい。
0.01重量%未満の場合には、表面被覆効果が得られ
ない。0.5重量%を超える場合には、アルミニウム化
合物で被覆された黒色磁性酸化鉄粒子の吸湿性が高くな
るため、電気的特性が低下する。好ましくは0.05〜
0.3重量%である。
【0064】ケイ素の水酸化物又はケイ素の酸化物によ
る被覆量は、黒色磁性酸化鉄粒子粉末に対してSiO
換算で0.01〜0.5重量%が好ましい。0.01重
量%未満の場合には、表面被覆効果が得られない。0.
5重量%を超える場合には、ケイ素化合物で被覆された
黒色磁性酸化鉄粒子の吸湿性が高くなるため、電気的特
性が低下する。好ましくは0.05〜0.3重量%であ
る。
【0065】アルミニウムの水酸化物、アルミニウムの
酸化物、ケイ素の水酸化物及びケイ素の酸化物から選ば
れる少なくとも一種からなる化合物で被覆された黒色磁
性酸化鉄粒子のaは1.0以下が好ましく、粒子全体
のFeO含有量は16.0〜28.0重量%が好まし
く、BET比表面積値は3〜23m/gが好ましく、
より好ましくは3.0〜20.0m/gであり、飽和
磁化値は70.0〜95.0Am/kg(70.0〜
95.0emu/g)が好ましく、より好ましくは7
5.0〜95.0Am/kg(75.0〜95.0e
mu/g)であり、電気抵抗値は1×10Ω・cm以
上が好ましく、より好ましくは1×10Ω・cm以上
であり、帯電量の飽和時間は10分以下が好ましく、よ
り好ましくは5分以下であり、圧縮度は通常50以下が
好ましく、より好ましくは45以下であり、吸油量は通
常20ml/100g以下が好ましく、より好ましくは
18ml/100g以下である。
【0066】前記(3)のAl、Si、Zr及びTiか
ら選ばれた元素の酸化物微粒子を黒色磁性酸化鉄粒子粉
末の粒子表面に付着することによって、流動性および分
散性が向上する。
【0067】本発明における酸化物微粒子としては、A
l、Si、Zr及びTiから選ばれた元素の酸化物微粒
子又はこれらの混合微粒子を使用することが出来る。黒
色磁性酸化鉄粒子の粒子表面への付着する酸化物微粒子
の粒径は通常5〜100nm、好ましくは5〜50nm
である。
【0068】本発明における前記酸化物微粒子の付着量
は、黒色磁性酸化鉄粒子に対して酸化物換算で0.1〜
5.0重量%、好ましくは0.25〜4.0重量%、更
に好ましくは0.5〜3.0重量%である。0.1重量
%未満の場合には、磁性粒子の流動性を改良することが
困難であり、その結果、磁性トナーの流動性を改良する
ことができない。5.0重量%を越える場合には、高温
高湿の環境下において黒色磁性酸化鉄粒子の吸着水分量
が増加し、その結果、磁性トナーの流動性も低下する傾
向がある。また、磁性に関与しない酸化物微粒子が増加
することによって磁性粒子の飽和磁化値はもちろん、磁
性トナーの磁化値も低下する傾向がある。
【0069】Al、Si、Zr及びTiから選ばれた元
素の酸化物微粒子が付着した黒色磁性酸化鉄粒子粉末の
は1.0以下が好ましく、粒子全体のFeO含有量
は16.0〜28.0重量%が好ましく、BET比表面
積値は3〜23m/gが好ましく、より好ましくは
3.0〜20.0m/gであり、飽和磁化値は70.
0〜95.0Am/kg(70.0〜95.0emu
/g)が好ましく、より好ましくは75.0〜95.0
Am/kg(75.0〜95.0emu/g)であ
り、電気抵抗値は1×10Ω・cm以上が好ましく、
より好ましくは1×10Ω・cm以上であり、帯電量
の飽和時間は10分以下が好ましく、より好ましくは5
分以下であり、圧縮度は50以下が好ましく、より好ま
しくは45以下であり、吸油量は20ml/100g以
下が好ましく、より好ましくは18ml/100g以下
である。
【0070】また、前記(3)に記載の酸化物微粒子の
粒子表面がメチルシラン、トリメチルシラン及びオクチ
ルシランから選ばれる1種又は2種以上のシラン化合物
によって表面被覆された酸化物微粒子(以下、シラン化
合物処理済酸化物微粒子という。)を黒色磁性酸化鉄粒
子の粒子表面に付着させた場合は、分散性をより向上さ
せることが出来ると共にシラン化合物の撥水性により電
気抵抗値をより高めることが出来る。
【0071】シラン化合物処理済酸化物微粒子の付着量
は、黒色磁性酸化鉄粒子に対して0.1〜5.0重量
%、好ましくは0.5〜3.0重量%である。0.1重
量%未満の場合には、流動性をより改良することが困難
であり、その結果、磁性トナーの流動性もより改良でき
ない。5.0重量%を越える場合にも、本発明の目的と
する効果が得られるが磁性に関与しない成分が増加する
ことによって磁性粒子の飽和磁化値が減少し、磁性トナ
ー用として好ましいとは言い難い。
【0072】シラン化合物処理済酸化物微粒子が付着し
た黒色磁性酸化鉄粒子粉末のaは1.0以下であり、
粒子全体のFeO含有量は16.0〜28.0重量%が
好ましく、BET比表面積値は3〜23m/gが好ま
しく、より好ましくは3.0〜20.0m/gであ
り、飽和磁化値は60.0〜95.0Am/kg(6
0.0〜95.0emu/g)が好ましく、より好まし
くは65.0〜95.0Am/kg(65.0〜9
5.0emu/g)であり、電気抵抗値は1×10 Ω
・cm以上が好ましく、より好ましくは1×10Ω・
cm以上であり、帯電量の飽和時間は10分以下が好ま
しく、より好ましくは5分以下であり、圧縮度は50以
下が好ましく、より好ましくは45以下であり、吸油量
は20ml/100g以下が好ましく、より好ましくは
18ml/100g以下である。
【0073】次に、本発明に係る黒色磁性酸化鉄粒子粉
末の製造法について述べる。
【0074】本発明に係る黒色磁性酸化鉄粒子粉末は、
目的とする粒子形状、粒子径及び異種金属元素の含有量
によって種々の製造法によって製造することができる。
【0075】即ち、第一鉄塩水溶液とアルカリ水溶液
と最終生成物に対して0.1〜10重量%のMn、Z
n、Cu、Ni、Cr、Cd、Sn、Mg、Ti、Ca
及びAlから選ばれた一種又は二種以上のFe以外の異
種金属元素を含む水溶液とを反応して得られたFe以外
の前記異種金属元素を含有する水酸化第一鉄塩コロイド
を含む第一鉄塩反応溶液に酸素含有ガスを通気すること
によりFe以外の前記異種金属元素を含む黒色スピネル
型酸化鉄粒子を芯部分として生成させ、次いで、該芯部
分を含有する第一鉄塩反応溶液に残存Fe2+に対して
アルカリ水溶液を添加して酸素含有ガスを通気すること
により、前記芯部分の粒子表面にスピネル型酸化鉄から
なる中間層を形成させ、次いで、Fe2+が残存してい
る状態で最終生成物に対して0.1〜10重量%のFe
以外の前記異種金属元素を含む水溶液を更に添加するこ
とにより、前記中間層の表面にFe以外の前記異種金属
元素を含有するスピネル型酸化鉄からなる表層部分を形
成させる製造法、 第一鉄塩水溶液とアルカリ水溶液と前記第一鉄塩水溶
液中のFe2+に対して0.1〜10重量%のMn、Z
n、Cu、Ni、Cr、Cd、Sn、Mg、Ti、Ca
及びAlから選ばれた一種又は二種以上のFe以外の異
種金属元素を含む水溶液とを反応して得られたFe以外
