JP2004271640A - 投射型画像表示装置の光学ユニット - Google Patents

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Abstract

【課題】光学素子の熱による変形や変位によって投射画像が劣化する。
【解決手段】光の色分離および色合成のうち少なくとも一方を行う第1の光学素子14と、第1の光学素子に取り付けられた保持部材22と、保持部材により保持され、第1の光学素子に入射する光又は第1の光学素子から射出する光に対して光学作用を及ぼす第2の光学素子15とを有する。第1の光学素子、第2の光学素子および保持部材を形成する材料の線膨張係数をそれぞれ、α1,α2およびα3としたとき、
α1<α3≦α2
なる条件を満たす。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶プロジェクタ等の投射型画像表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
液晶プロジェクタの光学ユニットにおいて、光の色分離や色合成を行うプリズム型素子と波長選択性偏光回転素子とを用いた例として、特許文献1にて提案されているものがある。該特許文献1では、波長選択性偏光回転素子の保持方法として、プリズム型素子に直接、面で接着する方法を提案している。
【0003】
また、同特許文献1には、波長選択性偏光回転素子をプリズム型素子から離した光学配置も提案されている。
【0004】
さらに、偏光板の保持冷却方法として、特許文献2には、液晶パネルと色合成素子であるプリズム型素子との間に偏光板を設け、該偏光板の両面に空間を設けて冷却する技術も提案されている。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−154268号公報
【特許文献2】
特開2002−21758号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1において、波長選択性偏光回転素子を直接プリズム型素子に面接着すると以下のような問題が生じる。
【0007】
すなわち、プリズム型素子の材料はガラスであり、その線膨張係数は約0.4×10−5である。一方、波長選択性偏光回転素子はポリカーボネートを多層にして製作されたもので、その線膨張係数は約3〜6×10−5と約10倍となる。そして、これらの線膨張係数が大きく異なる材料を面接着にて固定すると、投射型画像表示装置の駆動により温度が上昇した際に、両素子の接着面に内部応力が発生して、両素子に光弾性(複屈折)を引き起し、投射画像のコントラストの低下を招く。
【0008】
温度上昇の原因としては、投射型画像表示装置の通常駆動で光源からの光を偏光板が吸収することによるものがあるが、その他の原因としては、プリズム型素子である偏光ビームスプリッタの誘電体膜面(偏光分離面)での光エネルギー吸収やプリズム型素子自体の光エネルギー吸収がある。また、プリズム型素子に固定されている液晶パネルも主な光エネルギー吸収源であり、液晶パネルからの熱が輻射によりプリズム型素子を加熱したり、液晶パネルをプリズム型素子に固定するための間接部材を介して熱が伝わってプリズム型素子を加熱したりする。
【0009】
さらに、比較的少ないが、波長選択性偏光回転素子自体も透過率が100%ではないので、光エネルギー吸収がある。
【0010】
これらの光エネルギー吸収と装置内部の温度上昇とにより、プリズム型素子と波長選択性偏光回転素子とが加熱され、両素子に光弾性が発生すると、偏光特性が乱れ、本来投射レンズに入るべきでない光を通過させてしまうので、コントラストを低下させてしまう。
【0011】
また上記問題を回避するために、波長選択性偏光回転素子をプリズム型素子から離して単純に別部材に保持させると、光軸が変動して、いわゆるレジずれ(レジストレーションずれ:画素単位での表示ずれ)が発生してしまう可能性がある。
【0012】
例えば、特許文献2の光学配置図を元に保持方法を考えると、プリズム同士を強固に固定してユニットとし、その他の偏光板や波長選択性偏光回転素子をプリズムユニットを保持する部材に別途保持させると、プリズムユニットに対して保持する部材が変形や回転した場合、プリズム型素子以外の光学素子が傾いて、レジずれを引起こしてしまう。
【0013】
