JP2002307722A5 - - Google Patents

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Description

【0023】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明の第1の態様は、インクジェット記録装置に使用される液体収納容器であって、容器内外を接続可能な接続口と、該接続口に設けられる弾性部材と有し、前記弾性部材に筒状部材を挿通することで容器内外が連通する液体収納容器において、前記弾性部材は、前記筒状部材を挿入しない状態で、圧縮領域と実質的な非圧縮領域とを有し、前記筒状部材を挿入した状態では、前記筒状部材を挿入しない状態での、前記圧縮領域および前記非圧縮領域が圧縮状態となり、前記圧縮領域および前記非圧縮領域は、前記筒状部材の挿入方向に対して圧縮領域、非圧縮領域の順番に並んでいることを特徴とする。
本発明の第2の態様は、インクジェット記録装置に使用される液体収納容器であって、容器内外を接続する接続口と、該接続口を塞ぐ弾性部材と、該弾性部材を収納するハウジングとを有し、前記弾性部材に筒状部材を挿通することで容器内外が連通する液体収納容器において、前記弾性部材が前記筒状部材の進入側端から進入方向に向かう切れ込みを有し、前記ハウジング内で前記弾性部材がハウジング内の中心方向へ圧縮され、前記弾性部材は、前記筒状部材が挿入する方向に直交する領域の形状において、どちらか一方が凸形状、逆側が凹形状、且つほぼ厚み一定のドーム形状であり、前記ドーム形状部の前記凹形状側に突き出た柱形状を有し、前記切れ込みが、該柱形状内に収まることを特徴とする。
また、前記弾性部材をドーム形状にすることによって、弾性部材を固定部材で押圧したときに、ハウジング内において弾性部材内部に弾性部材の中心方向へ圧縮された状態を容易に作り出すことができる。よって、弾性部材に筒状部材を挿通させたときの、弾性部材と筒状部材の密着力が向上し、接続口密閉の信頼性が高まる。また、前記ドーム形状部の前記凹形状側の柱形状は、前記筒状部材が挿入する方向に突き出ているために、弾性部材に筒状部材を挿入しても「めくれ」が発生しにくい構造になっているので、筒状部材の挿入による弾性部材の陥没を防ぐことができる。その結果、従来技術に比べ、筒状部材と弾性部材との接触面積を大きく保てる。さらに、前記弾性部材の前記筒状部材の進入方向に切れ込みを設けることにより、切れ込みにて筒状部材を案内して貫通させることができる。そのため、筒状部材の挿入時における弾性部材の損傷の発生を防いで、接続口の密閉をより確実なものとすることができる。
また、上記のような第2の態様において、前記切り込みの、前記筒状部材の進入方向と直交する方向に関する長さLが、前記筒状部材の直径Dに対して、1.5πD>Lの関係にあることが好ましい。切り込みの、針状筒の進入方向と直交する方向に関する長さが長すぎると、切り込み交点の弾性部材の肉と周辺の肉と切り離されて、弾性部材の陥没に対しての密閉性能が落ちるので、上記1.5π>Lの関係であることが望ましい。
【0195】
【発明の効果】
以上説明したように、第1の発明は、インクジェット記録装置に使用される液体収納容器であって、容器内外を接続可能な接続口と、該接続口に設けられる弾性部材と有し、前記弾性部材に筒状部材を挿通することで容器内外が連通する液体収納容器において、前記弾性部材は、前記筒状部材を挿入しない状態で、圧縮領域と実質的な非圧縮領域とを有し、前記筒状部材を挿入した状態では、前記筒状部材を挿入しない状態での、前記圧縮領域および前記非圧縮領域が圧縮状態となり、前記圧縮領域および前記非圧縮領域は、前記筒状部材の挿入方向に対して圧縮領域、非圧縮領域の順番に並んでいる構成をとる。これにより、非圧縮領域弾性部材の経年変化による弾性低下が、圧縮領域弾性部材と比較すると小さいものとなるので、圧縮領域弾性部材および非圧縮領域弾性部材に筒状部材を挿入した状態が長期間放置された場合、永久ひずみを生じて、筒状部材を抜いた時に元の状態に復帰できなくなる現象(クリープ現象)が非圧縮領域弾性部材では起きにくくなり、長期放置後に筒状部材を抜いた時でも、非圧縮領域弾性部材により、永久ひずみによる接続口のシール不能を防ぐことができる。さらに、非圧縮領域弾性部材を有することにより、筒状部材との接触面積の絶対量を増やすことができる。よって、液体収納容器内外の圧力変化に対しても接続口のシール性が向上する。
