JP2002307712A - 圧力調整室およびこれを有するインクジェット記録ヘッド、これを用いたインクジェット記録装置 - Google Patents
圧力調整室およびこれを有するインクジェット記録ヘッド、これを用いたインクジェット記録装置Info
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Abstract
た弾性部材を用いた圧力調整室において、コンパクトで
かつ圧力調整室の機能を最大限に引き出すことが可能な
簡単な構造かつ低コストの弾性部材、その弾性部材を用
いた圧力調整室を有し、かつコンパクトなインクジェッ
ト記録ヘッド、およびこの記録ヘッドを有するインクジ
ェット記録装置を提供する。 【解決手段】 連通する容器内の気体圧力を調整するよ
うに気体圧力に応じて容積が変化可能な少なくとも一つ
の弾性変形部10と、この弾性変形部10を上記容器に
支持するための支持部と、を有する圧力調整室を備え、
上記弾性変形部10は、一つの略円形形状である開口部
と、外周面に変形前の状態で略平らな2つの面とを有
し、上記2つの面が、上記開口部と反対側の先端部で曲
面部を介して連続する形状を有する構成である。
Description
るために用いる弾性変型体、これを用いた気体圧力調整
室、気体圧力調整機構を有するインクジェット記録ヘッ
ド、および該記録ヘッドを有するインクジェット記録装
置に関し、さらに詳細には、インク吐出動作時にインク
ジェット記録ヘッド内の液室に発生する負圧を調整する
ための気体圧力調整機構に関する。
(ノズル)からインクを吐出させて被記録媒体に文字や
画像等を形成するインクジェット記録方式は、低騒音の
ノンインパクト記録方式で高密度かつ高速の記録動作が
可能であるため、近年では広く採用されている。
クジェット記録ヘッドと、これを搭載するキャリッジを
駆動する手段と、被記録媒体を搬送する手段と、これら
を制御するための制御手段とを備えている。このよう
に、キャリッジを移動させながら記録動作を行うものを
シリアル型という。一方、インクジェット記録ヘッドを
移動させずに被記録媒体の搬送のみで記録動作を行うも
のをライン型という。ライン型のインクジェット記録装
置では、インクジェット記録ヘッドは、被記録媒体の幅
方向全幅にわたって配列された多数のノズルを有する。
インク滴を吐出させるために、ノズル内のインクに与え
る吐出用のエネルギーを発生するエネルギー発生手段を
有する。エネルギー発生手段としては、ピエゾ素子等の
電気機械変換体素子を用いたもの、発熱抵抗体等の電気
熱変換体素子を用いたもの、あるいは電波やレーザ等の
電磁波を機械的振動または熱に変換する電磁波機械変換
体素子、電磁波熱変換体素子を用いたもの等がある。そ
の中でも、熱エネルギーを利用してインク滴を吐出させ
る方式は、ノズルを高密度に配列させることができるた
め高解像度の記録を行うことが可能である。特に、電気
熱変換体素子をエネルギー発生素子として用いたインク
ジェット記録ヘッドは、電気機械変換体素子を用いたも
のよりも小型化が容易であり、更には、最近の半導体製
造分野において進歩と信頼性の向上が著しいIC技術や
マイクロ加工技術を応用してその長所を十分に活用する
ことにより、高密度実装化が容易でかつ製造コストを低
くできるという利点がある。
給方式としては、インクを収容するインクタンクをイン
クジェット記録ヘッドと一体としたいわゆるヘッドタン
ク一体方式、インクタンクとインクジェット記録ヘッド
とをチューブで接続したいわゆるチューブ供給方式、お
よび、インクタンクとインクジェット記録ヘッドとを別
々に設け、必要に応じてインクジェット記録ヘッドをイ
ンクタンクの位置まで移動させて両者を接続し、その間
にインクタンクからインクジェット記録ヘッドへインク
を供給する、いわゆるピットイン方式がある。
に、インクタンクの容量を大きくすると、インクタンク
の重量が増大するため、シリアル型のインクジェット記
録装置においては、キャリッジに加わる重量が増大する
ことを考慮すると、ヘッドタンク一体方式は好ましくな
い。したがって、大容量のインクタンクを用いるシリア
ル型のインクジェット記録装置では、チューブ供給方式
やピットイン方式を採用する場合が多い。中でも、ピッ
トイン方式はインクの供給中は記録動作を停止させる必
要があるため、長時間の連続記録が可能なチューブ供給
方式が多く採用される。
ト記録装置のインク供給系について、図13を参照して
説明する。
9を内部に収納するメインタンク304と、メインタン
ク304が着脱可能に装着される供給ユニット305
と、供給チューブ306を介して供給ユニット305と
接続されている記録ヘッド301とを有する。
その内部に有している。インク室305fは、大気口3
05gにより大気に開放されるとともに、インク室30
5fの底部において供給チューブ306と接続されてい
る。また、供給ユニット305には、それぞれ下端がイ
ンク室305f内に位置し、かつ上端が供給ユニット3
05の上面から突出している中空のインク供給針305
aおよび大気導入針305bが固定されている。インク
供給針305aの下端は、大気導入針305bの下端よ
りも低い位置にある。
4の内部を密閉するための、ゴム栓等で構成される2つ
のコネクタ部を底部に有し、メインタンク304単独で
は密閉構造となっている。メインタンク304を供給ユ
ニット305に装着する際は、インク供給針305aお
よび大気導入針305bがそれぞれコネクタ部を貫通し
メインタンク304の内部に侵入するように装着する。
インク供給針305bフ下端の位置と大気導入針305
bの下端の位置は上記のように設定されているので、メ
インタンク304内のインクはインク供給針305aを
介してインク室305fへ供給され、それによるメイン
タンク304内の圧力の減少分を補うように、大気導入
針305bを介してメインタンク304内に大気が導入
される。そして、大気導入針305bの下端がインクに
浸かる位置までインク室305f内にインクが供給され
ると、メインタンク304内へ大気が導入されなくなる
ので、メインタンク304からインク室305fへのイ
ンクの供給が停止する。
一定量のインクを蓄えるサブタンク部301bと、イン
クを吐出する複数のノズルが配列されたインク吐出部3
01gと、サブタンク部301bとインク吐出部301
gとを接続する流路301fとを有する。インク吐出部
301gではノズルの開口面が下方を向いており、イン
クは下向きに吐出される。インク吐出部301gの各ノ
ズル内には、上述したエネルギー発生手段が設けられて
いる。サブタンク部301bはインク吐出部301gの
上方に位置しており、供給チューブ306はこのサブタ
ンク部301bと接続されている。サブタンク部301
bと流路301fとの間には、インク中の微細な異物が
インク吐出部301gに侵入することによって生じるノ
ズルの目詰まりを防止するために、微細なメッシュ構造
を有するフィルタ301cが取り付けられている。
力損失を許容値以下とするように設定される。フィルタ
301cでの圧力損失は、フィルタ301cのメッシュ
が細かいほど、また、フィルタ301cを通過するイン
クの流量が多いほど高くなる。逆に、フィルタ301c
の面積には反比例する。近年の高速、多ノズル、小ドッ
トの記録ヘッドにおいては圧力損失が高くなる傾向にあ
るので、フィルタ301cの面積をできるだけ大きくし
て圧力損失の上昇を抑えている。
部301b内の急激な圧力変化を吸収してサブタンク部
301b内の圧力を調整する圧力調整室322を形成す
るために、外形形状がほぼ直方体状の弾性部材321が
取り付けられている。圧力調整室322は、記録ヘッド
301の上壁部に形成された開口部301dを介してサ
ブタンク部301b内とのみ連通している。弾性部材3
21がサブタンク部301b内の圧力の変化に応じて変
形することにより、そのサブタンク部301b内の圧力
変化が吸収されるように圧力調整室322の容積が変化
する。弾性部材321における記録ヘッド301の上面
と平行の方向の断面形状は、記録ヘッド301の上面と
ほぼ同じ大きさか、あるいは、その上面よりも小さくな
っている。そのため、圧力調整室322の必要な容積を
確保するために一定の高さが必要となる。
して開放されており、しかもノズルの開口面は下方を向
いて配置されているので、ノズルからのインクの漏れを
防止するために、記録ヘッド301の内部は負圧に保た
れている必要がある。一方、負圧が大きすぎるとノズル
内に空気が侵入し、ノズルからインクを吐出することが
できなくなってしまう。そこで、記録ヘッド301内を
適度の負圧状態とするために、ノズルの開口面の位置が
インク室305f内でのインクの液面に対して高さHだ
け高い位置になるように記録ヘッド301を配置し、記
録ヘッド301内が高さHの水頭差分の負圧に保たれた
状態とする。これによりノズルは、開口面にメニスカス
を形成した状態でインクを満たした状態に保たれる。
発生手段の駆動によりノズル内のインクを押し出すこと
によって行われる。インクの吐出後、ノズル内には毛管
力によってインクが充填される。記録動作中は、ノズル
からのインクの吐出と、ノズル内へのインクの充填が繰
り返され、インクは供給チューブ306を介して随時イ
ンク室305fから吸い上げられる。
301に吸い上げられ、インク室305f内のインクの
液面位置が大気導入針305bの下端よりも低くなる
と、大気導入針305bを介してメインタンク304内
に大気が導入され、それに伴ってメインタンク304内
のインクがインク室305fに供給され、大気導入針3
05bの下端が再びインク室305fのインクに浸か
