JP3362015B2 - ワイヤ工具およびその製造方法 - Google Patents
ワイヤ工具およびその製造方法Info
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Description
ンゴット、水晶、石英、等の硬脆材料や金属材料を切断
加工するための、樹脂を主な材料としたワイヤ工具に関
し、特に切断加工の高精度化・高効率化を行うことがで
きるワイヤ工具およびその製造方法に関する。
英、等の硬脆材料や金属材料の切断工具としてワイヤ工
具が用いられているが、特に近年のシリコンウェーハの
大口径化にともない、シリコンウェーハのインゴットか
らの切断手段として注目されている。
は内周刃による切断方式が適用されてきた。そして近
年、半導体デバイスの生産コストの低減、適正化を図る
ために、シリコンウェーハは大口径化の一途をたどって
いるが、そうしたウェーハの大口径化に対しては、内周
刃の大径化で対応してきた。しかし、特に8インチ以上
のシリコンインゴットに対しては、スループットの向上
に限界がある、切断ロス(Kerf-loss)が大きい、切断
ジグへの内周刃のセッティングが困難である、等の理由
により、切断方法は内周刃切断方式からマルチワイヤ切
断方式に変わりつつある。
シリコンインゴットの切断加工は、図5(「電子材料」
Vol.35,No.7,1996年7月号、第29頁)に記載さ
れているように、ピアノ線等のワイヤ1の新線リール2
から巻き取りローラ5までの所定経路中に、ダンサロー
ラ3および複数のメインローラ4等を設けて、インゴッ
ト6に近接する所定のピッチのワイヤ列を形成するもの
で、スラリーノズル7から高粘度の研磨剤スラリーを供
給するとともに、インゴット6をそのワイヤ列に押し付
けることにより、インゴット6の切断を行う、という遊
離砥粒加工であった。しかしながら、遊離砥粒加工法ゆ
えに、多量の産業廃棄物(廃液)を生じる、ランニング
コストが高い、切断後のウェーハ洗浄が難しい、加工能
率の向上が望めない、さらには切断精度が悪い、等の欠
点があった。
近、樹脂を結合材に用いてワイヤに砥粒を固着させたワ
イヤ工具が開発されている。こうしたワイヤに砥粒を固
着する結合材に樹脂を用いたワイヤ工具およびその製造
方法としては、大阪ダイヤモンド工業が開発した固定砥
粒ダイヤモンドワイヤソー(1997年度砥粒加工学会
学術講演会講演論文集、p.369−370)、特開平
8−126953号公報、特開平9−155631号公
報、特開平10−138114号公報、特開平10−1
51560号公報、特開平10−315049号公報、
特開平10−328932号公報、特開平10−337
612号公報に記載のものが知られている。これらのワ
イヤ工具では、樹脂の種類については特に限定していな
いが、発表内容、実施例、等からわかるように、実際に
は研削砥石において従来使用されてきたフェノール樹脂
等の熱硬化性樹脂が用いられている。
においても、熱硬化性樹脂を結合材に用いることから、
溶媒を除去するための乾燥工程と硬化させるための焼成
工程を必要とし、また焼成に要する時間も全てのワイヤ
工具箇所において数分ずつ要してしまう。したがって、
ワイヤ工具の高速な製造、例えば毎分数百メートル〜数
キロメートルの速度での製造は難しく、マルチ切断方式
に必要な10キロメートル以上の長尺なワイヤ工具を安
価に製造することは極めて困難である。さらに、熱硬化
性樹脂を結合材としたワイヤ工具は、金属を結合材とし
て用いたワイヤ工具に比較して、結合材の耐摩耗性、機
械的強度、耐熱性が低く、切断能率が劣るという問題が
ある。
ら、光ファイバの被覆等に用いられる光硬化性樹脂を熱
硬化性樹脂に替えて結合材とし、さらに結合材の耐摩耗
性、機械的強度、耐熱性を向上させるために光硬化性樹
脂に金属粒子や金属ファイバ等を添加する技術(特願平
11−027857号)が提案されている。
フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂に比べ、金属との密着
強度が低く、そのため前述のように改善されたワイヤ工
具においても、その光硬化性樹脂層が単層である場合
は、金属であるワイヤと結合材との間で十分な密着強度
が得られないので、ワイヤと結合材の剥離が生じやす
く、耐摩耗性が低いという問題が生じる。
よびワイヤ工具硬度をさらに高めるために、複数の光硬
化性樹脂層からなる結合材を用い、その結合材の第1層
目として、ワイヤとの密着強度の高い光硬化性接着剤
(あるいは光硬化性接着剤を主成分とする混合接着剤
液)をワイヤ表面に塗布し、第2層目以降に添加粉末や
砥粒を混入させた光硬化性樹脂を主成分とした結合材を
塗布することが提案されている(特願平11−2022
25号)。
られた光硬化性接着剤は、その目的からして、各種の官
能基を樹脂中に保有することにより、金属等との接着効
果を有している。このことによって、前述のように芯線
である金属ワイヤとの接着強度を高めることができる一
方、耐摩耗性等の向上を目的とし、その光硬化性接着剤
中に骨材として金属粉末を添加すると、光照射前にその
金属粉末との境界部より硬化反応が生じてしまう。つま
り、光硬化性接着剤中に金属粉末を添加すると、光照射
を行う以前に硬化してしまい、工具を製造することが困
