JP4093116B2 - 力率改善コンバータ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、入力電流の高調波成分を抑制するフルブリッジ形の力率改善コンバータに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、この種の絶縁型AC−DCコンバータ若しくはDC−DCコンバータにおいては、従来から様々なタイプの回路トポロジーが提案されている。とりわけ、カレントフェッド(Current Fed)と呼ばれる幾つかの回路トポロジーは、それ以外の回路トポロジーに比べて多くの利点を有する。その利点とは、潜在的に回路構成が簡単である上に、部品数が少ないことにある。実際に、カレントフェッドトポロジーを実現化した1ステージタイプの絶縁型力率改善AC−DCコンバータは、従来からある2ステージタイプのものよりも、コスト面でより有利な場合が多い。
【0003】
その中で、フルブリッジ形のカレントフェッドコンバータは、ブリッジ接続された主スイッチのゼロ電圧スイッチング動作を容易にするために、補助回路を設けてスイッチング効率を高めている。
【0004】
図7に示す回路図は、例えば特許文献1において提案されたフルブリッジ絶縁型カレントフェッドコンバータの一例である。同図において、ここにあるコンバータ1は、入力電源2の入力電圧Vinから一定の出力電圧Voutを供給するための一般的なフルブリッジコンバータと同じように動作する。この入力電圧Vinは、リプル分のない直流電圧か、さもなければ整流はされているものの、平滑されていない交流ライン電圧のいずれかであり、インバータであるスイッチング回路11によってトランス3の一次巻線3A両端間に供給される。
【0005】
スイッチング回路11は、いずれもMOS型FETからなる4個のスイッチング素子13,14,15,16をブリッジ接続して構成され、トランス3の一次巻線3Aの一端が第1および第2のスイッチング素子13,14の間に接続され、一次巻線3Aの他端が第3および第4のスイッチング素子15,16の間に接続される。なお、4はトランス3の漏れインダクタンスである。そして、スイッチング素子13,16と、スイッチング素子14,15を交互にオンすることにより、トランス3の一次巻線3A両端間に正負交互の入力電圧Vinが供給される。各スイッチング素子13〜16は、帰還制御回路であるPWMコントローラ27により制御され、PWMコントローラ27は、スイッチング素子13,16と、スイッチング素子14,15の各デューティーサイクルを変えることで、出力電圧Voutの安定化を図っている。
【0006】
前記入力電源2とスイッチング回路11との間の入力電圧ラインには、昇圧インダクタ6が挿入接続される。この昇圧インダクタ6は、コンバータ1をいわゆる「カレントフェッド」コンバータにする機能素子で、スイッチング素子14,15がターンオンしている間に、スイッチング回路11に電流を供給するものである。そして、コンバータ1のアクティブクランプ回路として、MOS型FETからなるクランプ用スイッチ7と、クランプ用コンデンサ8との直列回路がスイッチング回路11の両端間に接続される。
【0007】
トランス3の二次側にある出力回路17は、センタータップ二次巻線3Bの両端にそれぞれ接続された整流ダイオードとしての機能を果すダイオード19,20と、これらのダイオード19,20を通じて送られる整流出力を平滑して、出力端子25,26間に接続した図示しない負荷に直流出力電圧Voutを供給する平滑コンデンサ21とにより構成される。そして、スイッチング素子13,16が同時にオンしている期間中は、トランス3の一次巻線3Aに正極性の電圧が発生し、一次巻線3Aと二次巻線3Bとの巻線比に比例した正極性の電圧が二次巻線3Bに誘起され、ダイオード19は順バイアスされる一方で、ダイオード20は逆バイアスされる。これにより、ダイオード19を通して二次巻線3Bからの電流が負荷側に流れる。逆に、スイッチング素子14,15が同時にオンしている期間中は、トランス3の一次巻線3Aに負極性の電圧が発生し、一次巻線3Aと二次巻線3Bとの巻線比に比例した負極性の電圧が二次巻線3Bに誘起され、ダイオード20は順バイアスされる一方で、ダイオード19は逆バイアスされる。これにより、ダイオード20を通して二次巻線3Bからの電流が負荷側に流れるようになっている。
【0008】
22は前記PWMコントローラ27と共に帰還ループを形成する誤差増幅回路で、これは出力電圧Voutを監視して、基準電源23の基準電圧との比較結果を、コンパレータ24からPWMコントローラ27に出力するものである。また28は、入力電圧Vinひいては昇圧インダクタ6を監視する監視回路で、この監視回路28の出力もPWMコントローラ27が利用するようになっている。
【0009】
図8は、図7の回路トポロジーにおける各部の動作波形である。同図において、V13はスイッチング素子13のドレイン・ソース間電圧、V14はスイッチング素子14のドレイン・ソース間電圧、i6は昇圧インダクタ6を流れる電流、imはトランス3の励磁電流、i8は昇圧インダクタ6を流れる電流、V4はインダクタンス4の両端間電圧、i13はスイッチング素子13のドレイン・ソース間を流れる電流、i14はスイッチング素子14のドレイン・ソース間を流れる電流、Vgs7はクランプ用スイッチ7のゲート・ソース間電圧、Vgs13,Vgs16はスイッチング素子13,16のゲート・ソース間電圧、Vgs14,Vgs15はスイッチング素子14,15のゲート・ソース間電圧である。ここでの回路動作は、1つのスイッチングサイクルを4つの期間に分けて考えることができる。
【0010】
先ず、図8に示すt1からt2の期間において、ここではスイッチング回路12を構成する全てのスイッチング素子13〜16がオンしているが、クランプ用スイッチ7はオフしている。したがって、トランス3の一次巻線3Aは短絡していて、励磁電流imは短絡した一次巻線3A内で循環し、一定レベルを維持している。また、昇圧インダクタ6には入力電圧Vinが印加され、エネルギーが蓄積されるので、昇圧インダクタ6を流れる電流i6は、図8に示すように傾斜上昇する。一方、トランス3の二次巻線3Bには電圧が発生せず、出力側の平滑コンデンサ21に蓄積されたエネルギーの放電により、負荷への出力電流の供給が行なわれる。
【0011】
続くt2からt3の期間は、スイッチング素子13,16がオンし、スイッチング素子14,15がオフすると共に、クランプ用スイッチ7はオンに切換わる。ここでは、クランプ用コンデンサ8が、トランス3の一次巻線3Aと漏れインダクタンス4との直列回路間に接続される状態になる。そして最初に、昇圧インダクタ6を流れる電流i6が、クランプ用スイッチ7のボディダイオード(図示せず)を経由してクランプ用コンデンサ8に流れ込み、クランプ用コンデンサ8は充電される。ここでの一次側電流であるスイッチング素子13を流れる電流i13は、スイッチング素子13,16がオンしている関係で、漏れインダクタンス4により決定される割合で傾斜上昇する。この一次側電流i13が昇圧インダクタ6を流れる電流i6と等しくなった時点が、図8に示すt3である。このt3の時点で、昇圧インダクタ6を流れる電流i6の全てがトランス3の一次巻線3Aに流れ、クランプ用コンデンサ8への電流の流れ込みは零になる。励磁電流Imは、スイッチング素子13,16およびクランプ用スイッチ7を経由して流れる。
【0012】
t3からt4の期間は、全てのスイッチ7,13〜16がそれまでと同じ状態を維持している。ここでも一次側電流となっているスイッチング素子13を流れる電流i13は、クランプ用コンデンサ8の放電によって、昇圧インダクタ6を流れる電流i6を越えてさらに傾斜上昇を続ける。そしてt4の時点では、スイッチング素子13を流れる電流i13が最大となる。またこの期間では、出力側の平滑コンデンサ21にエネルギーが満たされ、前述のt1からt2の期間における出力電流の供給に利用される。
【0013】
最後のt4からt5の期間では、クランプ用スイッチ7がオフするので、スイッチング素子13を流れる電流i13は減少する。漏れインダクタンス4における減少した磁場が、その電圧の極性を反転させる力となり、これがそれまでオフしているスイッチング素子14,15の寄生容量を放電させることになる。放電が完了した時点で、各スイッチング素子13〜16の両端間の電圧は零になる。t5の時点で、監視回路28は各スイッチング素子13〜16の両端間の電圧が零になったことを検出し、PWMコントローラ27はそれまでオフしていたスイッチング素子、すなわちここではスイッチング素子14,15をターンオンする。
【0014】
t5の後は、スイッチング素子13,16が代わりに一時的にオフすることを除いては、上記と同じ手順で動作が移行する。そして、昇圧インダクタ6を流れる電流i6の値が、入力電圧Vinの包絡線上に沿うように各スイッチング素子13〜16の動作タイミングを設定すれば、コンバータへの入力電流が入力電圧Vinに概ね比例し、力率の改善を図ることが可能になる。
【0015】
【特許文献1】
米国特許第6,038,142号明細書
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記構成の構成では次のような問題がある。まず、クランプ用スイッチ7のゲート・ソース間電圧Vgs7は、PWMコントローラ27から供給されるようになっているため、クランプ用スイッチ7をオンさせるのに十分な電圧を取り出せない虞れがある。
【0017】
また、図8に示すt1からt2の期間では、入力電源2に対しスイッチング素子13,16が直列に導通接続された状態となり、これらのスイッチング素子13,16の導通損が大きい。したがって、特に入力電圧が低い場合にはコンバータ1の効率が低下する。また、各スイッチング素子13〜16のスイッチングタイミングによっては、トランス3の一次側で貫通電流が流れるという問題もある。
【0018】