る。こういった挙動を繰り返しながら、記録ヘッド30
1からのインクの吐出に伴い、メインタンク304内の
インクが記録ヘッド301へ供給される。
部301bには、供給チューブ306などの樹脂材料を
透過して侵入した空気や、インク中に溶存していた空気
が次第に蓄積してくる。サブタンク部301bに蓄積し
た余分な空気を排出するために、サブタンク部301b
には、排気ポンプ310cと接続された排気チューブ3
10aが接続されている。ただし、上述したように記録
ヘッド301内を適度な負圧状態に保つため、排気チュ
ーブ310aには弁310bが設けられており、排気動
作時にのみ弁310bを開くことによって、記録ヘッド
301内が大気圧にならないようにしている。
増粘物が詰まった場合や、インク吐出部301gのイン
ク中に溶存していた空気が蓄積され気泡となって生じた
場合に、これらを除去するために、インクジェット記録
装置においては回復ユニット307が一般的に設けられ
ている。回復ユニット307は、記録ヘッド301のノ
ズルの開口面をキャッピングするキャップ307aと、
このキャップ307bノ接続された吸引ポンプ307c
とを有し、キャップ307aでノズルの開口面をキャッ
ピングした状態で吸引ポンプ307cを駆動し、記録ヘ
ッド301内のインクを強制的に吸引することで、イン
クの増粘物や余分な気泡をインク吐出部301gから除
去する。
ければ、インクの増粘物や余分な気泡を効果的に除去で
きるので、流路301f内でのインクの流速を速くする
ために、流路301fの断面積は小さくされる。一方、
前述したように、フィルタ301cの断面積はできるだ
け大きく設定されるので、フィルタ301cの下では流
路は断面積を絞った形状とされる。
のインク供給系を説明したが、ヘッド一体方式やピット
イン方式においても、インクタンクから記録ヘッドまで
のインクの供給経路に関する構造が異なるだけで、記録
ヘッドのフィルタから下側の構造は、基本的にはチュー
ブ供給方式と同様である。
装置では、シアンインク、マゼンタインク、イエローイ
ンクを用いて減法混色にて被記録媒体上に色が形成され
る。さらに、画像の発色性を高めるためには、上記の三
原色に加えてブラックインク、淡シアンインク、淡マゼ
ンタインク、淡イエローインクなどのように階調性を高
めるためのインクや、レッドインク、グリーンインク、
ブルーインク、オレンジインク、ヴァイオレットインク
などのように色再現域を広げるためのインクを用いる。
よって、インクジェット記録ヘッドは、1つのヘッドに
一色のインク滴吐出部、もしくはカラーの場合には1つ
のヘッドに複数色のインク滴吐出部の構成をとり、この
ヘッドをインクジェット記録装置に搭載することでカラ
ー記録が実現される。したがって、図10に示した記録
ヘッド301がカラー用のものである場合には、インク
吐出部301gや、流路301f、サブタンク部301
b、圧力調整室322のそれぞれが、インクの色の数に
対応して記録ヘッド301内に並列に複数設けられてい
る。
に示したインク供給系のように記録ヘッド301にサブ
タンク部301b用の圧力調整室322を設けるように
弾性部材321を取り付けた場合、弾性部材321の容
積を最大限に確保する為には直方体形状であることが望
ましい。ただし、直方体形状であると、弾性部材321
内の気圧が負圧になった場合には、収縮する直方体の面
が常に一定とはならない為に、弾性部材321の変形形
状が安定しない。そのために、弾性部材321の変形形
状が不規則に変化するので、弾性部材321内の減少し
た空気体積と圧力調整室322内の負圧力との関係が不
安定になる。
る問題として、弾性部材321内が加圧状態になった場
合には隣の弾性部材321に干渉するという現象があ
る。
するために設けられた弾性変形部材を用いた圧力調整室
において、コンパクトでかつ圧力調整室の機能を最大限
に引き出すことが可能な簡単な構造かつ低コストの弾性
部材、およびその弾性部材を用いた圧力調整室を有し、
かつコンパクトなインクジェット記録ヘッド、この記録
ヘッドを有するインクジェット記録装置を提供すること
にある。
に、本発明の圧力調整室は、連通する容器内の気体圧力
を調整するように該気体圧力に応じて容積が変化可能な
少なくとも一つの弾性変形部と、該弾性変形部を前記容
器に支持するための支持部と、を有する圧力調整室にお
いて、前記弾性変形部は、一つの略円形形状である開口
部と、外周面に変形前の状態で略平らな2つの面とを有
し、前記2つの面が、前記開口部と反対側の先端部で曲
面部を介して連続する形状を有することを特徴とする。
調整機構は、気体の出入りが行われる室と、該室に連通
する気体圧力を調整するように該気体圧力に応じて容積
が変化可能な少なくとも一つの弾性変形部と、該弾性変
形部を前記容器に支持するための支持部と、を有する圧
力調整室と、をそなえる圧力調整機構において、前記弾
性変形部は、一つの略円形形状である開口部と、外周面
に変形前の状態で略平らな2つの面とを有し、前記2つ
の面が、前記開口部と反対側の先端部で曲面部を介して
連続する形状を有することを特徴とする。
ヘッドは、インクを吐出して記録を行うためのインク吐
出部と、該インク吐出部に供給するインクおよび気体を
収納するインク収納室と、該インク収納室に連通して前
記インク収納室内の気体圧力を調整するように該気体圧
力に応じて容積が変化可能な少なくとも一つの弾性変形
部と、該弾性変形部を前記インク収納室に支持するため
の支持部と、を有する圧力調整室と、を有する記録ヘッ
ドにおいて、前記弾性変形部は、一つの略円形形状であ
る開口部と、外周面に変形前の状態で略平らな2つの面
とを有し、前記2つの面が、前記開口部と反対側の先端
部で曲面部を介して連続する形状を有することを特徴と
する。
たは記録ヘッドのいずれかにおいて、前記略平らな面
は、実質的に同形状であることとしてもよい。
部の曲面部を介して実質的に対称形であることとしても
よい。
部に窪みがあることとしてもよい。
り少なくとも一部の肉厚が薄いこととしてもよい。
ヘッドは、並列に配列されて各々がインクを個別に収納
する複数のインク収納室が形成されたインク収納部と、
前記インク収納部から供給されたインクを吐出して記録
を行い、各々が前記各インク収納室に対応した複数のイ
ンク吐出部と、前記インク収納部内の圧力を調整するた
めに前記各インク収納室に対応して設けられる圧力調整
機構と、を有する記録ヘッドにおいて、前記圧力調整機
構は、少なくとも2つの前記インク収納部の上部にまた
がって配置されるとともに、複数の前記弾性変形部が前
記インク収納室の配列方向および、該配列方向に対して
交差する方向と、に配列される複数の弾性変形部を有す
ることを特徴とする。
ンク収納部側の形状が略円形であることとしてもよい。
状である開口部と、外周面に変形前の状態で略平らな2
つの面とを有し、前記2つの面が、前記開口部と反対側
の先端部で曲面部を介して連続する形状を有することと
してもよい。
機構と連通する開口部を複数の前記インク収納室にそれ
ぞれ有し、該開口部は千鳥状に配列されていることとし
てもよい。
ととしてもよい。
インク吐出部に対応してインク吐出部の配置方向とほぼ
並行に配置されるとともに、前記インク収納部から前記
インク吐出部との連通部分から前記圧力調整機構に向か
って放射状に拡がる形状であることとしてもよい。
吐出部は、長手方向の形状を有し、かつ各長手方向がほ
ぼ平行となるように配置されていることとしてもよい。
が、略等しいこととしてもよい。
が、各インク収納室の配列方向に交差する長手方向の長
さを調整することにより略等しくなっていることとして
もよい。
異なる色のインクを個別に収納するものであることとし
てもよい。
出部へ前記インク中の異物を混入を防止するフィルタを
有することとしてもよい。
のいずれかに記載の記録ヘッドを搭載して一直線上を往
復移動するキャリッジと、前記記録ヘッドの前記インク
吐出部から吐出されたインクを受ける被記録媒体を前記
キャリッジの移動方向と直交する方向に搬送する搬送手
段とを有する。
て図面を参照して説明する。
ジェット記録装置の概略の構成を示す斜視図である。
録ヘッド201の往復移動(主走査)と、一般記録紙、
特殊紙、OHPフィルム等の記録用シートSの所定ピッ
チごとの搬送(副走査)とを繰り返しつつ、これらの動
きと同期させながら記録ヘッド201から選択的にイン
クを吐出させ、被記録媒体である記録用シートSに付着
させることで、文字や記号、画像等を形成するシリアル
型の記録装置である。
のガイドレールに摺動自在に支持され不図示のモータ等
の駆動手段によりガイドレールに沿って一直線上を往復
移動されるキャリッジ202に着脱可能に搭載されてい
る。記録ヘッド201のインク吐出部から吐出されたイ
ンクを受ける記録用シートSは、搬送手段である搬送ロ
ーラ203により、記録ヘッド201のインク吐出面に
対面し、かつ、インク吐出面との距離を一定に維持する
ように、キャリッジ202の移動方向と交差する方向
(例えば、直交する方向である矢印A方向)に搬送され
る。
として、それぞれ異なる色のインクを吐出するための複
数のノズル列を有する。記録ヘッド201から吐出され
るインクの色に対応して、複数の独立したメインタンク
204が、インク供給ユニット205に着脱可能に装着
される。インク供給ユニット205と記録ヘッド201
とは、それぞれインクの色に対応した複数のインク供給
チューブ206によって接続され、メインタンク204
をインク供給ユニット205に装着することで、メイン
タンク204内に収納された各色のインクを、記録ヘッ