難となる。
れたもので、ワイヤ上に砥粒を固定するための光硬化性
接着剤を主成分とする層を含む複数の光硬化性樹脂層か
らなる結合材を用い、高寿命で切断加工の高精度化・高
能率化が可能であって、かつ長尺で安価なワイヤ工具お
よびその製造方法を提供することにある。
の発明は、光硬化性樹脂を主成分とし、複数層からなる
結合材が工具半径方向に形成されており、該結合材でワ
イヤ上に砥粒を固定したワイヤ工具であって、前記結合
材には、ワイヤ上に形成された光硬化性接着剤層と、骨
材として、平均粒径が0.1〜15μmの金属粒子およ
び平均粒径が0.1〜15μmの無機粉末が5〜90w
t%添加されるか、平均粒径が0.1〜15μmの金属
粒子又は平均粒径が0.1〜15μmの無機粉末が5〜
90wt%添加された、光硬化性樹脂からなり、前記光
硬化性接着剤層上に形成された光硬化性樹脂層と、を含
むことに特徴がある。
樹脂層からなる結合材で砥粒を固着したワイヤ工具にお
いては、金属ワイヤとの密着強度を高めるために、カル
ボキシル基等の金属との密着性を高める官能基を導入し
た光硬化性接着剤(光硬化性樹脂)をワイヤ表面に塗布
することが有効である。また、耐摩耗性等の向上のため
には、光硬化性樹脂層に金属粉末等の骨材を添加するこ
とが有効である。一方、光硬化性接着剤に金属粉末を添
加すると、前記カルボキシル基等の特性により、光照射
以前にその金属粉末との境界部分から硬化反応が生じ
る。そこで、光硬化性接着剤に砥粒を添加した層をワイ
ヤに接する第1層目とし、その上の工具半径方向に、少
なくとも、通常の光硬化性樹脂に金属粉末等の骨材を添
加した第2層目を形成する。
を添加しないことで、光照射以前に硬化反応が生じるこ
とはなくなる。また、より芯線に近い部分で、密着力の
強い光硬化性接着剤により砥粒を固定することによっ
て、砥粒の保持強度を高めることができる。そして、第
2層目以降に通常の光硬化性樹脂を主成分とする層を設
けることにより、ワイヤ工具として必要な表面硬度を
得、その層内に金属粉末等を添加することによって、さ
らに表面硬度を高め、ワイヤ工具の耐摩耗性を向上させ
ることができる。このように、ワイヤ工具として十分な
表面硬度を得ることができ、砥粒についても十分な強度
で保持することができ、ワイヤ工具を高寿命化すること
が可能となる。
成分とし、複数層からなる結合材が工具半径方向に形成
されており、該結合材でワイヤ上に砥粒を固定したワイ
ヤ工具であって、前記結合材には、ワイヤ上に形成され
た光硬化性接着剤層と、骨材として、短径が0.1〜1
5μm、長径が1〜200μmの金属ファイバおよび短
径が0.1〜15μm、長径が1〜200μmの無機フ
ァイバが5〜90wt%添加されるか、短径が0.1〜
15μm、長径が1〜200μmの金属ファイバ又は短
径が0.1〜15μm、長径が1〜200μmの無機フ
ァイバが5〜90wt%添加された、光硬化性樹脂から
なり、前記光硬化性接着剤層上に形成された光硬化性樹
脂層と、を含むことに特徴がある。
結合材を構成した場合、切断時に結合材被膜の摩耗・破
断、砥粒の脱落が考えられるが、金属粒子や無機粉末、
金属ファイバや無機ファイバを樹脂中に添加することに
より、工具の機械的強度、耐熱性、耐摩耗性を向上させ
ることができる。また、添加した粒子部、ファイバ部で
の光の透過、吸収、反射により、硬化速度が低下あるい
は未硬化状態に陥ることが考えられるが、添加粒子の種
類、大きさ、添加量を特定することで、これらの問題は
改善される。
おいて、前記ワイヤ表面に化学的プライマ処理を施した
ことに特徴がある。
理を行うことで、結合材被膜(第1層目の光硬化性接着
剤層)とワイヤ面との密着力を高めることができる。
性樹脂を主成分とする結合材で砥粒を固定したワイヤ工
具の製造方法であって、ワイヤをその軸線方向に走行さ
せながら、光硬化性接着剤および砥粒を含む混合接着剤
液をワイヤ表面に塗布して光硬化する接着剤液塗布工程
と、前記混合接着剤液が表面に塗布されたワイヤをその
軸線方向に走行させながら、ワイヤ上に光硬化性樹脂お
よび添加粉末を含む混合溶液を塗布して光硬化する混合
溶液塗布工程とを有し、該混合溶液塗布工程では、ワイ
ヤ上に、平均粒径が0.1〜15μmの金属粒子および
平均粒径が0.1〜15μmの無機粉末を5〜90wt
%含有するか、平均粒径が0.1〜15μmの金属粒子
又は平均粒径が0.1〜15μmの無機粉末を5〜90
wt%含有する、光硬化性樹脂の混合溶液を塗布するこ
とに特徴がある。
性樹脂を主成分とする結合材で砥粒を固定したワイヤ工
具の製造方法であって、ワイヤをその軸線方向に走行さ
せながら、ワイヤ表面に化学的プライマ液を塗布するプ
ライマ処理工程と、化学的プライマ液が表面に塗布され
たワイヤをその軸線方向に走行させながら、光硬化性接
着剤および砥粒を含む混合接着剤液をワイヤ表面に塗布
して光硬化する接着剤液塗布工程と、前記混合接着剤液
が表面に塗布されたワイヤをその軸線方向に走行させな
がら、ワイヤ上に光硬化性樹脂および添加粉末を含む混
合溶液を塗布して光硬化する混合溶液塗布工程とを有
し、該混合溶液塗布工程では、ワイヤ上に、平均粒径が
0.1〜15μmの金属粒子および平均粒径が0.1〜
15μmの無機粉末を5〜90wt%含有するか、平均
粒径が0.1〜15μmの金属粒子又は平均粒径が0.
