JP2002292779A - 高分子樹脂積層体及びそれからなる自動車用窓材 - Google Patents
高分子樹脂積層体及びそれからなる自動車用窓材Info
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Abstract
ト積層体を実現することを目的として為されたものであ
る。 【解決手段】 高分子樹脂基板の少なくとも一方の面
に、厚みが2〜200μmの活性光線硬化層と、厚みが
1.5〜10μmのハードコート層がこの順に積層され
てなり、該ハードコート層は該高分子樹脂基板側から、
スパッタリング法により形成された厚みが0.02〜
0.5μmのスパッタ層と、真空蒸着法により形成され
た蒸着層とがこの順に積層されてなることを特徴とする
高分子樹脂積層体。
Description
た高分子樹脂積層体、その中でも特に表面の硬度に優れ
たポリカーボネート成形物の積層体に関し、更にはこの
積層体を用いた各種自動車の窓材(風防も含む)に関す
るものである。
用途以外、例えば、各種の建築物における窓材(ここで
窓材とは少なくとも透視が可能であるものを示す)や、
高速道路等の透明遮音板、太陽電池パネルの表面保護
板、液晶表示装置(LCD)やプラズマディスプレー
(PDP)、エレクトロルミネセンスディスプレー(E
L)、CRT等の各種の画像/情報表示装置の表面保護
板、もしくは各種の携帯情報端末、タッチパネル入力装
置等で用いられる透明タブレットの透明電極基板等の用
途にも好適に用いる事が可能である。
軽量で耐衝撃性が高いことから、各種の建築物、自動車
等の窓材や構造材等として、広く応用展開されてきた。
耐薬品性の観点でガラスに大幅に劣るという欠点があ
る。そのため、これらの性能をカバーする機能を有する
ハードコート層をポリカーボネート上にコーティングす
る方法(例えば特開昭48−81928号公報、特開昭
52−138565号公報、特開昭53−138476
号公報)が提案されている。
層としては、珪素アルコキシドの加水分解縮合物もしく
は、それに加えて他種のアルコキシドや各種の超微粒子
等を適当な割合で混合した組成物を熱的に硬化してなる
層や、多官能アクリレートを紫外線や電子線等の活性光
線の照射等によって重合してなる層が多く用いられてい
る。
等の屋外用途に、ポリカーボネート等からなる高分子樹
脂基板上にハードコート層を設けた高分子樹脂積層体
(以下高分子樹脂/ハードコート積層体ということがあ
る)を用いようとする場合には、高度な機械特性(耐磨
耗性、硬度)に加えて、耐候性、すなわち耐光性や耐水
性に非常に優れた性能を示すことが必要になる。
よる性能変化を指し、耐水性とは屋外での雨風に曝され
た場合の性能変化を指し、高分子樹脂積層体の色調や外
観の変化、耐磨耗性や硬度、密着性の低下等が観察され
る場合が多い。
プロセスで作成した無機酸化物、窒化物等によるハード
コート層は、紫外線暴露による層自身の化学的、物理的
変化が殆ど無く優れており、かつ高い耐磨耗性や硬度が
得られるので好ましく用いられる。
コート層の密着性や耐磨耗性、硬度を高める為に、ハー
ドコート層と高分子樹脂基板に挟持して、例えば紫外線
硬化や電子線硬化等の活性光線硬化法による(メタ)ア
クリレートの硬化層等が好ましく積層される。
/ハードコート積層体は、場合によって耐水性の問題、
例えば耐水性試験におけるハードコート層の密着性の低
下等の問題が観られていた。
り優れる高分子樹脂/ハードコート積層体を実現するこ
とを目的として為されたものである。
通りである。 1.高分子樹脂基板の少なくとも一方の面に、厚みが2
〜200μmの活性光線硬化層と、厚みが1.5〜10
μmのハードコート層がこの順に積層されてなり、該ハ
ードコート層は該高分子樹脂基板側から、スパッタリン
グ法により形成された厚みが0.02〜0.5μmのス
パッタ層と、真空蒸着法により形成された蒸着層とがこ
の順に積層されてなることを特徴とする高分子樹脂積層
体。 2.スパッタ層は、酸化珪素を少なくとも全体の50重
量%以上含む層であることを特徴とする上記1の高分子
樹脂積層体。 3.ハードコート層は、酸化珪素を少なくとも全体の5
0重量%以上含む層であることを特徴とする上記1,2
の高分子樹脂積層体。 4.活性光線硬化層の層単独での鉛筆硬度がF以上であ
ることを特徴とする上記1〜3の高分子樹脂積層体。 5.活性光線硬化層は、分子内もしくは単位繰り返し構
造内に2つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する1種
もしくは2種以上の(メタ)アクリレート成分を、不揮
発成分中の50重量%以上含んでなる前駆材料に、活性
光線を照射して硬化してなる層であることを特徴とする
上記1〜4の高分子樹脂積層体。 6.高分子樹脂基板の厚みが0.2〜20mmの範囲に
あることを特徴とする上記1〜5の高分子樹脂積層体。 7.高分子樹脂基板がポリカーボネートの成形基板であ
ることを特徴とする上記1〜6の高分子樹脂積層体。 8.上記1〜7の高分子樹脂積層体からなる自動車用窓
材。
層がスパッタリング法により形成された層(以下スパッ
タ層と記す)と真空蒸着法によって形成された層(以下
蒸着層と記す)をこの順に積層してなる2層からなるハ
ードコート層であることが大きな特徴である。
ンスパッタ法、ElectronCyclotron
Resonance スパッタ法(ECRスパッタ法)
等の方法を指し、一般に真空装置内の圧力が10-1Pa
以下になるように真空排気した後に、装置中に不活性ガ
ス、もしくは若干の反応性ガスを混合した不活性ガスを
導入し、層の材料となる物質のターゲット板とスパッタ
層が堆積される基板に挟まれた空間内に高い電場(交流
および/または直流)と磁場をかけてプラズマ状態を誘
起させ、このプラズマ内で加速したガス(通常主にアル
ゴン等の不活性ガスが用いられる)が材料物質のターゲ
ット板に衝突する衝撃(運動エネルギー)によりターゲ
