JP2002302689A - すべり案内面用潤滑油組成物 - Google Patents

すべり案内面用潤滑油組成物

Info

Publication number
JP2002302689A
JP2002302689A JP2001104973A JP2001104973A JP2002302689A JP 2002302689 A JP2002302689 A JP 2002302689A JP 2001104973 A JP2001104973 A JP 2001104973A JP 2001104973 A JP2001104973 A JP 2001104973A JP 2002302689 A JP2002302689 A JP 2002302689A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acid
lubricating oil
phosphate
carbon atoms
oil composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001104973A
Other languages
English (en)
Inventor
Masahiro Hata
正広 秦
Eiji Tominaga
英二 冨永
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Eneos Corp
Original Assignee
Nippon Oil Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Oil Corp filed Critical Nippon Oil Corp
Priority to JP2001104973A priority Critical patent/JP2002302689A/ja
Publication of JP2002302689A publication Critical patent/JP2002302689A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Lubricants (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 スティックスリップ防止性や、水溶性切削液
との分離性の両方に優れたすべり案内面用潤滑油組成物
を提供する。 【解決手段】 鉱油、油脂および合成油の中から選ばれ
る少なくとも1種を基油とし、(A)リン化合物、
(B)硫黄化合物、(C)炭素数12〜24のモノアミ
ンおよび/または炭素数12〜24の脂肪酸、(D)炭
素数6〜11のモノアミン、および(E)炭素数6〜1
1の脂肪酸、を含有するすべり案内面用潤滑油組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、工作機械の平行な
二平面の摺動運動の案内機構に用いられる潤滑油、つま
りすべり案内面用潤滑油組成物に関し、詳しくはすべり
案内面での摩擦係数の低減やスティックスリップの防止
といった潤滑特性に優れ、かつ水溶性切削液との分離性
に優れるすべり案内面用潤滑油組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】工作機械の加工テーブルなどのすべり案
内面でスティックスリップが発生すると、その摩擦振動
がそのまま加工物に転写され、その結果、加工精度が低
下したり、あるいはその振動から工具寿命が低下する等
の問題が生ずる。従って、すべり案内面用潤滑油には、
低摩擦(摩擦係数が小さい)であることに加えて、金属
面−金属面間の高いスティックスリップ防止性を発揮す
ることが要求されている。
【0003】また、工作機械ではすべり案内面用潤滑油
が工作物の加工液に混入してしまう構造になっているも
のが多い。特に、加工液として水溶性切削液を用いてい
る場合、このすべり案内面用潤滑油の混入が水溶性切削
液の劣化(切削性能の低下、腐敗の促進、鉱油寿命の短
縮、廃液処理コストの上昇など)の原因の1つとなって
いる。
【0004】従って、すべり案内面用潤滑油の性能とし
ては、すべり案内面での摩擦係数の低減やスティックス
リップの防止といった潤滑特性に優れていることに加え
て、水溶性切削液に混入した場合を考慮して水溶性切削
液との分離性に優れ、かつ該水溶性切削液の諸性能に悪
影響を与えないことが要求されている。
【0005】
【発明が解決するしようとする課題】スティックスリッ
プの防止に関しては、例えば日本国公開特許公報(A)
特開昭57−67693号公報に示されているように、
イオウ化合物、エステルおよび脂肪酸を組み合わせた潤
滑油組成物が、また日本国公開特許公報(A)特開昭5
1−74005号公報ではイオウ化合物とリン化合物の
アミン塩を組み合わせた潤滑油組成物が、それぞれ効果
的であることが示されている。
【0006】また、水溶性切削液分離性については、例
えば日本国公開特許公報(A)特開平9−328696
号公報に示されているように、カルボン酸および/また
はエステル、アルカリ金属の有機酸塩、亜リン酸エステ
ルおよびそのアミン塩を組み合わせた潤滑油組成物が、
また日本国公開特許公報(A)特開平11−1693号
公報ではカルボン酸および/またはエステル、アルカリ
金属の有機酸塩、リン酸エステルを組み合わせた潤滑油
組成物が、それぞれ効果的であることが示されている。
【0007】しかしながら、これらの潤滑油組成物を組
み合わせただけでは、すべり案内面用潤滑油に要求され
る性能であるスティックスリップ防止性や、水溶性切削
液との分離性の両方に優れるすべり案内面用潤滑油を得
ることは困難であった。
【0008】本発明の目的は、スティックスリップ防止
性や、水溶性切削液との分離性の両方に優れたすべり案
内面用潤滑油組成物を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を克服するため鋭意研究を重ねた結果、特定の組成を有
する潤滑油組成物が、摩擦係数やスティックスリップ防
止性といった潤滑特性に優れ、かつ水溶性切削液との分
離性に優れることを見い出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0010】すなわち本発明は、鉱油、油脂および合成
油の中から選ばれる少なくとも1種を基油とし、(A)
リン化合物、(B)硫黄化合物、(C)炭素数12〜2
4のモノアミンおよび/または炭素数12〜24の脂肪
酸、(D)炭素数6〜11のモノアミン、および(E)
炭素数6〜11の脂肪酸、を含有するすべり案内面用潤
滑油組成物に関する。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のすべり案内面用潤滑油組成物は、鉱油、油脂お
よび合成油の中から選ばれる少なくとも1種を基油とす
るものである。
【0012】本発明で使用可能な鉱油系基油を例示すれ
ば、原油を常圧蒸留および減圧蒸留して得られた潤滑油
留分に対して、溶剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、溶
