JP2002300770A - 電圧変換装置 - Google Patents

電圧変換装置

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JP2002300770A
JP2002300770A JP2001137990A JP2001137990A JP2002300770A JP 2002300770 A JP2002300770 A JP 2002300770A JP 2001137990 A JP2001137990 A JP 2001137990A JP 2001137990 A JP2001137990 A JP 2001137990A JP 2002300770 A JP2002300770 A JP 2002300770A
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winding
inductor
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power supply
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Minoru Nihongi
実 二本木
Isami Norikoshi
勇美 乗越
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NIHONGI DENKI KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】無駄を排除し基本的に機能を安価に実現するこ
とが可能な電圧変換装置を提供する。 【解決手段】2組の巻線を持つ1つのインダクターLの
その巻線n1と直列に整流素子D1、コンデンサーC
1,C2、整流素子D2、巻線n2、負極直流電源、正
極直流電源とに接続された閉ループを持ち、前記コンデ
ンサーC1、C2の接続点を接地して該コンデンサーの
両側から、あるいは又、カスケード接続されたコンデン
サーC1とコンデンサーC2の+側端子と−側端子か
ら、及びその両方を任意に組み合わせた状態で負荷を取
り出すように構成された回路を有し、所定の手段でオン
・オフさせることによりインダクターLに蓄えるエネル
ギーをコントロールして出力電圧を制御するためのスイ
ッチ素子を、インダクターの一方の巻線n1の一端と他
方の巻線n2の同一極性側の一端との間に矯絡するよう
に接続してなることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば昇圧型コン
バータ等のように、インダクターに蓄えるエネルギーを
制御することによって電圧変換を行う電圧変換装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、昇圧型コンバータは、例えば図6
に示すように構成されており、直流入力電圧Vinはイ
ンダクターLと整流素子Dを経由して、コンデンサーC
に印加される。また、出力に対する図示しない負荷はコ
ンデンサーCと並列に接続されており、スイッチ素子が
作動しない定常状態では、出力電圧Voutは直流入力
電圧Vinと等しくなる。したがって、入力電圧Vin
<出力電圧Voutの状態で作動するコンバータである
ことから、昇圧型と称されている。
【0003】この昇圧型コンバータの回路では、初期状
態等の入力電圧Vin>出力電圧Voutの状態の時
に、電源電圧VinとインダクターL、整流素子D及び
コンデンサーCとで閉ループが形成され、入力電源から
コンデンサーCに向かって電流が流れる。この状態は、
出力電圧Voutが入力電圧Vinと等しくなって整流
素子Dにより閉ループが遮断されるまで続き、この時に
はスイッチ素子Qは制御不能となる。
【0004】そして、入力電圧Vin≦出力電圧Vou
tの状態においてスイッチ素子Qがオンすると、電源電
圧VinとインダクターL、整流素子D、コンデンサー
Cとで閉ループが形成され、インダクターLは直流入力
電圧Vinに並列に接続されたことになり、電流が増加
し磁束が増えてエネルギーが蓄積される。この時に出力
側のコンデンサーCは、整流素子Dが逆バイアスになり
遮断されているので、閉ループは1つしか存在しない。
