JP2002293579A - 高誘電率ガラス繊維 - Google Patents

高誘電率ガラス繊維

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JP2002293579A
JP2002293579A JP2001093503A JP2001093503A JP2002293579A JP 2002293579 A JP2002293579 A JP 2002293579A JP 2001093503 A JP2001093503 A JP 2001093503A JP 2001093503 A JP2001093503 A JP 2001093503A JP 2002293579 A JP2002293579 A JP 2002293579A
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glass fiber
ion
metal oxide
dielectric constant
ions
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JP2001093503A
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Koichi Matsumoto
公一 松本
Shinya Takahashi
信也 高橋
Yoshiharu Suzuki
芳治 鈴木
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Nitto Boseki Co Ltd
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Nitto Boseki Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 マトリックス樹脂の含浸不良を伴うことな
く、誘電率が充分に高いプリント配線板を得ることが可
能な高誘電率ガラス繊維を提供すること。 【解決手段】 ガラス繊維と該ガラス繊維の表面に形成
された金属酸化物層とを備える高誘電率ガラス繊維であ
って、前記金属酸化物層は、下記一般式(1)で表され
る金属酸化物を含む層であることを特徴とする高誘電率
ガラス繊維。 [(BaxSr1-x)(TiyZr1-y)]O3 …(1) [式中、xおよびyはそれぞれ独立に0以上1以下の数
を示す。]

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高誘電率ガラス繊
維、高誘電率ガラス繊維布、ガラス繊維強化熱硬化性樹
脂、プリント配線板用積層板、高誘電率ガラス繊維の製
造方法、および高誘電率ガラス繊維布の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、回路の小型化等の要求により、高
い誘電率を有したプリント配線板が求められている。こ
のような要求に応えるために、例えば、チタン酸バリウ
ムやチタン酸ストロンチウム等の高誘電率の無機物粉末
を、プリント配線板におけるマトリックス樹脂に含有さ
せることが検討されている(特開昭62−167547
号公報)。
【0003】また、プリント配線板に含まれるガラス繊
維に高誘電率の無機物粒子を付着させる試みもなされて
いる。例えば、特開平9−291473号公報には、無
機物粒子が体積百分率で5%以上ガラスクロスにバイン
ダーにより保持固着されたガラスクロスが開示されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開昭
62−167547号公報に開示の方法では高誘電率の
プリント配線板を作製することが困難であるという問題
があった。すなわち、かかる公報に記載の方法にしたが
って、無機物粉末を含有するマトリックス樹脂をガラス
繊維織物等に含浸させてプリント配線板を作製する場合
において、誘電率が充分に高くなる量の無機物粉末を添
加したマトリックス樹脂は非常に高粘度であるため、ガ
ラス繊維織物等に含浸させることが困難であるという問
題があった。一方、マトリックス樹脂の粘度を含浸不良
が生じない程度に低減するためには含有させる無機物粉
末量を少なくする必要があるため、得られるプリント基
板の誘電率を充分に高くすることができないという不都
合が生じていた。
【0005】特開平9−291473号公報に記載の方
法においては、バインダーを用いてガラスクロスに無機
物粒子を固着した後に、マトリックス樹脂を含浸させプ
リント配線板を作製するが、無機物粒子が固着したガラ
スクロスを取扱う際に当該粒子が脱落しやすいという問
題があった。この問題は、高誘電率を達成するために無
機物粒子の固着量を増加させた場合に特に顕著に発生し
ていた。また、ガラス繊維に付着した無機物粒子および
バインダーにより、マトリックス樹脂の含浸が困難にな
る等の問題点も有していた。
【0006】本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みて
なされたものであり、マトリックス樹脂の含浸不良を伴
うことなく、誘電率が充分に高いプリント配線板を得る
ことが可能な高誘電率ガラス繊維および高誘電率ガラス
繊維布を提供することを目的とする。本発明はさらに、
この高誘電率ガラス繊維布を含むガラス繊維強化熱硬化
性樹脂、このガラス繊維強化熱硬化性樹脂から構成され
るプリント配線板用積層板、上記高誘電率ガラス繊維の
