JP2002307148A - 鋼の連続鋳造装置及び連続鋳造方法 - Google Patents
鋼の連続鋳造装置及び連続鋳造方法Info
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Abstract
する垂直曲げ型連続鋳造機の、鋳型通過後の垂直部の2
次冷却系統を、鋳造方向に少なくとも2ゾーンに分割
し、鋳型直下の第1のゾーンを急冷却部と、また、第1
のゾーンに続く第2のゾーンである曲げ部の直前は水量
密度の少ない弱冷却部とし、第1のゾーンの急冷却部で
は鋳片表面積及び鋳片通過所要時間T(分)に対して平
均値で水の噴霧能力M(リットル/分・m2 )がM>3
50/Tの関係を満足する流路系統を有するミスト冷却
とした。 【効果】 とくに垂直曲げ型の連続鋳造機の曲げ歪みに
起因して鋳片の地面側に発生する表面割れを防止するこ
とが可能となる。
Description
造機を使用して鋼を連続鋳造する際に、鋳片の表面割れ
を防止或いは低減することが可能な鋼の連続鋳造装置及
び連続鋳造方法に関するものである。
元素を含有した低合金鋼の連続鋳造時には鋳片表面部分
に横割れ或いは横ひび割れと呼ばれる表面割れ(以下、
単に「表面割れ」と言う。)が発生する場合がある。こ
のような表面割れが発生する懸念があると、連続鋳造後
圧延までの間に鋳片表面の検査、さらには、必要に応じ
て表面手入れを実施する必要が生じる。このため、鋳片
を熱間で圧延する直送圧延ができないなど、コスト面で
大きな損失が生じる。
の研究がなされており、鋳片表面温度が熱間延性の低下
するγ→α変態温度近傍の脆化温度域(約600〜85
0℃)になった時に矯正応力を受けることによって発生
することが明らかとなっている。この対策として、鋳片
矯正時の表面温度が脆化温度域よりも低温側若しくは高
温側になるように回避させることで割れを抑制する方法
が実施されている。しかしながら、このような方法を実
施しても割れが発生する場合があることから、以下のよ
うな種々の方法が提案されている。
とから、例えば特開昭63−63559号ではこのγ粒
径に着目し、γ粒の成長を抑制することを提案してい
る。また、割れの発生した粒界部にはAlNが析出して
おり、これに伴う応力集中が割れを助長することから、
特公昭55−7106号では冷却条件を制御することに
よりAlN析出を制御している。
く提案されているが、いずれも一長一短があり、完全に
表面疵の発生は撲滅できていない。このような状況に鑑
み、本出願人は特開平9−47854号で鋳片の組織制
御による割れ防止方法を提案した。
提案した方法は、鋳型通過後直ちに鋳片を2次冷却して
一旦鋳片の表面温度をA3 変態温度以下に低下すること
で、割れ発生の起点となる粒界のフィルム状フェライト
の生成を防止しようと言うものであり、発明例などにも
記述のように高い効果を奏している。しかしながら、こ
の方法は主に鋳片の矯正歪みに起因する鋳片天側の表面
割れを防止するためになされたものであり、近年主流と
なっている垂直曲げ型の連続鋳造機へ適用する場合に
は、鋳片の曲げに伴う地面側の割れ発生についても防止
策を考える必要がある。
曲げに関しても曲げ点に到達するまでに脆化温度域を高
温側に回避できるように復熱させる思想が記述されてい
るが、これは単に概念を述べたにすぎず、割れ防止のた
めに必要な条件を詳細に検討した結果ではなかった。
点に鑑みてなされたものであり、鋳型通過後直ちに2次
冷却を行って急冷却することにより、表面温度を一旦A
3 変態温度以下に低下させ、鋳片表層部のミクロ組織を
制御することにより特に地面側の表面割れを防止するこ
とが可能な垂直曲げ型の連続鋳造機、及び、この連続鋳
造機を使用して適正な2次冷却条件で連続鋳造を行うこ
とにより鋳片の表面割れを防止することが可能な連続鋳
造方法を提供することを目的としている。
ために、本発明では、垂直部分の長さが1.5〜5.0
mを有する垂直曲げ型連続鋳造機の、鋳型通過後の垂直
部の2次冷却系統を、鋳造方向に少なくとも2ゾーンに
分割し、鋳型直下の第1のゾーンを急冷却部と、また、
前記第1のゾーンに続く第2のゾーンである曲げ部の直
前は水量密度の少ない弱冷却部とし、前記第1のゾーン
