JP2002305155A - GaN系化合物半導体結晶の結晶成長装置 - Google Patents

GaN系化合物半導体結晶の結晶成長装置

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JP2002305155A
JP2002305155A JP2001109699A JP2001109699A JP2002305155A JP 2002305155 A JP2002305155 A JP 2002305155A JP 2001109699 A JP2001109699 A JP 2001109699A JP 2001109699 A JP2001109699 A JP 2001109699A JP 2002305155 A JP2002305155 A JP 2002305155A
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Takashi Kainosho
敬司 甲斐荘
Shinichi Sasaki
伸一 佐々木
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Nikko Materials Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 結晶欠陥が少ないGaN系化合物半導体単結
晶を長期間にわたって歩留まりよく製造できる結晶成長
装置を提供する。 【解決手段】 密閉可能で耐熱性を有する結晶成長容器
と、前記結晶成長容器内に配置される基板保持具と、原
料ガスを前記結晶成長容器内に導入する第1の導入管
と、前記基板保持具の近傍まで延設されNHガスを前
記結晶成長容器内の基板保持具付近に導入する第2の導
入管と、結晶成長温度を制御する温度制御手段と、を少
なくとも具備し、前記Ga原料ガスと前記NHガスを
反応させて前記基板保持具により保持された基板上にG
aN系化合物半導体結晶を気相成長させる結晶成長装置
において、生成されたGaN系化合物に曝される部位、
例えば前記基板近傍に位置する前記第2の導入管の少な
くともノズル部分を構成する物質は、熱膨張係数がGa
Nの熱膨張係数の1/5から5倍の範囲にあり、かつ融
点が1300℃以上であるように、望ましくは、熱膨張
係数がGaNの熱膨張係数の1/3から3倍の範囲にあ
り、かつ融点が1500℃以上であるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発光デバイス、電
子デバイスなどの半導体デバイスの材料として用いられ
るGaN系化合物半導体結晶の製造に利用して好適な結
晶成長装置に関する。
【0002】
【従来の技術】GaN、InGaN、AlGaN、In
GaAlN等のGaN系化合物半導体(InGa
1−x−yN 但し0≦x,y;x+y≦1)は、発
光デバイスのみでなく、熱・振動・衝撃・塵埃の悪環境
の下で使用可能な耐環境性に優れたデバイス、パワーデ
バイスなどの電子デバイス等の半導体デバイスの材料と
して期待され、またその他種々の分野で応用可能な材料
として注目されている。
【0003】従来、GaN系化合物半導体のバルク結晶
を成長させるのは困難であったため、上記電子デバイス
には、例えばサファイア等の異種結晶上へヘテロエピタ
キシーによってGaN等の薄膜単結晶を形成した基板が
用いられていた。
【0004】ところが、サファイア結晶とGaN系化合
物半導体結晶とは格子不整合性が大きいので、サファイ
ア結晶上に成長させたGaN系化合物半導体結晶はその
転位密度が大きくなり結晶欠陥が発生してしまうという
問題があった。さらに、サファイアは熱伝導率が小さく
放熱しにくいので、サファイア結晶上にGaN系化合物
半導体結晶を成長させた基板を消費電力の大きい電子デ
バイス等に用いると高温になりやすいという問題があっ
た。
【0005】そこで、熱伝導率が大きくGaN系化合物
半導体結晶と格子整合する基板の必要性が一層高まり、
ハイドライド気相成長法(以下、HVPEと略する)を
利用したELO(Epitaxial lateral overgrowth)法等
