JPH11216658A - ワイヤーソーの製造方法並びにワイヤーソー - Google Patents
ワイヤーソーの製造方法並びにワイヤーソーInfo
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- JPH11216658A JPH11216658A JP3817298A JP3817298A JPH11216658A JP H11216658 A JPH11216658 A JP H11216658A JP 3817298 A JP3817298 A JP 3817298A JP 3817298 A JP3817298 A JP 3817298A JP H11216658 A JPH11216658 A JP H11216658A
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Abstract
できるワイヤーソーの製造方法並びにワイヤーソーを提
供する。 【解決手段】 高強度の芯線1を、樹脂溶液中に砥粒3
とフィラー11を混入した混合塗料5中を通過させた
後、芯線1に付着した該塗料5を内周面に凹部Bのある
ダイス2を回転させながら絞って、砥粒3を該芯線1の
外周面上に螺旋状に位置せしめて焼付け炉7に導き、該
塗料5を該芯線1外周面上に焼付け、固着することを特
徴とする。製造されたワイヤーソーにおける固着砥粒
は、芯線上に螺旋状に突出形成されて切れ味がよい。
Description
コンインゴットからのシリコンウエハーのスライシング
のような電子材料の加工や、ガラスレンズの切断のよう
な光学材料の加工などに使用されるワイヤーソー並びに
ワイヤーソーの製造方法並びにワイヤーソーに関する。
ンウエハーのスライシング加工には、主としてダイヤモ
ンド内周刃が使用されてきたが、シリコンインゴットの
大口径化に伴い、収率、生産性、加工変質層、寸法的な
制約などより、最近は遊離砥粒とワイヤーソーによる加
工が多く用いられるようになってきた。しかし、遊離砥
粒を用いる加工は、衛生環境上の問題がある、次工程に
砥粒を混入させる、めんどうな完全な洗浄工程が必要で
ある、加工速度が遅い、加工精度が低い、ソーマークが
強くつくなど加工面性状が良くない、などの種々の問題
があり、砥粒を固着させたワイヤーをつかったワイヤー
ソーによる加工が強く望まれている。
芯線材に砥粒を結合して、その外面にドレッシングを施
したものが特開昭50−102993号公報により提案
されている。
シリコンウエハ−の切り出し加工におけるワイヤーソー
の特徴が詳細に並べられ、この加工には芯線材としてポ
リエチレン、ナイロン等の素材を用いることが良いと提
案され、特開平9−155631号公報には超砥粒の固
着に樹脂バインダー溶液を用いることが提案されてい
る。
提案である。然し乍ら、切断性能の高いワイヤーソーを
工業的に製造し、充分な実用の域に達せしめるには、S
iC、Al2 O3 などの一般砥粒から超砥粒と称せられ
るダイヤモンドやCBNを含む砥粒の粒度、配列などを
踏まえて更にその構成並びに製造方法を改良する必要が
ある。
するためになされたもので、その特徴の第1は高強度の
芯線の外周面上に、樹脂被膜により固着される砥粒を、
回転する内周面に凹部を設けたダイスにより、螺旋状に
配列せしめることである。そして好ましくはその砥粒は
前記提案のように、ドレッシングを施されることなく製
造当初より隆起させることである。
ボンドする樹脂を選択し、また樹脂にフィラーを添加し
て砥粒の保持力を強化することである。即ち樹脂は芯線
との接合力の低いことが最も大きな欠点であるが、用い
る芯線としては、単線の場合ブラスメッキ鋼線のような
接合性のよい金属線を選ぶとか、アラミド繊維、炭素繊
維などの繊維線条体を用いて接合性の向上を計る。樹
脂、砥粒、フィラーの材質、粒径の特定については、次
の実施の形態の項において詳述する。
て、安定して均質なワイヤーソーを製造することであ
る。
は、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、UV硬化樹脂のいず
れも使用できるが、成形性や物性の見地から熱硬化性樹
脂が好ましい。熱硬化性樹脂としてはアルキッド樹脂、