の急冷却部では鋳片表面積及び鋳片通過所要時間T
(分)に対して平均値で水の噴霧能力M(リットル/分
・m2 )が下記数式1の関係を満足する流路系統を有す
るミスト冷却とした連続鋳造装置を用いて、厚さが90
mm以上の矩形形状の鋼鋳片を、鋳片長辺面の2次冷却
に関して鋳片が鋳型を通過後急冷却部分の通過所用時間
T(分)とその間の平均水量密度W(リットル/分・m
2 )の間に下記数式4及び数式5の関係を満足する条件
で鋳片の全幅を2次冷却し、その後、曲げ部入り側に到
達する直前の少なくとも0.3分間は150リットル/
分・m2 未満の冷却水量とすることとしている。
曲げ型の連続鋳造機の曲げ歪みに起因して鋳片の地面側
に発生する表面割れを防止することが可能となる。
らは種々の2次冷却条件で実際に連続鋳造を行い、鋳片
表層部の組織生成状況と表面割れの発生状況を調査した
結果を基に、垂直曲げ型の連続鋳造機で地面側の割れを
防止するためには、垂直部の水量分布を適正に制御すれ
ばよいことを見出した。さらに、この冷却制御を行うた
めには適正な設備仕様とする必要があることを知った。
却を施し、表面温度をA3 変態温度以下に一旦低下させ
てフェライトの析出を開始させ、最終的には割れ発生の
起点となる粒界のフィルム状フェライトの生成を防止す
る方法を垂直曲げ型の連続鋳造機を使用する場合に適用
するものである。従って、本発明に係る鋼の連続鋳造装
置では、鋳片が鋳型を通過後直ちに少なくともA3 変態
温度以下にまで2次冷却する必要がある。
く、本発明者らは、鋳片が鋳型を通過した後の時間及び
水量密度と表面温度の関係を種々検討したところ、図1
に示した関係を得た。試験では静止鋳造した200kg
のインゴット(幅400mm×厚さ180mm×高さ約
400mm)を鋳型から取り出し、直ちに2次冷却して
表面温度を測定した。
□印)及び700℃(図1中の△印)になったときの条
件はそれぞれの線上にあり、冷却時間が長いほど少ない
水量密度で所定の温度に到達することが明らかになっ
た。また、この鋳片をそのまま復熱しその後放冷却して
調査したところ、一旦800℃以下にまで冷却した条件
で所望の組織が得られていることが判った。すなわち、
A3 変態温度は約830〜850℃なので800℃まで
冷却できれば意図した組織制御は可能になることが判明
した。
まで到達するための噴霧水量M(リットル/分・m2 )
と冷却時間T(分)の関係として図1中に一点鎖線に示
す下記数式1の関係を得た。従って、急冷却部分ではこ
の関係を満足できる水量を噴霧できる装置が必要とな
る。
鋳造し、鋳片の表面割れを調査したところ、鋳型通過直
後に急冷却した後、直ちに曲げゾーンに入った場合には
地面側にコーナー割れが発生することが判明した。一
方、鋳片曲げ部分に入る前に水量密度の低い部分がある
と、この割れは発生しないことも判明した。
旦A3 変態温度以下にまで急冷却する場合には、その後
曲げ部に入る前に弱冷却部を設置する必要があることが
判明した。ちなみに、同じ水量パターンを湾曲形連続鋳
造機に適用した場合には鋳片曲げに起因する歪みが存在
しないことから割れが発生しないので、この割れは曲げ
時の歪みに起因して発生するものと考えられる。
00mm以上必要であることを考えると、前記垂直部長
さが1.5m未満では、2次冷却帯における垂直部は9
00mm未満となる。900mm未満ではA3 変態温度
まで急冷却することだけで精一杯となり、その後に弱冷
却ゾーンを設置することができない。また、垂直部長さ
が5m以上あると曲げ時の割れを防止することは可能で
あっても矯正間での総所要時間が長くなり、矯正時に割
れ発生の懸念がある。このため、本発明に係る鋼の連続
鋳造装置では、垂直部長さは1.5mから5mの間と規
定した。
た本発明者らの各種の実験や研究に基づいてなされたも
のであり、垂直部分の長さが1.5〜5.0mを有する
垂直曲げ型連続鋳造機の、鋳型通過後の垂直部の2次冷
却系統を、鋳造方向に少なくとも2ゾーンに分割し、鋳
型直下の第1のゾーンを急冷却部と、また、前記第1の
ゾーンに続く第2のゾーンである曲げ部の直前は水量密
度の少ない弱冷却部とし、前記第1のゾーンの急冷却部
では鋳片表面積及び鋳片通過所要時間T(分)に対して