偏光板は、比較的光弾性の影響が少ない、3色の光を合成するプリズム型素子(プリズム型素子内で発生した光弾性により偏光がずれた光は偏光板によって吸収されるため、画像の表示ずれに対しては影響が少ない)に直接貼ることで傾きを防止できるが、波長選択性偏光回転素子は前述した理由でプリズム型素子に直接貼ることが好ましくない。
【0014】
波長選択性偏光回転素子をプリズム型素子を保持する部材に保持させる場合は、波長選択性偏光回転素子に歪を発生させないようにしなければ、透過波面を乱して画像を劣化させてしまうので、強固に固定できないという問題もある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明では、光の色分離および色合成のうち少なくとも一方を行う第1の光学素子と、第1の光学素子に取り付けられた保持部材と、該保持部材により保持され、第1の光学素子に入射する光又は第1の光学素子から射出する光に対して光学作用を及ぼす第2の光学素子とを有する、投射型画像表示装置の光学ユニットを構成する。この場合に、第1の光学素子、第2の光学素子および保持部材を形成する材料の線膨張係数をそれぞれ、α1,α2およびα3としたとき、
α1<α3≦α2
なる条件を満たすようにしている。
【0016】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)
図1には、本発明の実施形態1である液晶プロジェクタ(投射型画像表示装置)の光学ユニットの構成を示している。
【0017】
1は連続スペクトルで白色光を発光する光源で、主に超高圧水銀ランプなどが用いられる。
【0018】
2は矩形のレンズをマトリックス状に配置した第1のフライアイレンズで、3は第1のフライアイレンズの個々のレンズに対応したレンズを有する第2のフライアイレンズである。
【0019】
4は無偏光光を所定の偏光方向を有する光に揃える偏光変換素子で、5は光路を曲げる全反射ミラーである。6はフィールドレンズである。
【0020】
7はR(赤),B(青)光を反射し、G(緑)光を透過するダイクロイックミラーである。8は偏光変換素子4でS偏光に変換されず、かつダイクロイックミラー7を通過する際に偏光が乱されたP偏光光を吸収するためのG用偏光板である。
【0021】
9はP偏光を透過し、S偏光を反射するG用偏光ビームスプリッタである。10はR,G,B光を合成するための合成用偏光ビームスプリッタである。合成用偏光ビームスプリッタ10は、ダイクロイックミラーやダイクロイックプリズムに代用可能なものである。
【0022】
11は合成用偏光ビームスプリッタ10により合成された光を、不図示のスクリーン等の被投射面に拡大投射するための投射レンズである。
【0023】
12はG用偏光板8と偏光軸方向が同じRB用偏光板である。RB用偏光板12も偏光変換素子4でS偏光に変換されず、かつダイクロイックミラー7を反射する際に偏光が乱されたP偏光を吸収するためのものである。
【0024】
13は波長選択性偏光回転素子Bであり、RB用偏光板12を通過してきたRB光のうちB光の偏光方向のみを90°回転させるためのものである。
【0025】
14はRB用偏光ビームスプリッタで、波長選択性偏光回転素子B13を通過してきたS偏光のままのR光を反射し、P偏光に変換されたB光を通過させることにより色分離を行う。
【0026】
15は波長選択性偏光回転素子Rで、RB用偏光ビームスプリッタR14から射出したRB光のうちR光の偏光方向のみを90°回転させるためのものであり、R光とB光の偏光方向はここで揃えられる。
【0027】
16は波長選択性偏光回転素子R15にて偏光方向を揃えられたRBのS偏光光以外の偏光光を吸収する出側偏光板である。出側偏光板16は、合成用偏光ビームスプリッタ10に貼り付けられている。これは吸収した光が熱となり、出側偏光板16が破損しないように、熱容量の大きな合成用偏光ビームスプリッタ10に放熱するためと、厚さ1.1mm程度の基板ガラスに貼り付けて単独で保持することにより発生するであろうレジずれを防止するためである。
【0028】
しかし、製造上やその他理由から、出側偏光板16を偏光ビームスプリッタ10に貼れない場合は、レジずれに考慮しつつ単独で保持してもよい。また、例えば、後述する、波長選択性偏光回転素子R15を間接保持部材(保持枠22)を介してRB用偏光ビームスプリッタR14に保持させるのと同様の方法を用いてもよい。