の前記異種金属元素を含有する水酸化第一鉄塩コロイド
を含む反応溶液に酸素含有ガスを通気することによりF
e以外の前記異種金属元素を含む黒色スピネル型酸化鉄
粒子を芯部分として生成させ、次いで、該芯部分を含有
する反応溶液に第一鉄塩水溶液とアルカリ水溶液を添加
して酸素含有ガスを通気することにより、前記芯部分の
粒子表面にスピネル型酸化鉄からなる中間層を形成さ
せ、次いで、粒子表面に中間層が形成されている芯部分
を含む第一鉄塩反応溶液に、アルカリ水溶液と最終生成
物に対して0.1〜10重量%のFe以外の前記異種金
属元素とを添加して酸素含有ガスを通気することによ
り、前記中間層の表面にFe以外の前記異種金属元素を
含有するスピネル型酸化鉄からなる表層部分を形成させ
る製造法、 第一鉄塩水溶液とアルカリ水溶液と最終生成物に対し
て0.1〜20重量%のMn、Zn、Cu、Ni、C
r、Cd、Sn、Mg、Ti、Ca及びAlから選ばれ
た一種又は二種以上のFe以外の異種金属元素を含む水
溶液とを反応して得られたFe以外の前記異種金属元素
を含有する水酸化第一鉄塩コロイドを含む第一鉄塩反応
溶液に酸素含有ガスを通気することにより、Fe以外の
前記異種金属元素を含む黒色スピネル型酸化鉄粒子を芯
部分として生成させ、次いで、該芯部分を含有する第一
鉄塩反応溶液にアルカリ水溶液を添加して酸素含有ガス
を通気することにより、前記芯部分の粒子表面にスピネ
ル型酸化鉄からなる中間層を形成させ、次いで、粒子表
面に中間層が形成されている芯部分を含む反応溶液に第
一鉄塩水溶液とアルカリ水溶液と最終生成物に対して
0.1〜20重量%のFe以外の前記異種金属元素とを
添加して酸素含有ガスを通気することにより、前記中間
層の表面にFe以外の前記異種金属元素を含有するスピ
ネル型酸化鉄からなる表層部分を形成させる製造法、 第一鉄塩水溶液とアルカリ水溶液と前記第一鉄塩水溶
液中のFe2+に対して0.1〜10重量%のMn、Z
n、Cu、Ni、Cr、Cd、Sn、Mg、Ti、Ca
及びAlから選ばれた一種又は二種以上のFe以外の異
種金属元素を含む水溶液とを反応して得られたFe以外
の前記異種金属元素を含有する水酸化第一鉄塩コロイド
を含む第一鉄塩反応溶液に酸素含有ガスを通気すること
により、Fe以外の前記異種金属元素を含む黒色スピネ
ル型酸化鉄粒子を芯部分として生成させ、次いで、該芯
部分を含有する反応溶液に第一鉄塩水溶液とアルカリ水
溶液とを添加して酸素含有ガスを通気することにより、
前記芯部分の粒子表面にスピネル型酸化鉄からなる中間
層を形成させ、次いで、粒子表面に中間層が形成されて
いる芯部分を含む反応溶液に第一鉄塩水溶液とアルカリ
水溶液と最終生成物に対して0.1〜10重量%のFe
以外の前記異種金属元素とを添加して酸素含有ガスを通
気することにより、前記中間層の表面にFe以外の前記
異種金属元素を含有するスピネル型酸化鉄からなる表層
部分を形成させる製造法等によって製造することができ
る。
【0076】本発明における第一鉄塩水溶液としては、
硫酸第一鉄水溶液、塩化第一鉄水溶液等を使用すること
ができる。
【0077】本発明におけるアルカリ水溶液としては、
水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属か
らなる水酸化物の水溶液、水酸化マグネシウム、水酸化
カルシウム等のアルカリ土類金属からなる水酸化物の水
溶液、また、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸アン
モニウム等の炭酸アルカリ水溶液及びアンモニア水等を
使用することができる。
【0078】本発明における異種金属元素を含有する水
溶液としては、各種金属元素の炭酸塩、硝酸塩、塩化
物、硫酸塩等を使用することができる。異種金属元素を
含有する水溶液の添加は、反応初期であっても、反応中
であってもよい。
【0079】芯部分の生成反応において使用するアルカ
リ水溶液の量は、前記各製造法及び目的とする粒子形状
を得るためのpHとなる様に最適量を選択すればよい。
例えば、第一鉄塩水溶液中のFe2+に対して当量比で
0.5〜0.95のアルカリ水溶液を添加した場合に
は、反応中のpH値を制御することによって、球状、六
面体及び多面体粒子を得ることができる。また、当量以
上のアルカリ水溶液を添加した場合には、八面体粒子を
得ることができる。
【0080】酸化は酸素含有ガス(例えば、空気)を液
中に通気することにより行う。
【0081】前記芯部分を生成させた反応溶液に前記各
製造法に従って、各水溶液を添加し酸化反応を行って、
芯部分の表面にスピネル型酸化鉄からなる中間層を形成
する。
【0082】また、中間層を形成する際の反応溶液のp
H値を制御することによって生成するスピネル型酸化鉄
を微粒子層構造又は層状構造に形成することができる。
即ち、反応溶液のpH値が6.0以上8.0未満で酸化
反応を行った場合には、形成される相は微粒子の集合体
からなる微粒子層構造となり、pH値が8.0以上で酸
化反応を行った場合には形成される相が層状構造とな
る。
【0083】芯部分の粒子表面に異種金属元素を含有し
ないスピネル型酸化鉄からなる中間層の形成反応が終了
した後、前記各製造法に従って、各水溶液を添加し酸化
反応を行って、異種金属元素を含有するスピネル型酸化
鉄からなる表層部分を形成する。
【0084】異種金属元素を含有する水溶液は前記と同
様のものを使用することができる。異種金属元素を含有
する水溶液の添加は、反応初期であっても、反応中であ
ってもよい。
【0085】また、表層部分形成時の反応溶液のpH値
を制御することによって生成する異種金属元素を含有す
るスピネル型酸化鉄を微粒子層構造又は層状構造に形成
することができる。即ち、反応溶液のpH値が5.0以
上8.0未満で酸化反応を行った場合には、形成される
相は微粒子の集合体からなる微粒子層構造となり、pH
値が8.0以上で酸化反応を行った場合には形成される
相が層状構造となる。なお、微粒子が芯部分の表面に集
合せず、単独で存在する場合には、本発明の効果が得ら
れない。
【0086】本発明における反応温度は70〜100℃
である。70℃未満である場合には、針状ゲータイト粒
子が混在してくる。100℃を越える場合も黒色スピネ
ル型酸化鉄粒子は生成するが、オートクレーブ等の装置
を必要とするため工業的に容易ではない。
【0087】表層部分の形成反応を終了した後、水洗、
乾燥して黒色磁性酸化鉄粒子粉末を得る。
【0088】ケイ素化合物を黒色磁性酸化鉄粒子粉末に
存在させる場合には、中間層及び表層部分の各層を形成
する際に添加することが好ましい。
【0089】次に、前記(1)乃至(3)の黒色磁性酸
化鉄粒子の表面処理の方法について述べる。
【0090】前記(1)の疎水基を有する有機化合物に
よる黒色磁性酸化鉄粒子の粒子表面の被覆は、黒色磁性
酸化鉄粒子粉末と疎水基を有する有機化合物とを圧縮、
せん断及びへらなで作用を有する混練処理装置によって
混練することにより黒色磁性酸化鉄粒子粉末の粒子表面
に疎水基を有する有機化合物で被覆する。
【0091】本発明において圧縮、せん断およびへらな
