JP2002305036A - 電極体の評価方法及びそれを用いたリチウム二次電池 - Google Patents

電極体の評価方法及びそれを用いたリチウム二次電池

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JP2002305036A JP2001134936A JP2001134936A JP2002305036A JP 2002305036 A JP2002305036 A JP 2002305036A JP 2001134936 A JP2001134936 A JP 2001134936A JP 2001134936 A JP2001134936 A JP 2001134936A JP 2002305036 A JP2002305036 A JP 2002305036A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電極体作製の前段階において、予めサイクル
特性を評価することが可能である電極体の評価方法を提
供する。 【解決手段】 正極板と負極板とをセパレータを介して
捲回若しくは積層してなる、非水電解液を含浸した電極
体の評価方法である。2以上の異なる定電流値で、所定
の端子電圧となるまで放電した後に測定される放電容量
を比較することにより、電極体のサイクル特性を評価す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は電極体の評価方
法、及びそれを用いたリチウム二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】 近年、リチウム二次電池は、携帯電
話、VTR、ノート型コンピューター等の携帯型電子機
器の電源用電池として広く用いられるようになってきて
いる。また、リチウム二次電池は、単電池電圧が4V程
度と、従来の鉛蓄電池等の二次電池よりも高く、しかも
エネルギー密度が大きいことから、前記携帯電子機器の
みならず、最近の環境問題を背景に、低公害車として積
極的に一般への普及が図られている電気自動車(EV)
或いはハイブリッド電気自動車(HEV)のモータ駆動
用電源としても注目を集めている。
【0003】 リチウム二次電池は、一般的に、正極活
物質にリチウム遷移金属複合化合物が、負極活物質に炭
素質材料が、電解液にLiイオン電解質を有機溶媒に溶
解した有機電解液が用いられ、電池反応を行う内部電極
体としては、コインセル型、捲回型、積層型といった形
態のものがある。
【0004】 これらの中で、EV、HEV等に好適に
用いられる比較的容量の大きいリチウム二次電池におい
ては、電極体として、図2に示すように、集電用タブ
(リード線として機能する。以下、「タブ」という。)
5・6(正極用タブ5、負極用タブ6)が取り付けられ
た正負各電極板2・3(正極板2、負極板3)を、互い
に接触しないように、間にセパレータ4を介しつつ、巻
芯13の外周に捲回してなる捲回型電極体1が好適に用
いられる。
【0005】 電極板2・3は、金属箔等の集電基板の
両表面に電極活物質(正極活物質と負極活物質の両方を
指す。)層を形成したものであり、タブ5・6は、電極
板2・3及びセパレータ4を巻芯13周りに巻き取る作
業中に、超音波溶接等の手段を用いて、電極板2・3の
端部の金属箔を露出させた部分に所定間隔で取り付ける
ことができる。
【0006】 また、積層型電極体7は、図3の斜視図
に示すように、一定面積を有する所定形状の正極板8と
負極板9とをセパレータ10を挟みながら交互に積層し
た構造を有しており、1枚の電極板8・9に少なくとも
一本のタブ11・12(正極用タブ11、負極用タブ1
2)が取り付けられる。電極板8・9の使用材料や作製
方法は、捲回体1における電極板2・3等と同様であ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】 前述のような内部電
極体を用いたEV・HEV用のリチウム二次電池におい
ては、長期間にわたって充放電を繰り返す必要があるこ
とから、電池の充放電サイクル特性(充放電の繰り返し
による電池容量変化特性を指す。以下、「サイクル特
性」という。)の劣化抑制や、電池寿命の長寿命化等が
重要な課題となる。
【0008】 ここで、電池はその利用目的や使用状況
に応じて、大電流の放出が要求される場合がある。例え
ば、EV、HEV等に用いられる電池を想定した場合、
エンジン起動や登坂等の加速アシストに際しては、数1
00A程度の放電が要求される。但し、このような大電
流の放電(又は充電)に要する時間は、例えば、数秒か
ら十数秒間といった比較的短時間であると考えられる。
【0009】 しかしながら、たとえ大電流による充・
放電の印加時間が短時間であったとしても、これが多数
回繰り返されることによって、電池にダメージが蓄積し
てしまい、ひいては電池寿命が極めて短くなるといった
不都合が生ずる場合もある。これは、大電流による充・
放電によって、電池内においてLi+の移動が追従不能
となる、いわゆる濃度分極を生ずるためであると推察さ
れる。従って、このような不都合が解消され、過酷な使
用条件下であっても長寿命である電池、及び、このよう
な電池を製造段階において評価するための評価手法の開
発が、産業界から要請されている。
【0010】 本発明は、このような従来技術の有する
問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とすると
ころは、電極体作製の前段階において、予めサイクル特
性を評価することが可能である電極体の評価方法、及
び、当該評価方法を用いて選別されたセパレータ及び非