ット表面から材料物質を気体状に発散(スパッタ)させ
て基板に付着させて層(以下スパッタ層と記す)を得る
方法である。
(密度の高い)硬度の高い層が得る方法として非常に好
ましく用いられているが、その一方で層の堆積速度が遅
いという欠点がある。一般に高分子樹脂/ハードコート
積層体が実用上充分な硬度と耐磨耗性を有するために
は、ハードコート層の膜厚は通常1.5μm以上である
事が好ましいが、スパッタリング法のみによってこうし
た膜厚のハードコート層を形成する事は経済的な観点か
ら困難である。
力が少なくとも10-1Pa以下となるように真空排気し
た後に、装置内において、加熱気化させた材料物質を基
板上に堆積させて層(以下蒸着層と記す)を得る方法で
ある。尚、一般に材料の加熱気化の方法としては、るつ
ぼに充填したり、円筒状にあらかじめ成形した材料物質
に、電子ビームもしくはイオンビーム等を当てて加熱す
る方法、もしくは、タングステンボート等の抵抗線に充
填した材料物質を抵抗線に電流を流して加熱する方式等
が用いられる。
ス)が基板に到達する前に適当な方法により粒子をイオ
ン化させ、更にこれを電界加速して基板上に堆積させる
方法(イオン化蒸着法、電界アシスト蒸着等の名称で呼
ばれることが多い)等の、公知の蒸着粒子に対してその
運動エネルギーを高める工程を付与した各種の真空蒸着
法も、必要に応じて用いることができる。
に比べると層の緻密性は一般に低くなるが、層の堆積速
度が速い為、数ミクロンを越える膜厚のハードコート層
を形成するに当たって特に経済的観点から適している。
果、活性光線硬化層を介して高分子樹脂基板上に積層す
るハードコート層として、スパッタリング法により形成
されたスパッタ層と、真空蒸着法により形成された蒸着
層をこの順に積層してなる2層からなるハードコート層
を用いる事により、耐水性に非常に優れた高分子樹脂/
ハードコート積層体が得られる事を見い出した。
耐水性の試験方法については、例えば後述する沸水試験
により簡易的な評価が為されているが、前記のスパッタ
層と蒸着層の2層からなるハードコート層が積層された
高分子樹脂/ハードコート積層体では、沸水試験による
ハードコート層の外観や密着性の悪化が非常に少なく、
耐水性が優れている事が判明した。この原因について考
察してみると以下のようになる。
ドコート積層体の耐水性の悪化は、液体状態にある水が
積層体内部に浸透して引き起こされているわけではな
く、気体状態にある水、すなわち水蒸気が積層体内部、
特にハードコート層と活性光線硬化層との界面に浸透す
る事により引き起こされていると考えている。
蒸着層がこの順に積層された2層からなるハードコート
層を用いた場合、スパッタ層は非常に緻密であり水蒸気
の透過を遮断する機能を有するために、ハードコート層
と活性光線硬化層の界面への水蒸気の浸透が効果的に抑
制されると考えられ、これによって積層体の耐水性の悪
化の抑制が為されるものと考えられる。
能のみならず、酸素の透過を遮断する機能を有する場合
もあるので、スパッタ層の積層により活性光線硬化層の
酸化劣化(特に光酸化による劣化)が防止されるといっ
た効果が得られる場合もある。更にはスパッタ層の積層
により、ハードコート層としての耐磨耗性が向上すると
いった効果が得られる場合があった。
素、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウ
ム、酸化インジウム、酸化錫、酸化セリウム等を材料物
質として用いる事ができるが、これらの中でも酸化珪素
からなる層は水蒸気遮断性と透明性の双方に優れており
特に好ましい。従ってスパッタ層は、酸化珪素を少なく
とも全体の50重量%以上含む層である事である事が特
に好ましい。
iOnのnの値は、可視域の透明性の観点から1.7〜
2.0の範囲にある事が好ましく、より好ましくはnは
1.8〜2.0、更に好ましくは1.9〜2.0であ
る。
点から少なくとも0.02μm以上である事が好まし
く、より好ましくは0.05μm以上である。一方、前
述した経済的観点からスパッタ層の膜厚は0.5μm以
下、より好ましくは0.25μm以下にする事が好まし
い。
主に生じている部分(肉眼でプラズマ発光が観察される
部分)に基板があまり近接していると基板表面が逆にス
パッタされて痛んでしまう場合があるので、特に意図し
ない限りにおいては、基板はプラズマとある程度距離を
離して配置する事が好ましい。
化珪素、酸化アルミニウム、酸化セリウム、窒化珪素、
窒化アルミニウム、炭化珪素等の無機酸化物、窒化物、
炭化物等を挙げる事ができるが、この中でもハードコー
ト層が高い透明性と優れた機械物性を有するようにする
ためには、主成分として酸化珪素を用いる事が好まし
く、酸化珪素が層全体の少なくとも50重量%以上、よ
り好ましくは75重量%を占めていることが好ましい。
iOnのnの値は、蒸着層の可視域での透明性の観点か
ら、少なくとも1.9以上である事が好ましく、より好
ましくは2.0である。(蒸着層はスパッタ層よりも膜
厚が厚いため、nの値による可視域の透明性の変化がよ
り著しい)
化珪素を主成分として用いる事が好ましいが、必要に応
じて適当な割合で他種の無機酸化物を副成分として混合
した材料を用いる事も可能である。
ウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン等が好ましく例示
され、ハードコート層の硬度上昇や脆性の改善、ならび
にハードコート層と活性光線硬化層との屈折率差に由来
する光干渉縞の低減を目的とした屈折率の調整等の目的
において混合される。
着の工程は、同一の真空槽内、もしくは可動式の敷居板
を隔てて連続する2つ以上の真空槽(真空チャンバー)
中を、基板を移動させながら連続的に行う事が、表面汚
染の防止効果、真空排気時間の短縮等の観点から好まし
く行われる。
ト積層体が優れた硬度と耐磨耗性を得るためには、ハー
ドコート層全体の膜厚は1.5μm以上であることが好