で作用を有する混練処理装置としては、ホイール型混練
機又はらいかい機が挙げられる。ホイール型混練機とし
ては、シンプソンミックスマーラー、マルチマス、スト
ッツミル、逆流混練機、アイリッヒミル等が適用できる
が、ウエットパンミル、メランジャー、ワールミックス
及び速練機はいずれも圧縮及びへらなで作用のみでせん
断作用を有しないので適用できない。
【0092】混練時の線荷重は、黒色磁性酸化鉄粒子粉
末の量及び疎水基を有する有機化合物の種類及び添加量
によって適宜選択すればよいが、黒色磁性酸化鉄粒子1
0kgを処理する場合には30〜120kg/cmが好
ましい。線荷重が30kg/cm未満の場合には、圧
縮、せん断及びへらなで作用が不十分となり均一処理が
困難となる。120kg/cmを超える場合は、黒色磁
性酸化鉄粒子の粒子破壊により微粒子成分ができるため
好ましくない。より好ましい線荷重は、30〜80kg
/cmである。また、混練時間は30〜120分が好ま
しい
【0093】前記(2)のアルミニウムの水酸化物、ア
ルミニウムの酸化物、ケイ素の水酸化物及びケイ素の酸
化物から選ばれる少なくとも一種からなる化合物による
黒色磁性酸化鉄粒子の粒子表面の被覆は、黒色磁性酸化
鉄粒子とアルミニウム化合物又はケイ素化合物とを含む
水懸濁液のpH値を調整することによって粒子表面にア
ルミニウムの水酸化物、アルミニウムの酸化物、ケイ素
の水酸化物及びケイ素の酸化物から選ばれる少なくとも
一種の化合物を被覆させる。
【0094】アルミニウム化合物としては、酢酸アルミ
ニウム、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、硝酸ア
ルミニウム等のアルミニウム塩や、アルミン酸ナトリウ
ム等のアルミン酸アルカリ塩、アルミナゾル等が使用で
きる。
【0095】ケイ素化合物としては、3号水ガラス、オ
ルトケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、コロイ
ダルシリカ等が使用できる。
【0096】本発明における表面被覆された黒色磁性酸
化鉄粒子粉末は前記被覆処理をした後、圧縮、せん断及
びへらなで作用を有する前記混練処理装置を使用して混
練することが好ましい。
【0097】前記(3)のAl、Si、Zr及びTiか
ら選ばれた元素の酸化物微粒子による黒色磁性酸化鉄粒
子の粒子表面への付着は、黒色磁性酸化鉄粒子粉末と前
記黒色磁性酸化鉄粒子粉末に対して酸化物換算で0.1
〜5.0重量%のAl、Si、Zr及びTiから選ばれ
た元素の酸化物微粒子とを圧縮、せん断及びへらなで作
用を有する前記混練装置を用いて混練することによっ
て、粒子表面にAl、Si、Zr及びTiから選ばれた
少なくとも1種の元素の酸化物微粒子を被覆する。
【0098】酸化物微粒子は、上記混練に先立ってあら
かじめ被処理粒子である黒色磁性酸化鉄粒子に直接添加
するか、又は、黒色磁性酸化鉄粒子とAl、Si、Zr
及びTiから選ばれた元素の化合物とを含む懸濁液中
に、アルカリ水溶液又は酸性水溶液を添加することによ
り酸化物微粒子を沈澱させておいてもよい。
【0099】混練時の線荷重は、黒色磁性酸化鉄粒子粉
末の量及び酸化物微粒子の種類及び添加量によって適宜
選択すればよいが、黒色磁性酸化鉄粒子粉末10kgを
処理する場合には通常30〜120kg/cm、好まし
くは30〜80kg/cmである。線荷重が30kg未
満の場合には、添加した酸化物微粒子が処理される場合
の圧縮、せん断及びへらなで作用が不十分となり均一処
理が困難である。120kgを超える場合は、黒色磁性
酸化鉄粒子の粒子破壊により微粒子成分ができるため好
ましくない。
【0100】また、混練時間は30〜120分が好まし
く、より好ましくは30〜90分である。
【0101】シラン化合物処理済酸化物微粒子で被覆さ
れている酸化物微粒子の黒色磁性酸化鉄粒子の粒子表面
への付着させる場合、酸化物微粒子の粒子表面がメチル
シラン、トリメチルシラン及びオクチルシランから選ば
れる1種又は2種以上のシラン化合物によって表面被覆
された酸化物微粒子としては、市販のものを使用して
も、酸化物微粒子とシラン化合物とを混練することによ
り得られた酸化物微粒子を使用してもよい。
【0102】得られたシラン化合物処理済酸化物微粒子
による黒色磁性酸化鉄粒子の表面処理は、前記(3)に
記載の方法によって行う。
【0103】次に、本発明における黒色磁性トナーにつ
いて述べる。
【0104】本発明における黒色磁性トナーは、本発明
に係る黒色磁性酸化鉄粒子及び結着剤樹脂からなり、必
要に応じて離型剤、着色剤、荷電制御剤、その他の添加
剤等を含有してもよい。
【0105】黒色磁性トナーは、平均粒子径が通常3〜
15μm、好ましくは5〜12μmである。
【0106】結着剤樹脂と黒色磁性酸化鉄粒子との割合
は、黒色磁性酸化鉄粒子100重量部に対して結着剤樹
脂通常50〜900重量部、好ましくは50〜400重
量部である。
【0107】結着剤樹脂としては、スチレン、アクリル
酸アルキルエステル及びメタクリル酸アルキルエステル
等のビニル系単量体を重合又は共重合したビニル系重合
体が使用できる。上記スチレン単量体としては、例えば
スチレン及びその置換体がある。上記アクリル酸アルキ
ルエステル単量体としては、例えばアクリル酸、アクリ
ル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル等が
ある。上記共重合体は、スチレン系成分を50〜95重
量%含むことが好ましい。
【0108】結着剤樹脂は、必要により、上記ビニル系
重合体とともに、ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹
脂、ポリウレタン系樹脂等を併用することができる。
【0109】次に、本発明における黒色磁性トナーの製
造法について述べる。
【0110】本発明における黒色磁性トナーは、所定量
の結着剤樹脂と所定量の黒色磁性酸化鉄粒子とを混合、
加熱、混練、粉砕による公知の方法によって行うことが
できる。具体的には、黒色磁性酸化鉄粒子と結着剤樹脂
とを、必要により更に離型剤、着色剤、荷電制御剤、そ
の他の添加剤等を添加した混合物を混合機により十分に
混合した後、加熱混練機によって結着剤樹脂中に黒色磁
性酸化鉄粒子等を分散させ、次いで、冷却固化して樹脂
混練物を得、該樹脂混練物を粉砕及び分級を行って所望
の粒子サイズとすることにより得られる。
【0111】前記混合機としては、ヘンシェルミキサ
ー、ボールミル等を使用することが出来る。前記加熱混
練機としては、ロールミル、ニーダー、二軸エクストル
ーダー等を使用することが出来る。前記粉砕は、カッタ
ーミル、ジェットミル等の粉砕機によって行うことがで
き、公知の風力分級等により行うことが出来る。
【0112】黒色磁性トナーを得る他の方法として、懸
濁重合法又は乳化重合法がある。懸濁重合法において
は、重合性単量体と黒色磁性酸化鉄粒子とを、必要によ
り更に、着色剤、重合開始剤、架橋剤、荷電制御剤、そ
の他の添加剤を添加した混合物を溶解又は分散させた単
