JP2002293908A - グリコール酸共重合体を製造する方法 - Google Patents

グリコール酸共重合体を製造する方法

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JP2002293908A
JP2002293908A JP2001093676A JP2001093676A JP2002293908A JP 2002293908 A JP2002293908 A JP 2002293908A JP 2001093676 A JP2001093676 A JP 2001093676A JP 2001093676 A JP2001093676 A JP 2001093676A JP 2002293908 A JP2002293908 A JP 2002293908A
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glycolic acid
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acid copolymer
polycondensation
polymer
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JP2001093676A
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Hiroshi Yokoyama
宏 横山
Harumi Watanabe
春美 渡辺
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Asahi Kasei Corp
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Asahi Kasei Corp
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 特定の金属アルコキシドをグリコール酸
の存在下にて加水分解させることにより得られる加水分
解生成物を重縮合触媒として用い、乳酸、グリコール酸
などのヒドロキシカルボン酸を重縮合させることを特徴
とするポリグリコール酸共重合体の製造方法。 【効果】 比較的高い濃度の水を含む原料水溶液からの
重縮合であっても、効率よく、高分子量で高品質のポリ
グリコール酸共重合体を製造できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリグリコール酸
共重合体を製造する方法に関する。詳しくは、高分子量
のポリグリコール酸共重合体を容易に効率よく製造する
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリ乳酸、ポリグリコール酸又はこれら
の共重合体に代表されるヒドロキシカルボン酸から製造
される脂肪族ポリエステルは、生分解性の高分子として
注目され、例えば、縫合糸などの医用材料、医薬、農
薬、肥料などの徐放性材料など多方面に利用されてい
る。これらの用途向けのポリマーを得る方法としては、
従来、乳酸、グリコール酸を一旦重縮合してプレポリマ
ーとした後、解重合によりラクチド及び/又はグリコリ
ドを製造し、これらを用いて開環重合してポリラクチド
及び/又はポリグリコリドを製造していた。この方法に
よると、高分子量のポリマーを得ることができるけれど
も、多数の工程を必要とし、また、ラクチド、グリコリ
ドを得るために多大の労力がかかり、経済的とはいえな
かった。
【0003】一方、乳酸やグリコール酸を直接、重縮合
反応させる方法は、経済的ではあるが、その反面、高分
子量化できない、という欠点があり、工業化されていな
い。例えば、高分子量化の試みとして、オキシ酸を有機
ゲルマニウム化合物の存在下に直接、重縮合する方法
(特開平6−345856号公報)が提案されている。
より具体的には、この公報には、L-乳酸の90%水溶
液を、予め、脱水処理し、水分率を1%以下に濃縮した
後、ゲルマニウムアルコキシドを添加して溶融重縮合を
行う方法が開示されている。しかし、この公報にはグリ
コール酸を出発原料とした例は開示されておらず、ポリ
グリコール酸共重合体の製造に適用した場合には、得ら
れるポリマーの色調及び分子量ともに不十分である。
【0004】グリコール酸誘導体であるグリコール酸ア
ルキルエステルの少なくとも一部を加水分解して得られ
るグリコール酸を出発原料として、直接、重縮合し、結
晶性のプレポリマーを生成させ、次いで、固相重合する
方法(特開平11−130847号公報)が提案されて
いる。この方法によると、ある程度、高分子量化が可能
ではあるものの、工業的には入手しにくいグリコール酸
誘導体を使用するための新たな工程が必要なことや、得
られるポリマーの着色が著しく、また、ポリマー収量も
低い、などの実用上の問題があった。
【0005】工業的に入手可能な約70質量%のグリコ
ール酸水溶液のように、比較的高い濃度にて水が存在す
る状態の出発原料から直接重縮合を行い、効率よく高分
子量のポリグリコール酸共重合体を製造する方法は全く
知られていないのが現状である。
【0006】
【発明が解決しょうとする課題】本発明の目的は、比較
的高い濃度の水を含む原料水溶液を使用した場合におい