本発明は、上記の課題に着目して成されたものであって、その目的は、入力電圧が低い場合でも、コンバータの効率が低下しない力率改善コンバータを得ることにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明における請求項1の力率改善コンバータは、上記目的を達成するために、第1〜第4のスイッチング素子により構成され、前記第1および第2のスイッチング素子の直列回路の一端と前記第3および第4のスイッチング素子の直列回路の一端とを接続してなるインバータと、直列接続した前記第1および第2のスイッチング素子の接続点に一端を接続した第1の昇圧インダクタと、直列接続した前記第3および第4のスイッチング素子の接続点に一端を接続した第2の昇圧インダクタと、前記第1および第2のスイッチング素子の接続点と前記第3および第4のスイッチング素子の接続点との間に一次巻線を接続した絶縁トランスと、前記第1および第2のスイッチング素子の直列回路の両端間に接続される第1のコンデンサと、前記第3および第4のスイッチング素子の直列回路の両端間に接続される第2のコンデンサとからなり、前記第1および第2のスイッチング素子の直列回路の一端と、前記第3および第4のスイッチング素子の直列回路の一端との接続点を、前記インバータの一端とし、入力電源の一端に前記第1および第2の昇圧インダクタの各他端を共通して接続し、前記入力電源の他端に前記インバータの一端を接続すると共に、前記第1〜第4のスイッチング素子を同じ周期で、且つ前記第1および第3のスイッチング素子が同じデューティとなり、前記第2および第4のスイッチング素子が同じデューティとなるように動作させ、前記第2および第3のスイッチング素子がオン,前記第1および第4のスイッチング素子がオフになる第1の期間と、前記第1および第3のスイッチング素子がオン,前記第2および第4のスイッチング素子がオフになる第2の期間と、前記第1および第4のスイッチング素子がオン,前記第2および第3のスイッチング素子がオフになる第3の期間と、前記第1および第3のスイッチング素子がオン,前記第2および第4のスイッチング素子がオフになる第4の期間が順に現れるように、前記第1および第2のスイッチング素子を同時にかつオン・オフが逆の状態でスイッチング動作させ、この第1および第2のスイッチング素子に対し位相差をもたせつつ、前記第3および第4のスイッチング素子を同時にかつオン・オフが逆の状態でスイッチング動作させる制御回路を備えて構成される。
【0020】
この場合、直列接続された第1および第2のスイッチング素子、若しくは第3および第4のスイッチング素子が、同時にオンすることはないため、各スイッチング素子の導通損が小さい。したがって、入力電圧が低い低入力時においてもコンバータの効率はさほど低下しない。また、トランスの一次側で貫通電流が流れるという問題も発生しない。
【0021】
さらに、第1および第2のスイッチング素子と第1の昇圧インダクタとにより構成される第1の昇圧コンバータの出力と、第3および第4のスイッチング素子と第2の昇圧インダクタとにより構成される第2の昇圧コンバータの出力が、それぞれ第1のコンデンサと第2のコンデンサに別々に供給されるので、個々の昇圧コンバータの出力電圧に差異があっても、各昇圧コンバータ間の電流アンバランス状態を回避することができる。
【0022】
本発明における請求項2の力率改善コンバータは、上記目的を達成するために、ブリッジ接続された第1〜第4のスイッチング素子により構成され、前記第1および第2のスイッチング素子の直列回路の一端と前記第3および第4のスイッチング素子の直列回路の一端とを接続し、前記第1および第2のスイッチング素子の直列回路の他端と前記第3および第4のスイッチング素子の直列回路の他端とを接続してなるインバータと、直列接続した前記第1および第2のスイッチング素子の接続点に一端を接続した第1の昇圧インダクタと、直列接続した前記第3および第4のスイッチング素子の接続点に一端を接続した第2の昇圧インダクタと、前記第1および第2のスイッチング素子の接続点と前記第3および第4のスイッチング素子の接続点との間に一次巻線を接続した絶縁トランスと、前記第1および第2のスイッチング素子の直列回路の一端と、前記第3および第4のスイッチング素子の直列回路の一端との接続点を、前記インバータの一端とし、前記第1および第2のスイッチング素子の直列回路の他端と、前記第3および第4のスイッチング素子の直列回路の他端との接続点を、前記インバータの他端として、前記インバータの一端と他端との間に接続したコンデンサとからなり、入力電源の一端に前記第1および第2の昇圧インダクタの各他端を共通して接続し、前記入力電源の他端に前記インバータの一端を接続すると共に、前記第1〜第4のスイッチング素子を同じ周期で、且つ前記第1および第3のスイッチング素子が同じデューティとなり、前記第2および第4のスイッチング素子が同じデューティとなるように動作させ、前記第2および第3のスイッチング素子がオン,前記第1および第4のスイッチング素子がオフになる第1の期間と、前記第1および第3のスイッチング素子がオン,前記第2および第4のスイッチング素子がオフになる第2の期間と、前記第1および第4のスイッチング素子がオン,前記第2および第3のスイッチング素子がオフになる第3の期間と、前記第1および第3のスイッチング素子がオン,前記第2および第4のスイッチング素子がオフになる第4の期間が順に現れるように、前記第1および第2のスイッチング素子を同時にかつオン・オフが逆の状態でスイッチング動作させ、この第1および第2のスイッチング素子に対し位相差をもたせつつ、前記第3および第4のスイッチング素子を同時にかつオン・オフが逆の状態でスイッチング動作させる制御回路を備えて構成される。
【0023】
この場合、直列接続された第1および第2のスイッチング素子、若しくは第3および第4のスイッチング素子が、同時にオンすることはないため、各スイッチング素子の導通損が小さい。したがって、入力電圧が低い低入力時においてもコンバータの効率はさほど低下しない。また、トランスの一次側で貫通電流が流れるという問題も発生しない。
【0024】
また請求項3の力率改善コンバータは、前記制御回路が、前記第1〜第4のスイッチング素子を同じ周期で、且つ前記第1および第3のスイッチング素子が同じデューティとなり、前記第2および第4のスイッチング素子が同じデューティとなるように動作させ、前記第2および第3のスイッチング素子がオン,前記第1および第4のスイッチング素子がオフになる第1の期間と、前記第1および第3のスイッチング素子がオン,前記第2および第4のスイッチング素子がオフになる第2の期間と、前記第1および第4のスイッチング素子がオン,前記第2および第3のスイッチング素子がオフになる第3の期間と、前記第1および第3のスイッチング素子がオン,前記第2および第4のスイッチング素子がオフになる第4の期間が順に現れるように、前記第1および第2のスイッチング素子を同時にかつオン・オフが逆の状態でスイッチング動作させる駆動信号を供給する第1の制御部と、この第1および第2のスイッチング素子に対し位相差をもたせつつ、前記第3および第4のスイッチング素子を同時にかつオン・オフが逆の状態でスイッチング動作させる第2の制御部とを、各々独立して設けてなることを特徴とする。
【0025】
ここでの回路トポロジーは、第1の昇圧インダクタと第1および第2のスイッチング素子とからなる第1の昇圧コンバータと、第2の昇圧インダクタと第3および第4のスイッチング素子とからなる第2の昇圧コンバータを組み合せたものであるため、各昇圧コンバータに対し独立した制御部を設けて、それぞれのスイッチング素子をスイッチング動作させることができる。そのため、既存の昇圧形力率改善回路で使用していた制御部を、制御回路の一部としてそのまま使用することができる。
【0026】
また請求項4の力率改善コンバータは、前記制御回路が、前記第1のスイッチング素子がオンからオフに切換った後に、前記第2のスイッチング素子がオフからオンに切換り、前記第2のスイッチング素子がオンからオフ切換った後に、前記第1のスイッチング素子がオフからオンに切換るようなデッドタイムを設けて、前記第1および第2のスイッチング素子を同時にかつオン・オフが逆の状態でスイッチング動作させると共に、前記第3のスイッチング素子がオンからオフに切換った後に、前記第4のスイッチング素子がオフからオンに切換り、前記第4のスイッチング素子がオンからオフ切換った後に、前記第3のスイッチング素子がオフからオンに切換るようなデッドタイムを設けて、前記第3および第4のスイッチング素子を同時にかつオン・オフが逆の状態でスイッチング動作させるものであることを特徴とする。
【0027】
こうすると、第1および第2スイッチング素子、あるいは第3および第4のスイッチング素子が同時にオンするのを避けることができる。
【0028】
【発明の実施形態】
以下、本発明における好ましい実施態様について、添付図面を参照して詳細に説明する。なお、各実施例において、従来例と同一部分には同一符号を付し、その共通する箇所の説明は重複するため省略する。
【0029】
図1〜図3は、本発明の第1実施例におけるカレントフェッドフルブリッジ形力率改善コンバータを示している。先ず、回路の全体構成を示す図1において、2は前述の入力電源で、ここでは交流電源2Aと整流回路に相当するダイオードブリッジ2Bとにより構成され、ダイオードブリッジ2Bの出力端子間に全波整流波形状の入力電圧Vinが発生する。入力電源2からの入力電圧Vinは、インバータであるスイッチング回路11によって、一次側と二次側とを絶縁するトランス3の一次巻線3A両端間に供給される。
【0030】
スイッチング回路11は、従来例と同様にいずれもMOS型FETからなる4個のスイッチング素子13,14,15,16をブリッジ接続して構成され、第1および第2のスイッチング素子13,14の中点と、第3および第4のスイッチング素子15,16の中点との間に、トランス3の一次巻線3Aが接続される。また、昇圧インダクタ6も、スイッチング回路11の入力側に接続される。なお、各スイッチング素子13〜16およびクランプ用スイッチ7は、いずれも周知のように内蔵するボディダイオードと、寄生キャパシタをそのドレイン・ソース間に接続している。
【0031】
