JP2002292551A - ワイヤ工具およびその製造方法 - Google Patents

ワイヤ工具およびその製造方法

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JP2002292551A JP2001099224A JP2001099224A JP2002292551A JP 2002292551 A JP2002292551 A JP 2002292551A JP 2001099224 A JP2001099224 A JP 2001099224A JP 2001099224 A JP2001099224 A JP 2001099224A JP 2002292551 A JP2002292551 A JP 2002292551A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高寿命で切断加工の高精度化・高能率化が可
能であり、かつ長尺で安価なワイヤ工具およびその製造
方法を提供する。 【解決手段】 ワイヤ本体11a上に、複数液を混合す
ることで硬化を生じる複数液混合型接着剤樹脂を主成分
とする結合材22で砥粒22aを固定する。この結合材
22は、前記複数液のうちの1液をマイクロカプセルに
内包した複数液混合型接着剤樹脂であってもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばシリコンイ
ンゴット、水晶、石英、などの硬脆材料や金属材料を切
断加工するための、樹脂を主な結合材材料としたワイヤ
工具に関し、特に切断加工の高精度化・高効率化を行う
ことができるワイヤ工具およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、シリコンインゴット、水晶、石
英、などの硬脆材料や金属材料の切断工具としてワイヤ
工具が用いられているが、特に近年のシリコンウェーハ
の大口径化にともない、シリコンウェーハのインゴット
からの切断手段として注目されている。
【0003】シリコンインゴットの切断加工には、従来
は内周刃による切断方式が適用されてきた。そして近
年、半導体デバイスの生産コストの低減、適正化を図る
ために、シリコンウェーハは大口径化の一途をたどって
いるが、そうしたウェーハの大口径化に対しては、内周
刃の大径化で対応してきた。しかし、特に8インチ以上
のシリコンインゴットに対しては、スループットの向上
に限界がある、切断ロス(Kerf-loss)が大きい、切断
ジグへの内周刃のセッティングが困難である、などの理
由により、切断方法は内周刃切断方式からマルチワイヤ
切断方式(「電子材料」Vol.35,No.7,1996年7月
号、第29頁)に置き変わりつつある。
【0004】ところで、従来行われてきたワイヤによる
シリコンインゴットの切断加工は、図3に示すように、
ピアノ線などのワイヤ1の新線リール2から巻き取りロ
ーラ5までの所定経路中に、ダンサローラ3および複数
のメインローラ4などを設けて、インゴット6に近接す
る所定のピッチのワイヤ列を形成するもので、スラリー
ノズル7から高粘度の研磨剤スラリーを供給するととも
に、インゴット6をそのワイヤ列に押し付けることによ
り、インゴット6の切断を行う、という遊離砥粒加工で
あった。しかしながら、遊離砥粒加工法ゆえに、多量の
産業廃棄物(廃液)を生じる、ランニングコストが高
い、切断後のウェーハ洗浄が難しい、加工能率の向上が
望めない、さらには切断精度が悪い、などの欠点があっ
た。
【0005】これらの問題を解決するものとして、ワイ
ヤに砥粒を固着させたワイヤ工具、すなわち固定砥粒ワ
イヤ工具があり、すでに電着ワイヤ工具(特開昭63−
22275号公報、特公平4−4105号公報、特開平
7−227767号公報、特開平9−150314号公
報)やピアノ線自体に砥粒を機械的に埋め込む製造法に
よるワイヤ工具(商品名:ワイヤモンド、住友電気報、
昭和63年3月第132号、p.118−122)が開
発され、いずれも砥粒を固着する結合材としては金属が
用いられている。
【0006】ところが、金属を結合材として用いたワイ
ヤ工具では、結合材が硬いため、ワイヤ工具の破断ねじ
り強度や曲げ強度が低く、加工時に断線しやすい、また
電着ワイヤ工具においては、電着に長時間要するために
製造コストが高い、さらにマルチワイヤ切断方式に必要
なワイヤ工具自体の長尺化が困難である、などの品質上
かつ経済上の問題があった。また、ワイヤの製造コスト
が高く、長尺化が困難であるという問題を回避するため
に、短尺ワイヤ工具の両端を接合したエンドレスタイプ
のワイヤ工具も試作されているが、接合部の破断ねじり
