JP2002301763A - 二軸延伸ポリエステルフィルムの製造方法 - Google Patents

二軸延伸ポリエステルフィルムの製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】幅方向に延伸する際、ボーイング現象を抑制せ
しめて幅方向に物性の均一な二軸延伸ポリエステルフィ
ルムを得ることができる効果的な幅方向延伸にかかわる
製造方法を提供する。 【解決手段】実質的に無配向のポリエステルフィルムを
長手方向延伸し、ついで幅方向に延伸して得られる二軸
延伸ポリエステルフィルムを製造する方法において、幅
方向に延伸する際、フィルム幅方向にかかる熱風の風量
を幅方向で変化させ、フィルム温度をフィルム幅方向で
端部を中央部より高い温度にして延伸することを特徴と
する二軸延伸ポリエステルフィルムの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は均一な二軸延伸熱可
塑性フィルムな製造方法に係わる。さらに詳しくは、横
延伸装置によって幅方向延伸、熱固定される際に生じる
ボーイング現象を抑制し、幅方向に均一な性質を有する
二軸延伸ポリエステルフィルムの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエステルフィルム、特に二軸延伸さ
れたポリエステルフィルムは、機械的強度や熱寸法安定
性などが優れていることから磁気記録用の基材、電子・
電気材料、各種包装材料などに広く使用されており、フ
ィルムの幅方向のどの部分でも同じ物性値である事が望
ましい。
【0003】しかし、従来の製造方法では製品フィルム
の幅方向の物性を均一にすることは極めて困難であっ
た。この理由は、延伸工程の横延伸装置内においてフィ
ルムの両端はクリップに把持されていて、幅方向延伸に
よって生じる長手方向の延伸応力と熱によって生じる収
縮応力、そして、熱固定工程によって発生する収縮応力
は、フィルムの端部においては把持手段であるクリップ
によって拘束されているに対し、フィルムの中央部は把
持手段の影響が低く拘束力が弱くなり、上記の応力の影
響によってクリップで把持されている端部に対してフィ
ルムの中央部分は遅れが生じるためである。
【0004】そして、幅方向延伸と熱固定を連続に同一
の横延伸装置で行う場合において、横延伸装置に入る前
のフィルムの面上に幅方向に沿って直線を描いておく
と、この直線は横延伸装置内で変形してフイルムの進行
方向に対して延伸工程の始めの領域で凸型に変形し、延
伸工程の終わり直前の領域で直線に戻り、延伸工程終了
後には凹型に変形する。さらに熱固定工程の領域で凹形
の変形は最大値に達し、このまま曲線は変化しないでそ
の後の横延伸装置を通過し、横延伸装置を出たフィルム
には凹形の変形が残る。この現象はボーイング現象と称
されているものであるが、このボーイング現象はフィル
ムの物性値を幅方向に不均一にする原因となっている。
ボーイング現象によって、幅方向両端部のフィルムには
長手方向に対して傾斜した配向主軸が生じ、その配向主
軸の角度は幅方向で異なる傾向がある。
【0005】この結果、例えば熱収縮率の縦方向から±
45°方向の物性値の差がフィルムの幅方向で異なって
くる。このボーイング現象は、包装用途を一例とする
と、印刷ラミネート加工、製袋工程等において印刷ピッ
チずれ、斑の発生、カーリング、蛇行などのトラブルの
原因になっている。さらに詳しく述べると、幅方向延伸
と熱固定間に冷却工程を設ける従来技術としては、特公
昭35−11774号公報には幅方向延伸と熱固定工程
の間に20℃〜150℃の弛緩工程を介在させ、実質冷
却工程を設けた製造方法が提案されている。しかし、こ
の冷却工程の長さについては全く記載されていないばか
りか、ボーイング現象の抑制の効果も全く不明である。
【0006】さらに、ボーイング現象を抑制ないし解消
する技術として、特開昭50−73978号公報には延
伸工程と熱固定工程との間にニップロール群を設置する
フィルムの製造方法が提案されている。しかし、この技
術ではニップロールを設置する中間帯の温度がガラス転
移点以上なので、ニップ点でのフイルムの剛性が低いた
め改良効果が少ない。
【0007】また、特公昭63−24459号公報には