水電解液を用いて作製された電極体を備えた、サイクル
特性に優れるリチウム二次電池、並びに、当該リチウム
二次電池を用いた組電池を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】 即ち、本発明によれ
ば、正極板と負極板とをセパレータを介して捲回若しく
は積層してなる、非水電解液を含浸した電極体の評価方
法であって、2以上の異なる定電流値で、所定の端子電
圧となるまで放電した後に測定される放電容量を比較す
ることにより、該電極体のサイクル特性を評価すること
を特徴とする電極体の評価方法が提供される。
【0012】 本発明においては、電極体を満充電の状
態から25℃、30C定電流にて、端子電圧が2.5V
となるまで放電した後の放電容量が、満充電の状態から
25℃、1C定電流にて、端子電圧が2.5Vとなるま
で放電した後の放電容量の80%以上である場合に、電
極体のサイクル特性が良好であると評価することが好ま
しく、一方、満充電の状態から−25℃、30C定電流
にて、端子電圧が2.5Vとなるまで放電した後の放電
容量が、満充電の状態から25℃、1C定電流にて、端
子電圧が2.5Vとなるまで放電した後の放電容量の6
0%以上である場合に、電極体のサイクル特性が良好で
あると評価することも同様に好ましい。
【0013】 本発明においては、正極活物質として立
方晶スピネル構造を有するマンガン酸リチウムを用いる
こと、更にはLi/Mn比が0.5超であるマンガン酸
リチウムを用いることが好ましい。
【0014】 本発明においては、正極活物質として、
マンガン酸リチウム(LiMn24)中の遷移元素Mn
の一部を、Tiを含み、その他に、Li、Fe、Ni、
Mg、Zn、Co、Cr、Si、Sn、P、V、Sb、
Nb、Ta、Mo及びWからなる群から選ばれる1種類
以上の元素からなる、2種類以上の元素で置換してなる
LiMZMn2-z4(但し、Mは置換元素で、Zは置換
量を示す。)を用いることが好ましく、負極活物質とし
て高黒鉛化炭素材料又はハードカーボンを用いることが
好ましい。なお、負極活物質としては、繊維状の高黒鉛
化炭素材料を用いることが更に好ましい。
【0015】 また、本発明においては、非水電解液に
用いられる有機溶媒として環状カーボネートと鎖状カー
ボネートの混合溶媒を用いることが好ましく、空孔率が
40%以上であるセパレータを用いることが好ましい。
【0016】 本発明の電極体の評価方法は、捲回型電
極体の評価に好適に採用され、また、リチウム二次電池
の電極体を評価するために好適である。
【0017】 一方、本発明によれば、電池ケース内
に、正極活物質を用いてなる正極板と、負極活物質を用
いてなる負極板とを、セパレータを介して捲回又は積層
してなる内部電極体を備えるとともに、リチウム化合物
が有機溶媒に溶解されている非水電解液が含浸されてな
るリチウム二次電池であって、該リチウム二次電池を、
満充電の状態から25℃、30C定電流にて、端子電圧
が2.5Vとなるまで放電したときの放電容量が、満充
電の状態から25℃、1C定電流にて、端子電圧が2.
5Vとなるまで放電したときの放電容量の80%以上で
あることを特徴とするリチウム二次電池が提供される。
【0018】 同様に、本発明によれば、電池ケース内
に、正極活物質を用いてなる正極板と、負極活物質を用
いてなる負極板とを、セパレータを介して捲回又は積層
してなる内部電極体を備えるとともに、リチウム化合物
が有機溶媒に溶解されている非水電解液が含浸されてな
るリチウム二次電池であって、該リチウム二次電池を、
満充電の状態から−25℃、30C定電流にて、端子電
圧が2.5Vとなるまで放電したときの放電容量が、満
充電の状態から25℃、1C定電流にて、端子電圧が
2.5Vとなるまで放電したときの放電容量の60%以
上であることを特徴とするリチウム二次電池が提供され
る。
【0019】 本発明においては、正極活物質が立方晶
スピネル構造を有するマンガン酸リチウム(LiMn2
4)であること、更にはマンガン酸リチウムにおける
Li/Mn比が0.5超であることが好ましい。
【0020】 本発明においては、正極活物質が、マン
ガン酸リチウム(LiMn24)中の遷移元素Mnの一
部を、Tiを含み、その他に、Li、Fe、Ni、M
g、Zn、Co、Cr、Si、Sn、P、V、Sb、N
b、Ta、Mo及びWからなる群から選ばれる1種類以
上の元素からなる、2種類以上の元素で置換してなるL
iMZMn2-z4(但し、Mは置換元素で、Zは置換量
を示す。)であることが好ましく、負極活物質が高黒鉛
化炭素材料又はハードカーボンであることが好ましい。
なお、負極活物質である高黒鉛化炭素材料は繊維状であ
ることが更に好ましい。
【0021】 また、本発明においては、有機溶媒が少
なくとも対称鎖状カーボネートと非対称鎖状カーボネー
トとを含む混合溶媒であることが好ましく、セパレータ
の空孔率が40%以上であることが好ましい。
【0022】 本発明のリチウム二次電池は、電池容量
が2Ah以上の大型電池に好適に採用され、また、大電
流の放電が頻繁に行われる電気自動車又はハイブリッド
電気自動車のモータ駆動用電源等として好適に用いられ
る。
【0023】 更に、本発明によれば、これまでに述べ
てきたいずれかのリチウム二次電池の単電池を、直列又
は並列に複数個接続してなることを特徴とする組電池が
提供される。
【0024】
【発明の実施の形態】 以下、本発明の実施の形態につ
いて説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定され
るものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当
