JP7214824B1 - ハードコートフィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】シクロオレフィンポリマー系フィルム上に設ける易接着層及びハードコート層との初期密着性及び耐光密着性に優れたハードコートフィルムを提供する。【解決手段】このハードコートフィルムは、シクロオレフィンポリマー系フィルムの少なくとも片面に、無機微粒子を含有する紫外線硬化型樹脂からなる易接着層を介し、紫外線硬化型樹脂と紫外線吸収剤及び色素を含有するハードコート層が積層され、条件(A)~(D)を満たす。(A)易接着層の厚みが0.1~2.0μm(B)ハードコート層の厚みが1.0~10μm(C)JIS-K5600-5-6のクロスカット法により測定されるハードコート層及び易接着層の残存率が100%(D)温度63℃、相対湿度50%の環境下、放射照度500W/m2、紫外線を100時間放射(耐光性試験)した後、上記クロスカット法により測定されるハードコート層及び易接着層の残存率が100%【選択図】なし

Description

本発明は、光学部材に用いられるハードコートフィルムに関する。更に詳しくは、有機エレクトロルミネッセンス(EL)表示装置、液晶表示装置(LCD)、プラズマ表示装置等のパネルディスプレイ、タッチパネル等の表示装置部品等の保護フィルムとして使用することができるハードコートフィルムに関する。
たとえば、有機エレクトロルミネッセンス(EL)表示装置、液晶表示装置(LCD)等のディスプレイの表示面には、取り扱い時に傷が付いて視認性が低下しないように耐擦傷性を付与することが要求されている。そのため、基材フィルムにハードコート層を設けたハードコートフィルムを利用して、ディスプレイの表示面の耐擦傷性を付与することが一般的に行われている。
近年、ディスプレイの薄膜化、軽量化に伴い、その構成部材の薄膜化が進行している。たとえば、ディスプレイの偏光板に用いられるハードコートフィルムも薄膜化している。ハードコートフィルムが薄膜化すると、偏光板の寸法安定性が低下し、高温あるいは高湿乾燥下で偏光板が反る(カール)という課題が発生するようになった。
そこで、この課題を解決する方法として、ハードコートフィルムの基材フィルムに低吸湿性(低透湿性)かつ寸法安定性に優れるシクロオレフィンポリマーフィルムが用いられる。
ただし、このシクロオレフィンポリマーフィルムは、アクリルフィルムやポリエステルフィルムと異なりフィルム表面に極性基の数が少ない(非極性)ため、シクロオレフィンポリマーフィルムを基材として用いた場合、従来のアクリル系樹脂に代表される紫外線硬化型ハードコート用塗料が密着しないという課題がある。
シクロオレフィンポリマーフィルムとハードコート層との密着性を改善するために、ハードコート塗工前にコロナ処理、プラズマ処理などによるシクロオレフィンポリマーフィルムの表面改質(親水化)や、シクロオレフィンポリマーフィルムを溶解するトルエン等の炭化水素系溶剤を用いてハードコート層とシクロオレフィンポリマーフィルム基材の界面に相溶層を形成して密着性を得る手法、シクロオレフィンポリマーフィルム上にアンカー層を設ける手法(例えば特許文献1等)などが一般的に知られている。
特開2006-110875号公報
しかしながら、シクロオレフィンポリマーフィルムの表面改質(親水化)手法による密着性は安定性に欠き、また、初期の密着性が100%確保できても、特に経時的な密着不良が発生しやすく、耐久密着性が得られないという課題がある。
また、相溶層を形成する手法は、ハードコート塗工時にシクロオレフィンポリマーフィルム基材へ必要以上の負荷がかかるため、シクロオレフィンポリマーフィルム基材への溶剤浸食によりシクロオレフィンポリマーフィルム基材にケミカルクラックが発生するという課題がある。特に、このケミカルクラックはシクロオレフィンポリマーフィルム基材が薄膜になるほど、発生頻度が増す傾向にある。
また、アンカー層を設ける手法は、アンカー層に変性ポリオレフィン系樹脂を用いることが一般的であるが、変性ポリオレフィン系樹脂はトルエン等の炭化水素系溶剤に容易に溶解するため、アンカー層上に塗布するハードコート用塗料にトルエン等の炭化水素系溶剤を用いることができず、塗料設計上の課題がある。
一方で、有機ELディスプレイの発光素子の耐久性(耐光性)向上を目的に、ディスプレイ表面側で紫外線(UV)カットが必要である。一般的な紫外線カット性能は波長380nmの透過率を基準としていたが、最近では発光素子の保護のためには、390nm~410nm領域の透過率が基準となってきている。
390nm~410nm領域の透過率を調整するための紫外線吸収剤、色素等が知られているが、これらはいずれも、トルエン等の炭化水素系溶剤が良溶媒となっている。すなわち、ハードコートフィルムによる有機ELディスプレイの発光素子の耐久性(耐光性)向上を目的に、390nm~410nm領域の透過率を調整するための紫外線吸収剤、色素等を配合したハードコート用塗料は、材料の溶解性を考えるとハードコート用塗料中の溶剤にトルエン等の炭化水素系溶剤の使用が必要であることから、シクロオレフィンポリマーフィルム基材、特に薄膜のシクロオレフィンポリマーフィルム基材へ塗布することが、ケミカルクラックの発生が懸念されるため適用が困難な状況にある。
そこで、本発明の目的は、第1に、シクロオレフィンポリマー系フィルムを基材として用い、当該基材フィルム上に設ける易接着層及びハードコート層との密着性(初期密着性及び耐光密着性)に優れたハードコートフィルムを提供することであり、第2に、上記基材フィルム上に設ける易接着層の炭化水素系溶剤に対する耐溶剤性が良好であり、上記易接着層上に炭化水素系溶剤を含有するハードコート用塗料を直接塗工した場合も、良好な塗工外観を得ることができるハードコートフィルムを提供することであり、第3に、有機ELディスプレイ表面の保護フィルムとして使用する場合、有機ELディスプレイの表示の色や輝度に悪影響を与えることなく、かつ有機ELディスプレイの発光素子の耐久性(耐光性)を向上させることができ、有機ELディスプレイの表示の劣化を抑制できるハードコートフィルムを提供することである。
本発明者等は、上記課題を解決するため鋭意検討を行った結果、以下の構成を有する発明により上記課題を解決できることを見出した。
すなわち、本発明は以下の構成を有するものである。
(第1の発明)
厚さ50μm以下のシクロオレフィンポリマー系フィルムの少なくとも片面に、無機微粒子を含有する紫外線硬化型樹脂からなる易接着層を介し、紫外線硬化型樹脂と紫外線吸収剤及び色素を含有するハードコート層が積層され、且つ下記条件(A)~(D)を満たすことを特徴とするハードコートフィルムである。
(A)前記易接着層の厚みが0.1~2.0μmの範囲である。
(B)前記ハードコート層の厚みが1.0~10.0μmの範囲である。
(C)前記ハードコートフィルムの、JIS-K5600-5-6のクロスカット法により測定される前記ハードコート層および前記易接着層の残存率がいずれも100%である。
(D)前記ハードコートフィルムに対し、温度63℃、相対湿度50%の環境下で、放射照度500W/mとし、紫外線を100時間放射(耐光性試験)した後に、JIS-K5600-5-6のクロスカット法により測定される前記ハードコート層および前記易接着層の残存率がいずれも100%である。
(第2の発明)
前記ハードコートフィルムがさらに下記条件(E)を満たし、且つ下記式1により算出される各波長における光線低下率(%)が下記条件(F)~(P)を満たすことを特徴とする第1の発明に記載のハードコートフィルムである。
(E)b*値が7.0以下である。
式1)各波長における光線低下率(%)=(当該波長における前記シクロオレフィンポリマー系フィルム単体の透過率-当該波長における前記ハードコートフィルムの透過率)/当該波長における前記シクロオレフィンポリマー系フィルム単体の透過率
(F)350nm波長における光線低下率が95.0%以上である。
(G)360nm波長における光線低下率が95.0%以上である。
(H)370nm波長における光線低下率が95.0%以上である。
(I)380nm波長における光線低下率が95.0%以上である。
(J)390nm波長における光線低下率が95.0%以上である。
(K)400nm波長における光線低下率が95.0%以上である。
(L)410nm波長における光線低下率が95.0%以上である。
(M)420nm波長における光線低下率が75.0%以下である。
(N)430nm波長における光線低下率が30.0%以下である。
(O)440nm波長における光線低下率が7.0%以下である。
(P)450nm波長における光線低下率が2.0%以下である。
(第3の発明)
前記ハードコートフィルムに対し、温度63℃、相対湿度50%の環境下で、放射照度500W/mとし、紫外線を100時間放射(耐光性試験)した後に、下記式2により算出される各波長における光線透過率の変化率(Δ%)の絶対値が下記条件(Q)~(AA)を満たすことを特徴とする第1又は第2の発明に記載のハードコートフィルムである。
式2)各波長における光線透過率の変化率(Δ%)=前記ハードコートフィルムの耐光性試験後の当該波長における透過率-前記ハードコートフィルムの耐光性試験前の当該波長における透過率
