JP4415363B2 - スイッチング電源 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スイッチング電源の力率改善と高調波抑制に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図16は従来のスイッチング電源の一例を示す回路図である。同図において、交流電源ACは、ダイオードD11〜D14で構成されたブリッジ整流器11に接続され、このブリッジ整流器11には平滑コンデンサC2が並列接続されている。
【0003】
平滑コンデンサC2の正側端子はトランスTRの1次側巻線端子21に接続され、トランスTRの1次側巻線端子22はスイッチング素子Qを介して平滑コンデンサC2の負側端子に接続されている。
【0004】
トランスTRの2次側巻線端子23と24は、ダイオードD5と平滑コンデンサC4によって構成される整流回路25に接続され、整流回路25の出力は負荷回路31に接続されている。
【0005】
制御回路26は、整流回路25の出力電圧を監視し、整流回路25の出力電圧が一定の値になるようにスイッチング素子Qの制御信号Vgateを制御している。このトランスTRと整流回路25とスイッチング素子Qと制御回路26は、トランスTRの1次側に印加された直流電力をトランスTRの2次側に絶縁伝送するDC/DCコンバータ20を構成している。
【0006】
このような構成のスイッチング電源10では、交流電源ACの出力をブリッジ整流器11及び平滑コンデンサC2によって直流変換された直流電圧VC2がDC/DCコンバータ20のトランスQの1次巻線端子21に印加されて、FET(電界効果トランジスタ)などのスイッチング素子Qによってオンオフされる。
【0007】
すると1次側巻線N1を流れる電流IN1がパルス状に流れるため2次巻線N2にはスイッチング電流ID5が誘起され、これをダイオードD5およびコンデンサC4で構成された整流回路25によって直流化し負荷回路31に供給している。このような構成のスイッチング電源は、一般的にコンデンサインプット型のスイッチング電源と呼ばれる。
【0008】
また、図17に示すスイッチング電源は、シングルステージ型のスイッチング電源と呼ばれ、図16に示したコンデンサインプット型のスイッチング電源に比べ力率を改善することが可能である。
【0009】
同図に示すシングルステージ型のスイッチング電源では、フィルタインダクタLと平滑コンデンサC2の接続点にダイオードD1が挿入されると共に、同接続点がダイオードD2を介してDC/DCコンバータ20の主スイッチまたは、主巻線の中間タップに相当する巻線端に接続されている。
【0010】
DC/DCコンバータ20は、ここに発生する高周波交流電圧によりフィルタインダクタLを励磁し、昇圧コンバータとして動作する。この昇圧コンバータをインダクタ電流不連続モード(DCM)で動作させると、コンデンサインプット型のスイッチング電源に比べて入力電流の導通角が広がるため力率を改善することが可能である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら従来のコンデンサインプット型のスイッチング電源では、交流電源ACの整流電圧Vrectが平滑コンデンサC2の両端電圧VC2より低い状態では平滑コンデンサC2の入力電流IC2が流れない。このためスイッチング電源10の入力電流(交流電源ACの出力電流である。)Iinの波形がパルス状になるため、入力電流の導通角が小さくなり、力率の低下と高調波電流の増加を招くという問題点があった。
【0012】
図18は、上述したコンデンサインプット型のスイッチング電源10の入力電圧Vinと入力電流Iinと交流電源ACの整流電圧Vrectと平滑コンデンサC2の両端電圧VC2の波形図である。
【0013】
同図より明らかなように、入力電流Iinは、交流電源ACの整流電圧Vrectが平滑コンデンサC2の両端電圧VC2より低い区間T2では流れず、交流電源ACの整流電圧Vrectが平滑コンデンサC2の両端電圧VC2より高い区間T1ではパルス状に流れる。
【0014】
従って従来のコンデンサインプット型のスイッチング電源では、入力電流Iinがパルス状に流れることによって、入力電流の導通角が小さくなりスイッチング電源10の力率の低下を招くと共に高調波電流の増加を招いてしまう。
【0015】
また、上述したシングルステージ型のスイッチング電源では、平滑コンデンサC2の両端電圧VC2をインダクタLよって昇圧することにより、入力電流Iinの導通角を広げ、力率を改善することが可能であるが、この方式は、平滑コンデンサC2の電圧VC2を上昇させてしまうため、コンデンサインプット型のスイッチング電源に用いる平滑コンデンサに比べ、高価な高耐圧用のコンデンサを用いる必要があり、製造コストが増加するという問題点があった。
【0016】
図19は、上述したシングルステージ型のスイッチング電源の入力電圧Vinと入力電流Iinと交流電源ACの整流電圧Vrectと平滑コンデンサC2の両端電圧VC2とインダクタLの端子電圧Vnbとインダクタ電流ILの波形図である。
【0017】
同図に示すように、シングルステージ型のスイッチング電源では、平滑コンデンサC2に接続されたインダクタを高周波電源によって励磁することによって、平滑コンデンサの電圧VC2に、巻線タップ電圧VNBを重畳させて入力電流Iinの導通角を広げている。
【0018】
ところが、このような方式は、平滑コンデンサC2の耐圧電圧を、平滑コンデンサの電圧VC2+巻線タップ電圧Vnb以上の値に設計する必要があるため、高価な高耐圧用のコンデンサを用いる必要があり、製造コストが増加してしまう。
【0019】
本発明は、上記課題を解決するもので、コンデンサインプット型のスイッチング電源と同程度の耐圧の平滑コンデンサが使用可能であると共に力率を改善することが可能なスイッチング電源を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するために請求項1に記載の発明では、交流電源からの入力を整流する整流回路と、その整流電圧を平滑する第1の平滑コンデンサと第2の平滑コンデンサとの直列接続と、前記第1の平滑コンデンサと前記第2の平滑コンデンサとで平滑された電圧を入力として、高周波スイッチングにより電圧変換を行うDC/DCコンバータアノードがインダクタンス素子を介して前記整流回路の正の出力に接続されカソードが前記第2の平滑コンデンサの正側端子に接続される第1のダイオードと、アノードが前記インダクタンス素子を介して前記整流回路の正の出力に接続されカソードが前記DC/DCコンバータに発生する高周波交流電圧源に接続される第2のダイオードと、アノードが前記整流回路の正の出力に接続されカソードが前記第1の平滑コンデンサの正側端子と前記第2の平滑コンデンサの負側端子との接続点に接続される第3のダイオードと、アノードが前記第2の平滑コンデンサの負側端子に接続されカソードが前記第2の平滑コンデンサの正側端子に接続される第4のダイオードとを備えたことを特徴とするものである。
【0021】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の発明において、前記インダクタンス素子は、第1及び第2の端子を持つ単一の巻線により構成されたインダクタであり、前記第1の端子が前記整流回路の正の出力に接続され、前記第2の端子が前記第1のダイオードを介して前記第2の平滑コンデンサの正極に接続され、前記高周波交流電圧源が、前記第3のダイオードを介して、前記第1の端子に接続されることを特徴とするものである。
【0022】
請求項3に記載の発明では、請求項1に記載の発明において、前記インダクタンス素子は、複数の巻線により構成された3つ以上の端子を持つカップルドインダクタであることを特徴とするものである。
【0023】
請求項4に記載の発明では、請求項3に記載の発明において、前記カップルドインダクタは、結合係数が0.9以下であることを特徴とするものである。
【0024】
請求項5に記載の発明では、請求項3に記載の発明において、前記カップルドインダクタは、第1の巻線と第2の巻線を備えたトランス構成を成しており、前記第1の巻線が前記整流回路の正の出力と前記第2の平滑コンデンサの正極との間に前記第1のダイオードを介し直列に接続され、前記第2の巻線が、前記整流回路の正の出力と前記高周波交流電圧源との間に前記第2のダイオードを介して接続されることを特徴とするものである。
【0025】
請求項6に記載の発明では、請求項3に記載の発明において、前記カップルドインダクタは、第1の巻線と第2の巻線の接続点をセンタタップとするインダクタンス素子であり、前記第1の巻線と第2の巻線が整流回路の正の出力と第2の平滑コンデンサの正極との間に前記第1のダイオードを介し直列に接続され、前記センタータップが前記第2のダイオードを介して前記高周波交流電圧源に接続されることを特徴とするものである。
【0026】
請求項7に記載の発明では、請求項3に記載の発明において、前記カップルドインダクタは、第1の巻線と第2の巻線の接続点をセンタタップとするインダクタンス素子であり、前記第1の巻線が前記整流回路の正の出力と前記第2の平滑コンデンサの正極との間に前記第1のダイオードを介して直列に接続され、前記第2の巻線が前記第2のダイオードを介して前記高周波交流電圧源に接続されることを特徴とするものである。
【0027】
請求項8に記載の発明では、請求項1に記載の発明において、前記DC/DCコンバータは、フライバック方式であることを特徴とするものである。
【0028】
請求項9に記載の発明では、請求項1に記載の発明において、前記DC/DCコンバータは、フォワード方式であることを特徴とするものである。
【0029】
請求項10に記載の発明では、請求項1に記載の発明において、前記DC/DCコンバータは、ハーフブリッジ方式、Cuk方式、ゼータ方式またはSEPIC方式であることを特徴とするものである。
【0030】
請求項11に記載の発明では、請求項1に記載の発明において、前記高周波交流電圧源は、前記DC/DCコンバータ内に備えられたトランスから取り出されるように構成されたことを特徴とするものである。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下図面を用いて本発明を詳しく説明する。図1は本発明に係るスイッチング電源の一実施例を示す回路図である。尚、同図において従来例と同様の構成要素は同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0032】
本発明の基本回路は、図1に示すように、インダクタンス素子Lの一方端子をブリッジ整流器等の整流回路11の正側端子に直列に結線し、他方端子をダイオードD1を直列に介して平滑コンデンサC2の正側端子に接続し、インダクタンス素子Lを励磁する端子をダイオードD2を直列に介して絶縁形DC/DCコンバータ20内の高周波交流電圧源に接続するとともに、平滑コンデンサC1を同C2に直列に接続し、その接続点とブリッジ整流器10の正側端子をダイオードD3を直列に介して接続し、平滑コンデンサC2と並列にダイオードD4を接続されて構成されている。
【0033】
このような基本回路をフライバックコンバータに適用した具体的な回路例を図2に示す。
【0034】
本回路例では、トランスTの一次側巻線に中間タップを設け、これに現れる電圧を高周波交流電圧源として使用している。また、この中間タップによって分割された一次側巻線をそれぞれN1,N2とし、二次側巻線をN3とする。
【0035】
以下、図3〜図9を用いて、上記図2に示したスイッチング電源の動作について、説明する。尚、図3は、上記図2に示したスイッチング電源の電源投入時の動作を説明する図であり、図4,5は、通常動作時の動作を説明する図であり、図6,7は、停止時の動作を説明する図である。また、図8は、商用周波数における、入力電流Iin、平滑コンデンサ電圧Vc1、Vc2を示す図であり、図9はスイッチング周波数における代表的な動作電圧、電流を示す図である。
【0036】
尚、図8,9の動作波形は、回路シミュレータを用いて得られたものであり、各回路定数は、それぞれ、
L=90uH,C1=C2=220uF,T=400uH,N1:N2:N3=12:24:19,C3=1uF,C4=680μF
である。
【0037】
更に、以下の説明では、商用電源ACからEMIフィルタ41及びブリッジ整流器11を電圧源51として示し、この電圧源51の出力電圧をVrectとする。また、簡単のため、ダイオードの順方向電圧降下、巻線の寄生抵抗等は無視する。
【0038】
電源投入時、すなわち電圧源Vrectが印可されると、図3に示すように、ダイオードD3を介して平滑コンデンサC1が電圧源Vrectの最大値まで充電される。
【0039】
このとき、平滑コンデンサC2の正側の端子と負側の端子にかかる電圧は直流的には等しく、平滑コンデンサC2は充電されない。この関係はDC/DCコンバータ20が起動するまで維持される。
【0040】
DC/DCコンバータ20が起動すると、図4に示すように、スイッチQがオンのときには、直列接続された平滑コンデンサC1、C2の電圧VC2によりトランスTが励磁される。
【0041】
このときトランスTの巻き数比N1:N2の位置に設けられたタップの電圧は、VNB=N2 / (N1+N2) となり、これが入力電圧Vrectより低いとL→D2→N2→Qの経路Rt1が導通し、インダクタLが励磁される。
【0042】
スイッチQがオフのときには、図5に示すように、トランスTのリセット電流が2次側のダイオードD5により整流されて出力される。また、インダクタLのリセット電流がダイオードD1→C2→C1の経路Rt2で流れ、平滑コンデンサC1、C2を充電する。
【0043】
図4,5の期間の代表的な波形を図9に示す。同図は、本発明のスイッチング電源におけるスイッチング素子Qのゲート電圧Vgateと、トランスTに流入する電流ITと、各ダイオードD1〜D5に流れる電流ID1〜ID5の波形図である。
【0044】
同図に示すように、ゲート電圧Vgateによってスイッチング素子Qのオンオフを繰り返すことにより、電圧源51からスイッチング電源に流入する電流ID1〜ID3に高周波成分が重畳される。
【0045】
また、電流ID1〜ID3を加算した電流は、交流電源ACからスイッチング電源に流入する入力電流Iinと同一であり、この時の入力電流Iinは、図8に示したIinの波形のようになる。
【0046】
同図Iinの波形より明らかなように、この波形の導通角T3は、従来例で説明したシングルステージ型の電源と同様に、図22に示したコンデンサインプット型の導通角T1に比べて広くなっているため、力率が改善される。
【0047】
一方、平滑コンデンサ電圧に注目すると、インダクタLの動作は昇圧コンバータ動作となるので平滑コンデンサ電圧VC2が上昇する。
【0048】
平滑コンデンサC1は、電源投入時に入力電圧Vrectの最大値まで充電されているため、インダクタLによる昇圧分は主に平滑コンデンサC1の正側端子に直列接続された平滑コンデンサC2に印可される。
【0049】
すなわち、平滑コンデンサ電圧Vc2のうち、平滑コンデンサC1に入力電圧分を、同平滑コンデンサC2に昇圧分をそれぞれ受け持たせることができる。この時の電圧源51の出力電圧Vrectと、平滑コンデンサC1、C2の電圧VC1、VC2の波形を図8に示す。
【0050】
同図において、平滑コンデンサ電圧VC1は、前述のとおり、入力電圧Vrectの最大値で充電されるが、毎スイッチング周期ごとにトランスTの励磁電流で放電し、インダクタLのリセット電流で充電されるため、高周波の充放電による成分が重畳される。
【0051】
このため、平滑コンデンサ電圧VC1のピーク電圧は入力電圧Vrectの最大値よりも若干高目の値となる。しかし、インダクタLのインダクタンス値、及びトランスTのタップ位置N1:N2を適切に設定し、インダクタLによる昇圧を抑えることで、この高周波成分によるピーク電圧の増加を許容可能な範囲に抑えることができる。
【0052】
入力電圧Vrectが停止すると、図6の経路Rt3に示すように、DC/DCコンバータ20は平滑コンデンサC1、C2に蓄えられたエネルギーで動作する。平滑コンデンサC2に充電される電圧はインダクタLによる昇圧分であり、これは平滑コンデンサC1に充電される入力電圧Vrectのピーク相当の電圧よりも低いため、先ず平滑コンデンサC2の放電が完了し、図7の経路Rt4に示すように、ダイオードD4が導通して平滑コンデンサC1の放電する。
【0053】
つまり、本発明のスイッチング電源では、このような動作により、シングルステージ型のスイッチング電源において、入力電圧のピーク電圧を受け持つコンデンサC1と、昇圧分を受け持つコンデンサC2とに平滑コンデンサを分割し、平滑コンデンサにコンデンサインプット型のスイッチング電源に用いる平滑コンデンサと同程度の耐圧の平滑コンデンサを使用して、力率を改善することが可能となる。
【0054】
従来例で説明したコンデンサインプット型の電源では、平滑コンデンサC1に印可される電圧は、入力電圧のピーク電圧程度であるため低価格の平滑コンデンサを用いて安価に製造することが可能であるが力率が悪い。
【0055】
一方、従来例で説明したシングルステージ型スイッチング電源では、力率は改善されるが、平滑コンデンサC1には、入力電圧のピーク電圧に加え、インダクタLによる昇圧分が共に印可されるため、コンデンサインプット型の電源に比べて高い耐圧の平滑コンデンサが必要になる。
【0056】
高耐圧のコンデンサは高価であるため、これを用いることは、電源全体のコストが上昇してしまう欠点がある。
【0057】
本発明では、この問題点を解決し、コンデンサインプット型のスイッチング電源と同程度の平滑コンデンサを用いて、力率を改善することができるシングルステージ型のスイッチング電源を実現することが可能となる。
【0058】
図10に本発明のスイッチング電源の変形実施例をしめす。同図に示すスイッチング電源では、上述したインダクタLを巻線n1、n2から成るトランス型のカップルドインダクタL1で置き換えて構成されている。このような構成のスイッチング電源では、カップルドインダクタL1の各巻線の巻数比n1:n2、結合係数等の設定により、単なるインダクタLを用いた場合に比べ、より広い電力範囲に適用することができる。
【0059】
図11に本発明のスイッチング電源の第2の変形実施例をしめす。同図に示すスイッチング電源では、上記図10のカップルドインダクタL1をセンタータップ型のインダクタンス素子L2に置き換えて構成されている。このような構成のスイッチング電源では、図10におけるカップルドインダクタL1において巻数比をn1<n2としたときと同様に動作する。
【0060】
また、上記第2の変形実施例において、カップルドインダクタを図12のような構成とすると、図10におけるカップルドインダクタL1において巻数比をn1>n2としたときと同様に動作する。
【0061】
図13に本発明のスイッチング電源の第3の変形実施例をしめす。同図に示すスイッチング電源では、上記図10のダイオードD1をブリッジ整流器11と兼用して構成されている。このような構成のスイッチング電源では、図10の構成と比べ、入力からDC/DCコンバータ20までのダイオードの順方向電圧降下による損失が軽減される利点がある。
【0062】
図14に本発明のスイッチング電源の第4の変形実施例をしめす。同図に示すスイッチング電源では、上記図10のDC/DCコンバータ20をフォワード型にして構成されている。このような構成のスイッチング電源においても、図10の回路と同様の効果を得ることができる。
【0063】
ここで、参考までに、図15に、本発明のスイッチング電源と、従来のシングルステージ型のスイッチング電源の平滑コンデンサ電圧の実験値を示す。ただし、使用した回路は、図10に示した第1の変形実施例の回路を用いており、カップルドインダクタLの値は90uH、結合係数0.98、巻き数比n1:n2=1.5:1、トランスTは巻き数比N1:N2:N3=13:23:19である。
【0064】
また、本発明のスイッチング電源では、インダクタ電流連続モード(CCM)においても、上述した構成のカップルドインダクタ素子の結合係数を例えば0.9以下の低い値に調整することによって、スイッチング電源の力率を改善できることが実験によって確認されている。
【0065】
なお、以上の説明は、本発明の説明および例示を目的として特定の好適な実施例を示したに過ぎない。したがって本発明は、上記実施例に限定されることなく、その本質から逸脱しない範囲で更に多くの変更、変形をも含むものである。
【0066】
例えば、本発明に用いられるDC/DCコンバータは、上述したフライバック型やフォワード型のものに限定されず、ハーフブリッジ方式、Cuk方式、ゼータ方式またはSEPIC方式のDC/DCコンバータを用いても、上記と同様の効果を得ることが可能である。
【0067】
【発明の効果】
以上説明したことから明らかなように、本発明によればシングルステージ型のスイッチング電源において、平滑コンデンサを入力電圧のピーク電圧を受け持つコンデンサC1と、昇圧分を受け持つコンデンサC2に分割すると共に、これらを上述した複数のダイオードを用いて接続することにより、コンデンサインプット型の電源に用いる平滑コンデンサと同程度の耐圧の平滑コンデンサを用いることが可能となる。
【0068】
この場合、部品点数は従来のシングルステージ型のスイッチング電源に比べ増加するが、追加部品となる平滑コンデンサC2は、昇圧分だけ受け持つので数十V耐圧程度のコンデンサで済み、これによるコスト増は、平滑コンデンサC1に高耐圧のコンデンサを用いるのに比べると小さい場合が多い。
【0069】
また、ダイオードD3、D4が追加部品となるが、導通する期間が短く、D1、D2に比べると定格の低いものが使用できることもあり、これらのコスト増を含めても、なお電源全体のコストは従来のシングルステージ型のスイッチング電源よりも抑えられる場合が多い。
【0070】
従って、本発明では、力率改善が可能なシングルステージ型のスイッチング電源を、安価な部品を用いて構成することが可能となるため、安価で高効率のスイッチング電源を実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るスイッチング電源の一実施例を示す構成図である。
【図2】本発明に係るスイッチング電源の具体的な回路図である。
【図3】本発明に係るスイッチング電源の動作を説明する図である。
【図4】本発明に係るスイッチング電源の動作を説明する図である。
【図5】本発明に係るスイッチング電源の動作を説明する図である。
【図6】本発明に係るスイッチング電源の動作を説明する図である。
【図7】本発明に係るスイッチング電源の動作を説明する図である。
【図8】本発明に係るスイッチング電源の動作を説明する図である。
【図9】本発明に係るスイッチング電源の動作を説明する図である。
【図10】本発明に係るスイッチング電源の第1の変形実施例を示す回路図である。
【図11】本発明に係るスイッチング電源の第2の変形実施例を示す回路図である。
【図12】第2の変形実施例の応用例を示す回路図である。
【図13】本発明に係るスイッチング電源の第3の変形実施例を示す回路図である。
【図14】本発明に係るスイッチング電源の第4の変形実施例を示す回路図である。
