JP2002307802A - 偽造防止印刷物及びその作成方法 - Google Patents

偽造防止印刷物及びその作成方法

Info

Publication number
JP2002307802A
JP2002307802A JP2001112134A JP2001112134A JP2002307802A JP 2002307802 A JP2002307802 A JP 2002307802A JP 2001112134 A JP2001112134 A JP 2001112134A JP 2001112134 A JP2001112134 A JP 2001112134A JP 2002307802 A JP2002307802 A JP 2002307802A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
color
line
printed matter
image
printed
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001112134A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4682280B2 (ja
Inventor
和彦 ▲島▼田
Kazuhiko Shimada
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
National Printing Bureau
Original Assignee
Printing Bureau Ministry of Finance
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Printing Bureau Ministry of Finance filed Critical Printing Bureau Ministry of Finance
Priority to JP2001112134A priority Critical patent/JP4682280B2/ja
Publication of JP2002307802A publication Critical patent/JP2002307802A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4682280B2 publication Critical patent/JP4682280B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 斜めから観察する虹色を呈する放射状
のモアレを視認することのできる真偽判別の信頼性が高
く、明確かつ簡単に真偽判別可能な偽造防止印刷物を実
現する。 【解決手段】 基材1と同色又は透明な凸状万線2が
形成された基材表面上に、カラー画像の色要素となる複
数の色の万線状の印刷画線3を、凸状万線2と交差する
ように印刷することで、印刷面に対して斜めから観察し
た場合にのみ虹色を呈するモアレ模様5が視認可能とな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、銀行券、有価証
券、パスポート、身分証明書、カード、印紙類、証明
書、入場券等の偽造防止及び改竄防止が要求される貴重
印刷物等に適用される、モアレ模様を視認することので
きる偽造防止印刷物及びその作成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】銀行券、有価証券、パスポート、身分証
明書、カード、印紙類、証明書、入場券等の貴重印刷物
は、その性質上、偽造や改竄されにくいことが要求され
る。この防止策として、微細な画線構成等を付与してそ
の有無により真偽判別を行う等の技術が公知である。
【0003】しかしながら、微細な画線構成等はカラー
複写機によってほぼ再現できることから、容易に真偽判
別ができなくなってきている。特に、最近の電子カラー
複写機、スキャナー等の精度向上及びその普及により、
上記貴重印刷物が容易に複製され偽造される危険性があ
る。
【0004】このような技術的背景において、基材1上
に、図9(a)、(b)に夫々示す、等間隔の複数の直
線又は湾曲線から成る二つの印刷万線群19、20を互
いに交差するように印刷して、どこから観察しても、図
9(c)に示すように、交差部に沿って直線上にモアレ
21が視認できるようにして真偽判別をする偽造印刷物
の技術はすでに知られている。
【0005】さらに、本出願人において、基材上に凹凸