1〜15μmの無機粉末を5〜90wt%含有する、光
硬化性樹脂の混合溶液を塗布することに特徴がある。
性樹脂を主成分とする結合材で砥粒を固定したワイヤ工
具の製造方法であって、ワイヤをその軸線方向に走行さ
せながら、光硬化性接着剤および砥粒を含む混合接着剤
液をワイヤ表面に塗布して光硬化する接着剤液塗布工程
と、前記混合接着剤液が表面に塗布されたワイヤをその
軸線方向に走行させながら、ワイヤ上に光硬化性樹脂お
よび添加粉末を含む混合溶液を塗布して光硬化する混合
溶液塗布工程とを有し、該混合溶液塗布工程では、ワイ
ヤ上に、短径が0.1〜15μm、長径が1〜200μ
mの金属ファイバおよび短径が0.1〜15μm、長径
が1〜200μmの無機ファイバを5〜90wt%含有
するか、短径が0.1〜15μm、長径が1〜200μ
mの金属ファイバ又は短径が0.1〜15μm、長径が
1〜200μmの無機ファイバを5〜90wt%含有す
る、光硬化性樹脂の混合溶液を塗布することに特徴があ
る。
性樹脂を主成分とする結合材で砥粒を固定したワイヤ工
具の製造方法であって、ワイヤをその軸線方向に走行さ
せながら、ワイヤ表面に化学的プライマ液を塗布するプ
ライマ処理工程と、化学的プライマ液が表面に塗布され
たワイヤをその軸線方向に走行させながら、光硬化性接
着剤および砥粒を含む混合接着剤液をワイヤ表面に塗布
して光硬化する接着剤液塗布工程と、前記混合接着剤液
が表面に塗布されたワイヤをその軸線方向に走行させな
がら、ワイヤ上に光硬化性樹脂および添加粉末を含む混
合溶液を塗布して光硬化する混合溶液塗布工程とを有
し、該混合溶液塗布工程では、ワイヤ上に、短径が0.
1〜15μm、長径が1〜200μmの金属ファイバお
よび短径が0.1〜15μm、長径が1〜200μmの
無機ファイバを5〜90wt%含有するか、短径が0.
1〜15μm、長径が1〜200μmの金属ファイバ又
は短径が0.1〜15μm、長径が1〜200μmの無
機ファイバを5〜90wt%含有する、光硬化性樹脂の
混合溶液を塗布することに特徴がある。
のいずれかにおいて、前記混合接着剤液塗布工程および
混合溶液塗布工程で、該混合接着剤液および混合溶液の
塗布されたワイヤを所定の径にするか、あるいはワイヤ
上に塗布された該混合接着剤液および混合溶液を所定の
膜厚にして光硬化することに特徴がある。
いずれかにおいて、前記混合溶液塗布工程を複数回繰り
返すことに特徴がある。
のいずれかにおいて、前記接着剤液塗布工程では、ワイ
ヤ上に光硬化性接着剤とダイヤモンド、CBN(立方晶
窒化ホウ素)、アルミナ、および炭化珪素を含む硬質砥
粒との混合接着剤液を塗布することに特徴がある。
0のいずれかに前記光硬化の後にワイヤの外径寸法を計
測する計測工程と、計測された外径寸法を基にして、ワ
イヤの外径寸法が所定の値になるように前記混合溶液塗
布工程を調節する調節工程と、を有することに特徴があ
る。
限に抑えることが可能となり、切断ロスや切断品のそり
が小さく、安定した切断面品位を有するシリコンウェー
ハの高精度切断が可能なワイヤ工具を製造することがで
きる。
1のいずれかにおいて、前記光硬化を、窒素雰囲気中で
行うことに特徴がある。
面を用いて説明するが、本発明はこれに限定されるもの
ではなく、光硬化性樹脂(接着剤)に砥粒を添加した光
硬化性接着剤層、接着剤以外の通常の光硬化性樹脂に種
々の金属粒子や無機粉末、金属ファイバ、無機ファイバ
を添加した光硬化性樹脂層、を含む結合材を用いて砥粒
をワイヤに固着するワイヤ工具とその製造方法の広範囲
な応用をも含むものである。
工具の製造装置の概略構成を示し、図2には製造された
ワイヤ工具の横断面を示す。
に巻かれたワイヤ11は、複数の送りローラ12、1
3、14およびダンサローラ15により搬送され、巻き
取りロール20に引張られて巻き取られる構成になって
いる。ワイヤ11の素材は特に限定されるものではな
く、ピアノ線、黄銅被覆ピアノ線、ステンレス鋼線とい
った金属線やガラス繊維といった無機化合物による線、
ナイロンといった有機化合物による線、またはそれらの
撚線、等が挙げられる。
よる断線等を防止するために、張力制御機構としてダン
サローラ15を設けているが、他にはシーソー方式やキ
ャプスタンプ方式による張力制御法が挙げられる。図1
に示す構成においては、制御系16によって送り出しロ
ール10の送り出しの速度と巻き取りロール20の巻き
取り速度が制御されるとともに、ダンサローラ15の位
