JP2002292568A - ブラスト装置、セラミック動圧軸受の製造方法 - Google Patents

ブラスト装置、セラミック動圧軸受の製造方法

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JP2002292568A
JP2002292568A JP2001098346A JP2001098346A JP2002292568A JP 2002292568 A JP2002292568 A JP 2002292568A JP 2001098346 A JP2001098346 A JP 2001098346A JP 2001098346 A JP2001098346 A JP 2001098346A JP 2002292568 A JP2002292568 A JP 2002292568A
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chamber
nozzle
holding
injection nozzle
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JP2001098346A
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Hiroyuki Izume
裕之 井爪
Naoki Imamura
直樹 今村
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Ibiden Co Ltd
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Ibiden Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐久性、加工精度、コスト性を向上させるこ
とにより、実用性に優れたブラスト装置を提供するこ
と。 【解決手段】 被加工物5は保持手段12により回転可
能に保持される。被加工物5は保持手段12を介して回
転駆動手段17により回転される。噴射ノズル23は被
加工物5の被加工面と対向配置される。相対位置変更手
段25,26は噴射ノズル23からの砥粒の噴射時に被
加工物5及び噴射ノズル23の相対位置を経時的に変更
させる。噴射ノズル23の先端部位はチャンバ31によ
り覆われている。チャンバ31内にて発生した粉塵は集
塵装置41により集められる。その結果、被加工物5の
被加工面に所望パターンの溝6が形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マスクレスで溝加
工を行うことが可能なブラスト装置、及びセラミック動
圧軸受の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】超高速回転体用の軸受として、回転時の
動圧を利用した気体軸受が知られている。例えば動圧式
ラジアル軸受は、略円柱状の中心部材とそれを取り囲む
包囲部材とによって構成されている。両者のうちの一方
のものは静止体の役割を果たし、他方のものは回転体の
役割を果たしている。静止体に対して回転体が回転駆動
されると、両者間に確保された環状クリアランス領域に
動圧が発生する結果、静止体に対して回転体が非接触に
てラジアル支持される。通常、動圧を確実に発生させる
とともに軸受の負荷荷重を高めるために、中心部材及び
包囲部材において対向する周面の一方にはヘリングボー
ン状の動圧発生溝が刻設される。しかし、包囲部材の内
周面に溝加工を施すのは困難であるため、通常は中心部
材の外周面に動圧発生溝が加工形成される。動圧式ラジ
アル軸受は、例えばレーザープリンタ用のポリゴンミラ
ーのような高速回転体に利用される。回転体の定常回転
時には、動圧の作用によって回転体及び静止体は互いに
非接触の状態となる。その反面、起動時や停止時には回
転体及び静止体の接触・摺動は避けられない。このた
め、回転体及び静止体自体には優れた耐摩耗性が要求さ
れる。ゆえに、これらの部材は、炭化珪素、ジルコニ
ア、アルミナ等のエンジニアリングセラミックスを用い
て構成されることが多い。
【0003】ここで、例えば動圧式ラジアル軸受の構成
要素である略円柱状の中心部材に対してヘリングボーン
動圧発生溝を加工形成する従来の方法を簡単に説明す
る。まず、エンジニアリングセラミックスからなる材料
に対する外径加工をあらかじめ行って、当該部材を略円
柱状の中心部材としておく。次に、前記中心部材の外周
面に所定のマスクを巻き付けて固定する。そして、マス
ク形成面全体に対してサンドブラストを行うことによ
り、開口部に対応している箇所に選択的に動圧発生溝を
形成する。最後に、マスクを剥がして中心部材の洗浄を
行い、完成品とする。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、マスクを用
いる従来方法では、マスクの巻き付け作業や剥離作業が
必須であったため、工数が多く、生産効率が悪かった。
また、マスクが消耗品であるためコスト高となる、加工
中にマスクが剥がれやすく高い加工精度が得られない、
溝深さ等のきめ細かい制御が困難である、等の欠点も指
摘されていた。
【0005】そこで本願発明者は、マスクの使用に起因
する上記の欠点を解消すべく、マスクレスでの溝加工に
適したサンドブラスト装置を特願2000−56528