また、第2の発明は、インクジェット記録装置に使用される液体収納容器であって、容器内外を接続する接続口と、該接続口を塞ぐ弾性部材と、該弾性部材を収納するハウジングとを有し、前記弾性部材に筒状部材を挿通することで容器内外が連通する液体収納容器において、前記弾性部材が前記筒状部材の進入側端から進入方向に向かう切れ込みを有し、前記ハウジング内で前記弾性部材がハウジング内の中心方向へ圧縮され、前記弾性部材は、前記筒状部材が挿入する方向に直交する領域の形状において、どちらか一方が凸形状、逆側が凹形状、且つほぼ厚み一定のドーム形状であり、前記ドーム形状部の前記凹形状側に突き出た柱形状を有し、前記切れ込みが、該柱形状内に収まる構成をとる。これにより、針状筒の挿入の際に針状筒が切れ込みに沿って進入するため、常に一定の切り裂きで弾性部材を貫通させることができる。そのため、針状筒の挿入時における弾性部材の損傷の発生を防いで、接続口の密閉をより確実なものにすることができる。
また、前記弾性部材をドーム形状にすることによって、弾性部材を固定部材で押圧したときに、ハウジング内において弾性部材内部に弾性部材の中心方向へ圧縮された状態を容易に作り出すことができる。よって、弾性部材に筒状部材を挿通させたときの、弾性部材と筒状部材の密着力が向上し、接続口密閉の信頼性が高まる。また、前記ドーム形状部の前記凹形状側の柱形状は、前記筒状部材が挿入する方向に突き出ているために、弾性部材に筒状部材を挿入しても「めくれ」が発生しにくい構造になっているので、筒状部材の挿入による弾性部材の陥没を防ぐことができる。その結果、従来技術に比べ、筒状部材と弾性部材との接触面積を大きく保てる。さらに、前記弾性部材の前記筒状部材の進入方向に切れ込みを設けることにより、切れ込みにて筒状部材を案内して貫通させることができる。そのため、筒状部材の挿入時における弾性部材の損傷の発生を防いで、接続口の密閉をより確実なものとすることができる。
また、切り込みの、針状筒の進入方向と直交する方向に関する長さが長すぎると、切り込み交点の弾性部材の肉と周辺の肉と切り離されて、弾性部材の陥没に対しての密閉性能が落ちるので、前記切り込みの、前記筒状部材の進入方向と直交する方向に関する長さLが、前記筒状部材の直径Dに対して、1.5π>Lの関係であることが望ましい。

Claims (35)

  1. インクジェット記録装置に使用される液体収納容器であって、容器内外を接続可能な接続口と、該接続口に設けられる弾性部材と有し、前記弾性部材に筒状部材を挿通することで容器内外が連通する液体収納容器において、
    前記弾性部材は、
    前記筒状部材を挿入しない状態で、圧縮領域と実質的な非圧縮領域とを有し、
    前記筒状部材を挿入した状態では、前記筒状部材を挿入しない状態での、前記圧縮領域および前記非圧縮領域が圧縮状態となり、
    前記圧縮領域および前記非圧縮領域は、前記筒状部材の挿入方向に対して圧縮領域、非圧縮領域の順番に並んでいることを特徴とする液体収納容器。
  2. 前記弾性部材において、
    前記筒状部材が挿入する方向に直交する面が、
    前記筒状部材を挿入しない状態での、前記非圧縮領域よりも前記圧縮領域の方が広い、請求項1に記載の液体収納容器。
  3. 前記弾性部材において、
    前記筒状部材が挿入する方向において、
    前記筒状部材を挿入しない状態での、前記非圧縮領域よりも前記圧縮領域の方が長い、請求項1に記載の液体収納容器。
  4. 前記弾性部材において、
    前記筒状部材を挿入しない状態での、前記圧縮領域と前記非圧縮領域が単一部品である、請求項1に記載の液体収納容器。
  5. 前記弾性部材において、
    前記筒状部材が挿入する方向に直交する面形状において、対面する、どちらか一方の面が凸形状、逆側が凹形状、且つほぼ厚み一定であり、