フェノール樹脂、ホルマリン樹脂、ポリウレタン樹脂、
ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂など
を用いることができる。そして切断加工などの使用面に
おける砥粒の固着力、ボンド層の耐摩耗性、耐熱性など
よりして樹脂の弾性率は100kg/mm2 以上で、軟
化温度は200℃以上のものを使用することが好まし
い。
なるものでもよいが、使用する樹脂の種類によりキシレ
ン、トルエン、ベンゼン、エチルベンゼン等のアルキル
ベンゼン類、クレゾール、フェノール、キシレノール等
のクレゾール類、エタノール、ブタノール等のアルコー
ル類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノ
ン等のケトン類、テトラヒトロフラン、ジオキサン等の
エーテル類、DMF、DMCA、DMSO等の非プロト
ン系溶剤などを使い分ける。そしてこの溶剤量は、樹
脂、砥粒、フィラーなどを混合してなる塗料全体に対し
て25〜75容量%とすることが好ましい。
ナ、SiC、SiO2 、CrO2 、微粒ダイヤモンドな
どを含有せしめることにより、強度や耐摩耗性を向上さ
せる、また、グラファイト、MoS2 、BNなどを添加
することにより潤滑性や切れ味を向上させる、またさら
にはCu、Fe、Co粉末などを添加することにより耐
熱性や耐摩耗性を向上させることもできる。フィラーの
粒径は、樹脂被膜厚の2/3未満で、その含有量は、樹
脂、砥粒、フィラーを固着してなるボンド層の1〜50
容量%の範囲で、材質としてはダイヤモンド、CBNな
どの超砥粒が最も好ましい。
径の1/2以下の範囲内で、略揃った粒度のものをその
儘使用すればよいが、ダイヤモンドなどの超砥粒におい
ては、NiやCuを被覆したものも用いることができ
る。このようなコーティング砥粒を用いることで、砥粒
保持力が増大し、加工熱からの樹脂の保護ができ、ワイ
ヤーソーの寿命の向上が得られる場合もある。なお砥粒
の含有量はフィラーと同様1〜50容量%で、材質とし
ては超砥粒が最も好ましい。以下具体的な実施の形態を
実施例によって述べる。
類とアルキルベンゼン類の混合物に溶解させた東特塗料
社製ポリウレタン樹脂溶液(ポリウレタン樹脂含有量:
45%)に、平均粒径25μmのダイヤモンド粒3を
2.2ct/cm3 の割合となるように混入し、混合塗
料5を作製した。この混合塗料5を図1に示すダイス並
びに図3に示す装置を用いて、直径0.18mmのブラ
スメッキピアノ線1の外周に図2に示すような螺旋状の
ダイヤモンド粒3の突出固着層4を有するワイヤーソー
10を作製した。なお図中11は上記混合塗料5中にフ
ィラーを添加した場合のフィラーを示す。
ノ線1の外周面に塗布するのに用いるダイス2の形状と
該線1との関係を示す該線1の進行方向に対する断面の
概略図で、図1イにおいてはダイス2内を通過する該線
1の外周はダイス2の三角形状通過孔の3個の接点Aに
より中心が保持され、凹部Bにより混合塗料5中のダイ
ヤモンド粒3が該線1に接する。
進行に伴いその軸線の垂直方向に回転装置6により回転
されるので、凹部Bにより該線に接せられた混合塗料5
中のダイヤモンド粒3の位置は該線1の外周面上に螺旋
状を描き乍ら、炉温300℃の竪型焼付け炉7中に送ら
れて、乾燥硬化し、図2のように螺旋状のダイヤモンド
固着層4が形成される。図中8は該線1の供給リール、
9は巻取りリールである。
のもの、ハは同5個所、ホは同2個所、ニは接点がな
く、3個所の凹部Bのみがあるものを示し、実施例1で
はイのものを用いた。そして、ダイス2の回転によるピ
ッチは図2のようにワイヤーソー10の径の約10倍で
ある。
ライト社製)をクレゾールにフェノール樹脂の含有量が
50%となるように溶解させた。上記溶液を使用し、そ
の他は実施例1と同様でワイヤーソーを作成した。ワイ
ヤーソーの線径は0.22mm、樹脂膜厚は約12μm
であった。
圧社製)をフェノール樹脂の代わりに使用し、それ以外
は実施例3とまったく同様でワイヤーソーを試作した。
ワイヤーソーの線径は0.22mm、樹脂膜厚は約11
μmであった。
タン溶液に、砥粒として粒径25μmのダイヤモンド粒
3と、フィラーとして粒径10μmのSiO2 各々2.