において既に提案するに至っている。当該装置では、噴
射ノズルからの砥粒の噴射時に、被加工面と噴射ノズル
との相対位置を経時的に変化させながら所望パターンを
トレースすることで、所望パターンの溝が加工されるよ
うになっている。
【0006】しかしながら、乾式ブラスト装置である当
該装置では砥粒噴射により粉塵が発生することから、そ
の粉塵に起因して故障が起こったり、溝加工の精度に何
らかの悪影響を及ぼしたりする可能性があった。ゆえ
に、耐久性や加工精度の向上という観点から、未だ改良
の余地があった。また、当該装置では加工時に必要な砥
粒の量はそもそも少ないとは言うものの、加工により砥
粒が損失することは否めない事実であり、砥粒を補充す
るためにコストがかかっていた。ゆえに、コスト性のさ
らなる向上という観点からも、未だ改良の余地があっ
た。
【0007】本発明は上記の課題に鑑みてなされたもの
であり、その目的は、耐久性、加工精度、コスト性を向
上させることにより、実用性に優れたブラスト装置を提
供することにある。また、本発明の別の目的は、好適な
形状を有する動圧発生溝を備えたセラミック動圧軸受を
簡単にかつ低コストで製造できる方法を提供することに
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、請求項1に記載の発明では、被加工物を回転可能
に保持する保持手段と、前記保持手段を介して前記被加
工物を回転させる回転駆動手段と、前記被加工物の被加
工面と対向配置される噴射ノズルと、前記噴射ノズルか
らの砥粒の噴射時に前記被加工物及び前記噴射ノズルの
相対位置を経時的に変更させる相対位置変更手段とを備
え、前記被加工物の被加工面に所望パターンの溝を形成
可能なブラスト装置であって、少なくとも前記噴射ノズ
ルの先端部位を覆うチャンバと、前記チャンバ内にて発
生した粉塵を集める集塵装置とを備えることを特徴とす
るブラスト装置をその要旨とする。
【0009】請求項2に記載の発明では、被加工物を回
転可能に保持する保持手段と、前記保持手段を介して前
記被加工物を回転させる回転駆動手段と、前記被加工物
の被加工面と対向配置される噴射ノズルと、前記噴射ノ
ズルからの砥粒の噴射時に前記被加工物及び前記噴射ノ
ズルの相対位置を経時的に変更させる相対位置変更手段
とを備え、前記被加工物の被加工面に所望パターンの溝
を形成可能なブラスト装置であって、少なくとも前記噴
射ノズルの先端部位を覆うチャンバと、前記チャンバ内
にて放出された砥粒を溜めて集める砥粒回収手段と、前
記砥粒回収手段により集められた砥粒を再び前記噴射ノ
ズルに供給する砥粒循環装置とを備えることを特徴とす
るブラスト装置をその要旨とする。
【0010】請求項3に記載の発明では、被加工物を回
転可能に保持する保持手段と、前記保持手段を介して前
記被加工物を回転させる回転駆動手段と、前記被加工物
の被加工面と対向配置される噴射ノズルと、前記噴射ノ
ズルからの砥粒の噴射時に前記被加工物及び前記噴射ノ
ズルの相対位置を経時的に変更させる相対位置変更手段
とを備え、前記被加工物の被加工面に所望パターンの溝
を形成可能なブラスト装置であって、前記保持手段を、
鉛直方向に離間配置されかつ前記被加工物を縦置きの状
態で把持する一対の保持部材によって構成し、前記一対
の保持部材のうち上部保持部材をモータに連結し、下部
保持部材を前記モータの回転に追従して回転するフリー
ローラに固定したことを特徴とするブラスト装置をその
要旨とする。
【0011】請求項4に記載の発明は、請求項3におい
て、前記保持手段は、前記上部保持部材を鉛直方向に沿
って移動させるアクチュエータを備えるとした。請求項
5に記載の発明は、請求項4において、少なくとも前記
噴射ノズルの先端部位を覆うチャンバを設けるととも
に、前記モータ及び前記アクチュエータを前記チャンバ
の上部外側に配置した。
【0012】請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5
のいずれか1項において、前記保持手段及び/または前
記回転駆動手段を構成する部材における摺動部分を覆う
防塵構造を設けた。
【0013】請求項7に記載の発明では、請求項1乃至
6のいずれか1項に記載のブラスト装置を用い、セラミ
ック焼結体からなる動圧軸受の構成部材の周面に動圧発
生溝を形成することを特徴とするセラミック動圧軸受の
製造方法をその要旨とする。
【0014】以下、本発明の「作用」について説明す
る。請求項1に記載の発明によると、少なくとも噴射ノ
ズルの先端部位がチャンバにより覆われているので粉塵
が周囲に飛散しにくいことに加え、チャンバ内にて発生
した粉塵自体も集塵装置によって集められる。従って、
粉塵に起因した故障が防止され、装置の耐久性及び溝の
加工精度が向上する。また、チャンバによって砥粒が周
囲に飛散しにくくなる結果、砥粒の損失量が低減され、
コスト性も向上する。
【0015】請求項2に記載の発明によると、少なくと
も噴射ノズルの先端部位がチャンバにより覆われている
ので、粉塵が周囲に飛散しにくくなる。このため、粉塵
に起因した故障が防止され、装置の耐久性及び溝の加工
精度が向上する。また、チャンバによって砥粒が周囲に
飛散しにくくなることに加え、砥粒回収手段により集め
られた砥粒が砥粒循環装置により再利用されるため、砥
粒の損失量が大幅に低減される。よって、コスト性も向
上する。
【0016】請求項3に記載の発明によると、被加工物