横延伸完了後のフイルムの両端部を把持しながら中央付
近の狭い範囲のみをニップロールによって強制的な前進
をもたらす工程が提案されている。しかし、この技術で
はニップロールを横延伸装置内の高温領域に設置する必
要があり、ロール及びその周辺装置を冷却する必要があ
り、またフィルムが高温であるためロールによる傷が発
生するおそれあり、実用面で制約される。
【0008】また、特公昭62−43856号公報に
は、横延伸直後のフイルムをガラス転移点以下に冷却し
た後、多段に熱固定を行ない熱固定と同時に幅方向に伸
張する技術が提案されている。しかし、この技術では冷
却工程でボーイング現象の抑制が少ないためか、又は熱
固定でボーイング現象が再発生しやすいためか冷却工程
に加えて多段に熱固定する工程と再延伸との複雑な工程
となっている。そのため横延伸装置内の雰囲気湿度やフ
ィルム温度を長時間にわたり安定して制御することが困
難ではないかと懸念される。また、この技術も特公昭3
5−11774号公報と同様に冷却工程の長さなどは記
載されていない。
【0009】また、特開平1−165423号公報には
幅方向延伸後のフィルムを幅方向延伸温度以下に冷却し
た後、多段に昇温しながら幅方向に再度伸張する技術が
提案されている。しかし、この技術では、特公昭62−
43856号公報の場合と同様に冷却工程でのボーイン
グ現象の抑制効果が少ないためか、また、熱固定工程で
ボーイングが発生しやすいためか、冷却工程に加えて多
段に熱固定する工程と再延伸する工程との複雑な工程と
なっている。そのため横延伸装置内の雰囲気温度やフィ
ルム温度を長時間にわたり安定して制御することが困難
ではないかと懸念される。また、冷却温度はガラス転移
点以上延伸温度以下が好ましいとの記載がある。しか
し、この程度の冷却工程の長さや冷却工程の温度がガラ
ス転移点以上では、ボーイング現象の抑制効果が少ない
ことが危惧され、上記のような複雑な工程を採用せざる
を得なかったと推測される。
【0010】また、特公平1−25694号公報、特公
平1−25696号公報には、フィルムの走行方向を逆
転させて横延伸、熱固定をする技術が提案されている。
しかし、この技術ではフィルムの走行方向を逆転させる
のにフィルムを一旦巻き取る必要があり、オンラインで
の製造方法であるため生産性の面で制約を受けるなどの
問題点がある。
【0011】さらに、特開昭32−183327号公報
には縦延伸後、横延伸装置で横延伸、熱固定する際に、
横延伸工程と熱固定工程との間に側端部分のみガラス転
移点以上熱固定温度以下の温度の予熱工程を設置する技
術が提案されている。しかし、この技術では、予熱工程
の温度を幅方向に温度勾配を持たせながら制御しなけれ
ばならないため、フィルム温度を長時間にわたり制御す
ることが困難ではないかと懸念される。なお、この技術
の実施例ではこの予熱工程の長さがフイルム幅の半分と
短いことからボーイング現象の抑制の効果が少ないと推
測される。
【0012】また、特公平2−45976号公報には、
熱固定工程を2段階に分けて、第2段階目でフイルム幅
方向に温度分布を付与する熱処理方法が提案されてい
る。しかし、この技術では熱処理工程で発現するボーイ
ング現象の抑制に効果があるものの、延伸工程で発現す
るボーイング現象の抑制効果がなく、最終的に得られる
ボーイング現象の抑制効果が少ないことが推測される。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】かかる課題に対し、ボ
ーイング現象を抑制せしめて幅方向に物性の均一なポリ
エステルフイルムを得ることができる効果的な幅方向延
伸にかかわる製造方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、横延伸装
置内におけるボーイング線の変化を観察し、種々の研究
からボーイング現象の発生過程を解明し、このボーイン
グ現象を抑制する手段を検討して本発明に到達した。す
なわち本発明の二軸延伸ポリエステルフィルムの製造方
法は、実質的に無配向のポリエステルフィルムを長手方
向に延伸し、ついで幅方向に延伸する二軸延伸ポリエス
テルフィルムを製造する方法であって、幅方向に延伸す
る際、フィルムを熱風で加熱し、さらにフィルムにかか