ド201の各ノズル列に独立して供給することが可能と
なる。
つ、記録用シートSの通過範囲外の領域である非記録領
域には、回復ユニット207が、記録ヘッド201のイ
ンク吐出面と対面するように配置されている。回復ユニ
ット207は、記録ヘッド201のインク吐出面をキャ
ッピングするためのキャップ部、インク吐出口面をキャ
ッピングした状態で記録ヘッド201から強制的にイン
クを吸引するための吸引機構、インク吐出面の汚れを払
拭するためのクリーニングブレード等を有する。前述し
た吸引動作は、このインクジェット記録装置の記録動作
に先立って、この回復ユニット207によって行われ
る。
を長期間放置後に動作させた場合は、回復ユニット20
7はメインタンク204の底部に存在していた濃度の高
いインクを吸引し、実際の記録には、撹拌されて濃度が
安定したインクが使用される。したがって、インクジェ
ット記録装置が長期間にわたって使用されず、例えばイ
ンク中の顔料成分や、記録用シートSへの定着性を向上
させるための樹脂微粒子がインクタンク204の底部に
沈降していたとしても、これら顔料成分や樹脂微粒子の
濃度が安定した高品質な画像等を良好に形成することが
可能となる。
装置を例に挙げて説明したが、記録ヘッドの吸引手段を
有するものであれば、ノズル列が被記録媒体の幅方向全
幅にわたって設けられたライン型のインクジェット記録
ヘッドを搭載するインクジェット記録装置にも、本発明
は適用可能である。
に搭載される記録ヘッド201の側断面図である。図3
は、記録ヘッド201をその一部を分解して示す斜視図
である。図4は、ヘッド基板が記録ヘッド201の前面
に取り付けられる前の状態である記録ヘッド201の斜
視図である。図5は、記録ヘッド201に備えられる弾
性部材、押さえ部材およびサブタンクカバーを示す一実
施例の斜視図である。図5(a)が弾性部材および押さ
え部材の斜視図、図5(b)が分解斜視図、図5(c)
が、サブタンクカバーに押さえ部材および取り付けネジ
によって複数の弾性部材が取り付けられた状態を示す斜
視図である。図6は、記録ヘッド201内にある複数の
サブタンクの配置を示す平面図である。図7は、ヘッド
本体に弾性部材およびサブタンクカバーを取り付けた状
態を示す平面図である。
上面40、下面41、前面42、後面43、右側面およ
び左側面の概ね6面で構成され、上面40側を除いて一
体的に形成されている。また、本実施形態の記録ヘッド
201は、6色のインクを吐出可能であり、各色毎にニ
ードル受容部23に接続されるニードル保持部材のニー
ドルを介してメインタンク204から各色のインクが、
図6に示すようにヘッド本体3の隔壁50で仕切られる
ことによってインク収納部として形成された6つの各サ
ブタンク36内へと供給される構成となっている。この
サブタンク36に供給されたインクは、そのインク中の
不純物(異物)を除去してインクを濾過するためのフィ
ルタ5を介してインク溜め21で一旦貯留される。そし
て、連通部37および流路6を介してインク供給液室2
0へと流れ込む。インク供給液室20へと流れ込んだイ
ンクは、下面41に設けられたヒータボード26から供
給される電気エネルギーを熱エネルギに変換する不図示
の電気熱変換体により生じる発泡エネルギーにより、図
4に示されるように各色毎に並列して配置された複数の
吐出口29から吐出される。ヒータボード26には、ノ
ズル列から構成されたインク吐出部が各色のインクに対
応して、すなわち各サブタンク36に対応して複数設け
られており、各ノズルの先端が吐出口29となってヒー
タボード26の表面に開口している。
ンクフタ9に開口部として形成された空気孔38により
サブタンク36内と連通する、弾性変形部であるゴム等
の弾性部材10で形成された、サブタンク36内の急激
な圧力変化を吸収する圧力調整室8が各サブタンク36
に対応して複数設けられている。本実施形態では、複数
の圧力調整室8を形成するように、各サブタンク36に
対応した個別の弾性部材10を複数個用いたが、それら
が一体となるような形状、すなわち複数の弾性変形部を
有する形状の弾性部材を用いて複数の圧力調整室8を形
成してもよい。各弾性部材10の形状はドーム状となっ
ており、この弾性部材10で囲まれた空間である圧力調
整室8は、サブタンク36内の圧力に応じて弾性部材1
0の変形に伴って容積が変化することで、後述するよう
にサブタンク36内の圧力を調整する機能を有してい
る。
し、X軸とY軸の数値は、一例であるため、本発明の内容
がこの数値に限定されるものではない。図11は、図8
を説明するために用いる直方体形状の弾性変形体の一例
の代表図である。よって、この形状のみが本発明の内容
に適合するものではない。図8において直線Aは弾性変
形体内の減少した空気体積と気体圧力調整室内の負圧力
とが理想の関係を示す場合である。つまり、弾性変形体
内の容積が減少すると、その割合で気体圧力調整室内の
負圧が発生し相関関係が成り立つ。この場合は、気体圧
力調整室内の負圧力が低減すると、それに応じて弾性変
形体内の容積が増加する。このように、弾性変形体内容
積の変化量と気体圧力調整室の負圧力がヒステリシスの
関係であると、連通室内の圧力の変化に対する気体圧力
調整室の応答性が常に安定することになり、インク吐出
部へのインク供給状態も安定するので、印字画像に与え
る影響は少ない。
収縮し難くなると、曲線Bで示すように気体圧力調整室
内の負圧力は急激に上昇する。そうなると、インク吐出
部へのインク供給が印字に因るインク消費量に対して追
いつかなくなり、印字濃度が低下するなど印字画像に悪
影響を及ぼす恐れが生じるので、気体圧力調整室内の負
圧力が低下するまでインク吐出部からインクを吐出させ
るのを控える必要が生じる。これを無視して更に上昇す
ることになれば、インク吐出部のノズル内に大気側から
の空気が進入し、ノズルからインクを吐出しない不吐状
態になる。
形状の弾性変形体321が長手方向の側面から矢印方向
に収縮した場合の一例図である。また、図11(c)は
弾性変形体321の上面から矢印方向に収縮した場合の
一例図である。これらの場合、ある時点から収縮し難く
なる場合があり、その時は図8に示す曲線Bを描くよう
になる。
から、収縮し難くなったり、し易くなったりして不安定
になると、曲線Cで示すように区間Iで気体圧力調整室3
22内の負圧力が変移点Pを幾つか持つ様に不安定とな
り、最後は区間IIで急激に負圧力が上昇する。このよう
な場合には、インク吐出部301gへのインクの供給が
不安定となり印字画像が乱れ、最後には不吐状態とな
る。このような特性を持つ弾性変形体321は、気体圧
力調整室322内の負圧力が低下するとこれに応じて弾
性変形体321内の容積が増加すると言うわけでもない
ので、連通室内の圧力の変化に対する応答性が安定しな
いことになる。
向から収縮している場合を示す一例図である。この場
合、当初は図11(c)で示す様に上面方向から収縮し
始め、更に短手方向の側面からも収縮してくる。この辺
りは、図8で示す曲線Cの区間Iに当たる。最終的には
収縮し難くなり、曲線Cの区間IIの様に急激に負圧力が
上昇する。この時、上面方向と側面方向からの収縮変形
の違いが、曲線Cの区間I変移点Pとして現れてくるも
のと考えている。
い曲線Dになるような弾性部材321を選択すればよ
い。そして、その弾性部材は、図8において例えば直線
Aもしくは曲線Dの性質を持った弾性部材、つまり安定し
たヒステリシスを持つような弾性部材の形状について詳
しく説明する。
の形状を示す側面図であり、図9(b)は弾性変形体1
0の上面図である。図10(a)は、弾性変形体10に
対する比較例を示す側面図であり、図10(b)はその
比較例の上面図である。
とめるためには、気体圧力調整室の必要な容積を確保す
るために形状を直方体形状にすることが好ましい。しか
し上述したように、直方体形状では安定した負圧特性を
得ることは難しい。
示される比較例のように、弾性変形体90の形状が円筒
状であり、また、弾性変形体90の先端部の形状が半球
形状となっている「ドーム型」形状である。このよう
に、弾性変形体90の外周面に平坦面が全くないような
場合には、最初に潰れ出す位置が一定せず、また、潰れ
る形状も一定しないために気体圧力調整室の負圧特性も
安定しない。これは、「ドーム型」弾性変形体90の内
面が開口部以外凹面で構成されているために、内面から
見ると引っ張りにくい構造になっている。よって、何か
の「きっかけ」、例えば「肉厚が他より薄い」とか「折
り目がついている」とかがないと内面側に潰れ難い。こ
の「きっかけ」が場合によって異なるために上述の現象
が起きると考えられる。
部に窪みや平面を設けることである。この形状だと、弾
性変形体は特定の個所から必ず変形を開始することが可
能となる。
得ることが可能となるが、気体圧力調整室内部の圧力が
上昇した場合、つまり、図8で示すところの「弾性変形
体容積からの減少量」が下がる方向(値0に近づく方
向)へ条件が変化する場合には、縮小変形していた弾性
変形体が復元する時の変形状態が必ずしも一定とはなら
ない。それは、内面から見ると押し出ししやすい個所が
たくさんある形状となるからである。
に示すように、弾性変形体10におけるサブタンクフタ
9側の底面の形状、つまり開口部は、気体圧力調整室8
の上記のような機能を最大限に引き出すために円形とな
っている。弾性変形体10は、その底面から上方に向か
って気体圧力調整室8の断面積が小さくなるように、か
つ、弾性変形体10を上面から見てその底面の中心を通
る直線に関して左右対称な2つの平坦面10aを弾性変
形体10がその外周面に有するように、サブタンクフタ