は、一対の保持部材によって縦置き状態で保持されると
ともに、回転駆動手段であるモータの駆動力により上部
保持部材を介して回転駆動される。なお、一般に装置下
部よりも装置上部のほうが粉塵に晒されにくいことか
ら、上部保持部材に連結されたモータには粉塵による故
障が発生しにくくなる。このため、装置の耐久性及び溝
の加工精度が向上する。
【0017】また、一方の保持部材にのみモータを設け
ているため、比較的単純な構成となり、低コスト化を図
ることができる。請求項4に記載の発明によると、アク
チュエータにより上部保持部材を上下動することによ
り、一対の保持部材間にて被加工物を把持・釈放するこ
とができる。
【0018】請求項5に記載の発明によると、少なくと
も噴射ノズルの先端部位がチャンバにより覆われている
ので、粉塵が周囲に飛散しにくくなる。また、モータや
アクチュエータをチャンバの上部かつ外側に配置するこ
とにより、それらがチャンバの内部空間から隔てられ、
粉塵に直接晒されなくなる。以上の結果、粉塵による故
障が発生しにくくなり、装置の耐久性及び溝の加工精度
がよりいっそう向上する。
【0019】請求項6に記載の発明によると、摺動部分
が防塵構造によって覆われることにより保護されるた
め、摺動部分への粉塵の噛み込みが回避され、保持手段
や回転駆動手段の故障を確実に防止することができる。
ゆえに、装置の耐久性がよりいっそう向上する。
【0020】請求項7に記載の発明によると、上記のブ
ラスト装置により砥粒が吹き付けられることによって、
セラミック焼結体からなる動圧軸受の構成部材の周面が
削り取られる結果、好適な形状を有する動圧発生溝が形
成される。この装置を用いた場合にはマスクが不要にな
るので、セラミック動圧軸受を簡単にかつ低コストで製
造することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体化した一実施
形態のサンドブラスト装置11及びそれを使用したセラ
ミック動圧軸受1の製造方法を、図1,図2に基づき詳
細に説明する。
【0022】図1には、本実施形態にて製造される動圧
軸受1が示されている。この動圧軸受1は、静止体2と
それに組み合わされる環状の回転体3とを備えている。
静止体2及び回転体3は、セラミック焼結体で作製され
ている。この焼結体を構成するセラミックとしては、例
えば炭化珪素、ジルコニア、アルミナ等が挙げられる。
これらの中でも、耐摩耗性等の観点から炭化珪素を選択
することが好ましい。静止体2は、スラスト軸受要素と
なる台座4と、その台座4の中心位置に直立固定された
ラジアル軸受要素となる円柱状軸部5とから構成され
る。中心部材としての円柱状軸部5の周囲には回転体3
が嵌着される。この場合、円柱状軸部5の外周面と回転
体3の内周面との間には、微小なクリアランスCが確保
されるとともに、その状態で両者の周面同士が対向す
る。回転体3の回転時にクリアランスCにて動圧を効果
的に発生させるために、円柱状軸部5の外周面にはヘリ
ングボーン状の動圧発生溝6が複数形成されている。動
圧発生溝6を構成する個々の溝は、例えば長さが3mm〜
15mm、幅が0.2mm〜1.2mm、深さが3μm〜
30μmとなるように設計されている。なお、回転体3
と台座4との対向面のいずれか一方に、例えばスパイラ
ル状の動圧発生溝(図示略)を形成してもよい。そし
て、このようなスパイラル状の動圧発生溝のもたらす動
圧によって、スラスト荷重を支承するようにしてもよ
い。
【0023】図2には、図1に示す動圧発生溝6を加工
形成するためのサンドブラスト装置11の概略が示され
ている。このサンドブラスト装置11は、液体ではなく
気体を用いて砥粒を噴射する乾式ブラスト装置の一種で
ある。同サンドブラスト装置11は、被加工物(ワー
ク)である円柱状軸部5を回転可能に保持するための保
持手段を備えている。本実施形態における保持手段は、
具体的には一対の保持部材(即ち上部保持部材12及び
下部保持部材13)によって構成されている。これらの
保持部材12,13は、鉛直方向に離間した状態で対向
配置されている。上部保持部材12及び下部保持部材1
3は、いずれも、断面略T字状の押圧柱14と、その押
圧柱14が挿通されるブッシュ15とにより構成されて
いる。これらのブッシュ15は図示しない支持体により
移動不能状態で支持されている。
【0024】上部保持部材12に属する押圧柱14の上
端は、カップリング16を介して、回転駆動手段として
のサーボモータ17の回転軸に連結されている。サーボ
モータ17の回転力は、カップリング16の可動部分を
介して上部保持部材12の押圧柱14に伝達される。そ
の結果、当該押圧柱14が自身の軸線を中心として正転
または逆転するようになっている。
【0025】一方、下部保持部材13に属する押圧柱1
4の下端は、サーボモータ17等のような回転駆動手段
には連結されておらず、その代わりにフリーローラ18
に対して固定されている。従って、当該押圧柱14は、
上部保持部材12側に連結されたサーボモータ17の回
転に追従して、受動的に回転するようになっている。つ
まり、本実施形態のサンドブラスト装置11では、回転
駆動手段が一対の保持部材12,13のうちの片方にの
み設けられている。そして、互いに対峙した位置関係に
ある押圧柱14間には、円柱状軸部5が縦置きの状態で
把持可能となっている。
【0026】このサンドブラスト装置11は、アクチュ
エータとしてのエアシリンダ19を備えている。前記エ