強度、曲げ強度が極めて低いという問題がある。
【0007】そこで、これらの問題を解決するために、
最近、樹脂を結合材に用いたワイヤ工具が開発されるに
至っている。こうしたワイヤに砥粒を固着する結合材に
樹脂を用いたワイヤ工具およびその製造方法としては、
大阪ダイヤモンド工業が開発した固定砥粒ダイヤモンド
ワイヤソー(1997年度砥粒加工学会学術講演会講演
論文集、p.369−370)、特開平8−12695
3号公報、特開平9−155631号公報、特開平10
−138114号公報、特開平10−151560号公
報、特開平10−315049号公報、特開平10−3
28932号公報、特開平10−337612号公報に
記載のものが知られている。これらのワイヤ工具では、
樹脂の種類については特に限定していないが、発表内
容、実施例などからわかるように、実際には研削砥石に
おいて従来使用されてきたフェノール樹脂等の熱硬化性
樹脂が用いられている。
【0008】さらに、砥粒保持強度を高めるために、セ
ラミックを結合材に用いたワイヤ工具が提案されている
(特開平11−48035号公報)。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うに改善されたワイヤ工具にあっても、熱硬化性樹脂を
結合材に用いることから、溶媒を除去するための乾燥工
程と、硬化させるための焼成工程とを必要とし、また、
焼成に要する時間も全てのワイヤ工具箇所において数分
ずつ要してしまう。したがって、ワイヤ工具の高速な製
造、例えば、毎分数百メートル乃至数キロメートルの速
度での製造は難しく、マルチ切断方式に必要な10キロ
メートル以上の長尺なワイヤ工具を安価に製造すること
はきわめて困難である。さらに、熱硬化性樹脂を結合材
としたワイヤ工具は、金属を結合材として用いたワイヤ
工具に比較して、結合材の耐磨耗性、機械的強度、耐熱
性が低く、切断能率が劣るという問題がある。
【0010】本発明は、このような問題点を解決するた
めになされたもので、高寿命で切断加工の高精度化・高
能率化が可能であって、かつ長尺で安価なワイヤ工具お
よびその製造方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、請求項1に記載の発明は、ワイヤ上に樹脂を主成分
とする結合材で砥粒を固定したワイヤ工具であって、前
記結合材は、複数液を混合することで硬化を生じる複数
液混合型接着剤樹脂を用いて形成されたことに特徴があ
る。
【0012】ここで、複数液混合型接着剤樹脂とは、単
独では硬化しない複数液からなる樹脂を混合させること
で硬化反応を生じ、樹脂固化物を形成するものであっ
て、一般的には、主剤と硬化剤からなる2液混合型接着
剤樹脂が知られている。前記硬化反応は、複数液の混合
により数秒単位あるいはそれ以下で進行するものであ
る。したがって、前記複数液混合型接着剤樹脂を結合材
として用いた場合は、毎分数百メートル〜数キロメート
ルでワイヤ工具を製造することが可能となる。よって、
従来の技術に比べ、安価で長尺のワイヤ工具を提供でき
ることとなる。
【0013】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
のワイヤ工具において、前記結合材は、前記複数液のう
ちの1液をマイクロカプセルに内包した複数液混合型接
着剤樹脂を用いて形成されたことに特徴がある。
【0014】このように1液をマイクロカプセル化して
接着剤樹脂中に含有させることにより、複数液の混合工
程における硬化反応を防ぐことができるため、混合工程
と硬化工程を分離して管理することが可能となる。これ
により、複数液および砥粒や添加物との混合を十分に行
うことができ、より品質の高いワイヤ工具を製造できる
こととなる。
【0015】請求項3に記載の発明は、請求項2に記載
のワイヤ工具において、前記マイクロカプセルの平均粒
径は、0.1〜20マイクロメートルであることに特徴
がある。
【0016】このようにマイクロカプセルのサイズを設
定することで、前記複数液および砥粒や添加物との混合
時にはカプセル壁が破壊されず、線径ジグ通過時などの
加圧動作で確実にカプセル壁が破壊され、迅速な硬化反
応が期待できる。
【0017】請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の
いずれかに記載のワイヤ工具において、前記複数液混合
型接着剤樹脂中に、平均粒径が0.1〜15マイクロメ
ートルの金属粒子および/または平均粒径が0.1〜1
5マイクロメートルの無機粉末および/または平均粒径
が0.1〜15マイクロメートルの有機樹脂粉末を5〜