トランス3の二次巻線3Bはセンタータップを有し、二次巻線3Bの各端にはそれぞれダイオード19,20のアノードが接続されると共に、このダイオード19,20のカソードどうしが一方の出力端子25に接続される。また、二次巻線3Bのセンタータップは他方の出力端子26に接続され、この出力端子25,26間にコンデンサ21が接続される。スイッチング回路11のスイッチング動作に伴ない出力回路17から発生した出力電圧Voutは、出力端子25,26間に接続した負荷(図示せず)に供給される。
【0032】
誤差増幅回路22は、出力電圧Voutと基準電源23からの基準電圧との比較結果を、コンパレータ24からPWMコントローラ27に出力するものである。なお、必要に応じて出力電圧Voutを分圧し、この分圧した電圧を出力電圧Voutの監視信号としてコンパレータ24の入力側に供給してもよい。PWMコントローラ27は、誤差増幅回路22からの比較結果に基づき、出力電圧Voutの安定化を図るために、スイッチング素子13〜16のスイッチングタイミングを変えるように構成している。また監視回路28は、入力電圧Vinひいては昇圧インダクタ6を監視するもので、この監視回路28からの監視結果によっても、スイッチング素子13〜16のスイッチングタイミングを変え、コンバータ1に対する入力力率の改善を図っている。
【0033】
本実施例のPWMコントローラ27は、対をなすスイッチング素子13,16の組と、スイッチング素子14,15の組を、全てのスイッチング素子13〜16が同時にオンする期間を設けて、交互にオン,オフさせるのではなく、任意の3個のスイッチング素子13〜16が同時にオンする期間を設けて、各スイッチング素子13〜16に供給する駆動信号の位相をそれぞれシフトさせている。また、昇圧インダクタンス6には、入力電圧ラインに接続される一次巻線6Aと電磁気的に結合した二次巻線6Bが設けられると共に、この二次巻線6Bに発生する電圧によってクランプ用スイッチ7をオンし、且つPWMコントローラ27からの制御信号すなわちトリガ信号によってクランプ用スイッチ7をオフするクランプ用スイッチ駆動回路31が設けられる。クランプ用スイッチ駆動回路31は、二次巻線6Bの両端間にダイオード32および抵抗33,34の直列回路を接続し、抵抗33,34の接続点をクランプ用スイッチ7のゲートに接続し、二次巻線6Bと抵抗34の接続点をクランプ用スイッチ7のソースに接続すると共に、PWMコントローラ27からのトリガ信号を受けて、二次巻線6Bとダイオード42からなる直列回路の両端間を短絡するオフスイッチすなわちトランジスタ35を備えて構成される。
【0034】
次に、上記構成におけるカレントフェッド力率改善コンバータの動作について、図2の波形図および図3の各状態における等価回路図を参照しながら説明する。なお、図2の波形図において、Vgs13はスイッチング素子13のゲート・ソース間電圧、Vgs15はスイッチング素子15のゲート・ソース間電圧、Vgs14はスイッチング素子14のゲート・ソース間電圧、Vgs16はスイッチング素子16のゲート・ソース間電圧、i6は昇圧インダクタ6を流れる電流、iTはトランス3の一次巻線3Aを流れる電流、Vpはトランス3の一次巻線3Aの両端間電圧、VCはクランプ用スイッチ7のゲート・ソース間電圧、Vtrはトランジスタ35のベースに印加されるトリガ信号の電圧レベルで、ここでは従来例で示す漏れインダクタンス4を一次巻線3Aに含めている。
【0035】
前述したように、PWMコントローラ27は、スイッチング素子13→スイッチング素子16→スイッチング素子15→スイッチング素子14の順に、各スイッチング素子13〜16をオンする駆動信号を位相シフトさせながら供給する。その際、対をなすスイッチング素子13,16と、スイッチング素子14,15のオン・オフ切換わり時において、トランス3の一次巻線3Aが短絡状態になる遅延期間tx(図2参照)を設ける。すなわち本実施例の回路では、一周期の間にスイッチング素子13,14がオンする期間▲1▼と、スイッチング素子13,16がオンする期間▲2▼と、スイッチング素子15,16がオンする期間▲3▼と、スイッチング素子14,15がオンする期間▲4▼に区別することができるが、各期間▲1▼〜▲4▼の切換わり前にはそれぞれ遅延期間txが存在する。
【0036】
先ず、図2のt0からt1の期間▲1▼において、ここでは図3の▲1▼に示すように、スイッチング素子13,14が共にオンしており、昇圧インダクタ6には入力電圧Vinが印加される。したがって、昇圧インダクタ6にエネルギーが蓄積され、昇圧インダクタ6を流れる電流i6は傾斜上昇する。一方、昇圧インダクタ6の一次巻線6Aにはドット側に正極性の電圧が発生するが、この場合は二次巻線6Bのドット側に正極性の電圧が生じ、クランプ用スイッチ駆動回路31のダイオード32がオフするため、クランプ用スイッチ7をオンする電圧はゲート・ソース間に発生しない。その後、遅延期間txになると、スイッチング素子13,14に加えて別のスイッチング素子16もターンオンし、トランス3の一次巻線3Aが短絡するが、この一次巻線3Aには相変わらず電流は流れない。したがってこの期間▲1▼では、出力回路17を構成する平滑コンデンサ21に蓄積されたエネルギーの放電により、負荷への出力電流の供給が行なわれる。
【0037】
t1からt2の期間▲2▼に移行すると、スイッチング素子14がターンオフして、対をなすスイッチング素子13,16が共にオンする状態となる。この場合、図3の▲2▼に示すように、昇圧インダクタ6とトランス3の一次巻線3Aからなる直列回路が、入力電源2の両端間に等価的に接続されるので、昇圧インダクタ6に蓄えられていたエネルギーが放出し、これが入力電源2からのエネルギーと共に、トランス3およびダイオード19を介して平滑コンデンサ21や負荷に出力電流として供給される。
【0038】
またこの期間▲2▼では、昇圧インダクタ6からのエネルギー放出に伴ない、その一次巻線6Aに発生する電圧の極性が反転するので、今度は二次巻線6Bの非ドット側端子に正極性の電圧が発生して、ダイオード32がオンする。これにより、クランプ用スイッチ7のゲート・ソース間電圧VCがHレベルになり、期間▲2▼の移行と同時にクランプ用スイッチ7はターンオンする。クランプ用スイッチ7がオンすると、クランプ用コンデンサ8がトランス3の一次巻線3A間に接続される状態となるため、一次巻線3Aの電圧レベルはクランプ用コンデンサ8の充電電圧で規定され、それ以上上昇しない。
【0039】
因みに、図1の回路構成において、クランプ用スイッチ7とクランプ用コンデンサ8の直列回路(アクティブクランプ回路)が存在しないと、トランス3の一次巻線3Aには、入力電圧Vinと昇圧インダクタ6に発生する電圧を加えた高い電圧Vpが発生し、しかもオフしているスイッチング素子14,15の寄生キャパシタンスと、トランス3の漏れインダクタンス4とによる共振により、一次巻線3Aに発生する電圧Vpが振動してさらに跳ね上がる。しかし、本実施例のようなアクティブクランプ回路があれば、スイッチング素子13,16が共にオンしたと同時に、クランプ用コンデンサ8により一次巻線3に発生する電圧Vpを確実に一定レベルに抑え込むことができる。
【0040】
その後、期間▲2▼の遅延期間txに移行すると、PWMコントローラ27はスイッチング素子15のゲート・ソース間に対し、このスイッチング素子15をオンにする駆動信号を供給すると同時に、トランジスタ35のベースにトリガ信号を供給する。これを受けてクランプ用スイッチ駆動回路31は、昇圧インダクタ6の二次巻線6Bに発生する電圧レベルに拘らず、クランプ用スイッチ7のゲート・ソース間の電圧を零にして、クランプ用スイッチ7をオフにし、スイッチング回路11からアクティブクランプ回路を切り離す。この遅延期間txでは、スイッチング素子13,15,16がオンしているが、昇圧インダクタ6のエネルギーは、スイッチング素子13,16を介してトランス3の一次巻線3A側に移行し続け、昇圧インダクタ6を流れる電流i6は傾斜減少したままとなる。
【0041】
次のt2からt3の期間▲3▼は、一方の直列回路をなすスイッチング素子13,14ではなく、他方の直列回路をなすスイッチング素子15,16がオンしている以外は、期間▲1▼の動作と基本的に共通している。すなわちこの場合も、昇圧インダクタ6には入力電圧Vinが印加され、昇圧インダクタ6にエネルギーが蓄積されるため、昇圧インダクタ6を流れる電流i6は傾斜上昇に転じる。一方、昇圧インダクタ6の二次巻線6Bのドット側には正極性の電圧が生じるため、ダイオード32がオフしてクランプ用スイッチ7はオンしない。その後、遅延期間txになると、スイッチング素子15,16に加えて別のスイッチング素子14もターンオンして、トランス3の一次巻線3Aが短絡するが、この一次巻線3Aには相変わらず電流は流れない。したがってこの期間▲3▼では、出力回路17を構成する平滑コンデンサ21に蓄積されたエネルギーの放電により、負荷への出力電流の供給が行なわれる。
【0042】
ところで、前記クランプ用スイッチ7は、期間▲3▼に移行する直前までにターンオフさせる必要がある。その理由は、昇圧インダクタ6が放電から充電に転じた後も、クランプ用スイッチ7が一瞬でもオンしていると、クランプ用コンデンサ8を通して貫通電流が流れ、クランプ用コンデンサ8が充電されるからである。仮に、上記クランプ用スイッチ駆動回路31において、クランプ用スイッチ7をオフにするトランジスタ35がなければ、昇圧インダクタ6の二次巻線6Bに発生する電圧に応じて、クランプ用スイッチ7のオフタイミングが決められてしまうため、上記貫通電流が流れる虞れがある。その点、本実施例では、直列回路をなすスイッチング素子15,16だけがオンする期間▲3▼に移行する前に、クランプ用コンデンサ7を強制的にオフする制御信号がPWMコントローラ27から供給されるため、アクティブクランプ回路に貫通電流を確実に流さないようにすることができる。
【0043】