(Q)350nm波長における光線透過率の変化率の絶対値が1.0%以下である。
(R)360nm波長における光線透過率の変化率の絶対値が1.0%以下である。
(S)370nm波長における光線透過率の変化率の絶対値が1.0%以下である。
(T)380nm波長における光線透過率の変化率の絶対値が1.0%以下である。
(U)390nm波長における光線透過率の変化率の絶対値が5.0%以下である。
(V)400nm波長における光線透過率の変化率の絶対値が10.0%以下である。
(W)410nm波長における光線透過率の変化率の絶対値が30.0%以下である。
(X)420nm波長における光線透過率の変化率の絶対値が30.0%以下である。
(Y)430nm波長における光線透過率の変化率の絶対値が10.0%以下である。
(Z)440nm波長における光線透過率の変化率の絶対値が5.0%以下である。
(AA)450nm波長における光線透過率の変化率の絶対値が5.0%以下である。
(第4の発明)
前記紫外線吸収剤の最大吸収波長(λmax)が350nm~380nmの範囲であり、かつ前記色素の最大吸収波長(λmax)が395nm~415nmの範囲であることを特徴とする第1乃至第3の発明のいずれかに記載のハードコートフィルムである。
(第5の発明)
前記紫外線吸収剤がベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤およびヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤の併用からなることを特徴とする第1乃至第4の発明のいずれかに記載のハードコートフィルムである。
(第6の発明)
前記色素がシアニン色素であることを特徴とする第1乃至第5の発明のいずれかに記載のハードコートフィルムである。
本発明によれば、シクロオレフィンポリマー系フィルムを基材として用い、このような極性基が少なく密着性に劣る基材に対しても当該基材フィルム上に設ける易接着層及びハードコート層との密着性(初期密着性及び耐光密着性)に優れたハードコートフィルムを提供することができる。
また、本発明によれば、上記基材フィルム上に設ける易接着層の炭化水素系溶剤に対する耐溶剤性が良好であり、上記易接着層上に炭化水素系溶剤を含有するハードコート用塗料を直接塗工した場合も、良好な塗工外観を得ることができるハードコートフィルムを提供することができる。
また、本発明によれば、有機ELディスプレイ表面の保護フィルムとして使用する場合、有機ELディスプレイの表示の色や輝度に悪影響を与えることなく、かつ有機ELディスプレイの発光素子の耐久性(耐光性)を向上させることができ、有機ELディスプレイの表示の劣化を抑制できるハードコートフィルムを提供することができる。
特に、薄膜のシクロオレフィンポリマー系フィルムを基材として用いる場合に本発明のハードコートフィルムは好適である。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。
なお、本明細書において、「○○~△△」とは、特に断りのない限り、「○○以上△△以下」を意味するものとする。
上記第1の発明にあるとおり、本発明のハードコートフィルムは、厚さ50μm以下のシクロオレフィンポリマー系フィルムの少なくとも片面に、無機微粒子を含有する紫外線硬化型樹脂からなる易接着層を介し、紫外線硬化型樹脂と紫外線吸収剤及び色素を含有するハードコート層が積層され、且つ下記条件(A)~(D)を満たすことを特徴とするものである。
(A)前記易接着層の厚みが0.1~2.0μmの範囲である。
(B)前記ハードコート層の厚みが1.0~10.0μmの範囲である。
(C)前記ハードコートフィルムの、JIS-K5600-5-6のクロスカット法により測定される前記ハードコート層および前記易接着層の残存率がいずれも100%である。
(D)前記ハードコートフィルムに対し、温度63℃、相対湿度50%の環境下で、放射照度500W/mとし、紫外線を100時間放射(耐光性試験)した後に、JIS-K5600-5-6のクロスカット法により測定される前記ハードコート層および前記易接着層の残存率がいずれも100%である。
以下、このハードコートフィルムの構成を詳しく説明する。
[基材フィルム]
まず、上記ハードコートフィルムの基材フィルムについて説明する。
本発明において、ハードコートフィルムの基材フィルムとしては、透明性、耐熱性、寸法安定性、低吸湿性(低透湿性)、低複屈折性、及び光学的等方性等に優れるシクロオレフィンポリマー系フィルムを用いる。具体的には、シクロオレフィン類単位がポリマー骨格中に交互に又はランダムに重合し分子構造中に脂環構造を有するものであり、ノルボルネン系化合物、単環の環状オレフィン、環状共役ジエンおよびビニル脂環式炭化水素から選択される少なくとも一種の化合物を含んでなる共重合体であるシクロオレフィンコポリマーフィルム又はシクロオレフィンポリマーフィルムが対象となり何れかを適宜選択し使用できる。
また、本発明において、上記シクロオレフィンポリマー系フィルムの厚さは、用途に応じて適宜選択されるが、ディスプレイの薄膜化、軽量化に伴うハードコートフィルムの薄膜化の要請の観点から、50μm以下であることが好ましく、特に好ましくは30μm以下である。他方、機械的強度、ハンドリング性等の観点から、10μm以上であることが好ましい。
本発明において、上記シクロオレフィンポリマー系フィルムの片面に易接着層を介してハードコート層を形成する場合には、ハードコート層が形成されないシクロオレフィンポリマー系フィルムの裏面には、シクロオレフィンポリマー系フィルム巻取りの圧着防止やハードコート層を形成時のフィルムの走行性向上を目的に、シクロオレフィンポリマー系フィルム製膜時に、共押し出し法でシクロオレフィンポリマー系フィルムとの離型性に優れるポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、或いはポリエステル樹脂を保護層として積層したフィルムとしてもよい。また、裏面に弱粘着層が形成されているポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、或いはポリエステル樹脂等の保護フィルムを貼着したものを用いることも可能である。
上記シクロオレフィンポリマー系フィルムとしては、例えば、市販されているゼオノア(商品名:日本ゼオン株式会社製)、オプティカ(商品名:三井化学株式会社製)、アートン(商品名:JSR株式会社製)、コゼック(商品名:倉敷紡績株式会社製)等が挙げられる。
[易接着層]
次に、上記ハードコートフィルムの易接着層について説明する。
本発明のハードコートフィルムにおいては、上記易接着層は、無機微粒子を含有する紫外線硬化型樹脂からなる。
本発明において、上記易接着層に使用される樹脂は、紫外線硬化型樹脂であり、紫外線(以下、「UV」と略記する。)を照射することによって硬化する透明な樹脂であれば、特に限定されるものではないが、例えば、基本的な骨格がアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルの重合体から成るアクリル系樹脂、イソシアネート基とヒドロキシ基を反応させたウレタン結合とアクリル基を有するウレタンアクリレート樹脂等を好ましく用いることができる。易接着層が3次元的な架橋構造を形成するためには、例えば分子内に複数個の(メタ)アクリロイルオキシ基等の官能基を有するUVにて硬化可能な多官能アクリレートからなるものが好ましい。分子内に複数個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有するUV硬化可能な多官能アクリレートの具体例としては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエトキシトリアクリレート、グリセリンプロポキシトリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート等を挙げることができる。なお、多官能アクリレートは単独で使用するだけでなく、2種以上の複数を混合し使用してもよい。
上記易接着層のバインダー樹脂として紫外線硬化型樹脂を使用することにより、易接着層形成用塗工液(以下、「易接着層用塗料」とも呼ぶ。)に炭化水素系溶剤以外の溶剤を用いることができる。そのため、トルエン等の炭化水素系溶剤に対する耐溶剤性の低いシクロオレフィンポリマー系フィルム基材上へ上記易接着層用塗料を塗布しても、シクロオレフィンポリマーフィルム基材のケミカルクラックの発生を防止することができる。また、上記易接着層のバインダー樹脂として紫外線硬化型樹脂を使用することにより、硬化させた易接着層は、トルエン等の炭化水素系溶剤に対する耐溶剤性が良好であるため、易接着層上に塗布するハードコート層形成用塗工液(以下、「ハードコート用塗料」とも呼ぶ。)の溶剤にトルエン等の炭化水素系溶剤を用いることができ、塗料設計上有利である。
また、上記易接着層に使用する紫外線硬化型樹脂は、重量平均分子量が500~3600の範囲内であるモノマーあるいはオリゴマーあるいはポリマーを用いることが好ましく、重量平均分子量500~3000の範囲のものがより好ましく、重量平均分子量500~2400がさらに好ましい。重量平均分子量が500未満であると、UV照射により硬化した際の硬化収縮が大きく、ハードコートフィルムがハードコート層面側に反りかえる現象(カール)が大きくなり、その後の加工工程を経るに不具合が生じ、加工適性が悪い。また、重量平均分子量が3600を超えると、易接着層の硬度が不足することや、易接着層の炭化水素系溶剤に対する耐溶剤性が得られ難くなるため適さない。