ましく、より好ましくは2.5μm以上、更に好ましく
は3.5μm以上である。ただし膜厚が10μmを越え
ると、層にクラックを生じたり、密着性が低下する場合
が多くなるので好ましくない。
は、真空槽内で基板を適度に加熱する事が好ましい場合
がある。基板の加熱方法としては、ハロゲンランプ等を
用いることができる。加熱温度としては、およそ50〜
120℃程度の範囲が好ましく、蒸着膜の残留応力の緩
和や、蒸着膜の密着性向上、特に積層体の周囲温度変化
に対する蒸着膜の密着性の悪化を防ぐ目的において好ま
しい場合がある。
高分子樹脂/ハードコート積層体の硬度や耐磨耗性を更
に向上し、また高分子樹脂基板の耐光性試験による着色
現象を抑制する等の目的で積層形成される。
紫外線等の活性光線の照射により層の硬化が進行する層
を指す。
の範囲にあることが好ましい。ここで膜厚が2μm未満
であると、硬度や耐磨耗性向上の効果が小さくなるので
好ましくない。活性光線硬化層の膜厚は、より好ましく
は5〜150μmである。
ラス板上に形成して硬化層の表面硬度を測定する事で求
められる)はF以上である事が好ましく、より好ましく
は2H以上である。
度もしくは軟化温度がおよそ120℃以上である事が好
ましい。これらの値は、例えば示差熱分析(DSC)に
おける吸熱ピークや、熱走査による動的粘弾性の分析、
その他の方法によって評価することができる。
軟化温度が高いことにより、ハードコート層の真空成膜
時にエネルギーを持った蒸着粒子の堆積やターゲットか
らの放熱によって、層の温度が上昇した場合でもハード
コート層を機械的にしっかりと支える事が可能になる。
温度もしくは軟化温度が低い場合には、ハードコート層
の密着性不良やハードコート層のクラック発生等の問題
を引き起こす場合が多く、また積層体全体の温度上昇に
対する耐性も弱くなる。
ば、分子内もしくは単位繰り返し構造内に2個以上の官
能基を有する(メタ)アクリレートの一種もしくは二種
以上を混合して用い、これらの成分を不揮発成分の50
重量%以上含む前駆材料を、紫外線、電子線等の活性光
線の照射によって硬化してなる層が好ましく用いられ
る。
は、ジシクロペンタニルジアクリレート、ジシクロペン
タニルジメタクリレート、トリメチロールプロパントリ
アクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサ
イド変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンプ
ロピレンオキサイド変性トリアクリレート、ペンタエリ
スリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトー
ルヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ
アクリレート、イソシアヌール環を含む多官能(メタ)
アクリレート(官能基数3〜15程度)、イソシアネー
ト結合を有する多官能(メタ)アクリレート(官能基数
2〜6程度。これらは一般にウレタンアクリレートと呼
ばれる事が多い)、いわゆるポリエステルアクリレート
(例えば東亞合成化学製「アロニックスM8030、M
8060、M8100、M8530、M8560、M9
050」等)等が好ましく例示される。
成分として不揮発成分中の50重量%未満の割合で、分
子内もしくは単位繰り返し構造内に含まれる官能基数が
1である(メタ)アクリレートや、ビニル基やアリル基
を有する化合物、珪素アルコキシドを始めとする各種の
アルコキシド成分、平均粒径(直径)が3〜30nmの
超微粒子、光重合開始剤等の硬化剤もしくは硬化触媒、
光重合開始助剤(増感剤)、レベリング剤、光吸収剤
(紫外線吸収剤)、光安定剤(酸化防止剤)、消泡剤、
増粘剤等が必要に応じて混合される。
0%未満、更に好ましくは20%未満である。
に含まれる官能基数が1である(メタ)アクリレートと
しては、例えばアクリロイルモルフォリン、イソボルニ
ル(メタ)アクリレート、N−ビニル−2−ピロリド
ン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシ
ラン等が挙げられるが、これらの中でも特にγ−(メ
タ)アクリロキシプロピルトリメトキシシランを用いた
場合には、活性光線硬化層と前記のアミノシラン層との
密着性が向上する傾向があり、好ましく用いられる。
しては例えば酸化珪素、酸化アルミニウム、塩化アルミ
ニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸
化セリウム、酸化錫等の無機酸化物による超微粒子や、
メチルメタクリレートやジビニルベンゼンを酸やイミド
により架橋した有機架橋微粒子による超微粒子等が好適
である。これらの超微粒子は、その表面をあらかじめ各
種の有機基を含有する成分によって表面処理しておく事
が更に好ましい。特に有機基として(メタ)アクリロイ
ル基を含有していることが好ましいので、表面処理に用
いる成分としては特にγ−(メタ)アクリロキシプロピ
ルトリメトキシシラン等が好ましく例示される。
縮率の低減や、基材もしくは真空蒸着法による酸化珪素
層との密着性の向上、耐候性の向上、耐水性の向上、表
面性の改善、および活性光線硬化層の硬度の向上や真空
蒸着法による酸化珪素層との屈折率のマッチング化等の
各種の機能を付与する目的で混合される。
光性(耐紫外線劣化性)を必要とする用途(屋外使用用
途等)に用いる場合には特に、活性光線硬化層は、厚み
7μmの活性光線硬化層に波長295〜450nm、照
度100mW/cm2の光を100時間照射した前後の
層の透過光の日本工業規格Z8729号に定めるL*a*
b*表色系のクロマティクネス指数b*値の増加、すなわ
ち色差△ b*の値が2以下である活性光線硬化層である
事がより好ましい。尚、△ b*値はより好ましくは1以
下である。これは本発明の高分子樹脂積層体を特に屋外