置が制御され、ワイヤ11の張力が所定値に制御され
る。
たワイヤ11は、混合被覆11Dとの密着性を向上させ
るために溶剤蒸気脱脂槽で脱脂処理された後、金属との
密着性に優れる光硬化性樹脂(接着剤)に砥粒を添加し
た混合接着剤液を収容した接着剤塗布槽21Aに導か
れ、混合接着剤液の塗布処理が施される。これによっ
て、結合材の第1層目が形成される。
ワイヤ表面に化学的プライマ処理を施してもよい。この
化学的プライマ処理によってワイヤ表面での混合接着剤
液から形成された混合被覆の硬化を促進するとともに、
ワイヤ11と光硬化性接着剤層11Bとの密着性を高め
ることができる。この化学的プライマ処理としては、光
重合促進剤やカップリング剤(例えば、シランカップリ
ング剤)の表面塗布が挙げられる。
る官能基を導入した光硬化性樹脂(接着剤)は、ワイヤ
11との密着性および光硬化性樹脂を主成分とする混合
被膜11Dとの密着性に優れるため、その光硬化性接着
剤に砥粒を添加した混合接着剤液を塗布処理することに
より、結果として、ワイヤ11と混合被膜11Dとの密
着性を高めることができる。また、光硬化性接着剤に砥
粒を添加することによって、より芯線(ワイヤ)に近い
部分で砥粒を固定し、砥粒の保持強度を高めることがで
きる。さらに、光硬化性接着剤には金属粉末等を添加し
ないことで、光照射以前に硬化反応が生じることもなく
なる。
ではなく、ダイヤモンド、CBN(立方晶窒化ホウ
素)、アルミナ、炭化珪素、等の硬質砥粒等でもよい。
但し、その中でも加工能力に優れるダイヤモンド砥粒が
通常望ましい。
厚み制御および硬化処理を行う。この塗布膜厚み制御
は、接着剤塗布槽21Aの出口に移動可能に設けられた
線径ジグ23aにより、ワイヤ11に付着している余分
な混合接着剤液を掻き落として未硬化の混合被覆を所定
の厚みに整えるか、あるいは、その混合被覆が形成され
たワイヤ外径を所定の直径に整えることによって行われ
る。また、前記硬化処理は、線径ジグ23aを通過した
ワイヤ11に対して光照射装置24aより所定の光を照
射することによって行われる。これにより、砥粒22c
を添加した混合被覆11Cが硬化した硬化層(光硬化性
接着剤層11Bあるいは混合被膜11D)が形成され
る。
記載されているように、ワイヤ表面に微小な凹凸を設
け、ワイヤと混合被覆との密着性を高める方法も考案さ
れているが、この方法ではワイヤの機械的強度を損なう
恐れがある。
着剤液の塗布処理によって、ワイヤ本体11aの表面に
光硬化性接着剤層11Bが形成されたワイヤ11は、次
いで、ロート状の樹脂塗布槽21bに収容された混合溶
液22中を通過する。このとき、ワイヤ11の光硬化性
接着剤層11B上に混合液22が層状に付着して未硬化
の混合被覆22Eが形成される。
合溶液22は、光硬化性樹脂22aに所定の添加物22
bを添加、混合した液状樹脂からなる流動性混合物であ
る。具体的には、混合溶液22は、液状樹脂すなわち光
硬化性樹脂22aに、平均粒径が0.1〜15μmの金
属粒子および平均粒径が0.1〜15μmの無機粉末を
5〜90wt%か、平均粒径が0.1〜15μmの金属
粒子または平均粒径が0.1〜15μmの無機粉末を5
〜90wt%、あるいは、短径が0.1〜15μm、長
径が1〜200μmの金属ファイバおよび短径が0.1
〜15μm、長径が1〜200μmの無機ファイバを5
〜90wt%か、短径が0.1〜15μm、長径が1〜
200μmの金属ファイバまたは短径が0.1〜15μ
m、長径が1〜200μmの無機ファイバを5〜90w
t%、添加物22bとして添加、混合したものである。
ジグ23bが移動可能に設けられており、ワイヤ11に
付着している余分な混合液22をこの線径ジグ23bに
より掻き落として、未硬化の混合被覆22Eを所定の厚
みに整え、あるいは、その混合被覆22Eが形成された
ワイヤ外径を所定の直径に整えるように構成されてい
る。
次いで、光照射装置24bによって所定の光を照射され
る。これにより、光硬化性樹脂22aと添加物22bの
混合被覆22Eが硬化した硬化層(混合被膜22F)が
第2層目として形成される。
混合被膜(図示せず)を形成する場合も第2層目の処理
と概ね同様であって、ワイヤ本体11aの外表面に混合
被膜22Fが形成されたワイヤ11は、ロート状の樹脂
塗布槽(図示せず、21bに相当)に収容された、光硬
化性樹脂に所定の添加物を混合した混合溶液中を通過し
た後、その樹脂塗布槽の出口に設けられた線径ジグ(図
示せず、23bに相当)によって塗布膜厚み制御が行わ