9から上方に向かって延びている。それら2つの平坦面
10aは、弾性変形体10が変形前の状態で平らとなっ
ており、弾性変形体10の底面と平行な一直線上に延び
る先端部10bを介して繋がっている。すなわち、弾性
変形体10は変形前の状態においていわゆる「烏帽子」
形状となっていて、先端部10bの表面は曲面となって
いる。従って、2つの平坦面10aは、弾性変形体10
の底面と同じ角度を成しており、平坦面10a同士の間
隔が弾性変形体10の底面側から先端部10bへと上方
に向かって徐々に小さくなっている。先端部10bにお
ける弾性変形体10の底面と平行な長手方向の長さは、
その底面の直径とほぼ同じであってもよいし、その直径
よりも大きくなっていてもよいが、その直径よりも大き
くすることにより、気体圧力調整室8の容積を大きくと
ることが可能となる。
体圧力調整室8の容積が減少するように弾性変形体10
が変形する際に、図12(a)、図12(b)に示すよ
うに、それらの平坦面10aのほぼ中央部が互いに近づ
くように平坦面10aからへこんでいくことになる。こ
のとき、弾性変形体10がその外周面に2つの平坦面1
0aを有したことにより、必ず、平坦面10aから潰れ
出すことになる。さらには、これら平坦面aのほぼ中央
に窪み(不図示)を設けて、変形する個所を積極的に設け
ても良い。また、弾性変形体10が潰れる形状もほぼ一
定である上に、先端部10bを中心にして平坦面10a
がほぼ対称で設けられていることにより復帰する形状も
ほぼ一定であるため、気体圧力調整室8の負圧特性が安
定することになる。
室8の負圧特性が安定するような形状の弾性変形体10
を、気体圧力調整室8の容積を十分に確保した上でサブ
タンクフタ9に取り付けることができるように、複数の
弾性変形体10を、サブタンク36の配列方向だけでな
く、その配列方向に対して交差する方向にも配列させて
いる。すなわち、ヘッド本体3には複数のサブタンク3
6を形成するための壁部と、サブタンクフタ9とからタ
ンク部が構成されており、タンク部の内部は、5つの隔
壁50によって6つのサブタンク36に分割されてい
る。
ブタンクフタ9に、各空気孔38を覆うように複数の弾
性部材10が取り付けられており、サブタンク36上の
気体圧力調整室8が、サブタンク36の配列方向と、そ
の配列方向に対して交差する方向とのそれぞれで分割さ
れている。このような弾性変形体10の配列により、各
弾性変形体10を少なくとも2つのサブタンク36の上
方にまたがって配置させることができ、その結果、幅の
狭いサブタンク36や、幅が制限された各サブタンク3
6に対しても弾性変形体10の底面の直径をより大きく
とることができる。また、そのような弾性変形体10の
配列を実現するために、図6および図7に示すように空
気孔38が千鳥状に配列されている。各空気孔38の形
状は、各弾性変形体10が2つのサブタンク36の上部
にまたがっている関係で半月状となっていることが好ま
しい。
に、弾性部材10の上方にサブタンクカバー7が取り付
けられている。サブタンクカバー7は、記録ヘッド20
1の前面42から後面43に向かって延びるようにサブ
タンクカバー7と一体的に形成されたリブ15と、この
リブ15に対して交差する方向に延びるようにサブタン
クカバー7と一体的に形成された補強リブ14とを有し
ている。このリブ15は、サブタンク36や、インク溜
め21、流路6、インク供給液室20を各色毎に仕切る
隔壁50と共に、前面42から後面43に向かう前後方
向で記録ヘッド201の剛性を高める機能を有する。ま
た、記録ヘッド201においてその側面に対して垂直な
方向である左右方向の剛性は、サブタンクカバー7の補
強リブ14およびサブタンクフタ9により確保されてい
る。
うに、複数の弾性部材10が押さえ部材11によってサ
ブタンクフタ9に押さえ付けられるように、各弾性部材
10がサブタンクフタ9や複数の取り付けネジ12によ
ってサブタンクフタ9に取り付けられている。このよう
にしてサブタンクフタ9に複数の弾性部材10が組み付
けられたものが、図3に示すようにヘッド本体3の凹部
3a内に挿入され、これにより、複数のサブタンク36
が記録ヘッド201に形成されている。図6に示すよう
に複数のサブタンク36が並列に配列されるようにヘッ
ド本体3に複数の隔壁50が形成され、各サブタンク3
6の形状は、その配列方向と直交する方向に長く延びる
直方体形状となっている。そして、各サブタンク36に
対応する空気孔38がサブタンクフタ9に複数形成され
ており、各空気孔38が、対応するサブタンク36と連
通している。これら複数の空気孔38は、図7に基づい
て後述するように複数の弾性部材10をサブタンク36
の配列方向と、その配列方向と直交すなわち交差する方
向とにそれぞれ配列させるために千鳥状に配列されてい
る。
を繋ぐように、カートリッジ3本体と一体的に成形され
ている。さらに、隔壁50の長手方向がキャリッジ20
2の走査方向とほぼ直交した構成であるため、キャリッ
ジ202の走査時の振動によるサブタンク36内、ある
いはインク供給液室20内のインクの揺動を最小限に抑
制することができる。
が設けられた後面43の対向面であり、記録装置本体が
設置された際、奥面側となる前面42には、ヘッド基板
35が取り付けられている。このヘッド基板35には、
キャリッジ202に設けられた複数の電極に対して押し
付けられることで電気的に接続する複数の電極4が、図
4に示されるように設けられている。ヘッド基板35
は、図4に示すようにフレキシブル基板16によりヒー
タボード26と電気的に接続されている。
て詳しく説明する。
につれてその容積が縮小する部屋であり、気体圧力調整
室8が本実施形態のように弾性変形体10で構成される
場合は、弾性変形体10としてはゴム材等が好ましく用
いられる。また、弾性変形体10の他に、プラスチック
シートとばねとの組み合わせによって構成してもよい。
(c)は、弾性変形体10を用いた気体圧力調整室8の
機能を示す一概念図である。この気体圧力調整室8には
液体注入管101と液体供給管102が図の様に配置さ
れている。矢印A方向から液体供給管101によって圧
力調整室8に注入された液体110は、矢印B方向へ液
体供給管102によって供給される。本説明で用いるこ
の2つの管の直径は、図に示すように液体注入管101
より液体供給管102が大きい。これを用いるのは、液
体供給管102の先に瞬間的に大量に液体を消費する機
構がある場合であり、場合によっては2つの管の直径が
同じであっても構わない。
体110が満たされている初期状態を示した図である。
量に液体供給管102を通じて供給された状態を示す図
である。液体注入管101から液体110が注入される
液体量よりも、液体供給管102によって供給される液
体量が多いために、気体圧力調整室8内の液量が減少す
る。この際に、弾性変形体10の収縮した容積の分が、
気体圧力調整室8内の減少した液量に相当する。この働
きにより、液体供給管102からの液体110の供給量
が、液体注入管101からの液体110の注入量を瞬時
的に上回っても、単位時間あたりの供給量は変動するこ
とがない。
液体110の供給が、単位時間あたりの供給量を変動せ
ずにできる限界の状態を示した図である。よって、液体
注入管101からの圧力調整室8への液体110の注入
は、図21の(a)から(c)までの間であれば、液体
供給管102による液体110の供給を、単位時間あた
りの供給量を変動せず行うことが可能である。つまり、
液体供給管102からの液体110の供給が止まってい
る間に行えばよい。この時、弾性変形体10は、ヒステ
リシスに復元することが重要である。復元することがで
きない場合は、液体注入管101からの液体110の注
入量が不安定になるばかりでなく、単位時間あたりの供
給量を変動せずに供給可能となる時間や回数なども不安
定となる。本発明の弾性変形体10を用いると、図21
にて示す(a)←→(b)←→(c)の状態変化がヒステ
リシスに行えることが可能となる。
10と分離されているが、これらが同一であっても、本
発明の機能を満たすことが可能である。
液体が気体であっても同じ効果を得ることが可能であ
る。
ド201が使用される環境温度やサブタンク36の容積
等に応じて設定されるが、本実施形態では約0.5ml
とした。
ンク36内の圧力は、インクがメインタンク204、イ
ンク供給ユニット205、およびインク供給チューブ2
06を通過する際の圧力損失による抵抗を直接受ける。
そのため、記録ヘッド201の全てのノズルよりインク
を吐出するなど、総ノズル数に対する高い割合でインク
を吐出するいわゆる高デューティー吐出の場合には、吐
出されるインクに対して記録ヘッド201に供給される
インクが不足状態となり、負圧が急激に上昇してしま
う。記録ヘッド201のノズル内の負圧が、限界値であ
る−200mmAq(約−2.027kPa:ただし、
インクの比重≒水の比重とする)を越えると、吐出が不
安定になり印字が乱れるなど画像形成の上で不都合な状
態となる。
置においては、高デューティー吐出での画像形成であっ
てもキャリッジ202(図1参照)の反転の際にインク
の吐出を中断する状態が存在する。これを利用して、気
体圧力調整室8は、インクの吐出中には容積を縮小させ
てサブタンク36内の負圧の上昇時間を緩和し、反転時
にはインク供給チューブ206を介して供給されるイン
ク増加によって復元するといった、コンデンサのような
役割を果たす。
対する負圧の変化の割合をK=−1.013kPa/m
l、サブタンク36の容積をVs=2mlとすると、吐
出されたインクに対して供給されたインクがΔV=0.