【0029】
17はG用偏光ビームスプリタ9と合成用偏光ビームスプリッタ10とを強固に接続するためのガラス板Gである。18はG用偏光ビームスプリタ14と合成用偏光ビームスプリッタ10とを強固に接続するためのガラス板RBである。ガラス板17,18は、通常稼動時の温度上昇で、3個の偏光ビームスプリッタ9,10,14の相対位置がずれないよう互いに強固に固定しておくためのものである。
【0030】
20は反射型液晶表示素子であり、本実施形態では、R,G,B光用にそれぞれ1個ずつの反射型液晶表示素子(以下、液晶パネルという)20G,20R,20Bが設けられている。
【0031】
21R,21G,21Bは液晶パネル保持板であり、液晶パネル20G,20R,20Bを保持するための部材である。液晶パネル保持板21Gは、G用偏光ビームスプリッタ9に接着固定され、液晶パネル保持板21R,21BはRB用偏光ビームスプリッタ14に接着固定されている。
【0032】
22は波長選択性偏光回転素子R15をRB用偏光ビームスプリッタ14に保持するための保持枠である。23は主に合成用偏光ビームスプリッタ10を保持するためのベースである。
【0033】
ダイクロイックミラー7は、ベース23に一体的に設けられた柱部23a,23bに形成された溝内に落とし込まれ、スポンジを挟むことによりガタなく保持されている。また、G用偏光板8は、柱部23bとベース23に一体的に設けられた壁部23cに形成された溝内に落とし込まれ、所定量のガタつきを持たせて保持されている。
【0034】
さらに、RB用偏光板12と波長選択性偏光回転素子B13は、柱部23bとベース23に一体的に設けられた柱部23dにそれぞれ形成された溝内に落とし込まれ、所定量のガタつきを持たせて保持されている。
【0035】
G用偏光ビームスプリッタ9とRB用偏光ビームスプリッタ14は、ベース23により直接保持されておらず、振動落下等の衝撃対策として柔らかい接着剤でベース23との隙間を埋めることにより、間接的に保持されている。
【0036】
24は光源1の冷却用のファンであり、光源ランプのバルブ温度を適温とするためと、プロジェクタの筐体内に高温の空気が留まらないようにするための排気用でもある。
【0037】
以上が光学ユニットの構成である。ここで、色分離・色合成や画像表示についてさらに詳しく説明する。
【0038】
照明系のうちコンデンサーレンズ6までで液晶パネル20R,20G,20Bの画像有効範囲を均一な照度とするよう光学的に操作され、かつS偏光に揃えられた光源1からの白色光は、まず、ダイクロイックミラー7にてG光とRBの合成光とに分離される。
【0039】
ダイクロイックミラー7を透過し、G用偏光板8で検光されたS偏光であるG光は、G用偏光ビームスプリッタ9の偏光分離面にて反射し、液晶パネル20Gに入射する。液晶パネル20Gに入射したS偏光は、黒表示の場合にはS偏光のままで反射され、辿ってきた経路を戻って光源1に向かう。白表示の場合は、液晶パネル20GにてP偏光に変換され、G用偏光ビームスプリッタ9の偏光分離面を透過し、さらに合成用偏光ビームスプリッタ10の偏光分離面も透過して投射レンズ11に向かう。
【0040】
一方、ダイクロイックミラー7にて反射されたRB光は、RB用偏光板12で検光され、波長選択性偏光回転素子B13にてB光のみがS偏光からP偏光に変換される。波長選択性偏光回転素子B13を通過したRB光のうちS偏光であるR光は、RB用偏光ビームスプリッタ14の偏光分離面で反射して液晶パネル20Rに入射し、P偏光であるB光はRB用偏光ビームスプリッタ14の偏光分離面を透過して液晶パネル20Bに入射する。このように、RB光はRB用偏光ビームスプリッタ14にて色分離されて、それぞれ液晶パネル20R,20Bに入射する。
【0041】
R光とB光は、黒表示の場合はG光と同様に、液晶パネル20R,20Bで偏光方向が変換されずに反射して、辿ってきた経路を戻り、光源1に向かう。白表示の場合のR光は、液晶パネル20RにてS偏光からP偏光に変換され、RB用偏光ビームスプリッタ14の偏光分離面を透過し、波長選択性偏光回転素子R15を通過することでS偏光に変換され、出側偏光板16で検光され、合成用偏光ビームスプリッタ10の偏光分離面で反射して、投射レンズ11に向かう。
【0042】