る熱風の風量を幅方向で変化させることを特徴とする。
この場合において、幅方向に延伸する際、フィルム温度
をフィルム幅方向に変化させて延伸することが好適であ
る。またこの場合において、幅方向に延伸する際、フィ
ルム幅方向のフィルム端部の温度をフィルム中央部より
1℃〜30℃高くして幅方向に延伸することが好適であ
る。この場合において、フィルム幅方向に全幅加熱する
ことができ、かつ、中央より端部の方ががスリット幅が
1.1倍〜5.0倍大きい、スリット状の熱風を出す装
置を用いて加熱することが好適である。さらにまた、こ
の場合において、フィルム幅方向に全幅加熱することが
でき、かつ、中央より端部の方が熱風を出す穴の総面積
が1.1倍〜5.0倍大きい、多孔穴状の熱風を出す装
置を用いて加熱することが好適である。さらにまた、こ
の場合において、フィルム幅方向に全幅加熱することが
できるスリット状 または多孔穴状の熱風を出す装置の
中央部に遮蔽板を設置して加熱することが好適である。
さらにまた、この場合において、幅方向に延伸直後、幅
方向にフィルム温度を測定する事ができる非接触赤外線
式の放射温度計が設置され、自動的に幅方向フィルム温
度差を設けるように熱風の出力が変化する設備を有する
ことが好適である。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0016】本発明に使用されるポリエステルとは、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレー
ト、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル類で
あり、これらの混合物あるいは共重合ポリエステルでも
構わない。該ポリエステルは、上記ポリエステル以外に
本発明の効果を損なわない範囲で、有機もしくは無機の
滑剤、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止
剤などの添加物を含むポリエステル組成物を用いること
ができる。
【0017】本発明におけるポリエステルを押出機に代
表される周知の溶融押出装置に供給し、該ポリエステル
の軟化点以上の温度で加熱溶融する。溶融した該組成物
は、Tダイなどのスリット状ダイから押し出し、冷却ロ
ール上に密着せしめ冷却固化し、実質的に無配向のポリ
エステルフイルムを得る。
【0018】前記実質的に無配向のポリエステルフイル
ムを複数のロール間に供給することにより、連続的に長
手方向に延伸した一軸延伸フイルムを得る。すなわち
低周速回転に設定した複数のロール(以下、ロール群と
いう)と高周速回転に設定したロール群を通過させるこ
とにより、各ロール群の速度差によってフィルムに張力
を与えて長手方向に延伸する。長手方向に延伸して得ら
れた一軸延伸フィルムを予熱、延伸、熱固定、冷却工程
からなる横延伸装置を用いて幅方向に延伸し,フィルム
ワインダー等でによって巻き取られることは公知であ
る。
【0019】本発明では、製膜・延伸条件として、この
ような樹脂の溶融・押出し条件、キャスティング条件、
長手方向延伸条件、幅方向延伸条件、熱固定条件、巻き
条件等を適宣選択できる。また本発明では、幅方向延
伸、冷却、熱固定工程が連接している場合や、上記工程
間に長手方向あるいは幅方向あるいは長手/幅両方向の
再延伸工程 及び弛緩 または定長熱処理工程が含まれる
場合は当然含まれる。さらに、長手方向へ延伸後幅方向
に延伸する製造方法以外の延伸方式も本発明に含まれ
る。例えば、長手方向に延伸後 幅方向に延伸してフイ
ルムを更に再長手方向に延伸する方式、長手方向の多段
延伸方式、などその要旨を越えない限り上記に限定され
るものではない。
【0020】本発明の特徴である二軸延伸ポリエステル
フィルムの幅方向延伸方法を詳細に説明する。
【0021】本願発明では、長手方向に延伸された一軸
延伸ポリエステルフィルムを横延伸装置を用いて幅方向
に延伸する際、フィルムを熱風で加熱し、さらにフィル
ムにかかる熱風の風量を幅方向で変化させることが必要
である。
【0022】このとき、幅方向延伸工程でフィルムの幅
方向に温度分布を付与するのが好ましい。
【0023】長手方向に延伸された一軸延伸ポリエステ
ルフィルムを横延伸装置を用いて幅方向に延伸する際、
