JP2002299103A - 積層電子部品及びその製造方法 - Google Patents

積層電子部品及びその製造方法

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JP2002299103A
JP2002299103A JP2001096152A JP2001096152A JP2002299103A JP 2002299103 A JP2002299103 A JP 2002299103A JP 2001096152 A JP2001096152 A JP 2001096152A JP 2001096152 A JP2001096152 A JP 2001096152A JP 2002299103 A JP2002299103 A JP 2002299103A
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JP2001096152A
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Mikio Shiraiwa
幹夫 白岩
Yoshiaki Abe
吉晶 阿部
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Murata Manufacturing Co Ltd
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Murata Manufacturing Co Ltd
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  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
  • Ceramic Capacitors (AREA)
  • Thermistors And Varistors (AREA)
  • Fixed Capacitors And Capacitor Manufacturing Machines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 異なる特性を備えた複数種類の積層電子部品
を効率よく製造することが可能な積層電子部品の製造方
法及び該製造方法により製造される積層電子部品を提供
する。 【解決手段】 特性の異なる複数種類の材料を用いて形
成した、該材料の種類数に対応する複数種類のグリーン
シートを、各グリーンシートの使用枚数、各グリーンシ
ートの組み合わせ態様、各グリーンシートの積層順序な
どに関し、所定の種々の態様で組み合わせて用いるよう
にしているので、グリーンシートの種類数以上の、特性
の異なる複数種類の積層電子部品を得るようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、積層電子部品に
関し、詳しくは、温度検知や過電流保護などに用いられ
る、鉛含有チタン酸バリウム系半導体磁器を用いたサー
ミスタ装置などの積層電子部品及びその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】温度検
知や過電流保護などの用途に用いられるサーミスタ装置
(正特性サーミスタ装置)は、従来、半導体磁器材料
(例えば、鉛含有チタン酸バリウム系半導体磁器組成
物)などの原料にバインダーを配合してシート状に成形
したグリーンシートを所定の形状に打ち抜き、積層、圧
着し、カットして個々の素子に分割した後、焼成するこ
とにより得られるサーミスタ素子に外部電極を形成する
ことにより製造されている。
【0003】ところで、従来は、所望の特性を有する正
特性サーミスタ装置を製造するにあたって、サーミスタ
特性を有する半導体磁器材料として1種類の材料を用い
ており、特性の異なる正特性サーミスタ装置を製造する
場合には、組成の異なる(例えば、鉛含有率の異なる)
半導体磁器材料を用意し、この半導体磁器材料を用いて
正特性サーミスタ装置を製造するようにしている。
【0004】それゆえ、特性の異なる複数種類の正特性
サーミスタ装置を製造しようとすると、各特性に応じ
て、複数種類の半導体磁器材料を用意することが必要に
なる。したがって、製造しようとする正特性サーミスタ
の種類が増えると、それに対応して用意すべき半導体磁
器材料の種類が増え、製造工程の複雑化やコストの増大
を招くという問題点がある。近年、正特性サーミスタ装
置に要求される特性も多岐にわたるようになり、製造工
