JP2002307443A - タイヤの加硫方法および空気入りタイヤ - Google Patents

タイヤの加硫方法および空気入りタイヤ

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JP2002307443A
JP2002307443A JP2001119424A JP2001119424A JP2002307443A JP 2002307443 A JP2002307443 A JP 2002307443A JP 2001119424 A JP2001119424 A JP 2001119424A JP 2001119424 A JP2001119424 A JP 2001119424A JP 2002307443 A JP2002307443 A JP 2002307443A
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tire
nonwoven fabric
carcass
vulcanizing
rubber
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JP2001119424A
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Kuniyuki Tateno
邦幸 立野
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Bridgestone Corp
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  • Heating, Cooling, Or Curing Plastics Or The Like In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 特別の設備等を用いることなく、製品タイヤ
のカーカスパスラインを所期した通りの位置に正確に設
定できるようにする。 【解決手段】 加硫モールド1とブラダ2とで区画され
るキャビティ3内で生タイヤTを加硫成形するに当っ
て、生タイヤT内の不織布12によりゴムの流動を抑制
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、モールドキャビ
ティ内での生タイヤの加硫成形に当っての、ゴムの余剰
の流動を抑制する、タイヤの加硫方法およびその方法に
より製造される空気入りタイヤ、なかでも、自動二輪車
用空気入りラジアルタイヤに関するものである。
【0002】
【従来の技術】製品タイヤの横断面内でのカーカスのパ
スラインはタイヤの性能に及ぼす影響が大きいことか
ら、そのパスラインの設定について従来から種々のもの
が提案されている。
【0003】しかるに実際には、製品タイヤ内でのカー
カスのパスラインは、タイヤの設計上のそれとは相違す
ることがあり、それ故に、場合によっては、所期したタ
イヤ性能を実現し得ないこともある。
【0004】このような現象の発生原因の一つとして
は、加硫モールド内の生タイヤを、ブラダ、エアバック
等の弾性膜体をもってモールド内面に押圧しつつ加熱し
て加硫成形するに際して、流動性を増したタイヤゴムが
ブラダからの押圧力の作用下で、本来あるべき位置にと
どまることができずに、タイヤゴム内圧の低い周辺部分
に移動することにより、ゴム厚みの減少部分および増加
部分のそれぞれで、カーカスのパスラインが、設計上の
パスラインに対してタイヤの内面側もしくは外面側に変
位することが考えられ、これによれば、パスラインが設
計上のそれと相違するのみならず、ゴムボリューム等も
また設計上の値とは相違することになる。
【0005】従って、タイヤの設計に当って、加硫成形
に際するこのようなゴム流動を考慮に入れて各種のタイ
ヤ構成部材の位置、形状、ボリューム等を選択すること
で、上述したような各相違にある程度は対処することは
できるも、現実には、加硫モールド内でのゴムの流動
は、加熱温度その他の加硫条件のばらつきの範囲内でも
種々に変化することから、上述したような設計上の対処
を行ってなお、カーカスのパスライン等の変化を十分に
防止することが難しく、しかも、甚だしくは、タイヤ幅
方向および/または周方向でのパスライン等の相違に起
因するタイヤユニフォミティの低下が生じることもあっ
た。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで、生タイヤまた
は、生タイヤ部品にプレキュアを施して架橋反応を部分
的に促進させることで、タイヤ構成部材の形状維持を図
