JP2002287147A - 偏光光照射装置 - Google Patents

偏光光照射装置

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JP2002287147A
JP2002287147A JP2001089416A JP2001089416A JP2002287147A JP 2002287147 A JP2002287147 A JP 2002287147A JP 2001089416 A JP2001089416 A JP 2001089416A JP 2001089416 A JP2001089416 A JP 2001089416A JP 2002287147 A JP2002287147 A JP 2002287147A
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Shinji Suzuki
信二 鈴木
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Ushio Inc
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Ushio Denki KK
Ushio Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は、視野角補償フィルムまたは
配向膜に照射する偏光光の消光比が経時劣化することの
無い偏光光照射装置を提供することにある。 【解決手段】 光源と、該光源からの光を偏光する偏光
素子とを備えた偏光光照射装置において、上記偏光素子
を保持する箱体を設け、上記箱体により、上記偏光素子
を微動自在に保持したことを特徴とする偏光光照射装
置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】偏光光を照射して液晶表示素
子の配向膜を光配向させる、また、偏光光を照射して視
野角補償フィルムを光配向させる等、液晶パネルの製造
に用いられる偏光光照射装置に関する。特に、上記偏光
光照射装置に用いられる偏光素子の保持構造に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示素子は、透明基板の表面に形成
した配向膜に、液晶を所望の方向に配向させる処理(配
向処理)を施し、該透明基板を2枚、配向膜を内側にし
て、所定の間隔の隙間を保つように貼り合せ、該隙間に
液晶を注入したものである。上記液晶表示素子の配向膜
の配向処理に関し、配向膜に所定の波長の偏光光を照射
し露光処理することにより配向を行なう、光配向と呼ば
れる技術がある。光配向用の偏光光照射装置としては、
例えば特許2928226号公報、特許2960392
号公報に開示されたものがある。最近は、上記液晶表示
素子の製作以外に、視野角補償フィルムの製作にも、上
記偏光光照射装置が使用されるようになってきた。視野
角補償フィルムは、ベースフィルム上に、UV硬化液晶
を塗布し、一定方向に液晶分子を配向させた後、UVを
照射して液晶を硬化させ、液晶分子の方向を固定させた
ものである。視野角補償フィルムを液晶パネルに貼るこ
とで、画質の低下を補償することができる。従来、上記
の「一定方向に液晶分子を配向」させる工程は、ラビング
によって行われていたが、最近、上記偏光光照射装置を
使用し、光配向により行われるようになってきた。特願
2000−211186号には、視野角補償フィルムを
光配向させるための光配向用偏光光照射装置が記載され
ている。
【0003】図6に、視野角補償フィルムを光配向する
偏光光照射装置の構成例を示す。なお、液晶表示素子の
配向膜を光配向させる偏光光照射装置の構成も、偏光光
を照射する対象が異なるだけで、点線内に示される装置
自体の構成は同様である。偏光光照射装置1は、視野角
補償フィルムWを光配向するために必要な波長の光を出
射する水銀ランプ等の放電ランプ2、該放電ランプ2か
らの光を反射する反射鏡3(図6においては、放電ラン
プ2からの光を集光する集光鏡)、光路を所望の方向に
変更する平面鏡4a,4b、上記集光された光を偏光す
る偏光素子5、照射面の照度分布および消光比を均一に
するためのインテグレータレンズ6、光路中に挿入退避
され、偏光光の照射時間を制御するシャッタ7、そし