剤脱ろう、接触脱ろう、水素化精製、硫酸洗浄、白土処
理等の1種もしくは2種以上の精製手段を適宜組み合わ
せて適用して得られるパラフィン系またはナフテン系の
鉱油を挙げることができる。また、油脂としては、牛
脂、豚脂、大豆油、菜種油、米ぬか油、ヤシ油、パーム
油、パーム核油、あるいはこれらの水素添加物などが挙
げられる。
【0013】また、合成油としては、例えば、ポリ−α
−オレフィン(エチレン−プロピレン共重合体、ポリブ
テン、1−オクテンオリゴマー、1−デセンオリゴマ
ー、およびこれらの水素化物など)、アルキルベンゼ
ン、アルキルナフタレン、モノエステル(ブチルステア
レート、オクチルラウレート)、ジエステル(ジトリデ
シルグルタレート、ジ−2−エチルヘキシルアジペー
ト、ジイソデシルアジペート、ジトリデシルアジペー
ト、ジ−2−エチルヘキシルセパケートなど)、ポリエ
ステル(トリメリット酸エステルなど)、ポリオールエ
ステル(トリメチロールプロパンカプリレート、トリメ
チロールプロパンペラルゴネート、ペンタエリスリトー
ル−2−エチルヘキサノエート、ペンタエリスリトール
ペラルゴネートなど)、ポリオキシアルキレングリコー
ル、ポリフェニルエーテル、ジアルキルジフェニルエー
テル、リン酸エステル(トリクレジルフォスフェートな
ど)、含フッ素化合物(パーフルオロポリエーテル、フ
ッ素化ポリオレフィンなど)、シリコーン油などが例示
できる。
【0014】本発明のすべり案内面用潤滑油組成物の基
油としては、上記した基油を単独で用いてもよいし、2
種以上組み合わせてもよい。
【0015】また、本発明で使用する基油は、その粘度
に格別の限定はないが、一般的には、40℃における動
粘度が10〜700mm2 /sの範囲にあるものが好ま
しく、15〜500mm2 /sの範囲にあるものがより
好ましい。基油の含有量については、特に格別の限定は
ないが、通常、組成物全量基準で50〜99.98質量
%の範囲で用いられる。
【0016】本発明の(A)成分は、リン化合物であ
る。本発明でいう(A)リン化合物として、具体的には
例えば、リン酸エステル、酸性リン酸エステル、塩素化
リン酸エステル、亜リン酸エステルおよびフォスフォロ
チオネートからなる群より選ばれる少なくとも1種のリ
ン化合物を潤滑油基油に配合することが好ましい。これ
らのリン化合物は、リン酸、亜リン酸またはチオリン酸
とアルカノール、ポリエーテル型アルコールとのエステ
ルあるいはその誘導体である。
【0017】かかるリン化合物のうち、リン酸エステル
としては、トリブチルホスフェート、トリペンチルホス
フェート、トリヘキシルホスフェート、トリヘプチルホ
スフェート、トリオクチルホスフェート、トリノニルホ
スフェート、トリデシルホスフェート、トリウンデシル
ホスフェート、トリドデシルホスフェート、トリトリデ
シルホスフェート、トリテトラデシルホスフェート、ト
リペンタデシルホスフェート、トリヘキサデシルホスフ
ェート、トリヘプタデシルホスフェート、トリオクタデ
シルホスフェート、トリオレイルホスフェート、トリフ
ェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリ
キシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェ
ート、キシレニルジフェニルホスフェート等;酸性リン
酸エステルとしては、モノブチルアシッドホスフェー
ト、モノペンチルアシッドホスフェート、モノヘキシル
アシッドホスフェート、モノヘプチルアシッドホスフェ
ート、モノオクチルアシッドホスフェート、モノノニル
アシッドホスフェート、モノデシルアシッドホスフェー
ト、モノウンデシルアシッドホスフェート、モノドデシ
ルアシッドホスフェート、モノトリデシルアシッドホス
フェート、モノテトラデシルアシッドホスフェート、モ
ノペンタデシルアシッドホスフェート、モノヘキサデシ
ルアシッドホスフェート、モノヘプタデシルアシッドホ
スフェート、モノオクタデシルアシッドホスフェート、
モノオレイルアシッドホスフェート、ジブチルアシッド
ホスフェート、ジペンチルアシッドホスフェート、ジヘ
キシルアシッドホスフェート、ジヘプチルアシッドホス
フェート、ジオクチルアシッドホスフェート、ジノニル
アシッドホスフェート、ジデシルアシッドホスフェー
ト、ジウンデシルアシッドホスフェート、ジドデシルア
シッドホスフェート、ジトリデシルアシッドホスフェー
ト、ジテトラデシルアシッドホスフェート、ジペンタデ
シルアシッドホスフェート、ジヘキサデシルアシッドホ
スフェート、ジヘプタデシルアシッドホスフェート、ジ
オクタデシルアシッドホスフェート、ジオレイルアシッ
ドホスフェート等;塩素化リン酸エステルとしては、ト
リス・ジクロロプロピルホスフェート、トリス・クロロ
エチルホスフェート、トリス・クロロフェニルホスフェ
ート、ポリオキシアルキレン・ビス[ジ(クロロアルキ
ル)]ホスフェート等;亜リン酸エステルとしては、ジ
ブチルホスファイト、ジペンチルホスファイト、ジヘキ
シルホスファイト、ジヘプチルホスファイト、ジオクチ
ルホスファイト、ジノニルホスファイト、ジデシルホス
ファイト、ジウンデシルホスファイト、ジドデシルホス
ファイト、ジオレイルホスファイト、ジフェニルホスフ
ァイト、ジクレジルホスファイト、トリブチルホスファ
イト、トリペンチルホスファイト、トリヘキシルホスフ
ァイト、トリヘプチルホスファイト、トリオクチルホス
ファイト、トリノニルホスファイト、トリデシルホスフ
ァイト、トリウンデシルホスファイト、トリドデシルホ
スファイト、トリオレイルホスファイト、トリフェニル
ホスファイト、トリクレジルホスファイト等;フォスフ
ォロチオネートとしては、トリブチルフォスフォロチオ
ネート、トリペンチルフォスフォロチオネート、トリヘ
キシルフォスフォロチオネート、トリヘプチルフォスフ
ォロチオネート、トリオクチルフォスフォロチオネー
ト、トリノニルフォスフォロチオネート、トリデシルフ
ォスフォロチオネート、トリウンデシルフォスフォロチ
オネート、トリドデシルフォスフォロチオネート、トリ
トリデシルフォスフォロチオネート、トリテトラデシル
フォスフォロチオネート、トリペンタデシルフォスフォ
ロチオネート、トリヘキサデシルフォスフォロチオネー
ト、トリヘプタデシルフォスフォロチオネート、トリオ
クタデシルフォスフォロチオネート、トリオレイルフォ
スフォロチオネート、トリフェニルフォスフォロチオネ
ート、トリクレジルフォスフォロチオネート、トリキシ
レニルフォスフォロチオネート、クレジルジフェニルフ
ォスフォロチオネート、キシレニルジフェニルフォスフ
ォロチオネート、トリス(n−プロピルフェニル)フォ
スフォロチオネート、トリス(イソプロピルフェニル)
フォスフォロチオネート、トリス(n−ブチルフェニ
ル)フォスフォロチオネート、トリス(イソブチルフェ
ニル)フォスフォロチオネート、トリス(s−ブチルフ
ェニル)フォスフォロチオネート、トリス(t−ブチル
フェニル)フォスフォロチオネート等、が挙げられる。
また、これらの混合物も使用できる。
【0018】本発明のすべり案内面用潤滑油組成物にお
いて、(A)成分の含有量は任意であるが、得られる潤
滑油組成物の摩擦特性の点から、組成物全量基準で0.
