JP2001281401A - 鎖状金属コロイドを使用した低反射透明導電性積層フイルム - Google Patents

鎖状金属コロイドを使用した低反射透明導電性積層フイルム

Info

Publication number
JP2001281401A
JP2001281401A JP2000091945A JP2000091945A JP2001281401A JP 2001281401 A JP2001281401 A JP 2001281401A JP 2000091945 A JP2000091945 A JP 2000091945A JP 2000091945 A JP2000091945 A JP 2000091945A JP 2001281401 A JP2001281401 A JP 2001281401A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
transparent conductive
laminated film
layer
low
reflection
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000091945A
Other languages
English (en)
Inventor
Takahiro Moto
隆裕 本
Akihiro Matsufuji
明博 松藤
Kokichi Waki
幸吉 脇
Keizo Ogawa
恵三 小川
Shingo Ishimaru
信吾 石丸
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP2000091945A priority Critical patent/JP2001281401A/ja
Publication of JP2001281401A publication Critical patent/JP2001281401A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Non-Insulated Conductors (AREA)
  • Surface Treatment Of Optical Elements (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Conductive Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 導電性に優れた鎖状金属コロイドを使用して
CRTやPDP、FED等のフラットパネルディスプレ
イ等の前面板などに用いれらる、優れた帯電防止性、電
磁波遮蔽性、反射防止性、機械特性、防汚性を有する低
反射透明導電性積層フイルムを提供する。 【解決手段】 透明基材上にハードコート層と、少なく
とも1種の金属を含有する鎖状金属コロイドから形成さ
れた透明導電層と、該透明導電層の外層に形成され、こ
の透明導電層の屈折率と異なる屈折率を有する少なくと
も1層の透明性反射防止層とを含む構成からなる低反射
透明導電性積層フイルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、優れた導電性を有
することで帯電防止効果、電磁波遮蔽効果を有するほ
か、反射防止効果、機械特性及び防汚性に優れた低反射
透明導電性積層フイルムに関する。
【0002】
【従来の技術】TVブラウン管やコンピュータディスプ
レイとして用いられている陰極線管やプラズマディスプ
レーは、フェースパネル面に発生する静電気により埃が
付着して視認性が低下する他、電磁波を輻射して周囲に
悪影響を及ぼすなどの問題点を有している。また陰極線
管のフラット化等により、反射防止機能が必要となって
いる。またフェースパネル面は手が触れたり、汚れを落
とすことにより、擦り傷が発生しやすい問題がある。
【0003】帯電防止、電磁波遮蔽および反射防止を目
的として、銀等の金属あるいはITO等の導電性金属酸
化物を蒸着・スパッタ等で導電性層をフェースパネル面
に直接形成させる方法が提案されているが、膜形成には
真空処理や高温処理が必要であり、製造費が高価になっ
たり、生産性に問題があった。
【0004】また、ゾル−ゲル法による塗布方式の導電
性薄膜の形成法も提案されているが(羽生等,Nati
onal Thecnical Report 40,
No.1,(1994)90)、高温処理が必要であ
り,透明基材であるプラスチックフイルム上やハードコ
ート上への積層は基材の変質が起こることにより,基材
として使用できる素材が限定されてしまう問題があっ
た。
【0005】導電性酸化物微粒子やコロイドを分散させ
た透明導電性塗料も提案されているが(例えば、特開平
6−344489号、特開平7−268251号)、得
られた透明導電性層の導電性が低い問題があった。
【0006】さらに、導電性をあげるため、金属微粒子
からなる透明導電膜が提案されるようになってきた(例
えば、特開平9−55175号)。また、透明導電膜上
にテトラエトキシシラン等の反射防止塗料を塗布するこ