また、白表示の場合のB光は、液晶パネル20BにてP偏光からS偏光に変換され、RB用偏光ビームスプリッタ14の偏光分離面で反射し、波長選択性偏光回転素子R15を偏光変換されずに通過して、出側偏光板16で検光され、合成用偏光ビームスプリッタ10の偏光分離面にて反射し、投射レンズ11に向かう。
【0043】
このように、RB用偏光ビームスプリッタ14にてRB光が色合成され、合成用偏光ビームスプリッタ10にてRGB光が色合成されて白色光を形成する。
【0044】
なお、ここでは、液晶パネル20R,20G,20Bの全有効画素を同時に切り換えた場合について説明したが、画素毎に偏光を制御することで画像情報を再生することができる。そして、RGBの各色ごとに画像情報を再生制御することで、色合成されたカラー投射画像が得られる。
【0045】
次に、波長選択性偏光回転素子B13と波長選択性偏光回転素子R15の保持方法について説明する。従来は、波長選択性偏光回転素子B,Rはそれぞれ、両面に基板ガラスを貼り付け、さらにRB用偏光ビームスプリッタに直接貼り付けられているものが一般的である。これにより、波長選択性偏光回転素子B,Rは光エネルギー吸収等により加熱され、膨張したときに基板ガラスとの線膨張係数の違いにより内部応力が発生して光弾性が発生していた。これは、波長選択性偏光回転素子の主材料はポリカーボネートで、その線膨張係数が3〜6×10−5程度であり、一方、基板ガラスの線膨張係数は約0.4×10−5程度で、約10倍程度の差があるためである。
【0046】
光弾性が発生すると偏光が乱され、最終的に投射画像のコントラストが低下してしまう。光弾性による影響が顕著なのは波長選択性偏光回転素子Bである。このため、本実施形態では、前述したように波長選択性偏光回転素子B13を単体でベース23にガタつきを持たせて保持させている。これにより、波長選択性偏光回転素子B13が自由かつ均一に膨張できるので、内部応力が発生せず、光弾性の発生が抑制される。
【0047】
また、波長選択性偏光回転素子R15も同様に、単体でベース23にガタつきを持たせて保持すれば、光弾性の発生を抑制することはできる。しかし、後述する理由からレジずれが発生するという別の問題があるので、本実施形態では、波長選択性偏光回転素子R15を、保持枠22を介してRB用偏光ビームスプリッタ14に一体的に保持させている。
【0048】
ここで、波長選択性偏光回転素子R15の単体でのベース23による保持によりレジずれが発生する理由について図8を用いて説明する。図9は、波長選択性偏光回転素子R15を、ベース23に一体的に形成された柱部23gの溝内に、ガタつきを持たせて保持した例を示している。なお、図9には、ここでの説明で必要な光学素子のみを示している。
【0049】
波長選択性偏光回転素子R15は、液晶パネル20R,20Bと、投射レンズ11との間にあり、波長選択性偏光回転素子R15が傾くと波長選択性偏光回転素子R15以降、投射レンズ11に至るまでの光軸が変位する。図中には、本来の光軸を一点鎖線で示し、変位した光軸を二点鎖線で示している。
【0050】
この図から分かるように、波長選択性偏光回転素子R15が傾くと、G光の光軸は変位しないのに、RB光の光軸のみが変位する。この結果、レジずれが発生する。
【0051】
また、波長選択性偏光回転素子R15と柱部23gとのガタつき分の隙間にスポンジなどの緩衝部材をつめて、波長選択性偏光回転素子R15の傾きを防止する方法もあるが、ベース23がきわめて強固であり、かつ熱による変形がほとんど発生しないことが前提となる。これは、光学ユニットをプロジェクタ筐体に組み込む際には、ベース23をプロジェクタ筐体にビス留めすることが一般的であるが、このときベース23が変形してしまうと、光学ユニットに対して液晶パネルを調整固着したときと、ベース23をプロジェクタ筐体にビス止めしたときとで光学素子間の位置関係に差が生じて、レジずれが発生するからである。
【0052】
しかも、プロジェクタ内部の温度は稼動時に40℃から60℃位まで上昇し、少なからずベース23が変形する可能性があるからである。ベース23は図8では単純な一枚の四角板形状であるが、実際は光学部品を保持したり冷却用の穴などが形成されたりして、かなり複雑な形状となる。このため、ベース23は均一に熱膨張せず、これにより波長選択性偏光回転素子R15が傾いてしまい、レジずれが発生する。
【0053】
このような理由から、本実施形態では、波長選択性偏光回転素子R15を保持枠22を介してRB用偏光ビームスプリッタ14に保持させるようにしている。図2はその保持構造を詳しく説明する平面図、図3は、保持枠22の斜視図である。
