JP2002298665A - 透明導電膜の製造方法、透明導電膜及びこれを用いた光学フィルム - Google Patents

透明導電膜の製造方法、透明導電膜及びこれを用いた光学フィルム

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JP2002298665A
JP2002298665A JP2001094653A JP2001094653A JP2002298665A JP 2002298665 A JP2002298665 A JP 2002298665A JP 2001094653 A JP2001094653 A JP 2001094653A JP 2001094653 A JP2001094653 A JP 2001094653A JP 2002298665 A JP2002298665 A JP 2002298665A
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conductive film
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palladium
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Takashi Nakamura
俊 中村
Akihiro Matsufuji
明博 松藤
Kenichiro Hatayama
剣一郎 畑山
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 帯電防止性、電磁波遮蔽性、反射防止性に加
えて生産性にも優れた透明導電膜の製造方法、透明導電
膜及びこれを用いた光学フィルムを提供すること。 【解決手段】 平均粒径が20nm未満の範囲にある金
属微粒子Aを含み、かつ平均粒径が20nm以上50n
m以下の範囲にある金属微粒子Bを含む透明導電膜形成
用塗布液を調製する工程の後に、該透明導電膜形成用塗
布液を塗設する工程を含むことを特徴とする透明導電膜
の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、優れた電磁波遮蔽
効果及び反射防止効果を有する透明導電膜の製造方法、
透明導電膜及びこれを用いた光学フィルムに関する。
【0002】
【発明の技術的背景】TVブラウン管やコンピュータデ
ィスプレイとして用いられている陰極線管やプラズマデ
ィスプレー等は、フェースパネル面に発生する静電気に
より埃が付着して視認性が低下する他、電磁波を輻射し
て周囲に悪影響を及ぼすなどの問題点を有している。ま
た陰極線管のフラット化等により、反射防止機能が必要
となっている。
【0003】帯電防止、電磁波遮蔽および反射防止を目
的として、金属あるいはITO等の導電性金属酸化物を
蒸着・スパッタ等で導電性層をフェースパネル面に直接
形成させる方法が提案されているが、膜形成には真空処
理や高温処理が必要であり、製造費が高価になったり、
生産性に問題があった。
【0004】導電性をあげるため金属微粒子からなる透
明導電膜が提案されるようになってきているが(特開平
8−77832)、透明基材の上に金属微粒子を塗布し
ただけでは導電性が必ずしも十分ではない。しかも、機
械強度が弱いという問題もある。
【0005】また、ガラスフェースパネルに銀微粒子を
直接スピンコート法により塗布し、150℃近辺で焼結
反応を起こすことによる導電性の改良(特開平10−6
6861)や金属コロイドを含んだ塗布液を凝集後、焼
結させる方法(特開平10−11−123)などが提案
されているが、導電性が不十分であると共に、耐熱性の
あるガラス等の基材にしか適応できず汎用性がない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の課題
を解決するためになされたものであって、帯電防止性、
電磁波遮蔽性、反射防止性に加えて生産性にも優れた透
明導電膜の製造方法、透明導電膜及びこれを用いた光学
フィルムを提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに本発明は、平均粒径が20nm未満の金属微粒子A
を含み、かつ平均粒径が20nm以上50nm以下の範
囲にある金属微粒子Bを含む透明導電膜形成用塗布液を
調製する工程の後に、該透明導電膜形成用塗布液を塗設
する工程を含むことを特徴とする透明導電膜の製造方法
により、優れた導電性を有する透明導電膜を得ることが
できる。本発明において、「20nm以上50nm以
下」は「20〜50nm」とも記載する。
【0008】本発明の透明導電膜及び後述の低反射透明
導電膜は、陰極線管やプラズマディスプレー等の表面に
直接塗布しても良いが、好ましくは本発明の透明導電膜
及び低反射透明導電膜を透明基材上に形成させ、TVブ
ラウン管やコンピュータディスプレイとして用いられて