001質量%以上であることが好ましく、0.01質量
%以上であることがより好ましく、0.1質量%以上で
あることがさらにより好ましい。また、得られる潤滑油
組成物が水溶性切削液との分離性により優れること、そ
れ以上含有させてもさらなる摩擦特性の向上は期待でき
ない場合があることなどから、(A)成分の含有量は組
成物全量基準で10質量%以下であることが好ましく、
3質量%以下であることがより好ましく、1質量%以下
であることがさらにより好ましい。
【0019】本発明の(B)成分は、硫黄化合物であ
る。(B)成分の硫黄化合物としては、分子内に硫黄原
子を有し、潤滑油基油に溶解または均一に分散して、潤
滑油組成物が極圧性や優れた摩擦特性を発揮しうるもの
であればよい。
【0020】このようなものとしては、例えば硫化油
脂、硫化脂肪酸、硫化エステル、硫化オレフィン、ジヒ
ドロカルビルポリサルファイド、チアジアゾール化合
物、アルキルチオカルバモイル化合物、チオカーバメー
ト化合物、チオテルペン化合物、ジアルキルチオジプロ
ピオネート化合物などを挙げることができる。このよう
な化合物を単独で用いてもよく、2種類以上の混合物と
して用いてもよい。
【0021】ここで、硫化油脂は、硫黄や硫黄含有化合
物と油脂(ラード油、鯨油、植物油、魚油等)を反応さ
せて得られるものであり、その硫黄含有量は特に制限は
ないが、一般に5〜30質量%のものが好適である。そ
の具体例としては、硫化ラード、硫化なたね油、硫化ひ
まし油、硫化大豆油、硫化米ぬか油およびこれらの混合
物などを挙げることができる。
【0022】硫化脂肪酸の例としては、硫化オレイン酸
などを、硫化エステルの例としては、硫化オレイン酸メ
チルや硫化米ぬか脂肪酸オクチルおよびこれらの混合物
などを挙げることができる。
【0023】硫化オレフィンとしては、例えば、下記の
一般式(VII)
【0024】
【化1】
【0025】(式中、R5 は炭素数2〜15のアルケニ
ル基、R6 は炭素数2〜15のアルキル基またはアルケ
ニル基を示し、aは1〜8の整数を示す)で表される化
合物などを挙げることができる。この化合物は、炭素数
2〜15のオレフィンまたはその二〜四量体を、硫黄、
塩化硫黄等の硫化剤と反応させることによって得られ、
該オレフィンとしては、プロピレン、イソブテン、ジイ
ソブテンなどが好ましい。
【0026】また、ジヒドロカルビルポリサルファイド
は、下記の一般式(VIII)
【0027】
【化2】
【0028】(式中、R7 およびR8 は、それぞれ
炭素数1〜20のアルキル基または環状アルキル基、炭
素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアルキル
アリール基または炭素数7〜20のアリールアルキル基
を示し、それらは互いに同一でも異なっていてもよく、
bは1〜8の整数を示す)で表される化合物である。こ
こで、R7 およびR8 がアルキル基の場合、硫化ア
ルキルと称される。
【0029】上記一般式(VIII)におけるR7
よびR8 の具体例としては、メチル基、エチル基、n
−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブ
チル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、各種
ペンチル基、各種ヘキシル基、各種ヘプチル基、各種オ
クチル基、各種ノニル基、各種デシル基、各種ドデシル
基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基、フェニル
基、ナフチル基、トリル基、キシリル基、ベンジル基、
フェネチル基などを挙げることができる。
【0030】このジヒドロカルビルポリサルファイドと
しては、例えば、ジベンジルポリサルファイド、各種ジ
ノニルポリサルファイド、各種ジドデシルポリサルファ
イド、各種ジブチルポリサルファイド、各種ジオクチル
ポリサルファイド、ジフェニルポリサルファイド、ジシ
クロヘキシルポリサルファイドおよびこれらの混合物な
どを好ましく挙げることができる。
【0031】チアジアゾール化合物としては、例えば、
下記一般式(IX)、(IX)’および(IX)”
【0032】
【化3】
【0033】(式中、R9 およびR10は、それぞれ水
素原子、炭素数1〜20の炭化水素基を示し、cおよび
dは、それぞれ0〜8の整数を示す)で表される1,
3,4−チアジアゾール、1,2,4−チアジアゾール
化合物、1,4,5−チアジアゾールなどが好ましく用
いられる。このようなチアジアゾール化合物の具体例と
しては、2,5−ビス(n−ヘキシルジチオ)−1,
3,4−チアジアゾール、2,5−ビス(n−オクチル
ジチオ)−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ビス
(n−ノニルジチオ)−1,3,4−チアジアゾール、
2,5−ビス(1,1,3,3−テトラメチルブチルジ
チオ)−1,3,4−チアジアゾール、3,5−ビス
(n−ヘキシルジチオ)−1,2,4−チアジアゾー
ル、3,5−ビス(n−オクチルジチオ)−1,2,4
−チアジアゾール、3,5−ビス(n−ノニルジチオ)
−1,2,4−チアジアゾール、3,5−ビス(1,
1,3,3−テトラメチルブチルジチオ)−1,2,4
−チアジアゾール、4,5−ビス(n−ヘキシルジチ
オ)−1,2,3−チアジアゾール、4,5−ビス(n
−オクチルジチオ)−1,2,3−チアジアゾール、
4,5−ビス(n−ノニルジチオ)−1,2,3−チア
ジアゾール、4,5−ビス(1,1,3,3−テトラメ
チルブチルジチオ)−1,2,3−チアジアゾールおよ
びこれらの混合物などを好ましく挙げることができる。
【0034】アルキルチオカルバモイル化合物として
は、例えば、下記一般式(X)
【0035】
【化4】
【0036】(式中、R11〜R14は、それぞれ炭素数1
〜20のアルキル基を示し、eは1〜8の整数を示す)
で表される化合物が挙げられる。このようなアルキルチ
オカルバモイル化合物の具体例としては、ビス(ジメチ
ルチオカルバモイル)モノスルフィド、ビス(ジブチル
チオカルバモイル)モノスルフィド、ビス(ジメチルチ
オカルバモイル)ジスルフィド、ビス(ジブチルチオカ
ルバモイル)ジスルフィド、ビス(ジアミルチオカルバ
モイル)ジスルフィド、ビス(ジオクチルチオカルバモ
イル)ジスルフィドおよびこれらの混合物などを好まし
く挙げることができる。
【0037】アルキルチオカーバメート化合物として
は、例えば、下記一般式(XI)
【0038】
【化5】
【0039】(式中、R11〜R14は、それぞれ炭素数1
〜20のアルキル基を示し、R15は炭素数1〜10のア
ルキル基を示す)で示される化合物が挙げられる。この
ようなアルキルチオカーバメート化合物の具体例として
は、メチレンビス(ジブチルジチオカーバメート)、メ
チレンビス[ジ(2−エチルヘキシル)ジチオカーバメ
ート]などを好ましく挙げることができる。
【0040】さらに、チオテルペン化合物としては、例
えば、五硫化リンとピネンの反応物を、ジアルキルチオ
ジプロピオネート化合物としては、例えば、ジラウリル
チオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネ
ートおよびこれらの混合物などを挙げることができる。
【0041】本発明のすべり案内面用潤滑油組成物にお
いて、(B)成分の含有量は任意であるが、得られる潤
滑油組成物の摩擦特性の点から、組成物全量基準で0.
