JP2002297063A - エレクトロルミネッセンス表示装置およびその製造方法 - Google Patents

エレクトロルミネッセンス表示装置およびその製造方法

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JP2002297063A JP2001100248A JP2001100248A JP2002297063A JP 2002297063 A JP2002297063 A JP 2002297063A JP 2001100248 A JP2001100248 A JP 2001100248A JP 2001100248 A JP2001100248 A JP 2001100248A JP 2002297063 A JP2002297063 A JP 2002297063A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数の表示パネルを接合して1つの表示装置
を構成する場合に、発光部を劣化させることなく、かつ
隣接する表示パネルの接合部を目立たなくすることがで
きるエレクトロルミネッセンス表示装置およびその製造
方法を提供することである。 【解決手段】 ITO等の走査画素電極5a,5bが形
成されたガラス基板9a,9bとガラス基板9a,9b
のそれぞれに設けられた発光部3a,3bとで構成され
る小型パネル2a,2bが補強用のガラス基板10に接
着剤11により貼り付けられており、小型パネル2a,
2bの境界線上には、マスク4が施されている。さら
に、小型パネル2a,2bの全体を覆うように缶12に
より封止されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数の表示パネル
を接合して構成されるエレクトロルミネッセンス表示装
置およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、情報機器の多様化に伴い、一般に
使用されているCRT(陰極線管)に比べて消費電力が
少ない平面表示素子に対するニーズが高まってきてい
る。このような平面表示素子の1つとして、高効率、薄
型、軽量、低視野角依存性等の特徴を有するエレクトロ
ルミネッセンス(以下、ELと略す)素子が注目され、
このEL素子を用いたディスプレイの研究開発が活発に
行われている。このようなEL素子には、無機材料から
なる発光層を有する無機EL素子と、有機材料からなる
発光層を有する有機EL素子とがある。
【0003】無機EL素子は、一般に発光部に高電界を
作用させ、電子をこの高電界中で加速して発光中心に衝
突させることにより、発光中心を励起させて発光させる
自発光型の素子である。
【0004】一方、有機EL素子は、電子注入電極とホ
ール注入電極とからそれぞれ電子とホールとを発光部内
へ注入し、注入された電子およびホールを発光中心で再
結合させて有機分子を励起状態にし、この有機分子が励
起状態から基底状態へと戻るときに蛍光を発生する自発
光型の素子である。この有機EL素子は、発光材料であ
る蛍光物質を選択することにより発光色を変化させるこ
とができ、マルチカラー、フルカラー等の表示装置への
応用に対する期待が高まっている。
【0005】上記の有機EL素子は、現在のところ、デ
ジタルカメラや携帯電話等の小型ディスプレイへの応用
が進んでいる段階であり、パーソナルコンピュータやテ
レビジョン等の中・大型ディスプレイへの応用は困難と
考えられている。例えば、アクティブディスプレイの場
合、大面積に多数のポリシリコンTFT(薄膜トランジ
スタ)を作製することが困難であり、また、パッシブデ
ィスプレイの場合でも、大面積で均一に有機膜を形成す
ることが困難である。
【0006】このため、小型の有機ELパネルを複数枚
組み合わせることにより大型の有機EL表示装置を作製
しようとする試みがある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】通常、単純に小型パネ
ルを組み合わせたのでは、各パネル間の接合部が目立
ち、良好な表示画面を得ることはできない。一方、液晶
表示ディスプレイ装置では、小型パネル間の接合部を目
立たなくするため、R,G,Bの3つの表示ドットを1
画素とし、隣接するパネル端部に位置する画素の間の距
離をブラックストライプの幅に一致させることが報告さ
れている(シャープ技報 第69号 1997年12月
p.81−84)。接合側の辺は、ダイシング装置に
て切断後、さらに切断面を研磨することにより切断精度
を向上させている。
【0008】しかしながら、このような加工方法は、内