形状を有するレリーフ模様を凹版印刷、エンボス又はす
き入れにより形成し、その上に単色で万線模様を印刷す
ることにより潜像又はモアレ模様を付与し、基材を角度
を変えて観察することにより潜像又はモアレパターンを
認識できるようにして真偽判別に供することを要旨とす
る発明をすでに提案している(特許2600094号公
報、特許2615401号公報、特開平9−76622
号公報参照)。
【0006】さらに、本出願人において、基材上に形成
されたレリーフ万線状に、カラー画像の色要素から成る
複数の色の印刷万線を印刷し、斜めから観察することに
より濃淡の階調有するカラー潜像が認識できる偽造防止
用潜像模様形成体についてすでに提案している(特開2
000−313160号公報参照)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この図
9ですでに提案されている印刷物は、二つの万線群が単
色の印刷万線から成るものであり、しかも等間隔に印刷
された万線から成るものであるから、モアレも、どこか
ら観察しても視認でき、しかも上記のように単色で、直
線状に生じる単純なモアレ模様しか生じないから、偽造
防止の観点から未だ十分とは言えない。
【0008】又、上記本出願人の提案した単色の潜像又
はモアレパターンに係る先行発明も、あくまでも万線模
様が単色で、基材の色と万線模様の単色とのコントラス
トにより発現する潜像を確認するものであり、目視で一
見して潜像の確認をできるようにさらに改良の余地があ
った。
【0009】さらに、上記本出願人の提案したレリーフ
万線上に、複数の色の印刷万線を印刷したものは、あく
までもカラー潜像を観察可能とするものであり、より複
雑な形状であり、着色されたモアレ模様を現出させるよ
うなことをするものではないので、真偽判別信頼性向上
の観点から、さらに改良の余地があった。
【0010】本発明は、このような従来の問題を解決す
ることを目的とするものであり、正面から観察しても認
識はできないが、斜めから観察すると視認でき、虹色を
呈し、しかも放射状に複雑な形状のモアレを生じさせ、
これにより印刷物の真偽判別は、単色のものに比べて信
頼性が高く、明確、簡単に判別できる偽造防止印刷物を
実現することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために、基材と同色又は透明な凸状万線が形成され
た基材表面上に、カラー画像の色要素となる複数の色の
万線状の印刷画線が、上記凸状万線と交差するように印
刷されており、上記基材の印刷面に対して斜めから観察
した場合にのみ虹色を呈するモアレ模様が視認可能であ
ることを特徴とする偽造防止印刷物を提供する。
【0012】本発明は上記課題を解決するために、カラ
ー画像の色要素となる複数の色の万線状の印刷画線が印
刷された基材表面上に、上記基材と同色又は透明な凸状
万線が上記印刷画線と交差するように形成されており、
上記基材の印刷面に対して斜めから観察した場合にのみ
虹色を呈するモアレ模様が視認可能であることを特徴と
する偽造防止印刷物を提供する。
【0013】本発明は上記課題を解決するために、基材
表面上に、該基材と同色又は透明な凸状万線を形成し、
その後で上記基材表面に、カラー画像の色要素となる複
数の色の万線状の印刷画線を、上記凸状万線と交差する
ように印刷することにより、上記基材の印刷面に対して
斜めから観察した場合にのみ虹色を呈するモアレ模様が
視認可能な偽造防止印刷物を得ることを特徴とする偽造
防止印刷物の作成方法を提供する。
【0014】本発明は上記課題を解決するために、本発
明は上記課題を解決するために、基材表面上に、カラー
画像の色要素となる複数の色の万線状の印刷画線を印刷
し、その後で上記基材と同色又は透明な凸状万線を上記
印刷画線と交差するように形成することにより、上記基
材の印刷面に対して斜めから観察した場合にのみ虹色を
呈するモアレ模様が視認可能な偽造防止印刷物を得るこ
とを特徴とする偽造防止印刷物の作成方法を提供する。
【0015】上記凸状万線及び万線状の印刷画線は、夫
々直線及び曲線のいずれか1つ又は両方から構成されて
いることを特徴とする。
【0016】上記曲線は、互いに振幅が異なる波線であ
ることを特徴とする。
【0017】上記基材は、紙、樹脂、繊維又は金属から
形成されたものであることを特徴とする。
【0018】上記凸状万線は、エンボス、凹版印刷、又
はすき入れにより形成されたものであることを特徴とす
る。
【0019】上記凸状万線は、エンボス又は凹版印刷に
より形成されたものであることを特徴とする。