製造方法、および上記高誘電率ガラス繊維布の製造方法
を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、バインダーを用い
ることなく特定化学構造を有する金属酸化物を含む層を
形成せしめたガラス繊維およびガラス繊維布により、上
記目的を達成可能であることを見出し本発明を完成させ
た。
【0008】すなわち、本発明は、ガラス繊維と該ガラ
ス繊維の表面に形成された金属酸化物層とを備える高誘
電率ガラス繊維であって、前記金属酸化物層は、下記一
般式(1)で表される金属酸化物を含む層であることを
特徴とする高誘電率ガラス繊維を提供するものである。 [(BaxSr1-x)(TiyZr1-y)]O3 …(1) [式中、xおよびyはそれぞれ独立に0以上1以下の数
を示す。]
【0009】本発明はまた、ガラス繊維よりなるガラス
繊維布と、該ガラス繊維の表面に形成された金属酸化物
層と、を備える高誘電率ガラス繊維布であって、前記金
属酸化物層は、上記一般式(1)で表される金属酸化物
を含む層であることを特徴とする高誘電率ガラス繊維布
を提供するものである。
【0010】本発明はさらに、上記高誘電率ガラス繊維
布と熱硬化性樹脂とを含むガラス繊維強化熱硬化性樹
脂、および、該ガラス繊維強化熱硬化性樹脂からなるガ
ラス繊維強化熱硬化性樹脂層の少なくとも1層と、該ガ
ラス繊維強化熱硬化性樹脂層の少なくとも最外層に接合
された導体層と、を備えることを特徴とするプリント配
線板用積層板を提供するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の高誘電率ガラス繊維は、
上述のように、ガラス繊維の表面に金属酸化物層が形成
されたものであり、本発明の高誘電率ガラス繊維布は、
ガラス繊維布を構成するガラス繊維の表面に金属酸化物
層が形成されたものである。
【0012】本発明において、金属酸化物層が形成され
る「ガラス繊維」は、ガラス繊維モノフィラメント、ガ
ラス繊維モノフィラメントを複数束ねたガラス繊維スト
ランド、ガラス繊維ストランドに撚りがかけられたガラ
ス繊維ヤーン、のいずれの態様を有していてもよい。か
かるガラス繊維は処理剤(例えば、シランカップリング
剤、ガラス繊維モノフィラメントを束ねるための集束剤
等)を有していてもよいが、処理剤を有していないこと
が好ましい。また、金属酸化物層はガラス繊維の表面の
少なくとも一部に形成されていればよく、ガラス繊維の
全長および全周に形成されている必要はない。
【0013】また、本発明において「ガラス繊維布」と
は、ガラス繊維(ガラス繊維モノフィラメント、ガラス
繊維ストランド、またはガラス繊維ヤーン)よりなる布
(シート状のガラス繊維製品)をいい、例えば、ガラス
繊維織物、ガラス繊維編物、ガラス繊維不織布のいずれ
の態様を有していてもよい。これらのガラス繊維布は処
理剤(例えば、シランカップリング剤)で処理されてい
てもよい。また、金属酸化物層はガラス繊維布を構成す
るガラス繊維の表面の少なくとも一部に形成されていれ
ばよく、ガラス繊維の全長および全周、またはガラス繊
維布の全体に形成されている必要はない。
【0014】上記いずれの場合においても、ガラス繊維
ストランドやガラス繊維ヤーンに関しては、ストランド
またはヤーンの表面に存在するガラス繊維表面の少なく
とも一部に金属酸化物層が形成されていればよい。ま
た、金属酸化物層とガラス繊維との間には、金属酸化物
をガラス繊維上に保持固着させるためのバインダーは存
在しない。
【0015】本発明のガラス繊維およびガラス繊維布に
形成される金属酸化物層は、下記一般式(1)で表され
る金属酸化物(以下、「金属酸化物1」という。)を含
んでいる。 [(BaxSr1-x)(TiyZr1-y)]O3 …(1)
【0016】上記一般式において、xおよびyはそれぞ
れ独立に0以上1以下の数であることから、金属酸化物
1は2以上4以下の金属原子を含有する金属酸化物とな
りうる。また、かかる金属酸化物においては、バリウム
およびストロンチウムの合計モル数は、チタンおよびジ
ルコニウムの合計モル数と等しくなる。かかる化学構造
を有する金属酸化物は、ペロブスカイト型構造を有して
おり、高誘電率を有する化合物である。したがって、金
属酸化物1を含む金属酸化物層を備えたガラス繊維、お
よび、金属酸化物1を含む金属酸化物層を備えたガラス
繊維よりなるガラス繊維布は、それ自体で高い誘電率を
有する。
【0017】誘電率の観点から金属酸化物1は、下記一
般式(2)で表される金属酸化物(以下、「金属酸化物
2」という。)であることが好ましい。なお、xは0以
上1以下の数である。 (BaxSr1-x)TiO3 …(2)
【0018】金属酸化物2としては、例えば、Ba0.75
Sr0.25TiO3、Ba0.5Sr0.5TiO3、Ba0.25
0.75TiO3、BaTiO3、SrTiO3、を例示す
ることができる。
【0019】ガラス繊維上に形成される金属酸化物層
は、上述した金属酸化物1(好ましくは金属酸化物2)
のみからなるものであっても、他の成分を含有していて
もよい。含有可能な成分としては、CaTiO3、Mg
TiO3が例示できる。金属酸化物層がCaTiO3およ
び/またはMgTiO3を含有する場合は、温度変化に
対して誘電率を安定させることができる。なお、金属酸
化物1および上記例示した成分は、1種または2種以上
用いることができる。また、金属酸化物層が金属酸化物
1以外にCaTiO3を含有する場合は、CaTiO3
割合は金属酸化物層の構成成分全重量を基準として、5
