JP2002308489A - 磁気テープの製造方法 - Google Patents
磁気テープの製造方法Info
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- B26D7/00—Details of apparatus for cutting, cutting-out, stamping-out, punching, perforating, or severing by means other than cutting
- B26D7/08—Means for treating work or cutting member to facilitate cutting
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- Forests & Forestry (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Manufacturing Of Magnetic Record Carriers (AREA)
- Registering, Tensioning, Guiding Webs, And Rollers Therefor (AREA)
- Nonmetal Cutting Devices (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 スリッタにより裁断される各磁気テープの幅
寸法を±５μｍの許容誤差範囲内とすることが可能な磁
気テープの製造方法を提供する。 【解決手段】 スリッタ２に供給する直前にウェブＷＢ
を幅方向に拡張させる。
寸法を±５μｍの許容誤差範囲内とすることが可能な磁
気テープの製造方法を提供する。 【解決手段】 スリッタ２に供給する直前にウェブＷＢ
を幅方向に拡張させる。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気テープの製造
方法に関し、詳しくは、コンピュータのデータバックア
ップ用の磁気テープに好適な磁気テープの製造方法に関
するものである。
方法に関し、詳しくは、コンピュータのデータバックア
ップ用の磁気テープに好適な磁気テープの製造方法に関
するものである。
【０００２】
【従来の技術】カセットテープやビデオテープを始めと
して、コンピュータのデータバックアップ用にも使用さ
れる各種の磁気テープの製造工程においては、巻戻しリ
ールにバルク状に巻かれた幅広の磁気テープ原反（以
下、ウェブという。）が複数のガイドローラ等を介して
スリッタに供給され、このスリッタによって複数本の磁
気テープに裁断される。そして、裁断された各磁気テー
プは、巻取装置側へ連続的に移送されて巻取装置の各巻
取ハブに巻き取られる。
して、コンピュータのデータバックアップ用にも使用さ
れる各種の磁気テープの製造工程においては、巻戻しリ
ールにバルク状に巻かれた幅広の磁気テープ原反（以
下、ウェブという。）が複数のガイドローラ等を介して
スリッタに供給され、このスリッタによって複数本の磁
気テープに裁断される。そして、裁断された各磁気テー
プは、巻取装置側へ連続的に移送されて巻取装置の各巻
取ハブに巻き取られる。
【０００３】ここで、カセットテープやビデオテープ等
においては、前記スリッタによって裁断される各テープ
の幅寸法を±１０μｍの許容誤差範囲内に収めることが
要求されている。一方、コンピュータのデータバックア
ップ用のメタルテープにおいては、幅方向の少なくとも
一側に予めサーボトラックが記録される関係で、幅寸法
を±５〜６μｍの許容誤差範囲内に収めることが要求さ
れている。そこで、前記スリッタとしては、単体精度と
してテープの幅寸法によらず±２μｍ程度の誤差で各テ
ープを裁断可能な高精度のスリッタを使用している。
においては、前記スリッタによって裁断される各テープ
の幅寸法を±１０μｍの許容誤差範囲内に収めることが
要求されている。一方、コンピュータのデータバックア
ップ用のメタルテープにおいては、幅方向の少なくとも
一側に予めサーボトラックが記録される関係で、幅寸法
を±５〜６μｍの許容誤差範囲内に収めることが要求さ