れ、さらに光照射装置(図示せず、24bに相当)によ
って硬化処理が行われる。あるいは、第1層及び第2層
を形成した後、ワイヤ11を一旦巻き取るとともに接着
剤塗布槽21Aを取り外し(あるいは、図示しないロー
ト状のプライマ処理槽および接着剤塗布槽21Aを取り
外し)、再度、巻き出して樹脂塗布槽21b内の混合溶
液中を通過させた後、その樹脂塗布槽の出口に設けられ
た線径ジグ23bによって塗布膜厚み制御を行い、さら
に光照射装置24bによって硬化処理を行うようにして
もよい。
砥粒を固定したワイヤ工具11Tが順次できあがる。
下流側でワイヤ工具11Tの外径寸法を測定するもの
で、その測定情報を制御系16にフィードバックするこ
とができる。この線径測定器17は、例えばワイヤ搬送
方向の所定位置で、ワイヤ工具11Tを取り囲んで等角
度間隔に離間する3個の非接触の変位センサを有してお
り、ワイヤ11の線径測定のみならず、ワイヤ本体11
aに対する混合被膜11D、22Fの芯ずれ(周方向三
位置での混合被膜11D、22Fの膜厚のばらつき)を
も検出可能に構成されている。制御系16は、その測定
情報を基にワイヤ11と線径ジグ23a、23bとの芯
ずれを検出し、常にワイヤ11が線径ジグ23a、23
bの中心を走行し、混合被膜11D、22Fがワイヤ1
1の長さ方向においても周方向においても一定の厚さと
なるように、ワイヤ11と線径ジグ23a、23bの相
対位置の制御を行う。その位置制御は、線径ジグ23
a、23bを変位させることにより、あるいは、図示し
ないワイヤ位置調整用のローラを変位させることによ
り、可能である。
成されたワイヤ工具11は、ローラ14、15を通過し
た後、巻き取りロール20に巻き取られる。
うに、ワイヤ本体11a上に砥粒22cを添加した光硬
化性樹脂(接着剤)を主成分とする第1層、および金属
粉末等の添加物22bを添加した光硬化性樹脂を主成分
とする第2層からなる結合材で砥粒22cを固定したも
のである。これらの光硬化性樹脂は、紫外線や可視光線
等の光が照射されると光化学反応を起こし、数秒単位あ
るいはそれ以下で重合硬化するため、十分な製造スピー
ドを保ちながら安価で長尺なワイヤ工具を提供すること
ができる。
平均粒径0.1〜15μmを有する、金属粒子と無機粉
末のうち少なくとも一方を添加物として、あるいは、短
径が0.1〜15μmで、長径が1〜200μmであ
る、金属ファイバと無機ファイバのうち少なくとも一方
を添加物として、その添加物を5〜90wt%添加して
いるので、ワイヤ工具の機械的強度および耐熱性を高め
ることができる。なお、添加物の粒子部やファイバ部で
の光の透過、吸収、反射により、光硬化性樹脂の硬化速
度が低下したり、未硬化状態に陥ったりすることが考え
られるが、添加物粒子の種類、大きさ、添加量を所定範
囲に特定することで、これらの問題を解決することがで
きる。
イヤをその軸線方向に走行させながら、前述の添加物を
5〜90wt%含有する光硬化性樹脂の混合溶液22を
所定の径、あるいはワイヤ11上に塗布された混合溶液
の被覆22E等を所定の膜厚に整形して光硬化する工程
を含むので、均一な被覆層を複数形成して、高品質のワ
イヤ工具を連続的に製造することができる。
されたワイヤ工具11Tの外径寸法を計測し、その計測
結果を基にワイヤ工具11Tの外径寸法を所定の値にす
るように、線径ジグ23a、23bや前記調整用ローラ
を制御することにより、線径のばらつきを最小限に抑え
ることができる。その結果、切断時の切断ロスや切断品
の反りが小さく、安定した切断面品質を有するシリコン
ウェーハを得ることができる。
所定の径に整形し、あるいはワイヤ11上に塗布された
混合溶液の被覆層22E等を所定の膜厚にして光硬化す
る工程を、窒素雰囲気中でワイヤ11に光を照射するこ
とで、重合硬化反応を安定かつ確実に生じさせることが
できる。
で、金属との密着性に優れる光硬化性樹脂(接着剤)に
砥粒22cを添加した混合接着剤液を塗布処理すること
によって、結合材被膜とワイヤ面との密着力を高めるこ
とができ、結合材被膜の剥離による工具寿命の低下を抑
えることができる。しかも、光硬化性接着剤には金属粉
末等を添加しないことで、光照射以前に硬化反応が生じ
ることはなくなり、結合材中より芯線に近い第1層目
で、密着力の強い光硬化性接着剤により砥粒を固定する
ことによって、砥粒の保持強度を高めることができる。
0mmのピアノ線を用いる。前述のように、図示しないロ