環境で用いる場合に、長期の紫外線暴露により活性光線
硬化層の変色(着色)が起こると、積層体の外観が著し
く悪化することを考慮したものである。
料を必要に応じて各種の溶剤で希釈した後に基板上にコ
ーティングし、電子線、紫外線(可視光を含んでいても
良い)等の活性光線を照射することによって材料の硬化
を進行させ、形成することができる。
化層の密度とによって浸入深さが決まり、硬化層自身の
光吸収(主に紫外域)の影響を受けない特徴を有してい
る。また紫外線の吸収波長領域を利用しないため、高分
子樹脂積層体の耐候性(例えば紫外線老化性)を向上さ
せる目的で硬化層内に紫外線吸収剤を混合する場合等に
特に有効な硬化方法となる。
を副成分として適量添加することが好ましく、また硬化
反応の効率を向上する目的で各種の増感剤も必要に応じ
て適量添加される。
法においても、酸素による硬化障害を抑制する目的で、
周囲雰囲気の酸素を窒素等の不活性気体で置換すること
も必要に応じて行われる。
アセトフェノン、2−メチル−1−{4−(メチルチ
オ)フェニル}−2−モルフォリノプロパン、2−ヒド
ロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オ
ン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等の
アセトフェノン系化合物;ベンゾイン、ベンジルジメチ
ルケタール等のベンゾイン系化合物;ベンゾフェノン、
ベンゾイル安息香酸等のベンゾフェノン系化合物;チオ
キサンソン、2、4−ジクロロチオキサンソン等のチオ
キサンソン系化合物等が挙げられる。またこれらの骨格
にアクリロイル基、メタクリロイル基、アリル基、ビニ
ル基を付与した共重合性の光重合開始剤も好ましく用い
られ、例えばα−アリルベンゾイン、α−アリルベンゾ
インアリールエーテル、アクリル化ベンゾフェノン等が
例示される。
の前駆材料の不揮発成分全体の0.1〜10重量%であ
ることが好ましい。ここで紫外線照射時に周囲雰囲気の
酸素を置換しない場合には1〜10重量%、不活性気体
による置換を行う場合には0.1〜3重量%の添加量が
好ましい。
外線吸収性を有することが好ましい。すなわち活性光線
硬化層内に副成分として紫外線吸収剤を添加する方法を
用いる事が好ましい。これは基板に用いる高分子樹脂
が、屋外での長期の紫外線暴露により著しく変色(着
色)する問題への対策として最適な方法である。
を副成分として添加する場合、少なくとも300〜35
0nmの波長範囲の波長領域に大きな吸収を有する紫外
線吸収剤が好ましく用いられ、その中でも分子内にベン
ゾトリアゾール骨格やトリアジン骨格等を含む化合物が
特に好ましい。
−ベンゾトリアゾール−2−イル)−p−クレゾール、
2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6
−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノー
ル、2−ベンゾトリアゾール−2−イル−4,6−ジ−
tert−ブチルフェノール、2−[5−クロロ(2
H)−ベンゾトリアゾール−2−イル]−4−メチル−
6−(tert−ブチル)フェノール、2,4−ジ−t
ert−ブチル−6−(5−クロロベンゾトリアゾール
−2−イル)フェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾ
ール−2−イル)−4,6−ジ−tert−ペンチルフ
ェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イ
ル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フ
ェノール、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−ト
リアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−
フェノール、2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−ドデ
シルオキシプロピル)オキシ]−4,6−ビス(2,4
−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン等が好
ましく挙げられる。
トリアゾール骨格やトリアジン骨格等を含む化合物とメ
タクリロイル基、アクリロイル基もしくはビニル基を含
有する化合物を共重合してなる化合物(例えば2−
(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロキシフェニル)
−2H−ベンゾトリアゾール等が挙げられる)は活性光
線硬化層を主に形成するアクリレート成分もしくはメタ
クリレート成分と架橋反応を起こすことが可能な反応型
紫外線吸収剤と呼ばれており、活性光線硬化層内に紫外
線吸収剤を安定に固定し、耐久性を高める目的のために
好ましく用いられる。
性)を充分なものにするためには、活性光線硬化層の3
00〜350nmの波長領域のいずれの波長においても
光吸収率が少なくとも99%以上、より好ましくは9
9.9%以上とすることが好ましい。なお、上記4.に
おける「活性光線硬化層(A)の300〜350nmの
波長領域における光吸収率が99%以上である」とは、
「300〜350nmの波長領域のいずれの波長におい
ても光吸収率が少なくとも99%以上」という意味であ
る。
駆材料の不揮発成分中の紫外線吸収剤の添加量(重量
%)と活性光線硬化層の膜厚(μm)との積が、30〜
300重量%・μmの範囲にあることが好ましく、より
好ましくは50〜150重量%・umである。
吸収剤を混合し、紫外線照射により層の硬化を行う場合
には、硬化(光重合)を誘起する紫外線の波長と紫外線
吸収剤の吸収波長とが幾分相違していることが好まし