る加硫方法が提案されているが、これによれば、架橋の
制御・処理設備のコストが嵩む他、設備の設置のための
大きなスペースを要するという他の問題があった。
【0007】この発明は、これらの問題点を解決するこ
とを課題とするものであり、それの目的とするところ
は、特別の設備等を用いることなく、製品タイヤのカー
カスパスラインを所期した通りの位置に正確に設定でき
るタイヤの加硫方法およびその方法により製造した空気
入りタイヤを提供するにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明は、コードのよ
うな方向性を有することがなく、またコード間隙間を有
することもない不織布の特性を利用して、モールドキャ
ビティ内でのゴムの余剰の流動を有効に抑制するもので
あり、この発明に係るタイヤの加硫方法は、加硫モール
ドと、ブラダ等の弾性膜体とで区画されるキャビティ内
で生タイヤを加硫成形するに当り、生タイヤ内の、方向
性等を有しない不織布によりゴムの流動を抑制すること
を特徴とするものである。ここで、不織布は、コーティ
ングゴムをもって予め被覆したものであってもよく、ま
た、被覆層を設けないものであってもよい。
【0009】この方法では、生タイヤの加硫成形に際し
て、方向性等を有しない不織布をもって、少なくとも、
それに接して位置するゴムの流動を抑制することで、不
織布の少なくとも片面側にゴム層を確実に残留させるこ
とができるので、ゴムの余剰流動に原因をおく、製品タ
イヤのカーカスパスラインの、設計上のパスラインに対
する変化を、不織布の存在それ自体に加え、不織布上の
ゴム層の存在によって有効に阻止することができる。従
って、製品タイヤのユニフォミティを十分に高め得るこ
とはもちろん、そのタイヤに、所期した通りの性能を十
分に発揮させることができる。
【0010】ところでここで、不織布の少なくとも片面
側、多くはカーカスとは反対側の面上のゴム層は、タイ
ヤ本来の構成部分としてのゴム層、たとえばインナライ
ナ、ゴムチェファ等として、不織布の、タイヤ表面への
露出を防止すべくも機能する。
【0011】なおこの場合の、不織布の作用に基づくゴ
ム流動の抑制は、製品タイヤのバットレス部と対応する
部分、製品タイヤの最大幅位置と、バットレス部もしく
はビードコア近傍部分との間と対応する領域、ビードコ
アのタイヤ幅方向外側部分もしくはビードコアの周り等
の、加硫成形に際してゴムの余剰流動が発生し易い一個
所またはそれらの二個所以上にて行うことができる。
【0012】また、この発明に係る空気入りタイヤは、
トレッド部からサイドウォール部を経て、ビード部のビ
ードコアの周りに側部部分を巻上げた一枚以上のカーカ
スプライからなるカーカスと、カーカスのクラウン部の
外周側に配設した一層以上のベルト層と、タイヤの内周
面を区画するインナライナとを具えるものであって、カ
ーカスプライを、タイヤ赤道面に対して60〜90°の
角度で交差する有機繊維コードにて構成するとともに、
ベルト層のコードの引張り強度を1〜4GPaとし、バ
ットレス部より半径方向内方側の部分で、カーカスと隣
接する位置に0.3mm以上の厚さで不織布を配設し、
この不織布を構成するフィラメントの径を0.01〜
0.05mm、長さを8mm以上とするとともに、不織
布の目付を100〜500g/mの範囲とし、不織布
の、カーカスとは反対側の面にゴム層を設けたものであ
る。
【0013】この製品タイヤでは、それの加硫成形に当
って、不織布が、先に述べたように、カーカスのパスラ
インの変化を有効に阻止すべく機能して、所期したタイ
ヤ性能の発揮を担保する他、不織布それ自体がタイヤの
補強層としても機能してすぐれた操縦安定性の確保に寄
与することができる。
【0014】なおここでは、不織布のタイヤ内での厚さ
を0.3mm以上とするのは、それ未満では、不織布が
ゴムの流動を抑制できても、その程度は、製品の実質上
のバラツキと大差がなく、有効な効果が得られないこと
による。
【0015】また、その不織布のフィラメント径および
長さをそれぞれ、0.01〜0.05mmおよび8mm
以上とすることで、互いに絡み合ったフィラメントが、
ブラダ等からの押圧力に対して十分な剛性を有すること
になり、周囲のゴムの流動を抑制し、かつ自身も流動す
ることが無い。
【0016】そして、不織布の目付を100〜500g
/mの範囲とすることにより、不織布に必要な曲げ剛
性を確保することができる。
【0017】さらにここでは、不織布の、カーカスとは
反対側の面にゴム層を設けることで、これも前述したよ
うに、不織布を、タイヤの内外いずれの表面にも露出さ
せることなくタイヤに一体化させることができる。