1質量%以上であることが好ましく、0.5質量%以上
であることがより好ましく、1質量%以上であることが
さらにより好ましい。また、得られる潤滑油組成物が水
溶性切削液との分離性により優れること、それ以上含有
させてもさらなる摩擦特性の向上は期待できない場合が
あることなどから、(B)成分の含有量は組成物全量基
準で20質量%以下であることが好ましく、10質量%
以下であることがより好ましく、5質量%以下であるこ
とがさらにより好ましい。
【0042】本発明の(C)成分は、炭素数12〜24
のモノアミンおよび/または炭素数12〜24の脂肪酸
である。本発明の(C)成分は、炭素数12〜24のモ
ノアミンであるが、炭素数は総炭素数を表し、2個以上
の炭化水素基を有する場合には、その合計炭素数を表
す。
【0043】モノアミンとしては、第1級モノアミン、
第2級モノアミン、第3級モノアミンの何れもが使用可
能であるが、得られる潤滑油組成物の潤滑特性の点か
ら、第1級モノアミンが好ましい。
【0044】窒素原子に結合する炭化水素基としては、
アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アルキ
ルシクロアルキル基、アリール基、アルキルアリール
基、アリールアルキル基等の何れもが使用可能である
が、得られる潤滑油組成物の潤滑特性の点から、アルキ
ル基またはアルケニル基であることが好ましい。アルキ
ル基、アルケニル基としては、直鎖状のものであっても
分岐鎖状のものであっても良いが、得られる潤滑油組成
物の潤滑特性の点から、直鎖状のものが好ましい。
【0045】本発明の(C)成分の好ましいものとして
は、具体的には例えば、ドデシルアミン(全ての異性体
を含む)、トリデシルアミン(全ての異性体を含む)、
テトラデシルアミン(全ての異性体を含む)、ペンタデ
シルアミン(全ての異性体を含む)、ヘキサデシルアミ
ン(全ての異性体を含む)、ヘプタデシルアミン(全て
の異性体を含む)、オクタデシルアミン(全ての異性体
を含む)、ノナデシルアミン(全ての異性体を含む)、
イコシルアミン(全ての異性体を含む)、ヘンイコシル
アミン(全ての異性体を含む)、ドコシルアミン(全て
の異性体を含む)、トリコシルアミン(全ての異性体を
含む)、テトラコシルアミン(全ての異性体を含む)、
オクタデセニルアミン(全ての異性体を含む)(オレイ
ルアミン等を含む)およびこれらの2種以上の混合物な
どが挙げられる。
【0046】これらの中でも、得られる潤滑油組成物の
潤滑特性の点から、炭素数14〜20の第1級モノアミ
ンが好ましく、炭素数16〜18の第1級モノアミンが
より好ましい。
【0047】また、本発明の(C)成分は、炭素数12
〜24の脂肪酸であり、飽和の脂肪酸であっても不飽和
の脂肪酸であっても良い。また、直鎖状の脂肪酸でも分
岐鎖状の脂肪酸であっても良い。炭素数は総炭素数を表
し、2個以上の炭化水素基を有する場合には、その合計
炭素数を表す。さらに、ヒドロキシ基を有するヒドロキ
シ脂肪酸であっても良い。
【0048】本発明の(C)成分として好ましく用いら
れる脂肪酸としては、具体的には例えば、直鎖状又は分
岐状のドデカン酸、直鎖状又は分岐状のトリデカン酸、
直鎖状又は分岐状のテトラデカン酸、直鎖状又は分岐状
のペンタデカン酸、直鎖状又は分岐状のヘキサデカン
酸、直鎖状又は分岐状のヘプタデカン酸、直鎖状又は分
岐状のオクタデカン酸、直鎖状又は分岐状のノナデカン
酸、直鎖状又は分岐状のイコサン酸、直鎖状又は分岐状
のヘンイコサン酸、直鎖状又は分岐状のドコサン酸、直
鎖状又は分岐状のトリコサン酸、直鎖状又は分岐状のテ
トラコサン酸等の飽和脂肪酸;直鎖状又は分岐状のドデ
セン酸、直鎖状又は分岐状のトリデセン酸、直鎖状又は
分岐状のテトラデセン酸、直鎖状又は分岐状のペンタデ
セン酸、直鎖状又は分岐状のヘキサデセン酸、直鎖状又
は分岐状のヘプタデセン酸、直鎖状又は分岐状のオクタ
デセン酸、直鎖状又は分岐状のノナデセン酸、直鎖状又
は分岐状のイコセン酸、直鎖状又は分岐状のヘンイコセ
ン酸、直鎖状又は分岐状のドコセン酸、直鎖状又は分岐
状のトリコセン酸、直鎖状又は分岐状のテトラコセン
酸、リノール酸等の不飽和脂肪酸、およびこれらの混合
物等が挙げられる。これらの中でも、得られる潤滑油組
成物の潤滑特性の点から、炭素数14〜20の脂肪酸が
好ましく、炭素数16〜18の脂肪酸がより好ましい。
【0049】潤滑油組成物の(C)成分として、前記炭
素数12〜24のモノアミンと前記炭素数12〜24の
脂肪酸を一緒に使用してもよいし、それぞれ個別に使用
してもよい。
【0050】本発明において、(C)成分は前述の通
り、(C)炭素数12〜24のモノアミンおよび/また
は炭素数12〜24の脂肪酸であるが、得られる潤滑油
組成物が潤滑特性により優れかつ水溶性切削液との分離
性により優れることから、(C)成分は炭素数12〜2
4のモノアミンであることが好ましい。
【0051】本発明のすべり案内面用潤滑油組成物にお
いて、(C)成分の含有量は任意であるが、得られる潤
滑油組成物の摩擦特性の点から、組成物全量基準で0.