ート状のプライマ処理槽にシランカップリング剤を入
れ、そのプライマ処理槽内にワイヤ11を導き、開口部
を通過させる。こうしてワイヤ11上にシランカップリ
ング剤を塗布し、プライマ処理を施す。
剤)およびアセトフエノン誘導体系の光重合開始剤1w
t%からなるラジカル重合型光硬化性接着剤液を準備す
る。次いで、集中度20に該当する30/40μmのダ
イヤモンド砥粒を微量のエチルアルコールで湿潤し、そ
の光硬化性接着剤液に入れ、ホモジェナイザにて約10
分間混ぜ合わせる。そして、接着剤塗布槽21Aに光硬
化性接着剤とダイヤモンド砥粒との混合溶液(混合接着
剤液)を収容する。
が施されたワイヤ11を接着剤塗布槽21A内に導き、
さらに、整形する開口直径が約0.23mmの線径ジグ2
3aを通過させ、波長354nm付近に大きなピークを有
する高圧水銀ランプを用いて紫外線硬化させる。こうし
て、砥粒を添加したアクリレート系光硬化性樹脂を主成
分とする混合接着剤液をワイヤ11上に塗布し、結合材
の第1層目を形成する。
マあるいはモノマ)およびアセトフエノン誘導体系の光
重合開始剤1wt%からなるラジカル重合型光硬化性樹
脂溶液中に、骨材として平均粒径2μmの銅微粒子を3
0wt%添加し、ホモジェナイザにて約10分間混和す
る。そして、樹脂塗布槽21bに銅微粒子と液状樹脂と
の混合溶液22を収容する。
リレート系光硬化性樹脂(接着剤)が塗布されたワイヤ
11を、樹脂塗布槽21b内へ導き、整形する開口直径
が約0.27mmの線径ジグ23bを通過させ、波長35
4nm付近に大きなピークを有する高圧水銀ランプを用い
て紫外線硬化させ、結合材の第2層目を形成する。これ
により、砥粒22cを添加した光硬化性接着剤を主成分
とする第1層、および骨材を添加した通常の光硬化性樹
脂を主成分とする第2層、からなる結合材で砥粒22c
と固定された、直径0.25〜0.26mmのワイヤ工具
を得た。
に依存するが、例えば紫外線硬化樹脂の場合、波長20
0〜400nmの遠紫外から可視光域内に波長を有する紫
外線で、光照射装置24の発光源としては高圧水銀ラン
プ、メタルハライドランプ、He−Cdレーザあるいは
Arレーザ等を用いる。また、可視光線硬化樹脂の場合
は、波長400〜800nm内にピークを有する光源を用
いる。
照射により光重合開始剤がフリーラジカルを発生し、こ
れがオリゴマ、モノマのラジカル重合を誘発するラジカ
ル重合型の樹脂であったが、樹脂成分である、オリゴ
マ、モノマ、重合開始剤は本実施例記載の成分に限定さ
れるものではない。ラジカル重合型の樹脂成分として、
不飽和ポリエステル樹脂をオリゴマとし、スチレンをモ
ノマとすることもできる。
ルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、アクリル
オリゴマ系アクリレート、エポキシアクリレート、ポリ
ブタジエンアクリレート、シリコンアクリレートを用い
てもよい。モノマとしては、N−ビニルピロリドン、酢
酸ビニル、および一官能アクリレート、二官能アクリレ
ート、三官能アクリレート類を用いてもよい。重合開始
剤としては、アセトフェノン、トリクロロアセトフェノ
ン、等のアセトフェノン誘電体以外にベンゾインエーテ
ル類、ベンゾフェノン類、キサントン類、等を用いても
よい。また、ラジカル重合型以外に、光不可重合型、光
カチオン重合型、酸硬化型の光硬化性樹脂を用いてもよ
い。
微粒子を用いたが、添加剤はこれに限定されるものでは
ない。添加剤としては、所定の時間内に樹脂硬化を完了
し、光硬化後の結合材の機械的強度を向上でき、工具の
耐摩耗性等の特性を向上できるものであればよい。この
ような添加剤として、金属微粒子、金属酸化物、金属炭
化物、半導体材料に代表される非金属材料の酸化物、炭
化物等、あるいは粒子以外にファイバ状のものを用いて
もよい。
用いたが、3層以上からなる結合材で砥粒と固定する場
合についても、第2層目と同様の工程を繰り返すことに
より所定の直径のワイヤ工具を得ることができる。この
際、第2層目以降の各層の成分構成を適宜変更して形成
してもよい。
インチのシリコンインゴットの切断加工(ワイヤ線速度
は300m/min)を行った。その結果、顕著な結合材
層摩耗は観察されず、また平均切断能率も35mm2/min
程度以上と良好であった。これに対し、光硬化性樹脂
(接着剤)に砥粒を添加した混合接着剤液の塗布処理を
行わず、単層からなる光硬化性樹脂を主成分とする結合
材で砥粒をワイヤ上に固定したワイヤ工具を用いて、同