業者の通常の知識に基づいて、適宜、設計の変更、改良
等が加えられることが理解されるべきである。
【0025】 本発明は、正極板と負極板とをセパレー
タを介して捲回若しくは積層してなる、非水電解液を含
浸した電極体の評価方法であり、2以上の異なる定電流
値で、所定の端子電圧となるまで放電した後に測定され
る放電容量を比較することにより、電極体のサイクル特
性を評価するものである。以下、更なる詳細について説
明する。
【0026】 放電時の電流値が異なる場合、当該電極
体の放電容量には違いが現れる。具体的には、2の異な
る定電流値で放電する場合を想定すると、より大きな定
電流値で、所定の端子電圧となるまで放電した後の放電
容量(以下、「放電容量1」と記す。)は、より小さな
定電流値で、所定の端子電圧となるまで放電した後の放
電容量(以下、「放電容量2」と記す。)に比して小さ
い値となる。このとき、放電容量2に対する放電容量1
の比率(以下、「放電容量比率」と記す。)と、電極体
のサイクル特性との間には相関があるため、本発明の電
極体の評価方法においては、当該放電容量比率を、電極
体に固有のサイクル特性の優劣を判断するための指標と
する。
【0027】 従って、電極体を例えばEV、HEV等
に実際に取り付け、使用する以前の段階において、予め
当該電極体のサイクル特性を評価しておくことができ、
大電流による充・放電が繰り返された場合であっても長
寿命である、信頼性に優れた電極体の提供が可能であ
る。
【0028】 本発明においては、満充電の状態から2
5℃、30C定電流にて、端子電圧が2.5Vとなるま
で放電した後の放電容量が、満充電の状態から25℃、
1C定電流にて、端子電圧が2.5Vとなるまで放電し
た後の放電容量の80%以上である場合に、電極体のサ
イクル特性が良好であると評価することが好ましく、こ
のことにより、サイクル特性に優れる電極体を提供する
ことができる。
【0029】 なお、より優れたサイクル特性を示す電
極体を提供するといった観点からは、前述の満充電の状
態から25℃、30C定電流にて、端子電圧が2.5V
となるまで放電した後の放電容量が、満充電の状態から
25℃、1C定電流にて、端子電圧が2.5Vとなるま
で放電した後の放電容量の82%以上である場合に電極
体のサイクル特性が良好であると評価することが更に好
ましく、85%以上である場合に電極体のサイクル特性
が良好であると評価することが特に好ましい。
【0030】 ここで、本発明においては前記数値の上
限については特に限定されないが、実質的な電極体の作
製条件等を考慮すると、概ね100%未満となる。
【0031】 本発明においては、満充電の状態から−
25℃、30C定電流にて、端子電圧が2.5Vとなる
まで放電した後の放電容量が、満充電の状態から25
℃、1C定電流にて、端子電圧が2.5Vとなるまで放
電した後の放電容量の60%以上である場合に、電極体
のサイクル特性が良好であると評価することが好まし
い。電極体の実際の使用環境は、25℃前後、即ち、室
温付近に限られるものではなく、−25℃付近の極低温
状況下であることも想定され得る。従って、−25℃に
おける前述の評価を実施することにより、極低温状況下
においてもサイクル特性に優れる電極体を提供すること
ができる。
【0032】 なお、極低温状況下においてより優れた
サイクル特性を示す電極体を提供するという観点から
は、前述の満充電の状態から−25℃、30C定電流に
て、端子電圧が2.5Vとなるまで放電した後の放電容
量が、満充電の状態から25℃、1C定電流にて、端子
電圧が2.5Vとなるまで放電した後の放電容量の61
%以上である場合に電極体のサイクル特性が良好である
と評価することが更に好ましく、62%以上である場合
に電極体のサイクル特性が良好であると評価することが
特に好ましい。
【0033】 ここで、本発明においては前記数値の上
限については特に限定されないが、実質的な電極体の作
製条件等を考慮すると、概ね100%未満となる。
【0034】 本発明においては、LiとMnを主成分
とした立方晶スピネル構造を有するマンガン酸リチウム
(以下、単に「マンガン酸リチウム」と記す。)を用い
ると、他の正極活物質を用いた場合と比較して、電極体
の抵抗を小さくすることができるために好ましい。前述
した本発明における非水電解液の特性改善の効果は、こ
の内部抵抗の低減の効果と組み合わせることで、より顕
著に現れて電極体のサイクル特性の向上が図られるため
に好ましい。
【0035】 マンガン酸リチウムの化学量論組成はL
iMn24で表されるが、本発明においては、このよう
な化学量論組成のものに限られず、遷移元素Mnの一部
を、Tiを含み、その他に、Li、Fe、Ni、Mg、
Zn、Co、Cr、Si、Sn、P、V、Sb、Nb、
Ta、Mo及びWからなる群から選ばれる1種類以上の
元素からなる、2種類以上の元素で置換してなるLiM
ZMn2-z 4(但し、Mは置換元素で、Zは置換量を示
す。)も好適に用いられる。
【0036】 前記のような元素置換を行った場合に
は、そのLi/Mn比(モル比)は、MnをLiで置換
したLi過剰の場合には(1+X)/(2−X)とな
り、またLi以外の置換元素Mで置換した場合には1/
(2−X)となるので、いずれの場合であっても常にL
i/Mn比>0.5となる。
【0037】 本発明においては、上述の如くLi/M
n比が0.5超であるマンガン酸リチウムを用いること
が好ましい。このことにより、化学量論組成のものを用
いた場合と比較して結晶構造が更に安定化されるため、
サイクル特性に優れる電極体を得ることができる。
【0038】 なお、置換元素Mにあっては、理論上、