い。すなわち前述のように紫外線吸収剤としては300
〜350nmの波長領域に大きな吸収を持つものを用い
ることが好ましいので、光重合を誘起する紫外線の波長
は350nm以上もしくは300nm以下の波長とする
ことが好ましい。
領域が350〜400nmおよび/または220〜30
0nmであるような光重合開始剤を用いる方法がある。
これらの例としては、2−ヒドロキシ−2−メチル−1
−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピ
ルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−
1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル
(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロ
キシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾイン、ベン
ゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベ
ンジルジメチルケタール、ベンゾイル安息香酸、ベンゾ
イル安息香酸メチル、4−ベンゾイル−4’−メチルジ
フェニルサルファイド、3,3’−ジメチル−4−メト
キシベンゾフェノン、チオキサンソン、2−クロルチオ
キサンソン、2−メチルチオキサンソン、2,4ジメチ
ルチオキサンソン、イソプロピルチオキサンソン、2,
4−ジエチルチオキサンソン、2,4−ジイソプロピル
チオキサンソン、ジベンゾスベロン、メチルフェニルグ
リオキシレート、1−フェニル−1,2−プロパンジオ
ン−2(O−エトキシカルボニル)オキシム等が例示さ
れる。
よび/または350〜400nmに大きな光吸収性を有
する光重合開始助剤(増感剤)を、光重合開始剤と併用
して用いることも好ましく行われる。
ば2−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルア
ミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸(n
−ブトキシ)エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソ
アミル、4,4−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノ
ン、4−ジメチルアミノアセトフェノン等が挙げられ
る。
の混合量に対して10〜40重量%の割合で混合される
ことが好ましい。
へのコーティング方法としては、例えば、(ドクター)
ナイフコート法、マイクログラビヤコート法、ダイレク
トグラビヤコート法、オフセットグラビヤ法、リバース
グラビヤ法、リバースロールコート法、(マイヤー)バ
ーコート法、ダイコート法、スプレーコート法、ディッ
プコート法等の方法が好ましく適用できる。
た高分子樹脂基板は、前駆材料液のレベリング性の向上
や、活性光線硬化層と高分子樹脂基板との間の密着性の
向上等の目的で活性光線の照射を行う前に一度50〜1
30℃に昇温することが好ましい場合がある。
層した後、真空成膜プロセスによるハードコート層を積
層する前に、この積層体を該高分子樹脂基板のガラス転
移温度付近の温度(好ましくはガラス転移温度より20
℃程度低い温度)で熱処理を行う事が好ましい。こうし
た熱処理の実施により、活性光線硬化層を積層した高分
子樹脂基板の残留応力が熱的に緩和されて、層の密着性
の向上が観られると同時に、活性光線硬化層中に含まれ
る揮発性成分(主に光重合開始剤の分解物)が揮発除去
され、真空蒸着時に揮発成分の真空槽への放出量が減少
するといった効果があり、好ましく実施される。
基板上に積層した後、真空成膜プロセスによるハードコ
ート層を積層する前に、この積層体に加熱成形(熱曲げ
加工など)を施したり、積層体を用いて真空成形、イン
サート成形等を行い、成形後の活性光線硬化層上に真空
成膜プロセスによるハードコート層を積層する事も可能
である。
の間に挟持して、分子内に1つ以上のアミノ基を有する
珪素アルコキシドの加水分解縮合層(以下アミノシラン
層と記す)を積層形成する事により、高分子樹脂/ハー
ドコート積層体の耐水性が更に改善されて好ましい場合
がある。
有する強い極性に起因して、アミノシラン層とハードコ
ート層、およびアミノシラン層と活性光線硬化層の層間
に強い引力が働くためではないかと考えられる。
る珪素アルコキシドとしては、例えば、N−β(アミノ
エチル)γ―アミノプロピルトリメトキシ(エトキシ)
シラン、およびまたはγ―アミノプロピルトリメトキシ
(エトキシ)シラン、およびまたはγ―アミノウレタン
トリメトキシ(エトキシ)シランが好ましく挙げられ
る。
種の珪素アルコキシドを添加して作成してもよい。この
ような珪素アルコキシドとしては、例えばγ−グリシド
キシプロピルトリメトキシ(エトキシ)シラン等のエポ
キシ基を含む珪素アルコキシドや、アクリロキシプロピ
ルトリメトキシ(エトキシ)シラン、メタクリロキシプ
ロピルトリメトキシ(エトキシ)シラン等の(メタ)ア
クリル基を有する珪素アルコキシドや、テトラメトキシ
(エトキシ)シラン、メチル(エチル)トリメトキシ
(エトキシ)シラン等が挙げられる。
珪素アルコキシドを加水分解ならびに部分縮合して作成
した塗液を基板上に湿式コーティングし、加熱硬化させ
て強固な塗膜として形成する事ができる。
積層するにあたって、もしくは活性光線硬化層上に真空
プロセスによるハードコート層を積層するにあたって
は、必要に応じて高分子樹脂基板上もしくは活性光線硬
化層上に各種の表面処理を施してもよい。このような表
面処理としては、例えば公知のプラズマ処理、コロナ処
理、UV−オゾン処理等の方法が好ましく用いられ、表
面の汚染物質の除去、表面活性化による層の密着性向