の研究が急速に進められた。ここでELO法とは、例え
ばサファイア基板上にマスクとなる絶縁膜を形成し、該
絶縁膜の一部に開口部を設けて絶縁膜をマスクとし、露
出しているサファイア基板面をエピタキシャル成長の種
として結晶性の高いGaN系化合物半導体結晶を成長さ
せる方法である。この方法によれば、マスクに設けられ
た開口部内側のサファイア基板表面からGaN系化合物
半導体結晶の成長が始まりマスク上に成長層が広がって
いくので、結晶中の転位密度を小さく抑えることがで
き、結晶欠陥の少ないGaN系化合物半導体結晶を得る
ことができる。
【0006】しかし、ELO法により得られたGaN系
化合物半導体結晶は熱歪みが大きいため、ウェハ製造工
程のポリッシングによりサファイア基板を離間させて単
体のGaN系化合物半導体結晶ウェハを得ようとする
と、ウェハが歪んでしまう、つまり平坦なウェハが得ら
れないという問題があった。
【0007】そこで本発明者等は、異種結晶基板の材料
の一つとして希土類13(3B)族ペロブスカイト結晶
を用い、且つその{011}面または{101}面を成
長面としてGaN系化合物半導体をヘテロエピタキシー
によって成長させる方法を提案した(WO95/278
15号)。なお、ここでいう{011}面または{10
1}面とは、それぞれ(011)面、(101)面と等
価な面の組を表す。
【0008】ところで、本発明者等は上述したGaN系
化合物半導体結晶の結晶成長装置として、図1に示す構
造の結晶成長装置を使用した。
【0009】図1に示す結晶成長装置1は、外周に抵抗
加熱ヒータ4を備え、フランジ10により密閉された結
晶成長容器8と、HClガスを導入するための第1の導
入管3と、NHガスを導入する第2の導入管2と、結
晶成長容器8内に配置される基板保持具5とで構成され
る。なお、この結晶成長装置において、前記第1の導入
管および前記第2の導入管並びに前記結晶成長容器の壁
面等は石英を基材とした材料で形成されている。また、
結晶成長容器8の側面にはガスの排気口7が穿設されて
おり、第1の導入管3には原料載置部9が設けられこの
部分にGa原料が配置されている。
【0010】上記のように構成された結晶成長装置を用
いて、前記先願で提案した結晶成長方法により行ったG
aN化合物半導体結晶成長の具体的手順を説明する。ま
ず、(011)面を成長面とするNdGaO基板6を
洗浄した後、基板保持具5に配置した。そして、第1の
導入管または第2の導入管からNを導入しながら抵抗
加熱ヒータ4により基板6の温度が620℃になるまで
昇温した。次に、HClを第1の導入管3から導入し、
原料載置部9に配置されたGaメタルと反応させ結晶成
長容器8内にGaClを導入し、同時にNHを第2の
導入管2を介して導入し、両方の原料ガスをNdGaO
基板上で反応させて約100nmのGaN保護層を形
成した。このとき、キャリアガスとしてNを用いた。
【0011】次に、基板6の温度が1000℃になるま
で昇温し、GaメタルとHClから生成されたGaCl
と、NHとをNキャリアガスを用いてNdGaO
基板上に供給するとともに、結晶成長容器8内のHCl
およびNHのガス流量を調整しながらGaN化合物半
導体結晶をNdGaO基板に成長させた。このように
して得られたGaN化合物半導体結晶は、結晶中の転位
密度が低く結晶欠陥の少ない半導体デバイスの材料とし
て適した結晶となった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た結晶成長装置を長期間使用すると、得られるGaN化
合物半導体結晶の結晶状態が徐々に悪化して多結晶にな
るという問題があることが明かとなった。つまり、長期
間の使用により結晶成長装置を構成する部材が劣化し、
GaN化合物半導体結晶の成長に影響を与えたためであ
ると考えられた。
【0013】本発明は、結晶欠陥が少ないGaN系化合
物半導体単結晶を長期間にわたって歩留まりよく製造で
きる結晶成長装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するためになされたものであり、密閉可能で耐熱性を