いる陰極線管やプラズマディスプレー等の表面に直接ラ
ミネートすることにより、PVD法やCVD法を用いる
従来の導電性被膜の形成技術やフェースパネル等に直接
導電性皮膜等を塗布する方法に比べ、設備も工程も格段
に簡易化することができる。又、該透明基材上は機械特
性の観点からハードコート層等を設けるのが好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を詳し
く説明する。本発明に用いられる透明導電膜形成用塗布
液は、平均粒径が20nm未満の金属微粒子Aを含み、
かつ平均粒径が20〜50nmの範囲にある金属微粒子
Bを含むことを特徴としている。すなわち、該透明導電
膜形成用塗布液を調製する工程の後に、該透明導電膜形
成用塗布液を塗設する工程を含む透明導電膜の製造方法
により形成された透明導電層は、金属微粒子の粒径が異
なることにより凹凸を有する。平均粒径が20nm未満
の範囲にある金属微粒子Aで形成される凹部は透明性を
向上させる役割を果たし、平均粒径が20〜50nmの
範囲にある金属微粒子Bで形成される凸部は導電性を向
上させる役割を果たす。又、金属微粒子Bは1種のスペ
ーサーの役割を果たし、機械強度を向上することができ
る。
【0010】金属微粒子Aの平均粒径は、0.5nm以
上20nm未満であることが好ましく、5nm以上15
nm未満であることがより好ましい。一方、金属微粒子
Bの平均粒径は、20nm以上50nm以下であること
が好ましく、30nm以上40nm以下であることがよ
り好ましい。また、金属微粒子A及びBの平均粒径の差
は、5〜40nm以上であることが好ましく、平均粒径
A及びBの粒子径分布は単分散に近い方が好ましい。な
お、本発明において平均粒径とは、粒径の数平均をい
う。
【0011】前記透明導電膜における透明導電層厚は透
明性の観点から、凹部で20nm未満、凸部で20〜5
0nmであることが好ましい。更には、凹部と凸部の膜
厚差(Ra)は5nm〜40nmが好ましい。Raが5
nm未満では透明性と導電性のメリットがなく、40n
m以上では表面が凹凸になりすぎるためにヘイズが悪化
する。また、凹部が20nm以上あると、本発明におい
てRaを好ましい範囲に調整することが困難となるため
望ましくない。
【0012】透明導電膜形成用塗布液の調製工程に引き
続いて、塗設工程を実施しても良く、これらの工程の間
に他の工程を実施してもよい。塗布液の調製は、バッチ
式でも、連続式でもよい。また、塗布工程の後に他の工
程を実施してもよい。他の工程としては、乾燥工程、熱
処理工程等が挙げられる。
【0013】すなわち、この透明導電層は、透明導電膜
中の異なる粒径の金属微粒子を複数混合することによ
り、透明導電層の表面に凹凸を形成し、高い透明性と導
電性を有することが可能となる。さらに、透明導電層の
上に低屈折率層を形成させた場合は、凹凸部が屈折率変
化膜に近い挙動を示し優れた低反射性を有する透明導電
膜(以下、「低反射透明導電膜」という。)を形成するこ
とができる。
【0014】そして、この凹凸部の面積及び構成を制御
することで高い透過率と導電性を有することが可能とな
る。具体的には、凹部、すなわち20nm未満の金属微
粒子Aは30〜90重量%の範囲が好ましい。30重量
%未満では、透明性、低反射性の効果が少なく、90重
量%より多いと導電性の効果が少ない。
【0015】導電性の観点から凸部は連続して(凸部は
それぞれが導電性を示す程度の厚みを持った凹部で連結
して)いるのが好ましく、かつ凝集していないのが好ま
しい。特に好ましいのはメッシュ状や線状に形成される
ことであり、その場合は特に高い透明性及び導電性を有
する。これらの形成方法は、塗布液の状態、塗布方法及
び製造条件を最適化することによりある程度制御するこ
とが可能である。
【0016】透明導電膜形成用塗布液に分散させる金属
微粒子A及び/又はBは、金(Au)、銀(Ag)、白
金(Pt)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、鉛(P
b)、コバルト(Co)、ロジウム(Rh)、ルテニウ
ム(Ru)、パラジウム(Pd)及び錫(Sn)よりな
る群から選ばれた金属及び/又はこの群から選ばれた2
種以上の金属よりなる合金であることが好ましい。
【0017】このうち、電気伝導性が良好で、かつ金属
色を有しない銀(Ag)が最も好ましい。ただし、銀の
みでは耐侯性が悪いためパラジウム(Pd)を組み合わ
せた合金とすることが好ましい。パラジウム(Pd)の
量を多くし過ぎると導電性が悪化するため、パラジウム
量は全金属微粒子中の1〜60重量%であることが好ま
しい。
【0018】本発明の透明導電層の屈折率と異なる屈折
率を有する少なくとも1層の透明薄膜層は、屈折率が
1.6よりも小さいことが好ましい。屈折率が1.6以
上では反射率が大きくなり反射率低下の効果が小さくな
る。屈折率が異なるとは、少なくとも屈折率の差が0.