また、上記易接着層に含まれる樹脂としては、上述の紫外線硬化型樹脂の他に、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエステル、アクリル、スチレン-アクリル、繊維素等の熱可塑性樹脂や、フェノール樹脂、ウレア樹脂、不飽和ポリエステル、エポキシ、珪素樹脂等の熱硬化性樹脂を本発明の効果を損なわない範囲内で配合してもよい。
本発明においては、上記易接着層は無機微粒子を含有する。易接着層に無機微粒子を含有することにより、シクロオレフィンポリマー系フィルム基材と易接着層との密着性(初期密着性及び耐光密着性)を向上させることができ、且つ、易接着層とハードコート層との密着性(初期密着性及び耐光密着性)を向上させることができる。易接着層に無機微粒子を含有することにより、易接着層に表面凹凸を形成し、基材フィルム及びハードコート層との接触界面が大きくなり(易接着層の表面積の増大)、更に、易接着層の表面凹凸の中にハードコート層が入り込み固まってクサビのような働き(投錨力)も作用し、密着性を向上させる効果が発生する。つまり、易接着層最表層の表面凹凸状態を、基材フィルム及びハードコート層との密着性が最適な範囲に調整することができる。
無機微粒子としては、シリカ、アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化セリウム等の微粒子を例示することができる。粒子径としては、例えば、平均粒子径が5nm~300nmの微粒子の使用が好ましい。平均粒子径が5nm未満であると、上述の密着性の向上効果が十分に得られない。一方、平均粒子径が300nmを超えると、易接着層の透明性が低下するおそれがある。
本発明において、上記無機微粒子の配合量は、易接着層の紫外線硬化型樹脂100質量部に対して5~40質量部であることが好ましい。無機微粒子の配合量が5質量部未満であると、上述の密着性の向上効果が十分に得られない。一方、配合量が40質量部を超えると、易接着層の透明性が低下する。
上記易接着層を形成するための易接着層用塗料には、光重合開始剤を含む。そのような光重合開始剤としては、市販のIRGACURE 651やIRGACURE 184(いずれも商品名:BASF社製)などのアセトフェノン類、また、IRGACURE 500(商品名:BASF社製)などのベンゾフェノン類を使用できる。
また、上記易接着層には、表面特性(表面自由エネルギー、水接触角など)の調整や、塗工性の改善を目的にレベリング剤の配合が可能であり、例えばフッ素系、アクリル系、シロキサン系、及びそれらの付加物或いは混合物などの公知のレベリング剤を使用可能である。配合量は、例えば表面特性の調整や塗工性に応じて適宜決定される。
また、上記易接着層に添加するその他の添加剤として、本発明の効果を損なわない範囲で、消泡剤、防汚剤、酸化防止剤、帯電防止剤、光安定剤等を必要に応じて配合してもよい。
本発明における上記易接着層の厚み(塗膜厚み)は、0.1μm~2.0μmの範囲が好適である。易接着層の厚みが0.1μm未満であると、上述の密着性の向上効果が十分に得られないことや、易接着層の炭化水素系溶剤に対する耐溶剤性が得られ難くなる。一方、ハードコートフィルムの薄膜化の観点から、易接着層の厚みは2.0μm以下であることが望ましい。
上記易接着層は、上述の電離放射線硬化型樹脂の他に、上記無機微粒子、光重合開始剤、必要に応じて、レベリング剤、その他の添加剤等を適当な溶剤に溶解、分散した塗料(易接着層用塗料)を上記シクロオレフィンポリマー系フィルム(基材フィルム)上に塗工、乾燥した後、UVを照射して硬化させることにより形成される。この場合の溶剤としては、含有される上記樹脂等の溶解性に応じて適宜選択でき、少なくとも固形分(樹脂、光重合開始剤、その他添加剤等)を均一に溶解或いは分散できる溶剤であること、及び塗工時の作業性、乾燥性の観点から、たとえば沸点が50℃~120℃の有機溶剤の使用が好ましい。そのような有機溶剤としては、例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、乳酸メチル等のエステル系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n-プロピルアルコール、ブタノール系等のアルコール系溶剤等を単独或いは適宜数種類組み合わせて使用することができる。前述したように、上記易接着層のバインダー樹脂として紫外線硬化型樹脂を使用することにより、易接着層用塗料溶剤として炭化水素系溶剤以外の溶剤を用いることができる。これにより、トルエン等の炭化水素系溶剤に対する耐溶剤性の低いシクロオレフィンポリマー系フィルム基材上へ上記易接着層用塗料を塗布しても、シクロオレフィンポリマーフィルム基材のケミカルクラックの発生を防止することができる。
上記の易接着層用塗料を基材フィルム上に塗工する方法としては、グラビア塗工、マイクログラビア塗工、ファウンテンバー塗工、スライドダイ塗工、スロットダイ塗工、スクリーン印刷法、スプレーコート法等の公知の塗工方式で塗工することができる。シクロオレフィンポリマー系フィルム上に塗工された塗料は、乾燥条件(乾燥炉内温度、炉内風速、乾燥時間など)を適宜調節しながら、通常50~120℃程度の温度で乾燥し溶剤を除去し、塗膜を形成させる。
また、上記易接着層塗膜形成後の紫外線(UV)の照射量は、易接着層に適度なハード性を持たせるに必要な照射量であればよく、紫外線硬化型樹脂の種類等に応じて適宜設定することができる。
紫外線照射量としては、例えば、積算光量が50~300mJ/cmの設定が好ましい。積算光量が50mJ/cm未満であると、シクロオレフィンポリマー系フィルム基材と易接着層との密着性が十分に得られない。一方、積算光量が300mJ/cmを超えると、シクロオレフィンポリマー系フィルム基材に変形が生じ、外観を損なうおそれがある。
また、本発明においては、さらに、上記易接着層表面における表面自由エネルギーが、22mN/m以上であることが好ましい。
ここで、上記の表面自由エネルギーとは、「表面の単位面積が持つ自由エネルギー」として定義され、易接着層表面が層内部(バルク)に比べて過剰に持つエネルギーのことである。固体の表面自由エネルギーが大きいほど、気体や微粒子は吸着されやすく、液体は濡れやすく、他の固体と付着しやすくなる。
この表面自由エネルギーは接触角計などを用い、水とヘキサデカンでの接触角をKaelble-Uy法にて解析することによって測定することができる。上記易接着層の表面自由エネルギーは、具体的には、協和界面科学株式会社製の全自動接触角計DM-701を用いて、易接着層表面に水(純水)を1μL滴下し、30秒後の接触角を測定し、更に、易接着層表面にn-ヘキサデカンを1μL滴下し、30秒後測定し、得られた水の接触角、及びn-ヘキサデカンの接触角を用いて、Kaelble-Uyの方法によって算出した値である。
易接着層の表面自由エネルギーの値は、ハードコート層の樹脂との付着性の指標を示すものであり、本発明において、この表面自由エネルギーが22mN/m以上であることにより、ハードコート層樹脂の分子と易接着層の分子との分子間力が大きくなるため、ハードコート層の密着性向上に寄与する。この表面自由エネルギーが22mN/m未満であると、ハードコート層との密着性が劣化する問題が生じたり、ハードコート層の塗工時にハジキ欠陥が発生することがある。
本発明において、上記易接着層の表面自由エネルギーは、25mN/m以上であることが特に好ましい。
また、上記易接着層の表面自由エネルギーが大きすぎても、汚れが付着しやすくなり異物混入を招いたり、耐擦傷性が低下する問題が生じるので、表面自由エネルギーの上限値としては、40mN/m以下であることが好ましく、38mN/m以下であることがさらに好ましく、35mN/m以下がより好ましい。
なお、易接着層の表面自由エネルギーは、たとえば、易接着層へのレベリング剤の添加(レベリング剤の種類や添加量等)等によって調整することが可能である。
また、本発明においては、さらに、上記易接着層表面の水の接触角が、90度以下であることが好ましい。
上記易接着層表面の水の接触角は、協和界面科学株式会社製の全自動接触角計DM-701を用いて、易接着層表面に水(純水)を1μL滴下し、30秒後の接触角を測定することにより得られる。
易接着層表面の水の接触角の値は、ハードコート層に使用している樹脂との付着性を示すひとつの指標であるが、本発明において、この易接着層表面の水の接触角が90度以下であることにより、ハードコート層樹脂の分子と易接着層の分子との分子間力が大きくなるため、その結果ハードコート層の密着性向上に寄与する。他方、この接触角が90度よりも大きいと、ハードコート層との密着性が劣化する問題が生じたり、ハードコート層の塗工時にハジキ欠陥が発生することがある。
本発明において、上記易接着層表面の水の接触角は、85度以下であることが特に好ましい。
なお、この水接触角が低すぎると、易接着層の耐擦傷性に劣る傾向があり、50度以上であることが望ましい。