Liは+1価、Fe、Mn、Ni、Mg、Znは+2
価、B、Al、Co、Crは+3価、Si、Ti、Sn
は+4価、P、V、Sb、Nb、Taは+5価、Mo、
Wは+6価のイオンとなり、LiMn24中に固溶する
元素であるが、Co、Snについては+2価の場合、F
e、Sb及びTiについては+3価の場合、Mnについ
ては+3価、+4価の場合、Crについては+4価、+
6価の場合もあり得る。従って、各種の置換元素Mは混
合原子価を有する状態で存在する場合があり、また、酸
素の量については、必ずしも理論化学組成で表されるよ
うに4であることを必要とせず、結晶構造を維持するた
めの範囲内で欠損して、或いは過剰に存在していても構
わない。
【0039】 また、本発明においては、負極活物質と
して高黒鉛化炭素材料又はハードカーボンを用いること
が好ましく、これらを用いた場合においては、Li金属
を負極として用いたときに見られるデンドライトによる
内部短絡等が発生し難く、更に電池破損時の安全性も高
くなるために好ましい。なお、同じく安全性等の観点か
らは、負極活物質として繊維状の高黒鉛化炭素材料を用
いることが更に好ましい。
【0040】 更に、本発明において非水電解液に用い
られる溶媒としてはエチレンカーボネート(EC)、ジ
エチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート
(DMC)、プロピレンカーボネート(PC)といった
炭酸エステル系のものや、酢酸エチル(EA)、γ−ブ
チロラクトン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル等
の単独溶媒若しくは混合溶媒が好ましい。更に、本発明
においては、特に電解質であるリチウム化合物の溶解性
や、電極体の使用温度範囲等の観点から、環状カーボネ
ートと鎖状カーボネートの混合溶媒を好適に用いること
ができる。
【0041】 本発明においては、空孔率が40%以上
であるセパレータを用いることが好ましい。空孔率を当
該数値以上とすることにより、Li+の導通が充分に確
保されるとともに、温度上昇に伴うマイクロポアの閉塞
による安全機構が充分に機能するためである。ここで、
Li+導通確保と安全機構の機能発揮等の観点からは、
空孔率が45%以上であるセパレータを用いることが更
に好ましく、50%以上であるセパレータを用いること
が特に好ましい。
【0042】 本発明に用いるセパレータの、空孔率の
上限は特に限定されるものではないが、Li+導通確保
と安全機構の機能発揮との両立を図るためには概ね60
%以下であれば問題なく使用することができる。なお、
本発明にいう「空孔率」とは、セパレータの体積、質
量、及び、密度から、セパレータ内部に占める空孔部分
(材料のない部分)の体積を百分率で算出した数値であ
る。以下、同様の意味に用いる。
【0043】 更に、前述の空孔率以外の物理的特性と
して、本発明においては、ガーレ式透気度が200秒/
100cc以下であるセパレータを用いることが好まし
い。ガーレ式透気度を当該数値以下とすることにより、
Li+の導通が充分に確保されるためである。
【0044】 本発明のリチウム二次電池を構成するセ
パレータの、ガーレ式透気度の下限は特に限定されるも
のではないが、Li+導通確保と安全機構の機能発揮と
の両立を図るべく、前述の空孔率とともに重要な物理的
特性であるため、セパレータ製造の観点から実質的な下
限値を決定すればよい。なお、本発明にいう「ガーレ式
透気度」とは、JIS P 8117に従って測定した
セパレータの透気度を示す値であり、以下、同様の意味
に用いる。
【0045】 また、本発明の評価方法により評価可能
である電極体の構成・形状については特に制限はない
が、後述する実施例において、内部に捲回型電極体を備
えるリチウム二次電池を用いて説明しているように、捲
回型電極体の評価に好適であり、更に、リチウム二次電
池の電極体を評価する方法として好適である。
【0046】 本発明のリチウム二次電池は、電池ケー
ス内に、正極活物質を用いてなる正極板と、負極活物質
を用いてなる負極板とが、セパレータを介して捲回若し
くは積層してなる電極体を備えるとともに、リチウム化
合物が有機溶媒に溶解されている非水電解液が含浸され
てなるリチウム二次電池であり、満充電の状態から25
℃、30C定電流にて、端子電圧が2.5Vとなるまで
放電した後の放電容量が、満充電の状態から25℃、1
C定電流にて、端子電圧が2.5Vとなるまで放電した
後の放電容量の80%以上であり、82%以上であるこ
とが好ましく、85%以上であることが更に好ましい。
【0047】 既述の通り、電極体の放電容量比率とサ
イクル特性との間には相関があるため、放電容量比率を
前記数値以上に規定した当該電極体を用いて作製された
本発明のリチウム二次電池は、例えば、大電流による充
・放電が繰り返された場合であっても長寿命であり、サ
イクル特性に優れている。
【0048】 ここで、本発明のリチウム二次電池にお
いては前記数値の上限については特に限定されないが、
実質的なリチウム二次電池の作製条件等を考慮すると、
概ね100%未満となる。
【0049】 一方、本発明のリチウム二次電池は、電
池ケース内に、正極活物質を用いてなる正極板と、負極
活物質を用いてなる負極板とが、セパレータを介して捲
回若しくは積層してなる電極体を備えるとともに、リチ
ウム化合物が有機溶媒に溶解されている非水電解液が含
浸されてなるリチウム二次電池であり、満充電の状態か
ら−25℃、30C定電流にて、端子電圧が2.5Vと
なるまで放電した後の放電容量が、満充電の状態から2
5℃、1C定電流にて、端子電圧が2.5Vとなるまで