01以上異なることを示すが、透明導電層か反射防止層
が吸収を持っているために屈折率が複素数となる場合に
は、その虚数部が0.01以上異なっている場合も屈折
率が異なるとみなすことができる。ここで、屈折率と反
射防止層の厚み(nm)との積が100〜200の範囲
に入ることがさらに好ましい。屈折率が1.6以下の物
質としては、例えばポリエステル樹脂、アクリル樹脂、
エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリ
ビニルブチラール樹脂、紫外線硬化樹脂などの有機系合
成樹脂、ケイ素などの金属アルコキシドの加水分解物、
またはシリコーンモノマー、シリコーンオリゴマーなど
の有機・無機系化合物等を挙げることができる。特に好
ましくは、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリ
レートやジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリ
レート等の放射線硬化性樹脂あるいはこれらに微粒子の
シリカやアルミナ等を添加したものが表面硬度も上げる
ことで好ましい。透明薄膜層厚は50〜200nmが好
ましく、特に反射率低下に効果がある厚みに設定するこ
とが好ましい。
【0019】最外層の透明薄膜層には、公知のフッ素を
含有する低表面エネルギーの化合物を添加することによ
り防汚性を付与することができる。具体的にはフッ化炭
化水素基を含有するシリコン化合物、フッ化炭化水素基
含有ポリマー等の添加が挙げられる。
【0020】本発明の透明導電膜形成用塗布液の塗設
は、ディッピング法、スピナー法、スプレー法、ロール
コーター法、ワイヤーバー法等の公知の薄膜塗布方法で
塗布した後、乾燥することにより、塗設することができ
る。
【0021】本発明の透明導電膜又は低反射透明導電膜
は、陰極線管やプラズマディスプレー等の表面に直接塗
布しても良いが、好ましくは本発明の透明導電膜又は低
反射透明導電膜を透明基材上に形成させ、陰極線管やプ
ラズマディスプレー等の表面に直接ラミネートすること
が設備も工程も格段に簡易化することができ好ましい。
【0022】上記透明基材としては、フィルム状の透明
プラスチックフィルムのものが使用でき、ポリエチレン
テレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエ
ステル、ポリカーボネート、ノルボルネン系樹脂(環状
オレフィン共重合体)、トリアセチルセルロース、ジア
セチルセルロース等のセルロース樹脂等のフィルムが好
ましい。これらのフィルムの厚みは20〜500μmが
好ましく、薄すぎると膜強度が弱く、厚いとスティフネ
スが大きく貼り付けが困難になり、100〜200μm
がより好ましい。
【0023】又、機械特性の観点から上記透明基材上に
ハードコート層を設けることが好ましい。該ハードコー
ト層には公知の硬化性樹脂を用いることができる。代表
的な硬化性樹脂としては、熱硬化性樹脂、放射線硬化型
樹脂等がある。熱硬化性樹脂としてはメラミン樹脂、ウ
レタン樹脂、エポキシ樹脂等のプレポリマーの架橋反応
を利用するものがある。放射線硬化型樹脂の例として
は、多官能モノマーが挙げられ、例としては、ペンタエ
リスリトールテトラ(メタ)アクリレートやジペンタエ
リスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等に代表され
る放射線特に紫外線硬化性化合物が好ましい。これらの
化合物中には必要に応じて重合開始剤を添加することが
できる。
【0024】また、ハードコート層中には硬度をアップ
させるため、充填剤として、シリカ、アルミナ、ジルコ
ニア等の酸化物の微粒子やコロイダル粒子を添加するこ
とできる。これらの微粒子の粒子サイズは1〜100n
mが好ましい。微粒子の添加量は硬化性樹脂の50体積
%以下が好ましい。50体積%以上では膜が脆くなり、
少なすぎると添加した効果が得られない。ハードコート
層の層厚は2〜60μmが好ましく、4〜10μmが特
に好ましい。さらに必要に応じて、アニオン界面活性
剤、カチオン界面活性剤を添加したり、コロナ処理、グ
ロー処理等の表面処理を行い、ハードコート層の表面の
親水性、密着性を向上させることができる。
【0025】金属微粒子層の形成は、金属微粒子を水を
主体とする溶液あるいは有機溶剤等に分散した塗料を調
製し、これを塗設して作製する。金属微粒子の分散安定
化のためには水を主体とする溶液が好ましく、水と混合
する溶剤としてはエチルアルコール、n−プロピルアル
コール、i−プロピルアルコール、ブチルアルコール、
メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のアルコールま
たはアルコール系溶剤が好ましい。金属の塗布量として
は、50〜150mg/mが好ましく、塗布量が少な
いと導電性が低く、塗布量が多いと透過性が劣る。
【0026】
【実施例】以下、実施例によって本発明を更に具体的に
説明する。 塗料の調製: ハードコート層塗布液の調製: (シリカ微粒子の表面処理)平均粒径が15nmのシリ
カ微粒子の40重量%メタノール分散液200gを、撹
拌装置、温度計および還流冷却管を装着した500ml
のガラス製三口フラスコに入れた。ここに2N塩酸0.