90重量%添加したことに特徴がある。
【0018】複数液混合型接着剤樹脂中に、所定粒径の
金属粒子および/または無機粉末および/または有機樹
脂粉末を所定重量%添加することで、ワイヤ工具の機械
的強度および耐熱性が高まる。
【0019】請求項5に記載の発明は、請求項1〜3の
いずれかに記載のワイヤ工具において、前記複数液混合
型接着剤樹脂中に、短径が0.1〜15マイクロメート
ル、長径が1〜200マイクロメートルの金属ファイバ
および/または無機ファイバおよび/または有機樹脂フ
ァイバを5〜90重量%添加したことに特徴がある。ま
た、請求項6に記載の発明は、ワイヤ工具の半径方向に
形成された結合材で砥粒を固定したワイヤ工具であっ
て、前記結合材には、ワイヤ表面に化学的プライマ処理
を施すことによって形成されたプライマ層と、該プライ
マ層上で、複数液を混合することで硬化を生じる複数液
混合型接着剤を主成分として形成された樹脂層とを含む
ことに特徴がある。
【0020】ワイヤ工具において、樹脂単体で結合材を
構成した場合は、金属を結合材に用いた場合に比べ、十
分な砥粒層硬度や砥粒保持強度、耐熱性などが得られ
ず、切断加工時に砥粒の脱落、砥粒層の磨耗が激しくな
ることが考えられる。これに対し、金属粒子や無機粉
末、有機樹脂粉末、金属ファイバ、無機ファイバ、ある
いは有機樹脂ファイバを結合材中に添加することによ
り、ワイヤ工具の機械的強度や耐磨耗性を向上させるこ
とができる。
【0021】ここで、金属粒子などの硬質粒子や硬質フ
ァイバといった添加物は、硬質であるがゆえに、結合材
層の硬度が高くなり、この点でワイヤ工具の耐磨耗性は
向上するものの、可撓性や柔軟性がなく、また、結合材
樹脂とのぬれ性が悪いため、添加物そのものが結合材か
ら脱落する現象が生じ、その結果、砥粒保持強度が低下
し、ワイヤ工具の耐磨耗性が低下してしまうという問題
が生じることとなる。そこで、柔軟性があり、また、結
合材樹脂とのぬれ性に優れた有機樹脂粉末を適量添加す
ることにより、砥粒保持強度が高まることが判明した。
なお、添加物として有機樹脂粉末のみを用いることもで
きるが、金属粒子などの硬質粒子を適量配合して混入す
ることにより、切断工具として十分な工具硬度、可撓性
などを得ることができる。また、各添加物の大きさが所
定値未満であると、ワイヤ工具が工作物に切り込まずに
上滑りするなどして切れ味の劣化を生じ、さらに、各添
加物の大きさが所定範囲を超えると、添加物が工作物を
損傷して傷が生じるなどの悪影響が生じることとなる。
また、添加量についても、所定値未満である場合は添加
の効果がなく、所定範囲を超えると結合材量が不足して
砥粒の保持力が減退することとなる。
【0022】請求項7に記載の発明は、複数液を混合す
ることで硬化を生じる複数液混合型接着剤の各成分液樹
脂と、平均粒径が0.1〜15マイクロメートルの金属
粒子および/または平均粒径が0.1〜15マイクロメ
ートルの無機粉末および/または平均粒径が0.1〜1
5マイクロメートルの有機樹脂粉末と、砥粒とを混合さ
せる混合工程と、ワイヤをその軸線方向に走行させなが
ら、前記ワイヤ上に前記混合工程で得られた混合溶液を
塗布する塗布工程と、前記混合溶液の塗布されたワイヤ
を所定の径にし、またはワイヤ上に塗布された前記混合
溶液を所定の膜厚にして、硬化させる硬化工程とを含む
ことに特徴がある。また、請求項8に記載の発明は、複
数液を混合することで硬化を生じる複数液混合型接着剤
の各成分液樹脂と、短径が0.1〜15マイクロメート
ル、長径が1〜200マイクロメートルの金属ファイバ
および/または無機ファイバおよび/または有機樹脂フ
ァイバと、砥粒とを混合させる混合工程と、ワイヤをそ
の軸線方向に走行させながら、前記ワイヤ上に前記混合
工程で得られた混合溶液を塗布する塗布工程と、前記混
合溶液の塗布されたワイヤを所定の径にし、またはワイ
ヤ上に塗布された前記混合溶液を所定の膜厚にして、硬
化させる硬化工程とを含むことに特徴がある。
【0023】複数液混合型接着剤樹脂は、各成分樹脂を
混合することで硬化が生じるものであるが、その成分樹
脂の組成を調整する(例えば、硬化剤の種類や添加量を
調整する)ことで、主剤となる成分樹脂の硬化速度を制
御することができる。
【0024】請求項9に記載の発明は、請求項7または
8に記載のワイヤ工具の製造方法において、前記硬化工
程では、前記混合溶液の塗布されたワイヤを自然硬化お
よび/または加熱硬化および/または加圧硬化させるこ
とに特徴がある。
【0025】前述のように、複数液混合型接着剤樹脂に
おける成分樹脂の組成を調整することにより、各成分樹
脂の混合時に速やかに硬化するのではなく、混合後、ワ