放電した後の放電容量の60%以上であり、61%以上
であることが好ましく、62%以上であることが更に好
ましい。
【0050】 リチウム二次電池の実際の使用環境は、
25℃前後、即ち、室温付近に限られるものではなく、
例えばEV、HEV等に取り付けた場合を想定すると、
−25℃付近の極低温状況下であることも想定され得
る。従って、本発明のリチウム二次電池は、−25℃に
おける放電容量比率を前記数値以上に規定した電極体を
用いて作製されているために、サイクル特性に優れてい
る。
【0051】 ここで、本発明のリチウム二次電池にお
いては前記数値の上限については特に限定されないが、
実質的なリチウム二次電池の作製条件等を考慮すると、
概ね100%未満となる。
【0052】 本発明のリチウム二次電池は、溶解して
リチウムイオン(Li+)を生ずるリチウム化合物を電
解質とする非水電解液を用いたものである。従って、そ
の他の材料や電池構造には何ら制限はない。以下、リチ
ウム二次電池を構成する主要部材及び構造、並びに製造
方法について、電極体の構成が捲回型電極体である場合
を例に挙げて説明する。
【0053】 図2は、捲回型電極体の構造を示す斜視
図である。正極板2は集電基板の両面に正極活物質を塗
工することによって作製される。集電基板としては、ア
ルミニウム箔やチタン箔等の正極電気化学反応に対する
耐蝕性が良好である金属箔が用いられるが、箔以外にパ
ンチングメタル或いはメッシュ(網)を用いることもで
きる。また、正極活物質としては、マンガン酸リチウム
(LiMn 24)やコバルト酸リチウム(LiCo
2)、ニッケル酸リチウム(LiNiO2)等のリチウ
ム遷移金属複合酸化物が好適に用いられる。なお、これ
らの正極活物質にアセチレンブラック等の炭素微粉末が
導電助剤として加えることが好ましい。
【0054】 ここで、本発明においては、LiとMn
を主成分とした立方晶スピネル構造を有するマンガン酸
リチウム(以下、単に「マンガン酸リチウム」と記
す。)を用いると、他の正極活物質を用いた場合と比較
して、電極体の抵抗を小さくすることができるために好
ましい。前述した本発明における非水電解液の特性改善
の効果は、この内部抵抗の低減の効果と組み合わせるこ
とで、より顕著に現れて電池のサイクル特性の向上が図
られるために好ましい。
【0055】 本発明のリチウム二次電池においては、
正極活物質としてマンガン酸リチウムが用いられる。こ
こで、マンガン酸リチウムの化学量論組成はLiMn2
4で表されるが、本発明においては、このような化学
量論組成のものに限られず、遷移元素Mnの一部を、T
iを含み、その他に、Li、Fe、Ni、Mg、Zn、
Co、Cr、Si、Sn、P、V、Sb、Nb、Ta、
Mo及びWからなる群から選ばれる1種類以上の元素か
らなる、2種類以上の元素で置換してなるLiMZMn
2-z4(但し、Mは置換元素で、Zは置換量を示す。)
も好適に用いられる。
【0056】 前記のような元素置換を行った場合に
は、そのLi/Mn比(モル比)は、MnをLiで置換
したLi過剰の場合には(1+X)/(2−X)とな
り、またLi以外の置換元素Mで置換した場合には1/
(2−X)となるので、いずれの場合であっても常にL
i/Mn比>0.5となる。
【0057】 本発明においては、上述の如くLi/M
n比が0.5超であるマンガン酸リチウムを用いること
が好ましい。このことにより、化学量論組成のものを用
いた場合と比較して結晶構造が更に安定化されるため、
サイクル特性に優れる電池を得ることができる。
【0058】 なお、置換元素Mにあっては、理論上、
Liは+1価、Fe、Mn、Ni、Mg、Znは+2
価、B、Al、Co、Crは+3価、Si、Ti、Sn
は+4価、P、V、Sb、Nb、Taは+5価、Mo、
Wは+6価のイオンとなり、LiMn24中に固溶する
元素であるが、Co、Snについては+2価の場合、F
e、Sb及びTiについては+3価の場合、Mnについ
ては+3価、+4価の場合、Crについては+4価、+
6価の場合もあり得る。従って、各種の置換元素Mは混
合原子価を有する状態で存在する場合があり、また、酸
素の量については、必ずしも理論化学組成で表されるよ
うに4であることを必要とせず、結晶構造を維持するた
めの範囲内で欠損して、或いは過剰に存在していても構
わない。
【0059】 正極活物質の塗工は、正極活物質粉末に
溶剤や結着剤等を添加して作製したスラリー或いはペー
ストを、ロールコータ法等を用いて、集電基板に塗布・
乾燥することで行われ、その後に必要に応じてプレス処
理等が施される。
【0060】 負極板3は、正極板2と同様にして作製
することができる。負極板3の集電基板としては、銅箔
若しくはニッケル箔等の負極電気化学反応に対する耐蝕
性が良好な金属箔が好適に用いられる。負極活物質とし
ては、ソフトカーボンやハードカーボンといったアモル
ファス系炭素質材料や人造黒鉛や天然黒鉛等の高黒鉛化
炭素材料が、更には、前記高黒鉛化炭素材料としては繊
維状のものが好適に用いられる。
【0061】 セパレータ4としては、Li+透過性の
ポリオレフィンフィルムが用いられる。具体的には、マ
イクロポアを有するLi+透過性のポリエチレンフィル
ム(PEフィルム)を、多孔性のLi+透過性のポリプ
ロピレンフィルム(PPフィルム)で挟んだ三層構造と
したものが好適に用いられる。これは、電極体の温度が
上昇した場合に、PEフィルムが約130℃で軟化して
マイクロポアが潰れ、Li+の移動即ち電池反応を抑制
する安全機構を兼ねたものである。そして、このPEフ
ィルムをより軟化温度の高いPPフィルムで挟持するこ
とによって、PEフィルムが軟化した場合においても、
PPフィルムが形状を保持して正極板2と負極板3の接