平均値で水の噴霧能力M(リットル/分・m2 )が上記
した数式1の関係を満足する流路系統を有するミスト冷
却としたことを要旨とするものである。
直曲げ型の連続鋳造機で水量密度と急冷却部の通過時間
を種々変化させて鋳造したところ、鋳片の組織と割れ発
生状況には相関があることを知った。従って、一旦急冷
却し復熱させる温度履歴を適正に付与することができれ
ば、鋳片組織は、ベースはフェライトパーライト組織で
フィルム状フェライトが生成しない組繊となる。このよ
うな組織が得られた場合には表面割れも発生しない。
でありながら粒界に沿ったフィルム状フェライトが生成
した組織となったときには、割れがこのフィルム状フェ
ライトに沿って発生することから割れ感受性が高く横ひ
び割れが発生しやすくなる。また、ベイナイト組織とな
る場合もあり、この時には粒界部にはフェライトが生成
している。この組織の場合にも表面割れ感受性が高い。
従って、連続鋳造の操業で鋳片表層部の組織を割れ発生
の起点となるγ粒界に沿ったフェライトのない組織とす
れば鋳片の割れを防止することが可能となる。
たときに得られた鋳片の組織と割れ発生状況を図2に示
す。この連続鋳造では、垂直部を2ゾーンに分けてお
り、この図2では第1のゾーンの水量を表す。曲げ部に
入る直前部分の第2のゾーンの水量密度は70〜120
リットル/分・m2 であった。
ィルム状フェライトが生成せず、表面割れも発生しなか
ったものを示す。これに対して、□印で表したのはフェ
ライトパーライト組織でありながら粒界に沿ったフィル
ム状フェライトが生成した組織を示し、■印で表わした
のはフェライトパーライト組織でありながら粒界に沿っ
たフィルム状フェライトが組織中に生成し、かつ、横ひ
び割れが発生していた状態のものを示す。
水量密度が少ないときに横ひび割れが発生するような状
況となっている。これは、急冷却時に表層部の温度が十
分低下せず組織制御ができなかったことが原因と考えら
れる。この時の条件を数式化すると必要水量密度Wとし
て下記の数式2の関係が得られ、上記した数式1と一致
している。
組繊となり、粒界部にはフェライトが生成していた。図
2中に△印で示してあるのがこの場合の例で、▲印では
表面割れが発生していた状態のものを示す。この時の割
れのほとんどは地面側のコーナー割れであった。これは
水量が多く、或いは、急冷却時間が長く表面温度が低下
したまま復熱できなかったときに発生する現象と考えら
れる。この条件を数式化するとほぼ直線として表せ、下
記の数式3の関係が得られる。
分以上冷却を継続した場合にはベイナイト組織となり粒
界部にはフェライトが生成していた。これは冷却時間が
長く表面温度が低下したまま復熱できなかったことが原
因と考えられる。
的にも良好な結果が得られた条件を数式化した結果、以
下の数式4,5が得られた。
却について検討した。垂直部を急冷却のみの1ゾーンと
したときにはベイナイト組織となり地面側のコーナー割
れが発生していた。そこで、地面側の割れを防止するた
め、種々冷却条件を変化させて検討した結果、曲げ部に
入るまでの2次冷却を弱め、ある程度復熱させる必要が
あることを知った。本発明者らは、この知見をもとに少
なくとも0.3分間は水量密度を150リットル/分・
m2 未満とする必要があることを見い出した。
は、厚さが90mm以上の矩形形状の鋼鋳片を垂直部分
の長さが1.5〜5.0mを有する垂直曲げ型連続鋳造
装置を使用して連続鋳造する方法において、鋳片長辺面
の2次冷却に関して鋳片が鋳型を通過後急冷却部分の通
過所用時間T(分)とその間の平均水量密度W(リット
ル/分・m2 )の間に上記した数式4,5の関係を満足
する条件で鋳片の全幅を2次冷却し、その後曲げ部入り
側に到達する直前の少なくとも0.3分間は150リッ
トル/分・m2 未満の冷却水量とすることを要旨とする
ものである。
急冷却後鋳片のもつ潜熱により復熱することが必要であ
る。薄肉鋳片では急冷却に伴い凝固が進行してしまい十
分に復熱できないので、上記した本発明に係る鋼の連続
鋳造方法では、このような問題を回避するために、適用
する鋳片は90mm以上の厚さを必要としている。
止しようとする表面疵は鋳片のコーナー部やその近傍に