れている。そこで、前記スリッタとしては、単体精度と
してテープの幅寸法によらず±２μｍ程度の誤差で各テ
ープを裁断可能な高精度のスリッタを使用している。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな高精度のスリッタを使用しているにも拘わらず、実
際の磁気テープの製造ラインにおいては、ウェブの幅方
向中央部付近から裁断される各磁気テープの幅寸法が＋
８μｍ程度と許容誤差の上限値を大きく超えてしまう事
態が発生していた。そこで、本件出願に係る発明者等
は、ウェブの幅方向中央部付近から裁断された磁気テー
プの幅寸法が許容誤差の上限値を大きく超えてしまう原
因を探求した結果、次のような原因を究明した。
うな高精度のスリッタを使用しているにも拘わらず、実
際の磁気テープの製造ラインにおいては、ウェブの幅方
向中央部付近から裁断される各磁気テープの幅寸法が＋
８μｍ程度と許容誤差の上限値を大きく超えてしまう事
態が発生していた。そこで、本件出願に係る発明者等
は、ウェブの幅方向中央部付近から裁断された磁気テー
プの幅寸法が許容誤差の上限値を大きく超えてしまう原
因を探求した結果、次のような原因を究明した。
【０００５】すなわち、巻戻しリールに巻かれるウェブ
は、その巻きズレを防止するように幅方向中央部付近の
厚みが両側付近の厚みより僅かに厚い中高の断面形状に
形成されているため、巻戻しリールにバルク状に巻かれ
たウェブは、幅方向中央部付近が僅かに膨らんだ太鼓状
を呈しており、その幅方向中央部付近の直径が両側付近
の直径より大きくなっている。このため、巻戻しリール
から複数のガイドローラ等を巻回してスリッタに至るウ
ェブのパスラインは、幅方向両側付近のパスラインより
中央部付近のパスラインが僅かに長くなっており、スリ
ッタに供給されるウェブの張力は、幅方向両側付近の張
力より中央部付近の張力が若干低下している。その結
果、ウェブの幅方向中央部付近では、スリッタにより裁
断される際に各磁気テープが幅方向に撓み、その幅寸法
が許容誤差の上限値を大きく超えてしまうことを究明し
た。そして、スリッタに供給する直前にウェブを幅方向
に拡張させれば、スリッタにより裁断される各磁気テー
プの幅寸法を±５〜６μｍの許容誤差範囲内とし得るこ
とを見出して本発明を完成した。
は、その巻きズレを防止するように幅方向中央部付近の
厚みが両側付近の厚みより僅かに厚い中高の断面形状に
形成されているため、巻戻しリールにバルク状に巻かれ
たウェブは、幅方向中央部付近が僅かに膨らんだ太鼓状
を呈しており、その幅方向中央部付近の直径が両側付近
の直径より大きくなっている。このため、巻戻しリール
から複数のガイドローラ等を巻回してスリッタに至るウ
ェブのパスラインは、幅方向両側付近のパスラインより
中央部付近のパスラインが僅かに長くなっており、スリ
ッタに供給されるウェブの張力は、幅方向両側付近の張
力より中央部付近の張力が若干低下している。その結
果、ウェブの幅方向中央部付近では、スリッタにより裁
断される際に各磁気テープが幅方向に撓み、その幅寸法
が許容誤差の上限値を大きく超えてしまうことを究明し
た。そして、スリッタに供給する直前にウェブを幅方向
に拡張させれば、スリッタにより裁断される各磁気テー
プの幅寸法を±５〜６μｍの許容誤差範囲内とし得るこ
とを見出して本発明を完成した。
【０００６】本発明は、前記の経緯により完成されたも
のであり、スリッタにより裁断される各磁気テープの幅
寸法を±５〜６μｍの許容誤差範囲内とすることが可能
な磁気テープの製造方法を提供することを課題とする。
のであり、スリッタにより裁断される各磁気テープの幅
寸法を±５〜６μｍの許容誤差範囲内とすることが可能
な磁気テープの製造方法を提供することを課題とする。
【０００７】
【課題を解決するための手段】前記の課題を解決する手
段として、本発明に係る磁気テープの製造方法は、幅広
のウェブをスリッタに供給して複数本の磁気テープに裁
断するに当たり、前記ウェブをスリッタに供給する直前
に幅方向に拡張させることを特徴とする。
段として、本発明に係る磁気テープの製造方法は、幅広
のウェブをスリッタに供給して複数本の磁気テープに裁