001質量%以上であることが好ましく、0.01質量
%以上であることがより好ましく、0.1質量%以上で
あることがさらにより好ましい。また、得られる潤滑油
組成物が水溶性切削液との分離性により優れることこ
と、それ以上含有させてもさらなる摩擦特性の向上は期
待できない場合があることなどから、(C)成分の含有
量は、組成物全量基準で10質量%以下であることが好
ましく、3質量%以下であることがより好ましく、1質
量%以下であることがさらにより好ましい。
【0052】本発明の(D)成分は、炭素数6〜11の
モノアミンであるが、炭素数は総炭素数を表し、2個以
上の炭化水素基を有する場合にはその合計炭素数を表
す。モノアミンとしては、第1級モノアミン、第2級モ
ノアミン、第3級モノアミンの何れもが使用可能である
が、得られる潤滑油組成物の水溶性切削液との分離性の
点から、第1級モノアミンが好ましい。
【0053】窒素原子に結合する炭化水素基としては、
アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アルキ
ルシクロアルキル基、アリール基、アルキルアリール
基、アリールアルキル基等の何れもが使用可能である
が、得られる潤滑油組成物の水溶性切削液との分離性の
点から、アルキル基またはアルケニル基であることが好
ましい。アルキル基、アルケニル基としては、直鎖状の
ものであっても分岐鎖状のものであっても良いが、得ら
れる潤滑油組成物の水溶性切削液との分離性の点から、
直鎖状のものが好ましい。
【0054】本発明の(D)成分の好ましいものとして
は、具体的には例えば、ヘキシルアミン(全ての異性体
を含む)、ヘプチルアミン(全ての異性体を含む)、オ
クチルアミン(全ての異性体を含む)、ノニルアミン
(全ての異性体を含む)、デシルアミン(全ての異性体
を含む)、ウンデシルアミン(全ての異性体を含む)、
およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
【0055】これらの中でも、得られる潤滑油組成物の
水溶性切削液との分離性の点から、炭素数6〜10の第
1級モノアミンが好ましく、炭素数7〜9の第1級モノ
アミンがより好ましい。
【0056】本発明において、(D)成分の含有量は任
意であるが、得られる潤滑油組成物の水溶性切削液との
分離性により優れることから、組成物全量基準で0.0
01質量%以上であることが好ましく、0.01質量%
以上であることがより好ましく、0.1質量%以上であ
ることがさらにより好ましい。また、それ以上含有させ
てもさらなる効果の向上は期待できない場合があること
などから、(D)成分の含有量は、組成物全量基準で1
0質量%以下であることが好ましく、3質量%以下であ
ることがより好ましく、1質量%以下であることがさら
により好ましい。
【0057】本発明の(E)成分は、炭素数6〜11の
脂肪酸であり、飽和の脂肪酸であっても不飽和の脂肪酸
であっても良い。また、直鎖状の脂肪酸でも分岐鎖状の
脂肪酸であっても良い。炭素数は総炭素数を表し、2個
以上の炭化水素基を有する場合にはその合計炭素数を表
す。さらに、ヒドロキシ基を有するヒドロキシ脂肪酸で
あっても良い。
【0058】本発明の(E)成分として、好ましく用い
られる脂肪酸としては、具体的には例えば、直鎖状又は
分岐状のヘキサン酸、直鎖状又は分岐状のヘプタン酸、
直鎖状又は分岐状のオクタン酸、直鎖状又は分岐状のノ
ナン酸、直鎖状又は分岐状のデカン酸、直鎖状又は分岐
状のウンデカン酸、直鎖状又は分岐状のヘキセン酸、直
鎖状又は分岐状のヘプテン酸、直鎖状又は分岐状のオク
テン酸、直鎖状又は分岐状のノネン酸、直鎖状又は分岐
状のデセン酸、直鎖状又は分岐状のウンデセン酸等の不
飽和脂肪酸、およびこれらの混合物等が挙げられる。こ
れらの中でも、得られる潤滑油組成物の水溶性切削液と
の分離性の点から、炭素数6〜10の脂肪酸が好まし
く、炭素数7〜9の脂肪酸がより好ましい。
【0059】本発明において、(E)成分の含有量は任
意であるが、得られる潤滑油組成物が水溶性切削液との
分離性により優れることから、組成物全量基準で0.0
01質量%以上であることが好ましく、0.01質量%
以上であることがより好ましく、0.1質量%以上であ
ることがさらにより好ましい。また、それ以上含有させ
てもさらなる効果の向上は期待できない場合があること
などから、(E)成分の含有量は、組成物全量基準で1
0質量%以下であることが好ましく、3質量%以下であ
ることがより好ましく、1質量%以下であることがさら
により好ましい。
【0060】上記(D)成分と(E)成分は、本発明の
組成物にそれぞれ別個に配合されても良いし、またこれ
らの塩の形で配合されても良い。(D)成分化合物と
(E)成分化合物との塩の形で用いる場合は、両者の配
合比(モル比)はほぼ1:1であるが、これに限らず任
意の比で両者は混合される。
【0061】しかしながら、より水溶性切削液との分離
性を向上させるためには、(D)成分を1とした場合、
(E)成分が0.5〜2(モル比)の範囲にあることが
好ましく、0.7〜1.5の範囲にあることがより好ま
しく、0.8〜1.2の範囲にあることがさらにより好
ましい。
【0062】本発明においては、前述のとおり、基油に
(A)〜(E)成分の5成分を必須の成分として含有さ
せることにより、摩擦係数やスティックスリップの防止
といった摩擦特性や、水溶性切削液との分離性がさらに
向上した、すべり案内面用潤滑油組成物を得ることがで
きるが、より潤滑特性や水溶性切削液との分離性を向上
させることが出来ることなどから、以下のような(F)
成分をさらに含有させることが好ましい。このような
(F)成分としては、アルカリ金属、アルカリ土類金
属、亜鉛および鉛の中から選ばれる少なくとも1種の金
属の有機酸塩が挙げられる。
【0063】上記(F)成分において、アルカリ金属と
しては、具体的には例えばナトリウムおよびカリウム等
が、またアルカリ土類金属としては、具体的には例えば
マグネシウム、カルシウムおよびバリウム等が挙げられ
るが、本発明においてはアルカリ土類金属が好ましく用
いられる。
【0064】また(F)成分において、有機酸塩として
は、具体的には例えば、(F−1)スルフォネート、
(F−2)フェネート、(F−3)サリシレート、なら
びにこれらの混合物等が挙げられる。
【0065】(F−1)スルフォネートとしては、分子
量100〜1500、好ましくは200〜700のアル
キル芳香族化合物をスルフォン化することによって得ら