2gを加え、窒素気流下で60℃に昇温した後、3−メ
タクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン10g
を添加し、4時間撹拌を続け、シリカ微粒子を表面処理
した。
【0027】(ハードコート層用塗布液の調製)表面処
理したシリカ微粒子の43重量%メタノール分散液11
6gに、メタノール97g、イソプロパノール163g
および酢酸ブチル163gを加えた。混合液に、ジペン
タエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリス
リトールヘキサアクリレートの混合物(DPHA、日本
化薬(株)製)200gを加えて溶解した。得られた溶
液に、光重合開始剤(イルガキュア907、チバガイギ
ー社製)7.5gおよび光増感剤(カヤキュアーDET
X、日本化薬(株)製)5.0gを加えて溶解した。混
合物を30分間撹拌した後、孔径1μmのポリプロピレ
ン製フィルターで濾過してハードコート層用塗布液を調
製した。
【0028】コロイド塗布液の調製:(銀パラジウム
コロイド分散液の調製) ・銀パラジウムコロイド分散液A 30%硫酸鉄(II)FeSO・7HO、40%の
クエン酸を調製、混合し、20℃に保持、攪拌しながら
これに10%の硝酸銀と硝酸パラジウム(モル比9/1
に混合したもの)溶液を200ml/minの速度で添
加混合し、その後生成した遠心分離により水洗を繰り返
し、最終的に3重量%になるように純水を加え、銀パラ
ジウムコロイド分散液Aを調製した。得られた銀パラジ
ウムコロイド粒子はTEM観察の結果、平均粒径が約1
1nmであった。ICPによる測定の結果、銀とパラジ
ウムの比は9/1の仕込み比と同一であった。 ・銀パラジウムコロイド分散液B 攪拌温度を40℃に保持する以外は上記銀パラジウムコ
ロイド分散液Aと同様に銀パラジウムコロイド分散液B
を調製した。得られた銀パラジウムコロイド粒子はTE
M観察の結果、平均粒径が約38nmであった。
【0029】(銀コロイド分散液の調製) ・銀コロイド分散液A 30%硫酸鉄(II)FeSO・7HO、40%の
クエン酸を調製、混合し、20℃に保持、攪拌しながら
これに10%の硝酸銀溶液を200ml/minの速度
で添加混合し、その後生成した遠心分離により水洗を繰
り返し、最終的に3重量%になるように純水を加え、銀
コロイド分散液Aを調製した。得られた銀コロイド粒子
はTEM観察の結果、平均粒径が約11nmであった。 ・銀コロイド分散液B 攪拌温度を40℃に保持する以外は上記銀コロイド分散
液Aと同様に銀コロイド分散液Bを調製した。得られた
銀コロイド粒子はTEM観察の結果、平均粒径が約38
nmであった。
【0030】(パラジウムコロイド分散液の調製) ・パラジウムコロイド分散液A 30%硫酸鉄(II)FeSO・7HO、40%の
クエン酸を調製、混合し、20℃に保持、攪拌しながら
これに10%の硝酸パラジウム溶液を200ml/mi
nの速度で添加混合し、その後生成した遠心分離により
水洗を繰り返し、最終的に3重量%になるように純水を
加え、パラジウムコロイド分散液Aを調製した。得られ
たパラジウムコロイド粒子はTEM観察の結果、平均粒
径が約11nmであった。 ・パラジウムコロイド分散液B 攪拌温度を40℃に保持する以外は上記パラジウムコロ
イド分散液Aと同様にパラジウムコロイド分散液Bを調
製した。得られたパラジウムコロイド粒子はTEM観察
の結果、平均粒径が約38nmであった。
【0031】(透明導電膜形成用塗布液の調製)前記で
作成した各種コロイド分散液を用い、透明導電膜形成用
塗布液を下記組成で作成した。溶媒はi−プロピルアル
コールを用い、全ての塗布液は金属が1重量%になるよ
うにした。 塗布液(1)銀パラジウム分散液A/銀パラジウム分散
液B=70/30 塗布液(2)銀パラジウム分散液A/銀パラジウム分散
液B=50/50 塗布液(3)銀パラジウム分散液A/銀パラジウム分散
液B=90/10 塗布液(4)銀パラジウム分散液A/銀パラジウム分散
液B=30/70 塗布液(5)銀分散液A/銀分散液B=70/30 塗布液(6)銀分散液A/パラジウム分散液A/銀分散