断するに当たり、前記ウェブをスリッタに供給する直前
に幅方向に拡張させることを特徴とする。
【０００８】本発明に係る磁気テープの製造方法によれ
ば、スリッタに供給される直前にウェブを幅方向に拡張
させるため、スリッタに供給されるウェブの幅方向中央
部付近の張力低下が解消され、ウェブの張力は幅方向に
均一化される。その結果、スリッタにより裁断される際
の各磁気テープの幅方向の撓みを抑制でき、スリッタに
よって裁断される各磁気テープの幅寸法を±５μｍの許
容誤差の範囲内とすることが可能となる。
ば、スリッタに供給される直前にウェブを幅方向に拡張
させるため、スリッタに供給されるウェブの幅方向中央
部付近の張力低下が解消され、ウェブの張力は幅方向に
均一化される。その結果、スリッタにより裁断される際
の各磁気テープの幅方向の撓みを抑制でき、スリッタに
よって裁断される各磁気テープの幅寸法を±５μｍの許
容誤差の範囲内とすることが可能となる。
【０００９】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明に係
る磁気テープの製造方法の実施の形態を説明する。参照
する図面において、図１は本発明に係る磁気テープの製
造方法が適用される磁気テープの製造ラインを模式的に
示す側面図、図２は図１に示した拡張ローラ装置の概略
構造を示す側面図、図３は図２に示した拡張ローラ装置
の拡張ローラの配置構成を示す正面図である。
る磁気テープの製造方法の実施の形態を説明する。参照
する図面において、図１は本発明に係る磁気テープの製
造方法が適用される磁気テープの製造ラインを模式的に
示す側面図、図２は図１に示した拡張ローラ装置の概略
構造を示す側面図、図３は図２に示した拡張ローラ装置
の拡張ローラの配置構成を示す正面図である。
【００１０】本発明に係る磁気テープの製造方法は、図
１に示す磁気テープの製造ラインに適用される。この製
造ラインは、巻戻しリール１にバルク状に巻かれた磁気
テープ原反であるウェブＷＢをスリッタ２に供給して複
数本の磁気テープＴＰに裁断し、裁断した各磁気テープ
ＴＰを例えば３台の巻取装置３の各巻取ハブ３Ａに連続
的に巻き取るように構成されている。この製造ラインに
おいて、前記巻戻しリール１から巻き戻されるウェブＷ
Ｂは、複数のガイドローラ４および単一のグランドサク
ションドラム５を巻回してスリッタ２側へ移送され、こ
のスリッタ２により裁断された各磁気テープＴＰは、前
記３台の巻取装置３に対応して配置された３本のテンシ
ョンローラ６を巻回して各巻取ハブ３側へ連続的に移送
される。
１に示す磁気テープの製造ラインに適用される。この製
造ラインは、巻戻しリール１にバルク状に巻かれた磁気
テープ原反であるウェブＷＢをスリッタ２に供給して複
数本の磁気テープＴＰに裁断し、裁断した各磁気テープ
ＴＰを例えば３台の巻取装置３の各巻取ハブ３Ａに連続
的に巻き取るように構成されている。この製造ラインに
おいて、前記巻戻しリール１から巻き戻されるウェブＷ
Ｂは、複数のガイドローラ４および単一のグランドサク
ションドラム５を巻回してスリッタ２側へ移送され、こ
のスリッタ２により裁断された各磁気テープＴＰは、前
記３台の巻取装置３に対応して配置された３本のテンシ
ョンローラ６を巻回して各巻取ハブ３側へ連続的に移送
される。
【００１１】前記ウェブＷＢは、幅広のベースフイルム
の表面に磁気塗料層を形成し、裏面にバックコート層を
形成したものであり、巻戻しリール１に対する巻きズレ
を防止するように幅方向中央部付近の厚みが両側付近の
厚みより僅かに厚い中高の断面形状に形成されている。
このため、巻戻しリール１にバルク状に巻かれたウェブ
ＷＢは、幅方向中央部付近が僅かに膨らんだ太鼓状を呈
しており、その幅方向中央部付近の直径は、両側付近の
直径より２ｍｍ程度大きくなっている。
の表面に磁気塗料層を形成し、裏面にバックコート層を
形成したものであり、巻戻しリール１に対する巻きズレ
を防止するように幅方向中央部付近の厚みが両側付近の
厚みより僅かに厚い中高の断面形状に形成されている。
このため、巻戻しリール１にバルク状に巻かれたウェブ
ＷＢは、幅方向中央部付近が僅かに膨らんだ太鼓状を呈
しており、その幅方向中央部付近の直径は、両側付近の