なお、易接着層表面の水の接触角は、たとえば、易接着層へのレベリング剤の添加(レベリング剤の種類や添加量等)等によって調整することが可能である。
[ハードコート層]
次に、上記ハードコートフィルムのハードコート層について説明する。
本発明において、上記ハードコート層は、少なくとも紫外線硬化型樹脂と紫外線吸収剤及び色素を含有する。
本発明において、上記ハードコート層に含まれる樹脂としては、特にハードコート層の表面硬度(鉛筆硬度、耐擦傷性)を付与し、また、紫外線の露光量によって架橋度合を調節することが可能であり、ハードコート層の表面硬度の調節が可能になるという点で紫外線硬化型樹脂を用いることが好ましい。
本発明に用いる紫外線硬化型樹脂は、紫外線(UV)を照射することによって硬化する透明な樹脂であれば、特に限定されるものではないが、塗膜硬度及びハードコート層が3次元的な架橋構造を形成するために1分子内に3個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有するUVにて硬化可能な多官能アクリレートからなるものが好ましい。分子内に3個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有するUV硬化可能な多官能アクリレートの具体例としては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエトキシトリアクリレート、グリセリンプロポキシトリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート等を挙げることができる。なお、多官能アクリレートは単独で使用するだけでなく、2種以上の複数を混合し使用してもよい。
さらに、上記ハードコート層に用いる紫外線硬化型樹脂は、重量平均分子量が500~3600の範囲内であるモノマーあるいはオリゴマーあるいはポリマーを用いることが好ましく、重量平均分子量500~3000の範囲のものがより好ましく、重量平均分子量500~2400がさらに好ましい。重量平均分子量が500未満であると、UV照射により硬化した際の硬化収縮が大きく、ハードコートフィルムがハードコート層面側に反りかえる現象(カール)が大きくなり、その後の加工工程を経るに不具合が生じ、加工適性が悪い。また、重量平均分子量が3600を超えると、ハードコート層の柔軟性が高まるが、硬度が不足するため適さない。
また、上記ハードコート層に用いる紫外線硬化型樹脂は、重量平均分子量が1500未満である場合は、1分子中の官能基数は3個以上10個未満であることが望ましい。また、上記紫外線硬化型樹脂の重量平均分子量が1500以上である場合は、1分子中の官能基数は3個以上20個以下であることが望ましい。上記範囲内であれば、カールが抑制でき、適切な加工適性を維持できる。
また、上記ハードコート層に含まれる樹脂としては、上述の紫外線硬化型樹脂の他に、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエステル、アクリル、スチレン-アクリル、繊維素等の熱可塑性樹脂や、フェノール樹脂、ウレア樹脂、不飽和ポリエステル、エポキシ、珪素樹脂等の熱硬化性樹脂をハードコート層の硬度、耐擦傷性を損なわない範囲内で配合してもよい。
本発明においては、上記ハードコート層は、上記紫外線硬化型樹脂に加えて、紫外線吸収剤及び色素を含有する。
本発明に使用する紫外線吸収剤としては、とくに最大吸収波長(λmax)が350nm~380nmの範囲である紫外線吸収剤が好適である。
本発明においては、例えば、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤等を用いることが好ましく、これらベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤およびヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤を併用することが特に好ましい。
また、本発明に使用する色素としては、とくに最大吸収波長(λmax)が395nm~415nmの範囲である色素が好適である。
本発明においては、例えば、上記色素がシアニン色素であることが好ましい。
本発明のハードコートフィルムは、ハードコート層が上述の紫外線吸収剤および色素を含有することにより、分光特性(350nm~450nmの各波長における光線低下率、耐光性試験後の光線透過率の変化率)が本発明の範囲を満たすことが可能となる。
本発明において、上記紫外線吸収剤の配合量は、ハードコート層の紫外線硬化型樹脂100質量部に対して1~30質量部であることが好ましい。紫外線吸収剤の配合量が1質量部未満であると、本発明の分光特性を十分に満たすことができない。一方、配合量が30質量部を超えると、黄色味の指標であるb*値が本発明の範囲を満たすことが困難であり、かつハードコート層の硬度や密着性が不足するため適さない。
また、上記色素の配合量は、ハードコート層の紫外線硬化型樹脂100質量部に対して0.1~10質量部であることが好ましい。紫外線吸収剤の配合量が0.1質量部未満であると、本発明の分光特性を十分に満たすことができない。一方、配合量が10質量部を超えると、黄色味の指標であるb*値が本発明の範囲を満たすことが困難であり、かつハードコート層の硬度や密着性が不足するため適さない。
また、上記ハードコート層に無機酸化物微粒子を含有させ、表面硬度(耐擦傷性)の更なる向上を図ることも可能である。この場合、無機酸化物微粒子の平均粒子径は5~50nmの範囲であることが好ましく、更に好ましくは平均粒子径10~40nmの範囲である。平均粒子径が5nm未満であると、十分な表面硬度を得ることが困難である。一方、平均粒子径が50nmを超えると、ハードコート層の光沢、及び透明性が低下し易く、また、可撓性も低下するおそれがある。
本発明において、上記無機酸化物微粒子としては、例えばアルミナやシリカなどを挙げることができる。これらの中でも、アルミニウムを主成分とするアルミナは高硬度を有するため、シリカよりも少ない添加量で効果を得られることから特に好適である。
本発明において、無機酸化物微粒子の含有量は、ハードコート層の紫外線硬化型樹脂100質量部に対して0.1~10.0質量部であることが好ましい。無機酸化物微粒子の含有量が0.1質量部未満であると、表面硬度(耐擦傷性)の向上効果が得られ難い。一方、含有量が10.0質量部を超えると、ヘイズが上昇するため好ましくない。
上記ハードコート層を形成するためのハードコート用塗料には、光重合開始剤を含むことができる。そのような光重合開始剤としては、市販のIRGACURE 651やIRGACURE 184(いずれも商品名:BASF社製)などのアセトフェノン類、また、IRGACURE 500(商品名:BASF社製)などのベンゾフェノン類を使用できる。
上記ハードコート層には、塗工性の改善を目的にレベリング剤の使用が可能であり、たとえばフッ素系、アクリル系、シロキサン系、及びそれらの付加物或いは混合物などの公知のレベリング剤を使用可能である。配合量は、ハードコート層の樹脂の固形分100質量部に対し0.03~3.0質量部の範囲での配合が可能である。また、タッチパネル用途等において、タッチパネル端末のカバーガラス(CG)、透明導電部材(TSP)、液晶モジュール(LCM)等との接着を目的に光学透明粘着剤OCRを用いた対接着性が要求される場合には、表面自由エネルギーの高い(凡そ30mN/m以上)アクリル系レベリング剤やフッ素系のレベリング剤の使用が好ましい。
上記ハードコート層に添加するその他の添加剤として、本発明の効果を損なわない範囲で、消泡剤、表面張力調整剤、防汚剤、酸化防止剤、帯電防止剤、光安定剤等を必要に応じて配合してもよい。
上記ハードコート層は、上述の紫外線硬化型樹脂の他に、上述の紫外線吸収剤および色素、光重合開始剤、その他の添加剤等を適当な溶媒に溶解、分散したハードコート用塗料を、上記易接着層上に塗工、乾燥した後、UVを照射して硬化させることにより形成される。溶媒としては、配合される上記樹脂の溶解性に応じて適宜選択でき、少なくとも固形分(樹脂、紫外線吸収剤、色素、光重合開始剤、その他添加剤等)を均一に溶解あるいは分散できる溶媒であればよい。そのような溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、n-ヘプタンなどの芳香族系溶剤、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等の脂肪族系溶剤、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、乳酸メチル等のエステル系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n-プロピルアルコール系等のアルコール系溶剤等の公知の有機溶媒を単独或いは適宜数種類組み合わせて使用することもできる。
本発明によれば、上記易接着層の炭化水素系溶剤に対する耐溶剤性が良好であるため、上記易接着層上に、トルエン等の炭化水素系溶剤を含有するハードコート用塗料を直接塗工した場合にも、良好な塗工外観を得ることができる。