イヤ上に塗布されて適当な時間が経過した後、自然硬化
させることができる。また、1液をマイクロカプセルに
内包した場合には、マイクロカプセル壁を破壊し、内包
された成分樹脂をカプセル外に放出することで複数液の
混合が生じ、接着剤樹脂が硬化する。また、加圧工程に
おいて、カプセル壁破壊による硬化と同時に、混合被膜
の形成されたワイヤの外形寸法を所定の値にすることも
できる。
【0026】請求項10に記載の発明は、請求項7また
は8に記載のワイヤ工具の製造方法において、前記混合
溶液の塗布によって混合被膜が形成されたワイヤの外形
寸法を計測し、計測結果をもとにして、前記混合被膜の
形成されたワイヤの外形寸法が所定の値になるよう、前
記塗布工程または前記硬化工程を制御することに特徴が
ある。
【0027】このように前記塗布工程または前記硬化工
程を調節すると、線径のばらつきを最小限に抑えること
が可能となり、切断時のカーフロス、切断品の反りが小
さく、安定した切断面品位を達成することが可能な高精
度切断を実現できる。
【0028】請求項11に記載の発明は、請求項7また
は8に記載のワイヤ工具の製造方法において、前記塗布
工程の前に、ワイヤ表面に化学的プライマ処理を施す工
程を含むことに特徴がある。
【0029】ワイヤ工具の寿命は、工具の磨耗あるいは
断線によって左右される。工具が磨耗すると、砥粒の脱
落、砥粒の埋没、砥粒自体の磨耗、さらには結合材被膜
のワイヤからの剥離などが生じると考えられるが、ワイ
ヤ表面に化学的プライマ処理を施すことで、結合材被膜
とワイヤ面との密着力を高めることができ、結合材被膜
の剥離による工具寿命の低下を抑えることができる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の一形態を図
面を用いて説明するが、本発明はこれに限定されるもの
ではなく、複数液混合型接着剤樹脂に種々の金属粒子や
無機粉末、有機樹脂粉末、金属ファイバ、無機ファイ
バ、有機樹脂ファイバを含む結合材を用いて砥粒をワイ
ヤに固着したワイヤ工具とその製造方法の広範囲な応用
を含むものである。
【0031】図1に、本発明の実施の一形態に係るワイ
ヤ工具製造装置の構成を示す。図1において、送り出し
ロール10に巻かれたワイヤ11は、複数の送りローラ
12〜14およびダンサローラ15により搬送され、巻
き取りロール20に引っ張られて巻き取られるようにな
っている。ワイヤ11の素材として特に限定されるもの
はなく、ピアノ線、黄銅被覆ピアノ線、ステンレス鋼線
といった金属線や、ガラス繊維といった無機化合物によ
る線、ナイロンといった有機化合物による線、またはそ
れらの撚り線などのいずれを用いてもよい。
【0032】また、張力変動による断線などを防止する
ために、張力制御機構としてダンサローラ15を設けて
いるが、この他にはシーソー方式やキャプスタン方式に
よる張力制御法が挙げられる。本実施形態では、制御系
16によって送り出しロール10の送り出し速度と巻き
取りロール20の巻き取り速度が制御されるとともに、
ダンサローラ15の位置が制御され、ワイヤ11の張力
が所定値に制御される。
【0033】また、送り出しロール10から引き出され
たワイヤ11は、後述する混合被膜との密着性を向上さ
せるために、図示しない溶剤蒸気脱脂槽で脱脂処理され
た後、プライマ処理槽21aに導かれ、ここで化学的プ
ライマ処理が施される。このように、ワイヤ11の表面
を予めプライマ処理しておくことにより、ワイヤ表面で
の混合被膜(図2の22に相当)の硬化を促進するとと
もに、ワイヤ11と混合被膜との密着性を高めることが
できる。化学的プライマ処理としては、カップリング剤
(例えば、シランカップリング剤)の表面塗布などが挙
げられる。
【0034】こうしてローラを通過し、前述の化学的プ
ライマ処理によってワイヤ本体の表面にプライマ層25
(図2に示す)が形成されたワイヤは、次いで、ロート
状の樹脂塗布槽21bに収容された混合溶液22中を通
過する。このとき、ワイヤのプライマ層25上に混合溶
液が付着し、未硬化の混合被膜(図2の22に相当)が
形成される。
【0035】ここで、樹脂塗布槽21bに収容された混
合溶液22は、複数液混合型接着剤樹脂に所定の添加物
を添加して混合した液状樹脂に、所定の砥粒を混合した
流動性混合物である。具体的には、前記混合溶液22
は、液状樹脂すなわち複数液混合型接着剤樹脂に、平均
粒径が0.1〜15マイクロメートルの金属粒子および
/または平均粒径が0.1〜15マイクロメートルの無
機粉末を添加物として50〜90重量%添加、混合した
添加物混合液樹脂を作製するか、あるいは、短径が0.