横延伸装置のフイルム温度は、フィルムの幅方向中央部
でガラス転移温度〜融点未満の温度、好ましくは110
℃〜180℃であり、さらに好ましくは、140℃〜1
60℃である。さらに、フィルムの幅方向両端部は、中
央部に比べ1℃以上30℃以下の温度差分熱風の風量が
多くなるようにするのが好ましい。
【0024】フィルム温度を中央部より高温にするフィ
ルム両端部割合は、フィルム全幅に対して5%以上30
%以下が好ましい。フィルムの幅方向中央部の温度がガ
ラス転移温度未満の低温では、幅方向延伸性が悪く破断
が多発し、かつ、幅方向延伸に起因する幅方向の厚み斑
が増大し好ましくなく、また、フィルムの幅方向中央部
の温度が融点近傍以上の高温では、厚み斑が増加し好ま
しくない。また、フィルムの幅方向両端部の温度差を中
央部に比べ1℃未満にすると、本発明によるフィルム幅
方向の物性差を均一化する効果が低減し好ましくなく、
フィルムの幅方向両端部の温度差が中央部に比べ30℃
を越えるとフィルム幅方向両端部の熱結晶化が進行し破
断が多発し、かつ、横方向の厚み斑が増大し好ましくな
い。また、フィルム温度を中央部より高温にするフィル
ム両端部のフィルム全幅に対する割合が5%未満では、
本発明による、フィルム幅方向の物性差を均一化する効
果が低減し、かつ 幅方向延伸による変化がクリップの
極近傍に極度に集中するため破断が多発し好ましくな
く、フィルム温度を中央部より高温にするフィルム両端
部のフィルム全幅に対する割合が30%を越えると、フ
ィルム幅方向の物性差が均一化される幅方向の割合が低
減し好ましくない。
【0025】フィルムを熱風で加熱し、さらにフィルム
にかかる熱風の風量を幅方向で変化させる方法として
は、フィルム幅方向に全幅加熱することができるスリッ
ト状の熱風を出す装置の中央より端部のスリット幅を
1.1倍〜2.5倍に広げる方法、フィルム幅方向に全
幅加熱する事ができる多孔穴状の熱風を出す装置の中央
より端部の熱風を出す穴の総面積が1.1倍〜2.5倍
になるよう穴をあける方法、フィルム幅方向に全幅加熱
する事ができるスリット状または多孔穴状の熱風を出す
装置の中央部に遮蔽板を設置する方法が好ましい。
【0026】幅方向延伸倍率は、2.5倍以上である。
幅方向延伸倍率が2.5倍未満では、横方向の強度が低
くなり、かつ、幅方向延伸に起因する横方向の厚み斑が
増大し好ましくない。より好ましくは3.0倍以上であ
る。
【0027】また、上記加熱方法によるフイルム幅方向
の温度の制御は、テンター内にフィルム幅方向またはフ
ィルム流れ方向に対し仕切り板を設けることでより精度
の高い制御が可能となる。また、上記加熱方法によって
加熱されたフィルムを計測するには、赤外線放射温度計
を用いて測定する方法、熱電対を横延伸装置内でフィル
ムに接触させながら測定する方法等を選択することで行
うことが出来る。
【0028】
【作用】本発明によれば、ポリエステルフィルムを幅方
向に延伸する際、横方向延伸装置内で幅方向フィルム端
部の温度を中央部より高温にすることで、フィルム端部
の幅方向延伸応力を強制的に減少させる事により、本来
長手方向一軸延伸後の長手方向一軸延伸フィルムで生
じていた幅方向の中央部と端部の物性差を小さくし 均
一に幅方向に延伸することによって、幅方向延伸過程に
発生するボーイングを抑制することが出来る。
【0029】
【実施例】次に 本発明を実施例によって具体的に説明
する。なお、実施例及び比較例の評価に用いた測定方法
は次の通りである。
【0030】1.ボーイング 本発明の効果確認のためボーイングを評価した。ボーイ
ングは、横延伸装置に入る前の長手方向一軸延伸フィル
ムの表面に幅方向に直線を描き、最終的に得られた弓形
の状況を、 B=b/W×100 (%) ここで、B=ボーイング(%) W=フィルム幅(mm) b=ボーイング線の最大凹量(mm) によって算出した。
【0031】2.厚みムラ 本発明の効果確認のため厚み斑を評価した。厚み斑は、
二軸延伸ポリエステルフィルムを長手方向、幅方向にそ
れぞれ2m×5cmの短冊状に切断し、安立電機(株)
製厚さ計K306Cを用い厚み形状を測定し、下記式に
より1m当たりの厚み斑を算出し、これを5回繰り返し
て平均値を厚み斑とした。 厚み斑(%)=(最大厚み−最小厚み)/平均厚み×1