【0020】上記印刷画線は、イエロー、マゼンタ及び
シアンの三色の色インキで印刷されていることを特徴と
する。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明に係る偽造防止印刷物及び
その作成方法の実施の形態を実施例に基づいて図面を参
照して以下説明する。
【0022】(構造の概要)まず、本発明に係る偽造防
止印刷物及びその作成方法の概要を説明する。本発明に
係る偽造防止印刷物及びその作成方法は、例えば、証
券、パスポート、身分証明書等の貴重印刷物であり、基
材上に、基材と同色又は透明であって、基材の面から隆
起した複数の線が万線状に集合された線群(本明細書で
は、これを「凸状万線」と言う。)が形成され、さらに
この基材上においてこの凸状万線上に、カラー画像の色
要素となる複数の色の万線状の印刷画線が、上記凸状万
線と交差するように印刷されて構成される。
【0023】基材は、紙、樹脂、繊維等の材料から形成
されたものである。凸状万線はエンボス、凹版印刷、す
き入れ等により構成される。エンボスは、通常、プレス
により隆起状の万線として形成される。凹版印刷は、基
材と同色又は透明のインキにより隆起状の印刷画線とし
て形成される。そして、すき入れは抄紙時に隆起状のす
き入れ万線として形成される。凸状画線と印刷画線の交
差する角度が1度〜30度の間で変化していることが好
ましい。
【0024】印刷画線の複数の色は、カラー画像の色要
素となる複数の色であり、例えば、イエロー(Y)、マ
ゼンタ(M)、シアン(C)の三色採用され、この三色
の印刷画線により、所望のカラー画像が印刷されてい
る。印刷画線の各画線幅は50ミクロンから150ミク
ロンの間が好ましく、また、例えば、イエロ−(Y)、
マゼンタ(M)、シアン(C)の三色を採用した場合、
YMC、YMC、YMC・・・・・で繰り返されている
ことが好ましい。また、イエロ−(Y)、マゼンタ
(M)、シアン(C)で繰り返された各画線間におい
て、非画線部を設けないことが好ましい。
【0025】このように構成された本発明に係る偽造防
止印刷物は、印刷面に対して正面(真上)から観察する
と、三色の印刷画線から成る三色の混色(グレ−系)が
視認されるが、これを印刷面に対して斜めから観察する
と、虹色を呈したモアレ模様が視認でき、これにより、
印刷物の真偽判別を可能とする。
【0026】なお、以上説明した本発明に係る偽造防止
印刷物は、基材上に凸状万線を形成してから万線状のカ
ラー印刷画線を印刷したが、基材上に先にカラー印刷画
線を印刷した後で凸状万線を形成して成る構成であって
もよい。この場合は、凸状万線は、エンボス又は基材と
同色又は透明なインキにより形成する。
【0027】本発明に係る偽造防止印刷物の凸状万線と
印刷画線の基本的な構成、及びその機能、作用、効果等
について図1〜3において説明する。
【0028】図1〜3の夫々において、(a)は、基材
上に形成された凸状万線の構成を示し(実際は、基材と
同色又は透明の凸状万線で視認できないが説明上、線と
して示している。)、(b)は、凸状万線上において基
材上に印刷されるY、M、Cの三色の万線状の印刷画線
(実際は、後述する図5でその拡大図を示すような三色
の印刷画線から成る。)の構成を示し、(c)は、凸状
万線の形成された基材上に印刷画線を印刷した偽造防止
印刷物を印刷面に対して斜めから観察した状態を示して
いる。
【0029】なお、この実施例とは逆に、(a)は凸状
万線上において基材上に印刷されるY、M、Cの三色の
印刷画線の構成を示し、(b)は基材上に形成された凸
状万線の構成を示すようにしても、同様に虹色を呈した
モアレ模様が生じ、同様の効果を有する。
【0030】又、図1〜3において、夫々凸状万線ある
いは万線状の印刷画線が上方又は下方に湾曲している
が、以下説明上、図中、下方を負とし、上方を正とす
る。これにより、例えば、上方に湾曲している波を「正
の波」といい、下方に湾曲している波を「負の波」とい
う。
【0031】図1は、基材1上に負の波の凸状万線2を
形成し、その上から直線状の印刷画線3を印刷して成る
印刷物を示す。図1(a)で示す凸状万線2は、夫々全
体として負の波(sinカーブ)で描かれており、互い
に線の始点と終点の間隔は等しいが、夫々の波の振幅が
変調され、途中で間隔が異なっている。一方、図1
(b)で示す万線状の印刷画線3は、間隔が等しい複数
の直線から構成されており、各線が全て、色要素である
Y、M、Cの三色のいずれかで着色されている。
【0032】基材1上に、凸状万線2を形成し、さらに