程の複雑化やコストの増大などの問題も、より深刻化す
る傾向にある。
【0005】また、上述のように、従来は、半導体磁器
材料として1種類の材料を用いているため、鉛の含有率
の高い(すなわちキュリー点の高い)半導体磁器材料が
用いられているような場合には、焼成工程で鉛が揮散
し、耐電圧の劣化や抵抗温度特性の劣化が生じ、所望の
特性を有する正特性サーミスタ装置を得ることが困難で
あるという問題点がある。
【0006】本願発明は、上記問題点を解決するもので
あり、異なる特性を備えた複数種類の積層電子部品を、
特性の劣化を招いたりすることなく、効率よく製造する
ことが可能な積層電子部品の製造方法及び該製造方法に
より製造される積層電子部品を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本願発明(請求項1)の積層電子部品の製造方法
は、(a)特性の異なる複数種類の材料を用いて形成し
た、該材料の種類数に対応する複数種類のグリーンシー
トを、所定の態様で組み合わせて積層、圧着することに
より積層体を形成する工程と、(b)前記積層体を所定の
条件で焼成する工程を経て、前記グリーンシートの種類
数以上の、特性の異なる複数種類の積層電子部品を製造
することを特徴としている。
【0008】特性の異なる複数種類の材料を用いて形成
した、該材料の種類数に対応する複数種類のグリーンシ
ートを、各グリーンシートの使用枚数、各グリーンシー
トの積層順序などに関し、所定の態様で組み合わせて用
いることにより、グリーンシートの種類数以上の、特性
の異なる複数種類の積層電子部品を製造することができ
るようになる。したがって、製造しようとする積層電子
部品の特性の種類に対して、少ない種類の材料で対応す
ることが可能になり、製造工程の複雑化やコストの増大
を招いたりすることなく、異なる特性を備えた複数種類
の積層電子部品を効率よく製造することが可能になる。
【0009】また、請求項2の積層電子部品の製造方法
は、前記複数のグリーンシートを構成する特性の異なる
複数種類の材料が、鉛含有率の異なる複数種類の鉛含有
磁器組成物であることを特徴としている。
【0010】特性の異なる複数種類の材料として、鉛含
有率の異なる複数種類の鉛含有磁器組成物(例えば、鉛
を含有するチタン酸バリウムなど)を用いることによ
り、特性の異なる複数種類のサーミスタやコンデンサな
どの種々の積層電子部品を効率よく製造することが可能
になる。なお、本願発明において、鉛含有率が異なる複
数種類の材料とは、1種類又はそれ以上の材料の鉛含有
率が0%である場合(すなわち、鉛を含有していない場
合)を含むものである。
【0011】また、請求項3の積層電子部品の製造方法
は、積層体の少なくとも最外層となるグリーンシートと
して、内側層となるグリーンシートを構成する鉛含有磁
器組成物の鉛含有率よりも、鉛含有率の低い鉛含有磁器
組成物を用いて形成したグリーンシートを用いることを
特徴としている。
【0012】積層体の少なくとも最外層となるグリーン
シートとして、内側層となるグリーンシートを構成する
鉛含有磁器組成物の鉛含有率よりも、鉛含有率の低い鉛
含有磁器組成物を用いて形成したグリーンシートを用い
ることにより、焼成工程で、鉛が揮散することを抑制し
て、鉛の揮散による特性のばらつきを防止することが可
能になり、所望の特性を有する積層電子部品を効率よく
製造することが可能になる。
【0013】特に、鉛含有磁器組成物が、鉛含有量の多
い(キュリー点の高い)サーミスタ材料である場合、焼
成工程で鉛が揮散し、耐電圧の劣化や、抵抗温度特性の
劣化を引き起こしやすいが、グリーンシートを積層する
にあたって、少なくとも最外層として鉛含有量の少ない
グリーンシートを用いることにより、鉛の揮散を確実に
抑制して、所望の特性を有するサーミスタを効率よく製
造することが可能になる。
【0014】また、請求項4の積層電子部品の製造方法
は、前記鉛含有磁器組成物が、鉛含有チタン酸バリウム
系半導体磁器組成物であることを特徴としている。
【0015】鉛含有磁器組成物として、サーミスタ特性
を有する鉛含有チタン酸バリウム系半導体磁器組成物を
用いることにより、所望の特性を備えたサーミスタを効
率よく製造することができるようになる。
【0016】また、本願発明(請求項5)の積層電子部
品は、特性の異なる複数種類の磁器層が所定の態様で積
層された構造を有する積層体素子を備えていることを特
徴としている。
【0017】積層体素子が、特性の異なる複数種類の磁