直径より２ｍｍ程度大きくなっている。
【００１２】前記スリッタ２は、所定間隔で配列された
複数対の回転刃２Ａ，２Ｂの間に前記ウェブＷＢを導入
して複数本の磁気テープＴＰに裁断する装置であり、例
えば前記ウェブＷＢを１２．６５ｍｍ（１／２イン
チ）、２５．４ｍｍ（１インチ）、３．８１ｍｍ等の規
定の幅寸法で１００〜５００本程度の本数に裁断する。
このスリッタ２は、例えば幅寸法１２．６５ｍｍの磁気
テープＴＰでは±２μｍ程度の誤差で裁断可能な単体精
度を有している。
複数対の回転刃２Ａ，２Ｂの間に前記ウェブＷＢを導入
して複数本の磁気テープＴＰに裁断する装置であり、例
えば前記ウェブＷＢを１２．６５ｍｍ（１／２イン
チ）、２５．４ｍｍ（１インチ）、３．８１ｍｍ等の規
定の幅寸法で１００〜５００本程度の本数に裁断する。
このスリッタ２は、例えば幅寸法１２．６５ｍｍの磁気
テープＴＰでは±２μｍ程度の誤差で裁断可能な単体精
度を有している。
【００１３】前記グランドサクションドラム５は、ウェ
ブＷＢの移送速度を規定するため、その周面にウェブＷ
Ｂを吸着して回転する。そして、このグランドサクショ
ンドラム５の周速度を基準として前記巻取装置３の巻取
ハブ３Ａの回転速度が制御される。
ブＷＢの移送速度を規定するため、その周面にウェブＷ
Ｂを吸着して回転する。そして、このグランドサクショ
ンドラム５の周速度を基準として前記巻取装置３の巻取
ハブ３Ａの回転速度が制御される。
【００１４】ここで、前記のように巻戻しリール１にバ
ルク状に巻かれたウェブＷＢの直径は、幅方向両側付近
より中央部付近が２ｍｍ程度大きいため、巻戻しリール
１から複数のガイドローラ４等を巻回してスリッタ２に
至るウェブＷＢのパスラインは、幅方向両側付近のパス
ラインより中央部付近のパスラインが僅かに長くなって
いる。このため、スリッタ２に供給されるウェブＷＢの
張力は、幅方向両側付近の張力より中央部付近の張力が
若干低下する傾向にある。そこで、スリッタ２に供給さ
れるウェブＷＢの幅方向中央部付近の張力低下を解消し
てウェブＷＢの張力を幅方向に均一化させるため、スリ
ッタ２の近傍には拡張ローラ装置７が設けられている。
ルク状に巻かれたウェブＷＢの直径は、幅方向両側付近
より中央部付近が２ｍｍ程度大きいため、巻戻しリール
１から複数のガイドローラ４等を巻回してスリッタ２に
至るウェブＷＢのパスラインは、幅方向両側付近のパス
ラインより中央部付近のパスラインが僅かに長くなって
いる。このため、スリッタ２に供給されるウェブＷＢの
張力は、幅方向両側付近の張力より中央部付近の張力が
若干低下する傾向にある。そこで、スリッタ２に供給さ
れるウェブＷＢの幅方向中央部付近の張力低下を解消し
てウェブＷＢの張力を幅方向に均一化させるため、スリ
ッタ２の近傍には拡張ローラ装置７が設けられている。
【００１５】前記拡張ローラ装置７は、図２に示すよう
に、スリッタ２の近傍に配置されてウェブＷＢが巻回さ
れるバックアップローラ７Ａと、このバックアップロー
ラ７ＡにウェブＷＢの幅方向両側付近を弾性的に押圧し
てウェブＷＢを幅方向に拡張させる左右一対の拡張ロー
ラ７Ｂとを備えている。各拡張ローラ７Ｂは、スライド
台７Ｃに沿って前後に移動可能な支持台７Ｄに回転自在
に支持されており、スライド台７Ｃと支持台７Ｄとの間
にはエアシリンダ７Ｅが介設されている。そして、この
エアシリンダ７Ｅが伸張すると、各拡張ローラ７Ｂが図
２に示すようにウェブＷＢをバックアップローラ７Ａに
押圧し、エアシリンダ７Ｅが収縮すると、各拡張ローラ
７Ｂが図２の左方に退避してバックアップローラ７Ａか
ら離間するように構成されている。
に、スリッタ２の近傍に配置されてウェブＷＢが巻回さ
れるバックアップローラ７Ａと、このバックアップロー
ラ７ＡにウェブＷＢの幅方向両側付近を弾性的に押圧し
てウェブＷＢを幅方向に拡張させる左右一対の拡張ロー
ラ７Ｂとを備えている。各拡張ローラ７Ｂは、スライド
台７Ｃに沿って前後に移動可能な支持台７Ｄに回転自在
に支持されており、スライド台７Ｃと支持台７Ｄとの間
にはエアシリンダ７Ｅが介設されている。そして、この
エアシリンダ７Ｅが伸張すると、各拡張ローラ７Ｂが図
２に示すようにウェブＷＢをバックアップローラ７Ａに