量体組成物を、懸濁安定剤を含む水相中に攪拌しながら
添加して造粒し、重合させて所望の粒子サイズとするこ
とにより得られる。乳化重合法においては、単量体と黒
色磁性酸化鉄粒子とを、必要により更に着色剤、重合開
始剤などを水中に分散させて重合を行う過程に乳化剤を
添加することによって所望の粒子サイズとすることによ
り得られる。
【0113】
【発明の実施の形態】本発明の代表的な実施の形態は次
の通りである。
【0114】黒色磁性酸化鉄粒子粉末の平均粒子径は、
透過型電子顕微鏡により撮影した写真(倍率1万倍)を
4倍に拡大して300個について測定したマーチン径に
より求めた値である。
【0115】黒色磁性酸化鉄粒子粉末の粒子形状(粒子
全体の形状と、表層部分の形状)は、透過型電子顕微鏡
と走査型電子顕微鏡(日立S−800)により観察した
写真(倍率5万倍)から判断した。中間層の形状は、中
間層形成後のスラリーを抜き取り、水洗・濾別・乾燥し
たものについて観察した。
【0116】BET比表面積値は、「Mono Sor
b MS−II」(湯浅アイオニックス(株)製)を用
いてBET法により求めた。
【0117】磁気特性は「振動試料型磁力計VSM−3
S−15」(東英工業(株)製)を使用し、外部磁場7
96kA/m(10kOe)下で測定した値で示した。
【0118】Fe2+含有量は、下記の化学分析法によ
り求めた値で示した。
【0119】即ち、不活性ガス雰囲気下において、黒色
磁性酸化鉄粒子粉末0.5gに対しリン酸と硫酸を2:
1の割合で含む混合溶液25ccを添加し、前記黒色磁
性酸化鉄粒子を溶解する。この溶解水溶液の希釈液に指
示薬としてジフェニルアミンスルホン酸を数滴加えた
後、重クロム酸カリウム水溶液を用いた酸化還元滴定を
行った。上記希釈液が紫色を呈した時を終点とし、該終
点に至るまでに使用した重クロム酸水溶液の量から計算
して求めた。
【0120】異種金属元素の存在位置および含有量は、
黒色磁性酸化鉄粒子を粒子表面から順に表層部分・中間
層・芯部分へと溶解し最後に粒子全体を溶解させること
により異種金属元素の量を測定し、Fe溶解率とFe溶
解率の各段階における溶解液中の異種金属元素の量との
関係を図の様にプロットすることにより求めた。即ち、
前記採取溶液中のFe量と同時に異種金属元素の含有量
を測定することによって、Fe溶解率の各段階における
異種金属元素の含有量を積算値として求めた。この積算
値からFe溶解率の各段階に対する異種金属元素量を算
出し、Fe溶解率とFe溶解率の各段階における異種金
属元素量との関係をプロットすることにより、芯部分お
よび表層部分には異種金属元素が含有されており、中間
層にはFe以外の元素が含まれないことを確認した。
【0121】なお、黒色磁性酸化鉄粒子の溶解は下記の
方法で行った。
【0122】即ち、2lのビーカーに1.2lのイオン
交換水を入れて該水温が45℃になるように加温する。
160mlのイオン交換水でスラリー化した黒色磁性酸
化鉄粒子粉末10gを別途用意した320mlのイオン
交換水で洗浄しながら、該イオン交換水とともに前記2
lビーカー中に加える。
【0123】次いで、前記2lビーカー中の溶液温度を
40℃、攪拌速度を200rpmに保ちながら特級塩酸
150mlを加え、溶解を開始する。この時の黒色磁性
酸化鉄粒子粉末の濃度は、5g/l、塩酸濃度は約1N
になっている。
【0124】黒色磁性酸化鉄粒子粉末の溶解開始から、
溶液が透明になるまで1〜10分の間隔で溶液20ml
を採取し、0.1μmメンブランフィルターで濾過し、
ろ液を採取する。
【0125】採取したろ液の内10mlを「誘導結合プ
ラズマ原子発光分光光度計 SPS−4000型」(セ
イコー電子工業(株)製)により、鉄元素および異種金
属元素の定量を行う。
【0126】なお、黒色磁性酸化鉄粒子粉末の鉄元素溶
解率は、以下の計算式で算出した。
【0127】鉄元素溶解率(%)=(採取サンプル中の
鉄元素濃度(mg/l))/(完全に溶解した時の鉄元
素の濃度(mg/l))×100
【0128】また、前記Feの溶解率と異種金属元素の
含有量とのプロットから、中間層の存在範囲を求めた。
中間層(第2相目)の存在範囲はFe以外の異種金属元
素の溶解が生じていない部分のFe溶解率(%)の範囲
で表し、粒子の芯部分側をt1、粒子の表層側をt2と
した。
【0129】黒色磁性酸化鉄粒子粉末の帯電量の飽和時
間は、下記測定法によって測定した。
【0130】即ち、黒色磁性酸化鉄粒子粉末0.5gと
鉄粉キャリア(パウダーテック社製TEFV−200/
300)4.75gとを内容積が15ccのガラス製の
サンプル瓶に精秤し、ペイントコンディショナーを用い
て摩擦帯電させ、「ブローオフ帯電量測定装置」(東芝
ケミカル社製)を用いて摩擦帯電量を測定した。この時
のペイントコンディショナーを用いて帯電させた時間と
摩擦帯電量をグラフにして、帯電量が安定した時間を帯
電量の飽和時間とした。
【0131】黒色磁性酸化鉄粒子粉末の帯電量の飽和時
間が短い程、黒色磁性酸化鉄粒子粉末を使用した磁性ト
ナーの帯電性能、特に帯電の立ち上がりが向上する。
【0132】また、帯電量の安定性は下記の方法で測定
した。
【0133】温度23℃、湿度60%(N/N環境
下)、温度15℃、湿度20%(L/L環境下)及び温
度33℃、湿度80%(H/H環境下)でそれぞれ24
時間静置した試料の帯電量Qを測定し、L/L環境下で
の帯電量Q(L/L)及びH/H環境下での帯電量Q
(H/H)についてのN/N帯電量Q(N/N)に対す
る変化率を下記数1及び数2にて算出し、下記4段階で
評価した。
【0134】 L/L及びH/Hでの変化率が共に5%未満 ◎ 変化率の一方が5〜10%で、一方が5%未満 ○ 変化率が共に5〜10% △ 変化率のいずれか片方でも10%以上の場合 ×
【0135】
【数1】
【0136】
【数2】
【0137】黒色磁性酸化鉄粒子粉末の電気抵抗値は、
下記測定方法により測定した値で示した。
【0138】即ち、試料0.5gを秤量し、KBr錠剤
成形器(島津製作所製)を用い、ハンドプレス(島津製
作所製:SSP−10形)のゲージの読み値で140k
g/cmの圧力で加圧成形する。次に、加圧成形した
試料をステンレス電極間にセットする。その際、電極間
をフッ素樹脂性ホルダで外部と完全に隔離する。セット
した試料にホイーストンブリッジ(横河電機社製:TY
PE2768型)で15Vの電圧を印可して抵抗値Rを
測定する。抵抗測定後、試料の電極面積A(cm)と
厚みt(cm)を測定し、下記式により体積固有抵抗値
X(Ω・cm)を計算する。電気抵抗値が1×10
上のものを「高」とし、1×10〜1×10のもの
を「中」、1×10未満のものを「低」とした。
【0139】X=R/(A/t)
【0140】黒色磁性酸化鉄粒子粉末の黒色度を示すa
は、測定用試料片を「多光源分光測色計 MSC−I
S−2D」(スガ試験機(株)製)を用いてHunte
rのLab空間によりL値、a値、b値をそれぞ
れ測色し、国際照明委員会(Commission I
nternational ede l’Eclair