【0018】かかるタイヤにおいて、不織布を、インナ
ライナと最内層カーカスプライとの間でバットレス部に
配設した場合には、カーカスのパスラインが変化し易い
そのバットレス部でのパスラインの変化を有効に阻止し
て、インナライナの厚みを十分に確保するとともに、カ
ーカスプライのコーティングゴムの流動変位をもまた十
分に防止することができる。これにより、カーカスプラ
イコードがインナライナに食い込むことによるタイヤの
不測の空気洩れ等のおそれを取り除くことができ、併せ
て、ゴムの流動分を見込んでゴムボリュームを決定する
従来技術に比して、タイヤ重量の低減を実現することが
できる。
【0019】また、不織布を、最外層カーカスプライの
外層側で、タイヤ最大幅位置と、バットレス部もしくは
ビードコア近傍部分との間に配設した場合には、一般
に、ビード部からタイヤ最大幅位置方向へ、そしてタイ
ヤ最大幅位置からバットレス部方向へ流動する傾向のあ
るゴムに対し、流動をコントロールして、所期したカー
カスパスラインを確保するとともに、タイヤサイド部の
ゴム厚み調整することができ、併せて、不織布それ自体
の引張り剛性をもって、サイドウォール部の制振性にす
ぐれ、操縦性にすぐれる軽量のタイヤを実現することが
できる。
【0020】そして、不織布を、カーカスプライの巻上
げ部の外層側で、ビードコアのタイヤ幅方向外側部分に
配設した場合には、通常は、加硫成形時に圧力が最も高
くなって、ゴムの流動量がとくに多くなるビード部で、
所要のカーカスパスラインを確保することができ、ま
た、そのビード部の、タイヤ幅方向の十分な厚みを容易
に確保することができる。
【0021】ここで、厚みの厚いビード部は、たとえば
自動二輪車用タイヤにおいて、操縦性および乗心地の向
上をもたらすことができ、なかでも、乗心地を重視する
場合には、その厚みを選択することで、リムフランジか
らの横方向入力の緩衝性能を高めて、キックバック(路
面凹凸によるハンドル振れ)に有利に対処することがで
きる。また、副次的には、不織布をもって、リムフラン
ジとタイヤとの接触によって生じるリム擦れからコード
の損傷を防ぐこともできる。
【0022】さらにまた、不織布を、タイヤ最大幅位置
より半径方向内方域で、ビードコアの周りに、カーカス
プライに沿わせて配設した場合には、上述したところに
加え、ビードコアの内周側の不織布およびゴム層によ
り、ビードシートからの入力に対するクッション性を高
めることができる他、ビード部周りの巻上げ部材の点数
を低減できる利点がある。なお、不織布は、部分的な厚
みの変更が難しいので、リムフランジおよびビードシー
トのそれぞれからの入力に対する最適厚みを選択するた
めには、不織布を二分割もしくは三分割することが好ま
しい。
【0023】
【発明の実施の形態】以下にこの発明の実施の形態を図
面に示すところに基づいて説明する。図1は、この発明
に係る方法の実施形態を、自動二輪車用の生タイヤに対
する加硫成形中の状態で示すタイヤ幅方向断面図であ
り、図中1は型閉め姿勢の加硫モールドを、2は、生タ
イヤの内周面に密着して、それを加硫モールド1の内周
面に押圧するブラダをそれぞれ示す。
【0024】ここで、加硫モールド1とブラダ2とで区
画されるキャビティ3内に封入されて、加圧・加熱下で
加硫成形される生タイヤTは、製品タイヤの、トレッド
部と対応する部分4、サイドウォール部と対応する部分
5およびビード部と対応する部分6を具えるとともに、
ビード部対応部分6に配設したビードコア7、両ビード
コア7の周りに側部部分を巻上げた一枚以上、図では一
枚のカーカスプライ8aからなるカーカス8、カーカス
8のクラウン部の外周側に配設した一層以上のベルト層
9および、タイヤの内周面を区画するインナライナ10
を具える。
【0025】またここでは、カーカスプライ8aを有機
繊維コードにより構成し、そのコードを、製品タイヤで
タイヤ赤道面に60〜90°角度で交差する方向に延在
させるとともに、ベルト層コードを、たとえばスチール
コード、アラミド繊維コードの如くに、1〜4GPaの
引張り強度を有するものとする。
【0026】ところで、この図に示すところでは、生タ
イヤTの、製品タイヤのバットレス部と対応する部分1
1で、インナライナ10と最内層カーカスプライ8aと
の間に、ゴムコーティングを施したまたは施さない不織
布12を配設して、加硫成形時のインナライナ10の自
由な流動をその不織布12によって抑制し、これによ
り、不織布12の、カーカスプライ8aとは反対側の面
に、加硫成形の終了時点においてなおインナライナ層を
確実に残留させ、好ましくは、そのインナライナ層の、
カーカスプライ7と直交する断面内での最小厚みを0.