押圧し、エアシリンダ７Ｅが収縮すると、各拡張ローラ
７Ｂが図２の左方に退避してバックアップローラ７Ａか
ら離間するように構成されている。
【００１６】前記左右一対の拡張ローラ７Ｂ，７Ｂは、
軸長の短いクラウンローラで構成してもよいが、比較的
小さい接触角でもウェブＷＢを幅方向に十分に拡張させ
ることができる軸長の短いテーパローラで構成されてい
る。この一対の拡張ローラ７Ｂ，７Ｂは、図３に示すよ
うに、その小径側を相互に対向させた状態でバックアッ
プローラ７Ａの両端部付近の周面に対向して左右対称に
配置されている。各拡張ローラ７Ｂは、ウェブＷＢをバ
ックアップローラ７Ａに弾性的に押圧するように、その
周面が例えばウレタンゴム等の弾性材料で構成されてい
る。ここで、左右一対の拡張ローラ７Ｂ，７Ｂは、その
大径部の周縁でウェブＷＢを幅方向に押し広げて拡張さ
せるように、ウェブＷＢの移送方向前方が開いた逆ハ字
状に配置されている。すなわち、一対の拡張ローラ７
Ｂ，７Ｂは、各回転軸と直交する各回転面がウェブＷＢ
の移送方向に対してそれぞれαの接触角をなして逆ハ字
状に配置されている。
軸長の短いクラウンローラで構成してもよいが、比較的
小さい接触角でもウェブＷＢを幅方向に十分に拡張させ
ることができる軸長の短いテーパローラで構成されてい
る。この一対の拡張ローラ７Ｂ，７Ｂは、図３に示すよ
うに、その小径側を相互に対向させた状態でバックアッ
プローラ７Ａの両端部付近の周面に対向して左右対称に
配置されている。各拡張ローラ７Ｂは、ウェブＷＢをバ
ックアップローラ７Ａに弾性的に押圧するように、その
周面が例えばウレタンゴム等の弾性材料で構成されてい
る。ここで、左右一対の拡張ローラ７Ｂ，７Ｂは、その
大径部の周縁でウェブＷＢを幅方向に押し広げて拡張さ
せるように、ウェブＷＢの移送方向前方が開いた逆ハ字
状に配置されている。すなわち、一対の拡張ローラ７
Ｂ，７Ｂは、各回転軸と直交する各回転面がウェブＷＢ
の移送方向に対してそれぞれαの接触角をなして逆ハ字
状に配置されている。
【００１７】前記各拡張ローラ７Ｂは、最大径が４０ｍ
ｍ程度、幅が１５ｍｍ程度であって、片側２０°程度の
勾配のテーパを有している。そして、ウェブＷＢの移送
方向に対する各拡張ローラ７Ｂの接触角αは、１〜５°
（好ましくは１〜３°）の範囲に設定されている。ま
た、各拡張ローラ７Ｂのバックアップローラ７Ａに対す
る接触圧力は、１００〜２０００ｇ（好ましくは５００
〜１０００ｇ）の範囲に設定されている。
ｍ程度、幅が１５ｍｍ程度であって、片側２０°程度の
勾配のテーパを有している。そして、ウェブＷＢの移送
方向に対する各拡張ローラ７Ｂの接触角αは、１〜５°
（好ましくは１〜３°）の範囲に設定されている。ま
た、各拡張ローラ７Ｂのバックアップローラ７Ａに対す
る接触圧力は、１００〜２０００ｇ（好ましくは５００
〜１０００ｇ）の範囲に設定されている。
【００１８】以上のように構成された磁気テープの製造
ライン（図１参照）において、巻戻しリール１にバルク
状に巻かれたウェブＷＢは、複数のガイドローラ４、グ
ランドサクションドラム５、複数のガイドローラ４、拡
張ローラ装置７のバックアップローラ７Ａ、複数のガイ
ドローラ４を順次巻回してスリッタ２に供給され、その
複数対の回転刃２Ａ，２Ｂの間に導入されて複数本の磁
気テープＴＰに裁断される。そして、裁断された各磁気
テープＴＰは、それぞれテンションローラ６を巻回して
巻取装置３の巻取ハブ３Ａに巻き取られる。
ライン（図１参照）において、巻戻しリール１にバルク
状に巻かれたウェブＷＢは、複数のガイドローラ４、グ
ランドサクションドラム５、複数のガイドローラ４、拡
張ローラ装置７のバックアップローラ７Ａ、複数のガイ
ドローラ４を順次巻回してスリッタ２に供給され、その
複数対の回転刃２Ａ，２Ｂの間に導入されて複数本の磁
気テープＴＰに裁断される。そして、裁断された各磁気
テープＴＰは、それぞれテンションローラ６を巻回して
巻取装置３の巻取ハブ３Ａに巻き取られる。
【００１９】このような磁気テープＴＰの製造工程にお
いて、図１に示すように前記スリッタ２の近傍に配設さ
れた拡張ローラ装置７は、図３に示すように接触角αを