れるアルキル芳香族スルフォン酸と、アルカリ金属、ア
ルカリ土類金属、亜鉛または鉛の塩基(酸化物や水酸化
物)とを反応させて得られる、いわゆる中性スルフォネ
ート;中性スルフォネートと、過剰のアルカリ金属、ア
ルカリ土類金属、亜鉛または鉛の塩や塩基(酸化物や水
酸化物)を水の存在下で加熱することにより得られる、
いわゆる塩基性スルフォネート;炭酸ガスの存在下で中
性スルフォネートをアルカリ金属、アルカリ土類金属、
亜鉛または鉛の塩基(酸化物や水酸化物)と反応させる
ことにより得られる、いわゆる炭酸塩過塩基性(超塩基
性)スルフォネート;中性スルフォネートをアルカリ金
属、アルカリ土類金属、亜鉛または鉛の塩基(酸化物や
水酸化物)ならびにホウ酸または無水ホウ酸等のホウ酸
化合物と反応させたり、または炭酸塩過塩基性(超塩基
性)スルフォネートとホウ酸または無水ホウ酸等のホウ
酸化合物を反応させることによって製造される、いわゆ
るホウ酸塩過塩基性(超塩基性)スルフォネート;およ
びこれらの混合物等が挙げられる。
【0066】また、上記アルキル芳香族スルフォン酸と
しては、具体的にはいわゆる石油スルフォン酸や合成ス
ルフォン酸等が挙げられる。ここでいう石油スルフォン
酸としては、一般に鉱油の潤滑油留分のアルキル芳香族
化合物をスルフォン化したものやホワイトオイル製造時
に副生する、いわゆるマホガニー酸等が用いられる。ま
た合成スルフォン酸としては、例えば洗剤の原料となる
アルキルベンゼン製造プラントから副生したり、ポリオ
レフィンをベンゼンにアルキル化することにより得られ
る、直鎖状や分枝状のアルキル基を有するアルキルベン
ゼンをスルフォン化したもの、あるいはジノニルナフタ
レン等のアルキルナフタレンをスルフォン化したもの等
が用いられる。またこれらアルキル芳香族化合物をスル
フォン化する際のスルフォン化剤としては特に制限はな
いが、通常、発煙硫酸や無水硫酸が用いられる。
【0067】(F−2)フェネートとしては、具体的に
は例えば、炭素数4〜20のアルキル基を1〜2個有す
るアルキルフェノールと、元素イオウの存在下または不
存在下で、アルカリ金属、アルカリ土類金属、亜鉛又は
鉛の塩基(酸化物や水酸化物)と反応させることにより
得られる中性フェネート;中性フェネートと過剰のアル
カリ金属、アルカリ土類金属、亜鉛または鉛の塩や塩基
(酸化物や水酸化物)を水の存在下で加熱することによ
り得られる、いわゆる塩基性フェネート;炭酸ガスの存
在下で中性フェネートをアルカリ金属、アルカリ土類金
属、亜鉛または鉛の塩基(酸化物や水酸化物)と反応さ
せることにより得られる、いわゆる炭酸塩過塩基性(超
塩基性)フェネート;中性フェネートをアルカリ金属、
アルカリ土類金属、亜鉛または鉛の塩基(酸化物や水酸
化物)ならびにホウ酸または無水ホウ酸等のホウ酸化合
物と反応させたり、または炭酸塩過塩基性(超塩基性)
フェネートとホウ酸または無水ホウ酸等のホウ酸化合物
を反応させることによって製造される、いわゆるホウ酸
塩過塩基性(超塩基性)フェネート;およびこれらの混
合物等が挙げられる。
【0068】(F−3)サリシレートとしては、具体的
には例えば、炭素数4〜20のアルキル基を1〜2個有
するアルキルサリチル酸を、元素イオウの存在下または
不存在下で、アルカリ金属、アルカリ土類金属、亜鉛ま
たは鉛の塩基(酸化物や水酸化物)と反応させることに
より得られる中性サリシレート;中性サリシレートと、
過剰のアルカリ金属、アルカリ土類金属、亜鉛または鉛
の塩や塩基(酸化物や水酸化物)を水の存在下で加熱す
ることにより得られる、いわゆる塩基性サリシレート;
炭酸ガスの存在下で中性サリシレートをアルカリ金属、
アルカリ土類金属、亜鉛または鉛の塩基(酸化物や水酸
化物)と反応させることにより得られる、いわゆる炭酸
塩過塩基性(超塩基性)サリシレート;中性サリシレー
トをアルカリ金属、アルカリ土類金属、亜鉛または鉛の
塩基(酸化物や水酸化物)ならびにホウ酸または無水ホ
ウ酸等のホウ酸化合物と反応させたり、または炭酸塩過
塩基性(超塩基性)金属サリシレートとホウ酸または無
水ホウ酸等のホウ酸化合物を反応させることによって製
造される、いわゆるホウ酸塩過塩基性(超塩基性)サリ
シレート;およびこれらの混合物等が挙げられる。
【0069】(F)成分の具体的な化合物としては、例
えば、カルシウムスルホネート、マグネシウムスルホネ
ート、炭酸カルシウム含有過塩基性カルシウムフェネー
ト、炭酸カルシウム含有過塩基性カルシウムサリシレー
ト、およびこれらの混合物が挙げられる。
【0070】(F)成分の全塩基価は任意であるが、通
常、(F)成分としては、全塩基価が、好ましくは0〜
500mgKOH/g、より好ましくは0〜450mg
KOH/gのものが用いられる。なお、本発明でいう全
塩基価とは、JIS K 2501−1992「石油製
品及び潤滑油−中和試験方法」に準拠して測定される塩
酸法による全塩基価を意味している。(F)成分として
は上記したような化合物の中から選ばれる1種のみを用
いてもよく、また2種以上の混合物を用いてもよい。
【0071】本発明の潤滑油組成物にこれら(F)成分
を配合する場合、(F)成分の含有量は任意であるが、
通常、組成物全量基準で、20質量%以下となるような
量を配合することが好ましい。
【0072】本発明のすべり案内面用潤滑油組成物は、
さらに必要に応じてその優れた性質を高めるために、そ
の他の各種添加剤を配合した形でも用いられる。この様
な添加剤としては、ジ−tert−ブチル−p−クレゾ
ール、ビスフェノールA等のフェノール系化合物、フェ
ニル−α−ナフチルアミン、N,N’−ジ(2−ナフチ
ル)−p−フェニレンジアミン等のアミン系化合物等の
酸化防止剤;ベンゾトリアゾールやアルキルチアジアゾ
ール等の金属不活性化剤;シリコーン油、フルオロシリ
コン油等の消泡剤;エチレンオキサイド、プロピレンオ
キサイドの縮合生成物等の抗乳化剤;ポリメタクリレー
ト等の流動点降下剤;ポリメタクリレート、ポリブテ
ン、ポリアルキルスチレン、オレフィンコポリマー、ス
チレン−ジエンコポリマー、スチレン−無水マレイン酸
コポリマー等の粘度指数向上剤などが挙げられる。
【0073】本発明のすべり案内面用潤滑油組成物に、
これら添加剤を配合する場合は、それぞれ単独で使用し
ても良く、また2種類以上組み合わせて使用してもよ
い。これら公知の添加剤を配合する場合の添加量は任意
であるが、通常、これら公知の添加剤の合計量が組成物
全量基準で20質量%以下となるような量を添加するの
が好ましい。