とにより低反射透明導電膜を形成する方法が提案されて
いる(例えば、特開平10−142401号)。さら
に、透明基材の上に金属微粒子を塗布しただけでは機械
強度が弱いという問題や、テトラエトキシシラン等の反
射防止塗料は長時間の高温熱処理が必要であり、ゾル−
ゲル法による反射防止層の積層は透明基材の使用が限ら
れてしまう問題が生じてしまい、上記低反射透明導電膜
の形成方法ではガラスフェースパネルに直接塗布するこ
としかできないという問題があった。
【0007】そこで,設備投資が大きく、高温処理が必
要なフェースパネル前面に直接塗膜を形成させる方法に
対し,基材に薄膜を形成したものを張り付ける方法も提
案されている(瀧等,National Thechn
ical Report,42,No.3(1996)
264−268)。
【0008】これらの薄膜の形成方法は、ITO等の導
電性金属酸化物を蒸着・スパッタ等で導電性層を形成さ
せる方法であり、膜形成には真空処理が必要であり、製
造費が高価になったり、生産性に問題があった。
【0009】帯電防止性、電磁波遮蔽性、反射防止性、
機械特性、防汚性に加えて生産性にも優れたフェースパ
ネルに貼り付けることの可能な低反射透明導電性積層フ
イルムを得るために、ハードコートを塗設した透明基材
上に、金属微粒子からなる透明導電層を有する低反射透
明導電性積層フイルムを提案されてきた。しかし、粒状
の金属微粒子ではまだ表面の導電性が不十分であった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の課題
を解決するためになされたものであって、導電性液の金
属分散質の形状を制御した微細な鎖状金属コロイドを使
用することで100〜2000Ω/□の表面抵抗を有す
ることにより、帯電防止性、電磁波遮蔽性を有するほ
か、反射防止性、機械特性、防汚性に加えて生産性にも
優れたフェースパネルに貼り付けることの可能な低反射
透明導電性積層フイルムを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の課題は、透明基材
上にハードコート層と,少なくとも1種以上の金属を含
有する鎖状金属コロイドから形成された透明導電層と、
該透明導電層の外層に形成され、この透明導電層の屈折
率と異なる屈折率を有する少なくとも1層の透明性反射
防止層とを含む構成からなることを特徴とする低反射透
明導電性積層フイルムによって達成された。該鎖状金属
コロイドの鎖状分散質は第8族あるいは第1B族の遷移
金属を1種以上含むことが好ましい。特に銀とパラジウ
ムがより好ましい。また、該鎖状金属分散質の平均主鎖
長と平均太さの比が5以上50以下であり、かつ平均太
さが2nm以上30nm以下であることが好ましい。
【0012】該鎖状金属コロイドの鎖状分散質の平均主
鎖長が10nm以上100nm以下のものを使用した低
反射透明導電性積層フイルムはより低いヘイズ性を有
し、解像度に優れており、好ましい。該鎖状金属コロイ
ドの鎖状分散質の平均主鎖長が200nm以上1500
nm以下のものを使用した低反射透明導電性積層フイル
ムはより低い表面抵抗性を有し、電磁波遮蔽性に優れて
おり、好ましい。該鎖状金属コロイドの鎖状分散質の平
均主鎖長が100nm以上200nm以下のものを使用
した低反射透明導電性積層フイルムはヘイズ性と表面抵
抗性のバランスがとれており、好ましい。
【0013】該透明導電層の外層に形成され、該透明導
電層の屈折率と異なる屈折率を有する少なくとも1層の
透明被膜層の屈折率が、1.7以下であることが好まし
い。該透明導電層の屈折率と異なる屈折率を有する少な
くとも1層以上の透明被膜の最外層にフッ素系化合物を
含有する防汚層を有することが好ましい。
【0014】本発明の低反射透明導電性積層フイルム
を、TVブラウン管やコンピュータディスプレイとして
用いられている陰極線管やプラズマディスプレー、FE
D等のフラットパネルディスプレイ等の表面に直接ラミ
ネートする事により、PVD法やCVD法を用いる従来
の導電性被膜の形成技術やフェースパネル等に直接導電
性皮膜等を塗布する方法に比べ、設備も工程も格段に簡
易化することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を詳し
く説明する。図1に、本発明の好ましい一実施形態であ
る低反射透明導電性積層フイルムを示す。基材ベース5
の側からハードコート層4、鎖状金属コロイドから形成
された透明導電層3と、その外層に透明導電層と異なる
屈折率を有する反射防止層2が形成され、最外層には必
要に応じて防汚層1から構成されている。
【0016】まず、鎖状金属コロイドについて説明す
る。鎖状金属コロイドはその分散質が少なくとも1種の
金属を含有し、平均主鎖長と平均太さの比が5以上50
以下であり、かつ平均太さが2nm以上30nm以下で
あることを特徴としている。鎖状金属コロイド分散質は
分岐してもよく、分岐鎖の総長さが最も短くなるように
主鎖を設定する。
【0017】前記鎖状金属コロイドの平均太さが2nm
未満の場合はコロイド自体の導電性が低くなり、本発明