上記ハードコート層を形成するハードコート用塗料の塗工方法については、特に限定はないが、グラビア塗工、マイクログラビア塗工、ファウンテンバー塗工、スライドダイ塗工、スロットダイ塗工、スクリーン印刷法、スプレーコート法等の公知の塗工方式で塗設した後、通常50~120℃程度の温度で乾燥する。
上記ハードコート層塗膜形成後の紫外線(UV)の照射量は、ハードコート層に十分なハード性を持たせるに必要な照射量であればよく、紫外線硬化型樹脂の種類等に応じて適宜設定することができる。
上記ハードコート層の厚さ(塗膜厚さ)は、本発明においては、例えば1.0μm~10.0μmの範囲であることが好ましく、更に好ましくは1.5μm~5.0μmの範囲である.塗膜厚さが1.0μm未満では、必要なハード性(例えば耐擦傷性)が低下するため好ましくない。また、塗膜厚さが10.0μmを超えた場合は、カールが強く発生しやすく製造工程などで取扱い性が低下するため、またハードコートフィルムの薄膜化の観点から好ましくない。
上述したように、本発明のハードコートフィルムは、厚さ50μm以下のシクロオレフィンポリマー系フィルムの少なくとも片面に、無機微粒子を含有する紫外線硬化型樹脂からなる易接着層を介し、紫外線硬化型樹脂と紫外線吸収剤及び色素を含有するハードコート層が積層されてなる。
そして、本発明のハードコートフィルムは、さらに下記条件(A)~(D)を満たすことを特徴とするものである。
(A)前記易接着層の厚みが0.1~2.0μmの範囲である。
(B)前記ハードコート層の厚みが1.0~10.0μmの範囲である。
(C)前記ハードコートフィルムの、JIS-K5600-5-6のクロスカット法により測定される前記ハードコート層および前記易接着層の残存率がいずれも100%である。
(D)前記ハードコートフィルムに対し、温度63℃、相対湿度50%の環境下で、放射照度500W/mとし、紫外線を100時間放射(耐光性試験)した後に、JIS-K5600-5-6のクロスカット法により測定される前記ハードコート層および前記易接着層の残存率がいずれも100%である。
上記条件(A)及び(B)については、前述したとおりである。
また、本発明のハードコートフィルムは、上記条件(C)及び(D)を満たしている。これにより、シクロオレフィンポリマー系フィルムを基材として用い、このような極性基が少なく密着性に劣る基材に対しても当該基材フィルム上に設ける易接着層及びハードコート層との密着性(初期密着性及び耐光密着性)に優れたハードコートフィルムを得ることができる。なお、上記のJIS-K5600-5-6のクロスカット法による密着性試験および上記の耐光性試験のさらに詳細は、後述の実施例の記載において説明する。
また、本発明のハードコートフィルムは、さらに下記条件(E)を満たし、且つ各波長における光線低下率(%)が下記条件(F)~(P)を満たすことを特徴とするものである。
(E)b*値が7.0以下である。
(F)350nm波長における光線低下率が95.0%以上である。
(G)360nm波長における光線低下率が95.0%以上である。
(H)370nm波長における光線低下率が95.0%以上である。
(I)380nm波長における光線低下率が95.0%以上である。
(J)390nm波長における光線低下率が95.0%以上である。
(K)400nm波長における光線低下率が95.0%以上である。
(L)410nm波長における光線低下率が95.0%以上である。
(M)420nm波長における光線低下率が75.0%以下である。
(N)430nm波長における光線低下率が30.0%以下である。
(O)440nm波長における光線低下率が7.0%以下である。
(P)450nm波長における光線低下率が2.0%以下である。
ここで、各波長における光線低下率は下記式1により算出される。
式1)各波長における光線低下率(%)=(当該波長における前記シクロオレフィンポリマー系フィルム単体の透過率-当該波長における前記ハードコートフィルムの透過率)/当該波長における前記シクロオレフィンポリマー系フィルム単体の透過率
また、上記条件(E)に規定されるb*値とは、貴色味の指標であり、数値が大きいほど貴色味が強いことを示す。
なお、上記のb*値および各波長における光線透過率の具体的な測定方法については、後述の実施例の記載において説明する。
本発明のハードコートフィルムは、前述の紫外線吸収剤および色素を含有する紫外線硬化型樹脂からなるハードコート層を設け、本発明の光学特性、すなわち上記条件(E)~(P)を満たすハードコートフィルムである。これにより、本発明のハードコートフィルムは、黄色味の指標であるb*値を抑え、有機ELディスプレイの表示の色に悪影響を与えることなく、いくつかのポリマーの劣化や色素の退色や変色等のダメージを与える350nm~400nmの波長における光線低下率が95%以上であることにより、いくつかのポリマーの劣化や色素の退色や変色等のダメージを抑制できる。さらに、近年の有機ELディスプレイの発光素子の耐久性(耐光性)向上を目的に、発光素子の保護のために390nm~410nmの光線透過率を十分に低下させることが求められているが、本発明のハードコートフィルムは、390nm~410nmの波長における光線低下率が95%以上であることにより、近年の有機ELディスプレイの発光素子の耐久性(耐光性)を向上させることができる。一方で、可視光領域の420nm~450nmの波長は、有機ELディスプレイの表示の輝度を確保するために光線低下率をできるだけ小さくすることが求められるが、本発明のハードコートフィルムは、420nm~450nmの波長における光線低下率を抑えることが可能となり、有機ELディスプレイの表示の輝度に悪影響を及ぼさない。
また、本発明のハードコートフィルムは、さらに、ハードコートフィルムに対し、温度63℃、相対湿度50%の環境下で、放射照度500W/mとし、紫外線を100時間放射(耐光性試験)した後に、各波長における光線透過率の変化率(Δ%)の絶対値が下記条件(Q)~(AA)を満たすことを特徴とするものである。
(Q)350nm波長における光線透過率の変化率の絶対値が1.0%以下である。
(R)360nm波長における光線透過率の変化率の絶対値が1.0%以下である。
(S)370nm波長における光線透過率の変化率の絶対値が1.0%以下である。
(T)380nm波長における光線透過率の変化率の絶対値が1.0%以下である。
(U)390nm波長における光線透過率の変化率の絶対値が5.0%以下である。
(V)400nm波長における光線透過率の変化率の絶対値が10.0%以下である。
(W)410nm波長における光線透過率の変化率の絶対値が30.0%以下である。
(X)420nm波長における光線透過率の変化率の絶対値が30.0%以下である。
(Y)430nm波長における光線透過率の変化率の絶対値が10.0%以下である。
(Z)440nm波長における光線透過率の変化率の絶対値が5.0%以下である。
(AA)450nm波長における光線透過率の変化率の絶対値が5.0%以下である。
ここで、各波長における光線透過率の変化率(Δ%)は下記式2により算出される。
式2)各波長における光線透過率の変化率(Δ%)=前記ハードコートフィルムの耐光性試験後の当該波長における透過率-前記ハードコートフィルムの耐光性試験前の当該波長における透過率
本発明のハードコートフィルムは、前述の紫外線吸収剤および色素を含有する紫外線硬化型樹脂からなるハードコート層を設け、耐光性試験後も本発明の光学特性、すなわち上記条件(Q)~(AA)を満たすハードコートフィルムである。
上述した各波長の透過率は、その目的から、いくつかのポリマーの劣化や色素の退色や変色等のダメージを与える350nm~400nmの波長、および近年の有機ELディスプレイの発光素子を保護に寄与する390nm~410nmの波長を 耐光試験後もその性能を維持することが必要となるが、本発明のハードコートフィルムは、350nm~400nmの波長、および390nm~410nmの波長における光線透過率の変化率を抑えることができるので、有機ELディスプレイの表示の劣化を抑制することができる。また、可視光領域の420nm~450nmの波長においても、耐光試験後もその性能を維持することが必要となるが、本発明のハードコートフィルムは、光線透過率の変化率を抑えることができ、有機ELディスプレイの表示の輝度を維持することができる。
以上詳細に説明したように、本発明によれば、シクロオレフィンポリマー系フィルムを基材として用い、このような極性基が少なく密着性に劣る基材に対しても当該基材フィルム上に設ける易接着層及びハードコート層との密着性(初期密着性及び耐光密着性)に優れたハードコートフィルムを得ることができる。また、本発明によれば、上記基材フィルム上に設ける易接着層の炭化水素系溶剤に対する耐溶剤性が良好であり、上記易接着層上に炭化水素系溶剤を含有するハードコート用塗料を直接塗工した場合も、良好な塗工外観を得ることができるハードコートフィルムを提供することができる。また、本発明によれば、有機ELディスプレイ表面の保護フィルムとして使用する場合、有機ELディスプレイの表示の色や輝度に悪影響を与えることなく、かつ有機ELディスプレイの発光素子の耐久性(耐光性)を向上させることができ、有機ELディスプレイの表示の劣化を抑制できるハードコートフィルムを提供することができる。特に、薄膜のシクロオレフィンポリマー系フィルムを基材として用いる場合に本発明のハードコートフィルムは好適である。