様に3インチのシリコンインゴットの切断加工(ワイヤ
線速度は300m/min)を行った場合は、20分間程
度で結合材層が剥離してしまい、また平均切断能率も1
mm2/min程度と極めて低かった。
光硬化性樹脂を主成分とし、工具半径方向に複数層から
なる結合材を用い、ワイヤ上に砥粒を固定したワイヤ工
具において、ワイヤと接する部分には、金属であるワイ
ヤとの密着強度の高い層(光硬化性接着剤層)を設け、
その光硬化性接着剤には金属粉末等を添加せずに砥粒を
添加することにより、光照射以前に硬化反応が生じるこ
とはない。また、より芯線に近い部分(結合材の第1層
目)において、密着力の強い光硬化性接着剤により砥粒
を固定することによって、砥粒の保持強度を高めること
ができる。
を添加した通常の光硬化性樹脂を主成分とする層を設け
ることにより、ワイヤ工具の表面硬度を高め、ワイヤ工
具の耐摩耗性等を向上させることができる。
するとともに、結合材被膜とワイヤ面との密着力を高め
ることができ、そして十分なワイヤ工具硬度を得ること
ができ、砥粒についても十分な強度で保持することがで
き、長尺で安価かつ高寿命なワイヤ工具を提供すること
ができる。
ワイヤを走行させながら、ワイヤと結合材被膜との密着
性を高め、砥粒を固定する光硬化性接着剤層を形成し、
次に、添加物混合液状樹脂と骨材との混合溶液中を通過
し、ワイヤに混合液を付着させて混合被覆を形成し、ワ
イヤに付着した余分な混合液を取り除くことにより、混
合被膜の均一なワイヤ工具を連続的に製造することがで
きるという効果がある。
末、金属ファイバや無機ファイバを添加することによっ
て、無添加の場合に比べ、ワイヤ工具の機械的強度、耐
熱性、耐摩耗性が向上する。
ヤ工具の線径を測定し、線径制御や芯ずれ抑制の制御を
行うことにより、線径ばらつきを最小限に抑えることが
可能となり、品質の安定したワイヤ工具を製造すること
ができる。
よって、重合硬化反応を安定かつ確実に実現することが
できる。
を固定するための光硬化性接着剤を主成分とする層を含
む複数の光硬化性樹脂層からなる結合材を用い、高寿命
で切断加工の高精度化・高能率化が可能であって、かつ
長尺で安価なワイヤ工具およびその製造方法を提供する
ことができる。
装置の概略構成を示す図である。
面図である。
れる遊離砥粒を用いたマルチワイヤ切断加工装置の概略
構成を示す斜視図である。
Claims (12)
- 【請求項1】光硬化性樹脂を主成分とし、複数層からな
る結合材が工具半径方向に形成されており、該結合材で
ワイヤ上に砥粒を固定したワイヤ工具であって、 前記結合材には、ワイヤ上に形成された光硬化性接着剤
層と、骨材として、平均粒径が0.1〜15μmの金属
粒子および平均粒径が0.1〜15μmの無機粉末が5
〜90wt%添加されるか、平均粒径が0.1〜15μ
mの金属粒子又は平均粒径が0.1〜15μmの無機粉
末が5〜90wt%添加された、光硬化性樹脂からな
り、前記光硬化性接着剤層上に形成された光硬化性樹脂
層と、を含むことを特徴とするワイヤ工具。 - 【請求項2】光硬化性樹脂を主成分とし、複数層からな
る結合材が工具半径方向に形成されており、該結合材で
ワイヤ上に砥粒を固定したワイヤ工具であって、 前記結合材には、ワイヤ上に形成された光硬化性接着剤
層と、骨材として、短径が0.1〜15μm、長径が1
〜200μmの金属ファイバおよび短径が0.1〜15
μm、長径が1〜200μmの無機ファイバが5〜90
wt%添加されるか、短径が0.1〜15μm、長径が
1〜200μmの金属ファイバ又は短径が0.1〜15
μm、長径が1〜200μmの無機ファイバが5〜90
wt%添加された、光硬化性樹脂からなり、前記光硬化
性接着剤層上に形成された光硬化性樹脂層と、を含むこ
とを特徴とするワイヤ工具。 - 【請求項3】前記ワイヤ表面に化学的プライマ処理を施
したことを特徴とする請求項1又は2記載のワイヤ工
具。 - 【請求項4】ワイヤ上に光硬化性樹脂を主成分とする結
合材で砥粒を固定したワイヤ工具の製造方法であって、 ワイヤをその軸線方向に走行させながら、光硬化性接着
剤および砥粒を含む混合接着剤液をワイヤ表面に塗布し
て光硬化する接着剤液塗布工程と、 前記混合接着剤液が表面に塗布されたワイヤをその軸線
方向に走行させながら、ワイヤ上に光硬化性樹脂および
添加粉末を含む混合溶液を塗布して光硬化する混合溶液
塗布工程とを有し、 該混合溶液塗布工程では、ワイヤ上に、平均粒径が0.