1〜15マイクロメートル、長径が1〜200マイクロ
メートルの金属ファイバおよび/または無機ファイバお
よび/または有機ファイバ(樹脂繊維)を添加物として
50〜90重量%添加、混合した添加物混合液樹脂を作
製し、このような添加物混合液樹脂と所定粒径の砥粒と
を均一に混和したものである。前記砥粒は、特に限定さ
れるものではないが、例えば、ダイヤモンド、CBN
(立方晶窒化ホウ素)、アルミナ、炭化珪素などの硬質
砥粒などが挙げられる。但し、その中でも加工能力に優
れるダイヤモンド砥粒が通常望ましい。
【0036】前記樹脂塗布槽21bに収容する混合型接
着剤樹脂の成分としては、接着剤主剤と接着剤硬化剤が
あるが、通常、これらは混合されて互いに接触すること
で硬化反応を開始する。しかし、この硬化剤の種類や添
加量を調整することで、硬化時間を制御することがで
き、添加物や砥粒との混和を十分に行うことが可能とな
る。また、接着剤主剤、接着剤硬化剤のいずれか一方を
マイクロカプセル化することで、主剤と硬化剤の単なる
混合による硬化が生じなくなるため、添加物や砥粒との
混和を十分に行うことがより容易となる。なお、マイク
ロカプセルの平均粒径は、0.1〜20マイクロメート
ル程度とすることが好ましい。
【0037】一方、前記樹脂塗布槽21bの出口には、
線径ジグ23が移動可能に設けられており、ワイヤに付
着している余分な混合液を前記線径ジグ23により掻き
落として未硬化の混合被膜を所定の厚みに整え、あるい
は混合被膜が形成されたワイヤ外径を所定の直径に整え
るようになっている。
【0038】前記線径ジグ23を通過したワイヤは、次
いで、所定の時間空走することで前記混合被膜が自然硬
化し、ワイヤ工具11Tが順次できあがる。ここで、ワ
イヤの空走時間を短縮するため、加熱装置24を作動さ
せて加熱処理を施してもよい。この場合の雰囲気温度
は、120℃程度が好ましい。なお、前記混合被膜を硬
化する際、自然硬化、加熱装置24による加熱硬化、線
径ジグ23などによる加圧硬化を組み合わせて用いても
よい。
【0039】なお、マイクロカプセルが混合された接着
剤樹脂を用いた場合は、前記線径ジグ23を通過する
際、前記混合被膜層に圧力が加わるため、マイクロカプ
セル壁が破壊されて前記混合被膜が硬化し、所定の直径
に整えられたワイヤ工具が順次できあがる。また、前記
線径ジグ23の後段に加圧装置(例えば、前記線径ジグ
23よりも開口直径の小さい他の線径ジグ)を設け、前
記線径ジグの通過後に前記加圧装置で加圧することでマ
イクロカプセル壁を破壊し、前記混合被膜を硬化させて
もよい。さらに、前記加熱装置24による加熱処理でマ
イクロカプセル壁を破壊し、前記混合被膜を硬化させて
もよい。また、マイクロカプセルが混合された接着剤樹
脂を用いた場合においても、前述のように自然硬化、加
熱装置24による加熱硬化、線径ジグ23などによる加
圧硬化を組み合わせて用いてもよい。
【0040】こうして作製されたワイヤ工具の外形寸法
を線径測定器17で測定し、この測定情報を制御系16
にフィードバックすることができるようになっている。
前記線径測定器17は、例えば、ワイヤ搬送方向の所定
位置でワイヤ工具11Tを取り囲んで等角度間隔に離間
する、前記ワイヤ工具11Tと非接触の三つの変位セン
サを有しており、ワイヤ工具11Tの線径測定のみなら
ず、ワイヤ11に対する混合被膜の心ずれ(周方向三位
置での混合被膜の膜厚のばらつき)をも検出可能になっ
ている。前記制御系16は、前記線径測定器17の測定
情報をもとにワイヤ11と線径ジグ23との心ずれを検
出し、常にワイヤ11が線径ジグ23の中心を走行し、
混合被膜がワイヤ11の長さ方向においても周方向にお
いても一定の厚さになるよう、ワイヤ11と線径ジグ2
3の相対位置を制御する。このような位置制御は、線径
ジグ23を変位させることにより、あるいは図示しない
ワイヤ位置調整用のローラを変位させることにより可能
である。
【0041】こうして混合被膜が外周面に形成されたワ
イヤ工具11Tは、ローラ13〜15を通過した後、巻
き取りロール20に巻き取られる。ここで、前記ワイヤ
工具11Tの横断面は、図2に示すとおりであって、ワ
イヤ本体11a上にプライマ層25が形成され、このプ
ライマ層25上に砥粒および添加物を含む混合被膜(複
数液混合型接着剤樹脂層)22が形成されている。