5〜2.0mmの範囲とする。
【0027】かくしてここでは、加硫成形後の製品タイ
ヤのカーカスプライ8aは、ブラダ2の外表面に対し
て、インナライナ層厚みに加え、不織布の、好ましくは
0.3mm以上の厚みに相当する距離だけ離隔した位置
に延在することになり、カーカス8の、所期した通りの
パスラインを確保することができる。従ってこのタイヤ
では、インナライナ10の余剰の流動に起因して、カー
カスプライ8aが製品タイヤの内表面に露出するような
事態が発生するおそれはない。
【0028】なおここにおいて、不織布12を構成する
フィラメントの径を0.01〜0.05mmとし、長さ
を8mm以上とした場合には、前述したように、不織布
それ自身およびゴムの流動をより十分に抑制することが
でき、また不織布12の目付を100〜500g/m
とした場合には、不織布に、それ自体の厚みおよび曲げ
剛性を適正に付与することができる。
【0029】図2は他の実施形態を示す図1と同様の図
であり、これは、先に述べたと同様の不織布12を、製
品タイヤの最大幅位置より半径方向内方となる生タイヤ
領域で、ビードコア7の周りに、カーカスプライ7aに
沿わせて、それを包み込むように配設した状態で、生タ
イヤTを加硫成形するものである。
【0030】これによれば、加硫成形に当ってゴムの流
動量がとくに多くなるビード部のゴム流動を、不織布1
2をもって有効に抑制することができ、これがため、カ
ーカス8のパスラインを、モールド表面およびブラダ表
面のそれぞれに対し、不織布厚みおよび、それの一側面
に形成される、流動ゴムのゴム層厚みの両厚みに相当す
る距離だけ離隔させることができ、そのパスラインを高
い精度でコントロールすることができる。
【0031】なお、図示はしないが、不織布12の作用
に基づくゴム流動の抑制は、製品タイヤの最大幅位置と
バットレス部との間と対応する領域もしくは、その最大
幅位置とビードコア近傍部分との間と対応する領域にお
いて行うことができる他、ビードコア7のタイヤ幅方向
外側部分で行うこともできる。
【0032】図3は、以上のような方法によって加硫成
形した空気入りタイヤの半部を、四輪車用タイヤを例と
して示す略線横断面図である。図示のタイヤにおいて、
21はトレッド部を、22は、トレッド部21の側部か
ら半径方向内方に延びるサイドウォール部を、23は、
サイドウォール部22の内外側に設けたビード部をそれ
ぞれ示し、また8は、トレッド部21からサイドウォー
ル部22を経てビード部23へ延びてタイヤの骨格構造
をなすカーカスを、9は、カーカス8のクラウン部の外
周側に配設した一層以上、ここでは一層のベルト層を、
そして10は、タイヤの内周面を区画するとともに内圧
保持層として機能するインナライナをそれぞれ示す。
【0033】ところでここでは、カーカス8を、それぞ
れの側部部分をビードコア7の周りで半径方向外方に巻
上げた二枚のカーカスプライ8a,8bにて構成し、こ
のようなカーカス8の巻上げ部と本体部との間に、ビー
ドコア7の外周側から半径方向外方に延びるビードフィ
ラ24を配設する。なおここでの、カーカスプライ8
a,8bおよびベルト層9の具体的構成は先に述べたと
ころと同様である。そしてこのタイヤは、バットレス部
25で、インナライナ10と最内層カーカスプライ8a
との間に、これも先に述べたと同様の構成を有する不織
布12を配設して、その不織布12の内面側にインナラ
イナ層を残留させたものである。
【0034】図4は、タイヤの他の実施形態を示すもの
であり、図4(a)に示すタイヤは、不織布12を、最
外層カーカスプライ8aの外層側で、タイヤ最大幅位置
とバットレス部との間に配設して、不織布12の外面側
にサイドゴム層を残留させたものである。
【0035】また図4(b)に示すタイヤは、最外層カ
ーカスプライ8aの外層側、図では、カーカス8の巻上
げ部8cの外層側に隣接させて、タイヤ最大幅位置とビ
ードコア近傍部分との間に不織布12を配設して、その
不織布12の外面側にゴム層を残留させたものである。
なお、この図に示すところにおいて、不織布12を二層
以上積層配置することもできる。
【0036】そして図5に示す実施形態は、カーカスプ
ライ8aの巻上げ部8cの外層側で、ビードコア7のタ
イヤ幅方向外側部分、いいかえれば、リムフランジと接
触する領域内に不織布12を配設するとともに、その外
面側にゴム層を残留させたものであり、不織布12の厚
みを所要に応じて薄くし、また厚くしたものである。こ
こで不織布12の厚みは、目付を変更することの他、不
織布12の積層数の増減によっても変化させることがで