上、前駆材料の塗工性の向上等の効果を得ることができ
る場合がある。
の密着性を向上する目的で、適当なプライマー層を両者
の間に挟持して積層する事も可能である。このようなプ
ライマー層としては、例えばポリメチルメタクリレート
やポリメチルメタクリレートにアクリレート成分を共重
合してなる層等が好ましく用いられる。
脂基板としては、例えばポリカーボネート、ポリアリレ
ート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフ
タレートや各種のポリオレフィイン樹脂(例えばJSR
社の商品名「アートン」、日本ゼオン社の商品名「ゼオ
ネックス」)等による高分子樹脂基板が挙げられる。
積層時の内部応力に起因する高分子樹脂積層体のカーリ
ングを低減する観点から、少なくとも0.2mm以上で
ある事が好ましく、より好ましくは0.4mm以上、更
に好ましくは0.8mm以上である。
と基板の重量の増加により取り扱い性が悪くなるので、
厚みの上限は20mmである。
述の紫外線吸収剤や光安定剤(酸化防止剤)、各種の可
視光の吸収剤(顔料、染料等)、赤外光の吸収剤、帯電
防止剤(導電性物質)、難燃剤等が混合されても良い。
耐衝撃性、透明性、成形性等の観点からポリカーボネー
トが特に好ましい。ここでポリカーボネートとは、芳香
族ジヒドロキシ化合物と炭酸結合形成性化合物との重縮
合物を意味する。
は、具体的にはビス(4−ヒドロキシフェニル)メタ
ン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)
プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘ
プタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジク
ロロフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキ
シ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、ビス(4−
ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、4,4−ジヒド
ロキシフェニル−1,1’−m−ジイソプロピルベンゼ
ン、4,4’−ジヒドロキシフェニル−9,9−フルオ
レンなどのビス(4−ヒドロキシアリール)アルカン
類、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペ
ンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シク
ロヘキサン、1−メチル−1−(4−ヒドロキシフェニ
ル)−4−(ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メチ
ル−シクロヘキサン、4−[1−〔3−(4−ヒドロキ
シフェニル)−4−メチルシクロヘキシル〕−1−メチ
ルエチル]−フェノール、4,4’−〔1−メチル−4
−(1−メチルエチル)−1,3−シクロヘキサンジイ
ル〕ビスフェノール、2,2,2’,2’−テトラヒド
ロ−3,3,3’,3’−テトラメチル−1,1’−ス
ピロビス−〔1H−インデン〕−6,6’−ジオールな
どのビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類、ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒ
ドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)エーテル、4,
4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルフェニルエー
テルなどのジヒドロキシアリールエーテル類、4,4’
−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒ
ドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルフィドな
どのジヒドロキシジアリールスルフィド類、4,4’−
ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒ
ドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホキシド
などのジヒドロキシジアリールスルスルホキシド類、
4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’
−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホ
ン、などのジヒドロキシジアリールスルホン類、4,
4’−ジヒドロキシジフェニル−3,3’−イサチンな
どのジヒドロキシジアリールイサチン類、3,6−ジヒ
ドロキシ−9,9−ジメチルキサンテンなどのジヒドロ
キシジアリールキサンテン類、レゾルシン、3−メチル
レゾルシン、3−エチルレゾルシン、3−ブチルレゾル
シン、3−t−ブチルレゾルシン、3−フェニルレゾル
シン、3−クミルレゾルシン、ヒドロキノン、2−メチ
ルヒドロキノン、2−エチルヒドロキノン、2−ブチル
ヒドロキノン、2−t−ブチルヒドロキノン、2−フェ
ニルヒドロキノン、2−クミルヒドロキノンなどのジヒ
ドロキシベンゼン類、4,4’−ジヒドロキシジフェニ
ル、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジヒドロキシジフ
ェニル等ジヒドロキシジフェニル類が挙げられる。
ニル)プロパンが好ましい。
はホスゲンやトリクロロメチルクロロフォーメート、ビ
ス(トリクロロメチル)カーボネートなどのホスゲン
類、ジフェニルカーボネート、ジトリルカーボネートな
どのジアリールカーボネート類、ジメチルカーボネー