部の液晶が漏れないようにパネル端部をシールし、パネ
ル端部に位置する画素からパネル端部までの距離が長く
なる液晶ディスプレイ装置に特有のものであり、このよ
うなシール構造を有さないEL表示装置にそのまま適用
することはできない。すなわち、ダイシング加工時およ
び研磨時に発生する熱や、加工時に発生する切削かけら
(チッピング)および酸化セリウム等の研磨材を除去す
るために水を用いる場合、加工面から侵入した水分の影
響により金属からなる電極が酸化したり、電極が有機材
料または無機材料からなる発光層との界面で剥離するこ
とにより発光部が劣化する。その結果、ダークスポット
が発生し、発光素子として機能しなくなる。
【0009】本発明の目的は、複数の表示パネルを接合
して1つの表示装置を構成する場合に、発光部を劣化さ
せることなく、かつ隣接する表示パネルの接合部を目立
たなくすることができるエレクトロルミネッセンス表示
装置およびその製造方法を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段および発明の効果】第1の
発明に係るエレクトロルミネッセンス表示装置は、複数
の表示パネルが接合されたエレクトロルミネッセンス表
示装置であって、複数の表示パネルの各々は基板の一面
上に形成された複数の発光部を備え、複数の表示パネル
の基板の他面が共通の基台上に接着剤により接合される
とともに隣接するパネルの端面が接着剤により互いに接
合され、複数の発光部側において隣接する表示パネル間
の接合部がマスク材により被覆されたものである。
【0011】本発明に係るエレクトロルミネッセンス表
示装置においては、複数の発光部を有する複数の表示パ
ネルが共通の基台上に接合されており、各表示パネルの
発光部側の接合部はマスク材によって被覆されている。
【0012】この場合、各表示パネルの発光部側の接合
部がマスク材によって被覆されているため、表示パネル
を共通の基台上に接合する際に用いる接着剤が各表示パ
ネルの発光部に染み出ることを防ぐことができ、接着剤
の水分による発光部の劣化を防止することができる。
【0013】1または複数の発光部が画素を構成し、マ
スク材は画素間の間隔以下の幅を有してもよい。この場
合、マスク材が画素間の間隔以下の幅になるため、表示
パネルの接合部において画素間の間隔を広げることなく
複数の表示パネルを接合することができる。これによ
り、映像の解像度を高く保持したまま、表示パネルの継
ぎ目を目立たなくすることができる。
【0014】マスク材の幅は300μm以下であること
が好ましい。これにより、映像の解像度を高く保持した
まま、表示パネルの継ぎ目を目立たなくすることができ
る。
【0015】接着剤の屈折率は、基台の屈折率と同等で
あってもよい。この場合、接着剤と基台との屈折率が同
等であるため、表示パネルを接合した際に表示パネルの
継ぎ目を目立たなくすることができる。
【0016】複数の表示パネルの複数の発光部を覆うよ
うに容器により複数の発光部側の空間が封止されてもよ
い。この場合、複数の表示パネルの複数の発光部を覆う
ように容器により複数の発光部側の空間が封止される。
これにより、封止層として樹脂等を用いた場合に発生す
る樹脂等の水分による発光部へのダメージをなくすこと
ができる。また、樹脂等の封止層が不要なため、発光部
には画素点灯時における発熱によっても樹脂等の応力が
発生せず、発光部が剥離することを防止することがで
き、長時間の映像表示が可能となる。
【0017】複数の発光部は有機材料により形成されて
もよい。この場合、複数の発光部は水分に非常に弱い有
機材料により形成されるため、水分の浸透を防止する上
記のエレクトロルミネッセンス表示装置の構成を採るこ
とは特に有効となる。
【0018】第2の発明に係るエレクトロルミネッセン
ス表示装置の製造方法は、複数の表示パネルが接合され
たエレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法であっ
て、複数の基板の一面上に複数の発光部をそれぞれ形成
することにより複数の表示パネルを形成するステップ
と、複数の表示パネルの端部間の境界部を複数の発光部
側においてマスク材により被覆するステップと、複数の
表示パネルの基板の他面を共通の基台上に接着剤により
接合するとともに隣接する表示パネルの端部間を接着剤
により互いに接合するステップとを備えたものである。
【0019】この場合、複数の基板の一面上に複数の発
光部がそれぞれ形成されることにより複数の表示パネル
が形成され、複数の表示パネルの端部間の境界部が複数