1〜15μmの金属粒子および平均粒径が0.1〜15
μmの無機粉末を5〜90wt%含有するか、平均粒径
が0.1〜15μmの金属粒子又は平均粒径が0.1〜
15μmの無機粉末を5〜90wt%含有する、光硬化
性樹脂の混合溶液を塗布することを特徴とするワイヤ工
具の製造方法。 - 【請求項5】ワイヤ上に光硬化性樹脂を主成分とする結
合材で砥粒を固定したワイヤ工具の製造方法であって、 ワイヤをその軸線方向に走行させながら、ワイヤ表面に
化学的プライマ液を塗布するプライマ処理工程と、化学
的プライマ液が表面に塗布されたワイヤをその軸線方向
に走行させながら、光硬化性接着剤および砥粒を含む混
合接着剤液をワイヤ表面に塗布して光硬化する接着剤液
塗布工程と、前記混合接着剤液が表面に塗布されたワイ
ヤをその軸線方向に走行させながら、ワイヤ上に光硬化
性樹脂および添加粉末を含む混合溶液を塗布して光硬化
する混合溶液塗布工程とを有し、 該混合溶液塗布工程では、ワイヤ上に、平均粒径が0.
1〜15μmの金属粒子および平均粒径が0.1〜15
μmの無機粉末を5〜90wt%含有するか、平均粒径
が0.1〜15μmの金属粒子又は平均粒径が0.1〜
15μmの無機粉末を5〜90wt%含有する、光硬化
性樹脂の混合溶液を塗布することを特徴とするワイヤ工
具の製造方法。 - 【請求項6】ワイヤ上に光硬化性樹脂を主成分とする結
合材で砥粒を固定したワイヤ工具の製造方法であって、 ワイヤをその軸線方向に走行させながら、光硬化性接着
剤および砥粒を含む混合接着剤液をワイヤ表面に塗布し
て光硬化する接着剤液塗布工程と、 前記混合接着剤液が表面に塗布されたワイヤをその軸線
方向に走行させながら、ワイヤ上に光硬化性樹脂および
添加粉末を含む混合溶液を塗布して光硬化する混合溶液
塗布工程とを有し、 該混合溶液塗布工程では、ワイヤ上に、短径が0.1〜
15μm、長径が1〜200μmの金属ファイバおよび
短径が0.1〜15μm、長径が1〜200μmの無機
ファイバを5〜90wt%含有するか、短径が0.1〜
15μm、長径が1〜200μmの金属ファイバ又は短
径が0.1〜15μm、長径が1〜200μmの無機フ
ァイバを5〜90wt%含有する、光硬化性樹脂の混合
溶液を塗布することを特徴とするワイヤ工具の製造方
法。 - 【請求項7】ワイヤ上に光硬化性樹脂を主成分とする結
合材で砥粒を固定したワイヤ工具の製造方法であって、 ワイヤをその軸線方向に走行させながら、ワイヤ表面に
化学的プライマ液を塗布するプライマ処理工程と、化学
的プライマ液が表面に塗布されたワイヤをその軸線方向
に走行させながら、光硬化性接着剤および砥粒を含む混
合接着剤液をワイヤ表面に塗布して光硬化する接着剤液
塗布工程と、前記混合接着剤液が表面に塗布されたワイ
ヤをその軸線方向に走行させながら、ワイヤ上に光硬化
性樹脂および添加粉末を含む混合溶液を塗布して光硬化
する混合溶液塗布工程とを有し、 該混合溶液塗布工程では、ワイヤ上に、短径が0.1〜
15μm、長径が1〜200μmの金属ファイバおよび
短径が0.1〜15μm、長径が1〜200μmの無機
ファイバを5〜90wt%含有するか、短径が0.1〜
15μm、長径が1〜200μmの金属ファイバ又は短
径が0.1〜15μm、長径が1〜200μmの無機フ
ァイバを5〜90wt%含有する、光硬化性樹脂の混合
溶液を塗布することを特徴とするワイヤ工具の製造方
法。 - 【請求項8】前記混合接着剤液塗布工程および混合溶液
塗布工程で、該混合接着剤液および混合溶液の塗布され
たワイヤを所定の径にするか、あるいはワイヤ上に塗布
された該混合接着剤液および混合溶液を所定の膜厚にし
て光硬化することを特徴とする請求項4乃至7にのいず
れかに記載のワイヤ工具の製造方法。 - 【請求項9】前記混合溶液塗布工程を複数回繰り返すこ
とを特徴とする請求項4乃至8のいずれかに記載のワイ
ヤ工具の製造方法。 - 【請求項10】前記接着剤液塗布工程では、ワイヤ上に
光硬化性接着剤とダイヤモンド、CBN(立方晶窒化ホ
ウ素)、アルミナ、および炭化珪素を含む硬質砥粒との
混合接着剤液を塗布することを特徴とする請求項4乃至
9のいずれかに記載のワイヤ工具の製造方法。 - 【請求項11】前記光硬化の後にワイヤの外径寸法を計
測する計測工程と、 計測された外径寸法を基にして、ワイヤの外径寸法が所
定の値になるように前記混合溶液塗布工程を調節する調
節工程と、 を有することを特徴とする請求項4乃至10のいずれか
に記載のワイヤ工具の製造方法。 - 【請求項12】前記光硬化を、窒素雰囲気中で行うこと
を特徴とする請求項4乃至11のいずれかに記載のワイ
ヤ工具の製造方法。
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EP00101641A EP1025942B1 (en) | 1999-02-04 | 2000-01-31 | Wire saw with an abrasive wire and a method of manufacturing the abrasive wire |
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