05ml不足した場合を考える。この場合、気体圧力調
整室8がなければ、「PV=一定」の原理により、サブ
タンク36内の負圧の変化はΔP=Vs/(Vs+ΔV)
−1=−2.471kPaとなり、前述した限界値を越
えてしまうため、吐出が不安定になる。これに対し、気
体圧力調整室8があると、ΔP=K×ΔV=-0.05
1kPaとなり、負圧の上昇が抑制され、安定した吐出
が可能となる。
によりインク吐出口面をキャッピングした状態で、記録
ヘッド201を長期使用しない場合には、温度によって
はサブタンク36内の気体の熱膨張や蒸気圧の上昇によ
って、サブタンク36内の圧力が上昇する。これによ
り、記録ヘッド201のノズルからインクが漏れたり、
インクをインクタンク204に押し戻してサブタンク3
6内のインクと切れたりすることになる。
容積を弾性変形体10の働きにより拡大して、サブタン
ク36内の気体の熱膨張や蒸気圧の上昇を吸収する。そ
の後、回復ユニット207のキャップ部を開放する前
に、インク吐出口面をキャッピングした状態で記録ヘッ
ド201から強制的にインク吸引機構にてインクを吸引
することにより、サブタンク36内の負圧を通常値に戻
す。これにより、安定した印字を確保することが可能と
なる。
インクの吐出の安定化を図るとともに、メインタンク2
04から記録ヘッド201までのインクの供給経路での
圧力損失の影響が抑えられる。そのため、気体圧力調整
室8の材質を調整することにより、キャリッジ202に
従動させるインク供給チューブ206も直径の細いもの
を使用することができ、キャリッジ202の移動の負荷
低減にも貢献することが可能となる。
の負圧特性が安定するような形状の弾性部材10を、圧
力調整室8の容積を十分に確保した上でサブタンクフタ
9に取り付けることができるように、複数の弾性部材1
0を、サブタンク36の配列方向だけでなく、その配列
方向に対して交差する方向にも配列させている。すなわ
ち、サブタンク36上の圧力調整室8が、サブタンク3
6の配列方向と、その配列方向に対して交差する方向と
のそれぞれで分割されている。このような弾性部材10
の配列により、各弾性部材10を少なくとも2つのサブ
タンク36の上方にまたがって配置させることができ、
その結果、幅の狭いサブタンク36や、幅が制限された
各サブタンク36に対しても弾性部材10の底面の直径
をより大きくとることができる。また、そのような弾性
部材10の配列を実現するために、図6および図7に示
すように空気孔38が千鳥状に配列されている。各空気
孔38の形状は、各弾性部材10が2つのサブタンク3
6の上部にまたがっている関係で半月状となっているこ
とが好ましい。
bがサブタンク36の配列方向に対して直角となるよう
に各弾性変形体10が配置されている。これに対して、
先端部10bの長さを弾性変形体10の底面の直径より
も大きくして、弾性変形体10の容積を大きくする場合
などには、図3および図5に示したように各先端部10
bをサブタンク36の配列方向に対して斜めにしてもよ
い。弾性変形体10と取り付けネジ12との位置関係な
どに応じて、取り付けネジ12を締め易くなるように、
サブタンク36の配列方向に対する各先端部10bの角
度を設定してもよい。図7に示される例では、取り付け
ネジ12が取り付け易くなるように各弾性変形体10が
配置されている。
に示したものに限定されない。弾性変形体10の変形が
安定すると共に、その変形が一定のものであり、気体圧
力調整室8の上記の機能が十分に引き出されれば、弾性
変形体10の形状はどのようなものであってもよい。ま
た、弾性変形体10の大きさも、記録ヘッド201の構
成やインク供給系の構成などに応じて適宜決定すればよ
い。
6の配列方向と、その配列方向に対して交差する方向の
両方向に配列させる構成では、各サブタンク36の幅が
狭くても、圧力調整室8の負圧特性が安定するとともに
その容積を十分に確保できる弾性部材10を各サブタン
ク36に対応して設けることができる。よって、複数の
サブタンク36を有する記録ヘッド201をコンパクト
に収めることができ、また、圧力調整室8の機能を最大
限に引き出すことが可能となる。また、記録ヘッド20
1のコンパクト化に伴って、インクジェット記録装置本
体もコンパクトになり、製品としてもユーザーにとって
望ましいものとなり、その上、記録ヘッド201および
インクジェット記録装置のコストダウンもできた。
インタンク204について図14を用いて説明する。
5に対して着脱可能な構成であり、その底部に、ゴム栓
204bで密封されたインク供給口と、ゴム栓204c
で密封された大気導入口とを有する。メインタンク20
4は、単体では気密な容器であり、インク209はメイ
ンタンク204内にそのまま収容される。
ンタンク204からインク209を取り出すためのイン
ク供給針205aと、メインタンク204内へ大気を導
入させるための大気導入針205bとを有する。インク
供給針205aおよび大気導入針205bはともに中空
の針であり、メインタンク204のインク供給口および
大気導入口の位置に対応させて針先を上方に向けて配置
されており、メインタンク204がインク供給ユニット
205に装着されることで、インク供給針205aおよ
び大気導入針205bがそれぞれゴム栓204b,20
4cを貫通し、メインタンク204の内部に侵入する構
成となっている。
遮断弁210、および液路205dという経路を経て、
インク供給チューブ206と接続される。大気導入針2
05bは、液路205e、バッファ室205f、大気連
通口205gを経て大気と連通する。インク供給針20
5aからインク供給チューブ206までのインク供給経
路のうち最も高さの低い位置にある液路205cと、大
気導入針205bから大気連通口205gまでの経路の
うち最も高さの低い位置にある液路205eとは、とも
に同じ高さである。インク供給針205aおよび大気導
入針205bは、本実施形態では、インクの流動抵抗を
抑えるため、内径が1.6mmの太いものを使用し、ま
た、針穴についても直径を1〜1.5mmとした。
ラム210aを有し、このダイアフラム210aを変位
させることにより2つの液路205c,205d間の開
閉を行う。ダイアフラム210aの上面には、押圧ばね
210cを内部に保持する筒状のばねホルダ210bが
取り付けられており、この押圧ばね210cによりダイ
アフラム210aを押し潰すことにより、液路205
c,205d間が遮断される。ばねホルダ210bは、
後述する回復ユニット207のリンク207eにより動
作されるレバー210dが係合するフランジを有する。
レバー210dを動作させて、押圧ばね210cのばね
力に抗してばねホルダ210bを持ち上げることで、液
路205c,205d間が連通する。遮断弁210は、
記録ヘッド201がインクを吐出している状態では開か
れ、待機中および休止中は閉じられ、後述するインク充
填動作時には、回復ユニット207とタイミングを合わ
せて開閉される。
は、レバー210dを除き、メインタンク204ごと、
すなわちインクの色ごとに設けられている。レバー21
0dは全ての色に共通のものであり、全ての色について
の遮断弁210を同時に開閉させる。
インクが消費されると、その負圧により、インクが随時
メインタンク204からインク供給ユニット205およ
びインク供給チューブ206を介して記録ヘッド201
へ供給される。その際、メインタンク204から供給さ
れたインクと同量の空気が、大気連通口205gからバ
ッファ室205f、大気導入針205bを経て、メイン
タンク204内に導入される。
4内の空気の膨張によりメインタンク204から流出し
たインクを一時的に保持する目的の空間であり、大気導
入針205bの下端はバッファ室205fの底部に位置
している。インクジェット記録装置の待機中または休止
中に環境温度が上昇したり外気圧が低下する等、メイン
タンク204内の空気が膨張した場合は、遮断弁210
は閉じられているため、メインタンク204内のインク
が大気導入針205bから液路205eを経てバッファ
室205fへ流出する。逆に、環境温度が低下する等、
メインタンク204内の空気が収縮した場合は、バッフ
ァ室205f内に流出していたインクはメインタンク2
04へ戻る。また、バッファ室205fにインクが存在
している状態で記録ヘッド201からインクを吐出させ
ると、まず、バッファ室205f内のインクがメインタ
ンク204へ戻り、バッファ室205f内のインクがな
くなった後、メインタンク204内に空気が導入され
る。
使用環境を満足するように設定する。例えば、5℃(2
78K)〜35℃(308K)の温度範囲内での使用を
前提とする製品であれば、メインタンク204の容量を
100mlとすると、Vb=100×(308-278)
/308=9.7ml以上として設定される。
と、メインタンク204内に空気が導入される際のイン
ク供給ユニット205の液路内での空気およびインクの
挙動について、図15を用いて説明する。
記録ヘッド201(図14参照)へインクを供給可能な
通常の状態を示す。この状態では、メインタンク204
内は、バッファ室205fを除いて気密状態であるため
メインタンク204内は負圧に保たれ、インクの先端2
09aは、液路205eの途中に留まっている。インク
の先端209aの圧力は、大気と接しているため大気圧
(=0mmAq)である。インクの先端209aが位置
する液路205cとインク供給チューブ206(図14
参照)に連通する液路205eとは同じ高さであり、両
液路205c,205e間はインクのみで連通されてい
るので、液路205cの圧力も大気圧となる。これはイ
ンクの先端209aと液路205cとの高さの関係で決
まるものであり、メインタンク204内のインク209
の量には影響されない。
ると、図15(b)に示すように、インクの先端209
aは徐々に大気導入針205bへ向かって移動し、大気
導入針205bの直下に達した時点で、図15(c)に
示すように、気泡となって大気導入針205b内を浮上
し、メインタンク204内に導入される。これと入れ替
えに、メインタンク204内のインクが大気導入針20
5b内に侵入し、インクの先端209aは図15(a)
に示した元の状態に戻る。
インクが溜まった状態を示す。この場合、インクの先端
209aはバッファ室205fの高さ方向中間の、液路
205cよりもh1(mm)だけ高い位置に位置してお
り、液路205cの圧力が-h1(mmAq)となって
いる。
01g(図14参照)にかかる水頭差による圧力は、図
16に示すように流路205cからサブタンク部201
b内のインク上面209bまでの高さをh2(mm)、
フィルタ201cからサブタンク部201b内のインク
上面209bまでの高さをh3(mm)、ノズル201
gの下端から液室201f内のインク上面209cまで
の高さをh4(mm)とすると、ノズル201g下端で
の負圧Pnは、通常の状態では、Pn≒-(h2-h3-h
4)mmAqとなり、バッファ室205fにインクが溜
まった状態では、Pn≒-(h2-h1-h3-h4)mm
Aqとなる。Pnの値は、前述した負圧の範囲(-40m
mAq〜-200mmAq)の範囲に収まるように設定
される。
05aと大気連通針205bとにはインクの電気抵抗を
測定する回路205hが接続されており、メインタンク
204内のインクの有無を検出可能となっている。この
回路205hは、メインタンク204内にインクが存在
している状態では、メインタンク204内のインクを介
して回路205hに電流が流れるため電気的クローズを
検出し、インクが存在しないまたはメインタンク204
が装着されていない状態では電気的オープンを検出す
る。検出電流は微弱であるため、インク供給針205a
と大気導入針205bとの絶縁は重要であり、本実施形
態では、インク供給針205aから記録ヘッド201ま
での経路と、大気連通針205bから大気連通口205
gまでの経路とを完全に独立させ、メインタンク204
内のインクのみの電気抵抗を測定可能なように配慮して
いる。
る。
らのインクや空気の吸引と、遮断弁210の開閉を行う
ものであり、記録ヘッド201のインク吐出面(ノズル
201gが開口した面)をキャッピングする吸引キャッ
プ207aと、遮断弁210のレバー210dを動作さ
せるリンク207eとを有する。
ク吐出面と接触する部分がゴム等の弾性部材で構成さ
れ、インク吐出面を密閉する位置と記録ヘッド201か
ら退避した位置との間を移動可能に設けられている。吸
引キャップ207aには、中間部位にチューブポンプ式
の吸引ポンプ207cを有するチューブが接続されてお
り、ポンプモータ207dによって吸引ポンプ207c
を駆動することで、連続吸引が可能である。また、ポン
プモータ207dの回転量に応じて吸引量を変えること
が可能である。本実施形態では、0.4atm(40.