て、視野角補償フィルムWに照射する偏光光を平行光と
するコリメータレンズ8等を備えている。
【0004】視野角補償フィルムWは、長尺の連続ワー
クとして、巻き出しローラR1にロール状に巻かれてい
る。そして、図6に示すように、巻き出しローラR1に
巻かれた視野角補償フィルムWは引き出され、偏光光を
照射した後、巻き取りローラR2に巻き取られる。偏光
光は、フィルムWを搬送しつつ、フィルムWに対してあ
らかじめ設定された角度で照射する。
【0005】図7,図8に、上記偏光光照射装置1に用
いられる偏光素子を示す。図7に示した偏光素子53
は、石英ガラス板、アクリル樹脂板などの透光性板53
aを複数枚、間隔をおいて略平行配置し、該透光性板5
3aに入射する光の光芒の光軸に対してブリュースタ角
だけ傾けたものであり、隣り合う2枚の透光性板53a
の間隔を保持して固定する為に、透光性板53aと、金
属、例えばアルミニウムなどで作製されたスペーサ53
bを交互に、複数重ね合わせ、それらを両側から、光が
入射/出射する開口部を有する枠部材53cで挟み込
み、ネジ53dとナット53eで固定してなる。(詳細
には、特開平10−90684号公報参照) また、図8に示した偏光素子54は、透光性板54a
1、例えば円環状の石英ガラス板やアクリル樹脂板の上
面に、偏光したい波長の1/4の光学的厚さをもち、光
学的異方性を有する膜54a2と光学的等方性を有する
膜54a3を交互に多層に重ね合わせることにより作製
し、偏光素子54に入射する光の光芒の光軸に対して垂
直に配置したものであり、該偏光素子54を保持して固
定する為に、光が入射/出射する開口を有する偏光素子
保持部材54bに挿入し、偏光素子保持部材54bに設
けられたネジ係合部Sbと、光が出射/入射する開口を
有する偏光素子固定部材54cに設けられたネジ係合部
Scを螺合させ、偏光素子固定部材54cにより偏光素
子54の表面を偏光素子保持部材54bに押さえ付けて
固定してなる。(詳細には、特開平10−332932
号公報参照)
【0006】図6において、放電ランプ2が放射する光
は、反射鏡3で集光され、第1の平面鏡4aで反射し、
偏光素子5に入射する。偏光素子5は、S偏光光を反射
してP偏光光を透過するので、偏光素子5から出射する
光はP偏光成分を多く含む光(P偏光光)になる。偏光
素子5から出射した光は、インテグレータレンズ6に入
射し、該インテグレータレンズ6より出射した光は、シ
ャツ夕7が挿入退避する個所を通過し、更に第2の平面
鏡4bで反射し、コリメータレンズ8で平行光にされ、
UV硬化液晶を塗布した視野角補償フィルムWに照射さ
れる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】視野角補償フィルムま
たは配向膜を光配向させるためには、所定の波長であっ
て、所定の値以上の消光比を有する偏光光が必要であ
る。これは上記フィルムや配向膜の物性によって決ま
る。消光比とは、光に含まれるP偏光成分とS偏光成分
の割合である。現在の所、消光比10:1以上が望まし
いとされているが、最近、視野角補償フィルムにおい
て、消光比5:1で配向するUV硬化液晶も開発されて
いる。また、波長は250nm〜400nmの範囲の紫
外光を使用する場合が多いが、短波長化する傾向があ
る。
【0008】ところで、図6の偏光光照射装置におい
て、偏光素子5から出射され、視野角補償フィルムWに
照射される偏光光の消光比が、装置使用開始直後には、
上記所望の値以上、例えば15:1〜10:1であった
にも関わらず、徐々に低下して、5:1以下となり、所
望の消光比が得られなくなるという現象が生じた。
【0009】本発明は、以上のような事情に基づいてな
されたものであって、本発明の目的は、視野角補償フィ
ルムまたは配向膜に照射する偏光光の消光比が経時劣化
することの無い偏光光照射装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上述の現象
について以下の考察を行ない、偏光素子を構成する透光
性板、例えば石英ガラス板やアクリル樹脂板等の熱膨張
による歪の増大が、消光比低下の原因であると断定し
た。
【0011】光に対して透明な材料には、必ず複屈折
歪(または複屈折最大歪)が存在することが知られてお