器層が所定の態様で積層された構造を有しているので、
それほど他種類の磁器層を用意しなくても、各磁器層の
組み合わせ態様や積層順序などにより種々の特性を有す
る積層電子部品が得られるようになる。
【0018】また、請求項6の積層電子部品は、前記特
性の異なる複数種類の磁器層が、鉛含有率の異なる鉛含
有磁器層であることを特徴としている。
【0019】特性の異なる複数種類の磁器層が、鉛含有
率の異なる複数種類の鉛含有磁器層である場合、特性の
異なる複数種類のサーミスタやコンデンサなどの種々の
積層電子部品を効率よく製造することが可能になる。
【0020】また、請求項7の積層電子部品は、積層体
素子の少なくとも最外層となる鉛含有磁器層の鉛含有率
が、内側層となる鉛含有磁器層の鉛含有率よりも低いこ
とを特徴としている。
【0021】積層体素子の最外層となる鉛含有磁器層の
鉛含有率が、内側層となる鉛含有磁器層の鉛含有率より
も低くなるようにした場合、焼成工程で、鉛の揮散が抑
制され、鉛の揮散による特性のばらつきが防止されるた
め、所望の特性を有する積層電子部品を得ることが可能
になる。
【0022】また、請求項8の積層電子部品は、前記鉛
含有磁器層が、鉛含有チタン酸バリウム系半導体磁器層
であることを特徴としている。
【0023】また、請求項9の積層電子部品は、前記積
層体素子が、サーミスタ素子であることを特徴としてい
る。
【0024】鉛含有チタン酸バリウム系半導体磁器はサ
ーミスタなどに広く用いられているが、サーミスタ素子
(積層体素子)を、請求項8,9のように、鉛含有率の
異なる鉛含有チタン酸バリウム系半導体磁器からなる複
数種類の半導体磁器層が所定の態様で積層された構造と
することにより、コストの増大を抑制しつつ、特性の異
なる複数種類のサーミスタを得ることが可能になる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本願発明の実施の形態を示
して、その特徴とするところをさらに詳しく説明する。
この実施形態では、鉛含有率の異なる、以下の材料A、
及び材料Bの2種類の鉛含有チタン酸バリウム系半導体
磁器組成物を用いて形成した2種類のグリーンシートを
用いて、異なる特性を有する2種類以上のサーミスタ装
置を製造する場合を例にとって説明する。
【0026】[鉛含有チタン酸バリウム系半導体磁器組
成物] (a)材料A (Ba,Ca0.15,Pb0.10,Sr0.08,Y0.004)T
iO3+0.02SiO+0.0005MnO (b)材料B (Ba,Sr0.20,Y0.004)TiO3+0.02SiO
2+0.0005MnO
【0027】[積層電子部品の作製] まず、上記(a)の材料A,及び(b)の材料Bをそれぞ
れ調合した後、両者を混合し、仮焼、バインダーの混合
を行い、シート状に成形し、所定の形状に打ち抜くこと
により第1のグリーンシートG1と第2のグリーンシー
トG2を作製する(厚み:約60μm)。
【0028】それから、このようにして作製された2
種類のグリーンシートG1とG2を、後述のような4種
類の態様で、合計20枚積層し、圧着することにより積
層体を形成する。
【0029】そして、この積層体をカットして個々の
素子(未焼成のサーミスタ素子)に分割した後、焼成さ
やに収容して焼成することにより積層体素子(サーミス
タ素子)を得る。なお、この実施形態では、焼成後に
1.6mm×0.8mm×0.8mmの寸法の積層体素子が得
られるように積層体をカットした。また、焼成は、昇温
5℃/min、1350℃、1時間キープ、冷却5.0℃/m
inの条件で行った。
【0030】それから、この積層体素子(サーミスタ
素子)に外部電極を配設することにより、図1に示すよ
うに、積層体素子(サーミスタ素子)1の両端部に外部
電極2a,2bが配設されたチップ型サーミスタ装置
(積層電子部品)が得られる。なお、この実施形態で
は、第1及び第2のグリーンシートG1,G2の4種類
の積層態様に応じて、特性の異なる4種類のチップ型サ
ーミスタ装置(積層電子部品)が得られる。
【0031】[グリーンシートの積層態様]この実施形
態においては、第1のグリーンシートG1と第2のグリ
ーンシートG2を表1に示すように、G1:G2の積層
枚数の比が、グリーンシート全体の枚数(20枚)に対
する第1のグリーンシートG1の比(G1/(G1+G
2))が、 (a)G1/(G1+G2):85%、 (b)G1/(G1+G2):70%、 (c)G1/(G1+G2):50%、 (d)G1/(G1+G2):30% の割合となるように積層した。