の目的を達成しうる程度の低抵抗値を有する被膜を得る
ことができない。平均太さが30nmを越える場合に
は、金属による光の吸収が大きくなり、このために導電
層の光透過率が低下すると同時にヘイズが大きくなる。
このようなフイルムを、陰極線管の前面板として用いる
と、表示画像の解像度が低下する。コロイドの主鎖長が
太さの5倍を下回る場合、導電層を作成した際に、コロ
イド同士の接合が多くなり、目的を達成しうる程度の低
抵抗値を得ることができない。また、50倍を越えると
凝集しやすくなり液の安定性が悪くなる。また、ヘイズ
も大きくなる。
【0018】前記鎖状金属コロイドは、例えばAu、A
g、Pt、Pd、Ir、Rh、Cu、Fe、Ni、Co
などの第8族あるいは第1B族の金属元素を1種以上含
んでいれば特に制限はなく、単独金属コロイドであって
もよいが、耐候性などに優れた複合金属コロイドのほう
がより好ましい。そのなかで銀とパラジウムとのからな
るものがより好ましく、その際、パラジウムの含有量と
しては5〜30wt%が好ましく、パラジウムが少ない
と耐候性が悪く、パラジウムが多くなると導電性が低下
する。
【0019】次に低反射透明導電性積層フイルムについ
て説明する。本積層フイルムは、ハードコート層を設け
たことによりフイルムの傷付を防止し、鎖状金属コロイ
ドからなる透明導電層が積層されているので導電性があ
り、帯電が防止されると共に、陰極線管等から輻射され
る電磁波を効果的に遮断することができ、さらに反射防
止層により外部からの反射光を低下させることができ
る。 最外層に設けた防汚層により、フイルムの汚れを
防止することができる。
【0020】本発明に用いられる基材は、フイルム状の
プラスチックフイルムであり、ポリエチレンテレフタレ
ート,ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポ
リカーボネート、トリアセチルセルロース、ジアセチル
セルロース等のセルロース樹脂等のフイルムが好まし
い。これらのフイルムの厚みは20〜500μmが好ま
しく、薄すぎると膜強度が弱く、厚いとスティフネスが
大きく貼り付けが困難になり、100〜200μmがよ
り好ましい。
【0021】本発明に用いるハードコートは公知の硬化
性樹脂を用いることができ、熱硬化樹脂、活性エネルギ
ー線硬化型樹脂等がある。熱硬化性樹脂としてはメラミ
ン樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂等のプレポリマー
の架橋反応を利用するものがある。活性エネルギー線硬
化性樹脂としては、ペンタエリスリトールテトラ(メ
タ)アクリレートやジペンタエリスリトールヘキサ(メ
タ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メ
タ)アクリレート等の活性エネルギー線特に紫外線硬化
性化合物が挙げられる。これらの化合物中には必要に応
じて重合開始剤を添加することができる。また、ハード
コート層中には硬度をアップさせるため、充填剤とし
て、シリカ、アルミナ、ジルコニア、チタニア等の金属
酸化物の微粒子やコロイダル粒子を添加することでき
る。これらの粒子の硬さは硬い方が好ましく、モース硬
度6以上のものがより好ましい。これらの微粒子の粒子
サイズは1〜100nmが好ましい。100nmを越え
るとヘイズが出やすくなり、1nm以下では分散が難し
く充填剤の効果が得難くなる。微粒子の添加量は硬化性
プラスチックの50%以下が好ましい。50%以上では
膜が脆く、少なすぎると添加した効果が得られない。こ
れらの金属酸化微粒子は分散及び樹脂との相互作用を大
きくするため、表面修飾処理を行うことが好ましい。表
面修飾の例としては、アクリル基含有のシランカップリ
ング剤やリン酸、スルホン酸、カルボン酸等の極性基と
(メタ)アクリロイルオキシ等の重合性二重結合基とを
有する化合物等を挙げることができる。さらに必要に応
じて、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤を添加
したり、コロナ処理、グロー処理等の表面処理を行い、
表面の親水性、密着性を向上させることができる。
【0022】該鎖状金属コロイドから形成される透明導
電層は該鎖状金属コロイドを水を主体とする溶剤で希釈
してハードコート上に塗布して作製する。これらの水と
混合する溶剤としてはメチルアルコール、エチルアルコ
ール、n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコー
ル、ブチルアルコール、メチルセルソルブ、ブチルセル
ソルブ等のアルコール類やアセトン類が好ましく使用さ
れる。金属の塗布量としては、50〜150mg/m2
が好ましく、塗布量が少ないと導電性が取れず、塗布量
が多いと透過性が劣る。透明導電層の表面抵抗率は、2
000Ω/□以下が必要であり、透過性は50%以上が
好ましい。
【0023】本発明の透明導電層の屈折率と異なる屈折
率を有する少なくとも1層の透明性反射防止層は、屈折
率が1.7よりも小さいことが好ましく、屈折率が1.