り、光学材料関係のカタログ等に記載されている。例え
ば、石英ガラスの複屈折歪は2〜20nm/cmであ
り、光が石英ガラスを通過する際、この複屈折率歪によ
り波長がシフトする。 そして、波長がシフトすると位相がずれる。ここで、
位相のずれ角をδとし、透光性板の光学的厚さをt、透
光性板の複屈折歪の値をα、透光性板を通過する光の波
長をλとすると、これらの間には以下の関係がある。 δ=(2×π×α×t)/λ 即ち、位相のずれ角δは、複屈折歪α、透光性板の厚さ
tに比例し、透光性板を通過する光の波長λに反比例す
る。 ここで、透光性板表面に入射する光が偏光光の場合、
位相がずれると消光比も変化する。消光比をηとする
と、位相のずれ角δとの間には、以下の関係がある。 η=(1/tan(δ/2)) 即ち、位相のずれ角δの値が大きいほど、透光性板から
出射する偏光光の消光比は悪化する。したがって、偏光
光の消光比の低下は、複屈折歪α、透光性板の厚さtの
増加、照射する光の波長λの短波長化のいずれかによる
ものと考えられるが、透光性板の厚さt及び照射する光
の波長λは、光学設計上規定されているので、消光比低
下の原因は、複屈折歪の増加であると断定できる。
【0012】偏光素子を構成する透光性板として石英ガ
ラス板を使用すると、光の照射により100〜200℃
に温度が上昇する。石英ガラスの膨張係数は0.4〜
0.6×10−6/Kであり、現在使用されている偏光
光照射装置に設置されている石英ガラス板の大きさは、
幅200×奥行き300mm程度である。つまり、熱膨
張係数0.5×10−6/Kの石英ガラス板が、20℃
から200℃にまで加熱されると、幅200×奥行き3
00mmの石英ガラス板は、幅方向に約0.02mm、
奥行き方向に約0.03mm膨張する。したがって、図
7,図8に示すように偏光素子を構成する、石英ガラス
板やアクリル樹脂板等の透光性板が箱体に完全に固定さ
れている場合、透光性板は膨張した分の逃げ場を失っ
て、熱膨張による応力が生じ、この応力によって透光性
板は歪み、この歪により前記した複屈折歪が増加し、結
果として消光比λの低下を招いていた。
【0013】上述の考察より、本発明者は、偏光素子を
構成する透光性板が熱膨張しても、膨張した分の逃げ場
を設けた状態で透光性板を保持すれば、偏光素子に歪を
生じさせることがなく、消光比の低下を招くこともない
ということを見出し、かかる知見に基いて本発明を完成
した。
【0014】すなわち、請求項1に記載の偏光光照射装
置は、光源と、該光源からの光を偏光する偏光素子とを
備えた偏光光照射装置において、上記偏光素子を保持す
る箱体を設け、上記箱体により、上記偏光素子を微動自
在に保持したことを特徴としている。また、請求項2に
記載の偏光光照射装置は、光源と、該光源からの光を偏
光する偏光素子と、該偏光素子を保持する箱体を備えた
偏光光照射装置であって、上記偏光素子が、複数の透光
性板を間隔を置いて略平行配置し、該複数の透光性板を
上記光源から入射する光の光芒の光軸に対してブリュー
スタ角だけ傾けたものである偏光光照射装置において、
上記箱体は、隣り合う2枚の上記透光性板の間隔を保持
する間隔保持部材を有し、上記透光性板と上記間隔保持
部材との間、及び上記透光性板と上記箱体との間に、隙
間を設けたことを特徴としている。また、請求項3に記
載の偏光光照射装置は、前記間隔保持部材の材質がフッ
素樹脂であることを特徴としている。更に、請求項4に
記載の偏光光照射装置は、前記透光性板と前記間隔保持
部材との間に設けられた前記隙間、および/または前記
透光性板と前記箱体との間に設けられた前記隙間に、フ
ッ素樹脂製シートを挿入したことを特徴としている。
【0015】
【作用】請求項1に記載の発明によれば、偏光素子が光
照射により熱膨張しても、膨張した分の逃げ場を有する
ように、箱体により、偏光素子を微動自在に保持したの
で、熱膨張による応力歪を偏光素子に生じさせることは
ない。また、請求項2,3に記載の発明によれば、偏光
素子を構成する透光性板が光照射により熱膨張しても、
膨張した分の逃げ場を有するように、透光性板と間隔保
持部材との間、及び透光性板の側面と箱体との間に、隙
間を設けたので、熱膨張による応力歪を偏光素子に生じ
させることはない。更に、請求項4に記載の発明によれ
ば、偏光素子を構成する前記透光性板と前記保持部材と