その上から万線状の三色の印刷画線3を印刷して得られ
た偽造防止印刷物は、これを正面から観察しても、印刷
画線3で構成する三色の混色(グレ−系)が視認できる
だけである。その理由は、凸状万線2は、基材1と同色
又は透明であるから、凸状万線2自体は視認されること
がなく、しかも凸状万線2により印刷画線3は、その見
え方について何等影響を受けることなく、印刷画線3で
構成する三色の混色(グレ−系)が視認されるからであ
る。
【0033】ところが、偽造防止印刷物4の印刷面に対
して斜めから観察すると、図1(c)に示すような、放
射状のモアレ模様(干渉縞)5が形成される。この発明
の特徴は、このようなモアレ模様5が、印刷面に対して
斜めから観察して初めて視認でき、しかも虹色を呈する
放射状のモアレ模様であることである。その発生のメカ
ニズは次の通りである。
【0034】偽造防止印刷物4を印刷面に対して斜めか
ら観察した場合には、凸状万線2が隆起しているため
に、印刷画線3の中、凸状万線2に対して観察方向と反
対側に位置する凸状万線2に沿った部分は隠ぺいされる
こととなる。
【0035】要するに、凸状万線2に沿って観察方向と
反対側に位置し線状に陰となる部分が生じ、この線状に
陰の部分と印刷画線の交差部に沿って干渉が生じ、放射
状のモアレ模様5が発生し、これが視認可能となる。し
かも、印刷画線3は三色のカラー画線であるために、モ
アレ模様5虹色を呈した状態で視認できるようになる。
【0036】そして、偽造防止印刷物の印刷面に対する
斜めからの観察角度が変化すると、凸状万線2自体の隆
起により隠ぺいする領域が変化する作用が働き、視認可
能な印刷画線3の面積と形状が変化する。
【0037】その場合、印刷物の印刷面に対して観察角
度が水平に近づくほど、つまり、凸状万線の隆起による
印刷画線及び用紙部分に対しての隠ぺい面積が大きくな
るほど、画像変化がコントラストの強い、顕著な画像と
して認識できる。結局、印刷物を印刷面に対して正面方
向以外の任意の観察角度、観察方向から観察することで
虹色を呈するモアレ模様、及びそのモアレ模様を含む画
像の変化を認識することができる。
【0038】図2は、基材1上に負の波の凸状万線2を
形成し、さらにその上から負の波の三色の印刷画線6を
印刷して成る印刷物を示す。図2(a)で示す凸状万線
2及び図2(b)で示す印刷画線6は、ともに全体とし
て負の波(sinカーブ)で描かれている。しかし、凸
状万線2の振幅と印刷画線6の振幅とを比較すると、前
者は小さく後者は大きく変調している。この結果、凸状
万線2と印刷画線6は交差部を有する。
【0039】この図2に示す偽造防止印刷物7は、図1
に示す印刷物同様に、凸状万線2は、基材1と同色又は
透明であるから、凸状万線2により万線状の三色の印刷
画線6は、その見え方について何等影響を受けることな
く、印刷画線6で構成する三色の混色(グレー系)が視
認されるが、印刷面に対して斜めから観察すると、図2
(c)に示すような放射状の虹色を呈するモアレ模様
(干渉縞)8が観察される。
【0040】図3は、基材1上に、図3(a)で示す負
の波(sinカーブ)の凸状万線2が形成されており、
その上から図3(b)で示す等間隔な正の湾曲状の三色
の印刷画線9を印刷して成る偽造防止印刷物を示す。こ
のような構成であるから、凸状万線2と印刷画線9は互
いに交差する部分を有する。
【0041】この図3に示す偽造防止印刷物は、図1に
示す印刷物同様に、凸状万線2により万線状の三色の印
刷画線9は、その見え方について何等影響を受けること
なく、印刷画線9で構成する三色の混色(グレー系)が
視認されるが、印刷面に対して斜めから観察すると、偽
造防止印刷物10は、図3(c)に示すような放射状の
虹色を呈するモアレ模様(干渉縞)11が観察される。
【0042】(実施例)さらに、本発明に係る偽造防止
印刷物の実施例を図4〜8で説明する。図4(a)は、
基板1(紙面の地の部分で示す)上に形成されたエンボ
ス、凹版印刷又はすき入れにより形成された凸状万線1
2である。この凸状万線12は波(sinカーブ)の繰
り返し曲線が幅方向に複数本で集まって構成されてい
る。そして、この凸状万線12は、幅方向の中心部Oか
ら両側S、Sに向かって波の振幅が少しづつ大きくなる
ように構成されている。
【0043】基板1上に形成されたこの凸状万線12の
上から、互いに左右対称の複数の領域13(図4(b)
に示すように区画された領域)毎に、夫々異なるデザイ
ン(形状)である万線状の印刷画線14が印刷される。
この印刷画線14を図5に示す。この印刷画線14は、
図5の印刷物の画線拡大図に示すように、色要素として