【0032】より具体的には、上記(a)のG1/(G1
+G2):85%の場合には、図2に示すように、最上
層と最下層に鉛含有率の低い(この実施形態では鉛を含
有していない)第2のグリーンシートG2を1枚ずつ配
設し、中間にも第2のグリーンシートG2を1枚配設す
るとともに、中間の第2のグリーンシートG2と最上層
の第2のグリーンシートG2の間に第1のグリーンシー
トG1を8枚、中間の第2のグリーンシートG2と最下
層の第2のグリーンシートG2の間に第1のグリーンシ
ートG1を9枚積層した。
【0033】また、上記(b)のG1/(G1+G2):
70%の場合には、上記(a)の場合に準じて、最上層と
最下層に鉛含有率の低い(この実施形態では鉛を含有し
ていない)第2のグリーンシートG2を2枚ずつ配設
し、中間にも第2のグリーンシートG2を2枚配設する
とともに、中間の第2のグリーンシートG2と最上層の
第2のグリーンシートG2の間に第1のグリーンシート
G1を7枚、中間の第2のグリーンシートG2と最下層
の第2のグリーンシートG2の間に第1のグリーンシー
トG1を7枚積層した。
【0034】また、上記(c)のG1/(G1+G2):
50%の場合には、最上層と最下層に鉛含有率の低い
(この実施形態では鉛を含有していない)第2のグリー
ンシートG2を3枚ずつ配設し、中間には第2のグリー
ンシートG2を4枚配設するとともに、中間の第2のグ
リーンシートG2と最上層の第2のグリーンシートG2
の間に第1のグリーンシートG1を5枚、中間の第2の
グリーンシートG2と最下層の第2のグリーンシートG
2の間に第1のグリーンシートG1を5枚積層した。
【0035】また、上記(d)のG1/(G1+G2):
30%の場合には、最上層と最下層に鉛含有率の低い
(この実施形態では鉛を含有していない)第2のグリー
ンシートG2を5枚ずつ配設し、中間には第2のグリー
ンシートG2を4枚配設するとともに、中間の第2のグ
リーンシートG2と最上層の第2のグリーンシートG2
の間に第1のグリーンシートG1を3枚、中間の第2の
グリーンシートG2と最下層の第2のグリーンシートG
2の間に第1のグリーンシートG1を3枚積層した。
【0036】[特性の評価]それから、このようにして
作製したサーミスタ装置について、比抵抗、耐電圧、T
020(室温抵抗が2倍になるときの温度)、T103(室温
抵抗が1000倍になるときの温度)、α1k-10k(室温
抵抗が1000倍になるときの温度と、10000倍に
なるときの温度の間の抵抗温度特性の傾き)を測定し
た。なお、特性を測定するにあたっては、焼成後のサー
ミスタ素子の両端面にIn−G1電極を形成して行っ
た。その結果を表1に示す
【0037】
【表1】
【0038】また、比較のため、従来のように、4種類
の異なる組成のチタン酸バリウム系半導体磁器組成物
(組成物a,b,c,d)を用意し、各チタン酸バリウ
ム系半導体磁器組成物を用いて4種類のグリーンシート
を作製し、このグリーンシートを所定の形状に打ち抜い
た後、積層、圧着し、切断して個々の素子に分割し、焼
成した後、外部電極を形成することによりサーミスタ装
置(比較例)を作製した。
【0039】そして、この比較例のサーミスタ装置につ
いても同様にして、比抵抗、耐電圧、T020(室温抵抗
が2倍になるときの温度)、T103(室温抵抗が100
0倍になるときの温度)、α1k-10k(室温抵抗が100
0倍になるときの温度と、10000倍になるときの温
度の間の抵抗温度特性の傾き)を測定した。その結果を
表2に示す。
【0040】
【表2】
【0041】表1に示すように、本願発明の実施形態に
かかるサーミスタ装置においては、2種類のグリーンシ
ートG1,G2を用いるだけで、特性の異なる4種類の
サーミスタ装置が得られていることがわかる。
【0042】比較例の場合にも、特性の異なる4種類の
サーミスタ装置が得られているが、この比較例の場合に
は、サーミスタ装置の特性の種類(4種類)と同じ数の
4種類の材料を用いて4種類のグリーンシートを作製
し、各グリーンシートを用いてそれぞれの特性を有する
サーミスタ装置を製造することが必要で、製造工程が複
雑になり、コストの増大を招く結果となる。
【0043】また、比較例の各サーミスタ装置において
は、一種類のグリーンシートが用いられているので、最
外層のグリーンシートからの鉛の揮散量が多くなり、耐
電圧特性や抵抗―温度特性が低下する傾向がある。した
がって、比較例の場合には、鉛の揮散を考慮した組成の
材料を用いることが必要になり、製造工程が複雑になる