の発光部側においてマスク材により被覆され、複数の表
示パネルの基板の他面が共通の基台上に接着剤により接
合されるとともに隣接する表示パネルの端部間が接着剤
により互いに接合される。
【0020】これにより、各表示パネルの発光部側の接
合部がマスク材によって被覆された後に表示パネルを共
通の基台上に接合するための接着剤を用いるため、接着
剤が各表示パネルの発光部に染み出ることを防ぐことが
でき、接着剤の水分による発光部の劣化を防止すること
ができる。
【0021】複数の表示パネルを形成する前に、各基板
の端部を加工するステップをさらに備えてもよい。これ
により、基板の端部を加工する際に発生するチッピング
や研磨材を除去するために使用する水分による複数の発
光部へのダメージを防止できる。
【0022】複数の表示パネルの複数の発光部を覆うよ
うに容器により複数の発光部側の空間を封止するステッ
プをさらに備えてもよい。この場合、複数の表示パネル
の複数の発光部を水分等から保護するための保護層とし
て樹脂等の封止層を用いないため、封止層として樹脂等
を用いた場合に発生する樹脂等の水分による発光部への
ダメージをなくすことができる。また、樹脂等の封止層
が不要なため、発光部には画素点灯時における発熱によ
っても樹脂等の応力が発生せず、発光部が剥離すること
を防止することができ、長時間の映像表示が可能とな
る。
【0023】なお、容器により複数の発光部側の空間を
封止するステップは、共通の基台上に複数の表示パネル
を接合するステップの前でもよいし、後でもよい。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るエレクトロル
ミネッセンス表示装置の一例として有機エレクトロルミ
ネッセンス(以下、ELと略す)表示装置について説明
する。なお、本発明は、発光部として耐熱性および耐湿
性に劣る有機材料を使用した有機EL表示装置に特に有
用であるが、同様の構造を有する無機EL表示装置にも
適用することができ、アクティブ型およびパッシブ型の
いずれの表示装置にも適用することができる。
【0025】図1は本発明の一実施の形態による有機E
L表示装置の構成を示す模式的平面図である。図1に示
す有機EL表示装置1は、4枚の小型パネル2a〜2d
を備える。各小型パネル2a〜2dは、複数の発光部3
a〜3d、複数の走査画素電極5a〜5d、複数の信号
画素電極6a〜6d、走査画素電極用駆動回路7a〜7
d、信号画素電極用駆動回路8a〜8dおよびマスク4
を備える。
【0026】走査画素電極用駆動回路7a〜7dは、小
型パネル2a〜2dの一辺に配置され、信号画素電極用
駆動回路8a〜8dは小型パネル2a〜2dの他の一辺
に配置されている。走査画素電極用駆動回路7a〜7d
および信号画素電極用駆動回路8a〜8dは、表示した
い画素に対応する発光部3a〜3dを形成する走査画素
電極5a〜5dおよび信号画素電極6a〜6dへ駆動信
号を出力する。それにより、当該発光部3a〜3dが発
光し、各小型パネル2a〜2dのみで表示駆動が可能に
なっている。
【0027】有機EL表示装置1は、図1に示すよう
に、走査画素電極5a〜5dおよび信号画素電極6a〜
6dの各々が連続的に配置されるように、接着剤により
小型パネル2a〜2dを4枚貼り合わせて所望の大きさ
に大型化したものである。さらに、映像表示側に接着剤
が染み出てこないようにマスク4が小型パネル2a〜2
dの境界部に設けられている。この場合、上下左右の各
駆動回路7a〜7d,8a〜8dを同期させて各電極5
a〜5d,6a〜6dを駆動することにより、1枚の大
型パネルとして1つの画面を表示することができる。
【0028】例えば、横640ドット×縦480ドット
のVGA(Video Graphics Array)仕様の10インチの
モノクロ表示装置を作製する場合、画素数が横320ド
ット×縦240ドットで画素ピッチが約300μmの5
インチの小型パネル2a〜2dを4枚貼り合わせればよ
い。フルカラー表示装置では、R(Red)、G(Gree
n)、B(Blue)の3種類の発光部を一単位として一画
素を構成する。
【0029】図2は図1の有機EL表示装置の概略断面
図である。図2に示すように、ITO等からなる図1の
走査画素電極5a,5bが形成されたガラス基板9a,
9bとガラス基板9a,9bのそれぞれに設けられた発
光部3a,3bとで構成される小型パネル2a,2bが
補強用のガラス基板10に接着剤11により貼り付けら
れている。なお、図2には2枚の小型パネル2a,2b
のみが示されているが、ガラス基板10には、図1に示
した4枚の小型パネル2a,2b,2c,2dが貼り付