〜13重量%とすることが好ましい。また、金属酸化物
層が金属酸化物1以外にMgTiO3を含有する場合
は、MgTiO3の割合は金属酸化物層の構成成分全重
量を基準として、5〜25重量%とすることが好まし
い。
【0020】上述した金属酸化物層が形成されるガラス
繊維の物性や形状は特に制限されない。例えば、ガラス
繊維を構成するガラス成分としては、Eガラス、Sガラ
ス、Cガラスのいずれであってもよいが、Eガラスが特
に好ましい。また、ガラス繊維モノフィラメントの繊維
径は3〜13μmであることが好ましい。ガラス繊維ス
トランドは上記ガラス繊維モノフィラメントを集束剤
(澱粉系、合成樹脂エマルジョン系等)により50〜3
500本(好ましくは50〜1200本)束ねたもので
あることが好ましく、5〜500TEX(好ましくは2
2〜68TEX)であるものが典型的に用いられる。ガ
ラス繊維ヤーンはかかるガラス繊維ストランドに対し
て、13回/25mm以下の撚りをかけたものであるこ
とが好ましい。
【0021】ガラス繊維布は、上記ガラス繊維ストラン
ドまたはガラス繊維ヤーンからなることが好ましい。ガ
ラス繊維織物としては、5〜500TEX(好ましくは
22〜68TEX)のガラス繊維ストランドを用いて、
織り密度が、経方向で16〜64本/25mm、緯方向
で15〜60本/25mmになるように織られたガラス
繊維織物が好ましい。また、ガラス繊維織物は集束剤を
除去したものが特に好ましい。ガラス繊維不織布として
は、単重10〜80g/m2のガラス繊維不織布が好ま
しい。
【0022】本発明の高誘電率ガラス繊維は、ガラス繊
維100重量部に対して5〜80重量部の金属酸化物層
を備えることが好ましく、本発明の高誘電ガラス繊維布
は、ガラス繊維布100重量部に対して5〜80重量部
の金属酸化物層を備えることが好ましい。
【0023】本発明の高誘電率ガラス繊維は、(1)ア
ミノポリカルボン酸イオンとバリウムイオンとからなる
塩および/またはアミノポリカルボン酸イオンとストロ
ンチウムイオンとからなる塩を含む第1のイオン群と、
チタンイオンにアミノポリカルボン酸イオンが配位した
錯イオンおよび/またはジルコニウムイオンにアミノポ
リカルボン酸イオンが配位した錯イオンを含む第2のイ
オン群とが、前記第2のイオン群におけるチタンイオン
およびジルコニウムイオンの合計モル数が、前記第1の
イオン群におけるバリウムイオンおよびストロンチウム
イオンの合計モル数の±10%範囲内となるように混合
されてなる混合イオン溶液を、ガラス繊維に付着させる
付着工程と、(2)前記付着工程で得られたガラス繊維
を乾燥することにより、前記混合イオン溶液の乾燥物が
付着したガラス繊維を得る乾燥工程と、(3)前記乾燥
工程で得られたガラス繊維を焼成して前記乾燥物を金属
酸化物へと変化させることにより、該金属酸化物からな
る層をガラス繊維の表面に形成せしめる焼成工程とを含
む製造方法により作製可能である。
【0024】上記付着工程において用いられる混合イオ
ン溶液における錯イオンは、金属陽イオン(チタンイオ
ンおよびジルコニウムイオン)に、アミノポリカルボン
酸陰イオンが配位して生じたものである。一方、混合溶
液における塩は、アミノポリカルボン酸におけるカルボ
ン酸陰イオン(−COO-)に金属陽イオン(バリウム
イオンおよびストロンチウムイオン)が結合して生じた
塩である。アミノポリカルボン酸としては、エチレンジ
アミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、1,2−
プロパンジアミン四酢酸、1,3−プロパンジアミン四
酢酸、N−ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、
N,N’−ジヒドロキシエチルエチレンジアミン二酢
酸、2−ヒドロキシ1,3−プロパンジアミン四酢酸、
トリエチレンテトラミン六酢酸等を挙げることができ
る。
【0025】上記金属イオンに対するアミノポリカルボ
ン酸の配位数や配位位置は、それぞれの金属イオンとア
ミノポリカルボン酸の構造にしたがって適宜決定され
る。その構造については、例えば、Advanced Inorganic
Chemistry - Comprehensive Text (F.A.Coton and G.W
ilkinson)を参照することができる。例えば、アミノポ
リカルボン酸としてエチレンジアミン四酢酸を用いた場
合は、これが金属イオン(2価)に配位して生じる錯イ
オンは、以下の一般式で表される構造を有すると考えら
れる。なお、式中のMは金属原子を意味する。
【0026】
【化1】
【0027】上記付着工程において用いられる混合イオ
ン溶液の溶媒は、アルコールであることが好ましく、溶
質として、さらに塩基(ルイス塩基)を含有することが
好ましい。かかる塩基としては、芳香族アミン、脂肪族
アミン、脂環式アミンが例示できる。
【0028】混合イオン溶液においては、上記第2のイ
オン群におけるチタンイオンおよびジルコニウムイオン
の合計モル数が、上記第1のイオン群におけるバリウム
イオンおよびストロンチウムイオンの合計モル数の±1
0%の範囲内になっている。ここで「±10%の範囲
内」とは、例えば、第1のイオン群におけるイオンの合
計モル数が1モルであった場合に、第2のイオン群にお
けるイオンの合計モル数が0.9〜1.1モルであるこ
とを意味する。このような比率にするためには、例え
ば、アミノポリカルボン酸イオンとバリウムイオンから