の間に設けられた前記隙間、および/または前記透光性
板と前記箱体との間に設けられた前記隙間に、フッ素樹
脂製シートを挿入したので、透光性板のがたつきを抑え
ることができる。また、フッ素樹脂は、耐熱性が高く、
他のプラスチック材料に比較して、弾性率が低い、すな
わち、軟らかいので、透光性板が熱膨張した場合には、
その分だけ、上記フッ素樹脂製のシートが変形する。つ
まり、フッ素樹脂製のシートは、膨張した分の逃げ場を
形成するので、偏光素子に熱膨張による応力歪を生じさ
せることも無い。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の実施例に係る偏光光照射
装置の構成は、図6、図7に示したものとほぼ同一の構
成を有し、詳細には、偏光素子の保持構造に差異を有す
る。図1に、本発明の第1の実施例に係る偏光光照射装
置の偏光素子を構成する、透光性板の保持構造を示す。
光が入射/出射する開口部を有する箱体50cには、間
隔保持部材として複数のスペーサ50bを有する、スロ
ット50dが設けられており、該スロット50dに、偏
光素子を構成する透光性板として石英ガラス板50aを
挿入する。石英ガラス板50aをスロット50dの各溝
50eに挿入完了後、石英ガラス板50aを挿入した面
(石英ガラス挿入口)にカバー(図示しない)をする。そ
して、この組立体50を、石英ガラス板50a表面に入
射する光源からの光の光芒の光軸に対してブリュースタ
角だけ傾けて配置することにより、図6に示した偏光素
子5とすることができる。
【0017】図2は、図1を石英ガラス板挿入口から見
た図であり、スロット50dの部分を拡大して示す。櫛
の歯状のスロット50dは、箱体50cに取り付けた複
数のスペーサ50bにより形成される。該スペーサ50
d及び箱体50cは、金属、例えばアルミニウムから作
製され、箱体の高さ寸法F、及びスペーサ間の寸法S
は、挿入する石英ガラス板50aの高さ寸法G1および
厚み寸法G2よりも、約1mmほど広くなるように設計
される。そして、上記寸法差により生じた隙間が、石英
ガラス板50aの熱膨張による寸法変化に対する逃げと
なる。したがって、光照射により石英ガラス板50aが
熱膨張したとしても、石英ガラス板50aに、熱膨張に
よる応力歪が生じることはない。
【0018】尚、本実施例においては、スペーサ50b
をアルミニウムで作製したが、フッ素樹脂製の材料で構
成することにより以下の作用、効果を有する。すなわ
ち、フッ素樹脂製材料は、アルミニウムなどの金属と比
較して柔軟性を有するので、熱膨張による石英ガラス板
50aの寸法変化をフッ素樹脂が歪んで吸収し、石英ガ
ラス板50aに生じる応力歪を緩和することができる。
したがって、その分だけ寸法差(S−G2)を小さく設
計することができる。したがって、前記寸法差を小さく
設計することができるので、箱体50cの厚みを小さく
することができ、全体の装置寸法も小さくすることがで
きる。また、石英ガラス板50aをスロット50dの溝
50eに挿入する際、スペーサ50bと石英ガラス板5
0aの端部が当ることにより発生する、破損等を防止す
ることもできる。
【0019】更に、本実施例においては、ブリュースタ
角を利用した偏光素子を構成する、石英ガラス板の保持
構造について示したが、この偏光素子に限らず、図8に
示した偏光素子を構成する、透光性板の保持構造にも適
用できる。すなわち、図3に示すように、透光性板54
a1の上面に、偏光したい波長の1/4の光学的厚さを
もち、光学的異方性を有する膜54a2と光学的等方性
を有する膜54a3を交互に多層に重ね合わせることに
より作製した偏光素子54を、光が入射/出射する開口
を有する偏光素子収納部材54d内に載置し、偏光素子
収納部材54dに設けられたネジ係合部Sdと、光が出
射/入射する開口を有する蓋部材54eに設けられたネ
ジ係合部Seを螺合させて一体にする。このとき、偏光
素子収納部材54dと偏光素子54の側面との間に隙間
A,B、蓋部材54eと偏光素子54の表面との間に隙
間Cを有するように、偏光素子収納部材54d及び蓋部
材54eの形状及び寸法は決められれている。そして、
この隙間A,B,Cが偏光素子54の熱膨張による寸法
変化に対する逃げとなり、光照射により偏光素子54が
熱膨張したとしても、偏光素子54に熱膨張による応力