【0042】本実施形態に係るワイヤ工具は、前述のよ
うに、ワイヤ本体11a上に樹脂を主成分とする結合材
で砥粒を固着したものであり、前記結合材に用いる樹脂
として、複数液を混合することにより硬化反応を起こ
し、数秒単位あるいはそれ以下で硬化する複数液混合型
接着剤樹脂を用いたものである。したがって、前記複数
液混合型接着剤樹脂を結合材として用いることで、毎分
数百メートル〜数キロメートルでの製造が可能であり、
安価で長尺なワイヤ工具を提供できる。
【0043】また、前記複数液混合型接着剤樹脂中に平
均粒径が0.15〜15マイクロメートルの金属粒子お
よび/または平均粒径が0.15〜15マイクロメート
ルの無機粉末および/または平均粒径が0.15〜15
マイクロメートルの有機樹脂粉末を5〜90重量%添加
するか、あるいは、短径が0.1〜15マイクロメート
ルの、長径が1〜200マイクロメートルの金属ファイ
バおよび/または無機ファイバおよび/または有機樹脂
ファイバ(樹脂繊維)を5〜90重量%添加しているの
で、ワイヤ工具の機械的強度および耐熱性を高めること
ができる。
【0044】さらに、本実施形態に係るワイヤ工具の製
造方法は、ワイヤ11をその軸線方向に走行させなが
ら、前述の添加物を5〜90重量%含有する複数液混合
型接着剤樹脂と砥粒との混合溶液をワイヤ本体11a上
に塗布する塗布工程と、前記混合溶液が塗布されたワイ
ヤを所定の径に整形するか、あるいは、ワイヤ上に塗布
された前記混合溶液の被覆を所定の膜厚に整形して硬化
する硬化工程とを含むので、均一な被覆層を形成して高
品質なワイヤ工具を連続的に製造することができる。
【0045】また、硬化後に混合被膜が形成されたワイ
ヤ工具の外形寸法を計測し、この計測結果をもとに前記
混合被膜の形成されたワイヤ工具の外形寸法を所定の値
にするよう、線径ジグ23や調整用ローラを制御するこ
とにより、線径のばらつきを最小限に抑えることができ
る。その結果、切断時のカーフロスや切断品の反りが小
さく、安定した切断面品位を有するシリコンウェーハな
どを得ることができる。
【0046】また、添加物混合樹脂の塗布工程の前工程
で、ワイヤ表面に化学的プライマ処理を施すことによ
り、結合材被膜とワイヤ面との密着力を高めることがで
き、結合材被膜の剥離による工具寿命の低下を抑え、よ
り長寿命化できることとなる。
【0047】
【第1の実施例】本実施例では、ワイヤとして直径0.
2ミリメートルのピアノ線を用い、前記実施形態に準じ
て、シランカップリング剤をワイヤ上に塗布してプライ
マ層を形成する。
【0048】一方、2液混合型エポキシ樹脂における主
剤樹脂溶液および硬化剤溶液からなる樹脂溶液中に、平
均粒径2マイクロメートルの銅粉末を30重量%添加
し、ホモジナイザにより約10分間混和する。次いで、
集中度20に該当する粒径30/40マイクロメートル
のダイヤモンド砥粒を微量のエチルアルコールで湿潤
し、前述のように混和、生成した液状樹脂に入れ、ホモ
ジナイザにて約10分間混ぜ合わせる。次いで、前記樹
脂塗布槽(図1の21bに相当)に前記銅粉末を添加し
た液状樹脂とダイヤモンド砥粒との混合溶液を入れ、前
記実施形態に準じてプライマ処理されたワイヤを前記樹
脂塗布槽内に導き、開口直径が約0.27ミリメートル
の線径ジグ(図1の23に相当)を通過させて整形し、
さらに、約1秒間大気中を走行することによって硬化さ
せた。これにより、直径約0.25〜0.26ミリメー
トルのワイヤ工具を得た。
【0049】本実施例で用いた樹脂は、2液混合型エポ
キシ樹脂であるが、これに限らず、2液以上の複数液を
混合させることで硬化が生じる樹脂を用いてもよい。
【0050】また、本実施例では、樹脂への添加剤とし
て銅粉末を用いたが、これに限らず、金属粒子、無機粉
末、有機樹脂粉末、あるいは粒子以外にファイバ状のも
のを用いてもよい。
【0051】また、本実施例では、2液混合型接着剤樹
脂を1層塗布した結合材を用いたが、これに限らず、複
数層からなる結合材で砥粒を固定することもでき、この
場合には前述の塗布工程および硬化工程を繰り返すこと
により所望の直径のワイヤ工具を得ることができる。こ
の場合、第2層目以降の各層の成分構成を適宜、変更し
て形成してもよい。
【0052】
【第2の実施例】本実施例では、ワイヤとして直径0.