アシリンダ19は、図示しない電磁弁を介して図示しな
い加圧エア供給源に接続されている。このエアシリンダ
19は下向きの状態で支持体20に支持されている。エ
アシリンダ19の有するロッド21はシリンダチューブ
19aのロッド挿通孔に対して摺動可能に挿通されてお
り、当該ロッド21の先端は連結板22の上面左端部に
固定されている。この連結板22の上面右端部にはサー
ボモータ17のモータ本体が固定されるとともに、下面
右端部にはカップリング16の固定部分が固定されてい
る。従って、加圧エアの給排によりエアシリンダ19が
伸縮すると、連結板22が鉛直方向に沿って上下動を行
う。するとそれに付随して、サーボモータ17、上部保
持部材12に属する押圧柱14及びカップリング16が
上下動を行い、両押圧柱14間の間隔が変化する。即
ち、エアシリンダ19の伸張時には、上部保持部材12
の構成部材が下動し、両押圧柱14間の間隔が小さくな
る。よって、このとき両押圧柱14により円柱状軸部5
の両端面が押圧された状態となり、両押圧柱14間に円
柱状軸部5が把持される。逆に、エアシリンダ19の収
縮時には、上部保持部材12の構成部材が上動し、両押
圧柱14間の間隔が大きくなる。よって、このとき両押
圧柱14間にて把持されていた円柱状軸部5が釈放され
る。
【0027】このサンドブラスト装置11は、先端部位
から砥粒を噴射するための噴射ノズル23を備えてい
る。噴射ノズル23はノズル固定板24の上部に横向き
で固定されている。この場合、噴射ノズル23の先端部
位は、円柱状軸部5の外周面に対して向けられる。ノズ
ル固定板24の下端部はノズルX軸方向駆動手段25の
可動部分に固定されるとともに、ノズルX軸方向駆動手
段25の固定部分はノズルZ軸方向駆動手段26の可動
部分に固定されている。これらの駆動手段25,26と
して、例えば電動シリンダやボールねじ等のような直線
運動を行う電気アクチュエータが使用可能である。
【0028】噴射ノズル23はノズルZ軸方向駆動手段
26によってZ軸方向(即ち鉛直方向)に移動可能であ
ることに加え、保持手段に保持された円柱状軸部5はモ
ータ17によって周方向に自在に回転可能となってい
る。このため、円柱状軸部5の外周面上の任意の点(任
意の位置)を、噴射ノズル23の先端部位に対して向き
合わせることが可能である。言い換えると、円柱状軸部
5の外周面上の任意の点に対して砥粒を吹き付けること
が可能である。ゆえに、円柱状軸部5の外周面と噴射ノ
ズル23との相対位置を経時的に変化させながら、所望
パターンをトレースすることができるようになってい
る。
【0029】また、噴射ノズル23はノズルX軸方向駆
動手段25によってX軸方向(即ち水平方向、より具体
的には図1の左右方向)に移動可能になっている。従っ
て、ノズルX軸方向駆動手段25を駆動させることによ
り、噴射ノズル23の先端部と円柱状軸部5の外周面上
との間隔を調整できるようになっている。通常、前記間
隔が広くなるほど噴射砥粒が被加工面に対して強く当た
るため、単位時間あたりにの加工深さが大きくなる。逆
に前記間隔が狭くなるほど噴射砥粒が被加工面に対して
弱く当たるため、単位時間あたりにの加工深さが小さく
なる。また、噴射ノズル23をY軸方向(即ち水平方
向、より具体的には図1の紙面に直交する方向)に駆動
可能な駆動手段をさらに追加しても勿論構わない。
【0030】なお、上記のノズルX軸方向駆動手段25
及びノズルZ軸方向駆動手段26は、噴射ノズル23か
らの砥粒の噴射時に被加工物及び噴射ノズル23の相対
位置を経時的に変更させる相対位置変更手段として把握
されることができる。ノズルY軸方向駆動手段をさらに
追加した場合には、当該駆動手段も同様に相対位置変更
手段として把握されることができる。
【0031】このサンドブラスト装置11はチャンバ3
1を備えている。チャンバ31を構成するチャンバ本体
32は略円筒形状であって、その下部にはチャンバ本体
32よりも細い管部33が連結されている。チャンバ本
体32の前面には取っ手のついたドア34が設けられて
おり、チャンバ内部空間35に収容された円柱状軸部5
の出し入れが可能となっている。チャンバ本体32には
前方に向かって傾斜する斜状底部36が設けられてい
る。この斜状底部36があることにより、噴射された砥
粒が前方下部に効率よく集められ、砥粒が管部33を介
して流下するようになっている。なお、チャンバ本体3
2における複数箇所には挿通孔が設けられており、それ
らの挿通孔を介して保持手段や相対位置変更手段の一部
がチャンバ内部空間35内に収容されている。
【0032】具体的にいうとチャンバ内部空間35に
は、上部保持部材12に属する押圧柱14、ブッシュ1
5及びカップリング16、下部保持部材13に属する押
圧柱14及びブッシュ15、噴射ノズル23、ノズル固
定板24等が配置されている。一方、これらの部材以外
のもの(例えばサーボモータ17、エアシリンダ19、
フリーローラ18、ノズルX軸方向駆動手段25、ノズ
ルZ軸方向駆動手段26等)は、砥粒や粉塵が飛散しに
くいチャンバ31の外部に配置されている。特に、サー
ボモータ17やエアシリンダ19については、チャンバ
31の上部外側に配置されている。その理由は、一般に
装置上部は装置下部よりも粉塵に晒されにくく、摺動部
分を有する前記機器を配設する場所として好都合だから
である。
【0033】さらに、このサンドブラスト装置11は、