ても、効率よく、高分子量で高品質のポリグリコール酸
共重合体を製造する方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決する手段】本発明者らは、前記課題を解決
するため、鋭意検討を行った結果、特定の金属アルコキ
シドをグリコール酸の存在下にて加水分解させることに
より得られる加水分解生成物の存在下に、乳酸、グリコ
ール酸などのヒドロキシカルボン酸を直接、重縮合する
ことにより、比較的高い濃度の水を含む原料水溶液から
の重縮合であっても、効率よく、高分子量で高品質のポ
リグリコール酸共重合体が得られることを見出した。
【0008】すなわち、本発明は、以下の通りである。 (1)少なくともグリコール酸を含む原料を重縮合し
て、グリコール酸単位を75mol%以上含有するポリ
グリコール酸共重合体を製造する方法において、マグネ
シウム、鉄、ハフニウム、ゲルマニウム、アンチモン、
錫、ランタン、及びサマリウムからなる群より選ばれた
少なくとも1種の金属のアルコキシドを、グリコール酸
の存在下で加水分解させることにより得られる加水分解
物を重縮合触媒として用いることを特徴とするポリグリ
コール酸共重合体を製造する方法。 (2)金属アルコキシドを、少なくとも3質量%以上の
水、及びグリコール酸を含む水溶液の存在下で加水分解
させることにより得られる加水分解物を重縮合触媒とし
て用いることを特徴とする(1)のポリグリコール酸共
重合体を製造する方法。
【0009】(3)少なくとも3質量%以上の水、及び
グリコール酸を含む原料水溶液に、マグネシウム、鉄、
ハフニウム、ゲルマニウム、アンチモン、錫、ランタ
ン、及びサマリウムからなる群より選ばれた少なくとも
1種の金属のアルコキシドを添加し、金属アルコキシド
の加水分解とともに、原料水溶液の脱水濃縮及び重縮合
を行うことを特徴とする(1)のポリグリコール酸共重
合体を製造する方法。 (4)少なくとも重縮合の一部において固相重合を行
い、その際、固相重合前のプレポリマーの補外融解開始
温度以上、融解ピーク温度未満の範囲の温度で固相重合
を行うことを特徴とする(1)、(2)又は(3)のポ
リグリコール酸共重合体を製造する方法。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明を以下に具体的に説明す
る。本発明のポリグリコール酸共重合体中に含まれるグ
リコール酸単位の含有率は75mol%以上であり、好
ましくは、75mol%以上、99mol%未満、より
好ましくは、80mol%以上、95mol%未満、最
も好ましくは、82mol%以上、90mol%未満の
範囲である。グリコール酸単位の含有率が75mol%
未満の場合には、得られる共重合体の強度、弾性率など
の機械的物性、軟化温度などの熱的物性及びガスバリア
ー性が低下するため好ましくない。また、グリコール酸
単位の含有率が99mol%以上の場合には、共重合体
の熱安定性が充分でなく、溶融成形加工時に熱分解し、
着色及び分子量の低下が著しくなる傾向がある。
【0011】グリコール酸単位以外の共重合成分の例と
しては、他のヒドロキシカルボン酸、ジカルボン酸、ジ
オール、3価以上の多価化合物及び多糖類等を挙げるこ
とができるが、グリコール酸と共重合可能なものであれ
ばこれらに限定されるものではない。他のヒドロキシカ
ルボン酸の例としては、L-乳酸、D-乳酸、3−ヒドロ
キシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ吉草
酸、5−ヒドロキシ吉草酸及び6−ヒドロキシカプロン
酸などが挙げられる。ジオールの例としては、例えば、
エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチ
レングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレン
グリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタン
ジオールなどが挙げられる。ジカルボン酸の例として
は、例えば、コハク酸、シュウ酸、マロン酸、グルタン
酸、アジピン酸、ピメリン酸、ジグリコール酸などの脂
肪族ジカルボン酸などが挙げられる。
【0012】3価以上の多官能化合物の例としては、グ
リセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリト
ール、リンゴ酸、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロ
メリット酸、トリカルバリル酸、没食子酸などが挙げら
れる。多糖類の例としては、例えば、セルロース、硝酸
セルロース、酢酸セルロース、メチルセルロース、エチ
ルセルロース、CMC(カルボキ シメチルセルロー
ス)、ヘミセルロース、デンプン、アミロペクチン、デ
キストリン、デキストラン、グリコーゲン、ペクチン、
キチン、 キトサンなど及びこれらの混合物及びこれら
の誘導体などが挙げられる。共重合成分として好ましい
例としては、D-、L-乳酸が挙げられる。より好ましい
例としては、L-乳酸が挙げられ、光学純度が95%以
上、好ましくは、98%以上の、発酵法で製造されるL
-乳酸が最も好ましい。所望により、上記の共重合成分
の他に、グリコール酸単位を含むオリゴマーを一緒に用