age、CIE)1976(L、a、b)均等知
覚色空間に従って表示した値で示した。aが0に近づ
く程、黒色度に優れた黒色磁性酸化鉄粒子粉末となる。
【0141】黒色磁性酸化鉄粒子粉末中に含まれるケイ
素成分の量は、「蛍光X線分析装置3063M型」(理
学電気工業(株)製)にて測定し、黒色磁性酸化鉄粒子
粉末に対してSiO量換算で求めた値である。
【0142】本発明に係る黒色磁性酸化鉄粒子粉末の分
散性のうち吸液量は、下記測定法において測定した。
【0143】即ち、黒色磁性酸化鉄粒子粉末10gとあ
らかじめ調整したスチレン−アクリル樹脂溶液の吸液量
として示した。 スチレン−アクリル(三洋化成社製 商品名「ハイマ
ーTB−1000」)とキシレンとを樹脂濃度が20重
量%になるように500mlの上ぶた付きポリエステル
容器にはかり取った後に、ペイントコンディショナーを
用いて混合することにより樹脂溶液を調整する。 黒色磁性酸化鉄粒子粉末10gを電子天秤ではかり取
って100mlのポリエステル容器に入れ、次いで、該
容器中にあらかじめ調整しておいた樹脂溶液を50ml
ビュレットを用いて滴下しながらガラス棒でかき混ぜ
る。 ポリエステル容器中のペーストが均一となって流動性
が高くなりガラス棒の先端から液滴が最初に自然落下し
たときを終点とする。 終点に至るまでに使用した樹脂溶液の量を吸液量とす
る。
【0144】黒色磁性酸化鉄粒子粉末の吸液量が低いほ
ど、樹脂との分散性が良好であることに起因して磁性ト
ナーの帯電性能が向上する。
【0145】本発明に係る黒色磁性酸化鉄粒子粉末の分
散性のうち樹脂シートの光沢度は、下記方法によって測
定した。
【0146】即ち、黒色磁性酸化鉄粒子粉末15gとあ
らかじめ60℃で8時間乾燥したスチレン−アクリル樹
脂(三洋化成社製「ハイマーTB−9000」)34g
と離型剤としてポリプロピレン樹脂(三洋化成社製
「ビスコール550P」)1gとを表面温度130℃の
熱間2本ロールで5分間練り込み、混練物を得た。次い
で、得られた混練物を熱間プレスにてシート状に加工
し、シート状樹脂混練物を作成した。このシート状樹脂
混練物の樹脂膜面の光沢をデジタル光沢計(スガ試験機
社製 UGV−50)を用いて入射及び反射角20°で
測定した。光沢値が大きい程、黒色磁性酸化鉄粒子粉末
の樹脂中での分散性が高いことを示す。
【0147】アルミニウム化合物又はケイ素化合物で表
面被覆された黒色磁性酸化鉄粒子の被覆量は、「蛍光X
線分析装置3063M型」(理学電機工業(株)製)に
て測定し、黒色磁性酸化鉄粒子に対してAl換算又はS
iO換算で求めた値である。
【0148】Al、Si、Zr及びTiから選ばれた元
素の酸化物微粒子の付着量は、「蛍光X線分析装置30
63M型」(理学電機工業(株)製)にて測定し、黒色
磁性酸化鉄粒子に対して各元素の酸化物換算で求めた値
である。
【0149】黒色磁性酸化鉄粒子の圧縮度は、カサ密度
(ρa)とタップ密度(ρt)とをそれぞれ測定し、こ
れらの値を下記式に代入して算出した値で示した。 圧縮度=〔(ρt−ρa)/ρt〕×100 尚、圧縮度が小さくなるほど流動性がより優れたものと
なる。
【0150】なお、カサ密度(ρa)は、JIS−51
01の顔料試験法により測定した。
【0151】また、タップ密度(ρt)は、カサ密度測
定後の黒色磁性酸化鉄粒子粉末10gを20ccのメス
シリンダー中にロートを用いて静かに充填させ、次い
で、25mmの高さから自然落下させる操作を600回
繰り返した後、充填している黒色磁性酸化鉄粒子粉末の
量(cc)をメスシリンダーの目盛りから読み取り、こ
の値を下記式に代入して算出した値で示した。 タップ密度(g/cc)=10(g)/容量(cc)
【0152】黒色磁性酸化鉄粒子の吸油量は、JIS−
K−5101の顔料試験法により測定した。
【0153】<磁性トナーの製造>下記配合割合で混合
した混合物を140℃に設定された2本ロールミルで約
15分間混練し、冷却後、粗粉砕、微粉砕した。さらに
これを分級により微粉、粗粉をカットし、体積平均径1
0.4μmの磁性トナーを得た。
【0154】 スチレン−n−ブチルアクリレート共重合体 100重量部 (共重合比=85:15、Mw=25万、Tg=62℃) 黒色磁性酸化鉄粒子粉末 80重量部 負荷電制御剤 1.5重量部 低分子量エチレン−プロピレン共重合体 2重量部
【0155】得られた磁性トナーからなる一成分系現像
剤を調整し、温度23℃、湿度60%(N/N環境
下)、温度15℃、湿度20%(L/L環境下)と温度
33℃、湿度80%(H/H環境下)でそれぞれ24時
間静置した試料の帯電量Qを測定し、L/L環境下での
帯電量Q(L/L)及びH/H環境下での帯電量Q(H
/H)についてN/N帯電量Q(N/N)に対する変化
率を前記数1及び数2にて算出し、下記4段階で評価し
た。
【0156】 L/L及びH/Hでの変化率が共に5%未満 ◎ 変化率の一方が5〜10%で、一方が5%未満 ○ 変化率が共に5〜10% △ 変化率のいずれか片方でも10%以上の場合 ×
【0157】L/L環境下及びH/H環境下の各環境下
に静置した黒色磁性酸化鉄粒子粉末を用いた磁性トナー
の画像濃度は、磁性トナーをレーザービームプリンター
(キヤノン製 商品名レーザーショットLBP−B40
6E)を用いてベタ黒(A4)を印刷し、そのベタ黒の
画像濃度をRD914(商品名、MACBETH社製)
で測定し、下記4段階で評価した。高温高湿環境の耐久
後の画像濃度は、前記H/H環境下に放置した黒色磁性
酸化鉄粒子を用いた磁性トナーについて印刷開始から5
000枚印刷した時点の画像濃度を測定した。
【0158】
【0159】磁性トナー中の黒色磁性酸化鉄粒子粉末の
分散度は、磁性トナーをウルトラミクロトーム(RES
EACH MANFACTURING社製 商品名:M
T2C)を用いてスライスし、その断面を透過型電子顕
微鏡(倍率10000倍)で観察し、視野内の磁性酸化
鉄粒子粉末の凝集状態を観察し、4段階で評価した。凝
集物が少ないほど分散性が良いことを示す。
【0160】
【0161】磁性トナーの帯電量分布は、帯電量分布測
定装置(E−イーストパーアナライザー:商品名)(細
川ミクロン社製)を用いて測定した。得られた帯電量分
布から、発明の実施の形態を基準(○)として、よりシ
ャープな場合には◎とした。
【0162】磁性トナーのカブリの程度は、前記画像濃
度を測定したベタ黒の印刷物をルーペにて拡大して観察
した。観察結果は発明の実施の形態を基準(○)とし
て、よりシャープな場合には◎とした。
【0163】磁性トナーの流動性は、「パウダーテスタ
ー PT−E型」(細川ミクロン(株))を用いて測定
した。流動性指数が高い方が、流動性が良いことを示
す。また、温度33℃、湿度80%の高温高湿環境下に
24時間放置した磁性トナーについて前記と同様に流動
性を測定した。
【0164】<黒色磁性酸化鉄粒子粉末の生成(方法
)>Fe2+1.6mol/lを含む硫酸第一鉄水溶
液26.0lと0.584molのMn元素を含む硫酸
マンガン水溶液6.2lを、あらかじめ反応器中準備さ
れた4.0mol/lの水酸化ナトリウム水溶液20.