歪を生じるさせることはない。したがって、本実施例と
同様に、消光比の低下を防ぐことができる。
【0020】図4は、本発明の第1の実施例に係る偏光
光照射装置の偏光素子を構成する、透光性板の他の保持
構造を示す図である。本実施例に開示される偏光素子
は、前述の組立体50をV字型に組み合わせた場合の構
成例である。尚、偏光光照射装置において、ブリュース
タ角に配置した複数のガラス板をV字型に組み合わせ、
偏光手段とすることは、特開2000−236009号
公報に記載されている。
【0021】光が入射/出射する開口部を有する箱体5
1cには、間隔保持部材として複数のスペーサ51bが
設けられており、スペーサ51bとスペーサ51bの
間、もしくは、スペーサ51bと箱体51cの間に、偏
光素子を構成する透光性板として、石英ガラス板51a
を挿入する。そして、石英ガラス板51aを全て挿入し
た後、石英ガラス板51aを挿入した面(石英ガラス挿
入口)にカバー(図示しない)をする。そして、この組立
体51を2個使用し、V字型に組み合わせ、石英ガラス
板51a表面に入射する光源からの光の光芒の光軸に対
してブリュースタ角だけ傾けて配置する。
【0022】この時、前述と同様に、石英ガラス板51
aとスペーサ51bとの間、石英ガラス板51aと箱体
51cとの間に隙間が生じるように、組立体51の各寸
法が決められている。また、石英ガラス板51a同士付
き合わされている部分には、フッ索樹脂製のシート51
fが設けられている。そして、前述と同様に、石英ガラ
ス板51aとスペーサ51bとの間、石英ガラス板51
aと箱体51cとの間に設けられた隙間が、石英ガラス
板51aの熱膨張による寸法変化に対する逃げとなる。
したがって、光照射により石英ガラス板51aが熱膨張
したとしても、石英ガラス板51aに、熱膨張による応
力歪が生じることはない。
【0023】次に、本発明の第2の実施例に係る偏光光
照射装置の偏光素子を構成する、透光性板の保持構造を
図5に示す。本発明の実施例に係る偏光光照射装置の偏
光素子を構成する、透光性板の保持構造は、図1,2に
示したものとほぼ同一の構成を有し、詳細には、以下の
点で異なる。すなわち、本発明の実施例に係る偏光光照
射装置の偏光素子を構成する、透光性板の保持構造にお
いては、前述の寸法差により生じた隙間D、即ち偏光素
子を構成する透光性板として使用する、石英ガラス板5
2aとスペーサ52bとの間、及び隙間E、即ち石英ガ
ラス板52aと箱体52cとの間には、フッ素樹脂製の
シート52fが挿入され、石英ガラス板52aががたつ
かない程度に軽く押さえられている。したがって、配向
膜の配向方向を変えるために、偏光光照射装置の偏光素
子を、光軸を中心として回転させる場合であっても、石
英ガラス板52aがスロット52dの間でがたつくこと
はなく、がたつきによる石英ガラス板52aの破損を防
止することができる。また、フッ素樹脂は、耐熱性が高
く、他のプラスチック材料に比較して、弾性率が低い、
すなわち、軟らかいので、石英ガラス板52aが熱膨張
した場合には、その分だけ、フッ素樹脂製のシート52
fが変形する。つまり、フッ素樹脂製のシート52f
は、膨張した分の逃げ場を形成するので、石英ガラス板
52aに熱膨張による応力歪が生じることを防ぐことも
できる。
【0024】なお、本実施例においては、隙間D,E
に、フッ素樹脂製のシートを設けたが、これに限るもの
ではなく、上記隙間のどちらか一方にのみ設けても良
い。また、本実施例においては、ブリュースタ角を利用
した偏光素子について示したが、この偏光素子に限るも
のではなく、図3に示した偏光素子において、隙間A,
B,Cのうち少なくとも1箇所に、フッ素樹脂製のシー
トを設けることにより同様の作用・効果をえることがで
きる。
【0025】
【効果】請求項1に記載の発明によれば、偏光素子が光
照射により熱膨張しても、膨張した分の逃げ場を有する
ように、箱体により、偏光素子を微動自在に保持したの
で、熱膨張による応力歪を偏光素子に生じさせることは
ない。したがって、視野角補償フィルムまたは配向膜に
照射する偏光光の消光比が経時劣化することを防ぐこと
ができる。また、請求項2,3に記載の発明によれば、
偏光素子を構成する透光性板が光照射により熱膨張して
も、膨張した分の逃げ場を有するように、透光性板と間
隔保持部材との間、及び透光性板の側面と箱体との間