のY、M、Cの三色のカラー画線から構成されている。
【0044】このように、基材上1に図4(a)に示す
凸状万線12が印刷された後で、その上に図5に示す印
刷画線14が印刷されて成る偽造防止印刷物15を正面
から観察すると、図6(b)に示すように、印刷画線1
4で構成された三色の混色(グレ−系)が視認される
(図5で示す印刷画線の画像と同じ画像)。
【0045】そして、この偽造防止印刷物15の印刷面
に対して斜めから観察した場合は、図6(a)に示すよ
うに、凸状万線12と印刷画線14の交差部に沿って形
成された虹色を呈する放射状のモアレ模様16が視認さ
れる。このモアレ模様16を確認することにより、判別
対象とする印刷物の真偽判別を可能とする。
【0046】このように印刷面から斜めに観察した場合
は、図7(印刷物をやや斜めから観察した場合の視認画
像図)及びその要部拡大図に示すように、凸状万線12
(図7に示すエンボス)とY、M、C三色夫々で着色さ
れたのカラー印刷画線14が互いに交差していることに
よって、斜めから観察した場合は、凸状万線12に沿っ
て線状に見えない部分が生じ、これにより上記モアレ模
様16が発生し視認されることとなる。
【0047】図8は、本発明に係る偽造防止印刷物の実
施例の変形例を説明する図であり、この変形例では、ま
ず基材1上に図8(a)に示すような、万線状のカラー
印刷画線17が印刷される。その後、この印刷画線17
(図8(b)中、点線でその輪郭を示した。)上から基
材1の表面に、図8(b)に示すような凸状万線18を
プレスや凹版印刷により形成するものである。この変形
例により得られる偽造防止印刷物が有する機能や効果
は、上記実施例に係る偽造防止印刷物と同様である。
【0048】以上、本発明に係る偽造防止印刷物の実施
の形態を実施例に基づいて説明したが、本発明は特にこ
のような実施例に限定されることなく、特許請求の範囲
記載の技術的事項の範囲内でいろいろな実施例があるこ
とは言うまでもない。
【0049】
【発明の効果】本発明に係る偽造防止印刷物及びその作
成方法は、以上のような構成であるから、正面から観察
しても認識できないが、斜めから観察すると視認でき、
虹色を呈し、しかも放射状に複雑な形状のモアレを生じ
させ、これにより印刷物の真偽判別は、単色のものに比
べて真偽判別の信頼性が高く、明確、簡単に判別できる
偽造防止印刷物を実現することである。
【0050】従って、本発明に係る偽造防止印刷物は、
公共性及び信頼性が要求される、例えば銀行券、パスポ
ート、有価証券、カードなどの真偽の判別に際して、あ
る特定の方向から観察する時にのみで、虹色の特定の文
字、図柄などを形成し、かつ極めて容易に特定の文字、
図柄などの有無が認識できる。
【0051】そして、凸状万線と交差する印刷画線の形
状、デザイン、色彩等をいろいろと工夫することによ
り、斜めに観察した場合に、放射状その他モアレ模様を
複雑化、多様化させて、偽造、変造、改竄等しにくく
し、偽造防止効果を高めることができる。
【0052】さらに、本発明に係る偽造防止印刷物及び
その作成方法によると、カラー複写機及び写真製版法に
よって偽造しようとしても、隆起した画線の抽出が困難
であり、印刷画線再現されず、複製物には複雑なモアレ
などが発生するため文字、図柄などの認識ができないか
ら偽造防止機能がきわめて高い。
【0053】このようにして、本発明に係る偽造防止印
刷物及びその作成方法によると、凸状万線に対して印刷
画線を精度よく刷り合わせることによって高品質なモア
レ模様が作成でき、精密で複雑な模様を組み込んだ偽造
防止印刷物が作成でき、また、印刷画線にも独自の有意
性のある図柄を付与できるために、例えば銀行券、パス
ポート、有価証券、カードなど多方面への利用が可能と
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本的な構成を説明する図である。
【図2】本発明の基本的な構成を説明する図である。
【図3】本発明の基本的な構成を説明する図である。
【図4】本発明の実施例の構成を説明する図である。
【図5】本発明の実施例の構成を説明する図である。
【図6】本発明の実施例の構成を説明する図である。
【図7】 本発明の実施例の構成を説明する図である。
【図8】 本発明の実施例の変形例構成を説明する図で
ある。
【図9】従来技術を説明する図である。
【符号の説明】
1 基材 2、12、18 凸状万線 3、6、9、14、17 印刷画線 4、7、10、15 偽造防止印刷物 5、8、11、16、21 モアレ模様 13 印刷の領域 19、20 印刷画線群