ト、ジエチルカーボネートなどのジアルキルカーボネー
ト類、メチルフェニルカーボネート、エチルフェニルカ
ーボネートなどのアルキルアリールカーボネート類など
を挙げることができる。
トは溶液法で製造され、カーボネート結合を有する炭酸
エステル類を用いる場合は溶融法で製造される。
ネートが好ましく用いられる。
用いることができる。
分として含むものも上記8.のポリカーボネートの範疇
に含まれる。
ドロキシ化合物として、2,2−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)プロパンを使用し、炭酸結合形成性化合物と
して、ホスゲン類やカーボネート結合を有する炭酸エス
テル類を使用するポリカーボネートである。
率が高いとポリカーボネートの特徴が薄れるため、共重
合率またはブレンド率は20重量%以下が望ましく、1
0重量%以下が更に望ましい。
はないが、フィルム状、シート状の形状を有する成形物
は均一な層のコーティングが実現しやすいので特に好ま
しく用いられる。曲面や凹凸等の複雑な形状を有する成
形物も用いることができるが、層のコーティング方法に
制約を生じる(ディップコート法が主に用いられる)場
合もある。
性光線硬化層を積層するに当たり、あらかじめ基板の表
面処理を施したり、適当なプライマー層を積層すること
も必要に応じて行われる。このような表面処理として
は、公知のプラズマ処理、コロナ処理、UV−オゾン処
理等の方法が好ましく用いられ、硬化層の密着性を向上
させたり、前駆材料の塗工性を向上するといった効果を
得ることができる。
向上させたり、積層体の耐候性(例えば耐紫外線老化
性)を向上させる機能を有するものが好ましく用いられ
る。
各種のメタクリル酸エステルやアクリル酸エステルによ
る重合物、もしくはそれらと他種成分との共重合物が好
ましく挙げられる。こうした共重合成分は分子内にアミ
ノ基、エポキシ基を有する成分であることが好ましい。
ー層には必要に応じて各種の紫外線吸収剤や酸化防止剤
等の成分を適量含有させることも可能である。
の範囲で塗布されるのが好ましく、0.3〜10μmの
範囲とすることがより好ましい。
透視性が高いことが必要である。具体的には積層体のヘ
ーズ値が5%以下であることが好ましく、より好ましく
は3%以下、更に好ましくは2%以下である。
ては、一般的には高いことが望まれ、全光透過率は50
%以上である事が好ましく、より好ましくは70%以上
である。ただし用途によっては必ずしも高い光透過率が
望まれない場合もあり、例えば、自動車の後部座席用の
窓材においては太陽光線の直射による車内温度の上昇を
抑える目的等において、高分子樹脂基板内に可視光の吸
収剤(顔料、染料等)を混合する等の方法により、意図
的に積層体の光透過率を低下させる場合もある。
る。ただし、本発明はこれに限定されるものではない。
また、「部」は特に断らない限り「重量部」である。
下の要領にて行った。
0に記載されている鉛筆硬度測定法に準拠して測定を行
ったが、本実施例においては測定の再現性を高める観点
から、サンプルを厚み2mmのガラス板上にエポキシ系
の接着剤(ニチバン社製商品名「アラルダイトラピッ
ド」)を用いて固定した状態において鉛筆を平面方向に
走査した。
より鉛筆走査時のサンプルの歪みや曲がり等の影響を排
除できるためであり、特にサンプルの厚みが1mm以下
であるような場合に再現性の向上に効果がある。
前記規格に準拠して測定者の肉眼にて行うが、傷つきの
判定が微妙となる場合には、傷(凹部)の深さを市販の
触針式表面粗さ計により測定し、異なる5個所で測定し
た深さの平均値が0.2μm以上である場合に「傷が発
生した」と判定することとした。
性光線硬化層を2mm厚みのガラス板上に7μm前後の
膜厚で積層硬化した後、層の表面について測定したもの
である。
層と石英板の密着性を向上する目的で、プライマー層を
活性光線硬化層と石英板との間に挟持して設けることが
好ましく行われる。これらのプライマー層としては、例
えばポリメチルメタクリレートや、メチルメタクリレー
トと2−ヒドロキシエチルメタクリレートとの共重合
物、メチルメタクリレートとγ−メタクリロキシプロピ
ルトリメトキシシランとの共重合物による層等が好まし
く例示される。このプライマー層の厚みは鉛筆硬度の測
定結果への影響を防ぐ観点から1〜2μmの範囲とする
ことが好ましい。
験機(東洋精機(株)製)を用い、摩耗輪CS−10
F、荷重4.9N、1000サイクルの条件で試験片表
面(酸化珪素層の積層されている面)を摩耗し、次式か
ら求められるヘーズ値の摩耗前後の差(ΔH)で評価し
た。 ヘーズ(%)=(拡散透過率/全光線透過率)×100
本電色工業社製の測定器(商品名「COH−300
A」)を用いて測定を行った。
記載されている碁盤目テープ試験法に準拠して測定を行
った。
ルを沸騰水中(純水)に1時間浸せきした後に室内で自
然乾燥させ、積層体の外観の悪化の有無について目視観
察した。
査型電子顕微鏡により観察して、各層の膜厚を求めた。
フェノールAとジフェニルカーボネートとより合成され
たポリカーボネート樹脂による厚み1mm、縦横350
mm×250mmの成形板(帝人化成製「パンライトP
C−1151」を用いた。
前駆材料をバーコーターを用いてコーティングし、70
℃で1分間乾燥した後に160W/cmの高圧水銀ラン
プにより積算光量1J/cm2の紫外線を照射して、厚
み40μmの活性光線硬化層を積層した。
ては、トリメチロールプロパンEO編成トリアクリレー
ト(東亜合成化学製「アロニックスM350」)90重
量部と、光重合開始剤(チバスペシャリティケミカルス
製「イルガキュア184」)5重量部と、紫外線吸収剤
として大塚化学製反応性紫外線吸収剤「RUVA93」
2phrと、ノルマルプロピルアルコール50重量部と
を混合して用いた。
5H以上であった。
り取り、130℃で30分間の熱処理を行って、水分や
光重合開始剤の分解物等を揮発除去させた後に、以下の