7以上では反射率が大きくなり反射防止の効果が小さく
なる。好ましい屈折率の範囲は1.3以上、1.6以下
である。屈折率が1.7以下の物質としては、例えばポ
リエステル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、メラミ
ン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリビニルブチラール樹
脂、紫外線硬化樹脂などの有機系合成樹脂、ケイ素など
の金属アルコキシドの加水分解物、ゾルゲル反応によっ
て生成する金属酸化物またはシリコーンモノマー、シリ
コーンオリゴマーなどの有機・無機系化合物等を挙げる
ことができる。特に好ましくは、ペンタエリスリトール
テトラ(メタ)アクリレートやジペンタエリスリトール
ヘキサ(メタ)アクリレート等の活性エネルギー線硬化
性樹脂あるいはこれらに微粒子のシリカやアルミナ等を
添加したものが表面硬度も上げることで好ましい。
【0024】これらの反射防止層厚は50〜100nm
が好ましく、反射率低下に効果がある厚みに設定するこ
とが好ましい。好ましくは屈折率と透明反射防止膜の厚
み(nm)との積が100〜200の範囲に入ることが
好ましい。
【0025】防汚性を付与するため、これらの透明導電
層の屈折率と異なる屈折率を有する少なくとも1層の透
明性反射防止層には、表面に偏在化しやすいフッ素及び
/またはシリコン化合物等を添加することにより表面エ
ネルギーを低下させることができる。
【0026】あるいは、最外層の防汚層として、公知の
フッ素含有の低表面エネルギーの化合物を塗布で形成す
ることができる。 これらの具体的にはフッ化炭化水素
基を含有するシリコン化合物、フッ化炭化水素基含有ポ
リマーが挙げられる。
【0027】本発明の積層フイルムの作製は、基材フイ
ルム上に各層の塗料をディッピング法、スピナー法、ス
プレー法、ロールコータ法、ワイヤーバー法等の公知の
薄膜塗布方法で各層を形成、乾燥して作製することがで
きる。各薄膜の作成方法としてはワイヤーバーによる方
法が好ましい。
【0028】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明するが、本
発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0029】<導電性金属コロイド分散液>本実施例、
比較例で用いた金属微粒子コロイド、鎖状金属コロイド
の平均粒径あるいは平均太さ及び平均主鎖長をTEM観
察結果から読み取り表1に示した。なお、表1中、微粒
子の形態は球形であるため、「平均長さ」、「平均太
さ」の欄は空白である。
【0030】
【表1】
【0031】<低反射透明導電性積層フイルム試料作成
> (1)ハードコート層塗布液の調整: (表面処理したアルミナ分散液の調製) セラミックコートのベッセルに各試薬を以下の量計量し
た。 シクロヘキサノン 337g PM−2(日本化薬(株)製リン酸基含有メタクリレート) 31g AKP−G015(住友化学工業(株)製アルミナ:粒径15nm) 92g 上記混合液をサンドミルにて1600rpm、10時間
微細分散した。メディアは1mmΦのジルコニアビーズ
を1400g用いた。
【0032】(ハードコート層用塗布液の調製)表面処
理したアルミナ微粒子の43重量%シクロヘキサノン分
散液116gに、メタノール97g、イソプロパノール
163gおよびメチルイソブチルケトン163gを加え
た。混合液に、ジペンタエリスリトールペンタアクリレ
ートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混
合物(DPHA、日本化薬(株)製)200gを加えて
溶解した。得られた溶液に、光重合開始剤(イルガキュ
ア907、チバガイギー社製)7.5gおよび光増感剤
(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製)5.0g
を加えて溶解した。混合物を30分間攪拌した後、孔径
1μmのポリプロピレン製フィルターで濾過してハード
コート層用塗布液を調製した。
【0033】(2)透明導電性層形成用塗布液の調製 表1に示した金属コロイド溶液をイソプロパノールで希
釈し、孔径1μmのPTFE製フィルターでろ過して透
明導電性層用塗布液を調製した。
【0034】(3)反射防止層用塗布液の調整 ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタ
エリスリトールヘキサアクリレートの混合物(DPH
A、日本化薬(株)製)2gと光重合開始剤(イルガキ
ュア907、チバガイギー社製)80mgおよび光増感
剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製)30m
gをメチルエチルケトン50g、シクロヘキサノン50