けられる。
【0030】小型パネル2a,2bの境界線上には、マ
スク4が施されている。同様に、小型パネル2a,2c
の境界線上、小型パネル2b,2cの境界線上および小
型パネル2c,2dの境界線上にもマスク4が施されて
いる。さらに、小型パネル2a,2b,2c,2dの全
体を覆うように缶(CAN)12により封止されてい
る。
【0031】図3は図1の有機EL表示装置の作製工程
の概略図を示す。まず、図3(a)に示すようにITO
等の走査画素電極5aが形成されたガラス基板9aをダ
イシング装置やスクライブ装置の刃13により所望の画
素ピッチ近くまで端部14を切断する。そして、切断端
面を高精度な貼り合わせが可能なように平滑に研磨仕上
げする。
【0032】そして、図3(b)に示すように、ガラス
基板9a上に発光部3aとして、ホール注入層、その上
にホール輸送層、発光層、電子注入電極として機能する
信号画素電極6aを順次形成する。ここで、ホール注入
層としては、厚さ1000Åのトリフェニルアミン誘電
体等が用いられ、ホール輸送層としては、厚さ200Å
のジアミン誘電体等が用いられ、発光層としては、厚さ
200Åのアルミニウムキノリノール錯体にキナクリド
ンをドープしたもの等が用いられ、信号画素電極6aと
しては、厚さ3000Åのマグネシウムインジウム(M
gIn)が用いられる。このようにして、小型パネル2
aを作製する。同様にして、小型パネル2b,2c,2
dも作製する。
【0033】次に、図3(c)に示すように、隣り合う
小型パネル2a,2bの発光部3a,3b側の接合部に
マスク4を形成する。マスク4の形成方法としては、デ
ィスペンサにより紫外線硬化樹脂(スリーボンド製AV
R200)を幅300μmの寸法で塗布した後、紫外線
を照射し硬化させて形成する。この方法は工程が簡易で
ある。他のマスク4の形成方法としては、ディスペンサ
による可視光硬化樹脂の塗布、メタルマスクを用いての
真空蒸着、RFスパッタリングによる無機材料の形成、
レーザCVDによる無機材料の形成、スクリーン印刷に
よるエポキシ系樹脂の塗布がある。マスク4の幅は、画
素ピッチを考慮して300μm以下が望ましい。同様に
して、小型パネル2a,2cの接合部、小型パネル2
b,2cの接合部および小型パネル2a,2dの接合部
にもマスク4を形成する。
【0034】この後、図3(d)に示すように、小型パ
ネル2a,2bを補強用のガラス基板10に接着剤11
を用いて貼り合わせる。接着剤11としては、光学的な
違和感を少なくするため、ガラス基板9a,9bに用い
られるガラスおよび補強用のガラス基板10に用いられ
るガラスの屈折率Ndに近い屈折率を有するものを使用
する。用いられるガラスの屈折率Ndは1.5〜1.6
程度であり、例えば、コーニング1737基板(Nd=
1.52)をガラス基板10,9a,9bとして使用し
た場合、接着剤11としては、紫外線硬化樹脂であるス
リーボンド社製AVR200(Nd=1.56)や長瀬
チバ社製XNR5623(Nd=1.57)を用いる。
同様にして、小型パネル2c,2dも同じガラス基板上
に貼り付ける。
【0035】図3(d)の工程において、隣り合う小型
パネル2a,2bの発光部3a,3b側の接合面にマス
ク4が形成されることにより、補強用のガラス基板10
に接着剤11で貼り合わせる際に、接合部から発光部3
a,3b側へ接着剤11がはみ出してくるのを防止する
ことができる。
【0036】最後に、図3(e)に示すように、小型パ
ネル2a,2b,2c,2dの発光部3a,3b,3
c,3d側全体をガラス製または金属製の缶12により
封止する。
【0037】上記図3(c)〜(e)の工程は、窒素ガ
ス雰囲気で満たされたグローブボックス内で行う。この
ため、作製された有機EL表示装置の小型パネル2a,
2b,2c,2dと缶12との間の空間には窒素ガスが
充填されることになる。
【0038】このようにして、図1に示す有機EL表示
装置1を作製する。なお、図3(d)の工程と図3
(e)との工程を入れ替えてもよい。
【0039】また、本実施の形態においては、4枚の小
型パネル2a〜2dにより2×2配置の有機EL表示装
置1について述べたが、小型パネルを貼り合わせる枚数
は4枚に特に限定されず、1つの表示装置を構成するこ
とができれば他の枚数であってもよい。例えば、小型パ
ネルを一列に並べたり、3×3、2×3等の行列的配置
をする場合にも有効である。
【0040】本発明に係る有機EL表示装置1の作製に
おいて、上記のように発光部3a〜3dを形成する前に
小型パネル2a〜2dの接合部の端面加工を行うことに