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材と同色又は透明な凸状万線が形成
    された基材表面上に、カラー画像の色要素となる複数の
    色の万線状の印刷画線が、上記凸状万線と交差するよう
    に印刷されており、上記基材の印刷面に対して斜めから
    観察した場合にのみ虹色を呈するモアレ模様が視認可能
    であることを特徴とする偽造防止印刷物。
  2. 【請求項2】 カラー画像の色要素となる複数の色の
    万線状の印刷画線が印刷された基材表面上に、上記基材
    と同色又は透明な凸状万線が上記印刷画線と交差するよ
    うに形成されており、上記基材の印刷面に対して斜めか
    ら観察した場合にのみ虹色を呈するモアレ模様が視認可
    能であることを特徴とする偽造防止印刷物。
  3. 【請求項3】 上記凸状万線及び万線状の印刷画線
    は、夫々直線及び曲線のいずれか1つ又は両方から構成
    されていることを特徴とする請求項1又は2記載の偽造
    防止印刷物。
  4. 【請求項4】 上記曲線は、互いに振幅が異なる波線
    であることを特徴とする請求項1、2又は3記載の偽造
    防止印刷物。
  5. 【請求項5】 上記基材は、紙、樹脂、繊維又は金属
    から形成されたものであることを特徴とする請求項1、
    2、3又は4記載の偽造防止印刷物。
  6. 【請求項6】 上記凸状万線は、エンボス、凹版印
    刷、又はすき入れにより形成されたものであることを特
    徴とする請求項1、3、4又は5記載の偽造防止印刷
    物。
  7. 【請求項7】 上記凸状万線は、エンボス又は凹版印
    刷により形成されたものであることを特徴とする請求項
    2記載の偽造防止印刷物。
  8. 【請求項8】 上記印刷画線は、イエロー、マゼンタ
    及びシアンの三色の色インキで印刷されていることを特
    徴とする請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の偽
    造防止印刷物。
  9. 【請求項9】 基材表面上に、該基材と同色又は透明
    な凸状万線を形成し、その後で上記基材表面に、カラー
    画像の色要素となる複数の色の万線状の印刷画線を、上
    記凸状万線と交差するように印刷することにより、上記
    基材の印刷面に対して斜めから観察した場合にのみ虹色
    を呈するモアレ模様が視認可能な偽造防止印刷物を得る
    ことを特徴とする偽造防止印刷物の作成方法。
  10. 【請求項10】 基材表面上に、カラー画像の色要素
    となる複数の色の万線状の印刷画線を印刷し、その後で
    上記基材と同色又は透明な凸状万線を上記印刷画線と交
    差するように形成することにより、上記基材の印刷面に
    対して斜めから観察した場合にのみ虹色を呈するモアレ
    模様が視認可能な偽造防止印刷物を得ることを特徴とす
    る偽造防止印刷物の作成方法。
  11. 【請求項11】 上記凸状万線及び万線状の印刷画線
    は、夫々直線及び曲線のいずれか1つ又は両方から構成
    されていることを特徴とする請求項9又は10記載の偽
    造防止印刷物の作成方法。
  12. 【請求項12】 上記曲線は、互いに振幅が異なる波
    線であることを特徴とする請求項9、10又は11記載
    の偽造防止印刷物の作成方法。
  13. 【請求項13】 上記基材は、紙、樹脂、繊維又は金
    属から形成することを特徴とする請求項9、10、11
    又は12記載の偽造防止印刷物の作成方法。
  14. 【請求項14】 上記凸状万線は、エンボス、凹版印
    刷、又はすき入れにより形成することを特徴とする請求
    項9、11、12又は13記載の偽造防止印刷物の作成
    方法。
  15. 【請求項15】 上記凸状万線は、エンボス又は凹版
    印刷により形成することを特徴とする請求項10記載の
    偽造防止印刷物の作成方法。
  16. 【請求項16】 上記印刷画線は、イエロー、マゼン
    タ及びシアンの三色の色インキで印刷することを特徴と
    する請求項9、10、11、12、13、14又は15
    記載の偽造防止印刷物の作成方法。
JP2001112134A 2001-04-11 2001-04-11 偽造防止印刷物 Expired - Fee Related JP4682280B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001112134A JP4682280B2 (ja) 2001-04-11 2001-04-11 偽造防止印刷物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001112134A JP4682280B2 (ja) 2001-04-11 2001-04-11 偽造防止印刷物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002307802A true JP2002307802A (ja) 2002-10-23
JP4682280B2 JP4682280B2 (ja) 2011-05-11