いることもできる。
【0013】本発明に用いられる、マグネシウム、鉄、
ハフニウム、ゲルマニウム、アンチモン、錫、ランタ
ン、及びサマリウムからなる群より選ばれた金属のアル
コキシドは、アルキル基が結合した酸素原子と金属原子
との結合が少なくとも1つ以上分子内に存在する化合物
であり、具体的には、例えば、メトキシド、エトキシ
ド、n-プロポキシド、iso-プロポキシド、n-ブトキシ
ド、iso-ブトキシド、tert-ブトキシド、n-ヘキシルア
ルコキシド、2-ヘキシルアルコキシドなどの1価のアル
コキシドや、エチレングリコキシド、1,2-プロパンジア
ルコキシド、1,3-プロパンアルコキシド、1,4-ブタンジ
アルコキシドなどの2価のアルコキシド、ペンタエリス
リトールなどの4価のアルコキシドなどが挙げられる。
【0014】これらは1種単独で、又は2種以上を組み
合わせて用いることができる。具体的な例としては、マ
グネシウムエトキシド、鉄トリエトキシド、ハフニウム
テトラtert-ブトキシド、ゲルマニウムテトラエトキシ
ド、ゲルマニウムテトラiso-プロポキシド、アンチモン
トリiso-エトキシド、錫エトキシド、ランタントリiso-
プロポキシド、サマリウムiso-プロポキシドなどが挙げ
られる。
【0015】本発明者らは、かかる金属アルコキシド
を、グリコール酸と水を含む水溶液の存在下に加水分解
させて得られた加水分解物を、グリコール酸などのヒド
ロキシカルボン酸の縮重合触媒として用いた場合、金属
アルコキシドそのものを触媒として用いた場合と比較し
て、優れた触媒活性を有し、効率よく、高分子量、か
つ、着色などの副反応の少ない、高品質のポリグリコー
ル酸共重合体を与えることを見出した。
【0016】これに対し金属アルコキシドを、水が存在
しない系でグリコール酸との反応を試みた場合、金属ア
ルコキシドの加水分解は進行しにくく、充分な触媒活性
を発現しない。また、金属アルコキシドをグリコール酸
の非存在下で水と反応させた場合に得られる加水分解物
は重合系中で凝集し易く、やはり充分な触媒活性を発現
しない。本発明における金属アルコキシドの加水分解物
の詳細な化学構造は明確ではないが、金属アルコキシド
がアルコールを脱離するとともに、水酸化物{M−(O
H)X}、金属アルコキシドの縮重合反応物{-M-O-
M-}、グリコール酸とのアルコール交換反応物{M−
(OCH2COOH)X}、グリコール酸と反応した金
属塩{M−(OCOCH2OH)X}、及びグリコール
酸の配位物などからなる、複数の化学構造を包含してい
るものと推測される。
【0017】本発明における金属アルコキシドの加水分
解物を得る方法は、特に限定されるものではないが、例
えば、(a)重縮合反応前に、予め、マグネシウム、
鉄、ハフニウム、ゲルマニウム、アンチモン、錫、ラン
タン、及びサマリウムからなる群より選ばれた少なくと
も1種の金属のアルコキシドを、グリコール酸と、水、
好ましくは3質量%以上の水を含む水溶液の存在下に加
水分解させて加水分解物を調整する方法、及び(b)マ
グネシウム、鉄、ハフニウム、ゲルマニウム、アンチモ
ン、錫、ランタン、及びサマリウムからなる群より選ば
れた少なくとも1種の金属のアルコキシドを、少なくと
も3質量%以上の水及びグリコール酸を含む重合原料水
溶液に添加し、脱水濃縮及び重縮合を行う工程中に、重
合系中において加水分解物を形成させる方法などが例示
できる。工程が簡略化できる点からは、(b)法の、重
合系中において脱水濃縮及び重縮合反応とともに金属ア
ルコキシドの加水分解物を形成させる方法が好ましい。
【0018】加水分解反応の条件は、特に限定されるも
のではないが、加水分解反応の度合いは、反応時の金属
アルコキシドに対するグリコール酸量、水分量、反応温
度、及び反応時間により影響を受ける。例えば、水溶液
中でのグリコール酸の濃度としては、好ましくは、5〜
97質量%、より好ましくは、10〜80質量%の範囲
である。5質量%未満であると、得られる加水分解物は
重合系中で凝集し易く、充分な触媒活性を発現しにく
い。一方、97質量%を越えると、加水分解反応は進行
しにくい。
【0019】水の濃度としては、好ましくは、3〜95
質量%、より好ましくは、5〜80質量%、最も好まし
くは10〜70質量%である。加水分解反応温度として
は好ましくは、30℃〜150℃の範囲、より好ましく
は、60℃〜130℃の範囲である。金属アルコキシド
の加水分解の度合いを評価する方法としては、加水分解
反応液中の、金属アルコキシドに由来する脱離アルコー
ル成分量を定量分析する方法が用いられる。本発明にお
ける加水分解生成物は、金属アルコキシドが完全に加水
分解して生成する加水分解物に限定されるものではない
が、好ましい脱離アルコール成分量としては、充分な触
媒活性を発現させる上で、理論量の10mol%以上、
が好ましく、より好ましくは、30mol%以上、最も
好ましくは、40mol%以上である。
【0020】ポリグリコール酸共重合体の重縮合触媒と
して用いる、金属アルコキシドの加水分解物の添加量と
しては、モノマー1g当たり、金属原子として、1×1
-7〜1×10-2モル、好ましくは、3×10-7〜1×
10-3モルの範囲である。添加量が1×10-7モル未満
の場合には、重縮合速度を高めることができず、添加量
が1×10-2モルを越えると、重合ポリマーが着色する