なる塩を含む溶液(以下、場合により「酸化バリウムプ
レカーサー」という。)、アミノポリカルボン酸イオン
とストロンチウムイオンからなる塩を含む溶液(以下、
場合により「酸化ストロンチウムプレカーサー」とい
う。)、チタンイオンにアミノポリカルボン酸イオンが
配位した錯イオンを含む溶液(以下、場合により「チタ
ニアプレカーサー」という。)、ジルコニウムイオンに
アミノポリカルボン酸イオンが配位した錯イオンを含む
溶液(以下、場合により「酸化ジルコニウムプレカーサ
ー」という。)、をそれぞれ調整しておき、これらの溶
液を、上記モル数の要求条件を満たすように混合すれば
よい。
【0029】例えば、BaTiO3(チタン酸バリウ
ム)を含む金属酸化物層を得る場合においては、酸化バ
リウムプレカーサーとチタニアプレカーサーを、チタン
イオンのモル数がバリウムイオンのモル数の±10%と
なるように混合して(好ましくは、チタンイオンとバリ
ウムイオンが等モルになるように混合して)混合イオン
溶液(以下、場合により「チタン酸バリウムプレカーサ
ー」という。)を得、この溶液をガラス繊維に付着させ
ればよい。
【0030】同様に、SrTiO3(チタン酸ストロン
チウム)を含む金属酸化物層を得る場合においては、酸
化ストロンチウムプレカーサーとチタニアプレカーサー
を、チタンイオンのモル数がストロンチウムイオンのモ
ル数の±10%となるように混合して(好ましくはチタ
ンイオンとストロンチウムイオンが等モルになるように
混合して)混合イオン溶液(以下、場合により「チタン
酸ストロンチウムプレカーサー」という。)を得、この
溶液をガラス繊維に付着させればよい。また、Ba0.75
Sr0.25TiO3(チタン酸バリウムストロンチウム)
を含む金属酸化物層を得る場合においては、酸化バリウ
ムプレカーサーと酸化ストロンチウムプレカーサーとチ
タニアプレカーサーとを、バリウムイオン:ストロンチ
ウムイオン:チタンイオン=0.75:0.25:0.
9〜1.1になるように混合して(好ましくはバリウム
イオン:ストロンチウムイオン:チタンイオン=0.7
5:0.25:1になるように混合して)混合イオン溶
液(以下、場合により「チタン酸バリウムストロンチウ
ムプレカーサー」という。)を得、この溶液をガラス繊
維に付着させればよい。
【0031】上述した混合イオン溶液をガラス繊維に付
着させる方法は特に制限されず、例えば、混合イオン溶
液をロールコーター、スプレー等によりガラス繊維に塗
布する方法、混合イオン溶液中にガラス繊維を浸漬する
方法等が採用可能である。
【0032】乾燥工程においては、付着工程において得
られた、混合イオン溶液が付着したガラス繊維を乾燥さ
せ、混合イオン溶液中の揮発成分を除去させる。乾燥
は、用いる溶媒の種類等に基づいて、例えば、室温〜2
00℃で行うことができる。
【0033】焼成工程においては、乾燥工程において得
られた、混合イオン溶液の乾燥物が付着したガラス繊維
を焼成する。焼成条件は、用いるイオンの組成比等によ
り適宜決定することができるが、典型的には、500〜
700℃で5分〜1時間加熱する。ガラス繊維に付着さ
せた混合イオン溶液は、上記のようなイオンのモル比を
有しているため、焼成により下記一般式(1)で表され
る金属酸化物が形成される。 [(BaxSr1-x)(TiyZr1-y)]O3 …(1) [式中、xおよびyはそれぞれ独立に0以上1以下の数
を示す。]
【0034】なお、第1のイオン群におけるバリウムイ
オンおよびストロンチウムイオンの合計モル数と、第2
のイオン群におけるチタンイオンおよびジルコニウムイ
オンの合計モル数とが異なる場合は、上記一般式(1)
で表される金属酸化物が形成されるとともに、余剰分の
イオンに由来する金属酸化物が形成されると考えられ
る。例えば、第1のイオン群がバリウムイオンのみを含
み、第2のイオン群がチタンイオンのみを含み、これら
をチタンイオンが過剰になるように混合して得られた混
合イオン溶液を焼成した場合においては、BaTiO3
が生成するとともに、TiO2が生成すると考えられ
る。
【0035】なお、ガラス繊維表面に形成させる金属酸
化物層に上述した、CaTiO3、MgTiO3を含有さ
せるためには、付着工程における混合イオン溶液に、こ
れらの化合物(または前駆体)を予め添加しておけばよ
い。また、付着工程における混合イオン溶液の付着量
は、焼成工程後に形成される金属酸化物層の重量部が、
ガラス繊維100重量部に対して5〜80重量部となる
ような量とすることが好ましい。なお、上記付着工程、
乾燥工程および焼成工程は繰り返して行ってもよい。こ
の場合において、付着工程および乾燥工程を複数回繰り
返した後に焼成工程を行うことを1サイクルとして、当
該サイクルを複数回繰り返してもよい。
【0036】本発明の高誘電率ガラス繊維布は、金属酸
化物層を備えた高誘電率ガラス繊維を用いて、ガラス繊
維織物、ガラス繊維編物、ガラス繊維不織布等を作製す
ることにより得ることもできるが、金属酸化物層を備え
ていないガラス繊維を用いて、ガラス繊維織物、ガラス
繊維編物、ガラス繊維不織布等のガラス繊維布を作製し
た後に、これに金属酸化物層を形成せしめるようにする
ことが好ましい。
【0037】すなわち、(1)アミノポリカルボン酸イ
オンとバリウムイオンとからなる塩および/またはアミ
ノポリカルボン酸イオンとストロンチウムイオンとから
なる塩を含む第1のイオン群と、チタンイオンにアミノ
ポリカルボン酸イオンが配位した錯イオンおよび/また
はジルコニウムイオンにアミノポリカルボン酸イオンが