00
【0032】3.熱収縮率 フィルムの中央部、及び 中央から両側にそれぞれ幅方
向に45%(フィルムの全幅を100%として) 離れた
位置のフィルムを,23℃×65%RHの雰囲気中で、
幅方向に15mm、長さ方向に200mmの寸法にカット
し、標線間の寸法(L 0)を読取顕微鏡によって正確に
測定した後、150℃のオーブン内30分間入れ、オー
ブンからフィルムを出した後、23℃×65%RHの雰
囲気中に15分以上 放置して平衡に達してから前期標
線間の寸法(L1)を測定し、次式より求めた。 熱収縮率(%)= [(L0−L1)/L0] × 100
【0033】4.熱収縮率の斜め差 フィルムの中央部、及び端部すなわち中央から両側にそ
れぞれ幅方向に45%(フィルムの全幅を100%とし
て) 離れた位置のフイルムについてフィルム幅方向に対
して斜め45°と135°方向の熱収縮率を測定し、そ
の差を求めた。測定サンプルは上記斜め方向に沿って幅
15mm×長さ200mmの寸法にカットし、150℃のオ
ーブン内に30分間入れ、オーブンからフィルムを出し
た後、23℃×65%RHの雰囲気中に15分以上放置し
てから寸法を測定し、処理前の寸法に対する収縮率を求
めた。各斜め方向の収縮率の差の絶対値を熱収縮率の斜
め差とした。熱収縮率の斜め差が大きいフィルムほど高
温に晒された時にカールしやすいなどの不具合が生じ
る。
【0034】5.熱収縮応力 フィルムの中央部、及び端部すなわち中央から両側にそ
れぞれ幅方向に45%(フィルムの全幅を100%として) 離れ
た位置の幅方向延伸直後フィルムを、23℃×65%RHの雰
囲気中で,幅方向に4mm,長手方向に10mmの寸法にカッ
トし、厚みT(mm)を測定した。それをセイコー電子工業
(株) SSC-5200型を用いて長さを固定したまま 5℃/分
で昇温して熱収縮力 G(N)を測定し、次式より熱収縮応
力を求めた。 熱収縮応力(N/mm2)= G/(4×T)
【0035】製膜状況は、2時間、同一条件で二軸延伸
し、破断回数を調べた。
【0036】(実施例1)十分に乾燥した無機滑剤を
0.1重量%含むポリエチレンテレフタレートペレット
(極限粘度0.62)を押し出し機に供給し、285℃で
溶融し、Tダイよりフィルム状に押し出し、直流高電圧
を印加した電極を用いて冷却ロールに静電密着させ冷却
固化せしめて厚さ200μmの無配向フィルムを得た。
横延伸工程でフィルムをクリップに把持しやすいように
するため、この無配向フィルムの端部の厚さは中央部の
厚さの1.5倍にした。無配向フィルムを長手方向に7
5℃で3.8倍に延伸し、その後 横延伸装置によって
幅方向に4.0倍延伸し、熱固定および5%の幅方向弛
緩処理を施した後に冷却し二軸延伸ポリエステルフィル
ムとした。横延伸装置内における温度は、予熱温度を熱
風吹き付けによりフイルム全幅で100℃、延伸温度を
熱風吹き付けによりフイルム中央部で140℃、また幅
方向にスリット状から熱風を吹き出す装置の中央に遮蔽
率80%の遮蔽板を設置。フィルム幅方向中央部と端部
で5℃の温度差がつくようにした。幅方向延伸後のフィ
ルム幅方向温度は横延伸工程後、赤外線放射温度計を用
いて測定した。熱固定温度は、熱風吹き付けによりフイ
ルム全幅で235℃とした。また この横延伸装置は幅
方向延伸と熱固定の間に中間ゾーンが設置されている。
そこにフィルムを巻き取るロールが設置されてあり、そ
こで幅方向延伸直後のフィルムを採取することができ
る。またここでの幅方向フィルム端部とは、全幅に対し
て20%の幅を左右両クリップより中央部に均等に分割
した幅を示す。つまりフィルム幅方向中央位置に60%
遮蔽した事になる。その後、通常のようにしてフィルム
を巻き取った。
【0037】(実施例2)横延伸装置内で幅方向延伸温
度を150℃とする以外は実施例1と同様にして二軸延
伸ポリエステルフィルムを得た。
【0038】(実施例3)横延伸装置内で幅方向延伸温
度を150℃とし、幅方向にスリット状から熱風を吹き
出す装置の中央に遮蔽率100%の遮蔽板を設置。フィ
ルム幅方向中央部と端部で7℃の温度差がつくようにし
た以外は実施例1と同様にして二軸延伸ポリエステルフ
ィルムを得た。
【0039】(実施例4)横延伸装置内で幅方向に遮蔽
する位置を、フィルム幅方向全幅の中央位置20%とす