次のt3からt4の期間▲4▼は、一方の対をなすスイッチング素子13,16ではなく、他方の対をなすスイッチング素子14,15がオンしている以外は、期間▲2▼の動作と基本的に共通している。この場合も、昇圧インダクタ6とトランス3の一次巻線3Aからなる直列回路が、入力電源2の両端間に等価的に接続されるので、昇圧インダクタ6に蓄えられていたエネルギーと、入力電源2からのエネルギーによって、トランス3の一次巻線3Aには期間▲2▼と逆方向の電流iTが流れる。これにより、トランス3およびダイオード20を介して、平滑コンデンサ21や負荷に出力電流が供給される。
【0044】
またこの期間▲4▼においても、昇圧インダクタ6からのエネルギー放出に伴ない、二次巻線6Bの非ドット側端子に正極性の電圧が発生し、クランプ用スイッチ7がターンオンするため、一次巻線3Aの電圧レベルはクランプ用コンデンサ8の充電電圧で規定され、それ以上上昇しない。
【0045】
その後、期間▲4▼の遅延期間txに移行すると、PWMコントローラ27はスイッチング素子13のゲート・ソース間に対し、このスイッチング素子13をオンにする駆動信号を供給すると同時に、トランジスタ35のベースにトリガ信号を供給する。これを受けてクランプ用スイッチ駆動回路31は、クランプ用スイッチ7を強制的にオフにし、スイッチング回路11からアクティブクランプ回路を切り離して、その後のアクティブクランプ回路への貫通電流の流れ込みを防止する。
【0046】
上記一連の動作手順において、直列回路をなすスイッチング素子13,14若しくはスイッチング素子15,16がオン(期間▲1▼,▲3▼に相当する)である時間をTonとし、対をなすスイッチング素子13,16若しくはスイッチング素子14,15がオン(期間▲2▼,▲4▼に相当する)である時間をToffとすると、期間▲1▼,▲3▼において、昇圧インダクタ6を流れる電流iL(=i6)は、昇圧インダクタ6の両端間電圧が入力電圧Vinと等しいことにより、次の数1にて表わせる。
【0047】
【数1】
Figure 0004093116
但し、Lは昇圧インダクタ6のインダクタンス値である。一方、期間▲2▼,▲4▼において、トランス3の一次巻線3Aに加わる電圧Vpは、入力電圧Vinと、昇圧インダクタ6に発生する電圧を加えたものとなり、次の数2にて表わせる
【0048】
【数2】
Figure 0004093116
この数2のiLに、前記数1の(1)の式を代入すると、次の数3に示す関係式が得られる。
【0049】
【数3】
Figure 0004093116
但し、T=Ton+Toffである。出力電圧Voutは、トランス3の一次巻線3Aと二次巻線3Bとの巻数比に電圧Vpを掛け合わせたものに等しい。すなわち、一次巻線3Aの巻数をNp,二次巻線3Bのセンタータップで分割された各巻数(この場合、どちらも同じ巻数とする)をNsとすると、出力電圧Voutは次の数4にて示すことができる。
【0050】
【数4】
Figure 0004093116
上記数4に示すように、一周期Tに対する期間▲2▼,▲4▼の時間Toffを可変することで、出力電圧Voを一定に制御することができる。
【0051】
また、ダイオードブリッジ2Bから出力される入力電圧Vinは正弦波状に変化する全波整流波形となるが、入力電圧Vinの上昇時には、昇圧コンデンサ6を流れる電流i6が傾斜上昇する時間Tonを増加させ、逆に入力電圧Vinの下降時には、昇圧コンデンサ6を流れる電流i6が傾斜減少する時間Toffを減少させれば、入力電圧Vinに沿って入力電流を変化させることができ、力率の改善を図ることが可能になる。
【0052】
以上のように本実施例では、ブリッジ接続された4個のスイッチング素子13〜16によりインバータとしてのスイッチング回路11を構成し、直列回路をなすスイッチング素子13,14(若しくはスイッチング素子15,16)のオン時には、スイッチング回路11の入力側にある昇圧インダクタ6にエネルギーを蓄え、対をなすスイッチング素子13,16(若しくはスイッチング素子14,15)のオン時には、昇圧インダクタ6のエネルギーを電力伝送用の絶縁トランスであるトランス3の一次巻線3Aに送り出すと共に、対をなすスイッチング素子13,16のオン時における前記一次巻線3Aの電圧上昇を抑制するために、クランプ用スイッチ7とクランプ用コンデンサ8の直列回路からなるアクティブクランプ回路をスイッチング回路11の両端間に接続して設けた力率改善コンバータにおいて、前記昇圧インダクタ6に主巻線すなわち一次巻線6Aに比例した電圧を取り出せる二次巻線6Bすなわち補助巻線を巻回し、対をなすスイッチング素子13,16のオン時に、前記昇圧インダクタ6の二次巻線6Bに発生した電圧を前記クランプ用スイッチ7のオン駆動信号として供給するクランプ用スイッチ駆動回路31を設けている。
【0053】
この場合、直列接続されるスイッチング素子13,14のオン時には、昇圧インダクタ6にエネルギーが蓄えられて、昇圧インダクタ6を流れる電流iLが傾斜上昇し、逆に対をなすスイッチング素子13,16のオン時には、昇圧インダクタ6のエネルギーをトランス3の一次巻線3Aに送り出されて、昇圧インダクタ6を流れる電流iLが傾斜下降するので、それぞれのオン時間(Ton若しくはToff)を増減すれば、入力電圧Vinの波形に昇圧インダクタ6を流れる電流iLすなわち入力電流を近付けて、力率の改善を図ることができる。
【0054】
また、対をなすスイッチング素子13,16がオンすると、昇圧インダクタ6の一次巻線6Aに発生する電圧が逆になることを利用して、このとき二次巻線6Bに発生した電圧を、クランプ用スイッチ7をオンにする駆動信号として供給すれば、昇圧インダクタ6の一次巻線6Aと二次巻線6Bの巻線比に比例して、所望の電圧値のオン駆動信号を得ることができる。したがって、制御回路であるPWMコントローラ27の特性に左右されることなく、クランプ用スイッチ7をオンさせるのに十分な電圧を取り出すことが可能になる。
【0055】
また本実施例では、クランプ用スイッチ7がオンした後、直列回路をなすスイッチング素子13,14がオンに切換わる前に、このクランプ用スイッチ7を強制的にオフするための制御信号(トリガ信号)を供給する制御回路(PWMコントローラ27)を設けている。
【0056】
昇圧インダクタ6の二次巻線6Bにより発生する電圧レベルを利用して、クランプ用スイッチ7のオフタイミングを決めた場合には、昇圧インダクタ6が放電から充電に転じた瞬間に、クランプ用スイッチ7がオンしていて貫通電流が流れる虞れがある。しかし、昇圧インダクタ6の二次巻線6Bに発生する電圧レベルとは無関係に、PWMコントローラ27から与えられるトリガ信号によって、直列回路をなすスイッチング素子13,14がオンに切換わる前に、クランプ用スイッチ7が強制的にオフするので、クランプ用スイッチ7を経由してクランプ用コンデンサ8に貫通電流が流れ込むことがない。
【0057】
次に、本発明の第2実施例を図4および図5に基づき説明する。この第2実施例におけるコンバータ1は、ブーストフルブリッジ形カレントフェッド力率改善コンバータと称するもので、その具体的な回路図は図4に示されている。同図において、インバータに相当するスイッチング回路11は、第1実施例と同様にブリッジ接続された4個のスイッチング素子13〜16からなり、直列接続された第1および第2のスイッチング素子13,14の接続点と、同じく直列接続された第3および第4のスイッチング素子15,16の接続点間に、トランス3の一次巻線3Aが接続される。トランス3の二次巻線3Bはセンタータップを有し、ダイオード19,20および平滑コンデンサ21からなる出力回路17の構成は、第1実施例と同じである。
【0058】
入力電源2は、第1実施例と同じく交流電源2Aと整流回路に相当するダイオードブリッジ2Bとにより構成される。また、各スイッチング素子13〜16は、いずれも内蔵するボディダイオードと、寄生キャパシタをそのドレイン・ソース間に接続している。なお、4はトランス3の漏れインダクタンスである。
【0059】
本実施例では、直列接続された一方のスイッチング素子13,14の接続点と、直列接続された他方のスイッチング素子15,16の接続点に、それぞれ第1の昇圧インダクタ61および第2の昇圧インダクタ62の各一端を接続し、この昇圧インダクタ61,62の各他端を入力電源2の一端に共通して接続すると共に、スイッチング回路11の一端である第2および第4のスイッチング素子14,16の接続点に、入力電源2の他端が接続される。また、スイッチング回路11の両端間にコンデンサ63を接続して、トランス3の一次側の入力回路を構成している。
【0060】
本実施例における回路トポロジーは、昇圧インダクタ61およびスイッチング素子13,14により構成される第1の昇圧コンバータ64と、昇圧インダクタ62およびスイッチング素子15,16により構成される第2の昇圧コンバータ65との組み合せにより構成される。
【0061】
すなわち第1の昇圧コンバータ64は、第1のスイッチング素子13がオフし、第2のスイッチング素子14がオンする期間に、第1の昇圧インダクタ61にエネルギーを蓄え、第1のスイッチング素子13がオンし、第2のスイッチング素子14がオフする期間に、入力電圧Vinよりも高い電圧でコンデンサ63を充電する。そして、この第1のスイッチング素子13がオンし、第2のスイッチング素子14がオフする期間に、別の第4のスイッチ素子16がオンすれば、入力電源2からのエネルギーに、昇圧インダクタ61およびコンデンサ63のエネルギーを重畳させたものを、トランス3の一次巻線3Aに伝送することができる。また同様に、第2の昇圧コンバータ65は、第3のスイッチング素子15がオフし、第4のスイッチング素子16がオンする期間に、第2の昇圧インダクタ62にエネルギーを蓄え、第3のスイッチング素子15がオンし、第4のスイッチング素子16がオフする期間に、入力電圧Vinよりも高い電圧でコンデンサ63を充電する。そして、この第3のスイッチング素子15がオンし、第4のスイッチング素子16がオフする期間に、別の第2のスイッチ素子14がオンすれば、入力電源2からのエネルギーに、昇圧インダクタ62およびコンデンサ63のエネルギーを重畳させたものを、トランス3の一次巻線3Aに伝送することができる。
【0062】