また、必要量のエネルギーを蓄積した後にスイッチ素子
Qをオフさせると、この閉ループが遮断されインダクタ
ーLに印加されていた電圧とは逆向きの電圧を発生し、
直流入力電圧Vinと加算される。この時に整流素子D
は順バイアスとなり、電源電圧Vinとインダクター
L、整流素子D、コンデンサーCとで閉ループが形成さ
れ、コンデンサーC及び負荷側へエネルギーが移送され
る。
【0005】この動作の電圧と電流の関係は、スイッチ
素子Qがオンしている期間をdt1とし、インダクター
Lがエネルギーを放出している期間をdt2とすると、
下記に示す式で表される。すなわち、 蓄積期間 IL=(Vin/L)・dt1 (式1) 放出時間 dt2=(L・IL)/(Vout+Vd−Vin) (式2) 但し、ILはスイッチ素子Qがオフする直前のインダク
ターLの電流ピーク値、LはインダクターLのインダク
タンス値、Vdは整流素子Dの順方向電圧降下である。
【0006】また、昇圧コンバーターとして動作させた
時の入力電圧と出力電圧の関係は、下記に示す式で表さ
れる。すなわち、 出力電圧 Vout=Vin(1+(ton・T)/(toff・T)) (式3) Duty比 D=ton/T=(Vout−Vin)/Vout (式4) 但し、tonはスイッチ素子Qのオン時間、toffは
スイッチ素子Qのオフ時間、Tはスイッチ素子Qがオン
・オフを繰り返す時間である。
【0007】一方、交流電源からなるべく高い電圧の直
流電圧を得る場合等に、+側と−側にそれぞれ半波整流
方式を持ちそれをカスケード接続して、±の直流電圧と
して用いられている。この±電圧をさらに高い電圧に昇
圧して、制御するために電圧変換を行う簡便な方法とし
て、図5に示すように上記昇圧型コンバーターが、+側
と−側にそれぞれに用いられている。この回路の場合、
負荷が+側、−側それぞれに独立性が要求される場合を
除き、主として+側の+端子と−側の−端子とに接続さ
れるような場合には、スイッチ素子Q1、Q2は同じタ
イミングで同じ動作をすれば良く1つの制御回路で動作
させることができる。
【0008】また、この場合、2つの回路が合成される
ので、スイッチ素子Q1、Q2それぞれがそのオン時間
に形成されていた閉ループと、合成されたことによる閉
ループが1つできて、合計3つの閉ループが形成され
る。また、オフ時にも同様に別の3つの閉ループが形成
される。なお、スイッチ素子Q1、Q2の耐圧は、オフ
時に直流入力電圧にインダクターL1、L2で発生する
電圧を加えた電圧が昇圧された出力電圧にクランプされ
る形となるため、出力電圧と同じ値が要求される。ま
た、整流素子D1、D2も遮断時に出力電圧をブロック
するため、出力電圧と同じ値が要求される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図5の
昇圧型コンバーターにおいては、スイッチ素子Q1、Q
2がオン時の閉ループで、2つのインダクターL1、L
2にエネルギーを蓄える機能を果たし、オフ時の閉ルー
プでエネルギーをコンデンサーC1、C2(出力側)に
移送する役目を担うことになるため、機能的に重複した
部品が存在して無駄があり、製品コストをアップさせる
という問題点を有している。そこで、この無駄を省こう
として、従来+側、−側にそれぞれあったスイッチ素子
Q1、Q2を1つにすると、1つで±出力電圧値を加え
た値がスイッチ素子の耐圧として要求され、出力電圧が
高くなると必要な耐圧のスイッチ素子を選択できないと
いう反対効果がある。
【0010】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たもので、その目的は、前記反対効果を押さえながら、
無駄を排除し基本的に機能を安価に実現することが可能
な電圧変換装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成すべ
く、本発明のうち請求項1記載の発明は、2組の巻線を
持つ1つのインダクターLのその巻線n1と直列に整流
素子D1、コンデンサーC1,C2、整流素子D2、巻
線n2、負極直流電源、正極直流電源とに接続された閉
ループを持ち、前記コンデンサーC1、C2の接続点を
接地して該コンデンサーの両側から、あるいは又、カス