など副反応が増大し、分子量の増大が認められない場合
がある。
【0021】本発明におけるポリグリコール酸共重合体
の製造方法としては、特に限定されるものではないが、
例えば、(A)水、グリコール酸を含む原料水溶液の脱
水濃縮工程からそれに続く溶融重縮合工程の任意の時点
に、予め、金属アルコキシドをグリコール酸と、水、好
ましくは3質量%以上の水の存在下で加水分解して調整
した触媒を添加して、溶融重縮合を行い、ポリグリコー
ル酸共重合体を製造する方法、(B)少なくとも3質量
%以上の水及びグリコール酸を含む重合原料水溶液に金
属アルコキシドを添加した後、脱水濃縮工程及び溶融重
縮合工程を実施することにより、重合系中において触媒
を形成させ、次いで、溶融重縮合を行って、ポリグリコ
ール酸共重合体を製造する方法、(C)(A)又は
(B)における溶融重縮合工程に引き続き、固相重合工
程を実施する方法などが挙げられる。
【0022】本発明の、着色が少なく、重量平均分子量
が10万を超える高分子量のポリグリコール酸共重合体
を製造する場合には、(C)法のように、重縮合工程の
少なくとも一部において固相重合を実施する方法がより
好ましい。以下にポリグリコール酸共重合体の製造方法
について、より詳細に説明する。原料水溶液を脱水濃縮
する工程における脱水濃縮の条件は、特に制限されるも
のではないが、例えば、窒素などの不活性ガス雰囲気
下、不活性ガス流通下又は減圧下において、温度とし
て、好ましくは、100〜150℃の範囲、より好まし
くは、100〜130℃の範囲、減圧度として、好まし
くは、13.3〜101.3kPaの範囲で、それぞれ
多段階に変化させて実施することが好ましい。このとき
(B)法のように原料水溶液中に金属アルコキシドが添
加されている場合、脱水濃縮及びこれに続く溶融重縮合
工程において金属アルコキシドの加水分解反応を同時に
行うことができる。
【0023】溶融重縮合工程では、例えば、窒素などの
不活性ガス雰囲気下、不活性ガス流通下又は減圧下にお
いて、反応温度としては、130℃〜220℃の範囲で
多段階に変化させて重縮合を行うことが好ましく、より
好ましくは、150℃〜200℃の範囲で重縮合を行
う。重縮合温度が130℃未満の場合には、反応速度が
非常に遅く、非効率的であり、また、高分子量のポリマ
ーが得られないことがある。220℃を超える温度の場
合には、ポリマーの着色及び分解、あるいは環状2量体
などの副生物の留出が増加する。
【0024】本発明における溶融重縮合反応時の減圧度
としては、13.3Pa〜6.7kPaが好ましく、よ
り好ましくは、66.7Pa〜6.0kPa、最も好ま
しくは0.4〜5.3kPaの範囲で多段階に変化させ
て重縮合を行う。6.7kPaを超える圧力の場合に
は、重縮合時に発生する水を効率よく除去できず、1
3.3Pa未満では、副生物の生成の問題が生じたり、
収率の低下が大きくなる。本発明における溶融重縮合反
応の時間としては、2〜20時間の範囲が好ましく、4
時間〜15時間の範囲がより好ましい。20時間を超え
て実施する場合には、ポリマーの着色の問題が生じる場
合がある。
【0025】本発明において、上記の溶融重縮合によっ
て製造したポリマーをプレポリマーとして、引き続き固
相重合を実施することにより、着色が少なく、重量平均
分子量が10万を超えるポリグリコール酸共重合体を得
ることができる。固相重合工程では、これに供するプレ
ポリマーの分子量には、特に制限はないが、重量平均分
子量は3000〜80000の範囲、好ましくは800
0〜50000の範囲である。重量平均分子量が300
0未満の場合には、所望する重量平均分子量を達成する
までの固相重合工程に要する時間が膨大となる。また、
その結晶化工程や固相重合工程においても融着や粉砕な
どを生じる、などの問題を生じる場合がある。一方、重
量平均分子量が80000を超えるプレポリマーを溶融
重合などで製造するのは効率的ではなく、着色が生じた
り、プレポリマーの品質も低下する場合がある。
【0026】本発明におけるプレポリマーとは、溶融重
縮合により得られた生成物を意味するものであり、これ
を固相重合に供するまでに冷却固化せしめ、粒子状やペ
レット状に賦形することができる。プレポリマーは結晶
化させた後で、固相重合に供することが好ましい。この
結晶化条件を適切に選択することにより、プレポリマー
粒子同士の、固相重合時の融着・凝集を防止できるのみ
ならず、固相重合時の重合反応速度を高めることもでき
る。
【0027】賦形化工程での賦形化の方法には、特に制
限はないが、例えば、溶融状態のプレポリマーを不活性
ガスや水などの液体と接触させることにより塊状物にし
た後、粉砕して粒子状にする方法、溶融状態のプレポリ
マーを押出機に移しペレット化する方法などが利用でき
る。プレポリマーを粒子状又はペレット状に賦形した粒
子径としては、結晶化工程や固相重合工程における取り
扱い易さや、固相重合における重合速度を考慮し設定す
れば、特に制限されるものではないが、例えば、平均粒
径は0.1mm〜10mmの範囲である。
【0028】結晶化工程における結晶化の方法として
は、特に制限は無く、公知の方法が利用できる。例え
ば、冷却固化したプレポリマーを気相中で加熱する方
法、プレポリマーを溶解しない液体中で、結晶化温度に
て加熱する方法などが例示できる。プレポリマーを結晶