2ct/cm3 となるように混合した混合液を使用し、
その他は実施例1と同様でワイヤーソーを作成した。得
られたワイヤーソーの線径は0.22mm、樹脂膜厚は
約14μmであった。
ル樹脂溶液に、砥粒として粒径25μmのダイヤモンド
を2.2ct/cm3 と、フィラーとして粒径が5μm
のSiCを1.1ct/cm3 となるように混合した混
合液を製作し、その他は実施例2と同様な条件でワイヤ
ーソーを製作した。得られたワイヤーソーの線径は0.
22mm、樹脂膜厚は約15μmであった。
イミド溶液に、砥粒として粒径25μmのダイヤモンド
粒を3.3ct/cm3 と、フィラーとして粒径5μm
のダイヤモンド微粉末を6.3体積%となるように混合
した。この混合液を用い、その他は実施例3と同様でワ
イヤーソーを製作し、線径が0.22mmで樹脂膜厚が
約15μmのワイヤーソーを得た。
いたものを一括例示する。用いる繊維としては高張力低
伸度のアラミド繊維を集束したものが好ましいが、これ
に炭素繊維、ガラス繊維などを加えることもできる。繊
維で芯線を形成したものは可撓性が良く、金属芯線に比
しシリコンインゴットなどのワークへ巻き付けて行うワ
イヤーソーによる切断加工になじみやすい特徴を有して
おり、また繊維線条体を下記のように構成しておくと、
超砥粒の芯線への接着力は飛躍的に向上する。
リエステル槽中に導いて含浸し、ダイスで絞って加熱し
て半硬化乃至硬化状の繊維条体とする。 (2)半硬化状の(1)の繊維線条体の外周に、アラミ
ド繊維、ポリエステル繊維などを巻きつけて、(1)と
同様に含浸するか、含浸して加熱する。 (3)ピアノ線等の金属線に、アラミド繊維、ポリエス
テル繊維などの繊維を巻きつけ或は撚り合わせておく。 (4)(3)の巻き付け或は撚り合わせの途次か、終了
後に樹脂を含浸するか、含浸して加熱する。
への付着する工程や、加熱硬化する工程は、金属線を芯
線として用いた他の実施例と同ように行うことができ
る。
施例6で作成したワイヤーソーを使用し、単結晶Siの
切断テストを行った。単結晶Siのサイズは100mm
□×30mm厚さで、100×30mmの切断面積が得
られるものを用いた。使用したワイヤーソーは30mの
長さで、加工条件はワイヤーソーの往復運動速度400
mm/min、ワイヤーテンション2.5kgf、加工
液は水道水である。切断溝幅は0.25mmで、150
0mm2 の切断加工にわたり、安定して3.7mm/m
inの切断送り速度での加工が可能であった。
シリコンウェハーの切断試験を行なったところ、切断速
度は下記のように0.3mm/min程度で、上記実施
例ワイヤーソーによるものより一桁以上低いものであっ
た。 被切断材 単結晶Si 直径300mm 長さ210mm 切断用ピアノ線 直径0.18mm ピアノ線の送り速度 500mm/min 使用砥粒 GC600(粒径300〜250μm) 使用切断液 油性(スラリー粒度 250mPa・S) 切断速度 0.33mm/min
の平均粒径25μmのダイヤモンド粒であるが、これを
レーザー回折式粒度分布測定装置を用いて粒子径分布を
測定したところ、表1のように可成のバラツキがあっ