配位した錯イオンを含む第2のイオン群とが、前記第2
のイオン群におけるチタンイオンおよびジルコニウムイ
オンの合計モル数が、前記第1のイオン群におけるバリ
ウムイオンおよびストロンチウムイオンの合計モル数の
±10%範囲内となるように混合されてなる混合イオン
溶液を、ガラス繊維布に付着させる付着工程と、(2)
前記付着工程で得られたガラス繊維布を乾燥することに
より、前記混合イオン溶液の乾燥物が付着したガラス繊
維布を得る乾燥工程と、(3)前記乾燥工程で得られた
ガラス繊維布を焼成して前記乾燥物を金属酸化物へと変
化させることにより、該金属酸化物からなる層をガラス
繊維の表面に形成せしめる焼成工程とを含む製造方法に
より作製することが好ましい。
【0038】上記混合イオン溶液を、ガラス繊維布に付
着させる方法としては、例えば、混合イオン溶液をロー
ルコーター、スプレー等によりガラス繊維布に塗布する
方法、混合イオン溶液中にガラス繊維布を浸漬する方法
等が採用可能である。混合イオン溶液が付着したガラス
繊維布を乾燥する条件、および混合イオン溶液の乾燥物
が付着したガラス繊維布を焼成する条件は、上述したガ
ラス繊維の場合と同様にすることが可能である。金属酸
化物層にCaTiO3、MgTiO3を含有させるための
方法も上記と同様である。また、付着工程における混合
イオン溶液の付着量は、焼成工程後に形成される金属酸
化物層の重量部が、ガラス繊維布100重量部に対して
5〜80重量部となるような量とすることが好ましい。
なお、上記と同様に、付着工程、乾燥工程および焼成工
程は繰り返して行ってもよい。この場合において、付着
工程および乾燥工程を複数回繰り返した後に焼成工程を
行うことを1サイクルとして、当該サイクルを複数回繰
り返してもよい。
【0039】上述した本発明の高誘電率ガラス繊維布を
用いてガラス繊維強化熱硬化性樹脂を作製することが可
能である。すなわち、高誘電率ガラス繊維布と熱硬化性
樹脂とを含むガラス繊維強化熱硬化性樹脂が提供可能で
ある。ガラス繊維強化熱硬化性樹脂における熱硬化性樹
脂としては、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、
メラミン樹脂、ポリイミド樹脂等が例示でき、この熱硬
化性樹脂は硬化が完了していてもよく、半硬化の状態で
プリプレグとして使用できるものであってもよい。な
お、かかるガラス繊維強化熱硬化性樹脂は、必要に応じ
て、低収縮剤、難燃剤、難燃助剤、可塑剤、酸化防止
剤、紫外線吸収剤、着色剤、顔料、充填剤等の添加剤を
含有していてもよい。
【0040】さらに、上記ガラス繊維強化熱硬化性樹脂
からなるガラス繊維強化熱硬化性樹脂層の少なくとも1
層と、該ガラス繊維強化熱硬化性樹脂層の少なくとも最
外層に接合された導体層とを備えたプリント配線板用積
層板も提供可能である。すなわち、ガラス繊維強化熱硬
化性樹脂層と該層の上面および/または下面に接合され
た導体層を備えたプリント配線板用積層板や、複数のガ
ラス繊維強化熱硬化性樹脂層と複数の導体層とが積層さ
れた多層プリント配線板用積層板等が提供される。かか
るプリント配線板用積層板における熱硬化性樹脂として
は、エポキシ樹脂の硬化物が好ましく、上記導体層とし
ては、銅、銀、金等の金属からなる導体層が好ましい。
【0041】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例についてさらに
詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定され
るものではない。
【0042】チタニアプレカーサーの製造 1Lのビーカーにエタノール50g、メタノール50g
を入れ、EDTA(エチレンジアミン四酢酸、分子量2
92.24g/モル)を51g(0.176モル)加
え、白色懸濁液を得た。この白色懸濁液に攪拌しながら
チタンイソプロポキシド(分子量284.23g/モ
ル)を50g(0.176モル)加え、続いてジ−n−
ブチルアミン27.3g(0.211モル)を加えた。
これを50〜60℃で1時間加熱攪拌した後、室温まで
降温させ、攪拌しながら35%過酸化水素水21.1g
(0.211モル)をゆっくり加えた。これを再び50
〜60℃で1時間攪拌して、チタンイオン濃度が1.0
1×10-3mol/gのチタニアプレカーサーを作製し
た。
【0043】酸化バリウムプレカーサーの製造 1Lのビーカーに蒸留水2Lを加え、これに酢酸バリウ
ム(分子量255.43g/モル)50g(0.196
モル)を添加して溶解させた。ビーカーをホットスター
ラー上に設置して80℃で攪拌し、EDTA(エチレン
ジアミン四酢酸、分子量292.24g/モル)115
g(0.394モル)をゆっくり添加した。添加終了
後、80℃で30分間攪拌して室温まで降温させ、エバ
ポレータ(減圧蒸留装置)にて溶媒を留去した。溶媒の
留去は一昼夜行い溶媒を完全に除去し、白色粉末を得
た。この白色粉末を2Lのセパラブルフラスコに入れ、
エタノール200mL、メタノール200mLを添加し
た。次いで、110℃に加熱し、滴下ロートでジ−n−
ブチルアミン(分子量129.24g/モル)52g
(0.40モル)をゆっくり滴下した。これを110℃
で一昼夜攪拌して、バリウムイオン濃度が0.37×1
-3mol/gの酸化バリウムプレカーサーを作製し
た。
【0044】酸化ストロンチウムプレカーサーの製造 1Lのビーカーに蒸留水2Lを加え、これに酢酸ストロ
ンチウム(分子量214.72g/モル)50g(0.