有する結晶成長容器と、前記結晶成長容器内に配置され
る基板保持具と、原料ガスを前記結晶成長容器内に導入
する第1の導入管と、前記基板保持具の近傍まで延設さ
れNHガスを前記結晶成長容器内の基板保持具付近に
導入する第2の導入管と、結晶成長温度を制御する温度
制御手段と、を少なくとも具備し、前記Ga原料ガスと
前記NHガスを反応させて前記基板保持具により保持
された基板上にGaN系化合物半導体結晶を気相成長さ
せる結晶成長装置において、生成されたGaN系化合物
に曝される部位、例えば前記基板近傍に位置する前記第
2の導入管の少なくともノズル部分を構成する物質は、
熱膨張係数がGaNの熱膨張係数の1/5から5倍の範
囲にあり、かつ融点が1300℃以上であるようにし
た。望ましくは、前記GaN系化合物に曝される部位を
構成する物質は、熱膨張係数がGaNの熱膨張係数の1
/3から3倍の範囲にあり、かつ融点が1500℃以上
であるようにするとよい。
【0015】この結晶成長装置によれば、GaN系化合
物が生成され付着することにより結晶成長装置の構成部
材が劣化するのを抑制することができるので、結晶成長
装置のメンテナンスに要するコストを削減できる。
【0016】つまり、GaNと熱膨張係数が近い物質を
NH導入管のノズル部分等に用いることにより、結晶
成長した後の冷却時に熱膨張率の差から生じる応力を小
さくすることができるので、ノズル部分にかかる負荷が
低減される。また、融点が結晶成長温度である1000
度よりも高い物質をノズル部分等に用いることによりノ
ズル部分とGaNとの密着性は悪くなるので、GaNの
付着物をクリーニングにより分解して剥離する際に一緒
にノズル部分の外壁面が剥がれるのを防止できる。
【0017】これにより、ノズル形状が変形するのを防
止できるので、NHを一様に基板近傍に拡散させるこ
とができ、結晶性に優れたGaN系化合物半導体結晶を
安定して製造することができる。
【0018】また、GaN系化合物に曝される部位、特
に前記基板近傍に位置する前記第2の導入管の少なくと
もノズル部分には、例えばpBNを利用することができ
る。pBNは強度の面でも石英より優れているので、熱
膨張率の差により生じる応力にも耐えられるので破損に
は至らない。
【0019】以下に、本発明を完成するに至った過程に
ついて説明する。当初、本発明者等は前記先願で提案し
たGaN系化合物半導体結晶の成長方法によりGaN系
化合物半導体結晶を成長させていたが、結晶成長装置を
長期間使用するにつれて、得られるGaN系化合物半導
体結晶の結晶状態が悪化して多結晶となることに気付い
た。そして、これは結晶成長装置を長期間使用すること
により結晶成長装置の構成部材が劣化し、GaN系化合
物半導体結晶の成長に影響を与えたのではないかと推論
した。
【0020】上記推論に従い得られたGaN化合物半導
体結晶が多結晶になったときに結晶成長装置の構成部材
を調査したところ、NH導入管のノズル部分が劣化し
て変形いることを発見した。このことから、本発明者は
NHを供給するノズルの形状が変形したことにより基
板上に供給されるNHの拡散状態が一様にならなかっ
たために得られるGaN化合物半導体結晶の結晶状態が
悪くなったと考えた。
【0021】次に、NH導入管のノズルの形状が変形
した原因を追及したところ、結晶成長後のノズル部分に
先端から2cmほどGaN化合物が付着していることに
気付いた。これは、図1に示す結晶成長装置において、
NH導入管のノズル部分は基板の近傍に位置し、Ga
ClとNHとの反応により生成されたGaN化合物に
曝されるために、GaN化合物が付着しやすい状態にあ
ったと考えられた。
【0022】さらに、結晶成長装置内に残存するGaN
化合物を分解してクリーニングするために、塩化水素と
水素雰囲気中で1000℃の熱処理を施したあとに再度
ノズル部分を観察したところ、先端部分が欠けたり、外
壁面がはぎ取られたり、網目状のクラックが入ったりす
る現象が見られた。
【0023】そして、本発明者はこれらの現象は石英の
熱膨張率(5.4×10−7/K)とGaNの熱膨張率