きる。
【0037】また、図6に示す実施形態は、不織布12
を、タイヤ最大幅位置より半径方向内方域で、ビードコ
ア7の周りに、カーカスプライ8a,8bに沿わせてそ
れを包み込むように配設して、その不織布12の外面側
にゴム層を残留させたものである。ここで、一のビード
部内で、不織布12の厚みを変化させる必要がある場合
には、図6(b)および(c)に示すように、それを分
割構成して目付の異なるそれぞれの不織布を配設するこ
と、または、同一目付の不織布の積層枚数を変化させる
ことが好ましい。
【0038】
【実施例】実施例1 自動二輪車用の表1の上段に示す構成の後輪タイヤに、
図3に示す不織布の配置構成を用いた実施例タイヤにつ
き、エアリーク量を測定したところ表2に示す通りとな
った。なお、不織布12は、ゴムコーティングを施した
ものをバットレス部25に配設した。ここで、比較例タ
イヤ1は、エアリーク量の低減を目的として、インナラ
イナのボリュームを、バットレス部と対応する部分で増
加させたものであり、また、従来例タイヤ1は、インナ
ライナのボリューム増加を省いたものである。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】表2によれば、タイヤのエアリーク量を揃
えた場合には、実施例タイヤ1,2はともに他のタイヤ
に比して軽量であることが解る。
【0042】実施例2 自動二輪車用の、表3の上段に示す構成の前輪タイヤ
に、図4(b)に示す不織布の配置構成を用いた実施例
タイヤにつき、タイヤ重量指数、操縦性、安定性および
乗心地のそれぞれを求めたところ表4に示す通りとなっ
た。ここで、タイヤ重量指数は、タイヤ重量に比例する
ものとし、操縦性その他の評点は大きいほどすぐれた結
果を示すものとした。
【0043】なお、比較例タイヤ2は、カーカスプライ
を二枚配設したものであり、比較例タイヤ3は、一枚の
カーカスプライの配設の下で、ビードフィラ体積を小さ
くするとともに、ビードコアのコード段列を低減させた
ものである。そして従来タイヤ2は、図4(b)に示す
ところから不織布を省いた構成としたものである。
【0044】
【表3】
【0045】
【表4】
【0046】表4からは、実施例タイヤ3は、乗心地を
犠牲にすることなしに、操縦性および安定性を有利に向
上させ得ることが解る。
【0047】実施例3 表1の下段に示す構成の後輪タイヤに、図5に示す不織
布の配置構成を用いた実施例タイヤについて、操縦性、
安定性および乗心地のそれぞれを求めたところ、表5に
示す通りとなった。ここで、従来例タイヤ3は、図5に
示すところから不織布を省いたものとし、各評点は、大
きいほどすぐれた結果を示すものとした。
【0048】
【表5】
【0049】上記表5によれば、実施例タイヤ4,5
は、不織布の目付との関連で、目付が大きい場合には、
操縦性が高くなり、また、安定性は、150g/m
近に最適点があることが解り、そして、不織布の配設に
よって、従来例タイヤより乗心地が向上することが解
る。
【0050】実施例4 表3の下段に示す構成の前輪タイヤに、図6(a)に示
す不織布の配置構成を用いた実施例タイヤにつき、操縦
性、安定性および乗心地とともに、キックバックおよび
ダンピングタイムを求めたところ表6に示す通りとなっ
た。表中のキックバックは、数値が大きいものほど値が
小さいものとした。なお、従来例タイヤ4は、図6
(a)に示すところから不織布を省いたものとした。
【0051】
【表6】
【0052】表6によれば、実施例タイヤ6,7,8
は、いずれもすぐれた操縦性を発揮し、また、不織布の
目付との関連において、折返し外側に目付の大きい不織
布を配置した場合には、乗心地に優れ、内側に目付の大
きい不織布を配置した場合にはキックバックに対する安
定性が優れることが解る。
【0053】ところで、以上の実施例1〜4では、適用
リムを、前輪タイヤでMT3.50×17、後輪タイヤ
でMT6.00×17とし、充填空気圧を、前輪タイヤ
で250kPa、後輪タイヤで290kPaとした。ま
た、前輪への負荷質量を約140kg、後輪への負荷質
量を約190kgとするとともに、タイヤ性能の各評点
を、一周3.6kmのテストコースを、テストドライバ
により最高速度250km/hで実車走行した場合のフ
ィーリング評価により求めた。なお、評点は、10点法
の下で、6.0を市場標準レベルとし、5.0を市場問
題レベルとした。また、ダンピングタイムは、加速度計
をハンドル端に取り付けて測定し、振幅5回の平均値を
求めた。
【0054】
【発明の効果】かくしてこの発明によれば、特別の設備