化させる条件としては、特に制限されるものではない
が、例えば、窒素などの不活性ガス雰囲気下、不活性ガ
ス流通下又は減圧下において、結晶化処理温度として
は、プレポリマーのガラス転移温度以上、融点未満の範
囲、結晶化時間、例えば、10分〜360分の範囲であ
る。
【0029】本発明における好ましい結晶化処理条件と
しては、圧力は13.3Pa〜101.3kPaの範囲
が好ましく、0.4〜6.7kPaの範囲がより好まし
い。結晶化処理温度は100℃以上、160℃以下が好
ましく、より好ましくは、120以上、150℃以下の
範囲、結晶化時間は30分以上、300分以下の範囲が
好ましい。結晶化処理温度が100℃未満では、固相重
合時にプレポリマー粒子同士の融着が起こりやすく、ま
た、充分な固相重合速度が得られない場合がある。16
0℃を超える場合には、熱処理時にプレポリマー同士の
融着が起こりやすいことがある。この結晶化処理を上記
温度範囲にて多段階に分けて実施することもできる。
【0030】結晶化したプレポリマーは、引き続き固相
重合によって高分子量化を行う。本発明の目的である、
着色の少ない高品質な高分子量のポリグリコール酸共重
合体を得るためには、溶融重縮合に引き続き固相重合を
実施することが好ましい。溶融重縮合によってのみ高重
合度化しようとする場合には、高分子量化が困難であ
り、また、ポリマーが着色するなど、副反応を生じる場
合がある。固相重合工程では、反応温度としては、結晶
化プレポリマーの中間点ガラス転移温度以上、融解ピー
ク温度未満の範囲であることが好ましく、より好ましく
は結晶化プレポリマーの補外融解開始温度以上、融解ピ
ーク温度未満の範囲である。固相重合における反応温度
がJISK7121に記載の中間点ガラス転移温度未満
では、ほとんど高分子量化ができず、融解ピーク温度以
上では、固相重合時に粒子同士が融着し、固相重合を継
続できなくなる可能性がある。
【0031】溶融重縮合に引き続き固相重合を行って、
重量平均分子量が10万を超える高分子量のグリコール
酸単位を75mol%以上含有するポリグリコール酸共
重合体を製造する場合には、上述のように固相重合反応
温度として、結晶化プレポリマーの補外融解開始温度以
上、融解ピーク温度未満の範囲で実施することがより好
ましい。この温度範囲で固相重合を行うことにより、着
色も少なく、高品質な高分子量のポリグリコール酸共重
合体が効率よく得られることに関しては、従来ほどんど
知られていない。
【0032】このように特定の温度範囲にて固相重合を
行うことにより、著しく高い分子量を有するポリグリコ
ール酸共重合体を効率よく製造可能となる理由は定かで
はないが、本発明により得られるポリグリコール酸共重
合体は、結晶性が低く、かつ、幅広い温度において融解
ピークを有するなどの特徴があることから、上記の特定
の温度範囲にて固相重合を行うことにより、プレポリマ
ー粒子内部で固体を維持しつつ、ポリマー鎖の運動性を
最大限に高められ、重縮合反応を効率的に進行できるも
のと推定される。
【0033】本発明の固相重合は、窒素などの不活性ガ
ス雰囲気下又は減圧下、更には、加圧下で行うこともで
きる。反応系内の減圧度や反応系内の圧力は、充分に高
い重量平均分子量を有するポリグリコール酸共重合体が
得られる範囲であれば、特に制限されないが、減圧下に
て実施する場合においては、圧力が13.3Pa〜6.
7kPaの範囲が好ましく、0.3〜1.3kPaの範
囲がより好ましい。
【0034】本発明において、より高分子量の、例え
ば、重量平均分子量が10万を超えるポリグリコール酸
共重合体を製造する場合は、不活性ガス流通雰囲気下で
固相重合を行う方法がより好ましい。本発明の固相重合
で使用する不活性ガス、すなわち、反応系に流通させる
ガスの具体例としては、例えば、窒素ガス、ヘリウムガ
ス、アルゴンガス、キセノンガス、クリプトン ガスな
どが挙げられる。流通させる不活性ガスに含まれる水分
量はできるだけ低く、実質的に無水状態のガスであるこ
とが好ましい。含水量が多いと固相重合反応で生成した
水が効率よく除去できないために重合速度が遅くなる。
この場合、ガスをモレキュラーシーブ類やイオン交換樹
脂類などを充填した層に通すことにより脱水して使用す
ることができる。流通ガスの含水量を露点で示すと、ガ
スの露点が−20℃以下であることが好ましく、より好
ましくは、−50℃ 以下である。
【0035】本発明において、流通させる不活性ガスの
流量に関しては、プレポリマーの粒径や結晶性を考慮
し、十分に重量平均分子量が高いポリグリコール酸共重
合体が得ることのできる程度に、生成した水を除去する
ことができれば、特に制限されない。一般的に、 流通
させる不活性ガスの流量が多いほど、固相重合反応にお
いて生成した水を効率よく除去することができ、重量平
均分子量が10万を超えるポリグリコール酸共重合体を
製造する場合には、プレポリマー1g当たりの不活性ガ
スの流量は、0.02〜200ml/分が好まし く、
0.5〜150ml/分がより好ましく、1. 0〜1
00ml/分が最も好ましい。プレポリマー1g当たり
の不活性ガスの流量が、0.02ml/分未満では、固
相重合反応において、生成した水を除去する効率が顕著
に悪くなり、高い分子量を有するポリグリコール酸は得
られない。
【0036】本発明における固相重合反応の時間として