2329モル)を添加して溶解させた。ビーカーをホッ
トスターラー上に設置して80℃で攪拌し、EDTA
(エチレンジアミン四酢酸、分子量292.24g/モ
ル)75g(0.2566モル)をゆっくり添加した。
添加終了後、80℃で30分間攪拌して室温まで降温さ
せ、エバポレータ(減圧蒸留装置)にて溶媒を留去し
た。溶媒の留去は一昼夜行い溶媒を完全に除去し、白色
粉末を得た。この白色粉末を2Lのセパラブルフラスコ
に入れ、エタノール120mL、メタノール120mL
を添加した。次いで、110℃に加熱し、滴下ロートで
ジ−n−ブチルアミン(分子量129.24g/モル)
34g(0.2630モル)をゆっくり滴下した。これ
を110℃で一昼夜攪拌して、ストロンチウムイオン濃
度が0.71×10-3mol/gの酸化ストロンチウム
プレカーサーを作製した。
【0045】チタン酸バリウムプレカーサーの製造 上記チタニアプレカーサー50.0g(チタンイオン:
0.505×10-1mol)と上記酸化バリウムプレカ
ーサー136.5g(バリウムイオン:0.505×1
-1mol)とを室温で混合し、チタン酸バリウムプレ
カーサーとした。チタン酸ストロンチウムプレカーサーの製造 上記チタニアプレカーサー50.0g(チタンイオン:
0.505×10-1mol)と上記酸化ストロンチウム
プレカーサー71.1g(ストロンチウムイオン:0.
505×10-1mol)とを室温で混合し、チタン酸ス
トロンチウムプレカーサーとした。チタン酸バリウムストロンチウムプレカーサーの製造 上記チタニアプレカーサー25.0g(チタンイオン:
0.253×10-1mol)、上記酸化バリウムプレカ
ーサー51.2g(バリウムイオン:0.189×10
-1mol)、および上記酸化ストロンチウムプレカーサ
ー(ストロンチウムイオン:0.063×10-1mo
l)とを室温で混合し、チタン酸バリウムストロンチウ
ムプレカーサーとした。
【0046】(実施例1)高誘電率ガラス繊維布の製造
1 上記チタン酸バリウムプレカーサーを、ガラス繊維織物
(日東紡績社製、WEA7628)にスプレー塗布し
(付着工程)、得られたガラスクロスを110℃にて3
0分乾燥した(乾燥工程)。付着工程および乾燥工程を
合計3回繰り返し、チタン酸バリウムプレカーサーの乾
燥物が付着したガラスクロスを得た(以上の工程をまと
めて付着乾燥工程と呼ぶ。)。次いで、得られたガラス
クロスを電気炉に入れ焼成した(焼成工程)。焼成は、
ガラスクロスを室温から350℃まで30分かけて昇温
した後、350℃で5分保持し、さらに600℃まで3
0分昇温し、室温に戻すことにより行った。付着乾燥工
程と焼成工程を合計4回繰り返すことにより、ガラス繊
維表面にチタン酸バリウム(BaTiO3)からなる金
属酸化物層を備えたガラス繊維織物を得た。得られたガ
ラス繊維織物の断面を走査型電子顕微鏡で観察したとこ
ろ、ガラス繊維フィラメントの表面にチタン酸バリウム
からなる層が形成されていることが確認された(図
1)。また、X線回折によりガラス繊維表面上のチタン
酸バリウムはペロブスカイト型構造を有していることが
わかった(図2)。
【0047】(実施例2)高誘電率ガラス繊維布の製造
2 チタン酸バリウムプレカーサーに代えて、上記チタン酸
ストロンチウムプレカーサーを用いた他は、「高誘電率
ガラス繊維布の製造1」と同様にして、ガラス繊維表面
にチタン酸ストロンチウム(SrTiO3)からなる金
属酸化物層を備えたガラス繊維織物を得た。
【0048】(実施例3)高誘電率ガラス繊維布の製造
3 チタン酸バリウムプレカーサーに代えて、上記チタン酸
バリウムストロンチウムプレカーサーを用いた他は、
「高誘電率ガラス繊維布の製造1」と同様にして、ガラ
ス繊維表面にチタン酸バリウムストロンチウム(Ba
0.75Sr0.25TiO 3)からなる金属酸化物層を備えた
ガラス繊維織物を得た。ガラス繊維表面上に形成された
チタン酸バリウムストロンチウムについてX線回折を行
ったところ、図3に示すパターンが得られた。かかるX
線回折パターンは、図4に示すチタン酸バリウムとチタ
ン酸ストロンチウムの混合物のX線回折パターンとは明
らかに異なっており、ガラス繊維表面上に形成されたチ
タン酸バリウムストロンチウムはペロブスカイト型構造
を有する共晶体であることがわかった。
【0049】実施例1〜3で得られた金属酸化物層を備
えたガラス繊維織物について、金属酸化物層の付着量
(ガラス繊維織物100重量部に対する重量部、重量
%)を調べた。また、ガラス繊維(Eガラス)の密度を
2.54g/cm3、BaTiO3の密度を6.02g/
cm3、SrTiO3の密度を5.13g/cm3とし
て、金属酸化物層の付着量(体積%)を求めた。この結
果を、以下の表1に示す。
【0050】
【表1】
【0051】(実施例4)プリント配線板用積層板の製
造1 実施例1で得られたガラス繊維織物に、NEMA規格F
R−4処方に従って配合した以下の表2に示す組成のエ