Family

ID=18963599

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001112134A Expired - Fee Related JP4682280B2 (ja) 2001-04-11 2001-04-11 偽造防止印刷物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4682280B2 (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004089645A1 (es) * 2003-04-14 2004-10-21 Hurtado Pastor, Juan Jose Procedimiento para obtener un grabado, en especial un grabado para comprobar la autenticidad de documentos y similares
ES2257975A1 (es) * 2003-04-14 2006-08-01 Juan Jose Hurtado Pastor Procedimiento para obtener un grabado, en especial un grabado para comprobar la autenticidad de documentos y similares.
JP2013231758A (ja) * 2012-04-27 2013-11-14 Nippon Seiki Co Ltd ドット模様表示体、計器装置、及び、ドット模様表示体の生産方法
JP2015047772A (ja) * 2013-09-02 2015-03-16 独立行政法人 国立印刷局 偽造防止用潜像画像表出構造
CN106515243A (zh) * 2016-09-23 2017-03-22 河南省邮电印刷厂 一种仿彩虹印刷防伪底纹及其印刷工艺
CN106971215A (zh) * 2016-01-14 2017-07-21 北京柯斯元科技有限公司 一种随机纹理防伪方法、防伪识别系统和防伪系统
CN111051075A (zh) * 2017-11-27 2020-04-21 卡巴-诺塔赛斯有限公司 包括彩虹特征的印刷安全元件及其制造方法
CN113313782A (zh) * 2021-06-15 2021-08-27 福建正孚软件有限公司 一种基于立体纹路的文件防伪方法和系统

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000313160A (ja) * 1999-04-28 2000-11-14 Printing Bureau Ministry Of Finance Japan 偽造防止用潜像模様形成体及びその作製方法