    前記筒状部材を挿入しない状態での、前記非圧縮領域の形状が、前記凹形状側に突き出た柱形状である、請求項4に記載の液体収納容器。
  6. 前記弾性部材において、
    前記筒状部材が挿入する方向に直交する領域の形状において、
    挿入開始側の形状が凸形状である、請求項5に記載の液体収納容器。
  7. 前記接続口に設けられ、前記弾性部材を収納するハウジングと、該ハウジングの内径と前記弾性部材の外径とは略同一寸法であり、固定部材により前記弾性部材の前記凸形状側を押圧することで、前記ハウジング内で前記弾性部材が前記弾性部材の中心方向へ圧縮され、
    前記弾性部材の柱形状部の外径が前記接続口よりも小さい径である、請求項5に記載の液体収納容器。
  8. 前記弾性部材の前記凸形状側が、前記筒状部材が挿入する開口部を設けられた前記固定部材に押圧された状態で、
    前記弾性部材の前記固定部材に設けられた前記開口部内に前記弾性部材が押し出されていない、請求項5に記載の液体収納容器。
  9. 前記弾性部材の前記凸形状側の頂上部にすり鉢形状を設けた、請求項8に記載の液体収納容器。
  10. 前記弾性部材の前記凸形状側が、前記筒状部材が挿入する方向にほぼ直交する平面または一段くぼんだ平面である、請求項8に記載の液体収納容器。
  11. インクジェット記録装置に使用される液体収納容器であって、容器内外を接続する接続口と、該接続口を塞ぐ弾性部材と、該弾性部材を収納するハウジングとを有し、前記弾性部材に筒状部材を挿通することで容器内外が連通する液体収納容器において、
    前記弾性部材が前記筒状部材の進入側端から進入方向に向かう切れ込みを有し、前記ハウジング内で前記弾性部材がハウジング内の中心方向へ圧縮されており、
    前記弾性部材は、
    前記筒状部材が挿入する方向に直交する領域の形状において、どちらか一方が凸形状、逆側が凹形状、且つほぼ厚み一定のドーム形状であり、
    前記ドーム形状部の前記凹形状側に突き出た柱形状を有し、
    前記切れ込みが、該柱形状内に収まることを特徴とする液体収納容器。
  12. インクジェット記録装置に使用される液体収納容器であって、容器内外を接続可能な接続口と、該接続口に設けられる弾性部材と有し、前記弾性部材に筒状部材を挿通することで容器内外が連通する液体収納容器において、
    前記弾性部材が、前記筒状部材が挿入する方向に対して、
    前記筒状部材を挿入しない状態で、圧縮領域と実質的な非圧縮領域とを有し、該圧縮領域の形状が一方が凸形状で他方が凹形状のドーム形状であり、該凸形状の頂上部が前記筒状部材が挿入する方向に対して、ほぼ直交する平面または一段くぼんだ平面であり、前記非圧縮領域は前記凹形状側に突き出た柱形状であり、
    且つ前記筒状部材を挿入した状態では、前記筒状部材を挿入しない状態での、前記圧縮領域および前記非圧縮領域が圧縮され、
    前記弾性部材が前記筒状部材の進入側端から進入方向に向かう切れ込みを有し、前記切れ込みが、前記柱形状内に収まり、前記ハウジング内で前記弾性部材がハウジング内の中心方向へ圧縮されていることを特徴とする液体収納容器。
  13. 容器内外を接続可能な接続口と、該接続口に設けられる弾性部材と有し、前記弾性部材に筒状部材を挿通することで容器内外が連通する液体収納容器に使用される弾性部材であって、
    前記弾性部材が、前記筒状部材が挿入する方向に対して、
    前記筒状部材を挿入しない状態で、圧縮領域と実質的な非圧縮領域とを有し、該圧縮領域の形状が一方が凸形状で他方が凹形状のドーム形状であり、且つ前記凸形状の頂上部が前記筒状部材が挿入する方向に対し、ほぼ直交する平面または一段くぼんだ平面であり、前記非圧縮領域は前記凹形状側に突き出た柱形状であり、
    且つ前記筒状部材を挿入した状態では、前記筒状部材を挿入しない状態での、前記圧縮領域および前記非圧縮領域が圧縮され、
    前記弾性部材が前記筒状部材の進入側端から進入方向に向かう切れ込みを有し、前記切れ込みが、前記柱形状内に収まり、前記ハウジング内で前記弾性部材が中心方向へ圧縮されていることを特徴とする弾性部材。