ケード接続されたコンデンサーC1とコンデンサーC2
の+側端子と−側端子から、及びその両方を任意に組み
合わせた状態で負荷を取り出すように構成された回路を
有し、所定の手段でオン・オフさせることによりインダ
クターLに蓄えるエネルギーをコントロールして出力電
圧を制御するためのスイッチ素子を、インダクターの一
方の巻線n1の一端と他方の巻線n2の同一極性側の一
端との間に矯絡するように接続してなることを特徴とす
る。
【0012】また、請求項2記載の発明は、2組の巻線
を持つ1つのインダクターLのその巻線n1と直列に整
流素子D1、コンデンサーC、整流素子D2、巻線n2
及び直流電源とに接続された閉ループを持ち、前記コン
デンサーCの両端から負荷を取り出すように構成された
回路を有し、所定の手段でオン・オフさせることにより
インダクターに蓄えるエネルギーをコントロールして出
力電圧を制御するためのスイッチ素子を、インダクター
の一方の巻線n1の一端と他方の巻線n2の同一極性の
一端との間に矯絡するように接続してなることを特徴と
する。また、請求項3記載の発明は、前記スイッチ素子
の矯絡点が巻線同士の同一極性であることを特徴とす
る。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明に係わる電
圧変換装置の一実施例を示す回路図である。図におい
て、電圧変換装置の端子1には、接地された正極性の直
流電源の+側が接続され、端子2には接地点でアースケ
ーブルが接続され、端子3には接地された負極性の直流
電源の−側が接続される。また、端子4には正極性の電
圧が出力され、端子5には負極性の電圧が出力され、こ
の端子4、5に図示しない負荷が接続される。なお、負
荷は、接地されている場合もあり、接地されていない場
合もあり、また正極側と負極側の負荷の容量が異なって
いる場合も含め、全て任意に組み合わせて使用される。
【0014】Lは磁性材料をコアに持つインダクターで
同じ方向に巻かれた2つの巻線n1、n2を有し、その
巻数n1、n2は同じに設定されている。つまり、それ
ぞれの巻線n1,n2がもつインダクタンス値を同じと
し、なおかつ巻線端子の極性を明確に識別できるように
する。そして、1つの巻線n1の巻き始め端子aを端子
1に接続し、巻き終わり端子bを整流素子D1のアノー
ド端子に接続し、電源から負荷までの間の正極ラインに
巻線n1と整流素子D1の直列パスを設ける。
【0015】また、他方の巻線n2は、電源から負荷ま
での間の負極ラインに同様に直列パスを設けるために、
巻き終わり端子cを端子3に、巻き始め端子dを整流素
子D2のカソード端子に接続する。なおここで、便宜上
巻線端子a、b、c、dを巻き始めと巻き終わりで表現
したが、巻線n1、n2それぞれの巻き方向が異なる場
合には表現が異なる。本質的に、巻き始めと巻き終わり
はどちらでも良く、b端子とc端子の極性を合わせるこ
とが必要な条件である。
【0016】Qはスイッチ素子で、例えば半導体スイッ
チと称されるIGBT、MOS−FET、トランジスタ
等が使用され、インダクターLの同極性巻線端子b、c
間に接続され、オンさせることにより、巻線n1に端子
1、3間の電圧を印加して、インダクターLにエネルギ
ーを蓄積する。なお、スイッチ素子Qの接続は、他方の
同極性端子a、d間を選択した場合であっても、他方の
巻線n2に電圧が印加されて同じくエネルギーが蓄積さ
れるのでどちらでもよい。
【0017】D1、D2は整流素子で、例えば半導体整
流器と称されるシリコンダイオード、MOS−FET等
が使用され、昇圧された出力電圧と入力電圧を遮断する
ために設けられ、インダクターLがエネルギー放出時に
巻線n1、n2に発生する電圧が十分に高い時にのみ電
流を通す。
【0018】C1、C2はコンデンサーで、キャパシタ
ーとも称されその種類は問わず目的に合わせて、電解コ
ンデンサー、フィルムコンデンサー、セラミックコンデ
ンサー等が使用され、電流の形で間欠的に送られてくる
エネルギーを一時的に蓄え、電圧源として負荷にエネル
ギーを供給するフィルターの役割を担うために設けられ
る。なお、これらの4点の部品は、接地点を中性点とす
る±電圧を出力するに必要不可欠であり、この点は、従