なして逆ハ字状に配置された左右一対の拡張ローラ７
Ｂ，７ＢがウェブＷＢの左右両側付近をバックアップロ
ーラ７Ａに弾性的に押圧しつつ転動することにより、ス
リッタ２に供給される直前にウェブＷＢを幅方向に押し
広げて拡張させる。このため、スリッタ２に供給される
ウェブＷＢの張力は、幅方向に均一化されて幅方向中央
部付近の張力低下が解消される。その結果、スリッタ２
の複数対の回転刃２Ａ，２Ｂによって裁断される各磁気
テープＴＰは、幅方向の撓みが抑制された状態で裁断さ
れる。従って、スリッタ２により裁断される各磁気テー
プＴＰの幅寸法を±５μｍの許容誤差の範囲内とするこ
とが可能となる。
いて、図１に示すように前記スリッタ２の近傍に配設さ
れた拡張ローラ装置７は、図３に示すように接触角αを
なして逆ハ字状に配置された左右一対の拡張ローラ７
Ｂ，７ＢがウェブＷＢの左右両側付近をバックアップロ
ーラ７Ａに弾性的に押圧しつつ転動することにより、ス
リッタ２に供給される直前にウェブＷＢを幅方向に押し
広げて拡張させる。このため、スリッタ２に供給される
ウェブＷＢの張力は、幅方向に均一化されて幅方向中央
部付近の張力低下が解消される。その結果、スリッタ２
の複数対の回転刃２Ａ，２Ｂによって裁断される各磁気
テープＴＰは、幅方向の撓みが抑制された状態で裁断さ
れる。従って、スリッタ２により裁断される各磁気テー
プＴＰの幅寸法を±５μｍの許容誤差の範囲内とするこ
とが可能となる。
【００２０】
【実施例】実施例として、図１に示すように拡張ローラ
装置７を備えた磁気テープの製造ラインを使用して幅広
のウェブＷＢを複数本の磁気テープＴＰに裁断し、スリ
ッタ２により裁断された各磁気テープＴＰの幅寸法の平
均誤差を計測した。ウェブＷＢの幅寸法は１０００ｍ
ｍ、磁気テープＴＰの幅寸法は１２．６５ｍｍ（１／２
インチ）、ウェブＷＢおよび磁気テープＴＰの移送速度
は６００ｍ／ｍｉｎとした。また、拡張ローラ装置７の
拡張ローラ７Ｂ，７Ｂは、接触角αを２°、接触圧力を
５００ｇとした。一方、比較例として、図１に示す磁気
テープの製造ラインから前記拡張ローラ装置７を撤去し
た製造ラインを使用して幅広のウェブＷＢを複数本の磁
気テープＴＰに裁断し、その他は実施例と同一の条件と
してスリッタ２により裁断された各磁気テープＴＰの幅
寸法の平均誤差を計測した。
装置７を備えた磁気テープの製造ラインを使用して幅広
のウェブＷＢを複数本の磁気テープＴＰに裁断し、スリ
ッタ２により裁断された各磁気テープＴＰの幅寸法の平
均誤差を計測した。ウェブＷＢの幅寸法は１０００ｍ
ｍ、磁気テープＴＰの幅寸法は１２．６５ｍｍ（１／２
インチ）、ウェブＷＢおよび磁気テープＴＰの移送速度
は６００ｍ／ｍｉｎとした。また、拡張ローラ装置７の
拡張ローラ７Ｂ，７Ｂは、接触角αを２°、接触圧力を
５００ｇとした。一方、比較例として、図１に示す磁気
テープの製造ラインから前記拡張ローラ装置７を撤去し
た製造ラインを使用して幅広のウェブＷＢを複数本の磁
気テープＴＰに裁断し、その他は実施例と同一の条件と
してスリッタ２により裁断された各磁気テープＴＰの幅
寸法の平均誤差を計測した。
【００２１】測定結果は図４に示すとおりであり、裁断
された各磁気テープＴＰの幅寸法の誤差の範囲は、実施
例では図４の（ａ）に示すように、−５μｍ〜＋２μｍ
となり、±５μｍの許容誤差の範囲に収束した。一方、
比較例では図４の（ｂ）に示すように、−２μｍ〜＋８
μｍとなり、±５〜６μｍの許容誤差の上限値を超えた
磁気テープＴＰが多数発生した。
された各磁気テープＴＰの幅寸法の誤差の範囲は、実施
例では図４の（ａ）に示すように、−５μｍ〜＋２μｍ
となり、±５μｍの許容誤差の範囲に収束した。一方、
比較例では図４の（ｂ）に示すように、−２μｍ〜＋８
μｍとなり、±５〜６μｍの許容誤差の上限値を超えた
磁気テープＴＰが多数発生した。
【００２２】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る磁気
テープの製造方法によれば、スリッタに供給される直前
にウェブを幅方向に拡張させるため、スリッタに供給さ
れるウェブの幅方向中央部付近の張力低下が解消され、
ウェブの張力は幅方向に均一化される。その結果、スリ