gの混合液に加えて溶解した。混合物を30分間撹拌し
た後、孔径1μmのポリプロピレン製フィルターで濾過
して低反射防止層用塗布液を調製した。
【0035】(4)防汚層用塗布液の調製 熱架橋性含フッ素ポリマー(JN−7214、日本合成
ゴム(株)製)にイソプロピルアルコールを加えて、
0.6重量%の粗分散液を調製した。粗分散液を、更に
超音波分散し、防汚層用塗布液を調製した。
【0036】[試料1〜29]低反射透明導電性積層フ
イルムの作製:175μmのポリエチレンテレフタレー
トフイルムにワイヤーバーを用いてハードコート塗布液
を層厚8μmになるように塗布・乾燥し、紫外線照射し
ハードコート層を作製した。コロナ処理を施した後、上
記銀コロイド塗布液をワイヤーバーで塗布量が70mg
/m2になるように塗布し、120℃5分乾燥した。次
いで、反射防止層を膜厚70nmになるように塗布・乾
燥し、紫外線照射した。さらに、防汚層用塗布液を同様
に#3のワイヤーバーで塗布し120℃で乾燥・熱処理
を行った。
【0037】[試料30〜32]前述した試料と同様
に、ハードコートを積層しない積層フイルム(比較例1
4)、反射防止層の無い積層フイルム(比較例15)、
防汚層の無い積層フイルム(比較例16)をそれぞれ作
製した。
【0038】作成した試料を以下に示す方法で評価し
た。結果を表2に示した。 (低反射導電性積層フイルム防止膜の評価) (1)表面抵抗率 4端子法表面抵抗率計(三菱油化(株)製「ロレスタF
P」)により測定。 (2)透過率・ヘイズ ヘイズメーター(日本電色工業(株)製 MODEL 1
001DP)を用いて測定。 (3)平均反射率 分光光度計(日本分光(株)製)を用いて、450〜65
0nmの波長領域における入射光5゜における正反射の
平均反射率を評価。 (4)鉛筆硬度 積層フイルムを温度25℃、相対湿度60%の条件で2
時間調湿した後、JIS−S−6006が規定する試験
用鉛筆を用いて、JIS−K−5400が規定する鉛筆
硬度評価方法に従い、1kgの加重にて傷が全く認めら
れない硬度。 (5)防汚性 積層フイルム表面に指紋を付着させ、東レ(株)製トレシ
ーを用いてふき取って評価(○は指紋が完全にふき取れ
た状態、×は指紋の一部がふき取れずに残った状態)。
【0039】
【表2】
【0040】本発明試料は透過率58〜62%、ヘイズ
1.0%以下と光学特性が極めて良好で、100〜20
00Ω/□の範囲に含まれる適切な表面抵抗率、1%以
下の優れた平均反射率を有する低反射透明導電性積層フ
イルムであることが分かる。特に、実施例3、4、7、
11、15は鎖状金属コロイドの平均主鎖長が100n
m以下で0.5%以下の低へイズであることが分かる。
また、実施例1、5、6、8、9、10、12、13、
14、16は平均主鎖長200〜1500nmで500
Ω/□以下の極めて良好な低抵抗性を有していることが
分かる。実施例2は100〜200nmの長さでヘイズ
と低抵抗性にバランスのとれた性能を有していることが
分かる。一方、比較例の1〜9のように鎖状ではない金
属コロイドを塗布したものは表面抵抗が大きく電磁波遮
蔽性に乏しいことがわかる。また、比較例10〜13の
ように鎖状のものでも平均太さ2〜30nm、長さが太
さの5〜50倍の範囲から外れたものも表面抵抗が大き
く電磁波遮蔽性に乏しいこと、また、比較例12以外は
ヘイズが大きいことが明らかである。また、基材上にハ
ードコートを設けたものに銀コロイド層、反射防止層及
び防汚層を積層した低反射透明導電性積層フイルムは、
透明導電性、反射防止性、機械特性さらに防汚性のすべ
てを具備していることが分かる。何れの層が欠けること
により機能が低下し、4層の構成が揃うことで本来の目
的のフイルムが得られる。
【0041】
【発明の効果】本発明の低反射透明導電性積層フイルム
は、鎖状の金属導電材料を用いたことにより帯電防止性
および電磁波遮蔽性が優れていると共に、表面反射が防
止されているフイルムであることがわかる。従って、陰
極線管やプラズマディスプレー等の表面に積層すること
により、電磁波遮蔽、反射防止、表面の汚れ防止機能を
付加できる低反射透明導電性積層フイルムを提供でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の低反射透明導電性積層フイルムの例
を示す。
【符号の説明】