液B=60/10/30 塗布液(7)銀分散液A/パラジウム分散液B=80/
20 塗布液(8)銀パラジウム分散液A/銀パラジウム分散
液B=10/90 塗布液(9)銀パラジウム分散液A=100 塗布液(10)銀パラジウム分散液B=100 最後に超音波分散し孔径1μmのポリプロピレン製フィ
ルターで濾過して塗布液を調製した。
【0032】透明薄膜層用塗布液の調製 ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタ
エリスリトールヘキサアクリレートの混合物(DPH
A、日本化薬(株)製)2gと光重合開始剤(イルガキ
ュア907、チバガイギー社製)80mgおよび光増感
剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製)30m
gをメチルイソプロピルケトン38g、2−ブタノール
38g、メタノール19gの混合液に加えて溶解した。
混合物を30分間撹拌した後、孔径1μmのポリプロピ
レン製フィルターで濾過して透明薄膜層用塗布液を調製
した。
【0033】[実施例1]低反射透明導電性積層フィル
ムの作製:175μmのポリエチレンテレフタレートフ
ィルムにワイヤーバーを用いてハードコート層用塗布液
を膜厚8μmになるように塗布・乾燥し、紫外線照射し
ハードコート層を作製した。コロナ処理を施した後、透
明導電膜形成用の上記塗布液(1)をワイヤーバーで塗
布量が70mg/mになるように塗布し、120℃、
30minで加熱した。その後透明薄膜層用塗布液をワ
イヤーバーで膜厚120nmになるよう塗布した後、紫
外線照射をして低反射透明導電性積層フィルムを得た。
【0034】[実施例2]透明導電膜形成用の塗布液が
塗布液(2)を使用する以外は実施例1と同様にして低
反射透明導電性積層フィルムを作成した。 [実施例3]透明導電膜形成用の塗布液が塗布液(3)
を使用する以外は実施例1と同様にして低反射透明導電
性積層フィルムを作成した。 [実施例4]透明導電膜形成用の塗布液が塗布液(4)
を使用する以外は実施例1と同様にして低反射透明導電
性積層フィルムを作成した。 [実施例5]透明導電膜形成用の塗布液が塗布液(5)
を使用する以外は実施例1と同様にして低反射透明導電
性積層フィルムを作成した。 [実施例6]透明導電膜形成用の塗布液が塗布液(6)
を使用する以外は実施例1と同様にして低反射透明導電
性積層フィルムを作成した。 [実施例7]透明導電膜形成用の塗布液が塗布液(7)
を使用する以外は実施例1と同様にして低反射透明導電
性積層フィルムを作成した。 [比較例1]透明導電膜形成用の塗布液が塗布液(8)
を使用する以外は実施例1と同様にして低反射透明導電
性積層フィルムを作成した。 [比較例2]透明導電膜形成用の塗布液が塗布液(9)
を使用する以外は実施例1と同様にして低反射透明導電
性積層フィルムを作成した。 [比較例3]透明導電膜形成用の塗布液が塗布液(1
0)を使用する以外は実施例1と同様にして低反射透明
導電性積層フィルムを作成した。
【0035】作製した低反射透明導電性積層フィルムの
特性を測定した結果を表1に示す。実施例1〜7および
比較例1は何れもRaが25〜30nmであった。ま
た、何れのフィルムも鉛筆硬度は3Hであった。
【0036】
【表1】
【0037】実施例1〜実施例5及び比較例1〜3につ
いて、スチールウール擦り評価を実施した。実施例1〜
4、比較例1及び3が○、実施例5は△、比較例2は×
であった。
【0038】各測定は以下に示す方法で行った。 (低反射透明導電性積層フィルムの評価) (1)表面抵抗 4端子法表面抵抗率計(三菱化学(株)製「ロレスタG
P」)による測定値。 (2)透過率、ヘイズ (株)島津製作所製分光光度計(UV−2400PC)
を用いて、400〜800nmの波長の平均透過率。 (3)反射率 分光光度計(日本分光(株)製)を用いて、450〜6
50nmの波長領域における入射光5゜における正反射
の平均反射率。 (4)スチールウール試験 フィルムを温度25℃、相対湿度60%の条件で2時間