(5.6×10−6/K)とが大きく異なるために起こ
ると考えた。すなわち、NH導入管の基材である石英
はGaNと熱膨張率の差が大きいため、結晶成長後の冷
却工程で熱膨張率の差から大きな応力がかかり脆化しや
すいと考え、さらに石英の強度は前記応力に耐えられる
ほど大きくないために、ノズルの先端部分が欠けたり網
目状のクラックが入ったりしてノズル先端の形状が変形
したのではないかと推測した。
【0024】また、本発明者は、石英の融点は1150
℃でありGaNの成長温度(1000℃)に近いことか
ら、GaNの成長温度において石英は軟化した状態にあ
るので付着したGaNとの密着性が向上していることに
気付いた。これより、NH導入管の基材である石英は
脆化しやすい状態にあるうえに、GaN膜との密着性が
良いために、付着したGaN膜をクリーニングで剥離す
る際にノズルの外壁面も一緒に剥がれてノズル先端の形
状が変形したのではないかと推測した。
【0025】また、さらなる調査により結晶成長容器内
の他の石英製部材(例えば結晶成長容器の壁面等)には
NH導入管のノズル部分に比較するとGaN系化合物
の付着量は少なく、比較的劣化していないことが分かっ
た。
【0026】以上のことから、GaN化合物が生成され
る基板近傍に位置するNH導入管、特にノズル部分に
GaN化合物は付着しやすく、付着したGaN化合物が
原因でノズル部分は経時的に劣化が進行したという結論
に達した。
【0027】そこで、本発明者等はGaN化合物と熱膨
張係数が同程度で、融点がGaN化合物の成長温度(1
000℃)よりも高い物質をNH導入管の基材として
使用することによりNH導入管の劣化が抑えられると
考えた。そして、熱膨張係数が2.6×10−6/Kと
GaNの熱膨張率の約半分で、さらに結晶質で軟化点
(融点)を持たないのでGaNの成長温度(1000
℃)でも分解せずに安定であるpBNに着目して、NH
導入管をpBN製とした結晶成長装置を試作した。こ
の結晶成長装置によれば、長期間にわたって結晶成長に
使用してもNH導入管の外壁面が剥がれたり、ノズル
部分が欠けたりして変形することはなく、安定して良好
な結晶状態を有するGaN系化合物半導体結晶を成長さ
せることができた。
【0028】本発明は上記知見に基づいてなされたもの
で、この結晶成長装置により半導体デバイスに適したG
aN化合物半導体単結晶を長期間にわたって歩留まりよ
く成長させることができる。
【0029】なお、本発明はNH導入管をpBN製と
することによりその効果を確認できたものであるが、p
BN以外でも例えば、AlNやSiC、TaCなどのよ
うにGaN系化合物と熱膨張係数が同程度で、融点がG
aN化合物の成長温度よりも高い物質を用いることによ
り同様の効果が得られると考えられる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
を、NdGaO結晶を基板としてGaN化合物半導体
結晶を成長させる場合について、図1に基づいて説明す
る。
【0031】図1に示す結晶成長装置1は、外周に抵抗
加熱ヒータ4を備え、フランジ10により密閉された結
晶成長容器8と、HClガスを導入するための第1の導
入管3と、NHガスを導入する第2の導入管2と、結
晶成長容器8内に配置される基板保持具5とで構成され
る。なお、結晶成長容器8の側面にはガスの排気口7が
穿設されており、第1の導入管3には原料載置部9が設
けられこの部分にGa原料が配置されている。
【0032】この結晶成長装置において、前記第1の導
入管および前記結晶成長容器の壁面等は石英を基材とし
た材料で形成され、第2の導入管はpBNを基材とした
材料で形成されている。このように前記第2の導入管2
がpBNを基材とした材料で形成されている点が従来の
結晶成長装置と異なる。
【0033】これにより、GaN系化合物が付着してN
導入管が劣化するのを防ぐことができるのでNH
導入管のノズル部分が変形することはなくNHを基板
上に一様に拡散させることができる。また、NH導入
管2全体ではなくノズル部分2aのみをpBN製として
もよい。