は、5〜200時間の範囲が好ましく、10時間〜12
0時間の範囲がより好ましい。200時間を超えて実施
する場合には、ポリマーの着色や副反応に伴う収率の低
下などの問題が生じる場合がある。以下、本発明を実施
例に基づき具体的に説明するが、本発明はこれら実施例
に限定されるものではない。
【0037】本発明における各特性値は以下の方法によ
り測定した。 「重量平均分子量」東ソ社製ゲルパーミエーションクロ
マトグラフィー(GPC)分析装置8020GPCシス
テムを用い、以下の条件で求める。溶媒として、80m
Mのトリフルオロ酢酸ナトリウムを溶解したヘキサフル
オロイソプロパノール(HFIP)を利用し、40℃、
1ml/分で、カラムとして、Tskgel(登録商標)G500
0HHR+Tskgel(登録商標)G3000HHR(いずれも東ソー
(株)社製)を通し、ポリメチルメタクリレート標準物
質を用いたRI検出による、溶出時間から求めた検量線
を予め作成し、その溶出時間から重量平均分子量を求め
る。なお、評価用ポリマー試料溶液として、試料20m
gを精秤した後、上記トリフルオロ酢酸ナトリウム含有
HFIP3gに溶解し、その後、0.2ミクロンのフィ
ルターにて濾過したものを用いる。
【0038】「重合ポリマーの着色度」上記の方法にて
重量平均分子量を求める際に、検出器として波長350
nmに設定したUV検出器を接続し、その際、検出され
る全カウント数をもって評価する。カウント数が50未
満の場合、得られたポリマーは目視で白色〜淡黄色に相
当し、カウント数が50〜100の範囲の場合は目視で
黄色に相当し、更に、カウント数が100を超える場合
には、得られるポリマーは目視で褐色〜黒褐色に相当す
る値である。
【0039】「ポリグリコール酸共重合体中のグリコー
ル酸単位の含有率」試料70mgを精秤し、d化トリフ
ルオロ酢酸1ccに溶解し、基準物質としてテトラメチ
ルシランを用い、1H−NMRにて測定する。 「固相重合前プレポリマーの熱的特性」パーキンエルマ
ー社製DSC−7を用い、結晶化処理されたプレポリマ
ーを0℃から10℃/分の昇温速度にて250℃まで昇
温させて得られるDSC曲線より、JISK7121
(プラスチックの転移温度測定方法)に準じて補外融解
開始温度及び融解ピーク温度を求める。
【0040】
【実施例1】攪拌装置及び窒素導入管を備えた100m
l反応容器に、高純度グリコール酸(65質量%水溶
液;Du Pont社製グリピア(登録商標)70)及びL-乳
酸(90%水溶液;和光純薬社製)をそれぞれ93g及
び11gと、ハフニウムテトラtert-ブトキサイドをグ
リコール酸及び乳酸の合計量1g当たり、0.003m
molを仕込み、窒素置換を行った後、窒素気流下、常
圧、攪拌下にて130℃まで昇温し、原料水溶液の濃縮
と同時にハフニウムテトラtert-ブトキサイドの加水分
解反応を1時間行った。その際、留出物をトラップし、
分析した結果、ハフニウムテトラtert-ブトキサイド1
molに対して、3.95molに相当するtert-ブタ
ノールを検出した。添加したハフニウムテトラtert-ブ
トキサイドはほぼ完全に加水分解されているといえる。
【0041】その後、常圧のまま、温度を180℃に上
げ、30分間保持し、濃縮を完結させた。更に、減圧を
開始し、27kPaにて20分、更に6.7kPaにて
20分、更に0.4kPaにて20分保持し、反応を継
続したのち、温度を200℃に昇温させ、4時間重縮合
反応を継続させた。得られたポリグリコール酸共重合体
中のグリコール酸単位含有率は88mol%であった。
得られたポリマーの重量平均分子量は19,000、ポ
リマーの着色度の指標であるUV検出器による全カウン
ト数は7であった。
【0042】得られたポリマーを窒素雰囲気下にて13
0℃で24時間熱処理した後、粉砕し、固相重合に供し
た。固相重合前のプレポリマーの補外融解開始温度は1
35℃であり、融解ピーク温度は190℃であった。固
相重合温度として170℃を選択し、0.1kPa減圧
下にて10時間固相重合を行った。その結果、得られた
ポリマーの重量平均分子量は66,000、ポリマーの
着色度の指標であるUV検出器による全カウント数は1
7であった。
【0043】
【実施例2】実施例1において使用するハフニウムテト
ラtert-ブトキサイドに変えてゲルマニウムテトライソ
プロポキシドを使用した以外は実施例1と同様に重合を
行った。溶融重縮合により得られたポリマーは、重量平
均分子量が22,000、ポリマーの着色度の指標であ
るUV検出器による全カウント数は20であった。ま
た、固相重合による得られたポリマーは、重量平均分子
量66,000、UV検出器による全カウント数は25
であった。
【0044】
【比較例1】ハフニウムテトラtert-ブトキサイドを添
加しない以外は実施例1と同様に実施した。溶融重縮合
により得られたポリマーは、重量平均分子量が800
0、ポリマーの着色度の指標であるUV検出器による全
カウント数は5であった。また、固相重合による得られ
たポリマーは、重量平均分子量29,000、UV検出
器による全カウント数は36であった。
【0045】
【比較例2】攪拌装置及び窒素導入管を備えた100m
l反応容器に、高純度グリコール酸(65質量%水溶
液;Du Pont社製グリピア(登録商標)70)及びL-乳