が不要であることはもちろん、タイヤ重量の増加なし
に、製品タイヤのカーカスパスラインを所期した通りに
設定することができ、これにより、タイヤの各種性能を
有利に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 発明方法の実施形態を示す横断面図である。
【図2】 他の実施形態を示す横断面図である。
【図3】 発明タイヤの実施形態を示す略線横断面図で
ある。
【図4】 他の実施形態を示す略線横断面図である。
【図5】 他の実施形態を示す略線横断面図である。
【図6】 さらに他の実施形態を示す略線横断面図であ
る。
【符号の説明】
1 加硫モールド 2 ブラダ 3 キャビティ 4 トレッド部対応部分 5 サイドウォール部対応部分 6 ビード部対応部分 7 ビードコア 8 カーカス 8a,8b カーカスプライ 8c 巻上げ部 9 ベルト層 10 インナライナ 11 バットレス部対応部分 12 不織布 21 トレッド部 22 サイドウォール部 23 ビード部 24 ビードフィラ 25 バットレス部 T 生タイヤ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29K 105:20 B29K 105:20 105:24 105:24 B29L 30:00 B29L 30:00 Fターム(参考) 4F202 AA45 AD16 AH20 CA21 CB01 CU01 CU12 4F203 AA45 AD16 AH20 DA11 DB01 DC01 DL12

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加硫モールドと弾性膜体とで区画される
    キャビティ内で生タイヤを加硫成形するに当り、 生タイヤ内の不織布によりゴムの流動を抑制することを
    特徴とするタイヤの加硫方法。
  2. 【請求項2】 製品タイヤのバットレス部と対応する部
    分でのゴムの流動を不織布により抑制する請求項1に記
    載のタイヤの加硫方法。
  3. 【請求項3】 製品タイヤの最大幅位置と、バットレス
    部もしくはビードコア近傍部分との間と対応する領域で
    のゴムの流動を不織布により抑制する請求項1に記載の
    タイヤの加硫方法。
  4. 【請求項4】 ビードコアのタイヤ幅方向外側部分での
    ゴムの流動を不織布により抑制する請求項1に記載のタ
    イヤの加硫方法。
  5. 【請求項5】 ビードコアの周りでのゴムの流動を不織
    布により抑制する請求項1に記載のタイヤの加硫方法。
  6. 【請求項6】 トレッド部からサイドウォール部を経
    て、ビード部のビードコアの周りに側部部分を巻上げた
    一枚以上のカーカスプライからなるカーカスと、カーカ
    スのクラウン部の外周側に配設した1層以上のベルト層
    と、タイヤの内周面を区画するインナライナとを具える
    空気入りタイヤであって、 カーカスプライを、タイヤ赤道面に対して60〜90°
    の角度で交差する有機繊維コードにて構成するととも
    に、ベルト層コードの引張り強度を1〜4GPaとし、
    バットレス部より半径方向内方側の部分で、カーカスと
    隣接する位置に0.3mm以上の厚さで不織布を配設
    し、この不織布を構成するフィラメントの径を0.01
    〜0.05mm、長さを8mm以上とするとともに、不
    織布の目付を100〜500g/mの範囲とし、 不織布の、カーカスとは反対側の面にゴム層を設けてな
    る空気入りタイヤ。
  7. 【請求項7】 不織布を、インナライナと最内層カーカ
    スプライとの間でバットレス部に配設してなる請求項6
    に記載のタイヤの加硫方法。
  8. 【請求項8】 不織布を、最外層カーカスプライの外層
    側で、タイヤ最大幅位置と、バットレス部もしくはビー
    ドコア近傍部分との間に配設してなる請求項6に記載の
    タイヤの加硫方法。
  9. 【請求項9】 不織布を、カーカスプライの巻上げ部の
    外層側で、ビードコアの、タイヤ幅方向外側部分に配設
    してなる請求項6に記載のタイヤの加硫方法。
  10. 【請求項10】 不織布を、タイヤ最大幅位置より半径
    方向内方域で、ビードコアの周りに、カーカスプライに
    沿わせて配設してなる請求項6に記載のタイヤの加硫方
    法。
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