JP2002289228A - 加湿器およびその使用方法 - Google Patents

加湿器およびその使用方法

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JP2002289228A
JP2002289228A JP2001083325A JP2001083325A JP2002289228A JP 2002289228 A JP2002289228 A JP 2002289228A JP 2001083325 A JP2001083325 A JP 2001083325A JP 2001083325 A JP2001083325 A JP 2001083325A JP 2002289228 A JP2002289228 A JP 2002289228A
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fiber membrane
membrane
humidifier
fuel cell
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JP2001083325A
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Masaharu Saito
昌晴 齋藤
Toshihiro Nakayama
智弘 中山
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Nok Corp
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Nok Corp
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    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

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  • Air Humidification (AREA)
  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 固体高分子型燃料電池に供給するために用い
るのに好適であり、品質性に優れた加湿器を提供する。 【解決手段】 中空糸膜2の素材としてはイミド系の素
材を適用する。また、中空糸膜2に多価アルコールの浸
漬処理を施す。更に、中空糸膜2を製造後、ポッティン
グ部の形成を行う前に、中空糸膜2に加熱履歴を与え
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固体高分子型燃料
電池に供給する燃焼ガスを加湿するための加湿器および
その使用方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、固体高分子型燃料電池(以下、燃
料電池と称する)は、クリーンな発電システムとして注
目されており、活発な開発が行われている。
【0003】燃料電池においては、水素と酸素の反応に
より電気と水蒸気が発生するが、この反応時に発生した
電気は水分子を伴って移動するため、隔壁(イオン交換
膜)を常に保湿しておく必要がある。
【0004】この場合、水タンク等から水分を供給する
ことも考えられるが、定置用あるいは車載用ともに屋外
での使用が前提となるため、冬場における凍結の問題が
あり、水タンク等を設けることは適切ではない。
【0005】そこで、この保湿を行うために、上述のよ
うに燃料電池において反応により発生した水蒸気を有効
に回収して、再び燃料電池に送り込もうという試みが行
われている。
【0006】そのために、ガス中に含まれる水分を分離
可能な水蒸気透過膜を利用した加湿器が必要となる。
【0007】加湿器に関しては、例えば、特開平6−1
32038号公開公報には、平膜形状の水蒸気透過膜
と、この水蒸気透過膜により隔てられた加湿ガス室およ
び被加湿ガス室とを備え、オフガス側からスイープガス
側へ水蒸気を透過させる技術が開示されている。
【0008】また、特開平8−138704号公開公報
には、膜の孔径が1×10-8〜10 -7mの親水性ポリオ
レフェン多孔質膜を用いた技術が開示されている。更
に、特開平8−273687号公開公報には、水蒸気透
過係数が1×10-8〜10-5cm3/cm2・s・cmH
g(1333Pa)のイオン交換膜により構成した中空