ばかりでなく、所望の特性を得ることが困難になった
り、コストの増大を招いたりする場合がある。
【0044】これに対し、本願発明の実施形態にかかる
サーミスタ装置は、最上層及び最下層に、第2のグリー
ンシート(鉛を含有していないグリーンシート)G2を
用いているので、焼成工程で鉛が揮散することによる特
性の劣化(耐電圧特性や抵抗―温度特性が低下)を防止
して、良好な特性を備えた複数種類のサーミスタ装置を
確実に製造することが可能になる。
【0045】また、上記実施形態では、第2のグリーン
シートを構成する材料Bが鉛を含有していない場合につ
いて説明したが、第1のグリーンシートを構成する材料
Aより低い含有率で鉛を含む材料を用いることも可能で
ある。
【0046】また、上記実施形態では、2種類のグリー
ンシートを用いるようにした場合を例にとって説明した
が、例えば、図3に模式的に示すように、第1,第2,
及び第3の3種類のグリーンシートG1,G2,G3を
用い、所定の態様で積層することにより、さらに多種類
のチップ型サーミスタ装置(積層電子部品)を製造する
ことができる。また、本願発明では、4種類以上のグリ
ーンシートを用いることも可能であり、グリーンシート
の種類数に特別の制約はない。
【0047】また、上記実施形態では、チップ型サーミ
スタ装置を製造する場合を例にとって説明したが、本願
発明は、チップ型サーミスタ装置に限らず、積層コンデ
ンサ、その他の積層電子部品にも適用することが可能で
ある。
【0048】本願発明は、さらにその他の点においても
上記実施形態に限定されるものではなく、特性の異なる
複数種類の材料の具体的な組成、複数種類のグリーンシ
ートの具体的な積層態様、積層体の焼成条件、鉛含有率
の具体的な値などに関し、発明の要旨の範囲内におい
て、種々の応用、変形を加えることが可能である。
【0049】
【発明の効果】上述のように、本願発明(請求項1)の
積層電子部品の製造方法は、特性の異なる複数種類の材
料を用いて形成した、該材料の種類数に対応する複数種
類のグリーンシートを、各グリーンシートの使用枚数、
各グリーンシートの積層順序などに関し、所定の態様で
組み合わせて用いるようにしているので、グリーンシー
トの種類数以上の、特性の異なる複数種類の積層電子部
品を製造することができるようになる。したがって、製
造しようとする積層電子部品の特性の種類に対して、少
ない種類の材料で対応することが可能になり、製造工程
の複雑化やコストの増大を招いたりすることなく、異な
る特性を備えた複数種類の積層電子部品を効率よく製造
することができる。
【0050】また、請求項2の積層電子部品の製造方法
のように、特性の異なる複数種類の材料として、鉛含有
率の異なる複数種類の鉛含有磁器組成物(例えば、鉛を
含有するチタン酸バリウムなど)を用いるようにした場
合、特性の異なる複数種類のサーミスタやコンデンサな
どの種々の積層電子部品を効率よく製造することができ
るようになる。
【0051】また、請求項3の積層電子部品の製造方法
のように、積層体の少なくとも最外層となるグリーンシ
ートとして、内側層となるグリーンシートを構成する鉛
含有磁器組成物の鉛含有率よりも、鉛含有率の低い鉛含
有磁器組成物を用いて形成したグリーンシートを用いる
ようにした場合、焼成工程で、鉛が揮散することを抑制
して、鉛の揮散による特性のばらつきを防止することが
可能になり、所望の特性を有する積層電子部品を効率よ
く製造することができる。特に、鉛含有磁器組成物が、
鉛含有量の多い(キュリー点の高い)サーミスタ材料で
ある場合、焼成工程で鉛が揮散し、耐電圧の劣化や、抵
抗温度特性の劣化を引き起こしやすいが、グリーンシー
トを積層するにあたって、少なくとも最外層として鉛含
有量の少ないグリーンシートを用いることにより、鉛の
揮散を確実に抑制して、所望の特性を有するサーミスタ
を効率よく製造することが可能になり、有意義である。
【0052】また、請求項4の積層電子部品の製造方法
のように、鉛含有磁器組成物として、サーミスタ特性を
有する鉛含有チタン酸バリウム系半導体磁器組成物を用
いるようにした場合、所望の特性を備えたサーミスタを
効率よく製造することができるようになる。
【0053】また、本願発明(請求項5)の積層電子部
品は、積層体素子が、特性の異なる複数種類の磁器層が
所定の態様で積層された構造を有しているので、それほ
ど他種類の磁器層を用意しなくても、各磁器層の組み合
わせ態様や積層順序などにより種々の特性を有する積層
電子部品が得られるようになる。
【0054】また、請求項6の積層電子部品のように、