来と変わるところではない。また、図のP1は、スイッ
チ素子をオン・オフさせるためのドライブ制御回路であ
る。
【0019】この電圧変換装置は次のよう動作する。す
なわち、負荷を除いて、スイッチ素子Qがオンの時に
は、接地点端子2から端子1間の正極性直流入力電源
と、インダクターLの巻線n1と、スイッチ素子Q、及
び端子3から接地端子2間の負極性直流電源とで形成さ
れた1つの閉ループのみが存在し、端子2から接地へル
ープ電流は流れず、端子2への接続は電位の固定のみに
用いられる。
【0020】この時に、インダクターLは、巻線n1が
直流入力電圧Vinと直流入力電圧Vinを加算し
た入力電源に並列に接続されて励磁され巻線n1の電流
が増えて、エネルギーを蓄積する、このエネルギーは従
来の直流入力電圧の片側に接続された時と比べて4倍に
なる。この時に巻線n2はVin+Vinの電圧を
発生し、(d)点の電位を直流入力電圧Vinのプラ
ス側電位まで引き上げる。また、(b)点の電位はスイ
ッチ素子Qにより直流入力電圧Vinのマイナス側電
位まで引き下げられているので、出力側のコンデンサー
C1、C2は整流素子D1、D2のどちらも逆バイアス
になり入力側から遮断されている。
【0021】この時の整流素子D1、D2にかかる逆バ
イアス電圧は、整流素子D1に対しては出力の+電圧V
outに−の直流入力電圧Vinが加わり、整流素
子D2に対しては、出力の−の電圧Voutに+の直
流入力電圧Vinが加わり、入力の±電圧が同じ値で
あれば、これら2つの整流素子D1、D2にかかる逆バ
イアス電圧は同じとなる。
【0022】そして、必要量のエネルギーを蓄積した後
に、スイッチ素子Qをオフさせると、インダクターLは
印加されていた電圧とは逆向きの電圧をその巻線n1、
n2に発生する。この時にオフしたスイッチ素子Qにか
かる電圧は、2つの直流入力電圧(端子1と端子3の間
の電圧)に、インタクターLの巻線n1に発生した電圧
を加えた値となる。これは、整流素子D1、D2にかか
る逆バイアス電圧ともほぼ等しく、出力電圧(Vout
とVoutを加えた端子4と端子5の間の電圧)よ
りもインダクターLの巻線n2が発生する電圧分だけ低
い値に収まる。したがって、スイッチ素子Qに要求され
る耐圧を軽減させることができて、昇圧比を大きくする
ということが、インダクターLの巻線n1、n2に発生
させる電圧を高くすることであることから、大きくする
ほど軽減率も増えるという好都合な特性となる。
【0023】スイッチ素子Qのオフにより巻線n1に発
生した電圧は、直流入力電圧Vinと加算されて整流
素子D1を順バイアスにして、接地端子2から端子1の
間の正極性直流入力電源と、インダクターLの巻線n
1、整流素子D1、コンデンサーC1で、接地端子2に
戻る閉ループを形成してコンデンサーC1を充電する。
また、巻線n2に発生した電圧は、直流入力電圧Vin
と加算されて整流素子D2を順バイアスにして、接地
端子2から端子3の間の負極性直流入力電源と、インダ
クターLの巻線n2と、整流素子D2、コンデンサーC
2で、接地端子2に戻る閉ループを形成してコンデンサ
ーC2を充電する。当然ながら、コンデンサーC1、C
2へ充電することは並列に接続されている負荷側にエネ
ルギーが移送されることを意味する。
【0024】さらに、必然的にできてしまう合成ルー
プ、接地端子2から端子1の間の正極性直流入力電源と
インダクターLの巻線n1と、整流素子D1、コンデン
サーC1、コンデンサーC2、整流素子D2、インダク
ターLの巻線n2、端子3から接地端子2の間の負極性
直流入力電源とで、接地端子2に戻る閉ルーブが存在し
ている。したがって、±出力電圧の正・負の負荷がアン
バランスであっても対応でき、その場合には、端子2と
接地間にアンバランス分の電流が流れる。また、正・負
の負荷がバランスしている時には、合成ループにのみ電
流が流れ、端子2から接地へループ電流は流れず、端子
2への接続は電位を固定する役割のみ担っている。
【0025】この場合に、インダクターLに蓄えられた
エネルギーは、2つの巻線n1、n2を通して放出され
るので、それぞれの放出量は、2つの巻線n1、n2が
それぞれ関与している2つの閉ループの合成インピーダ
ンスが2つの巻線n1、n2にとって全く等しければ同