糸膜を用いたシステムに関する技術が開示されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来技術の場合には、下記のような問題が生じて
いた。
【0010】特開平6−132038号公開公報に開示
された技術においては、膜の形態が平膜であるために、
単位面積あたりの膜面積が十分ではなく加湿能力低くな
ってしまい、また、膜はフッ素系交換膜であるため高価
であるという欠点もある。
【0011】特開平8−138704号公開公報に開示
された技術においても、膜の形態が上記同様平膜であり
同様の問題があると共に、燃料電池から発生した飽和水
蒸気の空気のみでは膜が濡れない可能性がある。従っ
て、水滴などの液体状の水が接触し続けて初めて膜が濡
れた状態が保持できることとなる。
【0012】更に、通常、排気ガス(オフガス)よりも
供給ガス(スイープガス)の方が絶対圧が高く、膜が完
全に濡れていないと供給ガスが排気ガスへバイパスして
しまうクロスリークが発生することがあり得る。
【0013】特開平8−273687号公開公報に開示
された技術では、上記のように水蒸気透過係数が低いた
め、加湿能力が低く、システムとして大型化が余儀なく
されることとなる。
【0014】また、水蒸気透過膜を燃料電池に適用した
場合に、燃料電池の運転時は水蒸気透過膜は高温高湿に
保持されるものの、運転停止時において屋外に曝された
場合に零下の状態となる場合も想定される。このような
場合に、含水状態を保持する水蒸気透過膜は、凍結時の
体積膨張や凍結による膜の固化により膜が破壊された
り、解凍後に性能を維持できなかったりするという問題
もある。
【0015】上記、各公開公報には、凍結対策に関する
技術については開示されていない。
【0016】また、加熱により中空糸膜が収縮すること
による様々な問題もあった。
【0017】本発明は上記の従来技術の課題を解決する
ためになされたもので、その目的とするところは、固体
高分子型燃料電池に供給するために用いるのに好適であ
り、品質性に優れた加湿器を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の加湿器にあっては、中空糸膜によって気体中
に含まれる水分を分離して、固体高分子型燃料電池に供
給する燃料ガスを加湿する加湿器において、前記中空糸
膜がイミド系の素材で構成されることを特徴とする。
【0019】従って、中空糸膜をイミド系の素材で構成
したことで、水蒸気透過係数を高くすることができ、耐
熱性も高くすることができる。
【0020】前記中空糸膜は、多価アルコールに浸漬処
理されているとよい。
【0021】これにより、耐凍結性が向上する。
【0022】前記中空糸膜は、90℃〜120℃の加熱
処理が施されているとよい。
【0023】これにより、加熱による収縮を未然に防止
できる。
【0024】また、本発明の加湿器の使用方法にあって
は、固体高分子型燃料電池から排出される排ガスを、上
記の加湿器に導入し、該排ガス中に含まれる水分を分離
することにより燃料ガスを加湿することを特徴とする。
【0025】
【発明の実施の形態】以下に図面を参照して、この発明
の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただ
し、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、
材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載が
ない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣
旨のものではない。
【0026】図1〜図5を参照して、本発明の実施の形
態に係る加湿器およびその使用方法について説明する。
【0027】図1は本発明の実施の形態に係る加湿器の
斜視図であり、図2は本発明の実施の形態に係る加湿器
の組立前の様子を示す斜視図であり、図3は本発明の実
施の形態に係る加湿器の縦断面図(軸心を含む平面で切
断した断面図)である。
【0028】また、図4は図3における構成の一部を変
更した変形例を示す断面図の一部であり、図5は本発明
の実施の形態に係る加湿器の使用方法を示すシステムフ
ロー図である。
【0029】本実施の形態に係る加湿器10の基本的な
構成は、図1〜図3に示すように、モジュールケース1
と、このモジュールケース1内に複数本充填される中空
糸膜2と、モジュールケース1の両端部分において、中