2ミリメートルのピアノ線を用い、前記実施形態に準じ
て、シランカップリング剤をワイヤ上に塗布してプライ
マ層を形成する。
【0053】一方、結合材用の樹脂としては、硬化剤を
マイクロカプセル化して主剤中に混合した2液混合型接
着剤樹脂(以下、マイクロカプセル化エポキシ樹脂とい
う)を使用し、この2液混合型接着剤樹脂の樹脂溶液中
に、平均粒径2マイクロメートルの銅粉末を30重量%
添加し、ホモジナイザにより約10分間混和する。次い
で、集中度20に該当する粒径30/40マイクロメー
トルのダイヤモンド砥粒を微量のエチルアルコールで湿
潤し、前述のように混和、生成された液状樹脂に入れ、
ホモジナイザにて約10分間混ぜ合わせる。次いで、前
記樹脂塗布槽(図1の21bに相当)に前記銅粉末を添
加した液状樹脂とダイヤモンド砥粒との混合溶液を入
れ、前述のようにプライマ処理されたワイヤを前記樹脂
塗布槽内に導き、開口直径が約0.27ミリメートルの
線径ジグ(図1の23に相当)を通過させて整形する。
この線径ジグ通過時に、線径ジグによる加圧によってマ
イクロカプセル壁が破壊され、硬化剤と主剤が混合する
ことで硬化が生じ、これにより、直径約0.25〜0.
26ミリメートルのワイヤ工具を得た。
【0054】本実施例で用いた樹脂は、マイクロカプセ
ル化エポキシ樹脂であるが、これに限らず、複数液の内
の1液をマイクロカプセル化した複数液混合型接着剤樹
脂を用いてもよい。
【0055】また、本実施例では、樹脂への添加剤とし
て銅粉末を用いたが、これに限らず、金属粒子、無機粉
末、有機樹脂粉末、あるいは粒子以外にファイバ状のも
のを用いてもよい。
【0056】なお、第1、第2の実施例で得られたワイ
ヤ工具を用いて、3インチのシリコンインゴットの切断
加工(ワイヤ線速度は300m/min)を行ったとこ
ろ、結合材層の磨耗は殆ど観察されず、また、平均切断
能率も40mm2/min程度以上と良好であり、局所
的な結合材層の剥離も認められなかった。このように、
結合材に熱硬化性樹脂を用いたワイヤ工具に比べ、製造
速度を10倍以上高めることで、工具製造コストを10
分の1以下に低減でき、かつ同等の切断特性が得られる
ことが確認された。
【0057】
【発明の効果】本発明によれば、ワイヤ工具の結合材
に、混和することで極めて短時間で硬化することが可能
な複数液混合型接着剤樹脂を用いることで、ワイヤ工具
の製造速度を短縮することができ、シリコンインゴット
のマルチワイヤ切断などに好適な長尺かつ安価なワイヤ
工具を提供することができる。
【0058】また、本発明によれば、結合材樹脂に、金
属粒子や無機粉末、有機樹脂粉末、金属ファイバ、無機
ファイバ、あるいは有機樹脂ファイバを添加すること
で、無添加の場合に比べ、ワイヤ工具の機械的強度や耐
熱性を向上させることができる。さらに、ワイヤ工具上
に結合材樹脂を塗布するのに先立ち、ワイヤ表面に化学
的プライマ処理を施すことで、結合材被膜とワイヤ表面
との密着力を高めることができ、結合材被膜剥離による
工具寿命の低下を抑えることができる。
【0059】一方、ワイヤ工具の製造工程においても、
ワイヤを走行させて添加物混合液状樹脂と砥粒との混合
液中を通過させ、ワイヤ表面に混合溶液を付着させて混
合被膜を形成しながら、ワイヤに付着した余分な混合溶
液を取り除くことで、混合被膜の均一なワイヤ工具を連
続的に製造することができる。また、前記製造工程中で
混合被膜形成後のワイヤ工具の線径を測定し、線径制御
や心ずれ抑制の制御を実行することにより、線径ばらつ
きを最小限に抑えることが可能となり、品質の安定した
ワイヤ工具を製造することできる。
【0060】以上説明したように本発明によれば、高寿
命で切断加工の高精度化・高能率化が可能であり、かつ
長尺で安価なワイヤ工具を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態に係るワイヤ工具製造装
置の構成図である。
【図2】本発明の実施の一形態に係るワイヤ工具の横断
面図である。
【図3】従来のマルチワイヤ切断方式を示す図である。
【符号の説明】
10 送り出しロール 11 ワイヤ 11a ワイヤ本体 11T ワイヤ工具 12〜14 送りローラ 15 ダンサローラ 16 制御系 17 線径測定器 20 巻き取りロール 21a プライマ処理槽 21b 樹脂塗布槽 22 混合被膜(複数液混合型接着剤樹脂層) 22a 砥粒 22b 添加物 23 線径ジグ 24 加熱装置 25 プライマ層
フロントページの続き (72)発明者 谷 泰弘 東京都世田谷区宮坂3丁目47番12号 Fターム(参考) 3C058 AA09 CA01 CB01 CB03 CB05 DA02 DA03 3C069 AA01 BA06 BB02 CA02 CA04 EA01 EA03

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ワイヤ上に樹脂を主成分とする結合材で砥
    粒を固定したワイヤ工具であって、 前記結合材は、複数液を混合することで硬化を生じる複
    数液混合型接着剤樹脂を用いて形成されたことを特徴と