【0034】次に、この結晶成長装置を用いたGaN化
合物半導体結晶の製造工程について説明する。
【0035】まず、NdGaOのインゴットを(01
1)面から<100>方向に2°傾斜したオフアングル
面でスライスして基板とした。このとき、NdGaO
基板の大きさは50mm径で、厚さは0.5mmとした。
【0036】次に、鏡面研磨したNdGaO基板をア
セトン中で5分間超音波洗浄を行い、続けてメタノール
で5分間超音波洗浄を行った。その後、Nでブローし
て液滴を吹き飛ばしてから自然乾燥させた。次に、洗浄
したNdGaO基板を硫酸系エッチャント(燐酸:硫
酸=1:3、80℃)で5分間エッチングした。
【0037】次に、このNdGaO基板を本実施形態
の結晶成長装置内の基板保持具5に配置した後、N
導入管2または3から導入しながら、抵抗加熱ヒータ4
により基板温度が620℃になるまで昇温した。そし
て、導入管3からHClを導入して原料載置部に配置さ
れたGaメタルと反応させて生成されたGaClを結晶
成長容器内に導入し、同時に、導入管2からNHをN
dGaO基板上に供給し、約100nmのGaN保護
層を形成した。NdGaOは800℃以上の高温でN
やHと反応してネオジウム化合物を生成してしま
うので、キャリアガスとしてNを用い、成長温度を6
20℃の低温で保護層を形成することによりネオジウム
化合物が生成されないようにした。
【0038】次に、抵抗加熱ヒータ4により基板温度が
1000℃になるまで昇温し、GaメタルとHClから
生成されたGaClと、NHとをNキャリアガスを
用いてNdGaO基板上に供給した。このとき、Ga
Cl分圧が4.0×10−3atm、NH分圧が2.
4×10−1atmとなるようにそれぞれのガス導入量
を制御しながら約40μm/hの成長速度で300分間
GaN化合物半導体結晶を成長させた。
【0039】その後、冷却速度5.3℃/minで90
分間冷却して膜厚が約200μmのGaN化合物半導体
結晶を得た。得られたGaN化合物半導体結晶は、結晶
欠陥が少なく結晶性に優れた単結晶であった。
【0040】結晶成長後、NH3導入管2にGaN化合
物が付着しているのを確認できた。その後、結晶成長装
置内に残存するGaNを分解してクリーニングするため
に、塩化水素および水素雰囲気中、1000℃で熱処理
を施した。このとき、NH導入管2に付着したGaN
膜と一緒にノズルの外壁面が一緒に剥がれてしまった
り、先端が欠けたり、網目状のクラックが入る現象は見
られなかった。
【0041】本実施形態の結晶成長装置によれば、長期
間使用してもNH導入管2のノズル部分の変形は確認
されず、継続して結晶欠陥が少なく結晶性に優れたGa
N化合物半導体単結晶を歩留まりよく成長させることが
できた。
【0042】以上、本発明者によってなされた発明を実
施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施
の形態に限定されるものではない。例えば、本実施例で
はNH導入管全体をpBN製としたが、ノズル部分2
aのみをpBN製にすることにより、同様の効果を得る
ことができる。また、NH導入管の基材はpBNに制
限されず、例えばAlNやSiC、TaCなどのように
GaN系化合物と熱膨張係数が近く、かつGaNの成長
温度(1000℃)付近で軟化しない物質を利用するこ
とができる。
【0043】さらに、実施例では基板としてNdGaO
のオフアングル面でスライスした基板を用いたが、オ
フしていないジャスト面の基板でも同様の効果を得るこ
とができる。また、本実施形態では横型の結晶成長装置
について説明したが、縦型の結晶成長装置に本発明を適
用することも可能である。
【0044】また、本実施形態の結晶成長装置は、Ga
N化合物半導体結晶を成長させる場合に制限されず、例
えば、InGaN、AlGaN等のGaN系化合物半導
体結晶を成長させる場合に適用しても同様の効果を得る
ことができる。
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、密閉可能で耐熱性を有
する結晶成長容器と、前記結晶成長容器内に配置される