図4の回路図には、帰還ループの構成が図示されていないが、ここでは直列接続されたスイッチング素子13,14を同時にかつ逆の状態でオン・オフさせ、同様に直列接続されたスイッチング素子15,16を位相差をもたせつつ同時にかつ逆の状態でオン・オフさせる駆動信号を、各スイッチング素子13〜16に供給する制御回路としてのPWMコントローラが設けられ、これにより、第1の昇圧コンバータ64のスイッチング素子13がオンする期間中に、第2の昇圧コンバータ65のスイッチング素子16をオンし、第2の昇圧コンバータ65のスイッチング素子15がオンする期間中に、第1の昇圧コンバータ64のスイッチング素子14をオンするように構成している。
【0063】
PWMコントローラは、第1の昇圧コンバータ64を構成するスイッチング素子13,14と、第2の昇圧コンバータ65を構成するスイッチング素子15,16を、位相差をもたせてスイッチング動作させるが、とりわけ180°の位相差をもたせると、各昇圧インダクタ61,62の電流位相が180°異なって、昇圧インダクタ61,62の各電流を合計した入力電流のリップル成分を、効果的に低減することができる。また、スイッチング素子13,14とスイッチング素子15,16は独立して制御されるため、既存の昇圧形力率改善回路をスイッチング制御する制御回路を、そのまま使用することができる。PWMコントローラは、入力電流が入力電圧Vinの波形と同じく正弦波状に変化し、且つ出力電圧が目標値となるように、各スイッチング素子13〜16に対する駆動信号のパルス導通幅を制御する。
【0064】
次に、上記構成についてその作用を図5の波形図を参照しながら説明する。なおこの図5において、Vgs13はスイッチング素子13のゲート・ソース間電圧、Vgs15はスイッチング素子15のゲート・ソース間電圧、Vgs14はスイッチング素子14のゲート・ソース間電圧、Vgs16はスイッチング素子16のゲート・ソース間電圧、i61,i62は昇圧インダクタ61,62を流れる電流(但し、実線が電流i61、破線が電流i62)、i14はスイッチング素子14のドレイン・ソース間電流、i13はスイッチング素子13のドレイン・ソース間電流、V14はスイッチング素子14のドレイン・ソース間電圧、i19,i20はダイオード19,20を流れる電流(但し、実線が電流i19、破線が電流i20)である。
【0065】
本実施例の回路トポロジーでも、一周期の時間Tを4つの期間▲1▼〜▲4▼に分けて考える。なお、スイッチング素子13,14、あるいはスイッチング素子15,16が同時にオンすることを避けるために、実際にはこのスイッチング素子13,14、あるいはスイッチング素子15,16のオン・オフ切換わり時にデッドタイムtdを設けているが、以下の動作説明では無視する。
【0066】
先ず、t0からt1の期間▲1▼において、ここではPWMコントローラからの駆動信号によって第1の昇圧コンバータ64を構成するスイッチング素子13,14のオン・オフが切換わり、スイッチング素子14,15がオンし、スイッチング素子13,16がオフする。第1の昇圧コンバータ64側では、スイッチング素子14がオンしている関係で、昇圧インダクタ61に入力電圧inが印加されてエネルギーが蓄えられ、昇圧インダクタ61を流れる電流i61は傾斜上昇する。これに対して、第2の昇圧コンバータ65側では、スイッチング素子15がオンしている関係で、それまでコンデンサ63に蓄えられていたエネルギーと、その他に昇圧インダクタ62に蓄えられていたエネルギーと、入力電源2からのエネルギーが、トランス3の一次巻線3Aからスイッチング素子14を通過する一次側電流として流れ、トランス3の二次巻線3Bはドット側に正極性の電圧が誘起される。したがって、出力回路17を構成する一方のダイオード19がオンし、このダイオード19を介して平滑コンデンサ21や出力端子25,26間の負荷(図示せず)にエネルギーが送り出され、平滑コンデンサ21は充電する。
【0067】
なお、この期間▲1▼におけるトランス3の一次巻線3Aの両端間電圧は、コンデンサ63の両端間電圧によってクランプされ、それ以上に跳ね上がることはない。また昇圧インダクタ62を流れる電流i62は、そこからエネルギーが放出しているため傾斜減少し続ける。
【0068】
次のt1からt2の期間▲2▼になると、PWMコントローラからの駆動信号によって第1の昇圧コンバータ64を構成するスイッチング素子13,14のオン・オフが再び切換わり、結果的にスイッチング素子13,15がオンし、スイッチング素子14,16がオフする。この場合、昇圧インダクタ61に蓄えられていたエネルギーが、スイッチング素子13を通してコンデンサ63に移動すると共に、昇圧インダクタ62に蓄えられていたエネルギーも、別のスイッチング素子15を通してコンデンサ63に移動して、このコンデンサ63が充電される。したがって、昇圧インダクタ61を流れる電流i61および昇圧インダクタ62を流れる電流i62は、いずれも傾斜減少する。
【0069】
t2からt3の期間▲3▼になると、PWMコントローラからの駆動信号によって今度は第2の昇圧コンバータ65を構成するスイッチング素子15,16のオン・オフが切換わり、スイッチング素子13,16がオンし、スイッチング素子14,15がオフする。第2の昇圧コンバータ65側では、スイッチング素子16がオンしている関係で、昇圧インダクタ62に入力電圧inが印加されてエネルギーが蓄えられ、昇圧インダクタ62を流れる電流i62は傾斜上昇する。これに対して、第1の昇圧コンバータ64側では、スイッチング素子13がオンしている関係で、それまでコンデンサ63に蓄えられていたエネルギーと、その他に昇圧インダクタ61に蓄えられていたエネルギーと、入力電源2からのエネルギーが、トランス3の一次巻線3Aからスイッチング素子14を通過する一次側電流として流れ、トランス3の二次巻線3Bは非ドット側に正極性の電圧が誘起される。したがって、出力回路17を構成する他方のダイオード20がオンし、このダイオード20を介して平滑コンデンサ21や出力端子25,26間の負荷(図示せず)にエネルギーが送り出され、平滑コンデンサ21は充電する。
【0070】
この期間▲3▼におけるトランス3の一次巻線3Aの両端間電圧も、コンデンサ63の両端間電圧によってクランプされ、それ以上に跳ね上がることはない。また昇圧インダクタ61を流れる電流i61は、そこからエネルギーが放出しているため傾斜減少し続ける。
【0071】
最後のt3からt4の期間▲4▼では、PWMコントローラからの駆動信号によって第2の昇圧コンバータ65を構成するスイッチング素子15,16のオン・オフが再び切換わり、期間▲2▼と同じくスイッチング素子13,15がオンし、スイッチング素子14,16がオフする。この場合、昇圧インダクタ61に蓄えられていたエネルギーが、スイッチング素子13を通してコンデンサ63に移動すると共に、昇圧インダクタ62に蓄えられていたエネルギーも、別のスイッチング素子15を通してコンデンサ63に移動して、このコンデンサ63が充電される。したがって、昇圧インダクタ61を流れる電流i61および昇圧インダクタ62を流れる電流i62は、いずれも傾斜減少する。
【0072】
因みに、この期間▲4▼において、スイッチング素子13がターンオフする前に、昇圧インダクタ61を流れる電流i61の向きが逆(負)方向になるように、昇圧インダクタ61のインダクタンス値を設定すると、昇圧インダクタ61からのエネルギーがコンデンサ63に放出した後に、スイッチング素子14の寄生容量に充電されていた電荷が、昇圧インダクタ61を流れる逆向きの電流i61として流れ、スイッチング素子14のドレイン・ソース間電圧V14を零にするので、スイッチング素子14がターンオンする際にゼロボルトスイッチングが達成される。同様に、スイッチング素子15がターンオフする前に、昇圧インダクタ62を流れる電流i62の向きが逆(負)方向になるように、昇圧インダクタ62のインダクタンス値を設定すれば、スイッチング素子16がターンオンする際にゼロボルトスイッチングを達成することができる。
【0073】
また、スイッチング素子14(若しくはスイッチング素子16)のオン時間をtonとし、デューティーD=ton/Tとすると、コンデンサ63の両端間電圧V63は、次の数5にて表わせる。
【0074】
【数5】
Figure 0004093116
期間▲1▼(若しくは期間▲3▼)において、コンデンサ63の両端間電圧V63は、トランス3の一次巻線3A間の電圧と等しいので、平滑コンデンサ21の両端間電圧V21(出力電圧Vout)は、次の数6にて表わせる。
【0075】
【数6】
Figure 0004093116
但し、nはトランス3の一次巻線3Aと二次巻線3Bとの巻数比である。したがって、スイッチング素子14(若しくはスイッチング素子16)のオン時間tonを可変することによって、出力電圧Voutの安定化を図ることができる。
【0076】