空糸膜2の中空内部のみが開放されるように、中空糸膜
2の外壁間とモジュールケース1の内壁面との間を密封
接着するポッティング部3と、を備える。
【0030】モジュールケース1は略円筒形状であり、
水分を含む気体、具体的には、燃料電池における反応後
のガスを導く側の第1開口部13と、このガスを排出す
る側の第2開口部14と、を備える。
【0031】さらに、モジュールケース1の側面には、
加湿対象気体、具体的には、燃焼ガスを導入する複数の
導入口11と、これを加湿した後に排出する排出口12
と、を備えている。
【0032】次に、中空糸膜2について詳しく説明す
る。
【0033】本実施の形態では、水分の供給源が気体で
も良く、耐熱性があり、かつ、バリア性(クロスリーク
しない性質)を有する水蒸気透過膜によって中空糸膜2
を構成している。
【0034】具体的には、水蒸気透過係数が1.0×1
-4cm3/cm2・s・cmHg(1333Pa)以
上であり、毛管凝縮作用を呈する多孔構造を有し、か
つ、140℃以上の耐熱性がある水蒸気透過膜を用いて
いる。
【0035】これを実現するために、素材としてはイミ
ド系の素材を適用することで達成できた。例えば、ポリ
エーテルイミド,ポリアミドイミド、あるいは、ポリエ
ーテルイミドとポリアミドイミドをブレンドした素材を
用いればよい。
【0036】ここで、一般に水蒸気を透過させる原理と
しては、(1)溶解拡散法(2)イオン水和法(3)毛
管凝縮法などが提唱されている。溶解拡散法において用
いる膜は水蒸気透過係数が低く、イオン水和法において
用いる膜は高価であるという欠点がある。
【0037】一方、毛管凝縮法においては、水蒸気など
の凝縮性気体の分離に応用でき、安価で水蒸気透過係数
の大きな膜を供給することができるという利点がある。
毛管凝縮を呈するためには、水の場合、その細孔径が2
〜5nmと言われており、また、素材と水との接触角も
重要となる。通常、分離膜に用いられる膜素材として
は、ポリスルホン,ポリフッ化ビニリデンなど、水と親
和性の良いものではない。また、ポリフッ化ビニリデン
は耐熱性の乏しいものである。
【0038】そこで、本実施の形態では、水との親和性
が高い素材として、上述のように、イミド基を有するイ
ミド系の素材(例えば、ポリエーテルイミド,ポリアミ
ドイミド、あるいは、ポリエーテルイミドとポリアミド
イミドをブレンドした素材)を選定した。そして、上述
のような孔径を有するように孔径制御された膜で中空糸
膜を構成した。
【0039】この膜は、湿式紡糸法で作ることが可能で
あるが、当然孔径分布を有する。
【0040】また、素材と膜表面との接触角の低い方
が、低い水蒸気圧でも毛管凝縮を呈するため有利であ
る。
【0041】従って、毛管凝縮を呈さないような大きな
孔径である孔の閉塞と、膜表面の接触角の改善とを目的
として、膜に多価アルコールを浸漬処理することもでき
る。
【0042】なお、多価アルコールとしては、沸点が高
く保持性の良いものとしてグリセリンが有用である。こ
のようにして、バリア性が向上された膜は、たとえ低湿
度の空気が供給されてもクロスオーバーすることがな
い。
【0043】次に、いくつかの製造例と、その水蒸気透
過係数等の測定結果を示す。
【0044】(実施例1)ポリエーテルイミド樹脂20
重量部をジメチルアセトアミドに溶解して製膜原液を得
た。これを2重環ノズルから芯液として水を用いて乾湿
式紡糸を行った。このときの紡糸速度は40m/min
であった。
【0045】(実施例2)ポリアミドイミド樹脂20重
量部をジメチルアセトアミドに溶解して製膜原液を得
た。これを2重環ノズルから芯液として水を用いて乾湿
式紡糸を行った。このときの紡糸速度は40m/min
であった。
【0046】(実施例3)ポリエーテルイミド樹脂16
重量部と、ポリアミドイミド樹脂4重量部をジメチルア
セトアミドに溶解して製膜原液を得た。これを2重環ノ
ズルから芯液として水を用いて乾湿式紡糸を行った。こ
のときの紡糸速度は40m/minであった。
【0047】(実施例4)実施例1〜3で得られた中空
糸膜を20重量%のグリセリン水溶液に12時間浸漬し
た後に乾燥し、グリセリン浸漬中空糸膜を得た。
【0048】これらについて、図6に、水蒸気透過係数
と空気透過係数を示す。なお、いずれの膜も、140℃
で1000時間放置した後の水蒸気透過係数および諸物
性は変わらなかった。また、実施例4において、グリセ
リン浸漬した場合には、各透過係数に変化はないので省
略する。