ポキシ樹脂ワニスを含浸させ、130℃で7分間乾燥し
てプリプレグを作製した。この、プリプレグを4枚積層
し、その両面に銅箔を重ね、50kg/cm2の圧力で
170℃、90分間加熱成型し、プリント配線板用積層
板を得た。このプリント配線板用積層をエッチング処理
して銅箔を除去して積層板試験片とした。なお、ガラス
繊維織物のマトリックス樹脂の含浸性は良好であった。
【0052】
【表2】
【0053】(実施例5)プリント配線板用積層板の製
造2 実施例1で得られたガラス繊維織物に代えて、実施例2
で得られたガラス繊維織物を用いた他は、実施例4と同
様にして、積層板試験片を得た。なお、ガラス繊維織物
のマトリックス樹脂の含浸性は良好であった。
【0054】(実施例6)プリント配線板用積層板の製
造3 実施例1で得られたガラス繊維織物に代えて、実施例3
で得られたガラス繊維織物を用いた他は、実施例4と同
様にして、積層板試験片を得た。なお、ガラス繊維織物
のマトリックス樹脂の含浸性は良好であった。
【0055】(比較例1)プリント配線板用積層板の製
造4 実施例1で得られたガラス繊維織物に代えて、金属酸化
物層を有していないガラス繊維織物(日東紡績社製、W
EA7628)を用いた他は、実施例4と同様にして、
積層板試験片を得た。
【0056】実施例4〜6および比較例1で得られた積
層板試験片を625℃で30分間加熱して、上記エポキ
シ樹脂ワニス中の固形分(マトリックス樹脂)を除去す
ることにより、ガラス繊維織物、金属酸化物およびマト
リックス樹脂の重量分率(重量%)を調べた。また、ガ
ラス繊維および金属酸化物の密度として上記の値を用
い、マトリックス樹脂の密度を1.3g/cm3とし
て、ガラス繊維織物、金属酸化物およびマトリックス樹
脂の体積分率(体積%)を算出した。重量分率について
は以下の表3、体積分率については以下の表4に示す。
【0057】
【表3】
【0058】
【表4】
【0059】実施例4〜6および比較例1で得られた積
層板試験片の誘電率を測定し、その測定結果から、積層
板試験片に含まれる金属酸化物層を備えたガラス繊維織
物の誘電率を求めた。その結果を以下の表5に示す。
【0060】
【表5】
【0061】なお、表5における積層板試験片の誘電率
は、HP 4284Aプレシジョンメーターを用いて1
MHzにおける測定により得られた値である。また、金
属酸化物層を備えたガラス繊維織物の誘電率は、複合体
の誘電率計算式(下記(a)式)より求めた値である。 logεeff=VgHD・logεgHD+Vr・logεr …(a) 式中、εeffは積層板試験片の誘電率、εgHDは金属酸化
物層を備えたガラス繊維織物の誘電率、εrはマトリッ
クス樹脂の誘電率(4.7)、VgHDは金属酸化物層を備
えたガラス繊維織物の体積分率、Vrはマトリックス樹脂
の体積分率を、それぞれ示す。
【0062】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
マトリックス樹脂の含浸不良を伴うことなく、誘電率が
充分に高いプリント配線板を得ることが可能な高誘電率
ガラス繊維および高誘電率ガラス繊維布が提供可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】ガラス繊維表面にチタン酸バリウムからなる金
属酸化物層を備えたガラス繊維織物の断面を走査型電子
顕微鏡写真である。
【図2】ガラス繊維表面に形成されたチタン酸バリウム
のX線回折パターンを示す図である。
【図3】ガラス繊維表面に形成されたチタン酸バリウム
ストロンチウムのX線回折パターンを示す図である。
【図4】チタン酸バリウムとチタン酸ストロンチウムの
混合物のX線回折パターンを示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C08L 101:00 C03C 25/02 Q D06M 101:00 D06M 11/12 (72)発明者 鈴木 芳治 福島県福島市佐倉下字一本杉20 日東紡績 株式会社グラスファイバー研究所内 Fターム(参考) 4F072 AA04 AA07 AB09 AB18 AB28 AB29 AC04 AD21 AD23 AD38 AD45 AF02 AG03 AG16 AH02 AH21 AJ03 AK03 AK12 AL13 4G060 BA01 BA05 BB02 BC12 CA05 CA09 CA10 4L031 AA26 AB01 AB31 BA09 CA08 DA00

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラス繊維と該ガラス繊維の表面に形成
    された金属酸化物層とを備える高誘電率ガラス繊維であ
    って、前記金属酸化物層は、下記一般式(1)で表され
    る金属酸化物を含む層であることを特徴とする高誘電率
    ガラス繊維。 [(BaxSr1-x)(TiyZr1-y)]O3 …(1) [式中、xおよびyはそれぞれ独立に0以上1以下の数