ッタにより裁断される際の各磁気テープの幅方向の撓み
を抑制でき、スリッタによって裁断される各磁気テープ
の幅寸法を±６μｍの許容誤差の範囲内とすることが可
能となる。従って、幅方向の少なくとも一側に予めサー
ボトラックが記録されるコンピュータのデータバックア
ップ用の磁気テープの製造に好適である。
テープの製造方法によれば、スリッタに供給される直前
にウェブを幅方向に拡張させるため、スリッタに供給さ
れるウェブの幅方向中央部付近の張力低下が解消され、
ウェブの張力は幅方向に均一化される。その結果、スリ
ッタにより裁断される際の各磁気テープの幅方向の撓み
を抑制でき、スリッタによって裁断される各磁気テープ
の幅寸法を±６μｍの許容誤差の範囲内とすることが可
能となる。従って、幅方向の少なくとも一側に予めサー
ボトラックが記録されるコンピュータのデータバックア
ップ用の磁気テープの製造に好適である。
【図１】本発明に係る磁気テープの製造方法が適用され
る磁気テープの製造ラインを模式的に示す側面図であ
る。
る磁気テープの製造ラインを模式的に示す側面図であ
る。
【図２】図１に示した拡張ローラ装置の概略構造を示す
側面図である。
側面図である。
【図３】図２に示した拡張ローラ装置の拡張ローラの配
置構成を示す正面図である。
置構成を示す正面図である。
【図４】実施例および比較例における磁気テープの幅寸
法の誤差範囲を示すグラフであり、（ａ）は実施例に対
応したグラフ、（ｂ）は比較例に対応したグラフであ
る。
法の誤差範囲を示すグラフであり、（ａ）は実施例に対
応したグラフ、（ｂ）は比較例に対応したグラフであ
る。
１ ：巻戻しリール ２ ：スリッタ ３ ：巻取装置 ４ ：ガイドローラ ５ ：グランドサクションドラム ６ ：テンションローラ ７ ：拡張ローラ装置 ７Ａ：バックアップローラ ７Ｂ：拡張ローラ ＷＢ：ウェブ ＴＰ：磁気テープ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Ｆターム(参考） 3F104 BA04 KA05 5D112 HH01
Claims (1)
- 【請求項１】 幅広のウェブをスリッタに供給して複数
本の磁気テープに裁断するに当たり、前記ウェブをスリ
ッタに供給する直前に幅方向に拡張させることを特徴と
する磁気テープの製造方法。
Priority Applications (2)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2001116886A JP2002308489A (ja) | 2001-04-16 | 2001-04-16 | 磁気テープの製造方法 |
| US10/121,598 US7240595B2 (en) | 2001-04-16 | 2002-04-15 | Process for producing magnetic tape |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2001116886A JP2002308489A (ja) | 2001-04-16 | 2001-04-16 | 磁気テープの製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2002308489A true JP2002308489A (ja) | 2002-10-23 |
Family
ID=18967545
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2001116886A Pending JP2002308489A (ja) | 2001-04-16 | 2001-04-16 | 磁気テープの製造方法 |
Country Status (2)
| Country | Link |
|---|---|
| US (1) | US7240595B2 (ja) |
| JP (1) | JP2002308489A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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| JP2016509961A (ja) * | 2013-03-14 | 2016-04-04 | サンドビック インテレクチュアル プロパティー アクティエボラーグ | 回転切断装置のための張力デバイス |