集塵装置としてのサイクロン41、砥粒回収手段を構成
する砥粒溜まり42及びダクト43、砥粒循環装置4
4、圧送手段45、エアコンプレッサ46、制御コンピ
ュータ47を備えている。
【0034】サイクロン41はファン等によりチャンバ
31内に回転気流を起こすことによりチャンバ31内の
粉塵を集める装置であって、本実施形態では管部33の
途上に設けられている。もっとも、管部33以外の箇所
にサイクロン41を設けても構わない。なお、チャンバ
本体32の断面形状が略円筒形であることは、回転気流
をスムーズに起こすうえで好都合である。確実な集塵が
可能となり、粉塵による影響をさらに小さくすることが
できるからである。
【0035】砥粒回収手段を構成する砥粒溜まり42は
管部33の下端に設けられており、チャンバ31内にて
噴射ノズル23から放出された砥粒を溜めて集める役割
を果たしている。砥粒溜まり42と砥粒循環装置44と
はダクト43を介して接続されている。砥粒循環装置4
4内は圧送手段45を備えており、この圧送手段45の
働きによって、ダクト43を介して砥粒溜まり42側か
ら砥粒循環装置44側へと砥粒が移送・回収されるよう
になっている。なお、圧送手段としては、例えば圧送フ
ァン等のように気流を利用したもの等が使用可能であ
る。ダクト43内にスクリュコンベアやオーガ等の移送
手段を設けても構わない。
【0036】回収されて砥粒循環装置44内に取り込ま
れた砥粒は、砥粒供給管23aに送り出される。砥粒供
給管23aは途中で分岐しており、その分岐した管はエ
アコンプレッサ46に接続されている。従って、当該分
岐管を介して送り出される加圧エアと、砥粒供給管23
aを介して送り出される砥粒とがブレンドされる。その
結果、高速の気流に乗って砥粒が再び噴射ノズル23に
供給され、その先端部位から砥粒が噴射されるようにな
っている。即ち、本実施形態では砥粒が何度も再利用さ
れるようになっている。
【0037】このサンドブラスト装置11の場合、保持
手段の一部を構成するエアシリンダ19のロッド21の
全体及びシリンダチューブ19aの下端面を覆うよう
に、防塵構造としての防塵カバー51が設けられてい
る。その結果、ロッド21の外周面とロッド挿通孔の内
周面との摺動部分が非露出状態となり、防塵カバー51
により保護された状態となっている。なお、上記のよう
な箇所に設けられる防塵カバー51は伸縮自在であるこ
とが望ましく、本実施形態ではゴム製の蛇腹状部材が用
いられている。
【0038】また、回転駆動手段を構成するサーボモー
タ17の摺動部分も、防塵構造によって覆われている。
即ち、サーボモータ17における回転軸及びモータ本体
の回転軸突出面(下端面)は、連結板22及びカップリ
ング16によって区画される空間内に収容されている。
その結果、回転軸の外周面と回転軸挿通孔の内周面との
摺動部分が非露出状態となり、防塵構造としても機能す
る連結板22及びカップリング16によって実質的に保
護された状態となる。
【0039】このほか、相対位置変更手段としてのノズ
ルX軸方向駆動手段25及びノズルZ軸方向駆動手段2
6、フリーローラ18、ブッシュ15を支持する図示し
ない支持体等における摺動部分に防塵構造を設けても勿
論よい。
【0040】このサンドブラスト装置11における制御
コンピュータ47は、エアシリンダ19につながれた図
示しない電磁弁、サーボモータ17、ノズルX軸方向駆
動手段25、ノズルZ軸方向駆動手段26に対して電気
的に接続されている。同様に、サイクロン41、圧送手
段45、エアコンプレッサ46等も、制御コンピュータ
47に対して電気的に接続されている。言い換えると、
このサンドブラスト装置11を構成するほとんどの電気
機器は、制御コンピュータ47の制御対象となってい
る。つまり、この制御コンピュータ47はこれらの電気
機器を総合的に管理するものとなっている。
【0041】具体例を挙げると、噴射ノズル23に対す
るワークの位置決め、ワーク送り方向及び送り量、並び
に、噴射ノズル23からの砥粒の噴射圧力、噴射時間及
び砥粒噴射量等が、所望とする動圧発生溝6の形状・深
さに応じて自動制御される。
【0042】次に、本実施形態のサンドブラスト装置1
1を用い、円柱状軸部5に対して動圧発生溝6を加工形
成する方法を説明する。まず、炭化珪素等のエンジニア
リングセラミックスからなる材料に対する外径加工を行
って、あらかじめ当該部材を円柱状軸部5としておく。
次に、前記円柱状軸部5の外周面にマスクを巻き付ける
ことなく、これをそのままチャンバ内部空間35に収容
して保持手段に縦置きで保持させる。即ち、エアシリン
ダ19を伸張した状態を維持し、両押圧柱14に円柱状
軸部5を把持させる。次に、サーボモータ17、ノズル
X軸方向駆動手段25及びノズルZ軸方向駆動手段2
6、圧送手段45、エアコンプレッサ46等を駆動させ
る。そして、噴射ノズル23をトレースさせながら必要
部分のみ選択的に砥粒を吹き付ける。このようなマスク
レスのサンドブラスト処理により、円柱状軸部5の外周
面にヘリングボーン状の動圧発生溝6を形成する。この
後、駆動状態にあったサーボモータ17等をいったん停
止する。それとともにエアシリンダ19を収縮させて円
柱状軸部5を釈放し、円柱状軸部5をチャンバ内部空間
35外に取り出す。そして、最後に円柱状軸部5を洗浄
して加工くずを除去し、完成品とする。
【0043】なお、図1の白抜き矢印にて示されるよう
に、噴射ノズル23から放出された砥粒は、管部33を