る以外は実施例1と同様にして二軸延伸ポリエステルフ
ィルムを得た。
【0040】(比較例1)横延伸装置内の幅方向にフィ
ルムを延伸する際、中央に遮蔽板を使用せずに幅方向で
温度差を設けない以外は実施例1と同様にして2軸配向
ポリエステルフィルムを得た。
【0041】実施例と比較例における製膜条件とフィル
ム評価結果を表1に示す。
【0042】
【表1】
【0043】
【発明の効果】本発明によれば、幅方向延伸でのボーイ
ング現象が抑制し、熱収縮率の斜め差が小さく、厚み斑
も小さな二軸延伸ポリエステルフィルムを破断の少ない
状態で製造できることがわかる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 濱野 明人 愛知県犬山市木津字前畑344番地 東洋紡 績株式会社犬山工場内 Fターム(参考) 4F210 AA24 AG01 AP05 AR06 QC06 QD32 QG01 QL17

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 実質的に無配向のポリエステルフィルム
    を長手方向に延伸し、ついで幅方向に延伸する二軸延伸
    ポリエステルフィルムを製造する方法であって、幅方向
    に延伸する際、フィルムを熱風で加熱し、さらにフィル
    ムにかかる熱風の風量を幅方向で変化させることを特徴
    とする二軸延伸ポリエステルフィルムの製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1項記載の二軸延伸ポリエステル
    フィルムの製造方法であって、幅方向に延伸する際、フ
    ィルム温度をフィルム幅方向に変化させて延伸すること
    を特徴とする二軸延伸ポリエステルフィルムの製造方
    法。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の二軸延伸ポリエステルフ
    ィルムの製造方法であって、幅方向に延伸する際、フィ
    ルム幅方向のフィルム端部の温度をフィルム中央部より
    1℃〜30℃高くして幅方向に延伸することを特徴とす
    る二軸延伸ポリエステルフィルムの製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1、2、3のいずれかに記載の二
    軸延伸ポリエステルフィルムの製造方法であって、フィ
    ルム幅方向に全幅加熱することができ、かつ、中央より
    端部の方ががスリット幅が1.1倍〜5.0倍大きい、
    スリット状の熱風を出す装置を用いて加熱することを特
    徴とする二軸延伸ポリエステルフィルムの製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1、2、3のいずれかに記載の二
    軸延伸ポリエステルフィルムの製造方法であって、フィ
    ルム幅方向に全幅加熱することができ、かつ、中央より
    端部の方が熱風を出す穴の総面積が1.1倍〜5.0倍
    大きい、多孔穴状の熱風を出す装置を用いて加熱するこ
    とを特徴とする二軸延伸ポリエステルフィルムの製造方
    法。
  6. 【請求項6】 請求項1、2、3のいずれかに記載の二
    軸延伸ポリエステルフィルムの製造方法であって、フィ
    ルム幅方向に全幅加熱することができるスリット状 ま
    たは多孔穴状の熱風を出す装置の中央部に遮蔽板を設置
    し加熱することを特徴とする二軸延伸ポリエステルフィ
    ルムの製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1、2、3、4、5、6のいずれ
    かに記載の二軸延伸ポリエステルフィルムの製造方法で
    あって、幅方向に延伸直後、幅方向にフィルム温度を測
    定する事ができる非接触赤外線式の放射温度計が設置さ
    れ、自動的に幅方向フィルム温度差を設けるように熱風
    の出力が変化する設備を有することを特徴とする二軸延
    伸ポリエステルフィルムの製造方法。
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