発生するコーナー割れや横ひび割れである。これらの割
れは矩形形状を有する鋳片に特有の疵であり矩形断面の
鋳片の連続鋳造時に有効である。
する鋼種のように、熱応力に弱い鋼種では弱冷却する必
要がある。この時の必要水量は鋼種にもよるが200リ
ットル/分・m2 未満となる。
200リットル/分・m2 未満の水量を同じ系列で噴霧
しようとすると、水スプレーでは均一度が著しく低下す
るという問題がある。ここで冷却方式を水と空気の混合
するミスト冷却にし、水量を変化するときには対応して
空気量を変化すれば大水量時と水量減少時にいずれも均
一な冷却が可能となる。このため、上記した本発明に係
る鋼の連続鋳造装置では、冷却方式としてミスト冷却を
採用することにした。
々の冷却水量で2次冷却を行い連続鋳造する過程で短辺
側の水量も重要な因子であることを知った。そこで、短
辺及び長辺側の水量密度を種々変化して鋳造した。その
結果を図3に示すが、短辺側を長辺側の急冷却部より多
い水量密度とするとコーナー割れ(図3中の▲印)が発
生することが判る。
/分・m2 未満に低減すると短辺部分にバルジングが発
生し(図3中の■印)、時に割れも発生する。これらに
対して、短辺側の平均水量密度を200リットル/分・
m2 以上で500リットル/分・m2 以下とし、かつ、
長辺側の平均水量密度よりも小さくした場合(図3中の
○印)には割れは発生しなかった。
問題とならないことが多いが、これらの欠陥も防止でき
ればより好ましいことは言うまでもない。この知見をも
とに短辺の平均水量密度が200〜500リットル/分
・m2 で、かつ、長辺側の水量密度より少なくすること
が必要であることを見出した。
造方法は、上記した本発明に係る鋼の連続鋳造方法にお
いて、短辺側の平均水量密度が200〜500リットル
/分・m2 であり、かつ長辺側の平均水量密度より小さ
くすることを要旨とするものである。
ばれる方法を行う場合がある。これはコーナー部分の過
冷却を防止するために2次冷却帯のコーナー近傍の水噴
霧を停止して操業する方法である。本発明では幅切りを
行うことが可能であることは言うまでもないが、その際
に水量密度としては幅切り部分の鋳片表面積のことは除
外して考える必要がある。さらに、急冷却時にはコーナ
ー近傍まで確実に組織制御するために幅切りを行わない
方がよいが、復熱部では確実に復熱するために幅切りし
てコーナー部の水量を低減或いは停止することが好まし
い。
幅方向に複数のノズルを設置して行う。このため、水量
分布均一化のための種々の努力にもかかわらず、ノズル
の直前部とラップ部分、ロール接触部と噴霧部では水量
分布が異なるのが現状である。本発明で規定する平均水
量密度とはノズルから噴霧する水量を、対応する鋳片
幅、ロール間隔で除した文字通り平均の水量密度のこと
である。
レーと呼ばれ別系統になっているのが普通である。ここ
の水量を増加すると鋳型と鋳片の隙間から鋳型内への水
の吹き上げが発生する場合があり、水蒸気爆発などの危
険性がある。本発明中で垂直部のゾーンを分割する際に
モールドスプレーのことは除外している。モールドスプ
レーの冷却条件に関しては操業上問題ない範囲に制御す
ればよい。
た実施例に基づいて説明する。垂直部長さ2.5m或い
は3.0mを有する垂直曲げ型連続鋳造機を使用して種
々の2次冷却条件で約270トンの溶鋼を鋳造し、鋳片
表面割れ発生状況を調査した。鋳造した鋼の組成を下記
表1に示す。鋳造した鋼は、NbやNiを含有し、表面
割れが発生しやすい鋼種である。
取し、鏡面研磨した後ナイタルエッチングにより表層部
の組織を顕出した。そして、光学顕微鏡で組織を観察し
た。また、表面割れ発生状況は鋳片表面を約2mm程度
スカーフをかけて除去し、目視観察により調査した。
連続鋳造機における鋳型出側直後の垂直部分の2次冷却
系を改造し、割れ発生を防止できる装置条件を検討し
た。鋳型長さは0.9mであることから2次冷却部は
1.6mとなり、2ゾーンとする場合には鋳型出側から
1.1mと0.5mに分割した。鋳造速度は1.1m/
分を想定している。
噴霧可能水量密度を下記表2に示す。ここで表記されて
いる2次冷却ゾーンから鋳型直下に1段あるモールドス
プレーは除外して考えている。さらに各条件で鋳造した