経て砥粒溜まり42に集められた後、ダクト43を経由
して砥粒循環装置44内に取り込まれる。そして、前記
砥粒は砥粒供給管23aを介して再び噴射ノズル23の
先端部位から噴射される。
【0044】ここで、噴射ノズル23の口径は、0.1
mm〜1.0mmの範囲に設定されていることが好まし
い。ノズル口径が0.1mm未満であると、噴射ノズル
23内で砥粒の目詰まりを起こすおそれがある。他方、
ノズル口径が1.0mmを超えると、微細な溝加工が困
難になるとともに、エッジ解消の程度が行きすぎとな
り、溝端における形状崩れが顕著になるおそれがある。
本実施形態において具体的には、0.6mmという、極
めて小口径の噴射ノズル23を用いた。
【0045】被加工面である円柱状軸部5の外周面と噴
射ノズル23とを対向配置する際の離間距離は、0.1
mm〜1.0mmの範囲に設定されていることが好まし
い。離間距離が0.1mm未満であると、砥粒の跳ね返
りや噴射流の乱れによる悪影響が出て、溝加工精度が低
下するおそれがある。他方、離間距離が1.0mmを超
えると、微細な溝加工が困難になるとともに、エッジ解
消の程度が行きすぎとなり、溝端における形状崩れが顕
著になるおそれがある。
【0046】噴射ノズル23から砥粒を噴射する際の噴
射圧力は、0.5MPa〜2.5MPaの範囲に設定さ
れていることが好ましい。噴射圧力が0.5MPa未満
では、砥粒の運動エネルギーが不足して十分なブラスト
効果が得られない。そればかりか、噴射圧力と溝深さと
の間の線形性が維持されなくなり、溝深さ制御が困難に
なるおそれがある。他方、噴射圧力が2.5MPaを超
えると、深さの比較的浅い溝の加工が困難になるととも
に、噴射圧力一定下でも溝深さのばらつきが許容限度を
逸脱してしまうおそれがある。
【0047】噴射ノズル23から噴射する砥粒の平均粒
径は、10μm〜50μmの範囲に設定されることが好
ましい。砥粒の平均粒径が10μm未満では、十分なブ
ラスト効果を得ることが困難になる。他方、平均粒径が
50μmを超えると、溝深さを3μm〜30μmの範囲
にとどめることが難しくなる。
【0048】なお、前記砥粒として炭化珪素製の砥粒を
使用することが好ましい。この種の砥粒は硬質であるた
め、硬質なセラミック焼結体をブラスト処理するうえで
適しているからである。使用する砥粒の平均粒径は10
μm〜50μm程度であることがよく、本実施形態にお
いて具体的には、#400番(平均粒径約20μm)の
炭化珪素製砥粒を用いた。
【0049】従って、本実施形態によれば以下のような
効果を得ることができる。 (1)このサンドブラスト装置11は、乾式であるがゆ
えに粉塵を発生させてしまう。しかしながら、噴射ノズ
ル23の先端部位がチャンバ31により覆われているた
め、発生した粉塵が最小限のエリアのみに止まり、その
周囲に飛散しにくくなっている。これに加え、チャンバ
31内にて発生した粉塵自体も、下方にあるサイクロン
41によって効率よく速やかに集められる。しかも、サ
ーボモータ17及びエアシリンダ19は、粉塵に晒され
にくいチャンバ31の外側上部に配置されている。この
ため、サーボモータ17及びエアシリンダ19がチャン
バ内部空間35から隔てられ、それらの摺動部分が粉塵
に直接晒されなくなる。
【0050】そして、上記の構造を採用したことによ
り、粉塵に起因した故障を確実に防止することができ
る。ゆえに、装置の耐久性及び溝の加工精度が格段に向
上し、実用性に優れたサンドブラスト装置11を実現す
ることができる。
【0051】もっとも、このサンドブラスト装置11で
は、チャンバ内部空間35の全域でブラストが行われる
のではなく、小口径の噴射ノズル23によって局所的に
ブラストが行われるにすぎない。従って、チャンバ31
内での粉塵の発生は一般的なサンドブラスト装置に比べ
てそもそも少ない、という特徴もある。
【0052】(2)このサンドブラスト装置11では、
チャンバ31によって砥粒の周囲への飛散が防止される
ことに加え、砥粒回収手段により集められた砥粒が砥粒
循環装置45により再利用される。このため、砥粒の損
失量を大幅に低減することができ、ランニングコストを
確実に低減することができる。しかも、上部保持部材1
2にのみサーボモータ17を設け、下部保持部材13に
ついては単に受動回転可能となっている。このため、サ
ーボモータ17が1つでよくなり、装置が比較的単純な
構成になる。ゆえに、設備コストの低減を図ることがで
きる。
【0053】そして、このようにコスト性が向上する結
果、実用性に優れたサンドブラスト装置11を実現する
ことができる。 (3)このサンドブラスト装置11では、流体圧アクチ
ュエータの一種であるエアシリンダ19を設け、それを
駆動させることにより上部保持部材12を上下動させて
いる。従って、一対の保持部材12,13間にて円柱状
軸部5を把持・釈放することができる。また、一対の保
持部材12,13間にて円柱状軸部5が確実に保持され
た状態でブラスト処理を行うことができ、もって加工精
度の向上を図ることができる。
【0054】(4)このサンドブラスト装置11では、
防塵カバー51等のような防塵構造によって摺動部分が
保護されている。その結果、摺動部分への粉塵の噛み込
みが回避され、保持手段を構成するエアシリンダ19
や、回転駆動手段を構成するサーボモータ17の故障を
確実に防止することができる。ゆえに、装置の耐久性が
よりいっそう向上する。