1.防汚層 2.反射防止層 3.透明導電性層 4.ハードコート層 5.透明基材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 脇 幸吉 神奈川県南足柄市中沼210番地 富士写真 フイルム株式会社内 (72)発明者 小川 恵三 神奈川県南足柄市中沼210番地 富士写真 フイルム株式会社内 (72)発明者 石丸 信吾 神奈川県南足柄市中沼210番地 富士写真 フイルム株式会社内 Fターム(参考) 2K009 AA04 AA15 BB11 CC09 CC14 CC26 DD02 EE03 EE05 4F100 AB01C AB24C AK17E BA04 BA05 BA10A BA10D CC00B GB41 JD08 JG01C JG03 JK12B JL06E JM02D JM10C JN01A JN01C JN01D JN06D JN18D YY00D 5G301 DA02 DA03 DA05 DA06 DA07 DA10 DA11 DA12 DA42 DD02 5G307 FA02 FB02 FC08 FC10

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明基材上にハードコート層と、少なく
    とも1種の金属を含有する鎖状金属コロイドから形成さ
    れた透明導電層と、該透明導電層の外層に形成され、こ
    の透明導電層の屈折率と異なる屈折率を有する少なくと
    も1層の透明性反射防止層とを含む構成からなることを
    特徴とする低反射透明導電性積層フイルム。
  2. 【請求項2】 該鎖状金属コロイドの鎖状分散質が第8
    族あるいは第1B族の遷移金属を1種以上含むことを特
    徴とする請求項1に記載の低反射透明導電性積層フイル
    ム。
  3. 【請求項3】 該鎖状金属分散質の平均主鎖長と平均太
    さの比が5以上50以下であり、かつ平均太さが2nm
    以上30nm以下であることを特徴とする請求項1また
    は2に記載の低反射透明導電性積層フイルム。
  4. 【請求項4】 前記鎖状分散質が、銀とパラジウムから
    なることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の
    低反射透明導電性積層フイルム。
  5. 【請求項5】 透明導電層の外層に形成され、この透明
    導電層の屈折率と異なる屈折率を有する少なくとも1層
    の透明被膜層の屈折率が、1.7以下であることを特徴
    とする請求項1〜4のいずれかに記載の低反射透明導電
    性積層フイルム。
  6. 【請求項6】 透明導電層の屈折率と異なる屈折率を有
    する少なくとも1層以上の透明被膜の最外層にフッ素系
    化合物を含有する防汚層を有することを特徴とする請求
    項1〜5のいずれかに記載の低反射透明導電性積層フイ
    ルム。
  7. 【請求項7】 該鎖状金属コロイドの鎖状分散質の平均
    主鎖長が10nm以上100nm以下である鎖状金属コ
    ロイドを使用したことを特徴とする請求項1〜6のいず
    れかに記載の低反射透明導電性積層フイルム。
  8. 【請求項8】 該鎖状金属コロイドの鎖状分散質の平均
    主鎖長が100nm以上200nm以下である鎖状金属
    コロイドを使用したことを特徴とする請求項1〜7のい
    ずれかに記載の低反射透明導電性積層フイルム。
  9. 【請求項9】 該鎖状金属コロイドの鎖状分散質の平均
    主鎖長が200nm以上1500nm以下である鎖状金
    属コロイドを使用したことを特徴とする請求項1〜8の
    いずれかに記載の低反射透明導電性積層フイルム。
JP2000091945A 2000-03-29 2000-03-29 鎖状金属コロイドを使用した低反射透明導電性積層フイルム Pending JP2001281401A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000091945A JP2001281401A (ja) 2000-03-29 2000-03-29 鎖状金属コロイドを使用した低反射透明導電性積層フイルム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000091945A JP2001281401A (ja) 2000-03-29 2000-03-29 鎖状金属コロイドを使用した低反射透明導電性積層フイルム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001281401A true JP2001281401A (ja) 2001-10-10

Family

ID=18607350

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000091945A Pending JP2001281401A (ja) 2000-03-29 2000-03-29 鎖状金属コロイドを使用した低反射透明導電性積層フイルム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001281401A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008153231A (ja) * 2008-01-16 2008-07-03 Bando Chem Ind Ltd 導電性被膜複合体及び導電性被膜の形成方法