次に、実施例を挙げて本発明の実施の形態をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、下記の記載中、「部」は別途記載がない限り質量部を、「%」は別途記載がない限り質量%を表す。
(実施例1)
[易接着層形成用塗工液の調製]
本発明のシリカ微粒子(平均粒子径100nm)を含有するアクリレート系紫外線硬化型樹脂塗料(ルクシディアCH-C-1623(商品名);DIC(株)製)100部を、メチルエチルケトン/1-メトキシ-2-プロパノール=50/50(重量部)にて希釈し、固形分濃度10%の易接着層形成用塗工液(以下、「易接着層用塗料」と呼ぶ。)を調製した。
[ハードコート層形成用塗工液の調製]
本発明のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を含有するアクリレート系紫外線硬化型樹脂塗料(HFC-UVA-1(商品名);ハリマ化成(株)製。ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤の最大吸収波長;370nm)85部を主剤とし、イルガキュア184(光重合開始剤、BASF社製)3.5部、表面改質剤(フタージェント681;(株)ネオス製)を0.5部、本発明のヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤(Tinuvin477(商品名);BASFジャパン(株)製。最大吸収波長;356nm)10部、本発明のシアニン色素(NK-9994(商品名);(株)林原製。最大吸収波長;405nm)1.0部を配合し、トルエン/メチルエチルケトン/プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート=15/35/50(重量部)にて希釈して、最終固形分濃度30%のハードコート層形成用塗工液(以下、「ハードコート用塗料」と呼ぶ。)を調製した。
[ハードコートフィルムの作製]
シクロオレフィンポリマーフィルムとして厚さ26μmのゼオノアフィルムZD12(日本ゼオン(株)製)の片面に、上記の易接着層用塗料を、バーコーターを用いて塗工し、60℃の乾燥炉で1分間熱風乾燥させ乾燥固化し、塗膜厚み0.2μmの易接着層塗膜を形成した。これを、塗工面より60mmの高さにセットされたUV照射装置を用い、UV照射量50mJ/cmの紫外線照射により硬化させて易接着層を形成し、易接着層塗布フィルムを得た。
次に、この易接着層塗布フィルムの易接着層上に、上記のハードコート用塗料を、バーコーターを用いて塗工し、80℃の乾燥炉で1分間熱風乾燥させ、塗膜厚み4.5μmの塗工層を形成した。これを、塗工面より60mmの高さにセットされたUV照射装置を用い、UV照射量100mJ/cmの紫外線照射により硬化させ、本実施例1のハードコートフィルムを作製した。
(実施例2)
実施例1のシクロオレフィンポリマーフィルムを厚さ50μmのゼオノアフィルムZF16(日本ゼオン(株)製)とした以外は、実施例1と同様にして、実施例2のハードコートフィルムを作製した。
(実施例3)
実施例1のシクロオレフィンポリマーフィルムを厚さ13μmのゼオノアフィルムZF12(日本ゼオン(株)製)とした以外は、実施例1と同様にして、実施例3のハードコートフィルムを作製した。
(実施例4)
[易接着層用塗料の調製]
本発明のシリカ微粒子(平均粒子径100nm)を含有するアクリレート系紫外線硬化型樹脂塗料(ビームセットNOP-102(商品名);荒川化学工業(株)製)100部を、1-メトキシ-2-プロパノールにて希釈し、固形分濃度10%の易接着層用塗料を調製した。
[ハードコートフィルムの作製]
上記組成からなる易接着層用塗料を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例4のハードコートフィルムを作製した。
(実施例5)
[ハードコート用塗料の調製]
アクリレート系紫外線硬化型樹脂(NKエステル A-9550(商品名);新中村化学工業(株)製)75部を主剤とし、本発明のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(Tinuvin970(商品名);BASFジャパン(株)製。最大吸収波長;378nm)10部、イルガキュア184(光重合開始剤、BASF社製)3.5部、表面改質剤(フタージェント681;(株)ネオス製)を0.5部、本発明のヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤(Tinuvin477(商品名);BASFジャパン(株)製)10部、本発明のシアニン色素(NK-9994(商品名);(株)林原製)1.0部を配合し、トルエン/メチルエチルケトン/プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート=15/35/50(重量部)にて希釈して、最終固形分濃度30%のハードコート用塗料を調製した。
[ハードコートフィルムの作製]
上記組成からなるハードコート用塗料を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例5のハードコートフィルムを作製した。
(実施例6)
[ハードコート用塗料の調製]
アクリレート系紫外線硬化型樹脂(NKエステル A-9550(商品名);新中村化学工業(株)製)74部を主剤とし、本発明のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(アデカスタブ LA-29(商品名);(株)ADEKA製。最大吸収波長;350nm)10部、イルガキュア184(光重合開始剤、BASF社製)3.5部、表面改質剤(フタージェント681;(株)ネオス製)を0.5部、本発明のヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤(Tinuvin477(商品名);BASFジャパン(株)製)10部、本発明のシアニン色素(NK-9994(商品名);(株)林原製)2.0部を配合し、トルエン/メチルエチルケトン/プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート=15/35/50(重量部)にて希釈して、最終固形分濃度30%のハードコート用塗料を調製した。
[ハードコートフィルムの作製]
上記組成からなるハードコート用塗料を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例6のハードコートフィルムを作製した。
(実施例7)
実施例1におけるハードコート用塗料中の本発明のシアニン色素(NK-9994(商品名);(株)林原製)を、本発明のシアニン色素(NK-10490(商品名);(株)林原製。最大吸収波長;405nm)に変更し、シクロオレフィンフィルムとして厚さ22μmのゼオノアフィルムZD12(日本ゼオン(株)製)に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例7のハードコートフィルムを作製した。
(実施例8)
実施例1における易接着層の塗膜厚みを1.8μmに変更したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例8のハードコートフィルムを作製した。
(実施例9)
実施例1におけるハードコート層の塗膜厚みを8.0μmに変更したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例9のハードコートフィルムを作製した。
(比較例1)
[ハードコート用塗料の調製]
アクリレート系紫外線硬化型樹脂(NKエステル A-9550(商品名);新中村化学工業(株)製)96部を主剤とし、イルガキュア184(光重合開始剤、BASF社製)3.5部、表面改質剤(フタージェント681;(株)ネオス製)0.5部を配合し、トルエン/メチルエチルケトン/プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート=15/35/50(重量部)にて希釈して、最終固形分濃度30%のハードコート用塗料を調製した。
[ハードコートフィルムの作製]
上記組成からなるハードコート用塗料を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、比較例1のハードコートフィルムを作製した。
(比較例2)
[ハードコート用塗料の調製]
アクリレート系紫外線硬化型樹脂(NKエステル A-9550(商品名);新中村化学工業(株)製)75部を主剤とし、ジヒドロキシベンゾフェノン系紫外線吸収剤(Uvinul 3050(商品名);BASFジャパン(株)製。最大吸収波長;345nm)10部、イルガキュア184(光重合開始剤、BASF社製)3.5部、表面改質剤(フタージェント681;(株)ネオス製)を0.5部、ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤(Tinuvin477(商品名);BASFジャパン(株)製)10部、シアニン色素(NK-9994(商品名);(株)林原製)1.0部を配合し、トルエン/メチルエチルケトン/プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート=15/35/50(重量部)にて希釈して、最終固形分濃度30%のハードコート用塗料を調製した。