触・短絡を防止し、電池反応の確実な抑制と安全性の確
保が可能となる。
【0062】 また、本発明のリチウム二次電池におい
ては、セパレータの空孔率が40%以上であることが好
ましく、45%以上であることが更に好ましく、50%
以上であることが特に好ましい。空孔率を当該数値以上
とすることにより、Li+の導通が充分に確保されると
ともに、温度上昇に伴うマイクロポアの閉塞による安全
機構が充分に機能するためである。
【0063】 なお、本発明のリチウム二次電池を構成
するセパレータの、空孔率の上限は特に限定されるもの
ではないが、Li+導通確保と安全機構の機能発揮との
両立を図るためには60%以下であればよい。
【0064】 更に、前述の空孔率以外の物理的特性と
して、本発明のリチウム二次電池においては、セパレー
タのガーレ式透気度が200秒/100cc以下である
ことが好ましい。ガーレ式透気度を当該数値以下とする
ことにより、Li +の導通が充分に確保されるためであ
る。
【0065】 本発明のリチウム二次電池を構成するセ
パレータの、ガーレ式透気度の下限は特に限定されるも
のではないが、Li+導通確保と安全機構の機能発揮と
の両立を図るべく、前述の空孔率とともに重要な物理的
特性であるため、セパレータ製造の観点から実質的な下
限値を決定すればよい。
【0066】 この電極板2・3とセパレータ4の捲回
作業時に、電極板2・3において電極活物質の塗工され
ていない集電基板が露出した部分に、電極リード5・6
がそれぞれ取り付けられる。電極リード5・6として
は、それぞれの電極板2・3の集電基板と同じ材質から
なる箔状のものが好適に用いられる。電極リード5・6
の電極板2・3への取り付けは、超音波溶接やスポット
溶接等を用いて行うことができる。
【0067】 次に、本発明のリチウム二次電池に用い
られる非水電解液について説明する。溶媒としては、エ
チレンカーボネート(EC)、ジエチルカーボネート
(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、プロピ
レンカーボネート(PC)といった炭酸エステル系のも
のや、γ−ブチロラクトン、テトラヒドロフラン、アセ
トニトリル等の単独溶媒若しくは混合溶媒が好適に用い
られる。本発明においては、特に電解質であるリチウム
化合物の溶解性や、電池の使用温度範囲等の観点から、
環状カーボネートと鎖状カーボネートの混合溶媒を好適
に用いることができる。
【0068】 電解質としては、六フッ化リン酸リチウ
ム(LiPF6)やホウフッ化リチウム(LiBF4)等
のリチウム錯体フッ素化合物、或いは過塩素酸リチウム
(LiClO4)といったリチウムハロゲン化物が挙げ
られ、1種類若しくは2種類以上を上述した有機溶媒
(混合溶媒)に溶解して用いる。特に、本発明において
は、酸化分解が起こり難く非水電解液の導電性の高いL
iPF6を用いることが好ましい。
【0069】 リチウム二次電池の組立に当たっては、
先ず、電流を外部に取り出すための端子との電極リード
5・6との導通を確保しつつ、作製された捲回型電極体
1を電池ケースに挿入して安定な位置にホールドした
後、上述した非水電解液を含浸する。次いで、電池ケー
スを封止して、本発明に係るリチウム二次電池が作製さ
れる。
【0070】 なお、非水電解液に関しても、電解質で
あるリチウム化合物の種類・濃度、有機溶媒の種類や組
成比等を種々変化したものを用いることが可能である。
【0071】 以上、本発明に係るリチウム二次電池に
ついて、主に捲回型電極体を用いた場合を例に挙げ、そ
の実施形態を示しながら説明してきたが、本発明が上記
の実施形態に限定されるものでないことはいうまでもな
い。また、本発明に係るリチウム二次電池は、特に、電
池容量が2Ah以上である大型の電池に好適に採用され
るが、このような容量以下の電池に適用することを妨げ
るものではない。また、本発明のリチウム二次電池は、
大容量、低コスト、高信頼性という特徴を生かし車載用
電池として、さらには、電気自動車又はハイブリッド電
気自動車に用いることが好ましいとともに、高電圧を必
要とされるエンジン起動用としても特に好適に用いるこ
とができる。
【0072】 なお、本発明によれば、これまで述べて
きたリチウム二次電池の単電池を、用途に応じて複数
個、直列又は並列に接続することによって、より高出
力、及び/又は、長時間の使用に適した組電池を提供す
ることが可能である。
【0073】
【実施例】 以下、本発明を実施例に基づいて、更に詳
細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定される
ものではない。
【0074】(電極体の作製)Li/Mn>0.5であ
るLi1.05Mn1.954スピネルを正極活物質とし、こ
れに導電助剤としてアセチレンブラックを外比で4質量
%添加したものに、更に溶剤、バインダを加えて調製し
た正極剤スラリーを、厚さ20μmのアルミニウム箔の
両面にそれぞれ約100μmの厚みとなるように塗工し
て作製した正極板2と、繊維状高黒鉛化炭素粉末を負極
活物質として、厚さ10μmの銅箔の両面にそれぞれ約
80μmの厚みとなるように塗工して作製した負極板3
とを用いて、図2に示すような捲回型電極体1を作製し
た。
【0075】(非水電解液の調製)EC、DMC、エチ
ルメチルカーボネート(EMC)の各種有機溶媒を1:
1:1の体積比で混合して混合溶媒を調製し、これに1
mol/lの濃度となるように電解質であるLiPF6
を溶解して非水電解液を調製した。
【0076】(電池の作製)捲回型電極体を電池ケース
に収納後、各非水電解液を充填し、次いで電池ケースを