53kPa)まで減圧可能な吸引ポンプ207cを用い
ている。
作させるものであり、カム制御モータ207gにより、
リンク207eを動作させるカム207fと同期して回
転される。カム207bのa〜cの位置がそれぞれ吸引
キャップ207aと接触するタイミングは、カム207
fのa〜cの位置がそれぞれリンク207eと接触する
タイミングと一致している。aの位置では、カム207
bは吸引キャップ207aを記録ヘッド201のインク
吐出面から離間させ、カム207fはリンク207eを
押しつけてレバー210dを押し上げ、遮断弁210を
開かせる。bの位置では、カム207bは吸引キャップ
207aをインク吐出面に密着させ、カム207fはリ
ンク207eを引き戻して遮断弁を閉じさせる。cの位
置では、カム207bは吸引キャップ207aをインク
吐出面に密着させ、カム207fはリンク207eを押
しつけて遮断弁210を開かせる。
をaの位置とし、ノズル201gからのインクの吐出、
およびメインタンク204から記録ヘッド201へのイ
ンクの供給を可能とする。待機中および休止中を含む非
動作時は、カム207b,207fをbの位置とし、ノ
ズル201gの乾燥を防止するとともに、記録ヘッド2
01からのインクの流出を防止する(特に装置自身の移
動時は、装置が傾けられてインクが流出する場合もあ
る)。カム207b,207fのcの位置は、以下に説
明する、記録ヘッド201へのインク充填動作時に用い
られる。
201までのインク供給経路を説明したが、図14に示
したような構成では、長期にわたって見ると、記録ヘッ
ド201内に空気が蓄積してしまう。
供給チューブ206や弾性部材201hを透過して侵入
する空気や、インク内に溶存していた空気が蓄積する。
インク供給チューブ206や弾性部材201hを透過す
る空気については、それらを構成する材料としてガスバ
リア性の高いものを使用すればよいが、ガスバリア性の
高い材料は高価であり、大量生産される民生用の機器で
は、コスト面の都合上、高性能な材料を容易に使用する
ことはできない。本実施形態では、インク供給チューブ
206には低コストかつ柔軟性が高く使い易いポリエチ
レンチューブを用い、弾性部材201hにはブチルゴム
を使用している。
01gからインクを吐出する際にインクの膜沸騰により
生じた気泡が分裂して液室201fに戻ったり、インク
中に溶存している微細な気泡がノズル201g内のイン
クの温度上昇により集まって大きな気泡となることによ
り、徐々に空気が蓄積する。
形態に示した構成においては、サブタンク部201b内
での空気の蓄積量は1ヶ月当たり約1ml、液室201
f内での空気の蓄積量は1ヶ月当たり約0.5mlであ
った。
f内での空気の蓄積量が多いと、サブタンク部201b
および液室201fが各々収納しているインク量が減少
してしまう。サブタンク部201bにおいては、インク
が不足すると、フィルタ201cが空気に露出してフィ
ルタ201cの有効面積が減少し、その結果的としてフ
ィルタ201cの圧力損失が上昇し、最悪の場合は液室
201fへインクが供給できなくなってしまう。一方、
液室201fにおいては、ノズル201gの上端が空気
に露出すると、ノズル201gへのインク供給が不能と
なる。このように、サブタンク部201bおよび液室2
01fのいずれも、一定量以上のインクが収納されてい
ないと致命的な問題が生じる。
01bおよび液室201fの各々に適量のインクを充填
することで、ガスバリア性の高い材料を使用しなくても
インクの吐出機能を長期間にわたって安定して維持する
ことができる。例えば本実施形態の場合、1ヶ月当たり
に蓄積する空気の量に充填時のばらつきをプラスした量
を、サブタンク部201bおよび液室201fにそれぞ
れ1ヶ月ごとに充填すればよい。
へのインクの充填は、回復ユニット207による吸引動
作を利用して行う。すなわち、吸引キャップ207aで
記録ヘッド201のインク吐出面を密閉した状態で吸引
ポンプ207cを駆動し、記録ヘッド201内のインク
をノズル201gから吸引することによって行う。ただ
し、単にノズル201gからインクを吸引しただけで
は、ノズル201gから吸引したインクとほぼ同量のイ
ンクがサブタンク部201bから液室201fへ流れ込
み、同様に、サブタンク201bから流出したインクと
ほぼ同量のインクがメインタンク204からサブタンク
部201bへ流れ込むだけで、吸引前と状況はほとんど
変わらない。
01cで仕切られたサブタンク部201bと液室201
fとに各々適量のインクを充填するために、遮断弁21
0を利用してサブタンク部201bおよび液室201f
を所定の圧力まで減圧し、サブタンク部201bおよび
液室201fの容積設定を行う。
1fとへのインク充填動作、および容積設定について説
明する。
1が吸引キャップ207aと対向する位置までキャリッ
ジ202(図1参照)を移動させ、回復ユニット207
のカム制御モータ207gを駆動してカム207b,2
07eを、それぞれbの位置が吸引キャップ107aお
よびリンク207eと接触するまで回転させる。これに
より、記録ヘッド201のインク吐出面が吸引キャップ
207aにより密閉され、遮断弁210はメインタンク
204から記録ヘッド201までのインク経路を閉じた
状態となる。
し、吸引ポンプ207cにより吸引キャップ207aか
ら吸引を行う。この吸引により、記録ヘッド201内に
残留しているインクおよび空気がノズル201gを通し
て吸引され、記録ヘッド201内が減圧される。吸引ポ
ンプ207cによる吸引量が所定の量に達した時点で、
吸引ポンプ207cを停止させ、カム制御モータ207
gを駆動してカム207b,207fをそれぞれcの位
置が吸引キャップ207aおよびリンク207eと接触
するまで回転させる。これにより、吸引キャップ207
aによるインク吐出面の密閉状態はそのままで、遮断弁
210が開かれる。吸引ポンプ207cによる吸引量
は、記録ヘッド201内の圧力が、サブタンク部201
bおよび液室201f内に適量のインクを充填するのに
必要な所定の圧力となる吸引量であり、これは計算や実
験等によって求めることができる。
ク供給チューブ206を介して記録ヘッド201内にイ
ンクが流れ込み、サブタンク部201bおよび液室20
1fの各々にインクが充填される。充填されるインクの
量は、減圧されているサブタンク部201bおよび液室
201fがほぼ大気圧に戻るのに必要な体積であり、サ
ブタンク部201bおよび液室201fの容積および圧
力により決定される。
へのインクの充填は、遮断弁210が開かれてから約1
秒程度で完了する。インクの充填が完了すると、カム制
御モータ207gを駆動してカム207b,207fを
bの位置がそれぞれ吸引キャップ207aおよびリンク
207eと接触する位置まで回転させる。これにより吸
引キャップ207aを記録ヘッド201から離間させ、
再び吸引ポンプ207cを駆動して吸引キャップ207
a内に残ったインクを吸引する。またこの状態では遮断
弁210は開いた状態であるので、ノズル201gから
インクを吐出して記録用シートS(図1参照)へ文字や
画像等を形成可能な状態となる。なお、待機中および休
止中の場合は、カム制御モータ207gを再び駆動して
カム207b,207fをそれぞれbの位置が吸引キャ
ップ207aおよびリンク207eと接触する位置まで
回転させ、記録ヘッド201のインク吐出面を吸引キャ
ップ207aで密閉するとともに、遮断弁210を閉じ
る。
内のインクの量が長期間にわたって不足することがなけ
れば、回復ユニット207による吸引動作を頻繁に行う
必要もなく、インクを無駄にする機会も減る。さらに、
サブタンク部201bおよび液室201fの両方にイン
クの充填が必要な場合であっても1回の充填動作で済む
のでインクを節約することができる。
1、サブタンク部201bに充填すべきインクの量をS
1、サブタンク部201b内の圧力をP1(大気圧から
の相対値)とする。ここで、「PV=一定」の原理によ
り、これらの関係をV1=S1/│P1│となるように
設定することにより、充填動作によりサブタンク部20
1bに対して適量のインクを充填することができる。同
様に、液室201fの容積をV2、液室201fに充填
すべきインクの量をS1、液室201f内の圧力をP2
(大気圧からの相対値)としたとき、これらの関係をV
2=S2/│P2│となるように設定することにより、
充填動作により液室201fに対して適量のインクを充
填することができる。
fとを区画するフィルタ201cは微細なメッシュ構造
であり、前述したようにメニスカスが形成された状態で
は空気の流れが困難な性質を持っている。ここで、メニ
スカスが形成されたフィルタ201cに対して空気を透
過させるのに必要な圧力をPmとする。回復ユニット2
07のよりノズル201gから吸引した場合、液室20
1f内の圧力P2は、フィルタ201cを通してサブタ
ンク部201b内の空気を透過させるために、サブタン
ク部201b内の圧力P1よりも上記圧力Pm分だけ低
くなる。よって、この関係を、サブタンク部201bお
よび液室201fの容積を決定する際に用いると、充填
動作の条件を容易に決定することができる。
についての具体的な例を説明する。
ヶ月間で蓄積する空気の量は、サブタンク部201bで
1ml、液室201fで0.5mlとする。また、サブ