基板保持具と、原料ガスを前記結晶成長容器内に導入す
る第1の導入管と、前記基板保持具の近傍まで延設され
NHガスを前記結晶成長容器内の基板保持具付近に導
入する第2の導入管と、結晶成長温度を制御する温度制
御手段と、を少なくとも具備し、前記Ga原料ガスと前
記NHガスを反応させて前記基板保持具により保持さ
れた基板上にGaN系化合物半導体結晶を気相成長させ
る結晶成長装置において、生成されたGaN系化合物に
曝される部位、例えば前記基板近傍に位置する前記第2
の導入管の少なくともノズル部分を構成する物質は、熱
膨張係数がGaNの熱膨張係数の1/5から5倍の範囲
にあり、かつ融点が1300℃以上であるように、望ま
しくは、熱膨張係数がGaNの熱膨張係数の1/3から
3倍の範囲にあり、かつ融点が1500℃以上であるよ
うにしたので、ノズル部分の形状が変形するのを防止で
き、NHを一様に基板付近に拡散させることができ
る。つまり、結晶成長装置のNH導入管等のメンテナ
ンスに要するコストを削減できるとともに、結晶性の優
れたGaN系化合物半導体結晶を安定して製造すること
ができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態および従来の結晶成長装置の概略構
成を示す断面図である。
【符号の説明】
1 結晶成長装置 2 NH導入管(第2の導入管) 3 原料導入管(第1の導入管) 4 抵抗加熱ヒータ 5 基板保持具 6 基板 7 排気口 8 結晶成長容器 9 原料載置部 10 フランジ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4G077 AA03 BE15 DB01 EG23 EG25 TD01 5F045 AB14 AB17 AC12 AC13 AD10 AD14 AF07 BB08 BB10 BB12 DQ06 DQ08 EB13 EE12 EF11 EK06

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 密閉可能で耐熱性を有する結晶成長容器
    と、 前記結晶成長容器内に配置される基板保持具と、 原料ガスを前記結晶成長容器内に導入する第1の導入管
    と、 前記基板保持具の近傍まで延設されNHガスを前記結
    晶成長容器内の基板保持具付近に導入する第2の導入管
    と、 結晶成長温度を制御する温度制御手段と、を少なくとも
    具備し、 前記Ga原料ガスと前記NHガスを反応させて前記基
    板保持具により保持された基板上にGaN系化合物半導
    体結晶を気相成長させる結晶成長装置において、 生成されたGaN系化合物に曝される部位を構成する物
    質は、熱膨張係数がGaNの熱膨張係数の1/5から5
    倍の範囲にあり、かつ融点が1300℃以上であること
    を特徴とするGaN系化合物半導体結晶の結晶成長装
    置。
  2. 【請求項2】 前記GaN系化合物に曝される部位を構
    成する物質は、熱膨張係数がGaNの熱膨張係数の1/
    3から3倍の範囲にあることを特徴とする請求項1に記
    載のGaN系化合物半導体結晶の結晶成長装置。
  3. 【請求項3】 前記GaN系化合物に曝される部位を構
    成する物質は、融点が1500℃以上であることを特徴
    とする請求項1または請求項2に記載のGaN系化合物
    半導体結晶の結晶成長装置。
  4. 【請求項4】 前記GaN系化合物に曝される部位を構
    成する物質は、pBNであることを特徴とする請求項1
    から請求項3の何れかに記載のGaN系化合物半導体結
    晶の結晶成長装置。
  5. 【請求項5】 前記GaN系化合物に曝される部位は、
    前記基板近傍に位置する前記第2の導入管の少なくとも
    ノズル部分であることを特徴とする請求項1から請求項
    4の何れかに記載のGaN系化合物半導体結晶の結晶成
    長装置。
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