[ハードコートフィルムの作製]
上記組成からなるハードコート用塗料を用いたこと、実施例1のシクロオレフィンフィルムを厚さ50μmのゼオノアフィルムZF16(日本ゼオン(株)製)とした以外は、実施例1と同様にして、比較例2のハードコートフィルムを作製した。
(比較例3)
[ハードコート用塗料の調製]
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を含有するアクリレート系紫外線硬化型樹脂塗料(HFC-UVA-1(商品名);ハリマ化成(株)製。ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤の最大吸収波長;370nm)80部を主剤とし、イルガキュア184(光重合開始剤、BASF社製)3.5部、表面改質剤(フタージェント681;(株)ネオス製)を0.5部、ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤(Tinuvin477(商品名);BASFジャパン(株)製。最大吸収波長;356nm)10部、メロシアニン色素(FDB-009(商品名);山田化学工業(株)製。最大吸収波長;402nm)6部を配合し、トルエン/メチルエチルケトン/プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート=15/35/50(重量部)にて希釈して、最終固形分濃度30%のハードコート用塗料を調製した。
[ハードコートフィルムの作製]
上記組成からなるハードコート用塗料を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、比較例3のハードコートフィルムを作製した。
(比較例4)
[易接着層用塗料の調製]
シリカ微粒子を含有しないアクリレート系紫外線硬化型樹脂塗料(ルクシディアEPS-1306(商品名);DIC(株)製)100部を、メチルエチルケトン/1-メトキシ-2-プロパノール=50/50(重量部)にて希釈し、固形分濃度10%の易接着層用塗料を調製した。
[ハードコートフィルムの作製]
上記組成からなる易接着層用塗料を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、比較例4のハードコートフィルムを作製した。
(比較例5)
[易接着層用塗料の調製]
熱可塑性樹脂であるポリオレフィン系樹脂(サーフレンP-1000(商品名);三菱化学(株)製)100部を酢酸ブチルにて希釈し、固形分濃度10%の易接着層用塗料を調製した。
[ハードコートフィルムの作製]
上記組成からなる易接着層用塗料を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、比較例5のハードコートフィルムを作製した。
<評価>
以上のようにして作製された実施例及び比較例の各ハードコートフィルムを次の項目について評価し、その結果を纏めて表1、表2及び表3に示した。
<塗膜の厚み>
易接着層およびハードコート層の塗膜の形成厚みは、Thin-Film Analyzer F20(商品名)(FILMETRICS社製)を用いて測定した。
<密着性(初期密着性)>
密着性は、JIS-K5600-5-6のクロスカット法に準じて碁盤目剥離試験により評価した。具体的には、実施例、比較例で作製した各ハードコートフィルムに対し、通常環境下、すなわち恒温恒湿環境下(25℃、50%RH)で、ハードコート層形成面に、カッターナイフを用いて、碁盤目状に1mm間隔で縦11本、横11本の切り込みを入れて合計100マスの正方形の升目を刻み、積水化学工業株式会社製の粘着テープNo.252をその上に貼り付け、ヘラを用いて均一に押し付け後、180度方向に剥離し、ハードコート層の残存数を残存率(%)とした。
なお、易接着層の初期密着性は、易接着層塗布フィルムについて上記剥離試験を行った。
<耐溶剤性>
耐溶剤性は、実施例、比較例で使用したシクロオレフィンポリマーフィルム単体、または、実施例、比較例で作製した各易接着層塗布フィルムについて、表面にトルエンを直径10mm程度になるように滴下し、3分間経過後、ガーゼで拭き取り、薬品滴下面の外観を目視で評価した。○評価品を耐溶剤性は良好とした。
○:薬品滴下面の外観変化なし
×:薬品滴下面の外観変化あり
<b*値>
b*値は、実施例、比較例で作製した各ハードコートフィルムについて、日立ハイテクノロジーズ社製分光光度計U-3310を用いて測定した。
<各波長における光線透過率>
ハードコートフィルムの各波長における光線透過率は、日立ハイテクノロジーズ社製分光光度計U-3310を用いて測定した。測定は、波長範囲250nm~800nm、スキャンスピード600nm/minで測定し、各波長の光線透過率を検出した後に、下記式1に示す「各波長における光線低下率(%)」を算出した。なお、当該波長におけるシクロオレフィンポリマーフィルム単体の透過率が0.0%の場合は、各波長における光線低下率を100%とした。
式1)各波長における光線低下率(%)=(当該波長におけるシクロオレフィンポリマーフィルム単体の透過率-当該波長におけるハードコートフィルムの透過率)/(当該波長におけるシクロオレフィンポリマーフィルム単体の透過率)
<耐光性試験>
実施例、比較例で作製した各ハードコートフィルムに対し、紫外線カーボンフェードメーターによる促進耐光性試験(JIS B 7751:2007に準拠し、下記条件で実施)を実施した。
光源:紫外線カーボンアークランプ
温度:63℃
相対湿度:50%
放射照度:500W/m
放射時間:100時間
降雨の周期及び時間:設定なし
<耐光性試験後の密着性>
耐光性試験後の密着性は、上記の密着性と同様の碁盤目試験法で実施し、ハードコート層の残存数を残存率(%)とした。
なお、易接着層の耐光性試験後の密着性は、易接着層上にハードコート層を設けた上記ハードコートフィルムの剥離試験によって、例えば易接着層のところで剥離が起こっている場合は易接着層の剥離と判断した。
<各波長における光線透過率の変化率>
耐光性試験後のハードコートフィルムの各波長における光線透過率の変化率は、上記の各波長における光線透過率と同様の分光光度計U-3310を用いて同様の条件で測定し、各波長の光線透過率を検出した後に、下記式2に示す「各波長における光線透過率の変化率(Δ%)」を算出した。なお、変化率がマイナスとなった場合は、絶対値として評価した。
式2)各波長における光線透過率の変化率(Δ%)=ハードコートフィルムの耐光性試験後の当該波長における透過率-ハードコートフィルムの耐光性試験前の当該波長における透過率
Figure 0007214824000001
Figure 0007214824000002
Figure 0007214824000003
上記表1の結果から明らかなように、シリカ微粒子を含有する紫外線硬化型樹脂からなる易接着層を用いた本発明実施例1~9、比較例1~3のハードコートフィルムは、初期密着性と耐光密着性(耐光性試験後の密着性)のいずれにも優れていた。シリカ微粒子を含有する紫外線硬化型樹脂からなる易接着層を用いることで、シクロオレフィンポリマーフィルム等の極性基が少なくハードコート層との密着性に劣る基材フィルムに対しても、密着性(初期密着性及び耐光密着性)に優れるハードコート層を形成することができる。すなわち、本発明によれば、シクロオレフィンポリマー系フィルムを基材として用い、このような極性基が少なく密着性に劣る基材に対しても当該基材フィルム上に設ける易接着層及びハードコート層との密着性(初期密着性及び耐光密着性)に優れたハードコートフィルムを得ることができる。
なお、表1中の比較例4では、易接着層残存率、耐光性試験後残存率、ハードコート層残存率、耐光性試験後残存率は、いずれも0%となっているが、これは易接着層のところで剥離が起きていることを意味している。易接着層のところで剥離が起こると、その上のハードコート層も一緒に剥離されてしまう。
また、上記表1には、シクロオレフィンポリマーフィルムと易接着層の耐溶剤性の評価結果を記載した。本発明の紫外線吸収剤および色素を含有する紫外線硬化型樹脂からなるハードコート層に用いる紫外線吸収剤および色素はトルエン等の炭化水素系溶剤を良溶媒としているため、ハードコート用塗料にはトルエン等の炭化水素系溶剤を配合する必要があるが、本発明に用いるシクロオレフィンポリマーフィルムはトルエン等の炭化水素系溶剤に対する耐溶剤性が悪く、容易に溶解してしまうため、上記ハードコート用塗料を直接塗工した場合、ケミカルクラックが発生し、良好な塗工外観を得ることが困難である。そこで、本発明の無機微粒子(実施例ではシリカ微粒子)を含有する紫外線硬化型樹脂からなる易接着層は、トルエン等の炭化水素系溶剤に対する耐溶剤性が良好であり、トルエン等の炭化水素系溶剤を含有するハードコート用塗料を直接塗工した場合も、良好な塗工外観を得ることができるようになる。ただし、熱可塑性樹脂からなる易接着層を用いた比較例5の場合は、本発明の無機微粒子を含有する紫外線硬化型樹脂からなる易接着層とは異なり、トルエン等の炭化水素系溶剤に対する耐溶剤性を向上させることができないため、トルエン等の炭化水素系溶剤を含有するハードコート用塗料を塗工した場合に、良好な塗工外観を得ることができず、ハードコートフィルムの作製が困難であった。