タンク部201bにおいてフィルタ201cを空気に露
出させないようにするために必要なインクの量は0.5
ml、液室201fにおいてノズル201gを空気に吐
出させないようにするために必要なインクの量は0.5
ml、インクの充填量のばらつきは、サブタンク部20
1b、液室201fとも0.2mlとする。これらの数
値は、実験によって求められたものである。以上より、
1回の充填で充填すべきインクの量はこれらの合計値で
あり、サブタンク部201bでは1.7ml、液室20
1fでは1.2mlと設定される。
ニット207の能力を超えない範囲で設定される。本実
施形態では吸引ポンプ207cの実力限界が-0.6a
tm(-60.795kPa)であるため、余裕を持た
せて、吸引キャップ207a内の圧力が-0.5atm
(-50.6625kPa)となるように、吸引ポンプ
207cの吸引量が実験により求められて設定され、ポ
ンプモータ207dの回転量として制御される。
る空気を透過させるのに必要な圧力は実験値で-0.0
5atm(-5.06625kPa)であるので、吸引
キャップ207a内の圧力と液室201f内の圧力との
間にノズル201gの抵抗分の差が生じ、液室201f
内の圧力がキャップ207a内の圧力よりも0.05a
tm(5.06625kPa)だけ高くなる。同様に、
フィルタ201cのメニスカスによる空気を透過させる
のに必要な圧力は実験値で-0.1atm(-10.13
25kPa)なので、液室201f内の圧力とサブタン
ク部201b内の圧力との間にフィルタ201cの抵抗
分の差が生じ、サブタンク部201b内の圧力が液室2
01f内の圧力よりも0.1atm(10.1325k
Pa)だけ高くなる。よって、吸引キャップ207a内
の圧力を-0.5atm(-50.6625kPa)に設
定すると、液室201f内の圧力は-0.45atm(-
45.5963kPa)、サブタンク部201b内の圧
力は-0.35atm(-35.4638kPa)とな
る。
クを充填するためには、内圧がほぼ1atm(101.
325kPa)となっているサブタンク部201bから
1.7mlだけインクを吸引した時点で内圧が-0.3
5atm(-35.4638kPa)となるように、サ
ブタンク部201bの容積V1を設定する。すなわち、
V1=1.7/0.35=4.85mlとなる。同様に
して、液室201fの容積V2についても、V2=1.
2/0.45=2.67mlと設定する。
た後、遮断弁210を開くことで、負圧となっている記
録ヘッド201内へインクが流れ込む。より詳しく説明
すると、まず、サブタンク部201b内にインクが流れ
込み、減圧によってV1まで膨張していた空気がほぼ大
気圧まで復元する。そのときのサブタンク部201b内
での空気の体積をV1aとすると、V1a=V1×(1-
0.35)=3.15mlであり、サブタンク部201
bにV1-V1a=1.7mlのインクが充填された時点
で落ち着く。同様に液室201fについても、サブタン
ク部201bからインクが流れ込み、減圧によってV2
まで膨張していた空気がほぼ大気圧まで復元する。その
ときの液室201f内での空気の体積をV2aとする
と、V2a=V2×(1-0.45)=1.47mlであ
り、液室201fにV2-V2a=1.2mlのインクが
充填された時点で落ち着く。
び液室201fの各々の容積と減圧する圧力とを設定す
ることにより、フィルタ201cで仕切られたサブタン
ク部201bと液室201fとに各々適量のインクを1
回の充填動作で充填することができ、空気が記録ヘッド
201内に蓄積する状況下であってもその吸引動作なし
に、長期間にわたって正常に稼働させることができる。
と液室201f内のインクの上面との間には空気層が介
在しているが、この空気層の量は回復ユニット207に
よる吸引動作での吸引圧力で任意に設定することが可能
である。つまり、空気層は管理可能な空気層である。
に発生した気泡が原因となって起こっていた吐出不良に
対する信頼性を大幅に向上させることができる。すなわ
ち、管理できない気泡がフィルタの下に存在することに
よってフィルタの有効面積が変化(低減)するという従
来の問題に対しては、本実施形態においては、フィルタ
201cは初めから管理された部分(図14の開口部2
01d)で空気層と接しており、フィルタ201cの有
効面積は変化しないので、設計段階よりこのことを考慮
しておけばよい。
泡が塞いでしまうという問題に対しては、液室201f
内に存在し得る気泡の直径に対して液室201fの断面
積を十分に大きく構成しているので、液室101f内の
気泡がインクの流れを妨げることはなくなる。
たり液室とノズルとの間の連通部を塞いでしまうことに
よる問題に関しては、上述したように液室201fの断
面積が十分に大きいので、液室201f内に生じた気泡
はその浮力により液室201f内のインク中を上昇し、
空気層と合体するので、ノズル201g内に侵入するこ
とはなくなる。しかも、液室201f内に生じた気泡が
空気層と合体しても、この空気層は上述のように管理さ
れた空気層であるため、フィルタ201cの有効面積は
変化しない。
部201bと仕切られた液室201fを以上のように構
成することで、液室201f内に気泡が生じたり、生じ
た気泡が移動することが原因となって発生していた吐出
不良に対する信頼性を大幅に向上させることができる。
1の構成を詳細に示す断面図である。
ら右に向かって見たときの断面図である。本実施例の記
録ヘッド201は、6個のノズル201gからそれぞれ
インクを吐出するもので、各ノズル201gのそれぞれ
について、図1に示したメインタンク204およびイン
ク供給チューブ206、さらに、サブタンク201bお
よび液室201fを介してインクが独立に供給されてい
る。
g側から見た底面図である。
なる長手方向を有するもので、本実施例のものにおいて
は6個(201g1〜201g6)設けられている。ま
た、サブタンク201bおよび液室201fもノズル2
01gと平行な長手方向を有する形状とされている。
201g6は201g1〜201g3、201g4〜201
g6それぞれが一組とされ、各組内でノズルは近接して
配置され、その結果、記録ヘッドのインク吐出面として
の幅(図18における左右方向の長さ)はサブタンク2
01b群についての幅よりも短いものとしている。これ
は、吸引キャップ207aによるインク吐出面について
の密閉空間を小さくするためである。
インクジェット記録装置の場合、サブタンク201bの
容量が大きくなることからサブタンク201b群の幅も
従来のものよりも大きくなる。各サブタンク201bか
らインクの供給を受けるノズル201g1〜201g6を
各サブタンク201bの下方に配置すると、インク吐出
面の幅も大きくなり、吸引キャップ207aによるイン
ク吐出面についての密閉空間も大きくなってしまい、吸
引量も大きくなってしまう。このため、必要とされる吸
引ポンプも大型化してしまい、装置全体が大きくなって
しまう。本実施例においては、上述のようにインク吐出
面としての幅はサブタンク201b群についての幅より
も短いものとして装置の大型化を防止している。
サブタンク201b群の幅よりも短いものとするため
に、各サブタンク201bと各ノズル201gとを結ぶ
液室201fのそれぞれを各ノズル201gから各サブ
タンク201bに向けて放射状に拡がるものとしてい
る。これにより、従来と同等の吸引ポンプを使用するこ
とができるとともに、複数のノズル列からなる吐出面に
ついて、小型のインクジェット記録装置との共通化を図
ることができ、製造コストを低減することができるもの
となっている。
ク収納室)201fの形状を示す斜視図である。
ル201g1〜201g6に対応する液室201f1〜2
01f6から構成されている。上述したように、各液室
201f1〜201f6のそれぞれは、各ノズル201g
1〜201g6から各サブタンク201bに向けて放射状
に拡がるものとしており、各液室201f1〜201f6
の形状も異なるものとなっている。各液室201f1〜
201f6はその容積が実質的に等しいものとなるよう
にその長さが断面形状に応じて異なるものとされてい
る。このように、容積を等しいものとしたことにより、
各液室201f1〜201f6における容積V2、充填す
べきインクの量S1、液室内の圧力P2を概ね等しいも
のとして見ることができ、各液室201f1〜201f6
に対して同じ設定で適量のインクを充填することができ
る。このことは吐出回復動作についても同様である。
積を等しくするための異なる実施例の要部を説明するた
めの図である。
くするために長さを異ならせた各液室201f1〜20
1f6のそれぞれを1つの部材として実現していたのに
対し、本実施例においては、長さが等しい第1の部材
と、第1の部材に対応する長さが異なる複数の突起を備
えた第2の部材とを組み合わせることにより液室201
f1〜201f6を実現している。
室201f1〜201f6に対応し、それぞれ長さが異な
る突起9011〜9016を備えており、容積調節部材9
01を組み合わせることにより各液室201f1〜20
1f6の容積が実質的に等しいものとなる。
おいては、各突起9011〜9016の長さにより、各液
室201f1〜201f6の容積を等しくするとともにそ
の容積自体をも調節することができるものとなってい