量となる。また、2つの巻線n1、n2の巻数を同数に
することにより、エネルギー放出時に発生する電圧は同
じとなるため、直流入力電圧VinとVinとが同
じであれば、昇圧された出力電圧VoutとVout
は同じ値となる。もし仮に、+側負荷と−側負荷が異
なった場合でも、上記閉ループのインピーダンスが異な
り、低い方のループに多くエネルギーを放出するので、
出力電圧は同じ値でバランスすることになる。
【0026】スイッチ素子Qがオフでも、インダクター
Lがエネルギーを放出し終わってしまうと、インダクタ
ーLの巻線n1、n2の発生電圧はなくなり、整流素子
D1、D2が遮断するため閉ループは存在しなくなる。
また、同じくスイッチ素子Qがオフ状態で、出力電圧が
入力電圧よりも下がると、あるいは電源投入時の初期状
態のように、出力電圧が入力電圧を超えるまで立ち上が
ってくる間は、上記3つの閉ループが形成されるが、こ
の時は、インダクターLはエネルギーを放出することが
できず、飽和するまではエネルギーを蓄積することにな
る。
【0027】この動作の電圧と電流の関係式は、スイッ
チ素子Qがオンしている時間をdt1とし、インダクタ
ーLがエネルギーを放出している時間をdt2とする
と、下記に示す式で表される。 蓄積時間 IL=((2・Vi)/L)・dt1 (式5) 放出時間 dt2=(L・IL)/2Vo (式6) ここで、ILはスイッチ素子Qがオフする直前のインダ
クターLの巻線n1の電流ピーク値、Viは直流入力電
圧の+側Vinと−側Vinとが同じ電圧値として
その値、LはインダクターLの巻線n1、n2それぞれ
の同じインダクタンス値、Vdは整流素子D1、D2の
それぞれ順方向電圧降下分で同じ値、Voはインダクタ
ーLの発生電圧で2つの巻線n1、n2がかかわるルー
プで低い方の電圧である。
【0028】また、ループ上のラインロッドを、巻線n
1がかかわる正極ループをr1、巻線n2がかかわる負
極ループをr2とすると、 Vout≧Voutの時、Vo=Vout+Vd+ILn1・r1−V i Vout≦Voutの時、Vo=Vout+Vd+ILn2・r2−V i ILn1+ILn2=IL−((Vout+Vd+ILn1・r1−Vi) +(Vout+Vd+ILn2・r2−Vi))・dt2/L (式7) ここで、ILn1はスイッチ素子Qがオフした後dt2
経過後時のインダクターLの巻線n1の電流値、ILn
2はスイッチ素子Qがオフした後dt2経過後時のイン
ダクターLの巻線n2の電流値である。
【0029】そこで、+側と−側の閉ループの合成イン
ピーダンスが全く等しい場合には、そのラインドロップ
をrとし、インダクターLの電流をILとすると、前記
式7は、次の式8で表される。 IL=ILn1+ILn2=IL−2・(V0)・dt2/L (式8) そして、ILn1=ILn2=IL/2である。
【0030】また、上記回路を昇圧コンバータとして動
作させた時の入力電圧と出力電圧の関係式は、従来とは
異なり、下記の示す式で表される。 出力電圧 Vout=Vin(1+2・(ton・T)/(toff・T)) (式9) Duty比 D=ton/T=(Vout−Vin)/(Vout+Vin) (式10) ここで、式9右辺の括弧の中に式3には無かった2とい
う係数がついており、これは入力電圧に対する出力電圧
の比である昇圧率が高くなることを意味している。ま
た、式10の右辺の分母の項の括弧内には式4には無か
った入力電圧の項が入っており、これは同じ出力電圧を
得る場合のスイッチ素子QのオンDuty比を下げるこ
とを意味している。これらにより、従来に比べて高い電
圧を作り出す時の容易性を提供することになる。
【0031】図4は、直流入力電圧Vin、Vin
をそれぞれ200Vとし、出力電圧を±500Vに昇圧
して100kWの出力を得る電圧変換装置に適用した場
合のシュミレーションによる動作波形を示している。図
4において、は整流素子D1の整流波形を示す。スイ
ッチ素子Qがオフした直後に流れ出す電流のピーク値
は、スイッチ素子Qがオフする直前に流れていたピーク
値よりちょうど半分になっている。残りの半分は整流素
子D2側に流れており、インダクターLの2つの巻線n
1、n2は半分ずつ分担して、エネルギーを放出してい