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3482977B2 (ja) * 1995-09-08 2004-01-06 独立行政法人 国立印刷局 偽造防止印刷物の作成方法及びその印刷物

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000313160A (ja) * 1999-04-28 2000-11-14 Printing Bureau Ministry Of Finance Japan 偽造防止用潜像模様形成体及びその作製方法

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004089645A1 (es) * 2003-04-14 2004-10-21 Hurtado Pastor, Juan Jose Procedimiento para obtener un grabado, en especial un grabado para comprobar la autenticidad de documentos y similares
ES2257975A1 (es) * 2003-04-14 2006-08-01 Juan Jose Hurtado Pastor Procedimiento para obtener un grabado, en especial un grabado para comprobar la autenticidad de documentos y similares.
JP2013231758A (ja) * 2012-04-27 2013-11-14 Nippon Seiki Co Ltd ドット模様表示体、計器装置、及び、ドット模様表示体の生産方法
JP2015047772A (ja) * 2013-09-02 2015-03-16 独立行政法人 国立印刷局 偽造防止用潜像画像表出構造
CN106971215A (zh) * 2016-01-14 2017-07-21 北京柯斯元科技有限公司 一种随机纹理防伪方法、防伪识别系统和防伪系统
CN106515243A (zh) * 2016-09-23 2017-03-22 河南省邮电印刷厂 一种仿彩虹印刷防伪底纹及其印刷工艺
CN111051075A (zh) * 2017-11-27 2020-04-21 卡巴-诺塔赛斯有限公司 包括彩虹特征的印刷安全元件及其制造方法
CN111051075B (zh) * 2017-11-27 2021-05-11 卡巴-诺塔赛斯有限公司 包括彩虹特征的印刷安全元件及其制造方法
CN113313782A (zh) * 2021-06-15 2021-08-27 福建正孚软件有限公司 一种基于立体纹路的文件防伪方法和系统

Also Published As

Publication number Publication date
JP4682280B2 (ja) 2011-05-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5437897A (en) Anti-counterfeit latent image formation object for bills, credit cards, etc. and method for making the same
US5443579A (en) Printed matter and method for printing the same
JP4682280B2 (ja) 偽造防止印刷物
JP5023987B2 (ja) 画像形成体
JP2001130125A (ja) 偽造防止構造を有する凹版印刷物、判別方法及び判別具
JP3686953B2 (ja) 偽造防止印刷物とその作製方法
JP3718742B2 (ja) 印刷又は表示画像の作成方法及び該作成方法により作成された画像表示体
JP4281149B2 (ja) 偽造防止用潜像模様形成体及びその作製方法
JP6746179B1 (ja) 複写防止用紙及びその製造方法
JPH11291610A (ja) 凹版潜像及び該潜像の作成方法
JP2000158789A (ja) 偽造防止用表示体とその製法
JP4304356B2 (ja) 偽造防止用潜像模様形成体及びその作製方法
JP3268418B2 (ja) 複写防止模様の作成方法及びその印刷物
JP2008068510A (ja) 真偽判別可能な印刷物
JP2002254788A (ja) 網点画像を利用した真偽判別可能な印刷物及びその判別方法
JP3695510B2 (ja) 複写防止模様を有する印刷物及びその作成方法
JP2005219356A (ja) 真偽判別媒体
JPH11321169A (ja) 偽造防止印刷物
JP3289127B2 (ja) 複写防止模様の作成方法及びその印刷物
JP3268419B2 (ja) 複写防止模様の作成方法及びその印刷物
JPH088139Y2 (ja) 書類の偽造防止方法および偽造防止用紙
JP3268420B2 (ja) 複写防止模様の作成方法及びその印刷物
JP3673971B2 (ja) 偽造防止印刷物
JP2005028645A (ja) 連続階調表現用集合模様を有する印刷物及びその真偽判別方法
JP2002301855A (ja) 特殊潜像模様形成体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20071018

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100706

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100804

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20101110

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20101110

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140218

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees