JP2002299602A - バイポーラトランジスタ - Google Patents

バイポーラトランジスタ

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JP2002299602A
JP2002299602A JP2001093984A JP2001093984A JP2002299602A JP 2002299602 A JP2002299602 A JP 2002299602A JP 2001093984 A JP2001093984 A JP 2001093984A JP 2001093984 A JP2001093984 A JP 2001093984A JP 2002299602 A JP2002299602 A JP 2002299602A
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Fumihiko Hirose
文彦 廣瀬
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 高い耐電圧を維持するとともに、高電流増幅
率を阻害するkirk効果を抑えることができるバイポーラ
トランジスタを提供する。 【解決手段】 第一導電型の半導体基板の上に積層され
た第一導電型半導体のA層と、A層の上に積層され、A
層とは異なる不純物ドープ濃度をもつ第一導電型半導体
のB層と、B層の上に積層され、A層、B層および基板
の導電型とは異なる第二導電型半導体のC層と、C層の
上に積層され、第一導電型半導体のD層と、A層、B層
および基板をコレクタ3、C層をベース4、D層をエミッ
タ5としてそれぞれ機能させる電極6〜8とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、バイポーラトラン
ジスタ、とりわけ大電力用スイッチに用いられるトラン
ジスタの性能向上に関する。
【0002】
【従来の技術】従来電子スイッチ用途として、バイポー
ラトランジスタが広く利用されてきた。バイポーラトラ
ンジスタは、第一導電型の半導体に第二導電型の半導
体、それから第一導電型の半導体を順次接触させて、そ
れぞれエミッタ、ベース、コレクタとするものである
が、高耐圧や大電力の電流をスイッチするトランジスタ
はさらに複雑な形となる。
【0003】従来の大電力スイッチ用トランジスタの例
について図5を参照して説明する。図示のトランジスタ
はnpn-n+型のSiトランジスタであり、高濃度のn型(n
+)にドープされた半導体基板2の上に、低濃度のn型(n
-)半導体層3、p型の半導体層4、n型の半導体層5が積
層されている。n+基板2およびn-層3はコレクタ、p型
層4がベース、一番上のn型層5がエミッタとして機能
する。エミッタ5はベース4の面が露出するように一部
が欠落している。ベース4及びエミッタ5が表面に露出
する部分には金属電極6,7がそれぞれ設けられてい
る。一方の電極6はベース4の露出面に接触接合されて
ベース電極として機能し、他方の電極7はエミッタ5の
露出面に接触接合されてエミッタ電極として機能する。
また、基板2の裏面側にも金属電極8が設けられてい
る。この電極8はコレクタ電極として機能するようにな
っている。
【0004】図6は、横軸にエミッタ電極とエミッタ層
の界面からの深さ(μm)をとり、縦軸に各半導体層に
ドープされた不純物濃度(cm-3)をとって、エミッタ
電極直下からの領域でのドープ濃度プロファイルの一例
を示す濃度分布図である。この例ではエミッタ5を1019
/cm3以上のドープ濃度に、ベース4を1017〜1018/cm3
囲のドープ濃度にそれぞれ設定している。なお、ベース
4の幅を長くしすぎるとスイッチ速度と電流増幅率の低
下をもたらすので、ベース4の幅は1.0μm以下に設定
される。通常、コレクタ3のn-導電型半導体の部分では
ドープ濃度を10 15/cm3以下に設定する。また、コレクタ
3の厚みは、耐圧が大きくなるに従って厚くする必要が
あり、要求耐圧に応じて決められる。
【0005】このトランジスタを用いてスイッチ回路と
する場合は、図7に示すような回路を用いる。バイポー
ラトランジスタ9のエミッタ3とコレクタ5とは電極
7,8、負荷12および電源11を介して接続される。
この回路10においてベース端子16からエミッタ端子
17にベース電流(Ib)をながしたときに、ベース電流
(Ib)の強弱に応じてコレクタ3からエミッタ5に流れ
るコレクタ電流(Ic)が変化する現象を利用してスイッチ
として用いる。通常のバイポーラトランジスタではベー
ス電流ゼロ(Ib=0)のときに、エミッタ5とベース4と
の間は高インピーダンス状態でコレクタ電流ゼロ(Ic=
0)となり、エミッタ/ベース間をスイッチとみたてた
場合にスイッチOFFの状態となる。これに対してベー
ス4に所定の電流を流すと、エミッタ5とコレクタ3と
が低インピーダンス状態となり、エミッタ/コレクタ間
に電流が流れ、スイッチONの状態となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記のような用途のバ
イポーラトランジスタにおいて、トランジスタの電流増
幅率と耐圧はできるだけ高いことが求められている。こ
こで電流増幅率は、トランジスタをONさせたときに流
れるコレクタ電流Icとベース電流Ibとの比(Ic/Ib)で
ある。電流増幅率が高ければ高いほど、トランジスタを
駆動する回路の消費電力が小さくなり、省電力のメリッ
トが生まれる。一方、トランジスタの耐圧が高くなれば
高くなるほど電源電圧の設定可能範囲が拡がるので、用
途の拡大を見込むことができるという利点がある。この
ようにバイポーラトランジスタでは電流増幅率と耐圧の
両者をともに高めることが望ましい。しかし、従来のト
ランジスタにおける両特性の関係は、電流増幅率を高め
ると耐圧が低下し、耐圧を高めると電流増幅率が低下す
るという二律背反(トレードオフ)の関係にある。
【0007】ところで、バイポーラトランジスタでは耐
圧を稼ぐためにn-層がコレクタ部分に存在する。スイッ
チがOFF状態のときに、このn-層の部分が空乏化して
電源電圧がかかる。その部分の電界強度はn-層のドープ
濃度と厚みと電源電圧とで決まる。通常、Si系バイポ
ーラトランジスタではコレクタ部分のn-層のドープ濃度
は1015/cm3以下に設定され、この程度の低濃度レベルで
はほぼn-層の厚みで耐圧は決まる。
【0008】n-層のアバランシェ電界強度をE0とした
場合に、そのトランジスタで得られる耐圧Vcboは電界
強度E0とn-層の厚みLと係数kとの積(Vcbo=kE0L)
で与えられる。なお、係数kは、トランジスタの構造に
依存する定数であり、0.5〜0.8程度である。
【0009】一方、電流増幅率についてはn-層の厚みL
に対して負の相関となる。これはトランジスタをONさ
せてコレクタ3からエミッタ5に電流を流したときに、
電子がエミッタ5からベース4を通り越してコレクタ部
分のn-層に流れ込み、このときn-層内の電荷が中性とな
るようにベース4からホールが流れ込む。このときのキ
ャリアの濃度分布は図8に示すようになる。この現象は
大電流で低電圧動作のときに顕著になり、ベース広がり
効果或いはkirk効果と呼ばれている。このkirk効果が起
きているときにベース電流はn-層での再結合電流で占め
られ、電流の増幅に寄与するベース/エミッタ間の注入
電流の割合が小さくなり、結果的に電流増幅率が損なわ
れる。再結合電流はn-層の厚みLが大きくなると再結合
領域が広がって増加し、電流増幅率は低下する。すなわ
ちn-層の厚みLが大きくなると、耐圧は増加するが、電
流増幅率は下がり、n-層の厚みLが小さくなると、耐圧
は低下するが、電流増幅率は増加する。
【0010】以上述べたように、従来のバイポーラトラ
ンジスタでは高耐圧と高電流増幅率との二律背反性によ
り両特性をともに向上させることが困難であった。な
お、上記課題の説明はnpn-n+構造のバイポーラトランジ
スタについてであるが、導電型を反転させたpnp-p+構造
のバイポーラトランジスタについても同様である。
【0011】本発明は上記の課題を解決するためになさ
れたものであり、高い耐電圧を維持するとともに、高電
流増幅率を阻害するkirk効果を抑えることができるバイ
ポーラトランジスタを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明に係るバイポーラ
トランジスタは、第一導電型の半導体基板の上に積層さ
れた第一導電型半導体のA層と、前記A層の上に積層さ
れ、前記A層とは異なる不純物ドープ濃度をもつ第一導
電型半導体のB層と、前記B層の上に積層され、前記A
層、B層および基板の導電型とは異なる第二導電型半導
体のC層と、前記C層の上に積層され、第一導電型半導
体のD層と、前記A層、B層および基板をコレクタ、前
記C層をベース、前記D層をエミッタとしてそれぞれ機
能させる電極と、を具備することを特徴とする。
【0013】この場合に、A層の不純物ドープ濃度は、
B層の不純物ドープ濃度より大きく、かつB層の不純物
ドープ濃度の100倍以下とすることが好ましい。A層
の不純物ドープ濃度をB層のそれより大きくする理由
は、低圧大電流動作の際にベースから入ってくるホール
をB層内に留め、A層内に入らせないようにするためで
ある。一方、A層の不純物ドープ濃度がB層のそれの1
00倍を超える場合は、耐電圧の増加が飽和するか、む
しろ低下してしまい、実質的な効果が認められなくなる
からである。
【0014】さらに、B層の厚みをLB、B層内のキャ
リアの移動度をμ、B層内のキャリアの再結合時間を
τ、ON動作時におけるエミッタ/コレクタ間の電圧を
ONとしたときに、下式(1)を満たすように厚みLBと
τを設定することが望ましい。
【0015】
【数2】
【0016】次に、図1を参照して本発明のバイポーラ
トランジスタの作動原理および各種の特性について説明
する。ここではnpn-nn+の構造を例にとって説明する
が、導電型を反転させたpnp-pp+の構造においても同様
の効果を得ることができる。本発明では、n+型基板2の
上にn型層(A層)3aを、その上にn-型層(B層)3
bを、その上にp型層(C層)4を、さらにその上にn
型層(D層)5を順次積層させたものである。本発明と
従来型のバイポーラトランジスタが異なる点は、従来型
ではコレクタがn+基板とn-層との二層構造(図5)であ
ったのに対して、本発明ではコレクタをn+基板とn層、n
-層との三層構造(図1、図2)としている点である。
【0017】このトランジスタは、スイッチOFF時に
A層とB層が同時に空乏化し、電界がA層とB層の両方
にかかる構造になっている。すなわち、耐圧のかかる長
さをLrevとした場合に、これはA層の厚みとB層の厚み
との和に近似できるので、次式(2)の関係が成り立
つ。
【0018】
【数3】
【0019】一方、低圧・大電流動作時にはkirk効果に
より濃度の薄いB層まで電荷中性のためベースからホー
ルの流れ込みが起こる。しかし、A層はドープ濃度が高
いのでベースからホールの流れ込みが生じない。電流増
幅率を損なう再結合電流の発生するのはB層だけの長さ
に限られる。これを再結合領域長Lrecと呼ぶことにする
と、次式(3)の関係が成り立つ。
【0020】
【数4】
【0021】本発明ではLrev=Lrec+thickness(A)とする
ことができる。一方、従来ではA層が無かったためLrec
=Lrevとなる。以上から本発明と従来では、A層の厚み
だけ耐圧が高められ、また、A層で耐圧が稼げる分を考
慮してB層を薄くすることで電流増幅率を増やすことが
できる。このようにしてバイポーラトランジスタの耐圧
と電流増幅率とのトレードオフを緩和することができ
る。
【0022】次に、各層の不純物ドープ濃度を規定して
いる理由について説明する。A層の濃度をB層より大き
くする理由は、低圧大電流動作の際にベースから入って
くるホールをB層内に留め、A層内に入らせないためで
ある。このようなホール侵入阻止効果を効果的にするた
めには、A層内のドープ濃度がエミッタから注入される
電子(pnp-pp+型ならホール)のA層内の濃度に対して
大きくする必要がある。
【0023】しかし、A層内のドープ濃度を高めすぎる
と、今度はトランジスタのスイッチOFF時にA層内が
空乏化されにくくなり、耐圧向上効果が失われてしま
う。本発明者らは計算機シミュレーションを繰り返して
検討した結果、B層に対して100倍を超える濃度にA
層のドープ濃度が設定されると、耐圧向上効果が小さく
なり、上記の発明の効果は失われるという知見を得た。
【0024】本発明でB層のキャリアの再結合時間τを
規定しているのは、本発明で目的の一つであるkirk効果
による電流増幅率の落ち込みを抑えるための方策であ
る。本発明の構造においても、低圧大電流動作時ではベ
ースからB層へホールの注入が起こりエミッタからベー
スを越えてB層やA層に注入される電子がB層で再結合
を起こすと、ベース電流増加につながる。
【0025】一方、A層やその下の基板のなかでキャリ
アが再結合を起こせば、コレクタ電流につながる。した
がって、B層内でのキャリアの再結合を抑制し、エミッ
タから注入される電子をA層以下までたどり着かせるよ
うにする必要がある。そのための条件としては、B層内
でのキャリアの移動時間TBが再結合時間τより十分小
さければよい。B層内にかかる電界はVON/LBで近似で
き、キャリア移動度をμとしたときに次式(4)〜
(6)の関係が成り立つ。
【0026】
【数5】
【0027】
【数6】
【0028】
【数7】
【0029】このような条件でB層内でのキャリアの再
結合は抑えられ、高い電流増幅率が得られる。キャリア
の再結合時間τを実際にどの程度までキャリアの移動時
間T Bより大きくすればよいかについて本発明者らは種
々検討を重ねた結果、再結合時間τが移動時間TBより
1000倍程度長くなれば電流増幅率の劣化は無視でき
るほど小さくなるという知見を得た。
【0030】したがって、電流増幅率の劣化を抑制する
ためには、B層内のキャリアの再結合時間τを移動時間
Bよりも十分に長くすることが望ましく、再結合時間
τを移動時間TBの1000倍以上とすることが好まし
い。これを逆転させて言えば、B層内のキャリアの移動
時間TBは再結合時間τの1/1000以下とすること
が好ましい。
【0031】τはその部位の結晶性と不純物量で制御で
きる。具体的には、B層の形成する際に、結晶性を高く
するか、また不純物の混入を下げることで、τを長くす
ることが可能である。したがって、上記6式を満たすよ
うに、トランジスタのB層形成時において、結晶性を損
なわないことと不純物混入の抑えるような成膜の管理を
行えばよい。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、添付の図面と表を参照しな
がら本発明の実施例と比較例とについて説明する。 (実施例1)実施例1について図2、図3および表1、
表2を参照して説明する。図2に示すように、本実施例
のトランジスタは、n+型基板2の上にn型半導体層(A
層)3aを積層し、次にn-型半導体層(B層)3bを積
層し、その次にp型半導体層(C層)4を積層し、さら
にその上にn型半導体層(D層)5を積層してなるnpn-
nn+構造の大電力スイッチ用のバイポーラトランジスタ
である。基板2、A層3a、B層3bからなる三層をコ
レクタとして機能させるために基板2の裏面側にアルミ
ニウム等の金属からなるコレクタ電極8を被覆形成し
た。また、C層4をベースとして機能させるために、D
層5の一部を欠落させてC層4の面を部分的に露出さ
せ、このC層4の露出面にアルミニウム等の金属からな
るベース電極6を接合した。さらに、D層5をエミッタ
として機能させるために、残留部分のD層5の上にアル
ミニウム等の金属からなるエミッタ電極7を接合した。
なお、本実施例1で設計したトランジスタの面積は0.
16cm2とした。また、エミッタ5の面積は0.1cm2
し、ベース4の面積は0.06cm2とした。A〜D層の
基板の導電型、不純物ドープ濃度、厚み、キャリア寿命
はそれぞれ表1に示すとおりとした。すなわち、コレク
タとして機能させるn+型半導体基板2、n型半導体A
層、n-型半導体B層における不純物ドープ濃度をそれぞ
れ8×1019/cm3、1×1015/cm3、1×1014/
cm3とし、A層とB層とは同じ厚み10μmとした。
なお、不純物ドーパントは燐(P)である。
【0033】
【表1】
【0034】また、本実施例1で設計したトランジスタ
の定格電流は12Aとした。以上の情報に基づきトラン
ジスタ特性の計算予測を試みた。特性の予測計算は各電
極に所定の電位を境界条件として与え、以下の式(7)
〜(11)が矛盾を生じないように解くことで、ベース
電流(Ib)およびコレクタ電流(Ic)をそれぞれ求めた。
【0035】
【数8】
【0036】
【数9】
【0037】ただし、Jnは電子電流密度、Jpはホール
電流密度、qは電子の電荷、nは電子の密度、pはホー
ルの密度、φは電界分布、μnは電子の移動度、μpはホ
ールの移動度をそれぞれ示す。
【0038】また、電流連続の式として次の式(9)
(10)が与えられる。
【0039】
【数10】
【0040】
【数11】
【0041】ただし、GnとGpはそれぞれ電子、ホール
の単位時間あたりの発生率、UnとUpはそれぞれ電子と
ホールの単位時間あたりの再結合率をそれぞれ示す。
【0042】ポアソン式として次式(11)が与えられ
る。
【0043】
【数12】
【0044】ただし、Ndはn型ドーピング原子のドープ
濃度、Naはp型ドーピング原子のドープ濃度をそれぞれ
示す。
【0045】以上の式(7)〜(11)を解いてコレク
タ電流(Ic)とベース電流(Ib)をそれぞれ求め、これらに
基づいて電流増幅率を評価した。その結果として表2に
示すように電流増幅率110が得られた。
【0046】また、耐圧の評価においては、ベース/コ
レクタ間に所定の電圧をかけて、上式(7)〜(11)
を解いた。印加電圧がある程度のレベルまで高まるとト
ランジスタ内部の電界強度が増加してくるが、アバラン
シェ耐圧破壊を起こす300kV/cm2の電界の部位が見
られたときのベース/コレクタ間の電圧をトランジスタ
の耐圧とした。その結果として表2に示すように耐圧3
75Vが得られた。
【0047】
【表2】
【0048】図3は横軸に表面からの深さ(μm)をと
り、縦軸に単位体積当たりのキャリア濃度(個/c
3)をとって、本実施例のバイポーラトランジスタの
低圧大電流動作時におけるキャリア濃度プロファイルを
示す特性線図である。条件はコレクタ/エミッタ間電圧
を1.0V、コレクタ電流を12Aとした。図中にて実
線の特性線Eは電子密度分布を示し、破線の特性線Hは
ホール密度分布を示す。この図から明らかなように、ホ
ール密度分布はC層とB層で高密度となっているが、A
層では低密度であった。ホール密度分布がこのようにな
ることから、ホールがベースであるC層からB層までは
注入されているが、A層には及んでいないこと、すなわ
ちkirk効果がA層には及ばずB層までに限定されている
ことが確認された。
【0049】図4は横軸にエミッタ/ベース境界からの
深さ(μm)をとり、縦軸に電界強度(V/cm)をと
って、ベース電流をOFFにしてエミッタ/コレクタ間
に300Vの電圧をかけたときのトランジスタの電界分
布を示す特性線図である。図中にて特性線Kは各層の電
界分布を示す。図から明らかなようにA層からB層まで
に及ぶ領域で電界が発生している。これはA層とB層が
空乏化して、ここにエミッタ/コレクタ間の電圧の大部
分がかかっていることを示している。以上のことから、
本実施例で設計したトランジスタにおけるkirk効果はB
層だけで留め、耐圧を持たせる部分はA層とB層の両方
の範囲にできていることが確認された。
【0050】(比較例1)次に、比較例について説明す
る。比較例として上記のA層が無いバイポーラトランジ
スタを設計した。比較例のトランジスタの構成を表3に
示す。
【0051】
【表3】
【0052】コンピュータシミュレーションを利用して
計算した結果、比較例のトランジスタの耐圧と電流増幅
率は表4に示すようになった。
【0053】
【表4】
【0054】表4には比較例1と実施例1とを併記した
が、比較例1の耐圧と比べて実施例1の耐圧のほうが1
00V高くなった。このことから本発明のトランジスタ
に耐圧向上効果があることが確認された。
【0055】さらに本発明者らが計算をして検討した結
果、比較例の構造で本発明で得られる耐圧と同じ値にす
るにはB層の厚みを10から16μmに変更する必要が
あることが判明した。このときの電流増幅率は45にな