る。
使用したインクジェット記録ヘッドを、図1に示したイ
ンクジェット記録装置に搭載して印字を行ったところ、
良好な印字を行うことができた。なお、各実施例に示さ
れるインクジェット記録ヘッドを搭載することにより効
果を奏するインクジェット記録装置としては、図1に示
したようなシリアル型に限定されることはなく、ライン
型のものであっても同様の効果を奏する。
記録ヘッドに用いた圧力調整室の弾性変形体についてで
あるが、本発明の主旨を当てはめることができれば、本
実施例以外の用途にも適応し、同様の効果を得ることが
可能である。
気体圧力を調整するようにこの気体圧力に応じて容積が
変化可能な少なくとも一つの弾性変形体を有する気体圧
力調整室において、弾性変形体の形状を一つのほぼ円形
形状である開口部と、外周面に変形前の状態でほぼ平ら
な2つの面で構成し、この2つの面が前記開口部と反対
側の先端部で曲面部を介して繋がっているような形状に
することにより、気体圧力調整室の機能を安定させ、ま
た、その機能を最大限に引き出すことが可能になるとい
う効果がある。また、この弾性変形体を採用した気体圧
力調整室を有する記録ヘッドにおいては、弾性変形体の
上記の配列では、弾性変形体の底面形状を円形とした際
に、幅の狭いインク収納部や、幅が制限されたインク収
納部に対しても弾性変形体の底面の直径も大きくするこ
とができるので、複数のインク収納部を有するタンク部
をコンパクトに収めることができ、また、記録ヘッドの
コンパクト化に伴って、インクジェット記録装置本体も
コンパクトになるという効果がある。さらに、そのよう
に弾性変形体の底面を大きくとることができるので、気
体圧力調整室の機能を最大限に引き出すことが可能な弾
性変形体の形状を模索する上でも可能性が広がる。
したようにコンパクトになった記録ヘッドが搭載される
ので、インクジェット記録装置本体もコンパクトにな
り、製品としてもユーザーにとって望ましいものとな
る。インクジェット記録装置のコストダウンも可能とな
る。
装置の概略の構成を示す斜視図である。
ッドの側断面図である。
ある。
る前の状態の記録ヘッドの斜視図である。
およびサブタンクカバーを示す斜視図である。
平面図である。
を取り付けた状態を示す平面図である。
説明するためのグラフである。
び上面図である。
び上面図である。
性変形体の一例の代表図である。
式図である。
録装置のインク供給系を模式的に示す図である。
ンクおよび記録ヘッドの模式図である。
に空気が導入される際のインク供給ユニットの液路内で
の空気およびインクの挙動を説明する説明図である。
に空気が導入される際のインク供給ユニットの液路内で
の空気およびインクを説明する説明図である。
す断面図である。
図である。
図である。
例の要部を説明するための図である。
示す一概念図である。
Claims (27)
- 【請求項1】 連通する容器内の気体圧力を調整するよ
うに該気体圧力に応じて容積が変化可能な少なくとも一
つの弾性変形部と、該弾性変形部を前記容器に支持する
ための支持部と、を有する圧力調整室において、 前記弾性変形部は、一つの略円形形状である開口部と、
外周面に変形前の状態で略平らな2つの面とを有し、前
記2つの面が、前記開口部と反対側の先端部で曲面部を
介して連続する形状を有することを特徴とする圧力調整
室。 - 【請求項2】 前記略平らな面は、実質的に同形状であ
ることを特徴とする請求項1に記載の圧力調整室。 - 【請求項3】 前記略平らな2つの面は、前記先端部の
曲面部を介して実質的に対称形であることを特徴とする
請求項1に記載の圧力調整室。 - 【請求項4】 前記略平らな面には、少なくとも一部に
窪みがあることを特徴とする請求項1に記載の圧力調整
室。 - 【請求項5】 前記略平らな面は、他の前記外周面より
少なくとも一部の肉厚が薄いことを特徴とする請求項1
に記載の圧力調整室。 - 【請求項6】 気体の出入りが行われる室と、該室に連
通する気体圧力を調整するように該気体圧力に応じて容
積が変化可能な少なくとも一つの弾性変形部と、該弾性
変形部を前記容器に支持するための支持部と、を有する
圧力調整室と、をそなえる圧力調整機構において、 前記弾性変形部は、一つの略円形形状である開口部と、
外周面に変形前の状態で略平らな2つの面とを有し、前
記2つの面が、前記開口部と反対側の先端部で曲面部を
介して連続する形状を有することを特徴とする圧力調整
機構。 - 【請求項7】 前記略平らな面は、実質的に同形状であ
ることを特徴とする請求項6に記載の圧力調整機構。 - 【請求項8】 前記略平らな2つの面は、前記先端部の
曲面部を介して実質的に対称形であることを特徴とする
請求項6に記載の圧力調整機構。 - 【請求項9】 前記略平らな面には、少なくとも一部に
窪みがあることを特徴とする請求項6に記載の圧力調整
機構。 - 【請求項10】 前記略平らな面は、他の前記外周面よ
り少なくとも一部の肉厚が薄いことを特徴とする請求項
6に記載の圧力調整機構。 - 【請求項11】 インクを吐出して記録を行うためのイ
ンク吐出部と、 該インク吐出部に供給するインクおよび気体を収納する
インク収納室と、 該インク収納室に連通して前記インク収納室内の気体圧
力を調整するように該気体圧力に応じて容積が変化可能
な少なくとも一つの弾性変形部と、該弾性変形部を前記
インク収納室に支持するための支持部と、を有する圧力
調整室と、を有する記録ヘッドにおいて、 前記弾性変形部は、一つの略円形形状である開口部と、
外周面に変形前の状態で略平らな2つの面とを有し、前
記2つの面が、前記開口部と反対側の先端部で曲面部を
介して連続する形状を有することを特徴とする記録ヘッ
ド。 - 【請求項12】 前記略平らな面は、実質的に同形状で
あることを特徴とする請求項11に記載の記録ヘッド。 - 【請求項13】 前記略平らな2つの面は、前記先端部
の曲面部を介して実質的に対称形であることを特徴とす
る請求項11に記載の記録ヘッド。 - 【請求項14】 前記略平らな面には、少なくとも一部
に窪みがあることを特徴とする請求項11に記載の記録
ヘッド。 - 【請求項15】 前記略平らな面は、他の前記外周面よ
り少なくとも一部の肉厚が薄いことを特徴とする請求項
11に記載の記録ヘッド。 - 【請求項16】 並列に配列されて各々がインクを個別
に収納する複数のインク収納室が形成されたインク収納
部と、 前記インク収納部から供給されたインクを吐出して記録
を行い、各々が前記各インク収納室に対応した複数のイ
ンク吐出部と、 前記インク収納部内の圧力を調整するために前記各イン
ク収納室に対応して設けられる圧力調整機構と、を有す
る記録ヘッドにおいて、 前記圧力調整機構は、少なくとも2つの前記インク収納
部の上部にまたがって配置されるとともに、複数の前記
弾性変形部が前記インク収納室の配列方向および、該配
列方向に対して交差する方向と、に配列される複数の弾
性変形部を有することを特徴とする記録ヘッド。 - 【請求項17】 前記弾性変形部における前記インク収
納部側の形状が略円形である請求項16に記載の記録ヘ
ッド。 - 【請求項18】 前記弾性変形部は、一つの略円形形状
である開口部と、外周面に変形前の状態で略平らな2つ
の面とを有し、前記2つの面が、前記開口部と反対側の
先端部で曲面部を介して連続する形状を有することを特
徴とする請求項17に記載の記録ヘッド。 - 【請求項19】 前記インク収納部は、前記圧力調整機
構と連通する開口部を複数の前記インク収納室にそれぞ
れ有し、該開口部は千鳥状に配列されている請求項16
に記載の記録ヘッド。 - 【請求項20】 前記開口部の形状が半月状である請求
項19に記載の記録ヘッド。 - 【請求項21】 前記各インク収納室は、前記複数のイ
ンク吐出部に対応してインク吐出部の配置方向とほぼ並
行に配置されるとともに、前記インク収納部から前記イ
ンク吐出部との連通部分から前記圧力調整機構に向かっ
て放射状に拡がる形状であることを特徴とする請求項1
6に記載の記録ヘッド。 - 【請求項22】 前記インク収納室および前記インク吐
出部は、長手方向の形状を有し、かつ各長手方向がほぼ
平行となるように配置されていることを特徴とする請求
項16に記載の記録ヘッド。 - 【請求項23】 前記複数のインク収納室の各容積が、
略等しいことを特徴とする請求項21に記載の記録ヘッ
ド。 - 【請求項24】 前記複数のインク供給液室の各容積
が、各インク収納室の配列方向に交差する長手方向の長
さを調整することにより略等しくなっていることを特徴
とする請求項23に記載の記録ヘッド。 - 【請求項25】 複数の前記インク収納室の各々が、異
なる色のインクを個別に収納するものである請求項16
に記載の記録ヘッド。 - 【請求項26】 前記インク収納室内に前記インク吐出
部へ前記インク中の異物を混入を防止するフィルタを有
する請求項16に記載の記録ヘッド。 - 【請求項27】 請求項16〜26のいずれか1項に記
載の記録ヘッドを搭載して一直線上を往復移動するキャ
リッジと、前記記録ヘッドの前記インク吐出部から吐出
されたインクを受ける被記録媒体を前記キャリッジの移
動方向と直交する方向に搬送する搬送手段とを有するイ
ンクジェット記録装置。
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