より、小型パネル2a〜2dの接合部を切断、研磨する
ときの応力により発光部3a〜3dが剥離するという問
題が解消される。また、切断や研磨時に発生する熱、ま
たは、切削かけらや研磨材を除去するために水を流しな
がら加工しても、信号画素電極6a〜6dが酸化するこ
とはなくなり、有機材料との界面において剥離すること
もなくなる。
【0041】さらに、マスク4によるマスキングの効果
により接着剤11が発光部3a〜3d側にはみ出さない
ため、発光部3a〜3d側への接着剤11の水分の浸透
を防止することができ、缶12による缶封止により、画
素点灯時における発熱により封止層で応力が発生し、発
光部3a〜3dに損傷を与えることも防止される。
【0042】
【実施例】ここで、実施例および比較例の有機EL表示
装置を作製し、特性を評価した。実施例の有機EL表示
装置は、図1〜図3に示した製造方法により作製した。
比較例の有機EL表示装置は、以下に示す製造方法によ
り作製した。
【0043】図4は比較例の有機EL表示装置の作製工
程を示す概略断面図である。図4には小型パネル20
a,20bについて示されるが、他の2つの小型パネル
においても同様である。
【0044】図4(a)に示すように、ガラス基板90
a上に複数の発光部30aおよび封止層40aを形成し
た。その後、ダイシング装置やスクライブ装置の刃13
0により、所望の画素ピッチまで図4(a)に示す端部
140を切断し、接合面を形成した。同様にして、小型
パネル20bおよび他の2つの小型パネルを作製する。
【0045】発光部30aは、走査画素電極上に形成さ
れたホール注入層と、ホール注入層上に形成されたホー
ル輸送層と、ホール輸送層上に形成された発光層と、発
光層上に形成された電子輸送層と、電子輸送層上に形成
された信号画素電極からなる。各層の材料および構成は
実施例と同様である。
【0046】上記の各層は、真空度を10-4Pa以下に
して抵抗加熱ボートを用いた真空蒸着法を用いて形成し
た。このように形成された発光部30a,30bは、5
〜10Vの駆動電圧を印可することにより、100〜3
00cd/m2 の輝度で発光した。
【0047】その後、小型パネル20aの接合面を高精
度な貼り合わせが可能なように高精度研磨材で平滑に研
磨し仕上げた。高精度研磨材としては、酸化セリウムを
用いた。この場合、発熱を抑制するとともに切削かけら
および研磨材を除去するために水を流しながら切断およ
び研磨を行った。小型パネル20bおよび他の2つの小
型パネルについても同様に端部の切断および研磨を行っ
た。
【0048】さらに、図4(b)および図4(c)に示
すように、接着剤110を用いて小型パネル20a,2
0bの接合部を接合するとともに、ガラス基板90a,
90bの全面を補強用のガラス基板100に接合した。
同様にして,他の2つの小型パネルも同じ補強用のガラ
ス基板100に接合した。図4(c)は図4(b)に示
すA部の拡大図である。接着剤110としては、可視光
の波長領域でガラスの屈折率に近い光学特性を有する紫
外線硬化型接着剤、高分子系接着剤等を用いた。
【0049】比較例における有機EL表示装置において
は、ダイシング時や研磨時の発熱による有機材料への熱
ダメージにより、貼り合わせ面近傍の画素において初期
輝度が前述の値100〜300cd/m2 を大きく下回
ることとなった。これに対して、実施例においては、発
光部を形成する前に小型パネルの接合部の加工を行うた
め、初期輝度が低下することはなかった。
【0050】また、比較例においては、ダイシング加工
時および研磨時に発生する熱や、加工時に発生する切削
かけら(チッピング)および酸化セリウム等の研磨材を
除去するために水を用いたため、加工面から侵入した水
分の影響により金属からなる電極が酸化したり、電極が
有機材料または無機材料からなる発光層との界面で剥離
することにより発光部が劣化することとなった。その結
果、ダークスポットが発生し、発光素子として機能しな
くなった。これに対して、実施例においては、複数の小
型パネルの発光部側の接合部にマスクを設けることによ
り、接着剤自身の水分が発光部側に浸透することを防止
することができたため、発光部が加工時および研磨時に
劣化することはなかった。
【0051】さらに、比較例においては、発光時の発熱
により発光部周辺に応力が発生し、この応力により封止
層が変形し、発光部がダメージを受けていた。これに対
して、実施例においては、発光部側を缶により封止した
ため、発熱による応力の発生が抑制され、また、封止層
が存在しないため、発光部へのダメージも抑えられた。
このため、一定時間発光させた後の発光部の劣化は比較