以上のように本実施例では、ブリッジ接続された第1〜第4のスイッチング素子13〜16により構成され、第1および第2のスイッチング素子12,13の直列回路の一端と、第3および第4のスイッチング素子14,15の直列回路の一端とを接続し、第1および第2のスイッチング素子12,13の直列回路の他端と、第3および第4のスイッチング素子14,15の直列回路の他端とを接続してなるインバータとしてのスイッチング回路11と、直列接続した第1および第2のスイッチング素子13,14の接続点に一端を接続した第1の昇圧インダクタ61と、直列接続した第3および第4のスイッチング素子15,16の接続点に一端を接続した第2の昇圧インダクタ62と、第1および第2のスイッチング素子13,14の接続点と第3および第4のスイッチング素子15,16の接続点との間に一次巻線3Aを接続した絶縁トランスとしての電力伝送用のトランス3と、第1および第2のスイッチング素子13,14の直列回路の一端と、第3および第4のスイッチング素子15,16の直列回路の一端との接続点を、スイッチング回路11の一端とし、第1および第2のスイッチング素子13,14の直列回路の他端と、第3および第4のスイッチング素子15,16の直列回路の他端との接続点を、スイッチング回路11の他端として、スイッチング回路11の一端と他端との間に接続したコンデンサ63とからなり、入力電源2の一端に第1および第2の昇圧インダクタ61,62の各他端を共通して接続し、入力電源2の他端にスイッチング回路11の一端を接続すると共に、第1〜第4のスイッチング素子13〜16を同じ周期で、且つ第1および第3のスイッチング素子13,15が同じデューティとなり、第2および第4のスイッチング素子14,16が同じデューティとなるように動作させ、第2および第3のスイッチング素子14,15がオン,第1および第4のスイッチング素子13,16がオフになる第1の期間▲1▼と、第1および第3のスイッチング素子13,15がオン,第2および第4のスイッチング素子14,16がオフになる第2の期間▲2▼と、第1および第4のスイッチング素子13,16がオン,第2および第3のスイッチング素子14,15がオフになる第3の期間▲3▼と、第1および第3のスイッチング素子13,15がオン,前記第2および第4のスイッチング素子14,16がオフになる第4の期間▲4▼が順に現れるように、第1および第2のスイッチング素子13,14を同時にかつオン・オフが逆の状態でスイッチング動作させ、しかもこの第1および第2のスイッチング素子13,14に対し位相差をもたせつつ、第3および第4のスイッチング素子15,16を同時にかつオン・オフが逆の状態でスイッチング動作させる制御回路(例えば、PWMコントローラ)を備えている。
【0077】
この場合、第1のスイッチング素子13がオフ、第2のスイッチング素子14がオンしているときに、第1の昇圧インダクタ61にエネルギーを蓄え、第1のスイッチング素子13がオン、第2のスイッチング素子14がオフしているときに、この第1の昇圧インダクタ61のエネルギーによりコンデンサ63を充電する。同様に、第3のスイッチング素子15がオフ、第4のスイッチング素子16がオンしているときに、第2の昇圧インダクタ62にエネルギーを蓄え、第3のスイッチング素子15がオン、第4のスイッチング素子16がオフしているときに、この第2の昇圧インダクタ62のエネルギーによりコンデンサ63を充電する。
【0078】
第1および第2のスイッチング素子13,14は、第3および第4のスイッチング素子15,16と位相差をもたせてスイッチング動作するため、第2のスイッチング素子14がオフしているときに、第3のスイッチング素子15がオフ、第4のスイッチング素子16がオンすると、第1の昇圧インダクタ61に蓄えられたエネルギーと、コンデンサ63に蓄えられたエネルギーが、トランス3の一次巻線3Aに供給される。同様に、第4のスイッチング素子16がオフしているときに、第1のスイッチング素子13がオフ、第2のスイッチング素子14がオンすると、第2の昇圧インダクタ62に蓄えられたエネルギーと、コンデンサ63に蓄えられたエネルギーが、トランス3の一次巻線3Aに供給される。そして、第1の昇圧インダクタ61を流れる電流i61と、第2の昇圧インダクタ62を流れる電流i62を合計した入力電流が、入力電源2からの入力電圧Vinの波形に近付くように各スイッチング素子13〜16をスイッチング動作すれば、力率の改善を図ることができる。
【0079】
このように、直列接続された第1および第2のスイッチング素子13,14、若しくは第3および第4のスイッチング素子15,16が、同時にオンすることはないため、各スイッチング素子13〜16の導通損が小さい。したがって、入力電圧Vinが低い低入力時においてもコンバータ1の効率はさほど低下しない。また、トランス3の一次側で貫通電流が流れるという問題も発生しない。
【0080】
また上記構成においては、第1〜第4のスイッチング素子13〜16を同じ周期で、且つ第1および第3のスイッチング素子13,15が同じデューティとなり、第2および第4のスイッチング素子14,16が同じデューティとなるように動作させ、第2および第3のスイッチング素子14,15がオン,第1および第4のスイッチング素子13,16がオフになる第1の期間▲1▼と、第1および第3のスイッチング素子13,15がオン,第2および第4のスイッチング素子14,16がオフになる第2の期間▲2▼と、第1および第4のスイッチング素子13,16がオン,第2および第3のスイッチング素子14,15がオフになる第3の期間▲3▼と、第1および第3のスイッチング素子13,15がオン,前記第2および第4のスイッチング素子14,16がオフになる第4の期間▲4▼が順に現れるように、第1および第2のスイッチング素子13,14を同時にかつオン・オフが逆の状態でスイッチング動作させる第1の制御部と、第1および第2のスイッチング素子13,14に対し位相差をもたせつつ、第3および第4のスイッチング素子15,16を同時にかつオン・オフが逆の状態でスイッチング動作させる第2の制御部を各々独立して設けることで、前記制御回路を構成してもよい。すなわち、本実施例の回路トポロジーは、第1の昇圧インダクタ61と第1および第2のスイッチング素子13,14とからなる第1の昇圧コンバータ64と、第2の昇圧インダクタ62と第3および第4のスイッチング素子15,16とからなる第2の昇圧コンバータ65を組み合せたものであるため、各昇圧コンバータ64,65に対し独立した制御部を設けて、それぞれのスイッチング素子13〜16をスイッチング動作させることができる。そのため、既存の昇圧形力率改善回路で使用していた制御部を、制御回路の一部としてそのまま使用することができる。さらに本実施例では、上述のように昇圧インダクタ61,62のインダクタンス値を最適に設定することで、スイッチング素子14,16のターンオン時におけるゼロボルトスイッチングも達成できる。
【0081】
次に、本発明の第3実施例を図6に基づき説明する。なお、上記第1実施例や第2実施例と同一箇所には同一符号を付し、共通する部分の説明は重複するため極力省略する。
【0082】
前記第2実施例では、第1の昇圧コンバータ64と第2の昇圧コンバータ65に共通のコンデンサ63を設けていたが、本実施例では、スイッチング素子13,14からなる直列回路の両端間に第1のコンデンサ71を接続すると共に、スイッチング素子15,16からなる直列回路の両端間に別の第2のコンデンサ72を接続して、第1の昇圧コンバータ64と第2の昇圧コンバータ65に別々のコンデンサ71,72を設けている。その他の構成は、第2実施例に示すブーストフルブリッジ形カレントフェッド力率改善コンバータと共通している。
【0083】
また、本実施例の回路トポロジーにおける動作は、コンデンサ71,72が分離している点を除けば、前記図5に示す一周期の時間Tにわたり共通している。すなわち、第1の昇圧コンバータ64は、第1のスイッチング素子13がオフし、第2のスイッチング素子14がオンする期間に、第1の昇圧インダクタ61にエネルギーを蓄え、第1のスイッチング素子13がオンし、第2のスイッチング素子14がオフする期間に、入力電圧Vinよりも高い電圧で第1のコンデンサ71を充電する。そして、この第1のスイッチング素子13がオンし、第2のスイッチング素子14がオフする期間に、別の第4のスイッチ素子16がオンすれば、入力電源2からのエネルギーに、昇圧インダクタ61および第1のコンデンサ71のエネルギーを重畳させたものを、トランス3の一次巻線3Aに伝送することができる。また同様に、第2の昇圧コンバータ65は、第3のスイッチング素子15がオフし、第4のスイッチング素子16がオンする期間に、第2の昇圧インダクタ62にエネルギーを蓄え、第3のスイッチング素子15がオンし、第4のスイッチング素子16がオフする期間に、今度は入力電圧Vinよりも高い電圧で第2のコンデンサ72を充電する。そして、この第3のスイッチング素子15がオンし、第4のスイッチング素子16がオフする期間に、別の第2のスイッチ素子14がオンすれば、入力電源2からのエネルギーに、昇圧インダクタ62および第2のコンデンサ72のエネルギーを重畳させたものを、トランス3の一次巻線3Aに伝送することができる。
【0084】
より具体的には、図5に示すt0からt1の期間▲1▼において、PWMコントローラからの駆動信号によって、スイッチング素子14,15がオンし、スイッチング素子13,16がオフする。第1の昇圧コンバータ64側では、スイッチング素子14がオンしている関係で、昇圧インダクタ61に入力電圧inが印加されてエネルギーが蓄えられ、昇圧インダクタ61を流れる電流i61は傾斜上昇する。これに対して、第2の昇圧コンバータ65側では、スイッチング素子15がオンしている関係で、それまで第2のコンデンサ72に蓄えられていたエネルギーと、その他に昇圧インダクタ62に蓄えられていたエネルギーと、入力電源2からのエネルギーが、トランス3の一次巻線3Aからスイッチング素子14を通過する一次側電流として流れ、トランス3の二次巻線3Bはドット側に正極性の電圧が誘起される。したがって、ダイオード19を介して平滑コンデンサ21や出力端子25,26間の負荷(図示せず)にエネルギーが送り出され、平滑コンデンサ21は充電する。
【0085】
なお、この期間▲1▼におけるトランス3の一次巻線3Aの両端間電圧は、第2のコンデンサ72の両端間電圧によってクランプされ、それ以上に跳ね上がることはない。また昇圧インダクタ62を流れる電流i62は、そこからエネルギーが放出しているため傾斜減少し続ける。
【0086】
t1からt2の期間▲2▼になると、スイッチング素子13,15がオンし、スイッチング素子14,16がオフする。この場合、昇圧インダクタ61に蓄えられていたエネルギーが、スイッチング素子13を通して第1のコンデンサ71に移動し、また昇圧インダクタ62に蓄えられていたエネルギーも、別のスイッチング素子15を通して第2のコンデンサ72に移動して、コンデンサ71,72が充電される。したがって、昇圧インダクタ61を流れる電流i61および昇圧インダクタ62を流れる電流i62は、いずれも傾斜減少する。
【0087】