JP2010092003A (ja) * 2008-09-11 2010-04-22 Toppan Printing Co Ltd 反射防止フィルム
WO2015083361A1 (ja) 2013-12-03 2015-06-11 富士フイルム株式会社 反射防止光学部材
CN109448922A (zh) * 2018-11-29 2019-03-08 中建材蚌埠玻璃工业设计研究院有限公司 一种柔性可弯曲电子信息玻璃的制备方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008153231A (ja) * 2008-01-16 2008-07-03 Bando Chem Ind Ltd 導電性被膜複合体及び導電性被膜の形成方法
JP2010092003A (ja) * 2008-09-11 2010-04-22 Toppan Printing Co Ltd 反射防止フィルム
WO2015083361A1 (ja) 2013-12-03 2015-06-11 富士フイルム株式会社 反射防止光学部材
US10310143B2 (en) 2013-12-03 2019-06-04 Fujifilm Corporation Anti-reflection optical member
CN109448922A (zh) * 2018-11-29 2019-03-08 中建材蚌埠玻璃工业设计研究院有限公司 一种柔性可弯曲电子信息玻璃的制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6480250B1 (en) Low-reflection transparent conductive multi layer film having at least one transparent protective layer having anti-smudge properties
US6673142B2 (en) Transparent conductive layered structure and method of producing the same, and transparent coat layer forming coating liquid used in the method of producing the same, and display device to which transparent conductive layered structure is applied
US6777070B1 (en) Antireflection material and polarizing film using the same
KR101237822B1 (ko) 반사 방지 적층체
KR100867338B1 (ko) 코팅 조성물, 그 도막, 반사 방지막, 반사 방지 필름, 화상 표시 장치 및 중간 제품
KR101203465B1 (ko) 대전방지층용 조성물
CN103226211A (zh) 光学基板
KR20070028407A (ko) 반사방지 적층체 및 광학 부재
KR20060109874A (ko) 방현필름
JP4712236B2 (ja) 反射防止膜、反射防止フィルム、画像表示装置、及び、それらの製造方法
JP3515447B2 (ja) 反射防止材料及びそれを用いた偏光フィルム
JP5125046B2 (ja) 低屈折率層用コーティング組成物、及び反射防止膜
JP2002062405A (ja) 反射防止透明導電性積層体及びこれを形成した画像表示装置
JP3503876B2 (ja) 反射防止材料及びそれを用いた偏光フィルム
JP2002275430A (ja) コーティング組成物、及び、その塗膜
JP2002055203A (ja) 透明導電性反射防止フイルム及びそれを用いた表示装置
JP2009265651A (ja) 光学フィルム、偏光板、および画像表示装置
JP2001110238A (ja) 低反射透明導電性積層フィルム
JP2001281401A (ja) 鎖状金属コロイドを使用した低反射透明導電性積層フイルム
JP2002071905A (ja) 反射防止透明導電性積層フィルム
JP2002098803A (ja) 透明導電・反射防止フイルム及びそれを用いた表示装置
JP4242664B2 (ja) 反射防止フィルム
JP2001264505A (ja) 反射防止透明導電性積層フイルム
JPH11209717A (ja) フィルム塗工用塗料及びそれを用いた反射防止材料及び偏光フィルム並びにフィルムへの塗工方法
JP2002298665A (ja) 透明導電膜の製造方法、透明導電膜及びこれを用いた光学フィルム