ときの鋳片表面割れ発生状況を下記表3に示す。
水量密度がいずれも300リットル/分・m2 で1分間
の冷却が可能な設備仕様の場合(比較例1)には、種々
2次冷却条件を変化させて鋳造しても、コーナーから2
00mm以内の範囲に横ひび割れと呼ばれる粒界割れが
鋳片の天面、地面ともに発生した。
00リットル/分・m2 まで増加できるように改造した
場合(比較例2)には、天面の割れは防止できたが、地
面側のコーナ部分に割れが残存していた。これらに対
し、2ゾーンに分割し第1段の水量を700リットル/
分・m2 以上噴霧可能な構造とした実施例1では、2次
冷却水量を適正に配分すれば割れ防止可能となった。
条件を各種変化して割れ発生状況を調査した。その際の
条件と結果を下記表4及び表5に示す。
は、いずれもフィルム状フェライトが生成せず表面割れ
も発生していない。一方、第2のゾーンの水量密度を第
1のゾーンと同程度にした比較例3では、ベイナイト組
織となりγ粒界にはフェライトが生成しており地面側に
はコーナー割れが発生していた。
より減少させた比較例4では、フィルム状フェライトが
生成し横ひび割れが発生した。また、第1のゾーンの水
量密度を増加した比較例5、及び、鋳造速度を低下して
所要時間を増加した比較例6では、ベイナイト組繊とな
りγ粒界にはフェライトが生成しており地面側にはコー
ナー割れが発生していた。
た。垂直部長辺面の2次冷却条件や連続鋳造条件は実施
例2と同じとし、短辺側の水量のみ変化させた。その条
件と結果を表6及び表7に示す。
は表面疵は問題にならなかった。一方、短辺側の水量を
100リットル/分・m2 に低下させた比較例7では、
短辺面に割れが発生していた。また、短辺側の水量の方
が多い比較例8では、コーナー割れが発生した。
続鋳造方法を適用することにより、鋳型直下で急冷却し
鋳片表層部の組織制御による表面割れ防止方法を垂直曲
げ型の連続鋳造機にも適用することが可能となり、とく
に垂直曲げ型の連続鋳造機の曲げ歪みに起因して鋳片の
地面側に発生する表面割れを防止することが可能とな
る。
鋳型直下で急冷却し鋳片表層部の組織制御による表面割
れ防止方法を垂直曲げ型の連続鋳造機にも適用すること
が可能となり、とくに垂直曲げ型の連続鋳造機の曲げ歪
みに起因して鋳片の地面側に発生する表面割れを防止す
ることが可能となる。
の表面温度を表す図であり、数式1の根拠となる図であ
る。
間と平均水量密度で冷却したときの鋳片組織と表面疵発
生状況の結果を表す図であり、数式2,4,5の根拠と
なる図である。
鋳片表面舵発生状況を表す図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 垂直部分の長さが1.5〜5.0mを有
する垂直曲げ型連続鋳造機の、鋳型通過後の垂直部の2
次冷却系統を、鋳造方向に少なくとも2ゾーンに分割
し、鋳型直下の第1のゾーンを急冷却部と、また、前記
第1のゾーンに続く第2のゾーンである曲げ部の直前は
水量密度の少ない弱冷却部とし、前記第1のゾーンの急
冷却部では鋳片表面積及び鋳片通過所要時間T(分)に
対して平均値で水の噴霧能力M(リットル/分・m2 )
が下記式の関係を満足する流路系統を有するミスト冷
却としたことを特徴とする鋼の連続鋳造装置。 M>350/T … - 【請求項2】 厚さが90mm以上の矩形形状の鋼鋳片
を垂直部分の長さが1.5〜5.0mを有する垂直曲げ
型連続鋳造装置を使用して連続鋳造する方法において、
鋳片長辺面の2次冷却に関して鋳片が鋳型を通過後急冷
却部分の通過所用時間T(分)とその間の平均水量密度
W(リットル/分・m2 )の間に下記,式の関係を
満足する条件で鋳片の全幅を2次冷却し、その後、曲げ
部入り側に到達する直前の少なくとも0.3分間は15
0リットル/分・m2 未満の冷却水量とすることを特徴
とする鋼の連続鋳造方法。 T<2.0 … 1100−250×T>W>350/T … - 【請求項3】 短辺側の平均水量密度が200〜500
リットル/分・m2であり、かつ長辺側の平均水量密度
より小さくすることを特徴とする請求項2記載の鋼の連
続鋳造方法。
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