【0074】
【実施例】以下、実施例および比較例により本発明の内
容をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施
例に何ら限定されるものではない。
【0075】実施例1〜5および比較例1〜5 表1に示す組成により本発明に係るすべり案内面用潤滑
油組成物を調整した(実施例1〜5)。また、表2に示
す組成により比較のための組成物を調整した(比較例1
〜5)。表中、各成分の配合量単位は質量%である。こ
れらの組成物に対して、以下に示す方法により摩擦係
数、スティックスリップ防止性、水溶性切削液分離性を
評価した。結果もそれぞれ表1および表2に示す。
【0076】実施例および比較例で用いた各成分は以下
のとおりである。
【0077】基油 基1:パラフィン系高度溶剤精製鉱油(65.5mm2
/s(@40℃))(A)成分 A1:オレイルアシッドホスフェート A2:2−エチルヘキシルアシッドホスフェート A3:トリクレジルホスフェート(B)成分 B1:硫化エステル(硫黄含有率:11.4質量%) B2:硫化ラード(硫黄含有率:11.0質量%)(C)成分 C1:オレイルアミン C2:オレイン酸(D)成分 D1:直鎖状オクチルアミン(E)成分 E1:直鎖状オクタン酸(F)成分 F1:カルシウムスルホネート (重量平均分子量450の石油スルホン酸カルシウム
塩、全塩基価(塩酸法)0mgKOH/g、カルシウム
含有量2.0質量%)
【0078】摩擦係数測定試験 摩擦係数を以下の方法により測定した。図1に摩擦係数
測定システムの概要図を示す。旋盤のテーブル1上に、
加工工具の代りに重鎮9を面圧200kPaとなるよう
に置き、ベッド6上に潤滑油組成物を滴下し、テーブル
1をA/Cサーボモータ2、送りネジ3、軸受部分を有
する可動治具4を用いて、送り速度1.2mm/mi
n、送り長さ15mm往復で運動させ、可動治具4とテ
ーブル1の間の荷重をロードセル5(荷重計)により測
定することにより、案内面(テーブル1/ベッド6=鋳
鉄/鋳鉄)の摩擦係数を測定した。なお、摩擦係数の測
定は、ならし運転を3回行った後に行った。図1中、7
はコンピュータを、8は制御盤をそれぞれ示す。
【0079】スティックスリップ防止性:往復運動摩擦
試験 スティックスリップ防止性の評価装置としては、プリン
ト アンド パートナーズ(PLINT & PART
NERS)社製TE−77試験機を用いた。図2に本試
験機の概要を示す。図2中、10は弾性体を、11は上
部試験片を、12は下部試験片を、13は荷重検出器を
それぞれ示す。
【0080】スティックスリップ防止性の評価方法とし
ては、文献(トライボロジー学会トライボロジー会議予
稿集 東京 1999−5 D17)に示されている方
法を参考に、試験片および条件をすべり案内面用潤滑油
評価用に改良し、摩擦係数の振幅Δμを測定することで
評価した。測定例を図3に示した。
【0081】試験条件は平均すべり速度0.3mm/
s、荷重150Nおよび250N、試験片には上部と下
部のいずれもJIS G 4051 S45Cを、弾性
体10にはクロロプレンゴムをそれぞれ用いた。上部試
験片11と下部試験片12との間に、潤滑油組成物を適
用して試験を行なった。
【0082】なお、振幅Δμが0.02以下の場合「ス
ティックスリップなし」、振幅△μが0.03以上の場
合「スティックスリップ有り」として表中に記載した。
【0083】水溶性切削液分離性:水溶性切削液分離試
潤滑油組成物20mLと水溶性切削液80mLを、10
0mL栓付きメスシリンダに採取し、組成物と水溶性切
削液が入ったメスシリンダを室温で1分間振とう後、
0.5時間、1時間、3時間、6時間および24時間経
過したときの各分離状況を観察した。水溶性切削液とし
ては、エマルション型切削液:日石三菱(株)製(JI
S K 2241「切削油剤」のW1種1号相当
品、希釈率10倍)を用いた。
【0084】分離状況の判定は以下のようにして行っ
た。 [分離状況の判定]分離状況の観察において、各分離層
の呼称を図4のように定め、各層の体積(mL)を測定
し、分離性についてはクリーム層の体積で評価した。図
4中、14は栓を、15はメスシリンダを、16は泡層
(F層)を、17は油層(O層)を、18はクリーム層
(C層)を、19は乳化層(E層)をそれぞれ示す。
【0085】
【表1】
【0086】
【表2】
【0087】表1および表2から、本発明のすべり案内
面用潤滑油組成物(実施例1〜5)は、(A)〜(E)
成分のいずれかを欠く比較例1〜5の組成物に比較して
摩擦係数が低く、またΔμが小さいことからスティック
スリップ防止性にも優れ、さらに水溶性切削液分離試験
後のクリーム層の体積が小さく、水溶性切削液との分離
性に大きく優れるという良好な性能を兼ね備えているこ
とがわかる。
【0088】
【発明の効果】本発明のすべり案内面用潤滑油組成物
は、低摩擦で省エネルギーであるばかりでなく、スティ
ックスリップ防止性や水溶性切削液分離性にも優れてい
るため、これを使用すれば部品加工費の削減、加工精度
向上および作業者の労力低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 摩擦係数測定システムの概要図である。
【図2】 スティックスリップ防止性評価試験機の概要
図である。
【図3】 摩擦係数の振幅Δμの測定を示すグラフの一
例である。
【図4】 メスシリンダ中の各分離層の断面図である。
【符号の説明】
1:テーブル、2:A/Cサーボモータ、3:送りネ
ジ、4:可動治具、5:ロードセル、6:ベッド、7:
コンピュータ、8:制御盤、9:重鎮、10:弾性体、
11:上部試験片、12:下部試験片、13:荷重検出
器、14:栓、15:メスシリンダ、16:泡層、1
7:油層、18:クリーム層、19:乳化層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C10M 133/06 C10M 133/06 135/04 135/04 135/06 135/06 135/18 135/18 135/20 135/20 135/26 135/26 135/36 135/36 137/02 137/02 137/04 137/04 137/10 137/10 Z // C10N 30:00 C10N 30:00 Z 40:02 40:02 Fターム(参考) 4H104 BB16 BB17 BE02 BE03 BG02 BG04 BG10 BG11 BG14 BH02 BH03 BH06 DA02 DA06 EB02 LA20 PA01