た。このバラツキは他の平均粒径のものにおいても、ま
たフィラーにおいても存在する。
は15μmであるから、砥粒の粒子径は15μm×2/
3=10μm以上となり、10μm未満のものはフィラ
ーとなるので、出来上がったワイヤーソー10の砥粒と
フィラーの容量比は、配合量とは若干異なったものとな
る。
ば、従来の遊離砥粒によるシリコンウエハーのスライシ
ング加工に換え、ワイヤーによるスライシング加工ので
きる螺旋状の砥粒の固着したワイヤーソーを容易に経済
的に提供することができる。しかも提供されるワイヤー
ソーの切断能力は、遊離方式に比し10倍以上も高く、
加工性能、加工精度も充分なものである。
ダイスの内周形状と芯線と砥粒の関係を説明する芯線の
断面方向からの概略図である。
る。
る。
ラー 2 ダイス A ダイ
ス内周側の接点 3 ダイヤモンド粒 B ダイ
ス内周側の凹部 4 ダイヤモンド粒の突出固着層 5 混合塗料 6 回転装置 7 竪型焼付け炉 8 供給リール 9 巻取リール 10 ワイヤーソー
Claims (6)
- 【請求項1】 高強度の芯線を砥粒又は砥粒とフィラー
の混入した樹脂溶液中を通過せしめる工程と、上記通過
した芯線をダイスを通して乾燥部に導く工程と、乾燥部
において樹脂を加熱固化し、芯線外周面上に砥粒を固着
せしめる工程とを具備する方法において、上記ダイスは
芯線の通過する内周面軸方向に設けた凹部によって非円
形に形成され、かつ該ダイスが通過する芯線の軸に対し
て垂直方向に回転し、通過する芯線に付着した液中の砥
粒は、ダイス内周面に設けた凹部により、芯線外周面の
螺旋状の位置に樹脂被膜により配列固着されることを特
徴とするワイヤーソーの製造方法。 - 【請求項2】 高強度の芯線は鋼線又は繊維線条体、砥
粒の粒径は樹脂被膜厚の2/3以上芯線径の1/2以
下、フィラーの粒径は樹脂被膜厚の2/3未満であり、
かつ樹脂は弾性率100kg/mm2 以上、軟化温度2
00℃以上であることを特徴とする請求項1記載の製造
方法。 - 【請求項3】 砥粒、フィラーの含有量は、共に容積%
で樹脂、フィラー、砥粒よりなるボンド層の1乃至50
%であることを特徴とする請求項1又は2記載の製造方
法。 - 【請求項4】 高強度の芯線は表面処理したピアノ線、
砥粒、フィラーは共に超砥粒であることを特徴とする請
求項1、2又は3記載の製造方法。 - 【請求項5】 高強度芯線の外周面上に、粒径が樹脂被
膜厚の2/3以上芯線径の1/2以下の砥粒と、粒径が
樹脂被膜厚の2/3未満であるフィラーとが、弾性率1
00kg/mm2 以上かつ軟化温度200℃以上の樹脂
による被膜によって固着されてなり、かつ少なくとも上
記砥粒の固着位置は、芯線外周面の螺旋状の位置に配列
されてなることを特徴とするワイヤーソー。 - 【請求項6】 砥粒の材質はダイヤモンド、CBNなど
の超砥粒、フィラーの材質は超砥粒又はSiC、Al2
O3 などの一般砥粒であり、両者の含有量は、共に容積
%で樹脂、フィラー、砥粒よりなるボンド層の1乃至5
0%であることを特徴とする請求項5記載のワイヤーソ
ー。
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