調湿した後、#0000のスチールウールを接地面積1
cm、加重200gにて50往復した後の傷で判定
(○は傷がなし、△は弱い傷が発生、×は傷が明らかに
認められるもの)。
【0039】
【発明の効果】表1に示す結果より、基材上にハードコ
ート層を設けたものに、透明導電層、透明薄膜を積層し
た低反射透明導電性積層フィルムにおいて、透明導電層
として異なる平均粒径の金属微粒子を有する透明導電膜
形成用塗布液を塗設することより、優れた透明性、導電
性、低反射性及び機械特性を得ることが可能である。従
って、陰極線管やプラズマディスプレー等の表面に積層
することにより、電磁波遮蔽、反射防止を付加できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01B 5/14 H01B 5/14 A (72)発明者 畑山 剣一郎 神奈川県南足柄市中沼210番地 富士写真 フイルム株式会社内 Fターム(参考) 4F100 AB01B AB15B AB16B AB17B AB21B AB23B AB25B AB31B AB40B AK01A AK01C AK42 BA03 BA07 BA10A EH462 GB41 JD20B JG01 JM10B JN01 JN01A JN01C JN06 JN18C YY00B 5G301 DA02 DA03 DA05 DA06 DA10 DA11 DA12 DA13 DD02 5G307 FA02 FB02 FC08 FC10 5G323 BA01 BB01 BB02

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均粒径が20nm未満の範囲にある金
    属微粒子Aを含み、かつ平均粒径が20nm以上50n
    m以下の範囲にある金属微粒子Bを含む透明導電膜形成
    用塗布液を調製する工程の後に、該透明導電膜形成用塗
    布液を塗設する工程を含むことを特徴とする透明導電膜
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 該金属微粒子A及びBがそれぞれ独立
    に、金(Au)、銀(Ag)、白金(Pt)、銅(C
    u)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、コバルト(C
    o)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、パラジ
    ウム(Pd)及び錫(Sn)よりなる群より選ばれた金
    属又はその群より選ばれた2以上の金属を含む合金であ
    る請求項1に記載の透明導電膜の製造方法。
  3. 【請求項3】 該金属微粒子A及び/又はBが銀、パラ
    ジウム又はこれらの合金よりなる請求項1記載の透明導
    電膜の製造方法。
  4. 【請求項4】 該金属微粒子A及び/又はBが銀−パラ
    ジウム合金微粒子である請求項1記載の透明導電膜の製
    造方法。
  5. 【請求項5】 該金属微粒子Aと該金属微粒子Bが、3
    0/70〜90/10の重量比率である請求項1記載の
    透明導電膜の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5いずれか1つに記載さ
    れた透明導電膜の製造方法に用いられる透明導電膜形成
    用塗布液。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし5いずれか1つに記載さ
    れた透明導電膜の製造方法により得られた透明導電膜。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載された透明導電膜上に、
    該透明導電膜の屈折率と異なる屈折率を有する少なくと
    も1層の透明薄膜を形成した低反射透明導電膜。
  9. 【請求項9】 請求項7又は8に記載された透明導電膜
    を用いた光学フィルム。
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