る。はスイッチ素子Qの電流波形を示す。この電流は
全てインダクターLの巻線n1に流れており、右上がり
の傾斜はインダクタンス値と印加される電圧によって決
まる電流増加分である。また、オン直後に立ち上がって
いる電流値はスパイク状の値を除き、オン直前にインダ
クターLに流れていた全電流と等しく、オン・オフを繰
り返す中で前サイクル終了時までバイアス的に流れてい
たインダクターLの中の直流電流である。
【0032】は整流素子D1の電圧波形を示す。Vo
utの500VとVinの200Vを加えた約700
Vになっている。は出力電圧Vout+Vout
の波形を示す。1000Vのフラツトな波形となってい
る。Vout、Voutはそれぞれ500Vになっ
ており、200Vの入力から500Vに昇圧するために
インダクターLの巻線n1は300Vの電圧を発生して
いる。もう一方の巻線n2も同じく300V発生してお
り、2つの入力電圧と加えられてトータルで1000V
になる。はスイッチ素子Qの電圧波形を示す。2つの
入力電圧VinとVinの和の400Vと、インダ
クターLの巻線n1の発生電圧300Vを加えた約70
0Vになっている。スイッチ素子及び整流素子の順方向
電圧降下分等を無視すれば、この電圧は整流素子にかか
る電圧と同じ値になる。そして、出力電圧と比べた場合
に、確実にインダクターLの巻線1つ分が発生している
昇圧電圧の値だけ低くなる。はスイッチ素子Qをオン
・オフさせるドライブ信号を示す。オン時間Duty比
が0.43で400Vの入力電圧から1000Vに昇圧
するのに必要な値となっている。
【0033】図2と図3は、本発明のそれぞれ他の実施
例を示す回路図である。以下、上記実施例と同一部位に
は同一符号を付して説明する。図2に示す実施例は、上
記実施例の接地端子2を省いたもので、端子間14、1
5間には1つのコンデンサーCが接続される。この実施
例においても、上記実施例と基本的に略同様の作用効果
が得られる。
【0034】また、図3に示す実施例は、図1と同様、
インダクターの持つ電磁的特性を活用して1個のインダ
クターLと1個のスイッチ素子Qで、変圧器を使用する
ことなく簡単に±2つの電圧を昇圧し、安定化等の制御
目的に合わせた電圧に制御するようにしたものである。
この実施例の場合、スイッチ素子Qの接続点がインダク
ターLの2つの巻線n1、n2の出力側異極性端子とな
っており、エネルギーを蓄える時に、直流入力電圧(V
in+Vin)を2つの巻線n1、n2が半分づつ
分担し、同時に同じ電流が流れて、インダクターLの磁
束が増加していく点が上記実施例と異なり、エネルギー
放出時は全く同じ回路となる。
【0035】また、この回路の場合、直流入力電圧Vi
、Vin、インダクターL、スイッチ素子Qのオ
ン時間dt1が同じであると、蓄えられるエネルギーは
電流の2乗に比例するので、1つの巻線で倍の電圧を印
加した図1の場合に比較して、2つの巻線n1、n2に
半分づつ電圧を印加して2つ加えることになり、エネル
ギーの蓄積量は半分となる。したがって、この実施例の
回路は、図1の実施例と機能的に同じであっても特性が
異なり、昇圧型コンバータに適用した場合の入力電圧と
出力電圧の関係は、従来のものと同じで図1の回路と同
じ昇圧比を得ようとすると、スイッチ素子QのオンDu
ty比を上げる必要がある。
【0036】また、スイッチ素子Qにかかる電圧は±出
力電圧を加えた直流となり、素子を一つにしたことによ
り倍の耐圧が素子に要求される。一方、整流素子は従来
技術のものと同様に2個用いているので、かかる電圧は
それぞれ片側の出力電圧値となって従来と同様である。
【0037】この回路によれば、インダクターLに設け
た2つの巻線n1、n2を有効に利用している。つま
り、前述したように、直列接続されたコンデンサーC
1、C2を含む閉ループ上に、2つの巻線n1、n2は
直列に接続され、エネルギー放出時に昇圧機能を果た
し、スイッチ素子Qを含む閉ループ上には、1つの巻線
しか直列に接続されていないために、スイッチ素子Qに
かかる電圧は、インダクターLの1つの巻線n2が発生
する電圧だけ、±出力電圧を加えた電圧より低く低減さ
れる。
【0038】仮に、スイッチ素子Qのオン時間dt1を
オフ時間dt2の半分にして、いわゆるDuty比0.