【0055】(5)本実施形態では、上記の優れたサン
ドブラスト装置11を用いて、マスクレスで砥粒を吹き
付けることにより、セラミック焼結体からなる円柱状軸
部5の外周面を削り取っている。従って、好適な形状を
有する動圧発生溝6を確実に形成することができる。ま
た、このサンドブラスト装置11を用いた場合にはマス
クが不要になるので、セラミック動圧軸受1を簡単にか
つ低コストで製造することができる。
【0056】(6)このサンドブラスト装置11は、回
転駆動手段、相対位置変更手段、噴射ノズル23からの
噴射圧力及び砥粒噴射量などを制御する制御コンピュー
タ47を備えている。従って、円柱状軸部5の外周面に
所望パターンを持つ所望深さの動圧発生溝6を、自動的
にかつ効率よく加工することができる。
【0057】また、このような制御コンピュータ47に
よる制御によれば、例えば溝深さを一定にすることがで
きるばかりでなく、一方の溝端から他方の溝端に向かっ
て徐々に深さが変化するような溝を加工することも比較
的容易となる。
【0058】なお、本発明の実施形態は以下のように変
更してもよい。 ・ 保持手段を構成する部材における摺動部分にのみ防
塵構造を設けてもよいほか、回転駆動手段を構成する部
材における摺動部分にのみ防塵構造を設けてもよい。な
お、防塵構造を省略した構成としてもよい。
【0059】・ 下部保持部材13にのみサーボモータ
17等の回転駆動手段を配置してもよいほか、上部保持
部材12及び下部保持部材13の両方にそれぞれ回転駆
動手段を配置してもよい。
【0060】・ サイクロン41以外の集塵装置を用い
てもよいほか、集塵装置を省略した構成としてもよい。 ・ 例えば必要に応じて、防塵カバー51内にてエアパ
ージを行ってもよい。この場合、防塵カバー51の内部
から外部にエアが噴き出される結果、摺動部分に粉塵が
いっそう入り込みにくくなり、粉塵の噛み込みによる弊
害を最小限に抑えることができる。
【0061】・ ノズルX軸方向駆動手段25やノズル
Z軸方向駆動手段26を、チャンバ31の下部外側では
なく、上部外側に配置してもよい。このような構成とす
ることにより、粉塵による前記手段の故障が発生しにく
くなり、装置の耐久性及び溝の加工精度の向上を図るこ
とができる。
【0062】・ 本発明のブラスト装置11の被加工物
は、実施形態にて示した円柱状軸部5のみに限定され
ず、セラミック動圧軸受1を構成する他の部材であって
も勿論よい。また、本発明のブラスト装置11を、動圧
を用いないタイプの軸受(例えば転がり軸受等)におけ
る溝加工に利用したり、さらには軸受以外のものに対す
る溝加工に利用することも許容される。また、セラミッ
クからなる部材以外にも、金属からなる部材や樹脂から
なる部材を被加工物としても構わない。
【0063】・ 本明細書において使用した「溝」とい
う概念は、長さに対して幅が短いもののみに限定されな
い。従って、長さと幅とが近似するような凹所も、前記
溝という概念に含まれるものとする。
【0064】次に、特許請求の範囲に記載された技術的
思想のほかに、前述した実施形態によって把握される技
術的思想を以下に列挙する。 (1) 請求項1,4乃至7のいずれか1つにおいて、
前記チャンバは略円筒形状であること。従って、この技
術的思想1に記載の発明によれば、集塵装置との相乗効
果により確実な集塵が可能なため、粉塵による影響をさ
らに小さくすることができる。
【0065】(2) 請求項1乃至7、技術的思想1の
いずれか1つにおいて、前記回転駆動手段及び前記相対
位置変更手段を制御する制御コンピュータを備えるこ
と。従って、この技術的思想2に記載の発明によれば、
被加工面に所望パターンを持つ所望深さの溝を、自動的
にかつ効率よく加工することができる。
【0066】(3) 請求項1乃至7、技術的思想1の
いずれか1つにおいて、前記回転駆動手段、前記相対位
置変更手段、前記噴射ノズルからの噴射圧力及び砥粒噴
射量を制御する制御コンピュータを備えること。従っ
て、この技術的思想3に記載の発明によれば、被加工面
に所望パターンを持つ所望深さの溝を、自動的にかつ効
率よく加工することができる。
【0067】(4) 被加工物を回転可能に保持する保
持手段と、前記保持手段を介して前記被加工物を回転さ
せる回転駆動手段と、前記被加工物の被加工面と対向配
置される噴射ノズルと、前記噴射ノズルからの砥粒の噴
射時に前記被加工物及び前記噴射ノズルの相対位置を経
時的に変更させる相対位置変更手段とを備え、前記被加
工物の被加工面に所望パターンの溝を形成可能なブラス
ト装置であって、少なくとも前記噴射ノズルの先端部位
を覆うチャンバと、前記チャンバ内にて発生した粉塵を
集める集塵装置と、前記チャンバ内にて放出された砥粒
を溜めて集める砥粒回収手段と、前記砥粒回収手段によ
り集められた砥粒を再び前記噴射ノズルに供給する砥粒
循環装置とを備え、前記保持手段を、鉛直方向に離間配
置されかつ前記被加工物を縦置きの状態で把持する一対
の保持部材によって構成し、前記一対の保持部材のうち
上部保持部材をモータに連結し、下部保持部材を前記モ
ータの回転に追従して回転するフリーローラに固定した
ことを特徴とするブラスト装置。
【0068】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1,2,3
に記載の発明によれば、耐久性、加工精度、コスト性を
向上させることにより、実用性に優れたブラスト装置を