1lに加え(Fe2+に対して0.95当量に該当する
量とMn元素の沈殿をつくるために必要な量の合計
量。)、pH6.7、温度90℃において毎分80lの
空気を通気して酸化反応を行い芯部分を生成した。この
酸化反応の終了時点(水酸化ナトリウムが酸化反応に消
費され反応スラリーのpHが下がり始めた時点)で反応
器内に残存するFe2+を酸化するために、最終生成物
に対してSiO換算で1.0wt%のケイ酸ナトリウ
ムを含有する水酸化ナトリウム水溶液(4.0mol/
l)を2.37l添加して反応溶液のpHを9に調整
し、引き続き酸化反応を行い中間層を形成した。この酸
化反応が進行する途中で、0.0584mol/lのM
nを含む硫酸マンガン水溶液2.5lを添加し酸化反応
を継続して表層部分を形成した後、完了した。反応終了
時点でのpHは9であった。生成した黒色磁性酸化鉄粒
子を含むスラリーを通常の方法で水洗・濾別・乾燥・粉
砕して黒色磁性酸化鉄粒子粉末を得た。
【0165】得られた黒色磁性酸化鉄粒子に含まれるF
e以外の異種金属元素のFe溶解率に対する分布を図1
に示す。この図から、Fe溶解率0%から5%まではM
nが溶解しており(表層部分)、5%から15%までは
Mnは溶解しておらず(中間層)、15%から100%
まではMnが溶解していることが分かる。即ち、芯部分
と表層部分にMnが含まれており、それらの間に存在す
る中間層にはMnが含まれていない相が存在している。
表層部分のMn含有量は0.25重量%であり、芯部分
のMn含有量は0.99重量%であった。
【0166】電子顕微鏡観察の結果から、得られた粒子
は、平均粒子径0.20μmの球状粒子であり、中間層
及び表層部分は層状構造であった。
【0167】得られた黒色磁性酸化鉄粒子粉末のBET
比表面積値は7.5m/g、Si含有量は1.0wt
%、FeO含有量は20.4wt%、aは0.5、帯
電量は−18μC/gであり、帯電量の飽和時間は5分
であった。磁気特性は、飽和磁化値σsが82.5Am
/kgであった。電気抵抗は「高」、帯電量の変化率
は「◎」であった。
【0168】<使用例 磁性トナーの製造>得られた黒
色磁性酸化鉄粒子を用いて前記磁性トナーの製造法に従
って磁性トナーを得た。得られた磁性トナーについてL
/L環境下とH/H環境下での帯電量Qの差を求めた結
果、その差が殆どなく(前記評価法による「◎」)、ま
た、L/L環境下及びH/H環境下での画像濃度はいず
れも◎であり、環境安定性が高いことが分かった。
【0169】
【作用】本発明において最も重要な点は、3相構造を有
する磁性酸化鉄粒子粉末にしたことによって、黒色度及
び帯電性能に優れ、しかも、低温低湿及び高温高湿など
の雰囲気下でも帯電量を安定して維持できる環境安定性
に優れた黒色磁性酸化鉄粒子粉末が得られるという事実
である。
【0170】本発明に係る黒色磁性酸化鉄粒子粉末が黒
色度、帯電性能及び環境安定性に優れる理由は、未だ明
らかではないが、異種金属元素を含まないスピネル型酸
化鉄からなる中間層を、通常、電気抵抗が高い異種金属
元素を含有するスピネル型酸化鉄である芯部分と表層部
分との間に設けることによって、各部分が相互作用する
ことによるものと推定している。
【0171】本発明においては、黒色度、帯電性能、殊
に、帯電立ち上がり性能に優れ、しかも、環境安定性に
優れた黒色磁性粒子粉末であるので、該粒子粉末を用い
た磁性トナーは帯電性能及び環境安定性に優れている。
【0172】また、前記(1)の疎水基を有する有機化
合物により黒色磁性酸化鉄粒子粉末が分散性に優れるの
は、圧縮、せん断、へらなでの三つの作用を有する混練
装置を用いて、黒色磁性酸化鉄粒子粉末の粒子表面が疎
水基を有する有機化合物によって被覆されているので、
粒子相互間の凝集が解きほぐされて再凝集することなく
1個1個バラバラの状態で存在し、しかも、粒子表面が
高度に疎水化されていることによるものと本発明者は考
えている。
【0173】また、前記(2)のアルミニウムの水酸化
物、アルミニウムの酸化物、ケイ素の水酸化物及びケイ
素の酸化物から選ばれる少なくとも一種からなる化合物
により粒子表面が被覆された黒色磁性酸化鉄粒子粉末が
より分散性に優れるのは、樹脂とのなじみがよくなった
ためと考えている。
【0174】また、前記(3)のAl、Si、Zr及び
Tiから選ばれた元素の酸化物微粒子が粒子表面に付着
した黒色磁性酸化鉄粒子は流動性及び分散性が優れてい
る理由について、圧縮、せん断、へらなでの三つの作用
を有する混練装置を用いて黒色磁性酸化鉄粒子粉末の粒
子表面に酸化物微粒子を強固に付着させているので、磁
性粒子粉末の粒子相互間の凝集がより解きほぐされて再
凝集することなく1個1個バラバラの状態で存在するこ
と及び粒子表面の酸化物微粒子が均一且つ緻密に付着さ
れていることの相乗効果によるものと本発明者は考えて
いる。
【0175】更に、粒子表面がメチルシラン、トリメチ
ルシラン及びオクチルシランから選ばれる1種又は2種
以上のシラン化合物によって表面被覆された酸化物微粒
子が付着した黒色磁性酸化鉄粒子粉末を用いた磁性トナ
ーが流動性により優れている理由については未だ明らか
ではないが、微粒子が付着していること及び該微粒子表
面に被覆されている疎水化剤であるシラン化合物との相
乗効果によるものと本発明者は考えている。
【0176】
【実施例】次に、実施例及び比較例を挙げる。
【0177】実施例1、3、4、11、比較例5 黒色磁性酸化鉄粒子粉末の製造条件を種々変化させた以
外は前記発明の実施の形態と同様にして黒色磁性酸化鉄
粒子粉末を得た。
【0178】このときの製造条件を表1に、得られた黒
色磁性酸化鉄粒子粉末の諸特性を表2及び表3に示す。
【0179】実施例2<黒色磁性酸化鉄粒子粉末の生成
(方法)> Fe2+1.6mol/lを含む硫酸第一鉄水溶液2
0.0lと0.271molのMn元素を含む硫酸マン
ガン水溶液4.7lを、あらかじめ反応器中に準備され
た4.0mol/lの水酸化ナトリウム水溶液15.3
lに加え(Fe に対して0.95当量に該当する量
とMnの沈殿をつくるために必要な量の合計量。)、p
H6.7、温度90℃において毎分80lの空気を通気
して芯部分を生成した。残存する硫酸第一鉄成分によっ
て反応スラリーのpHが下がり始めた時点で、残存する
Fe2+に追加の硫酸第一鉄塩水溶液(1.6mol/
l)4.0lを添加し、更に、最終生成物に対してSi
換算で1.5wt%のケイ酸ナトリウムを添加した
水酸化ナトリウム水溶液を反応溶液のpHが8以上とな
るように添加し、引き続き酸化反応を行って中間層を形
成した。残存したFe2+の約半分が酸化された時点
で、反応溶液中に0.093molのCu元素を含む硫
酸銅水溶液を添加し、酸化反応をpH6.5〜8.5で
行った。この生成した磁性酸化鉄粒子を含む溶液を通常
の方法で水洗・乾燥して黒色磁性酸化鉄粒子粉末を得
た。
【0180】得られた黒色磁性酸化鉄粒子粉末を前記方
法に従って溶解させたところ、各Fe溶解率に対する異
種金属元素の存在位置は、Fe溶解率0%から40%ま
ではCuが溶解しており(表層部分)、40%から50
%までは異種金属元素は溶解しておらず(中間層)、5
0%から100%まではMnが溶解していることが分か
る。即ち、芯部分にはMnが含まれており、表層部分に
はCu及びケイ素が含まれており、それらの間に存在す
る中間層にはCu及びMnが含まれていない相が存在す
る。表層部分のCu量は粒子全体のFe量に対して0.
20重量%であり、芯部分のMn量は粒子全体のFe量
に対して0.50重量%であった。
【0181】この粒子は、平均粒子径0.20μmの球
状粒子であった。また中間層形成後と表層部分形成後の
粒子のTEM観察から中間層は層状構造であり、表層部
分は微粒子の集合体からなる微粒子層構造であった。
【0182】このときの製造条件を表1に、得られた黒
色磁性酸化鉄粒子粉末の諸特性を表2及び表3に示す。
【0183】実施例8、12、比較例1、2 黒色磁性酸化鉄粒子の製造条件を種々変化させた以外は
実施例2に記載の製造方法と同様にして黒色磁性酸化鉄
粒子粉末を得た。
【0184】このときの製造条件を表1に、得られた黒
色磁性酸化鉄粒子粉末の諸特性を表2及び表3に示す。
【0185】実施例5<黒色磁性酸化鉄粒子粉末の生成
(方法)> Fe2+1.6mol/lを含む硫酸第一鉄水溶液2
0.0lと0.068molのZn元素を含む硫酸亜鉛
水溶液4.8lを、あらかじめ反応器中準備された4.