t2からt3の期間▲3▼になると、スイッチング素子13,16がオンし、スイッチング素子14,15がオフする。第2の昇圧コンバータ65側では、昇圧インダクタ62に入力電圧inが印加されてエネルギーが蓄えられ、昇圧インダクタ62を流れる電流i62は傾斜上昇する。これに対して、第1の昇圧コンバータ64側では、スイッチング素子13がオンしている関係で、それまで第1のコンデンサ71に蓄えられていたエネルギーと、その他に昇圧インダクタ61に蓄えられていたエネルギーと、入力電源2からのエネルギーが、トランス3の一次巻線3Aからスイッチング素子14を通過する一次側電流として流れ、トランス3の二次巻線3Bは非ドット側に正極性の電圧が誘起される。したがって、ダイオード20を介して平滑コンデンサ21や出力端子25,26間の負荷(図示せず)にエネルギーが送り出され、平滑コンデンサ21は充電する。
【0088】
この期間▲3▼におけるトランス3の一次巻線3Aの両端間電圧も、第1のコンデンサ71の両端間電圧によってクランプされ、それ以上に跳ね上がることはない。また昇圧インダクタ61を流れる電流i61は、そこからエネルギーが放出しているため傾斜減少し続ける。
【0089】
最後のt3からt4の期間▲4▼では、期間▲2▼と同じくスイッチング素子13,15がオンし、スイッチング素子14,16がオフするので、コンデンサ71,72が充電される。したがって、昇圧インダクタ61を流れる電流i61および昇圧インダクタ62を流れる電流i62は、いずれも傾斜減少する。
【0090】
因みに、この期間▲4▼において、スイッチング素子13がターンオフする前に、昇圧インダクタ61を流れる電流i61の向きが逆(負)方向になるように、昇圧インダクタ61のインダクタンス値を設定すると、昇圧インダクタ61からのエネルギーが第1のコンデンサ71に放出した後に、スイッチング素子14の寄生容量に充電されていた電荷が、昇圧インダクタ61を流れる逆向きの電流i61として流れ、スイッチング素子14のドレイン・ソース間電圧V14を零にするので、スイッチング素子14がターンオンする際にゼロボルトスイッチングが達成される。同様に、スイッチング素子15がターンオフする前に、昇圧インダクタ62を流れる電流i62の向きが逆(負)方向になるように、昇圧インダクタ62のインダクタンス値を設定すれば、スイッチング素子16がターンオンする際にゼロボルトスイッチングを達成することができる。
【0091】
また、昇圧インダクタ61,62のインダクタンス値を調整するのではなく、スイッチング素子14のオン時間をスイッチング素子13のオン時間よりも大きくしても、スイッチング素子14のターンオン時におけるゼロボルトスイッチングを達成できる。すなわち、この場合はトランス3の漏れインダクタンスとスイッチング素子14の寄生容量とによる共振電流が、スイッチング素子14のターンオン直前に、スイッチング素子14のボディダイオードを通過する逆向きの電流として発生するからである。同様に、トランス3の漏れインダクタンスとスイッチング素子16の寄生容量とによる共振電流が、スイッチング素子16のターンオン直前に、スイッチング素子16のボディダイオードを通過する逆向きの電流として発生するように、スイッチング素子16のオン時間をスイッチング素子15のオン時間よりも大きく設定すれば、スイッチング素子16のターンオン時におけるゼロボルトスイッチングも達成できる。
【0092】
ところで、第2実施例や第3実施例で示すブーストフルブリッジ形カレントフェッド力率改善コンバータは、入力電源2とトランス3の一次巻線3Aとの間に、2つの昇圧コンバータ64,65を並列接続した構成となっている。ここで第2実施例のように、一方の昇圧コンバータ64の出力と、他方の昇圧コンバータ65の出力とを共通のコンデンサ61につき合わせて供給すると共に、スイッチング素子13,14と、スイッチング素子15,16の位相を180°ずらすように、各昇圧コンバータ64,65毎にそれぞれ設けた制御用IC(制御部)から駆動信号を供給すると、次のような問題が懸念される。
【0093】
PWMコントローラとして、各昇圧コンバータ64,65毎に独立した制御用ICを備えていると、昇圧コンバータ64,65の各出力電圧間に高低の差異を生じる。そのため、出力電圧の高い例えば一方の昇圧コンバータ64から、出力電圧の低い他方の昇圧コンバータ65に吸い込み電流が発生し、昇圧コンバータ64,65の間で電流のアンバランス状態が生じる。また、出力端子25,26に接続する負荷が重くなった場合も、出力電圧の低い昇圧コンバータ65よりも出力電圧の高い昇圧コンバータ64の電流分担が多くなるので、ここでも電流のアンバランス状態が生じることになる。
【0094】
その点、本実施例では、第1の昇圧コンバータ64を構成するスイッチング素子13のドレインと、第2の昇圧コンバータ65を構成するスイッチング素子15のドレインをつき合わせずに、別々のコンデンサ71,72に接続している。すなわち、各昇圧コンバータ64,65の出力が別々のコンデンサ71,72に供給されるので、個々の昇圧コンバータ64,65の出力電圧に差異があっても、昇圧コンバータ64,65の間で電流のアンバランス状態が生じなくなる。
【0095】
以上のように本実施例では、第1〜第4のスイッチング素子13〜16により構成され、第1および第2のスイッチング素子13,14の直列回路の一端と第3および第4のスイッチング素子15,16の直列回路の一端とを接続してなるインバータとしてのスイッチング回路11と、直列接続した第1および第2のスイッチング素子13,14の接続点に一端を接続した第1の昇圧インダクタ61と、直列接続した第3および第4のスイッチング素子15,16の接続点に端を接続した第2の昇圧インダクタ62と、第1および第2のスイッチング素子13,14の接続点と第3および第4のスイッチング素子15,16の接続点との間に一次巻線3Aを接続した絶縁トランスとしての電力伝送用のトランス3と、スイッチング素子13,14の直列回路の両端間に接続する第1のコンデンサ71と、スイッチング素子15,16の直列回路の両端間に接続する第2のコンデンサ72とからなり、第1および第2のスイッチング素子13,14の直列回路の一端と、第3および第4のスイッチング素子15,16の直列回路の一端との接続点を、スイッチング回路11の一端とし、入力電源2の一端に昇圧インダクタ61,62の各他端を共通して接続し、入力電源2の他端にスイッチング回路11の一端であるスイッチング素子14とコンデンサ71の接続点およびスイッチング素子16とコンデンサ72の接続点を接続すると共に、第1〜第4のスイッチング素子13〜16を同じ周期で、且つ第1および第3のスイッチング素子13,15が同じデューティとなり、第2および第4のスイッチング素子14,16が同じデューティとなるように動作させ、第2および第3のスイッチング素子14,15がオン,第1および第4のスイッチング素子13,16がオフになる第1の期間▲1▼と、第1および第3のスイッチング素子13,15がオン,第2および第4のスイッチング素子14,16がオフになる第2の期間▲2▼と、第1および第4のスイッチング素子13,16がオン,第2および第3のスイッチング素子14,15がオフになる第3の期間▲3▼と、第1および第3のスイッチング素子13,15がオン,前記第2および第4のスイッチング素子14,16がオフになる第4の期間▲4▼が順に現れるように、第1および第2のスイッチング素子13,14を同時にかつオン・オフが逆の状態でスイッチング動作させ、しかもこの第1および第2のスイッチング素子13,14に対し位相差をもたせつつ、第3および第4のスイッチング素子15,16を同時にかつオン・オフが逆の状態でスイッチング動作させる制御回路(例えば、PWMコントローラ)を備えている。
【0096】
このようにすると、第2実施例と同様に、直列接続された第1および第2のスイッチング素子13,14、若しくは第3および第4のスイッチング素子15,16が、同時にオンすることはないため、各スイッチング素子13〜16の導通損が小さい。したがって、入力電圧Vinが低い低入力時においてもコンバータ1の効率はさほど低下しない。また、トランス3の一次側で貫通電流が流れるという問題も発生しない。
【0097】
また、第2実施例と第3実施例に共通して、第1〜第4のスイッチング素子13〜16を同じ周期で、且つ第1および第3のスイッチング素子13,15が同じデューティとなり、第2および第4のスイッチング素子14,16が同じデューティとなるように動作させ、第2および第3のスイッチング素子14,15がオン,第1および第4のスイッチング素子13,16がオフになる第1の期間▲1▼と、第1および第3のスイッチング素子13,15がオン,第2および第4のスイッチング素子14,16がオフになる第2の期間▲2▼と、第1および第4のスイッチング素子13,16がオン,第2および第3のスイッチング素子14,15がオフになる第3の期間▲3▼と、第1および第3のスイッチング素子13,15がオン,前記第2および第4のスイッチング素子14,16がオフになる第4の期間▲4▼が順に現れるように、第1および第2のスイッチング素子13,14を同時にかつオン・オフが逆の状態でスイッチング動作させる駆動信号を供給する第1の制御部と、第1および第2のスイッチング素子13,14に対し位相差をもたせつつ、第3および第4のスイッチング素子15,16を同時にかつオン・オフが逆の状態でスイッチング動作させる駆動信号を供給する第2の制御部を、前記制御回路が各々独立して設けてもよい。
【0098】
第2実施例と第3実施例の回路トポロジーは、第1の昇圧インダクタ61と第1および第2のスイッチング素子13,14とからなる第1の昇圧コンバータ64と、第2の昇圧インダクタ62と第3および第4のスイッチング素子15,16とからなる第2の昇圧コンバータ65を組み合せたものであるため、各昇圧コンバータ64,65に対し独立した制御部を設けて、それぞれのスイッチング素子13〜16をスイッチング動作させることができる。そのため、既存の昇圧形力率改善回路で使用していた制御部を、制御回路の一部としてそのまま使用することができる。
【0099】