【0049】次に、凍結対策のために、中空糸膜に多価
アルコールの浸漬処理を施す点について、詳しく説明す
る。
【0050】上述のように、中空糸膜は湿式紡糸法によ
り製膜されるが、まず、イミド系の樹脂(例えば、ポリ
エーテルイミド,ポリアミドイミド、あるいは、ポリエ
ーテルイミドとポリアミドイミドをブレンドしたもの)
を所定濃度となるように製膜原液を作成した後に、2重
環ノズルから吐出して、凝固浴である水中でゲル化させ
る。
【0051】その後、この中空糸膜を多価アルコール水
溶液に浸漬・置換し、中空糸膜全体に多価アルコールを
保持させる。さらに、乾燥させて完成品としての中空糸
膜を得る。
【0052】ここで、使用する多価アルコールとして
は、水溶性であり、紡糸後、水に濡れた状態の膜にでも
容易に置換を行うことができるものが適用できる。例え
ば、1,2−プロパンジオール,1,3−プロパンジオ
ール,エチレングリコール,グリセリンなどが好適であ
る。
【0053】また、1,2−プロパンジオールの融点は
−60℃と低いため、屋外の低温環境においても固化す
ることがなく、不凍液としても使われている物質であ
る。更に、これら多価アルコールは、アルコール系ゆえ
に吸水性が高く、水蒸気の透過を阻害しない物質でもあ
る。
【0054】次に、いくつかの製造例と、その水蒸気透
過係数等の測定結果を示す。
【0055】(実施例5)ポリエーテルイミド樹脂20
重量部をジメチルアセトアミドに溶解して製膜原液を得
た。これを2重環ノズルから芯液として水を用いて湿式
紡糸を行った。紡糸速度は40m/minであった。一
定時間水洗後、1,2−プロパンジオール20重量%の
水溶液に中空糸膜を浸漬し、13KPaの減圧を行った
真空下に12時間保持した。
【0056】その後、中空糸膜を取り出し、60℃のオ
ーブン中にて乾燥し、完成品としての中空糸膜を得た。
【0057】(実施例6)ポリアミドイミド樹脂20重
量部をジメチルアセトアミドに溶解して製膜原液を得
た。その後上記実施例5と同様の工程を得て、完成品と
しての中空糸膜を得た。
【0058】(実施例7)ポリエーテルイミド樹脂16
重量部とポリアミドイミド樹脂4重量部をジメチルアセ
トアミドに溶解して製膜原液を得た。その後上記実施例
5と同様の工程を得て、完成品としての中空糸膜を得
た。
【0059】(比較例)ポリエーテルイミド樹脂20重
量部をジメチルアセトアミドに溶解して製膜原液を得
た。これを2重環ノズルから芯液として水を用いて湿式
紡糸を行った。紡糸速度は40m/minであった。一
定時間水洗後、60℃のオーブン中にて乾燥し、完成品
としての中空糸膜を得た。
【0060】これらについて、図7に、初期の水蒸気透
過係数と、−40℃に保持した後の水蒸気透過係数と、
耐折性の結果を示す。なお、耐折性とは、−40℃の環
境下で中空糸膜を水に含浸した状態で、中空糸膜を18
0度折り曲げる試験を行い、中空糸膜が切れるまでの回
数を測定したものである。
【0061】この結果から、多価アルコールの浸漬処理
を行ったものは、低温環境下においても形態や性能に変
化のないことが分かり、耐凍結性に優れることが分か
る。
【0062】次に、加熱時に起こる収縮に伴う不具合の
対策について説明する。
【0063】上記のように、従来の燃料電池用の中空糸
膜は、加熱(概ね100℃以上)により収縮することが
多く、これにより中空糸膜が切断することがあり、ま
た、膜の収縮する力によるポッティング材のケースから
の剥離やモジュール端面の陥没等の不具合があった。こ
れは、ポッティング部の形成の際には高温となるため、
たとえ高温での使用ではないにしても発生する問題であ
った。
【0064】そこで、中空糸膜を製造後、ポッティング
部の形成を行う前に、中空糸膜に加熱履歴を与えること
によって、中空糸膜の収縮を未然に防止できることが分
かった。
【0065】この場合の加熱温度は90℃〜120℃
(特に100℃程度)が良く、これより低い80℃程度
の温度で処理を行うと使用時に収縮してしまう場合があ
り、これよりも高温で処理を行うと膜の脆化をきたして
折れやすくなり、更に、膜の透過性能の低下につながる
場合もあることが分かった。
【0066】これらの点について、いくつかの処理例を
もとにして、破断強度等の測定結果とともに示す。
【0067】(実施例8)紡糸後の中空糸膜(素材とし
てポリエーテルイミドを用いたもの)を、複数の加熱温
度により加熱処理をした後の性能(破断強度(g/本)
及び引張伸び)と、90℃で水熱処理(燃料電池に適用