また、上記表2の結果から明らかなように、本発明のハードコートフィルムは、前述の紫外線吸収剤および色素を含有する紫外線硬化型樹脂からなるハードコート層を設け、本発明の所定の光学特性、すなわち前述の条件(E)~(P)を満たすハードコートフィルムである。これにより、本発明のハードコートフィルムは、黄色味の指標であるb*値を抑え、有機ELディスプレイの表示の色に悪影響を与えることなく、いくつかのポリマーの劣化や色素の退色や変色等のダメージを与える350nm~400nmの波長における光線低下率を95%以上得ることができ、いくつかのポリマーの劣化や色素の退色や変色等のダメージを抑制できる。さらに、近年の有機ELディスプレイの発光素子の耐久性(耐光性)向上を目的に、発光素子の保護のために390nm~410nmの光線透過率を十分に低下させることが求められているが、本発明のハードコートフィルムは、390nm~410nmの波長における光線低下率を95%以上得ることが可能となり、近年の有機ELディスプレイの発光素子の耐久性(耐光性)を向上させることができる。一方で、可視光領域の420nm~450nmの波長は、有機ELディスプレイの表示の輝度を確保するために光線低下率をできるだけ小さくすることが求められるが、本発明のハードコートフィルムは、420nm~450nmの波長における光線低下率を抑えることが可能となり、有機ELディスプレイの表示の輝度に悪影響を及ぼさない。
また、上記表3の結果から明らかなように、本発明のハードコートフィルムは、前述の紫外線吸収剤および色素を含有する紫外線硬化型樹脂からなるハードコート層を設け、耐光性試験後も本発明の光学特性、すなわち前述の条件(Q)~(AA)を満たすハードコートフィルムである。
上述した各波長の透過率は、その目的から、いくつかのポリマーの劣化や色素の退色や変色等のダメージを与える350nm~400nmの波長、および近年の有機ELディスプレイの発光素子を保護に寄与する390nm~410nmの波長を 耐光試験後もその性能を維持することが必要となるが、本発明のハードコートフィルムは、350nm~400nmの波長、および390nm~410nmの波長における光線透過率の変化率を抑えることができるので、有機ELディスプレイの表示の劣化を抑制することができる。また、可視光領域の420nm~450nmの波長においても、耐光試験後もその性能を維持することが必要となるが、本発明のハードコートフィルムは、光線透過率の変化率を抑えることができ、有機ELディスプレイの表示の輝度を維持することができる。
これに対し、紫外線吸収剤および色素をいずれも含有していない紫外線硬化型樹脂からなるハードコート層を用いた比較例1では、380nm~410nmの透過率を低下させることができないため、有機ELディスプレイの表示が劣化する問題がある。また、本発明で好ましく用いられる紫外線吸収剤とは異なる種類の紫外線吸収剤を用いた比較例2では、各波長における光線低下率が不十分で、かつ耐光性試験後の各波長における光線透過率の変化率が大きく、有機ELディスプレイの表示が劣化する問題及び、発光素子の耐久性(耐光性)向上を達成できない問題がある。さらに、本発明で好ましく用いられる色素とは異なる種類の色素を用いた比較例3では、各波長における光線低下率は問題ないものの、黄色味の指標であるb*値が高く、有機ELディスプレイの表示の色に悪影響を与える問題があること、かつ耐光性試験後の各波長における光線透過率の変化率が極めて大きく、有機ELディスプレイの発光素子の耐久性(耐光性)向上を達成できない問題がある。一方、本発明の無機微粒子を含有する紫外線硬化型樹脂からなる易接着層を用いていない(つまり無機微粒子を含有しない紫外線硬化型樹脂)比較例4では、基材フィルムとの密着性が劣り(上記表1参照)、紫外線吸収剤および色素を含有する紫外線硬化型樹脂からなるハードコート層が欠落して、有機ELディスプレイの保護を達成できない問題点がある。

Claims (3)

  1. 厚さ50μm以下のシクロオレフィンポリマー系フィルムの少なくとも片面に、無機微粒子を含有する紫外線硬化型樹脂からなる易接着層を介し、紫外線硬化型樹脂と紫外線吸収剤及び色素を含有するハードコート層が積層され、
    前記紫外線吸収剤がベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤およびヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤の併用からなり、
    前記色素がシアニン色素であり、
    前記ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤および前記ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤の併用からなる前記紫外線吸収剤の最大吸収波長(λmax)が350nm~380nmの範囲であり、かつ前記色素の最大吸収波長(λmax)が395nm~415nmの範囲であり、
    且つ下記条件(A)~(D)を満たすことを特徴とするハードコートフィルム。
    (A)前記易接着層の厚みが0.1~2.0μmの範囲である。
    (B)前記ハードコート層の厚みが1.0~10.0μmの範囲である。
    (C)前記ハードコートフィルムの、JIS-K5600-5-6のクロスカット法により測定される前記ハードコート層および前記易接着層の残存率がいずれも100%である。
    (D)前記ハードコートフィルムに対し、温度63℃、相対湿度50%の環境下で、放射照度500W/mとし、紫外線を100時間放射(耐光性試験)した後に、JIS-K5600-5-6のクロスカット法により測定される前記ハードコート層および前記易接着層の残存率がいずれも100%である。
  2. 前記ハードコートフィルムがさらに下記条件(E)を満たし、且つ下記式1により算出される各波長における光線低下率(%)が下記条件(F)~(P)を満たすことを特徴とする請求項1に記載のハードコートフィルム。
    (E)b*値が7.0以下である。
    式1)各波長における光線低下率(%)=(当該波長における前記シクロオレフィンポリマー系フィルム単体の透過率-当該波長における前記ハードコートフィルムの透過率)/当該波長における前記シクロオレフィンポリマー系フィルム単体の透過率
    (F)350nm波長における光線低下率が95.0%以上である。
    (G)360nm波長における光線低下率が95.0%以上である。
    (H)370nm波長における光線低下率が95.0%以上である。
    (I)380nm波長における光線低下率が95.0%以上である。
    (J)390nm波長における光線低下率が95.0%以上である。
    (K)400nm波長における光線低下率が95.0%以上である。
    (L)410nm波長における光線低下率が95.0%以上である。
    (M)420nm波長における光線低下率が75.0%以下である。
    (N)430nm波長における光線低下率が30.0%以下である。
    (O)440nm波長における光線低下率が7.0%以下である。
    (P)450nm波長における光線低下率が2.0%以下である。
  3. 前記ハードコートフィルムに対し、温度63℃、相対湿度50%の環境下で、放射照度500W/mとし、紫外線を100時間放射(耐光性試験)した後に、下記式2により算出される各波長における光線透過率の変化率(Δ%)の絶対値が下記条件(Q)~(AA)を満たすことを特徴とする請求項1又は2に記載のハードコートフィルム。
    式2)各波長における光線透過率の変化率(Δ%)=前記ハードコートフィルムの耐光性試験後の当該波長における透過率-前記ハードコートフィルムの耐光性試験前の当該波長における透過率
    (Q)350nm波長における光線透過率の変化率の絶対値が1.0%以下である。
    (R)360nm波長における光線透過率の変化率の絶対値が1.0%以下である。
    (S)370nm波長における光線透過率の変化率の絶対値が1.0%以下である。
    (T)380nm波長における光線透過率の変化率の絶対値が1.0%以下である。
    (U)390nm波長における光線透過率の変化率の絶対値が5.0%以下である。
    (V)400nm波長における光線透過率の変化率の絶対値が10.0%以下である。
    (W)410nm波長における光線透過率の変化率の絶対値が30.0%以下である。
    (X)420nm波長における光線透過率の変化率の絶対値が30.0%以下である。
    (Y)430nm波長における光線透過率の変化率の絶対値が10.0%以下である。
    (Z)440nm波長における光線透過率の変化率の絶対値が5.0%以下である。
    (AA)450nm波長における光線透過率の変化率の絶対値が5.0%以下である。
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