  14. 前記切れ込みが単一である、請求項11に記載の液体収納容器。
  15. 前記切れ込みが前記弾性部材を貫通していない、請求項11に記載の液体収納容器。
  16. 前記切り込みの、前記筒状部材の進入方向と直交する方向に関する長さLが、前記筒状部材の直径Dに対して、2L>πDの関係にある、請求項11に記載の液体収納容器。
  17. 前記固定部材に液滴を吸収するための吸収体が取り付けられた請求項7に記載の液体収納容器。
  18. 前記固定部材に前記接続口を中心とする放射状の溝が設けられた請求項17に記載の液体収納容器。
  19. 前記弾性部材を押圧し固定する固定部材を有し、該固定部材に液滴を吸収するための吸収体が取り付けられるとともに、前記接続口を中心とする放射状の溝が設けられ、該放射状の溝のうち少なくとも一つが前記切れ込みの方向に沿って設けられている請求項11、12、14〜18のいずれか1項に記載の液体収納容器。
  20. 前記弾性部材を押圧し固定する固定部材を有し、前記筒状部材の前記弾性部材に挿入する先端部がテーパ形状をなし、前記固定部材は、前記弾性部材に対して前記筒状部材の進入を案内するために、前記弾性部材に接した一定の内径の開口部を有し、該開口部の前記筒状部材の進入方向の長さが、前記筒状部材の先端のテーパ形状部の長さよりも長い、請求項1または11に記載の液体収納容器。
  21. 前記筒状部材が侵入する方向に対して、直交する前記平面が、前記固定部材に設けられた開口径よりも大きい円形平面である、請求項20に記載の液体収納容器。
  22. 前記弾性部材の表面に潤滑剤が存在する、請求項1または11に記載の液体収納容器。
  23. 前記弾性部材を押圧し固定する固定部材に設けられ、前記筒状部材が進入する口に対して開口している前記弾性部材の少なくとも表面に、潤滑剤が存在する、請求項1または11に記載の液体収納容器。
  24. 前記弾性部材を押圧し固定する固定部材と前記弾性部材の接触面に潤滑剤が存在する、請求項1または11に記載の液体収納容器。
  25. 前記ハウジング内と前記弾性部材との接触面に潤滑剤が塗布された、請求項1または11に記載の液体収納容器。
  26. 前記弾性部材の前記筒状部材の進入方向に設けられた切れ込み内に潤滑剤が塗布された、請求項11に記載の液体収納容器。
  27. 前記弾性部材を押圧し固定する固定部材の少なくとも表面に潤滑剤が塗布された、請求項1または11に記載の液体収納容器。
  28. 前記弾性部材に塗布する潤滑剤がグリコール類から選択される材料である、請求項24〜27のいずれか1項に記載の液体収納容器。
  29. 請求項1〜28のいずれか1項に記載の液体収納容器を用いた記録装置であって、記録装置本体には前記液体収納容器が着脱可能に装着される被装着手段が設けられ、筒状部材が前記被装着手段に備えられていて、容器装着時に前記液体収納容器の接続口の弾性部材を貫通する記録装置。
  30. 前記液体収納容器内の液体が供給され、記録媒体に対して液滴を吐出して記録を行うインクジェットヘッドを備えた請求項29に記載の記録装置。
  31. 前記弾性部材を押圧し固定する固定部材を有し、該固定部材の押圧により、前記ハウジングと前記弾性部材の接合部形状が概略円形状である、請求項1に記載の液体収納容器。
  32. 前記切れ込みが複数で且つ、お互いがほぼ弾性部材中心にて交わっている、請求項11に記載の液体収納容器。
  33. 前記切れ込みが概略直線ないしは円弧である、請求項12に記載の液体収納容器。
  34. 前記切り込みの、前記筒状部材の進入方向と直交する方向に関する長さLが、前記筒状部材の直径Dに対して、1.5πD>Lの関係にある、請求項11に記載の液体収納容器。
  35. 容器内外を接続する接続口と、該接続口に筒状部材を挿通することで容器内外が連通する液体収納容器において、
    前記液体収納容器が、前記接続口を塞ぐ弾性部材と、前記筒状部材の直径Dに対して、前記筒状部材中心が前記弾性部材の中心より0.5D以内に導かれるガイドとを有していることを特徴とする液体収納容器。
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