ってしまった。以上のことより、本発明により電流増幅
率と耐圧とのトレードオフが緩和できることが確認され
た。
【0056】(比較例2)上記実施例1で示したトラン
ジスタに対して、B層でのキャリア寿命τを上記の式
(1)で規定される範囲から外れるように設定した比較
例2について説明する。前出の式(6)の右辺(LB 2
μVON)は1×10-9sとなる。これの1000倍にあたる
1×10-6s(1μs)にA層のキャリア寿命を設定した場
合に、10μsの場合と比べて、電流増幅率の落ち込み
が10%程度であり、実用的には問題ないとの結論を得
た。それ以下のキャリア寿命では電流増幅率の落ち込み
が顕著となり、例えば10-7sのキャリア寿命の場合は、
10μsの場合と比べて電流増幅率は約1/3に低下す
る。さらに10-8sのキャリア寿命では約1/10まで低
下するので、いずれも実用上問題があることが判明し
た。
【0057】(比較例3)上記実施例1で示したトラン
ジスタに対して、A層のドープ濃度をB層の100倍以
上に設定した場合について述べる。この場合、A層の全
く無い場合と比べて電流増幅率とともに耐圧もまったく
変わらなかった。したがってA層の濃度を適正な範囲に
抑えることが、本発明の効果を奏するために重要である
ことが確認された。
【0058】
【発明の効果】本発明によれば、従来品と比べて遜色の
ない高い耐電圧特性を確保するとともに、従来品よりも
高い電流増幅率を有するバイポーラトランジスタが提供
される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の作用と効果を説明するためにバイポー
ラトランジスタを模式的に示す概略断面図。
【図2】本発明の実施形態に係るバイポーラトランジス
タを示す概略断面図。
【図3】本発明の実施形態に係るバイポーラトランジス
タの低圧大電流動作時のキャリア濃度プロファイルを示
す特性線図。
【図4】本発明の実施形態に係るバイポーラトランジス
タのOFF動作時における電界強度分布を示す特性線
図。
【図5】従来の大電力用バイポーラトランジスタを示す
概略断面図。
【図6】典型的な従来のバイポーラトランジスタのエミ
ッタ電極直下ドープ濃度プロファイルを示す特性線図。
【図7】バイポーラトランジスタを組み込んだスイッチ
回路を示す図。
【図8】典型的な従来のバイポーラトランジスタにおけ
る通電時(ON動作時)のエミッタ電極直下キャリア密
度分布を示す特性線図。
【符号の説明】
A層…第1導電型半導体(n型半導体)、 B層…第1導電型半導体(n-型半導体)、 C層…第2導電型半導体(p型半導体)、 D層…第1導電型半導体(n型半導体)、 2…基板(n+型半導体)、 3,3a,3b…コレクタ、 4…ベース、 5…エミッタ、 6…ベース電極、 7…エミッタ電極、 8…コレクタ電極、 9…バイポーラトランジスタ。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第一導電型の半導体基板の上に積層され
    た第一導電型半導体のA層と、 前記A層の上に積層され、前記A層とは異なる不純物ド
    ープ濃度をもつ第一導電型半導体のB層と、 前記B層の上に積層され、前記A層、B層および基板の
    導電型とは異なる第二導電型半導体のC層と、 前記C層の上に積層され、第一導電型半導体のD層と、 前記A層、B層および基板をコレクタ、前記C層をベー
    ス、前記D層をエミッタとしてそれぞれ機能させる電極
    と、を具備することを特徴とするバイポーラトランジス
    タ。
  2. 【請求項2】 前記A層の不純物ドープ濃度は、前記B
    層の不純物ドープ濃度より大きく、かつ前記B層の不純
    物ドープ濃度の100倍以下としたことを特徴とする請
    求項1記載のバイポーラトランジスタ。
  3. 【請求項3】 前記B層の厚みをLB、前記B層内のキ
    ャリアの移動度をμ、前記B層内のキャリアの再結合時
    間をτ、ON動作時におけるエミッタ/コレクタ間の電
    圧をVONとしたときに、下式(1)を満たすように前記
    再結合時間τと前記厚みLBをそれぞれ設定することを
    特徴とする請求項1記載のバイポーラトランジスタ。 【数1】
  4. 【請求項4】 前記B層内においてキャリアの再結合時
    間τよりもキャリアの移動時間TBが十分に小さいこと
    を特徴とする請求項3記載のバイポーラトランジスタ。
  5. 【請求項5】 前記移動時間TBは前記再結合時間τの
    1/1000以下であることを特徴とする請求項4記載
    のバイポーラトランジスタ。
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