また、第2実施例や第3実施例の制御回路は、スイッチング素子13がオンからオフに切換った後に、スイッチング素子14がオフからオンに切換り、スイッチング素子14がオンからオフ切換った後に、スイッチング素子13がオフからオンに切換るようなデッドタイムtdを設けて、第1および第2のスイッチング素子13,14を同時にかつオン・オフが逆の状態でスイッチング動作させると共に、スイッチング素子15がオンからオフに切換った後に、スイッチング素子16がオフからオンに切換り、スイッチング素子16がオンからオフ切換った後に、スイッチング素子15がオフからオンに切換るようなデッドタイムtdを設けて、第3および第4のスイッチング素子15,16を同時にかつオン・オフが逆の状態でスイッチング動作させるように構成している。
【0100】
こうすると、スイッチング素子13,14、あるいはスイッチング素子15,16が同時にオンするのを避けることができる。
【0101】
さらに本実施例特有の効果として、スイッチング素子13,14と第1の昇圧インダクタ61とにより構成される第1の昇圧コンバータ64と、スイッチング素子15,16と第2の昇圧インダクタ62とにより構成される第2の昇圧コンバータ65の出力が、それぞれ第1のコンデンサ71および第2のコンデンサ72に別々に供給されるので、個々の昇圧コンバータ64,65の出力電圧に差異があっても、各昇圧コンバータ64,65間の電流アンバランス状態を回避することができる。
【0102】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。
【0103】
【発明の効果】
本発明における請求項1の力率改善コンバータによれば、入力電圧が低い場合でも、コンバータの効率が低下しない力率改善コンバータを得ることができる。また、個々の昇圧コンバータの出力電圧に差異があっても、各昇圧コンバータ間の電流アンバランス状態を回避することができる。
【0104】
本発明における請求項2の力率改善コンバータによれば、入力電圧が低い場合でも、コンバータの効率が低下しない力率改善コンバータを得ることができる。
【0105】
本発明における請求項3の力率改善コンバータによれば、既存の昇圧形力率改善回路で使用していた制御部を、制御回路の一部としてそのまま使用することができる。
【0106】
本発明における請求項4の力率改善コンバータによれば、第1および第2スイッチング素子、あるいは第3および第4のスイッチング素子が同時にオンするのを避けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施例を示す力率改善コンバータの回路図である。
【図2】 同上各部の動作を示す波形図である。
【図3】 同上各動作状態における等価的な回路図である。
【図4】 本発明の第2実施例を示す力率改善コンバータの回路図である。
【図5】 同上各部の動作を示す波形図である。
【図6】 本発明の第3実施例を示す力率改善コンバータの回路図である。
【図7】 従来例における力率改善コンバータの回路図である。
【図8】 従来例における各部の動作を示す波形図である。
【符号の説明】
2 入力電源
3 トランス
3A 一次巻線
13〜16 スイッチング素子(第1〜第4のスイッチング素子)
27 PWMコントローラ(制御回路)
61 第1の昇圧インダクタ
62 第2の昇圧インダクタ
63 コンデンサ
71 第1のコンデンサ
72 第2のコンデンサ

Claims (4)

  1. 第1〜第4のスイッチング素子により構成され、前記第1および第2のスイッチング素子の直列回路の一端と前記第3および第4のスイッチング素子の直列回路の一端とを接続してなるインバータと、
    直列接続した前記第1および第2のスイッチング素子の接続点に一端を接続した第1の昇圧インダクタと、
    直列接続した前記第3および第4のスイッチング素子の接続点に一端を接続した第2の昇圧インダクタと、
    前記第1および第2のスイッチング素子の接続点と前記第3および第4のスイッチング素子の接続点との間に一次巻線を接続した絶縁トランスと、
    前記第1および第2のスイッチング素子の直列回路の両端間に接続される第1のコンデンサと、
    前記第3および第4のスイッチング素子の直列回路の両端間に接続される第2のコンデンサとからなり、
    前記第1および第2のスイッチング素子の直列回路の一端と、前記第3および第4のスイッチング素子の直列回路の一端との接続点を、前記インバータの一端とし、
    入力電源の一端に前記第1および第2の昇圧インダクタの各他端を共通して接続し、前記入力電源の他端に前記インバータの一端を接続すると共に、
    前記第1〜第4のスイッチング素子を同じ周期で、且つ前記第1および第3のスイッチング素子が同じデューティとなり、前記第2および第4のスイッチング素子が同じデューティとなるように動作させ、前記第2および第3のスイッチング素子がオン,前記第1および第4のスイッチング素子がオフになる第1の期間と、前記第1および第3のスイッチング素子がオン,前記第2および第4のスイッチング素子がオフになる第2の期間と、前記第1および第4のスイッチング素子がオン,前記第2および第3のスイッチング素子がオフになる第3の期間と、前記第1および第3のスイッチング素子がオン,前記第2および第4のスイッチング素子がオフになる第4の期間が順に現れるように、前記第1および第2のスイッチング素子を同時にかつオン・オフが逆の状態でスイッチング動作させ、この第1および第2のスイッチング素子に対し位相差をもたせつつ、前記第3および第4のスイッチング素子を同時にかつオン・オフが逆の状態でスイッチング動作させる制御回路を備えたことを特徴とする力率改善コンバータ。
  2. ブリッジ接続された第1〜第4のスイッチング素子により構成され、前記第1および第2のスイッチング素子の直列回路の一端と前記第3および第4のスイッチング素子の直列回路の一端とを接続し、前記第1および第2のスイッチング素子の直列回路の他端と前記第3および第4のスイッチング素子の直列回路の他端とを接続してなるインバータと、
    直列接続した前記第1および第2のスイッチング素子の接続点に一端を接続した第1の昇圧インダクタと、
    直列接続した前記第3および第4のスイッチング素子の接続点に一端を接続した第2の昇圧インダクタと、
    前記第1および第2のスイッチング素子の接続点と前記第3および第4のスイッチング素子の接続点との間に一次巻線を接続した絶縁トランスと、
    前記第1および第2のスイッチング素子の直列回路の一端と、前記第3および第4のスイッチング素子の直列回路の一端との接続点を、前記インバータの一端とし、前記第1および第2のスイッチング素子の直列回路の他端と、前記第3および第4のスイッチング素子の直列回路の他端との接続点を、前記インバータの他端として、前記インバータの一端と他端との間に接続したコンデンサとからなり、
    入力電源の一端に前記第1および第2の昇圧インダクタの各他端を共通して接続し、前記入力電源の他端に前記インバータの一端を接続すると共に、
    前記第1〜第4のスイッチング素子を同じ周期で、且つ前記第1および第3のスイッチング素子が同じデューティとなり、前記第2および第4のスイッチング素子が同じデューティとなるように動作させ、前記第2および第3のスイッチング素子がオン,前記第1および第4のスイッチング素子がオフになる第1の期間と、前記第1および第3のスイッチング素子がオン,前記第2および第4のスイッチング素子がオフになる第2の期間と、前記第1および第4のスイッチング素子がオン,前記第2および第3のスイッチング素子がオフになる第3の期間と、前記第1および第3のスイッチング素子がオン,前記第2および第4のスイッチング素子がオフになる第4の期間が順に現れるように、前記第1および第2のスイッチング素子を同時にかつオン・オフが逆の状態でスイッチング動作させ、この第1および第2のスイッチング素子に対し位相差をもたせつつ、前記第3および第4のスイッチング素子を同時にかつオン・オフが逆の状態でスイッチング動作させる制御回路を備えたことを特徴とする力率改善コンバータ。
  3. 前記制御回路は、前記第1〜第4のスイッチング素子を同じ周期で、且つ前記第1および第3のスイッチング素子が同じデューティとなり、前記第2および第4のスイッチング素子が同じデューティとなるように動作させ、前記第2および第3のスイッチング素子がオン,前記第1および第4のスイッチング素子がオフになる第1の期間と、前記第1および第3のスイッチング素子がオン,前記第2および第4のスイッチング素子がオフになる第2の期間と、前記第1および第4のスイッチング素子がオン,前記第2および第3のスイッチング素子がオフになる第3の期間と、前記第1および第3のスイッチング素子がオン,前記第2および第4のスイッチング素子がオフになる第4の期間が順に現れるように、前記第1および第2のスイッチング素子を同時にかつオン・オフが逆の状態でスイッチング動作させる駆動信号を供給する第1の制御部と、この第1および第2のスイッチング素子に対し位相差をもたせつつ、前記第3および第4のスイッチング素子を同時にかつオン・オフが逆の状態でスイッチング動作させる第2の制御部とを、各々独立して設けてなることを特徴とする請求項1または2記載の力率改善コンバータ。
  4. 前記制御回路は、前記第1のスイッチング素子がオンからオフに切換った後に、前記第2のスイッチング素子がオフからオンに切換り、前記第2のスイッチング素子がオンからオフ切換った後に、前記第1のスイッチング素子がオフからオンに切換るようなデッドタイムを設けて、前記第1および第2のスイッチング素子を同時にかつオン・オフが逆の状態でスイッチング動作させると共に、
    前記第3のスイッチング素子がオンからオフに切換った後に、前記第4のスイッチング素子がオフからオンに切換り、前記第4のスイッチング素子がオンからオフ切換った後に、前記第3のスイッチング素子がオフからオンに切換るようなデッドタイムを設けて、前記第3および第4のスイッチング素子を同時にかつオン・オフが逆の状態でスイッチング動作させるものであることを特徴とする請求項1または2記載の力率改善コンバータ。
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