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| JP5592403B2 (ja) * | 2009-01-22 | 2014-09-17 | エイチビーケー ファミリー， エルエルシー | 波形成形作業における水分及び温度を制御する方法 |
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| WO2014070943A1 (en) | 2012-11-01 | 2014-05-08 | Hbk Family, Llc | Method and apparatus for fluting a web in the machine direction |
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| KR20170089436A (ko) * | 2014-12-25 | 2017-08-03 | 스미또모 가가꾸 가부시키가이샤 | 세퍼레이터 제조 방법 및 슬릿 방법 |
| WO2017179214A1 (ja) | 2016-04-15 | 2017-10-19 | 住友化学株式会社 | 多孔質セパレータ長尺、その製造方法、捲回体及びリチウムイオン電池 |
| CN114206601B (zh) | 2019-08-05 | 2023-06-09 | 因特普罗有限责任公司 | 行进纸幅材中特定于纸的水分控制 |
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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| US3161563A (en) * | 1962-09-04 | 1964-12-15 | Method and apparatus for the lateral stretching of webs, and resultant product | |
| US3294330A (en) * | 1963-05-01 | 1966-12-27 | Ampex | Web guide |
| US3246816A (en) * | 1963-12-31 | 1966-04-19 | Riegel Textile Corp | Web gripping and feeding mechanisms and methods |
| US3325857A (en) * | 1966-02-09 | 1967-06-20 | Fmc Corp | Apparatus for transverse stretching of films |
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-
2001
- 2001-04-16 JP JP2001116886A patent/JP2002308489A/ja active Pending
-
2002
- 2002-04-15 US US10/121,598 patent/US7240595B2/en not_active Expired - Lifetime
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2016509961A (ja) * | 2013-03-14 | 2016-04-04 | サンドビック インテレクチュアル プロパティー アクティエボラーグ | 回転切断装置のための張力デバイス |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| US7240595B2 (en) | 2007-07-10 |
| US20020149866A1 (en) | 2002-10-17 |
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