封止して、電池を作製した(実施例1、2、比較例
1)。なお、その他の部材、試験環境はすべての試料に
ついて同じとし、電池部材の乾燥は電池の組立直前まで
充分に行い、電池の封止不良等による電池外部からの水
分の浸入等の影響も排除した。また、これら各電池の初
回充電後の電池容量は、全て約10Ahであった。
【0077】(放電容量の測定)実施例1〜5、比較例
1、3〜7のリチウム二次電池を室温(25℃)、1C
定電流、4.1V定電圧で満充電とした後、同じく室温
条件下、10A(1C相当電流)定電流にて、端子電圧
が2.5Vとなるまで放電を行い、25℃における1C
放電容量を測定した。同様にして、各電池を室温、1C
定電流、4.1V定電圧で満充電とした後、同じく室温
条件下、300A(30C相当電流)定電流にて、端子
電圧が2.5Vとなるまで放電を行い、25℃における
30C放電容量を測定した。
【0078】 次いで、各電池を室温、1C定電流、
4.1V定電圧で満充電した後、当該電池を−25℃恒
温槽中に保管して、電池内部が均一な設定温度分布とな
るように12時間以上待機した。次いで、300A(3
0C相当電流)定電流にて、端子電圧が2.5Vとなる
まで放電を行い、−25℃における30C放電容量を測
定した。
【0079】 25℃における1C放電容量に対する、
25℃又は−25℃において測定した30C放電容量の
比率(%)を算出した。結果を表1に示す。
【0080】
【表1】
【0081】(パルスサイクル試験)上述した実施例
1、2、及び、比較例1の各リチウム二次電池について
パルスサイクル試験行った。1サイクルは放電深度50
%の充電状態の電池を20C(放電レート)相当の電流
200Aにて3秒間放電した後3秒間休止し、その後2
00Aで3秒間充電後、再び50%の充電状態とするパ
ターンに設定した。また、電池容量の変化を知るため
に、1Cの電流強さで充電停止電圧4.1V、放電停止
電圧2.5Vとした容量測定を行い、10000、及び
20000サイクル経過後の電池容量を各々初回の電池
容量で除した値を百分率で算出して容量維持率(%)を
求めた。結果を図1に示す。
【0082】(考察)図1に示すように、実施例1及び
2のリチウム二次電池は、比較例1のリチウム二次電池
に比して、パルスサイクル試験の経過に伴う電池容量の
減少が抑制されていることが明らかである。また、パル
スサイクル試験20000回を経過した後も、容量維持
率が80%以上と依然高く、本発明の優位性を確認する
ことができた。
【0083】
【発明の効果】 以上説明したように、本発明の電極体
の評価方法によれば、2以上の異なる定電流値で放電し
た後に測定される放電容量を比較するため、実電池とし
て各種装置等に組み込む前に、予め電極体のサイクル特
性を評価しておくことが可能である。また、本発明のリ
チウム二次電池は、前記評価方法によって評価された所
定の電極体を用いているために、例えば、大電流による
充・放電が繰り返された場合であっても、長寿命であ
り、サイクル特性に優れている。更に、当該リチウム二
次電池を複数個用いることによって、高出力・長寿命で
ある組電池を、使用目的等に応じて提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 パルスサイクル試験の結果であって、サイク
ル数(回)に対して容量維持率(%)をプロットしたグ
ラフである。
【図2】 捲回型電極体の構造を示す斜視図である。
【図3】 積層型電極体の構造を示す斜視図である。
【符号の説明】
1…捲回型電極体、2…正極板、3…負極板、4…セパ
レータ、5…電極リード、6…電極リード、7…積層型
電極体、8…正極板、9…負極板、10…セパレータ、
11…電極リード、12…電極リード、13…巻芯。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5H029 AJ05 AK03 AL07 AL08 AM02 AM03 AM04 AM05 AM07 BJ12 BJ14 CJ16 DJ15 DJ17 EJ01 EJ04 HJ02 HJ09 HJ14 HJ17 HJ18 HJ19 5H050 AA07 BA17 CA09 CB08 CB09 EA10 GA18 HA02 HA09 HA14 HA17 HA18 HA19

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正極板と負極板とをセパレータを介して
    捲回若しくは積層してなる、非水電解液を含浸した電極
    体の評価方法であって、 2以上の異なる定電流値で、所定の端子電圧となるまで
    放電した後に測定される放電容量を比較することによ
    り、 該電極体のサイクル特性を評価することを特徴とする電
    極体の評価方法。
  2. 【請求項2】 該電極体を、 満充電の状態から25℃、30C定電流にて、端子電圧
    が2.5Vとなるまで放電した後の放電容量が、 満充電の状態から25℃、1C定電流にて、端子電圧が
    2.5Vとなるまで放電した後の放電容量の80%以上
    である場合に、 該電極体のサイクル特性が良好であると評価する請求項
    1に記載の電極体の評価方法。
  3. 【請求項3】 該電極体を、 満充電の状態から−25℃、30C定電流にて、端子電
    圧が2.5Vとなるまで放電した後の放電容量が、 満充電の状態から25℃、1C定電流にて、端子電圧が
    2.5Vとなるまで放電した後の放電容量の60%以上
    である場合に、 該電極体のサイクル特性が良好であると評価する請求項
    1に記載の電極体の評価方法。
  4. 【請求項4】 該正極活物質として立方晶スピネル構造