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉱油、油脂および合成油の中から選ばれ
    る少なくとも1種を基油とし、(A)リン化合物、
    (B)硫黄化合物、(C)炭素数12〜24のモノアミ
    ンおよび/または炭素数12〜24の脂肪酸、(D)炭
    素数6〜11のモノアミン、および(E)炭素数6〜1
    1の脂肪酸、を含有するすべり案内面用潤滑油組成物。
JP2001104973A 2001-04-03 2001-04-03 すべり案内面用潤滑油組成物 Pending JP2002302689A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001104973A JP2002302689A (ja) 2001-04-03 2001-04-03 すべり案内面用潤滑油組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001104973A JP2002302689A (ja) 2001-04-03 2001-04-03 すべり案内面用潤滑油組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002302689A true JP2002302689A (ja) 2002-10-18

Family

ID=18957751

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001104973A Pending JP2002302689A (ja) 2001-04-03 2001-04-03 すべり案内面用潤滑油組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002302689A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005187646A (ja) * 2003-12-25 2005-07-14 Nippon Oil Corp 潤滑油組成物
JP2008280536A (ja) * 2007-05-09 2008-11-20 Afton Chemical Corp 少なくとも1種の摩擦改良用化合物を含有して成る組成物およびそれの使用方法
WO2009119332A1 (ja) * 2008-03-27 2009-10-01 新日本石油株式会社 潤滑油組成物
JP2010209289A (ja) * 2009-03-12 2010-09-24 Jx Nippon Oil & Energy Corp 潤滑油組成物

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005187646A (ja) * 2003-12-25 2005-07-14 Nippon Oil Corp 潤滑油組成物
JP4524102B2 (ja) * 2003-12-25 2010-08-11 新日本石油株式会社 潤滑油組成物
JP2008280536A (ja) * 2007-05-09 2008-11-20 Afton Chemical Corp 少なくとも1種の摩擦改良用化合物を含有して成る組成物およびそれの使用方法
WO2009119332A1 (ja) * 2008-03-27 2009-10-01 新日本石油株式会社 潤滑油組成物
CN101981170A (zh) * 2008-03-27 2011-02-23 吉坤日矿日石能源株式会社 润滑油组合物
CN101981170B (zh) * 2008-03-27 2014-03-12 吉坤日矿日石能源株式会社 润滑油组合物
US9163195B2 (en) 2008-03-27 2015-10-20 Jx Nippon Oil & Energy Corporation Lubricant composition
JP2010209289A (ja) * 2009-03-12 2010-09-24 Jx Nippon Oil & Energy Corp 潤滑油組成物

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4201902B2 (ja) 潤滑性組成物
KR101753932B1 (ko) 내연기관용 윤활유 조성물
JP4969077B2 (ja) マニュアルトランスミッションまたはオートメーテッドマニュアルトランスミッション用の潤滑剤
US6172013B1 (en) Lubricating oil composition comprising trinuclear molybdenum compound and diester
JP2008179669A (ja) 潤滑油組成物
JP2008163115A (ja) 金属加工油組成物
JP2004231654A (ja) 硫化ポリイソブチレンベースの摩耗・酸化防止剤
CN103502403A (zh) 二烷基二硫代氨基甲酸钼组合物及含有该组合物的润滑组合物
WO2014017182A1 (ja) 潤滑油組成物および銅および鉛の溶出を抑制した摺動材料の潤滑方法
WO2005063947A1 (ja) 金属加工用油剤
JP5462993B2 (ja) 金属加工油組成物
CN103502405A (zh) 二硫代氨基甲酸锌润滑油添加剂
JP2018503728A (ja) 潤滑グリース組成物
JP5046605B2 (ja) 潤滑油組成物
JP5473240B2 (ja) 潤滑油組成物
JP4300021B2 (ja) すべり案内面用潤滑油組成物
JPWO2009004893A1 (ja) 潤滑油添加剤および潤滑油組成物
JP2002302689A (ja) すべり案内面用潤滑油組成物
JP4856451B2 (ja) 潤滑油組成物
JP6509322B2 (ja) 最終減速機用潤滑油組成物
JP2007262343A (ja) グリース組成物
JP2001262173A (ja) 潤滑性組成物
WO2020131603A1 (en) Lubricating composition comprising a sulfur-containing carboxylic acid or ester additive
JP2004149708A (ja) 焼結含油軸受油組成物及び焼結含油軸受ユニット
JP2007262344A (ja) グリース組成物