0mol/lの水酸化ナトリウム水溶液15.2lに加
え(Fe2+に対して0.95当量に該当する量とZn
元素の沈殿をつくるために必要な量の合計量。)、温度
90℃において毎分80lの空気を通気して酸化反応を
開始し、酸化反応開始直後のpHを8.9に調節し酸化
反応を行い芯部分を生成した。この反応の終了時点(水
酸化ナトリウムが酸化反応に消費され反応スラリーのp
Hが下がり始めた時点)ではZn元素は酸化鉄芯部分中
に全て取り込まれ、反応溶液にはFe2+(約1.6m
ol)が残存した。この残存Fe2+に対して当量の水
酸化ナトリウム水溶液(4.0mol/l)を添加し引
き続き酸化反応を行った。なお、水酸化ナトリウム水溶
液中に最終生成物に対してSiO換算で0.5wt%
のケイ酸ナトリウムを含有させた。ここでの反応溶液の
pHを9に調整し芯部分表面に層状構造のマグネタイト
を形成し反応を完結させた。この中間層まで形成した酸
化鉄粒子を含む反応溶液に硫酸第一鉄水溶液(Fe 2+
1.6mol/lを含む硫酸第一鉄水溶液4.0l)と
該硫酸第一鉄水溶液のFe2+に対して当量の水酸化ナ
トリウム水溶液(4.0mol/l)を添加し、反応溶
液のpHを7に調整して引き続き酸化反応を行った。こ
の酸化反応が進行する途中で、0.117molのZn
を含む硫酸亜鉛水溶液1.9lを添加し酸化反応を継続
し、Zn及びケイ素を含む表層部分を形成した後、反応
を完了した。反応終了時点での溶液のpHは7であっ
た。生成した磁性酸化鉄粒子を含む反応溶液を通常の方
法で水洗・濾別・乾燥・粉砕して黒色磁性酸化鉄粒子粉
末を得た。
【0186】また中間層形成後と表層部分形成後の粒子
のTEM観察から中間層は層状構造であり、表層部分は
微粒子の集合体からなる微粒子層構造であった。得られ
た黒色磁性酸化鉄粒子粉末は、平均粒子径0.24μm
の六面体粒子であり、中間層はFeの溶解率で10%か
ら20%の間であった。芯部分のZn量は粒子全体のF
eに対して0.15重量%であり、表層部分のZn量は
0.25重量%であった。
【0187】このときの製造条件を表1に、得られた黒
色磁性酸化鉄粒子粉末の諸特性を表2及び表3に示す。
【0188】実施例5、10、比較例3、7 黒色磁性酸化鉄粒子の製造条件を種々変化させた以外は
実施例5に記載の製造方法と同様にして黒色磁性酸化鉄
粒子粉末を得た。
【0189】このときの製造条件を表1に、得られた黒
色磁性酸化鉄粒子粉末の諸特性を表2及び表3に示す。
【0190】実施例6<黒色磁性酸化鉄粒子粉末の生成
(方法)> Fe2+1.6mol/lを含む硫酸第一鉄水溶液2
0.0lと2.254molのZn元素を含む硫酸亜鉛
水溶液3.7lを、あらかじめ反応器中準備された4.
0mol/lの水酸化ナトリウム水溶液16.3lに加
え(Fe2+に対して0.95当量に該当する量とZn
の沈殿をつくるために必要な量の合計量。)、温度90
℃において毎分80lの空気を通気して酸化反応を行い
芯部分を作成した。この反応の終了時点(水酸化ナトリ
ウムが酸化反応に消費され反応スラリーのpHが下がり
始めた時点)ではZn元素は酸化鉄芯部分中に全て取り
込まれ、反応器内にはFe2+(約1.6mol)が残
存した。この残存Fe2+に追加の硫酸第一鉄水溶液
(Fe2+1.6mol/l水溶液)を1.5l加えて
反応溶液中のFe2+量を4molとし、このFe2+
と当量の水酸化ナトリウム水溶液を加えてpH9で酸化
反応を行い異種金属を含まない中間層を作成した。な
お、水酸化ナトリウム水溶液中に最終生成物に対してS
iO換算で2.0wt%のケイ酸ナトリウムを添加し
た。この中間層まで形成した酸化鉄粒子を含む反応液に
さらに追加の硫酸第一鉄水溶液(Fe2+1.6mol
/lを含む硫酸第一鉄水溶液5.63l)とこのFe
2+と当量の水酸化ナトリウム水溶液(4.0mol/
l)と1.127molのZnを含む硫酸亜鉛水溶液
2.8lを添加し酸化反応を行い中間層の表面にZnと
ケイ素を含有する表層部分を形成した。ここでの反応p
Hは9に調整した。反応終了時点でのpHは9であっ
た。生成した磁性酸化鉄粒子を含む反応溶液を通常の方
法で水洗・濾別・乾燥・粉砕して黒色磁性酸化鉄粒子粉
末を得た。
【0191】この粒子は、平均粒子径0.10μmの球
状粒子であり、中間層はFeの溶解率で20%から28
%の間であった。芯部分のZn量は粒子全体のFeに対
して4.0重量%であり、表面層のZn量は2.0重量
%であった。また中間層形成後と表層部分形成後の粒子
のTEM観察から、中間層及び表層部分は層状構造であ
った。
【0192】このときの製造条件を表1に、得られた黒
色磁性酸化鉄粒子粉末の諸特性を表2及び表3に示す。
【0193】実施例7、9、13、比較例4、6 黒色磁性酸化鉄粒子粉末の製造条件を種々変化させた以
外は実施例2に記載の製造方法と同様にして黒色磁性酸
化鉄粒子粉末を得た。
【0194】このときの製造条件を表1に、得られた黒
色磁性酸化鉄粒子粉末の諸特性を表2及び表3に示す。
【0195】なお、表2の形態の欄の「層状」は層状構
造であることを示し、「粒状」は多数の微粒子が集合し
た微粒子層構造であることを示す。
【0196】
【表1】
【0197】
【表2】
【0198】
【表3】
【0199】実施例14 前記発明の実施の形態で得られた黒色磁性酸化鉄粒子粉
末10kgとγ−グリシドオキシプロピルトリメトキシ
シラン(日本ニユカー社製 A−187)100g(黒
色磁性酸化鉄粒子に対して1.0重量部)とをシンプソ
ンミックスマーラーである「サンドミルMPUV−2」
(松本鋳造鉄工所社製)に投入して線荷重30kg/c
mで60分間混合して、黒色磁性酸化鉄粒子の粒子表面
に疎水基を有する有機化合物を被覆処理した。
【0200】得られた黒色磁性酸化鉄粒子粉末は、平均
粒子径が0.24μm、BET比表面積が7.0m
g、飽和磁化値が81.6Am/kg、黒色度a
0.4、FeO含有量が20.4wt%、磁性粒子の帯
電量が飽和する時間は3分、吸油量が7.2ml/10
0g、スチレン−アクリル樹脂混練物の樹脂膜面の20
°光沢値が94.0%であった。
【0201】このときの製造条件を表4に、得られた黒
色磁性酸化鉄粒子粉末の諸特性を表5に示す。
【0202】実施例15〜17 表面処理条件を種々変化させた以外は実施例14に記載
の製造方法と同様にして黒色磁性酸化鉄粒子粉末を得
た。
【0203】このときの製造条件を表4に、得られた黒
色磁性酸化鉄粒子粉末の諸特性を表5に示す。なお、得
られた黒色磁性酸化鉄粒子粉末の粒子形状、平均粒子径
及びFeO含有量は前記発明の実施の形態の黒色磁性酸
化鉄粒子粉末と同程度であった。
【0204】
【表4】
【0205】
【表5】
【0206】実施例18 前記発明の実施の形態で得られた黒色磁性酸化鉄粒子粉
末1kgを含有する水懸濁液(pH10〜11)中に、温
度80℃で撹拌しながら、黒色磁性酸化鉄粒子粉末に対
してSiO換算で0.1重量%の3号水ガラスを含む
水溶液を滴下した後、pHを7〜9に調整して30分撹
拌した。その後、濾過、水洗したの後、60℃で乾燥し
て粒子表面にケイ素の水酸化物が被覆した黒色磁性酸化
鉄粒子粉末を得た。
【0207】得られた黒色磁性酸化鉄粒子粉末は、平均