真空成膜プロセスによりスパッタ層と蒸着層の2層から
なるハードコート層を積層した。
真空槽内にセットして2時間の真空排気を行い、圧力5
×10-4Paの真空度まで到達させた後に、アルゴンガ
ス(100%)を流量15sccmで導入し、雰囲気圧
力を1.8×10-1Paとした。
珪素(100%)のターゲットを用い、投入電力100
Wの条件でECRスパッタリング法により、膜厚0.1
2μmの酸化珪素層(スパッタ層)を形成した。尚、こ
のスパッタ層の形成に要した時間は約3時間であった。
てセッティングした後、4時間の真空排気を行い、圧力
1×10-3Paの真空度まで到達した後に、電子線加熱
蒸着(EB蒸着)により円筒状に成形した酸化珪素(1
00%)の溶融塊を昇華させ、膜厚2.4μmの酸化珪
素層(蒸着層)を積層した。尚、この蒸着層の形成に要
した時間は約10分間であった。
光線透過率は89.3%、ヘーズは0.8%、鉛筆硬度
は3H、テーバー磨耗によるヘーズ上昇は1.9%、密
着性は100/100であった。そして耐水性試験後に
ハードコート層の剥離やクラックの発生は全く観られな
かった。
化層形成用前駆材料として以下の塗液を用い、膜厚35
μmの活性光線硬化層を積層した以外は全く実施例1と
同様にして高分子樹脂積層体を積層した。
リレート(東亜合成化学製「アロニックスM803
0」)90重量部と、光重合開始剤(チバスペシャリテ
ィケミカルス製「イルガキュア184」)5重量部と、
紫外線吸収剤として大塚化学製反応性紫外線吸収剤「R
UVA93」2phrと、ノルマルプロピルアルコール
50重量部を混合して用いた。尚、この活性光線硬化層
単独の鉛筆硬度は7H以上であった。
光線透過率は89.7%、ヘーズは1.0%、鉛筆硬度
は3H、テーバー磨耗によるヘーズ上昇は1.6%、密
着性は100/100であった。そして耐水性試験後の
ハードコート層の剥離やクラックの発生は全く観られな
かった。
ネート板上に活性光線硬化層を積層した後に、スパッタ
層を積層せずに直接蒸着層(ハードコート層)を積層し
た以外は全く実施例1と同様にして、高分子樹脂/ハー
ドコート積層体を作成した。
光線透過率は89.4%、ヘーズは0.8%、鉛筆硬度
は3H、テーバー磨耗によるヘーズ上昇は3.4%、密
着性は100/100であった。
ト層が基板から完全に剥離しており、この高分子樹脂/
ハードコート積層体は耐水性が不十分であることがわか
った。
ネート板上に活性光線硬化層を積層した後に、スパッタ
層を積層せずに直接蒸着層(ハードコート層)を積層し
た以外は全く実施例1と同様にして、高分子樹脂/ハー
ドコート積層体を作成した。
光線透過率は89.8%、ヘーズは0.8%、鉛筆硬度
は3H、テーバー磨耗によるヘーズ上昇は2.9%、密
着性は100/100であった。
ト層の全体にクラックが発生しており、この高分子樹脂
/ハードコート積層体は耐水性が不十分であることがわ
かった。
低い樹脂成形物に対して、本発明を適用することによ
り、優れた耐磨耗性、表面硬度、耐光性、耐水性を有す
る高分子樹脂/ハードコート積層体を得ることができ、
自動車や建材等の窓材や透視性を必要とする構造材、そ
の他の幅広い用途に利用することができるようになっ
た。
Claims (8)
- 【請求項1】 高分子樹脂基板の少なくとも一方の面
に、厚みが2〜200μmの活性光線硬化層と、厚みが
1.5〜10μmのハードコート層がこの順に積層され
てなり、該ハードコート層は該高分子樹脂基板側から、
スパッタリング法により形成された厚みが0.02〜
0.5μmのスパッタ層と、真空蒸着法により形成され
た蒸着層とがこの順に積層されてなることを特徴とする
高分子樹脂積層体。 - 【請求項2】 スパッタ層は、酸化珪素を少なくとも全
体の50重量%以上含む層であることを特徴とする請求
項1に記載の高分子樹脂積層体。 - 【請求項3】 ハードコート層は、酸化珪素を少なくと
も全体の50重量%以上含む層であることを特徴とする
請求項1または2記載の高分子樹脂積層体。 - 【請求項4】 活性光線硬化層の該層単独での鉛筆硬度
がF以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれ
かに記載の高分子樹脂積層体。 - 【請求項5】 活性光線硬化層は、分子内もしくは単位
繰り返し構造内に2つ以上の(メタ)アクリロイル基を
有する1種もしくは2種以上の(メタ)アクリレート成
分を、不揮発成分中の50重量%以上含んでなる前駆材
料に、活性光線を照射して硬化してなる層であることを
特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の高分子樹脂
積層体。 - 【請求項6】 高分子樹脂基板の厚みが0.2〜20m
mの範囲にあることを特徴とする請求項1〜5のいずれ
かに記載の高分子樹脂積層体。 - 【請求項7】 高分子樹脂基板がポリカーボネートの成
形基板であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか
に記載の高分子樹脂積層体。 - 【請求項8】 請求項1〜7のいずれかに記載の高分子
樹脂積層体からなる自動車用窓材。
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JP2016029478A (ja) * | 2014-07-24 | 2016-03-03 | 協立化学産業株式会社 | 凹凸構造形成用組成物 |
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2001
- 2001-03-30 JP JP2001099078A patent/JP4401592B2/ja not_active Expired - Fee Related
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