33で制御すると、出力電圧は入力電圧の2倍に昇圧で
きるが、その場合でも、1つの巻線で分担する昇圧電圧
は入力電圧の片側分と等しくなり、出力電圧(±出力電
圧を加えた値)の1/4に相当する。すなわち、75%
の電圧低減を実現できることになる。
【0039】一方、整流素子に関してその遮断時にかか
る電圧は、従来技術のものは各出力電圧と等しかった
が、この回路では、片側の出力電圧に反対極性側の直流
に電圧が加わり、スイッチ素子Qと同じ電圧となり、従
来よりも高い逆耐圧が要求されるという反対効果が得ら
れる。しかしながら、一般的に整流素子は比較的高耐圧
のものがスイッチ素子Qに比較して安価で入手し易く、
特に出力容量が大きくなるにつれて高耐圧のスイッチ素
子Qは価格も高く品種も少なく入手が困難になってくる
ので、実質的にはスイッチ素子Qの耐圧低減には、整流
素子に対する反対効果を上回る大きな効果をもたらすこ
とになる。
【0040】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1ないし3
記載の発明によれば、正極用と負極用の2つのコンバー
タを必要とせず、安価に形成できて経済的効果が図れる
と共に、単一電源への応用も可能で、その場合低いDu
ty比で同じ出力比を得ることができて、スイッチ素子
に要求される耐圧容量を低減させることができ、例えば
2倍の昇圧比を得る場合の耐圧が75%でよく、また4
場合の昇圧比を得るための耐圧が62.5%でよい等、
特に高圧出力を得る場合にスイッチ素子の選択の容易性
を期待することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる電圧変換装置の一実施例を示す
回路図
【図2】本発明に係わる電圧変換装置の他の実施例を示
す回路図
【図3】本発明に係わる電圧変換装置のさらに他の実施
例を示す回路図
【図4】本発明の動作波形図
【図5】従来例を示す回路図
【図6】従来を示す昇圧型コンバータの基本回路図
【符号の説明】
1、2、3、4、5 端子 L、L1、L2 インダクター n1、n2 巻線 a、b、c、d インダクターの接続点 Q、Q1、Q2 スイッチ素子 D、D1、D2 整流素子 C、C1、C2 コンデンサー P1、P2 トライブ制御回路

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2組の巻線を持つ1つのインダクターLの
    その巻線n1と直列に整流素子D1、コンデンサーC
    1,C2、整流素子D2、巻線n2、負極直流電源、正
    極直流電源とに接続された閉ループを持ち、前記コンデ
    ンサーC1、C2の接続点を接地して該コンデンサーの
    両側から、あるいは又、カスケード接続されたコンデン
    サーC1とコンデンサーC2の+側端子と−側端子か
    ら、及びその両方を任意に組み合わせた状態で負荷を取
    り出すように構成された回路を有し、所定の手段でオン
    ・オフさせることによりインダクターLに蓄えるエネル
    ギーをコントロールして出力電圧を制御するためのスイ
    ッチ素子を、インダクターの一方の巻線n1の一端と他
    方の巻線n2の同一極性側の一端との間に矯絡するよう
    に接続してなることを特徴とする電圧変換装置。
  2. 【請求項2】2組の巻線を持つ1つのインダクターLの
    その巻線n1と直列に整流素子D1、コンデンサーC、
    整流素子D2、巻線n2及び直流電源とに接続された閉
    ループを持ち、前記コンデンサーCの両端から負荷を取
    り出すように構成された回路を有し、所定の手段でオン
    ・オフさせることによりインダクターに蓄えるエネルギ
    ーをコントロールして出力電圧を制御するためのスイッ
    チ素子を、インダクターの一方の巻線n1の一端と他方
    の巻線n2の同一極性の一端との間に矯絡するように接
    続してなることを特徴とする電圧変換装置。
  3. 【請求項3】前記スイッチ素子の矯絡点が巻線同士の同
    一極性であることを特徴とする請求項1または2記載の
    電圧変換装置。
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