    するワイヤ工具。
  2. 【請求項2】請求項1に記載のワイヤ工具において、 前記結合材は、前記複数液のうちの1液をマイクロカプ
    セルに内包した複数液混合型接着剤樹脂を用いて形成さ
    れたことを特徴とするワイヤ工具。
  3. 【請求項3】請求項2に記載のワイヤ工具において、 前記マイクロカプセルの平均粒径は、0.1〜20マイ
    クロメートルであることを特徴とするワイヤ工具。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれかに記載のワイヤ工
    具において、 前記複数液混合型接着剤樹脂中に、平均粒径が0.1〜
    15マイクロメートルの金属粒子および/または平均粒
    径が0.1〜15マイクロメートルの無機粉末および/
    または平均粒径が0.1〜15マイクロメートルの有機
    樹脂粉末を5〜90重量%添加したことを特徴とするワ
    イヤ工具。
  5. 【請求項5】請求項1〜3のいずれかに記載のワイヤ工
    具において、 前記複数液混合型接着剤樹脂中に、短径が0.1〜15
    マイクロメートル、長径が1〜200マイクロメートル
    の金属ファイバおよび/または無機ファイバおよび/ま
    たは有機樹脂ファイバを5〜90重量%添加したことを
    特徴とするワイヤ工具。
  6. 【請求項6】ワイヤ工具の半径方向に形成された結合材
    で砥粒を固定したワイヤ工具であって、 前記結合材には、ワイヤ表面に化学的プライマ処理を施
    すことによって形成されたプライマ層と、該プライマ層
    上で、複数液を混合することで硬化を生じる複数液混合
    型接着剤を主成分として形成された樹脂層とを含むこと
    を特徴とするワイヤ工具。
  7. 【請求項7】複数液を混合することで硬化を生じる複数
    液混合型接着剤の各成分液樹脂と、平均粒径が0.1〜
    15マイクロメートルの金属粒子および/または平均粒
    径が0.1〜15マイクロメートルの無機粉末および/
    または平均粒径が0.1〜15マイクロメートルの有機
    樹脂粉末と、砥粒とを混合させる混合工程と、ワイヤを
    その軸線方向に走行させながら、前記ワイヤ上に前記混
    合工程で得られた混合溶液を塗布する塗布工程と、前記
    混合溶液の塗布されたワイヤを所定の径にし、またはワ
    イヤ上に塗布された前記混合溶液を所定の膜厚にして、
    硬化させる硬化工程とを含むことを特徴とするワイヤ工
    具の製造方法。
  8. 【請求項8】複数液を混合することで硬化を生じる複数
    液混合型接着剤の各成分液樹脂と、短径が0.1〜15
    マイクロメートル、長径が1〜200マイクロメートル
    の金属ファイバおよび/または無機ファイバおよび/ま
    たは有機樹脂ファイバと、砥粒とを混合させる混合工程
    と、ワイヤをその軸線方向に走行させながら、前記ワイ
    ヤ上に前記混合工程で得られた混合溶液を塗布する塗布
    工程と、前記混合溶液の塗布されたワイヤを所定の径に
    し、またはワイヤ上に塗布された前記混合溶液を所定の
    膜厚にして、硬化させる硬化工程とを含むことを特徴と
    するワイヤ工具の製造方法。
  9. 【請求項9】請求項7または8に記載のワイヤ工具の製
    造方法において、 前記硬化工程では、前記混合溶液の塗布されたワイヤを
    自然硬化および/または加熱硬化および/または加圧硬
    化させることを特徴とするワイヤ工具の製造方法。
  10. 【請求項10】請求項7または8に記載のワイヤ工具の
    製造方法において、 前記混合溶液の塗布によって混合被膜が形成されたワイ
    ヤの外形寸法を計測し、計測結果をもとにして、前記混
    合被膜の形成されたワイヤの外形寸法が所定の値になる
    よう、前記塗布工程または前記硬化工程を制御すること
    を特徴とするワイヤ工具の製造方法。
  11. 【請求項11】請求項7または8に記載のワイヤ工具の
    製造方法において、 前記塗布工程の前に、ワイヤ表面に化学的プライマ処理
    を施す工程を含むことを特徴とするワイヤ工具の製造方
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010216580A (ja) * 2009-03-17 2010-09-30 Jtekt Corp 転がり軸受のクリープ防止方法および転がり軸受
CN102328351A (zh) * 2011-06-20 2012-01-25 镇江市港南电子有限公司 一种用于硅片切割的切割线

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JP2010216580A (ja) * 2009-03-17 2010-09-30 Jtekt Corp 転がり軸受のクリープ防止方法および転がり軸受
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