酸(90%水溶液;和光純薬社製)をそれぞれ93g及
び11gを仕込み、窒素置換を行った後、窒素気流下、
常圧・攪拌下にて130℃まで昇温し、水分量が1質量
%未満になるまで原料水溶液の濃縮を行った。その後ハ
フニウムテトラtert-ブトキサイドをグリコール酸及び
乳酸の合計量1g当たり、0.003mmolを仕込ん
た以外は実施例1と同様に重合を行った。
【0046】溶融重縮合により得られたポリマーは、重
量平均分子量が10,000、ポリマーの着色度の指標
であるUV検出器による全カウント数は7であった。ま
た、固相重合による得られたポリマーは、重量平均分子
量33,000、UV検出器による全カウント数は15
であった。
【0047】
【比較例3】原料として高純度グリコール酸(65質量
%水溶液;Du Pont社製グリピア(登録商標)70)6
5g、及びL-乳酸(90%水溶液;和光純薬社製)4
3gを用いた以外は実施例1と同様に重合を行った。固
相重合においては、ポリマー粒子同士が融着し、固相重
合を継続することが困難であった。そのため溶融重合時
間を10時間延長して行った。
【0048】溶融重縮合により得られたポリグリコール
酸共重合体中のグリコール酸単位含有率は57mol%
であり、重量平均分子量は37,000、ポリマーの着
色度の指標であるUV検出器による全カウント数は60
であった。このようにポリグリコール酸共重合体中のグ
リコール酸単位の含有率が本発明の範囲を外れる場合に
は、固相重合によりさらなる高分子量化を行うことが困
難となるばかりか、溶融重合時間を長くし、高分子量物
を得ようとすると、充分に分子量が上がらず、得られる
ポリマーも着色する。
【0049】
【比較例4】実施例1において使用するハフニウムテト
ラtert-ブトキサイドに変えて二塩化錫を使用した以外
は実施例1と同様に重合を行った。溶融重縮合により得
られたポリマーは、重量平均分子量が17,000、ポ
リマーの着色度の指標であるUV検出器による全カウン
ト数は134であった。また、固相重合による得られた
ポリマーは、重量平均分子量53,000、UV検出器
による全カウント数は150であった。二塩化錫は重縮
合触媒として比較的高い性能を示したが、ポリマーの着
色が著しく、実用に耐えないものであった。
【0050】
【比較例5】実施例1において使用するハフニウムテト
ラtert-ブトキサイドに変えて二塩化亜鉛を使用した以
外は実施例1と同様に重合を行った。溶融重縮合により
得られたポリマーは、重量平均分子量が7,000、ポ
リマーの着色度の指標であるUV検出器による全カウン
ト数は13であった。また、固相重合による得られたポ
リマーは、重量平均分子量23,000、UV検出器に
よる全カウント数は15であった。二塩化亜鉛も優れた
重縮合触媒とされ、結果として得られるポリマーの着色
が少なかったが、重合用原料が水溶液の場合には重縮合
触媒としての性能がほとんど発揮されなかった。
【0051】
【比較例6】実施例1において使用するハフニウムテト
ラtert-ブトキサイドに変えてチタンテトライソプロポ
キシドを使用した以外は実施例1と同様に重合を行っ
た。溶融重縮合により得られたポリマーは、重量平均分
子量が15,000、ポリマーの着色度の指標であるU
V検出器による全カウント数は114であった。また、
固相重合による得られたポリマーは、重量平均分子量4
4,000、UV検出器による全カウント数は140で
あった。
【0052】本発明の金属アルコキシド以外の金属アル
コキシドの代表例であるチタンテトライソプロポキシド
を使用した場合には、得られるポリマーの重量平均分子
量に関しては、比較例1にくらべて優れているが、ポリ
マーの着色は著しく、実用には耐えないものであった。
【0053】
【実施例3】固相重合温度を130℃に変更した以外は
実施例1と同様に重合を行った。固相重合による得られ
たポリマーは、重量平均分子量23,000、UV検出
器による全カウント数は15であった。この結果から、
本発明のように、特定の温度範囲にて固相重合を行った
場合においてのみ、比較的高い分子量を有するポリグリ
コール酸共重合体が得られることが判る。
【0054】
【実施例4】固相重合を窒素ガス流通下で行う方法に変
更した以外は実施例1と同様に重合した。具体的には、
実施例1と同様に結晶化させたプレポリマー0.5g
を、予め、ガラスウールを充填したガラスU管内に仕込
んだ。更に、上部にもガラスウールを充填した後、固相
重合温度170℃にて、窒素ガス流量として1.5NL
/分にて10時間固相重合を実施した。固相重合による
得られたポリマーの、重量平均分子量は106,00
0、UV検出器による全カウント数は14であった。
【0055】
【実施例5〜8】ハフニウムテトラtert-ブトキシドに
変えてそれぞれ、マグネシウムエトキシド、鉄トリエト
キシド、アンチモントリイソプロポキシド、及び錫エト
キシドを使用した以外は実施例1と同様に重合を行っ
た。その結果を表1に示す。
【0056】
【実施例9及び10】ハフニウムテトラtert-ブトキシ
ドに変えてそれぞれ、ランタントリイソプロポキシド及
びサマリウムトリイソプロポキシドを用いた以外は実施
例1と同様に重合を行った。なお、ランタントリイソプ
ロポキシド及びサマリウムトリイソプロポキシドは特開
平7−48301号公報に記載の方法に準じて調製し