例に比べて非常に少なかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態による有機EL表示装置
の構成を示す模式的平面図である。
【図2】図1の有機EL表示装置の構成を示す断面図で
ある。
【図3】図1の有機EL表示装置の作製工程の概略図を
示す。
【図4】比較例の有機EL表示装置の作製工程を示す概
略断面図である。
【符号の説明】
2a〜2d 小型パネル 3a〜3d 発光部 4 マスク 10 補強用のガラス基板 11 接着剤 12 缶
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 白玖 久雄 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 Fターム(参考) 3K007 AB00 AB11 BA00 BA06 BB01 CA01 CB01 DA01 DB03 EB00 FA02 5C094 AA14 AA31 AA38 AA43 AA47 AA48 BA03 BA12 BA27 CA19 CA24 DA01 DA04 DA07 DA09 DA12 DB01 DB03 EA04 EB02 FA01 FB01 GB01 JA08

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の表示パネルが接合されたエレクト
    ロルミネッセンス表示装置であって、 前記複数の表示パネルの各々は基板の一面上に形成され
    た複数の発光部を備え、前記複数の表示パネルの前記基
    板の他面が共通の基台上に接着剤により接合されるとと
    もに隣接するパネルの端面が接着剤により互いに接合さ
    れ、前記複数の発光部側において前記隣接する表示パネ
    ル間の接合部がマスク材により被覆されたことを特徴と
    するエレクトロルミネッセンス表示装置。
  2. 【請求項2】 1または複数の発光部が画素を構成し、
    前記マスク材は画素間の間隔以下の幅を有することを特
    徴とする請求項1記載のエレクトロルミネッセンス表示
    装置。
  3. 【請求項3】 前記マスク材の幅は300μm以下であ
    ることを特徴とする請求項2記載のエレクトロルミネッ
    センス表示装置。
  4. 【請求項4】 前記接着剤の屈折率は、前記基台の屈折
    率と同等であることを特徴とする請求項1〜3のいずれ
    かに記載のエレクトロルミネッセンス表示装置。
  5. 【請求項5】 前記複数の表示パネルの前記複数の発光
    部を覆うように容器により前記複数の発光部側の空間が
    封止されたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに
    記載のエレクトロルミネッセンス表示装置。
  6. 【請求項6】 複数の発光部は有機材料により形成され
    たことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のエ
    レクトロルミネッセンス表示装置。
  7. 【請求項7】 複数の表示パネルが接合されたエレクト
    ロルミネッセンス表示装置の製造方法であって、 複数の基板の一面上に複数の発光部をそれぞれ形成する
    ことにより複数の表示パネルを形成するステップと、 前記複数の表示パネルの端部間の境界部を前記複数の発
    光部側においてマスク材により被覆するステップと、 前記複数の表示パネルの前記基板の他面を共通の基台上
    に接着剤により接合するとともに隣接する表示パネルの
    端部間を接着剤により互いに接合するステップとを備え
    たことを特徴とするエレクトロルミネッセンス表示装置
    の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記複数の表示パネルを形成する前に、
    各基板の端部を加工するステップをさらに備えたことを
    特徴とする請求項1記載のエレクトロルミネッセンス表
    示装置の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記複数の表示パネルの前記複数の発光
    部を覆うように容器により前記複数の発光部側の空間を
    封止するステップをさらに備えたことを特徴とする請求
    項1または2記載のエレクトロルミネッセンス表示装置
    の製造方法。
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