    を有するマンガン酸リチウムを用いる請求項1〜3のい
    ずれか一項に記載の電極体の評価方法。
  5. 【請求項5】 Li/Mn比が0.5超であるマンガン
    酸リチウムを用いる請求項4に記載の電極体の評価方
    法。
  6. 【請求項6】 該正極活物質として、マンガン酸リチウ
    ム(LiMn24)中の遷移元素Mnの一部を、Tiを
    含み、その他に、Li、Fe、Ni、Mg、Zn、C
    o、Cr、Si、Sn、P、V、Sb、Nb、Ta、M
    o及びWからなる群から選ばれる1種類以上の元素から
    なる、2種類以上の元素で置換してなるLiMZMn2-z
    4(但し、Mは置換元素で、Zは置換量を示す。)を
    用いる請求項1〜3のいずれか一項に記載の電極体の評
    価方法。
  7. 【請求項7】 該負極活物質として高黒鉛化炭素材料又
    はハードカーボンを用いる請求項1〜6のいずれか一項
    に記載の電極体の評価方法。
  8. 【請求項8】 繊維状の高黒鉛化炭素材料を用いる請求
    項7に記載の電極体の評価方法。
  9. 【請求項9】 該非水電解液に用いられる有機溶媒とし
    て環状カーボネートと鎖状カーボネートの混合溶媒を用
    いる請求項1〜8のいずれか一項に記載の電極体の評価
    方法。
  10. 【請求項10】 空孔率が40%以上であるセパレータ
    を用いる請求項1〜9のいずれか一項に記載の電極体の
    評価方法。
  11. 【請求項11】 該電極体として捲回型電極体を用いる
    請求項1〜10のいずれか一項に記載の電極体の評価方
    法。
  12. 【請求項12】 リチウム二次電池の電極体を評価する
    請求項1〜11のいずれか一項に記載の電極体の評価方
    法。
  13. 【請求項13】 電池ケース内に、正極活物質を用いて
    なる正極板と、負極活物質を用いてなる負極板とを、セ
    パレータを介して捲回又は積層してなる内部電極体を備
    えるとともに、リチウム化合物が有機溶媒に溶解されて
    いる非水電解液が含浸されてなるリチウム二次電池であ
    って、 該リチウム二次電池を、 満充電の状態から25℃、30C定電流にて、端子電圧
    が2.5Vとなるまで放電した後の放電容量が、 満充電の状態から25℃、1C定電流にて、端子電圧が
    2.5Vとなるまで放電した後の放電容量の80%以上
    であることを特徴とするリチウム二次電池。
  14. 【請求項14】 電池ケース内に、正極活物質を用いて
    なる正極板と、負極活物質を用いてなる負極板とを、セ
    パレータを介して捲回又は積層してなる内部電極体を備
    えるとともに、リチウム化合物が有機溶媒に溶解されて
    いる非水電解液が含浸されてなるリチウム二次電池であ
    って、 該リチウム二次電池を、 満充電の状態から−25℃、30C定電流にて、端子電
    圧が2.5Vとなるまで放電した後の放電容量が、 満充電の状態から25℃、1C定電流にて、端子電圧が
    2.5Vとなるまで放電した後の放電容量の60%以上
    であることを特徴とするリチウム二次電池。
  15. 【請求項15】 該正極活物質が立方晶スピネル構造を
    有するマンガン酸リチウム(LiMn24)である請求
    項13又は14に記載のリチウム二次電池。
  16. 【請求項16】 該マンガン酸リチウムにおけるLi/
    Mn比が0.5超である請求項15に記載のリチウム二
    次電池。
  17. 【請求項17】 該正極活物質が、マンガン酸リチウム
    (LiMn24)中の遷移元素Mnの一部を、Tiを含
    み、その他に、Li、Fe、Ni、Mg、Zn、Co、
    Cr、Si、Sn、P、V、Sb、Nb、Ta、Mo及
    びWからなる群から選ばれる1種類以上の元素からな
    る、2種類以上の元素で置換してなるLiM ZMn2-z
    4(但し、Mは置換元素で、Zは置換量を示す。)であ
    る請求項13又は14に記載のリチウム二次電池。
  18. 【請求項18】 該負極活物質が高黒鉛化炭素材料又は
    ハードカーボンである請求項13〜17のいずれか一項
    に記載のリチウム二次電池。
  19. 【請求項19】 高黒鉛化炭素材料が繊維状である請求
    項18に記載のリチウム二次電池。
  20. 【請求項20】 該有機溶媒が、少なくとも対称鎖状カ
    ーボネートと非対称鎖状カーボネートとを含む混合溶媒
    である請求項13〜19のいずれか一項に記載のリチウ
    ム二次電池。
  21. 【請求項21】 該セパレータの空孔率が40%以上で
    ある請求項13〜20のいずれか一項に記載のリチウム
    二次電池。
  22. 【請求項22】 電池容量が2Ah以上である請求項1
    3〜21のいずれか一項に記載のリチウム二次電池。
  23. 【請求項23】 車載用電池である請求項13〜22の
    いずれか一項に記載のリチウム二次電池。
  24. 【請求項24】 電気自動車又はハイブリッド電気自動
    車に用いられる請求項23に記載のリチウム二次電池。
  25. 【請求項25】 エンジン起動用に用いられる請求項2
    3又は24に記載のリチウム二次電池。
  26. 【請求項26】 請求項13〜25のいずれか一項に記
    載のリチウム二次電池の単電池を、直列又は並列に複数
    個接続してなることを特徴とする組電池。
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