    を示す。]
  2. 【請求項2】 前記一般式(1)で表される金属酸化物
    が、下記一般式(2)で表される金属酸化物であること
    を特徴とする請求項1記載の高誘電率ガラス繊維。 (BaxSr1-x)TiO3 …(2) [式中、xは0以上1以下の数を示す。]
  3. 【請求項3】 ガラス繊維よりなるガラス繊維布と、該
    ガラス繊維の表面に形成された金属酸化物層と、を備え
    る高誘電率ガラス繊維布であって、前記金属酸化物層
    は、下記一般式(1)で表される金属酸化物を含む層で
    あることを特徴とする高誘電率ガラス繊維布。 [(BaxSr1-x)(TiyZr1-y)]O3 …(1) [式中、xおよびyはそれぞれ独立に0以上1以下の数
    を示す。]
  4. 【請求項4】 前記一般式(1)で表される金属酸化物
    が、下記一般式(2)で表される金属酸化物であること
    を特徴とする請求項3記載の高誘電率ガラス繊維布。 (BaxSr1-x)TiO3 …(2) [式中、xは0以上1以下の数を示す。]
  5. 【請求項5】 請求項3または4記載の高誘電率ガラス
    繊維布と、熱硬化性樹脂と、を含むガラス繊維強化熱硬
    化性樹脂。
  6. 【請求項6】 請求項5記載のガラス繊維強化熱硬化性
    樹脂からなるガラス繊維強化熱硬化性樹脂層の少なくと
    も1層と、該ガラス繊維強化熱硬化性樹脂層の少なくと
    も最外層に接合された導体層と、を備えることを特徴と
    するプリント配線板用積層板。
  7. 【請求項7】 ガラス繊維と該ガラス繊維の表面に形成
    された金属酸化物層とを備える高誘電率ガラス繊維の製
    造方法であって、 アミノポリカルボン酸イオンとバリウムイオンとからな
    る塩および/またはアミノポリカルボン酸イオンとスト
    ロンチウムイオンとからなる塩を含む第1のイオン群
    と、チタンイオンにアミノポリカルボン酸イオンが配位
    した錯イオンおよび/またはジルコニウムイオンにアミ
    ノポリカルボン酸イオンが配位した錯イオンを含む第2
    のイオン群とが、前記第2のイオン群におけるチタンイ
    オンおよびジルコニウムイオンの合計モル数が、前記第
    1のイオン群におけるバリウムイオンおよびストロンチ
    ウムイオンの合計モル数の±10%範囲内となるように
    混合されてなる混合イオン溶液を、ガラス繊維に付着さ
    せる付着工程と、 前記付着工程で得られたガラス繊維を乾燥することによ
    り、前記混合イオン溶液の乾燥物が付着したガラス繊維
    を得る乾燥工程と、 前記乾燥工程で得られたガラス繊維を焼成して前記乾燥
    物を金属酸化物へと変化させることにより、該金属酸化
    物からなる層をガラス繊維の表面に形成せしめる焼成工
    程と、を含むことを特徴とする方法。
  8. 【請求項8】 ガラス繊維よりなるガラス繊維布と、該
    ガラス繊維の表面に形成された金属酸化物層と、を備え
    る高誘電率ガラス繊維布の製造方法であって、 アミノポリカルボン酸イオンとバリウムイオンとからな
    る塩および/またはアミノポリカルボン酸イオンとスト
    ロンチウムイオンとからなる塩を含む第1のイオン群
    と、チタンイオンにアミノポリカルボン酸イオンが配位
    した錯イオンおよび/またはジルコニウムイオンにアミ
    ノポリカルボン酸イオンが配位した錯イオンを含む第2
    のイオン群とが、前記第2のイオン群におけるチタンイ
    オンおよびジルコニウムイオンの合計モル数が、前記第
    1のイオン群におけるバリウムイオンおよびストロンチ
    ウムイオンの合計モル数の±10%範囲内となるように
    混合されてなる混合イオン溶液を、ガラス繊維布に付着
    させる付着工程と、 前記付着工程で得られたガラス繊維布を乾燥することに
    より、前記混合イオン溶液の乾燥物が付着したガラス繊
    維布を得る乾燥工程と、 前記乾燥工程で得られたガラス繊維布を焼成して前記乾
    燥物を金属酸化物へと変化させることにより、該金属酸
    化物からなる層をガラス繊維の表面に形成せしめる焼成
    工程と、を含むことを特徴とする方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115124826A (zh) * 2022-08-02 2022-09-30 上海中镭新材料科技有限公司 一种玻纤增强聚碳酸酯材料及其制备方法和应用
WO2023167283A1 (ja) * 2022-03-02 2023-09-07 旭化成株式会社 ガラスクロス、ガラスクロスの製造方法、プリプレグ、プリント配線板

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