【図15】本発明に係るスイッチング電源の効果を説明する表である。
【図16】従来のスイッチング電源の一例を示す回路図である。
【図17】従来のスイッチング電源の一例を示す回路図である。
【図18】コンデンサインプット型のスイッチング電源の波形図である。
【図19】シングルステート型のスイッチング電源の波形図である。
【符号の説明】
AC 交流電源
D1、D2、D3、D4、D5、D11、D12、D13、D14 ダイオード
L、L1、L2 インダクター
C1、C2、C3、C4 コンデンサ
T、TR トランス
Q スイッチング素子
11 ブリッジ整流器
20 DC/DCコンバータ
25 整流回路
26 制御回路
31 負荷回路
41 EMIフィルタ
51 電圧源

Claims (11)

  1. 交流電源からの入力を整流する整流回路と、
    その整流電圧を平滑する第1の平滑コンデンサと第2の平滑コンデンサとの直列接続と、
    前記第1の平滑コンデンサと前記第2の平滑コンデンサとで平滑された電圧を入力として、高周波スイッチングにより電圧変換を行うDC/DCコンバータ
    アノードがインダクタンス素子を介して前記整流回路の正の出力に接続されカソードが前記第2の平滑コンデンサの正側端子に接続される第1のダイオードと、
    アノードが前記インダクタンス素子を介して前記整流回路の正の出力に接続されカソードが前記DC/DCコンバータに発生する高周波交流電圧源に接続される第2のダイオードと、
    アノードが前記整流回路の正の出力に接続されカソードが前記第1の平滑コンデンサの正側端子と前記第2の平滑コンデンサの負側端子との接続点に接続される第3のダイオードと、
    アノードが前記第2の平滑コンデンサの負側端子に接続されカソードが前記第2の平滑コンデンサの正側端子に接続される第4のダイオードとを備えた
    ことを特徴とするスイッチング電源。
  2. 前記インダクタンス素子は、第1及び第2の端子を持つ単一の巻線により構成されたインダクタであり、前記第1の端子が前記整流回路の正の出力に接続され、前記第2の端子が前記第1のダイオードを介して前記第2の平滑コンデンサの正極に接続され、前記高周波交流電圧源が、前記第3のダイオードを介して、前記第1の端子に接続されることを特徴とする請求項1に記載のスイッチング電源。
  3. 前記インダクタンス素子は、複数の巻線により構成された3つ以上の端子を持つカップルドインダクタであることを特徴とする請求項1に記載のスイッチング電源。
  4. 前記カップルドインダクタは、結合係数が0.9以下であることを特徴とする請求項3に記載のスイッチング電源。
  5. 前記カップルドインダクタは、第1の巻線と第2の巻線を備えたトランス構成を成しており、前記第1の巻線が前記整流回路の正の出力と前記第2の平滑コンデンサの正極との間に前記第1のダイオードを介し直列に接続され、前記第2の巻線が、前記整流回路の正の出力と前記高周波交流電圧源との間に前記第2のダイオードを介して接続されることを特徴とする請求項3に記載のスイッチング電源。
  6. 前記カップルドインダクタは、第1の巻線と第2の巻線の接続点をセンタタップとするインダクタンス素子であり、前記第1の巻線と第2の巻線が整流回路の正の出力と第2の平滑コンデンサの正極との間に前記第1のダイオードを介し直列に接続され、前記センタータップが前記第2のダイオードを介して前記高周波交流電圧源に接続されることを特徴とする請求項3に記載のスイッチング電源。
  7. 前記カップルドインダクタは、第1の巻線と第2の巻線の接続点をセンタタップとするインダクタンス素子であり、前記第1の巻線が前記整流回路の正の出力と前記第2の平滑コンデンサの正極との間に前記第1のダイオードを介して直列に接続され、前記第2の巻線が前記第2のダイオードを介して前記高周波交流電圧源に接続されることを特徴とする請求項3に記載のスイッチング電源。
  8. 前記DC/DCコンバータは、フライバック方式であることを特徴とする請求項1に記載のスイッチング電源。
  9. 前記DC/DCコンバータは、フォワード方式であることを特徴とする請求項1に記載のスイッチング電源。
  10. 前記DC/DCコンバータは、ハーフブリッジ方式、Cuk方式、ゼータ方式またはSEPIC方式であることを特徴とする請求項1に記載のスイッチング電源。
  11. 前記高周波交流電圧源は、前記DC/DCコンバータ内に備えられたトランスから取り出されるように構成されたことを特徴とする請求項1に記載のスイッチング電源。
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