粒子径が0.24であって、BET比表面積が7.8m
/gであって、飽和磁化値が82.4Am/kgで
あって、黒色度aが0.3であって、FeO含有量が
20.4wt%、帯電量の飽和時間が3分であって、圧
縮度が40であって、吸油量が17ml/100gであ
った。
【0208】このときの製造条件を表6に、得られた黒
色磁性酸化鉄粒子粉末の諸特性を表7に示す。
【0209】実施例19〜21 表面処理条件を種々変化させた以外は実施例18に記載
の製造方法と同様にして黒色磁性酸化鉄粒子粉末を得
た。
【0210】このときの製造条件を表6に、得られた黒
色磁性酸化鉄粒子粉末の諸特性を表7に示す。なお、得
られた黒色磁性酸化鉄粒子粉末の粒子形状、平均粒子径
及びFeO含有量は前記発明の実施の形態の黒色磁性酸
化鉄粒子粉末と同程度であった。
【0211】
【表6】
【0212】
【表7】
【0213】実施例22 前記発明の実施の形態で得られた黒色磁性酸化鉄粒子粉
末9.9kgにBET比表面積値が170m/gのコ
ロイダルシリカ(日産化学社製 スノーテックスST−
40)125g(酸化物換算として純度40%)とを、
シンプソンミックスマーラーである「サンドミルMPU
V−2」(松本鋳造鉄工所製)に投入して線荷重50k
g/cmで60分間混合して、前記黒色磁性酸化鉄粒子
粉末の粒子表面にシリカ微粒子を付着させた。
【0214】得られた黒色磁性酸化鉄粒子粉末は、酸化
物微粒子の付着量がSiO換算で0.5重量%であっ
て、BET比表面積が7.6m/gであって、飽和磁
化値が82.3Am/kgであって、黒色度a
0.5であって、帯電量の飽和時間が5分であって、圧
縮度が42であって、吸油量が16ml/100gであ
った。
【0215】このときの製造条件を表8に、得られた黒
色磁性酸化鉄粒子粉末の諸特性を表9に示す。
【0216】実施例23〜26 表面処理条件を種々変化させた以外は実施例22に記載
の製造方法と同様にして黒色磁性酸化鉄粒子粉末を得
た。
【0217】このときの製造条件を表8に、得られた黒
色磁性酸化鉄粒子粉末の諸特性を表9に示す。なお、得
られた黒色磁性酸化鉄粒子粉末の粒子形状、平均粒子径
及びFeO含有量は前記発明の実施の形態の黒色磁性酸
化鉄粒子粉末と同程度であった。
【0218】実施例27 1900gの酸化チタン微粒子(日本エアロゾル社製
P−21,BET比表面積値:170m/g、一次粒
子の平均径:21nm)と100gのシランカップリン
グ剤 KBM−13(信越シリコーン社製:メチルシラ
ン)とをシンプソンミックスマーラーである「サンドミ
ルMPUV−2」(松本鋳造鉄工所製)に投入して線荷
重50kg/cmで60分間混合して、疎水化処理した
酸化チタン微粒子を得た。
【0219】得られた疎水化処理した酸化チタン微粒子
100gと前記発明の実施の形態で得られた黒色磁性酸
化鉄粒子粉末9.9kgとを、シンプソンミックスマー
ラーである「サンドミルMPUV−2」(松本鋳造鉄工
所製)に投入して線荷重50kg/cmで60分間混合
して、前記黒色磁性酸化鉄粒子粉末の粒子表面に疎水化
処理した酸化チタン微粒子を付着させた。
【0220】得られた黒色磁性酸化鉄粒子粉末は、酸化
物微粒子の付着量がTiO換算で1.0重量%であっ
て、BET比表面積が7.7m/gであって、飽和磁
化値が81.7Am/kgであって、黒色度a
0.5であって、帯電量の飽和時間が5分であって、圧
縮度が44であって、吸油量が16ml/100gであ
った。
【0221】このときの製造条件を表8に、得られた黒
色磁性酸化鉄粒子粉末の諸特性を表9に示す。
【0222】実施例28 表面処理条件を種々変化させた以外は実施例27に記載
の製造方法と同様にして黒色磁性酸化鉄粒子粉末を得
た。なお、シラン化合物で処理されたSiO微粒子は
日本アエロジル社製のR812であり、トリメチルシリ
ル基を有する処理剤で表面処理されている。
【0223】このときの製造条件を表8に、得られた黒
色磁性酸化鉄粒子粉末の諸特性を表9に示す。
【0224】
【表8】
【0225】
【表9】
【0226】使用例1〜28、比較使用例1〜7 黒色磁性酸化鉄粒子粉末の種類を種々変化させた以外は
前記磁性トナーの製造と同様にして磁性トナーを得た。
得られた磁性トナーの諸特性を表10乃至表13に示
す。
【0227】
【表10】
【0228】
【表11】
【0229】
【表12】
【0230】
【表13】
【0231】
【発明の効果】本発明に係る黒色磁性酸化鉄粒子粉末
は、黒色度が高く、帯電性能に優れ、しかも、帯電の立
ち上がりが早く帯電量を安定して維持できるので、黒色
磁性粒子粉末として好適である。
【0232】本発明に係る黒色磁性酸化鉄粒子粉末を用
いた磁性トナーは、帯電性能に優れ、しかも低温低湿又
は高温高湿等の環境下でも帯電量を安定して維持するこ
とができるので、磁性トナーとして好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 発明の実施の形態で得られた黒色磁性酸化鉄
粒子粉末のFeの溶解率の各段階における異種金属元素
の含有量をプロットした図である。上段がFe溶解率の
各段階におけるMn元素の溶解率を積算値で表した。下
段は上段の図を元にFeの溶解率の各段階におけるMn
溶解率を示した図である。
フロントページの続き (72)発明者 青木 功荘 広島県大竹市明治新開1番4 戸田工業株 式会社大竹創造センター内 (72)発明者 三浦 末彦 広島県大竹市明治新開1番4 戸田工業株 式会社大竹創造センター内 Fターム(参考) 4G002 AA04 AA06 AB02 AD04 AE01 AE02 4J037 AA15 CA09 CA11 CA12 DD02 DD05 DD07 DD12 DD13 FF05 FF11

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均粒子径0.05〜1.0μmの黒色
    粒状スピネル型酸化鉄粒子であって、該黒色粒状スピネ
    ル型酸化鉄粒子は、芯部分と表層部分と該表層部分と芯
    部分との間に中間層とからなる三相構造を有していると
    共に、前記芯部分と前記表層部分の各部分に粒子の全F
    eに対して0.1〜10重量%のMn、Zn、Cu、N
    i、Cr、Cd、Sn、Mg、Ti、Ca及びAlから
    選ばれたFe以外の異種金属元素の一種又は二種以上を
    含有しており、且つ、中間層中にFe以外の前記異種金
    属元素を含んでいないことを特徴とする黒色磁性酸化鉄
    粒子粉末。
  2. 【請求項2】 黒色磁性酸化鉄粒子粉末のaが1.0
    以下であることを特徴とする請求項1記載の黒色磁性酸
    化鉄粒子粉末。
  3. 【請求項3】 ケイ素化合物が黒色磁性酸化鉄粒子粉末
    の中間層、表層部分、中間層及び表層部分に存在してい
    ることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の黒色磁
    性酸化鉄粒子粉末。
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