特性の異なる複数種類の磁器層が、鉛含有率の異なる複
数種類の鉛含有磁器層である場合、特性の異なる複数種
類のサーミスタやコンデンサなどの種々の積層電子部品
を効率よく製造することが可能になる。
【0055】また、請求項7の積層電子部品のように、
積層体素子の最外層となる鉛含有磁器層の鉛含有率が、
内側層となる鉛含有磁器層の鉛含有率よりも低くなるよ
うにした場合、焼成工程で、鉛の揮散が抑制され、鉛の
揮散による特性のばらつきが防止されるため、所望の特
性を有する積層電子部品を得ることができる。
【0056】鉛含有チタン酸バリウム系半導体磁器はサ
ーミスタなどに広く用いられているが、サーミスタ素子
(積層体素子)を、請求項8,9の積層電子部品よう
に、鉛含有率の異なる鉛含有チタン酸バリウム系半導体
磁器からなる複数種類の半導体磁器層が所定の態様で積
層された構造とすることにより、コストの増大を抑制し
つつ、特性の異なる複数種類のサーミスタを得ることが
可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の一実施形態にかかる積層電子部品
(チップ型サーミスタ装置)を示す斜視図である。
【図2】本願発明の一実施形態にかかる積層電子部品
(チップ型サーミスタ層)の製造方法を示す分解斜視図
である。
【図3】本願発明の他の実施形態にかかる積層電子部品
(チップ型サーミスタ層)の製造方法を示す分解斜視図
である。
【符号の説明】
1 積層体素子(サーミスタ素子) 2a,2b 外部電極 G1 第1のグリーンシート G2 第2のグリーンシート G3 第3のグリーンシート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4G031 AA04 AA05 AA06 AA08 AA11 AA19 AA30 AA32 BA05 CA03 CA08 5E001 AB03 AE02 AE03 AH01 AH09 AJ01 AJ02 5E034 AB01 AC02 DB15 5E082 AA01 AB03 FG16 FG26

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)特性の異なる複数種類の材料を用いて
    形成した、該材料の種類数に対応する複数種類のグリー
    ンシートを、所定の態様で組み合わせて積層、圧着する
    ことにより積層体を形成する工程と、 (b)前記積層体を所定の条件で焼成する工程を経て、前
    記グリーンシートの種類数以上の、特性の異なる複数種
    類の積層電子部品を製造することを特徴とする積層電子
    部品の製造方法。
  2. 【請求項2】前記複数のグリーンシートを構成する特性
    の異なる複数種類の材料が、鉛含有率の異なる複数種類
    の鉛含有磁器組成物であることを特徴とする請求項1記
    載の積層電子部品の製造方法。
  3. 【請求項3】積層体の少なくとも最外層となるグリーン
    シートとして、内側層となるグリーンシートを構成する
    鉛含有磁器組成物の鉛含有率よりも、鉛含有率の低い鉛
    含有磁器組成物を用いて形成したグリーンシートを用い
    ることを特徴とする請求項2記載の積層電子部品の製造
    方法。
  4. 【請求項4】前記鉛含有磁器組成物が、鉛含有チタン酸
    バリウム系半導体磁器組成物であることを特徴とする請
    求項2又は3記載の積層電子部品の製造方法。
  5. 【請求項5】特性の異なる複数種類の磁器層が所定の態
    様で積層された構造を有する積層体素子を備えているこ
    とを特徴とする積層電子部品。
  6. 【請求項6】前記特性の異なる複数種類の磁器層が、鉛
    含有率の異なる鉛含有磁器層であることを特徴とする請
    求項5記載の積層電子部品。
  7. 【請求項7】積層体素子の少なくとも最外層となる鉛含
    有磁器層の鉛含有率が、内側層となる鉛含有磁器層の鉛
    含有率よりも低いことを特徴とする請求項6記載の積層
    電子部品。
  8. 【請求項8】前記鉛含有磁器層が、鉛含有チタン酸バリ
    ウム系半導体磁器層であることを特徴とする請求項6又
    は7記載の積層電子部品。
  9. 【請求項9】前記積層体素子が、サーミスタ素子である
    ことを特徴とする請求項5〜8のいずれかに記載の積層
    電子部品。
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