する場合の使用状態)した後の収縮率を図8に示す。
【0068】なお、図中、60℃での加熱は通常の乾燥
温度であり、特別な処理をしたわけではない。つまり、
未処理の中空糸膜は使用時に2.6%収縮していること
になる。
【0069】この結果から、破断強度は加熱したほうが
上昇するが、引張伸びは低下することが分かり、使用後
の収縮率等を考慮すると、90℃〜120℃(特に10
0℃程度)の処理が適切であることが分かる。このと
き、水蒸気透過性能は、加熱処理を行わない中空糸膜と
比較してほとんど変化はなかった。
【0070】(実施例9)紡糸後の中空糸膜(素材とし
てポリエーテルイミドを用いたもの)を、複数の加熱温
度により水熱処理をした後の性能(破断強度(g/本)
及び引張伸び)と、90℃で水熱処理(燃料電池に適用
する場合の使用状態)した後の収縮率を図9に示す。
【0071】図に示すように、破断強度,引張伸び、お
よび使用後の収縮率を総合的の考慮すると、90℃〜1
20℃(特に100℃程度)での水熱処理が効果的であ
ると思われる。このとき、水蒸気透過性能は、水熱処理
を行わない中空糸膜と比較してほとんど変化はなかっ
た。
【0072】次に、中空糸膜を製造後に、加湿器として
製品化、すなわち、モジュール化する上での具体例をい
くつか説明する。
【0073】中空糸膜をモジュールケースにそのまま挿
入してポッティング液によりポッティング部の形成を行
う場合には、次のような問題が考えられる。
【0074】すなわち、加湿対象である燃料ガスをケー
ス内に導く場合に、中空糸膜の側面に直接ガスが当たる
ため、膜が切れやすくなってしまう。また、モジュール
を運ぶ際に、ガスの導入口に指などが入り、中空糸膜を
切ったり、傷つけたりするおそれがある。さらに、中空
糸膜の束をモジュールケースに挿入する際に、中空糸膜
がばらけて、入れずらくなり、強引に挿入すると、中空
糸膜を切ったり、傷つけたりするおそれがある。
【0075】そこで、図1〜図3に示すように、樹脂系
で弾性のあるメッシュ状のネット5を中空糸膜2の束の
外周に巻いた状態で、モジュールケース1に挿入し、そ
の後、このネット5ごとポッティング形成を行うことで
中空糸膜2を保護することで、上記のような問題を解消
できる。
【0076】また、燃料電池に適用するために耐熱性
(通常、140℃以上の環境となる)を維持するために
は、中空糸膜以外の他の構成についても考慮しなければ
ならず、この点について説明する。
【0077】モジュールケース1とポッティング部3は
耐熱性が必要であり、具体的には、モジュールケース1
の素材として、変性PPO・ポリサルホンを使用し、ポ
ッティング部3を形成するためのポッティング剤として
エポキシ系・シリコーン系を使用する。
【0078】そして、モジュールケース1には、切削加
工前にアニール処理を行う。
【0079】なお、中空糸膜については、上述のように
加熱処理を施せばよく、例えばオーブンにて100℃で
2時間加熱する。
【0080】このようにして、使用環境化において必要
な耐熱性を備えるようになる。
【0081】次にポッティング部について更に詳しく説
明する。
【0082】ポッティング部を形成するためのポッティ
ング剤は、一般的にはウレタン系接着剤やエポキシ系接
着剤が使用される。
【0083】ウレタン系接着剤の場合には、硬化時の発
熱は低いものの耐熱性が低いため、上記のように、燃料
電池用には不適切である。一方、エポキシ系接着剤は、
上述のように耐熱性が高いものの硬化時の発熱が高いた
め、中空糸膜に悪影響を与えやすく、特に、界面の膜切
れが起こりやすい。
【0084】そこで、エポキシ系接着剤のように耐熱性
が高いものの、硬化時の発熱が高いものを使用する場合
には、接着剤の量を減らす手法が通常行われるが、この
場合には接着性の低下の原因となるため、その対策も必
要となる。
【0085】そこで、図4に示すように、エポキシ系接
着剤のように耐熱性が高い接着剤で一次封入をして第1
ポッティング部31を設け、更に、発熱の低い軟性のあ
る接着剤で2次封入をして第2ポッティング部32を設
けるようにすると好適である。
【0086】このように多段ポッティングとすることに
よって、ポッティングが硬化する際に生じる発熱を抑え
ることができ、特に、中空糸膜との界面側の発熱を抑え
ることで中空糸膜の切れ等を防止できる。
【0087】また、十分な接着力を維持できると共に、
使用環境に耐えることのできる耐熱性も満足できる。
【0088】次に、加湿器を燃料電池に適用した場合の
使用方法について、特に、図5を参照して説明する。