提供することができる。
【0069】請求項4に記載の発明によれば、一対の保
持部材間にて被加工物が確実に保持された状態で処理が
行われることから、加工精度の向上を図ることができ
る。請求項5に記載の発明によれば、装置の耐久性及び
溝の加工精度をよりいっそう向上させることができる。
【0070】請求項6に記載の発明によれば、装置の耐
久性をよりいっそう向上させることができる。請求項7
に記載の発明によれば、好適な形状を有する動圧発生溝
を備えたセラミック動圧軸受を簡単にかつ低コストで製
造できる方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を具体化した一実施形態のサンドブラス
ト装置による溝加工を経て製造される部材を用いたセラ
ミック静圧軸受の概略断面図。
【図2】実施形態のサンドブラスト装置の概略図。
【符号の説明】
1…セラミック動圧軸受、5…被加工物としての円柱状
軸部、6…溝としてのヘリングボーン状の動圧発生溝、
11…ブラスト装置としてのサンドブラスト装置、12
…保持手段を構成する上部保持部材、13…保持手段を
構成する下部保持部材、17…回転駆動手段としてのサ
ーボモータ、18…フリーローラ、19…アクチュエー
タとしてのエアシリンダ、23…噴射ノズル、25…相
対位置変更手段を構成するノズルX軸方向駆動手段、2
6…相対位置変更手段を構成するノズルZ軸方向駆動手
段、31…チャンバ、41…集塵装置としてのサイクロ
ン、42…砥粒回収手段を構成する砥粒溜まり、43…
砥粒回収手段を構成するダクト、44…砥粒循環装置、
51…防塵構造としての防塵カバー。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3J011 AA20 BA02 CA02 DA02 SD01

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被加工物を回転可能に保持する保持手段
    と、前記保持手段を介して前記被加工物を回転させる回
    転駆動手段と、前記被加工物の被加工面と対向配置され
    る噴射ノズルと、前記噴射ノズルからの砥粒の噴射時に
    前記被加工物及び前記噴射ノズルの相対位置を経時的に
    変更させる相対位置変更手段とを備え、前記被加工物の
    被加工面に所望パターンの溝を形成可能なブラスト装置
    であって、 少なくとも前記噴射ノズルの先端部位を覆うチャンバ
    と、前記チャンバ内にて発生した粉塵を集める集塵装置
    とを備えることを特徴とするブラスト装置。
  2. 【請求項2】被加工物を回転可能に保持する保持手段
    と、前記保持手段を介して前記被加工物を回転させる回
    転駆動手段と、前記被加工物の被加工面と対向配置され
    る噴射ノズルと、前記噴射ノズルからの砥粒の噴射時に
    前記被加工物及び前記噴射ノズルの相対位置を経時的に
    変更させる相対位置変更手段とを備え、前記被加工物の
    被加工面に所望パターンの溝を形成可能なブラスト装置
    であって、 少なくとも前記噴射ノズルの先端部位を覆うチャンバ
    と、前記チャンバ内にて放出された砥粒を溜めて集める
    砥粒回収手段と、前記砥粒回収手段により集められた砥
    粒を再び前記噴射ノズルに供給する砥粒循環装置とを備
    えることを特徴とするブラスト装置。
  3. 【請求項3】被加工物を回転可能に保持する保持手段
    と、前記保持手段を介して前記被加工物を回転させる回
    転駆動手段と、前記被加工物の被加工面と対向配置され
    る噴射ノズルと、前記噴射ノズルからの砥粒の噴射時に
    前記被加工物及び前記噴射ノズルの相対位置を経時的に
    変更させる相対位置変更手段とを備え、前記被加工物の
    被加工面に所望パターンの溝を形成可能なブラスト装置
    であって、 前記保持手段を、鉛直方向に離間配置されかつ前記被加
    工物を縦置きの状態で把持する一対の保持部材によって
    構成し、前記一対の保持部材のうち上部保持部材をモー
    タに連結し、下部保持部材を前記モータの回転に追従し
    て回転するフリーローラに固定したことを特徴とするブ
    ラスト装置。
  4. 【請求項4】前記保持手段は、前記上部保持部材を鉛直
    方向に沿って移動させるアクチュエータを備えることを
    特徴とする請求項3に記載のブラスト装置。
  5. 【請求項5】少なくとも前記噴射ノズルの先端部位を覆
    うチャンバを設けるとともに、前記モータ及び前記アク
    チュエータを前記チャンバの上部外側に配置したことを
    特徴とする請求項4に記載のブラスト装置。
  6. 【請求項6】前記保持手段及び/または前記回転駆動手
    段を構成する部材における摺動部分を覆う防塵構造を設
    けたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に
    記載のブラスト装置。
  7. 【請求項7】請求項1乃至6のいずれか1項に記載のブ
    ラスト装置を用い、セラミック焼結体からなる動圧軸受
    の構成部材の周面に動圧発生溝を形成することを特徴と
    するセラミック動圧軸受の製造方法。
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