た。具体的には、ランタン及びサマリウムの塩化物を出
発原料として、ナトリウムイソプロポキシドとともにト
ルエン中に加え、昇温し、還流下5時間反応させること
により得ることができる。
【0057】溶融重縮合により得られたポリマーは、ラ
ンタントリイソプロポキシドの場合、重量平均分子量が
21,000、ポリマーの着色度の指標であるUV検出
器による全カウント数は11、サマリウムトリイソプロ
ポキシドの場合には、重量平均分子量が23,000、
ポリマーの着色度の指標であるUV検出器による全カウ
ント数は19であった。また、固相重合による得られた
ポリマーは、ランタントリイソプロポキシドの場合、重
量平均分子量72,000であり、UV検出器による全
カウント数は20であり、サマリウムトリイソプロポキ
シドの場合には、量平均分子量が73,000、ポリマ
ーの着色度の指標であるUV検出器による全カウント数
は34であった。
【0058】
【実施例11】原料として高純度グリコール酸(65質
量%水溶液;Du Pont社製グリピア(登録商標)70)
93g、及びL-乳酸(90%水溶液;和光純薬製)1
0gに加えて、コハク酸1gとエチレングリコール1g
を用いた以外は実施例1と同様に重縮合を行った。得ら
れたポリグリコール酸共重合体中のグリコール酸単位含
有率は89mol%であった。溶融重縮合により得られ
たポリマーは、重量平均分子量が21,000、ポリマ
ーの着色度の指標であるUV検出器による全カウント数
は18であった。 また、固相重合による得られたポリ
マーは、重量平均分子量56,000、UV検出器によ
る全カウント数は29であった。
【0059】
【表1】
【0060】
【発明の効果】本発明によれば、比較的高い濃度の水を
含む原料水溶液を使用した場合においても、効率よく、
高分子量で高品質のポリグリコール酸共重合体を製造で
きる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J029 AA02 AB04 AE06 AE18 BA03 BA04 BA05 BA08 BF09 BF10 BF18 CA01 CA02 CA03 CA04 CA05 CA06 EA02 EA03 EA05 FC03 FC05 FC08 FC12 FC14 JB131 JE011 JF131 JF271 JF341 JF361 JF371 JF471 JF561 KE12 KF07

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくともグリコール酸を含む原料を重
    縮合して、グリコール酸単位を75mol%以上含有す
    るポリグリコール酸共重合体を製造する方法において、
    マグネシウム、鉄、ハフニウム、ゲルマニウム、アンチ
    モン、錫、ランタン、及びサマリウムからなる群より選
    ばれた少なくとも1種の金属のアルコキシドを、グリコ
    ール酸の存在下で加水分解させることにより得られる加
    水分解物を重縮合触媒として用いることを特徴とするポ
    リグリコール酸共重合体を製造する方法。
  2. 【請求項2】 金属アルコキシドを、少なくとも3質量
    %以上の水、及びグリコール酸を含む水溶液の存在下で
    加水分解させることにより得られる加水分解物を重縮合
    触媒として用いることを特徴とする請求項1記載のポリ
    グリコール酸共重合体を製造する方法。
  3. 【請求項3】 少なくとも3質量%以上の水、及びグリ
    コール酸を含む原料水溶液に、マグネシウム、鉄、ハフ
    ニウム、ゲルマニウム、アンチモン、錫、ランタン、及
    びサマリウムからなる群より選ばれた少なくとも1種の
    金属のアルコキシドを添加し、金属アルコキシドの加水
    分解とともに、原料水溶液の脱水濃縮及び重縮合を行う
    ことを特徴とする請求項1記載のポリグリコール酸共重
    合体を製造する方法。
  4. 【請求項4】 少なくとも重縮合の一部において固相重
    合を行い、その際、固相重合前のプレポリマーの補外融
    解開始温度以上、融解ピーク温度未満の範囲の温度で固
    相重合を行うことを特徴とする請求項1、2又は3記載
    のポリグリコール酸共重合体を製造する方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005298605A (ja) * 2004-04-08 2005-10-27 Asahi Kasei Chemicals Corp 脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸の製造法
JP2012188464A (ja) * 2011-03-08 2012-10-04 Asahi Kasei Chemicals Corp 脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸及びその製造方法
JP2022506566A (ja) * 2018-10-29 2022-01-17 プージン ケミカル インダストリー カンパニー リミテッド 新規なポリグリコール酸及びその重縮合による製造方法

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