【0089】図示のように、システムにおける主要構成
として、加湿器10と、燃料電池20と、燃料ガスの供
給源30と、を備える。
【0090】供給源30から供給される燃料ガスは、モ
ジュールケース1に設けられた導入口11より加湿器1
0内に導入される(S0)。
【0091】そして、モジュールケース1の内周面側で
あって中空糸膜2の外壁面側を通って(S1)、排出口
12から加湿器10の外部に排出されて、燃料電池20
に供給される(S2)。
【0092】そして、燃料電池20においてエネルギー
(電気)を発生させる際に発生した反応ガス(排ガス)
は、モジュールケース1の第1開口部13から、中空糸
膜2の中空内部に導かれ(T0)、中空内部を通って、
第2開口部14から排出される(T1)。
【0093】ここで、上述のように、燃料電池20にお
いてエネルギーを発生する際には、同時に水蒸気も発生
するため、排ガスには水分が含まれている。この水分が
中空糸膜2の中空内部を通る際に膜を透過するため、燃
料ガスが図中矢印S1を通る際に加湿される。
【0094】従って、燃料電池20には、加湿された燃
料ガスが供給されることになる。これにより、燃料電池
内の隔壁(イオン交換膜)を常に保湿することが可能と
なる。
【0095】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、固体高
分子型燃料電池に供給するために十分な加湿が可能であ
り耐熱性もあり、好適に用いることができ、品質性に優
れる。
【0096】中空糸膜を多価アルコールに浸漬処理すれ
ば、凍結紡糸効果が向上する。
【0097】中空糸膜に90℃〜120℃の加熱処理を
施せば、加熱による収縮を未然の防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る加湿器の斜視図であ
る。
【図2】本発明の実施の形態に係る加湿器の組立前の様
子を示す斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る加湿器の縦断面図で
ある。
【図4】図3における構成の一部を変更した変形例を示
す断面図の一部である。
【図5】本発明の実施の形態に係る加湿器の使用方法を
示すシステムフロー図である。
【図6】中空糸膜の素材に関する検討結果を示す図であ
る。
【図7】中空糸膜への多価アルコール浸漬処理に関する
検討結果を示す図である。
【図8】中空糸膜の加熱処理に関する検討結果を示す図
である。
【図9】中空糸膜の加水処理に関する検討結果を示す図
である。
【符号の説明】
1 モジュールケース 11 導入口 12 排出口 13 第1開口部 14 第2開口部 2 中空糸膜 3 ポッティング部 31 第1ポッティング部 32 第2ポッティング部 5 ネット 10 加湿器 20 燃料電池 30 供給源
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01M 8/06 H01M 8/06 W 8/10 8/10 // F24F 6/04 F24F 6/04 Fターム(参考) 3L055 AA10 BA10 4D006 GA41 HA01 MA01 MA26 MB05 MB09 MC58X MC59X NA04 NA59 NA63 PB65 PC80 5H026 AA06 BB01 BB03 CX04 EE18 HH08 5H027 AA06 KK41

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】中空糸膜によって気体中に含まれる水分を
    分離して、固体高分子型燃料電池に供給する燃料ガスを
    加湿する加湿器において、前記中空糸膜がイミド系の素
    材で構成されることを特徴とする加湿器。
  2. 【請求項2】前記中空糸膜は、多価アルコールに浸漬処
    理されていることを特徴とする請求項1に記載の加湿
    器。
  3. 【請求項3】前記中空糸膜は、90℃〜120℃の加熱
    処理が施されていることを特徴とする請求項1または2
    に記載の加湿器。
  4. 【請求項4】固体高分子型燃料電池から排出される排ガ
    スを、請求項1,2または3に記載の加湿器に導入し、
    該排ガス中に含まれる水分を分離することにより燃料ガ
    スを加湿することを特徴とする加湿器の使用方法。
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