に、隙間を設けたので、熱膨張による応力歪を偏光素子
に生じさせることはない。したがって、視野角補償フィ
ルムまたは配向膜に照射する偏光光の消光比が経時劣化
することを防ぐことができる。更に、請求項4に記載の
発明によれば、偏光素子を構成する前記透光性板と前記
保持部材との間に設けられた前記隙間、および/または
前記透光性板と前記箱体との間に設けられた前記隙間
に、フッ素樹脂製シートを挿入したので、透光性板のが
たつきを抑えることができる。また、フッ素樹脂は、耐
熱性が高く、他のプラスチック材料に比較して、弾性率
が低い、すなわち、軟らかいので、透光性板が熱膨張し
た場合には、その分だけ、上記フッ素樹脂製のシートが
変形する。つまり、フッ素樹脂製のシートは、膨張した
分の逃げ場を形成するので、偏光素子に熱膨張による応
力歪を生じさせることも無い。したがって、視野角補償
フィルムまたは配向膜に照射する偏光光の消光比が経時
劣化することを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施例に係る偏光光照射装置
の偏光素子を構成する、透光性板の保持構造を示す図で
ある。
【図2】 図1を石英ガラス板挿入口から見た図であ
る。
【図3】 本発明の第1の実施例に係る偏光光照射装置
の他の偏光素子を構成する、透光性板の保持構造を示す
図である。
【図4】 本発明の第1の実施例に係る偏光光照射装置
の偏光素子を構成する、透光性板の他の保持構造を示す
図である。
【図5】 本発明の第2の実施例に係る偏光光照射装置
の偏光素子を構成する、透光性板の保持構造を示す図で
ある。
【図6】 視野角補償フィルムを光配向する偏光光照射
装置の構成を示す図である。
【図7】 従来の偏光光照射装置に用いられる偏光素子
を示す図である。
【図8】 従来の偏光光照射装置に用いられる、他の偏
光素子を示す図である。
【符号の説明】
1 偏光光照射装置 2 放電ランプ 3 反射鏡 4a,4b 平面反射鏡 5,53,54 偏光素子 6 インテグレータレンズ 7 シャッタ 8 コリメータレンズ 50a,51a,52a 石英ガラス板 53a,54a1 透光性板 50b,51b,52b,53b スペーサ 50c,51c,52c 箱体 50d,52d, スロット 50e,52e 溝 51f,52f フッ素樹脂製シート 50,51,52 組立体 53c 枠部材 53d ネジ 53e ナット 54a2 光学的異方性を有する膜 54a3 光学的等方性を有する膜 54b 偏光素子保持部材 54c 偏光素子固定部材 54d 偏光素子収納部材 54e 蓋部材 R1 巻き出しローラ R2 巻き取りローラ Sb,Sc,Sd,Se ネジ係合部 W 視野角補償フィルム

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光源と、該光源からの光を偏光する偏光
    素子とを備えた偏光光照射装置において、 上記偏光素子を保持する箱体を設け、 上記箱体により、上記偏光素子を微動自在に保持したこ
    とを特徴とする偏光光照射装置。
  2. 【請求項2】 光源と、該光源からの光を偏光する偏光
    素子と、該偏光素子を保持する箱体を備えた偏光光照射
    装置であって、 上記偏光素子が、複数の透光性板を間隔を置いて略平行
    配置し、該複数の透光性板を上記光源から入射する光の
    光芒の光軸に対してブリュースタ角だけ傾けたものであ
    る偏光光照射装置において、 上記箱体は、隣り合う2枚の上記透光性板の間隔を保持
    する間隔保持部材を有し、 上記透光性板と上記間隔保持部材との間、及び上記透光
    性板と上記箱体との間に、隙間を設けたことを特徴とす
    る偏光光照射装置。
  3. 【請求項3】 前記間隔保持部材の材質がフッ素樹脂で
    あることを特徴とする請求項2に記載の偏光光射装置。
  4. 【請求項4】 前記透光性板と前記間隔保持部材との間
    に設けられた前記隙間、および/または前記透光性板と
    前記箱体との間に設けられた前記隙間に、フッ素樹脂製
    シートを挿入したことを特徴とする請求項2に記載の偏
    光光照射装置。
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