【0054】
図2(A)および図3に示すように、保持枠22は、RB用偏光ビームスプリッタ14のRB光の出射面14a上の周辺部分に当接するビームスプリッタ側基準面22aと、RB用偏光ビームスプリッタ14における照明系からのRB光の入射面14b上の周辺部分および液晶パネル20Bに対向するB光の入出射面14cの周辺部分に対して隙間H(図2(A)参照)を空けて配置される接着面22bと、ビームスプリッタ側基準面22aの反対側に該基準面22aに対して平行に形成され、波長選択性偏光回転素子R15が当接する偏光回転素子側基準面22cとを有する。
【0055】
図2(A)に示すように、接着面22bとRB用偏光ビームスプリッタ14の入射面14bおよび入出射面14cとの間には接着剤31が塗布される。
【0056】
保持枠22の材料は、波長選択性偏光回転素子R15の主材料と同じ(線膨張係数も同じ)であるポリカーボネートか、ポリカーボネートに線膨張係数が近い(少なくともRB用偏光ビームスプリッタ14の材料であるガラスの線膨張係数に比べてポリカーボネートの線膨張係数に近い)材料とする。
【0057】
これにより、波長選択性偏光回転素子R15の温度上昇による膨張が起きたときに、保持枠22にも同等の膨張が生じ、波長選択性偏光回転素子R15の応力を開放することができる。
【0058】
ここで、本実施形態では、RB用偏光ビームスプリッタ14(第1の光学素子)、波長選択性偏光回転素子R15(第2の光学素子)および保持枠22を形成する材料の線膨張係数をそれぞれ、α1,α2およびα3としたとき、
α1<α3≦α2
なる条件を満足するものとしている。
【0059】
そして、波長選択性偏光回転素子R15を保持枠22に保持させるときには、図4(A)に示すように、波長選択性偏光回転素子R15を偏光回転素子側基準面22cに当接させた状態で、接着剤30を用いて波長選択性偏光回転素子R15を保持枠22に接着する。これにより、波長選択性偏光回転素子R15は、RB用偏光ビームスプリッタ14に対して光軸(RB用偏光ビームスプリッタ14から射出するRB光の光軸)の方向への移動や該光軸に対する傾きが阻止された状態で保持枠22(つまりはRB用偏光ビームスプリッタ14)に保持される。
【0060】
ここで、接着剤30は、波長選択性偏光回転素子R15の材料硬度よりも硬化後の硬度が小さい(柔らかい)ものを用いる。具体的には、本実施形態では、シリコン系の柔らかい接着剤が望ましい。波長選択性偏光回転素子R15自体は厚さが0.7mm程度のポリカーボネート板であり、変形しやすいので、できるだけ歪みを発生させないように保持する必要があるからである。
【0061】
仮に、波長選択性偏光回転素子R15の材料硬度よりも硬い接着剤を使用した場合は、接着剤の膨張により波長選択性偏光回転素子R15を歪ませ、透過波面が乱れ、投射画像が劣化してしまう。また、光弾性の発生原因にもなる。
【0062】
波長選択性偏光回転素子R15の線膨張係数と、保持枠22の線膨張係数は同じか近いので、本来強固に固定しても歪みは発生しないはずであるが、熱吸収状態が異なり、膨張量が異なる場合は、接着剤30の変形によって膨張量の差を吸収させる。
【0063】
また、図4(A)に示すように、接着剤30の塗布位置を正面から見て2箇所とし、かつ接着剤30の塗布位置2箇所を結ぶ線に対して、波長選択性偏光回転素子R15に接着剤30を塗布する辺15cが直交しなければ、図4(B)に示すように、波長選択性偏光回転素子R15を光軸(RB光の出射光軸)と直交する面内で回転させて応力を逃がすことができる。
【0064】
応力を逃がすために光軸と直交する面内で回転させるのは、波長選択性偏光回転素子15は光軸に対してわずかな傾きや回転等の変動が発生しても、偏光回転性能には影響しないという特性を持ち、また光軸に対して傾きさえ発生しなければレジずれが発生しない特性を有するためである。
【0065】
応力が発生するのは、波長選択性偏光回転素子R15と保持枠22とに線膨張係数の差がある場合にはその差と、波長選択性偏光回転素子R15と保持枠22の加熱状態の差により発生する膨張量の差と、接着剤30の膨張とに原因がある。接着剤30の膨張による応力発生原因は、接着剤30として柔らかいシリコンゴム系の接着剤を選定すると、その線膨張係数が比較的大きく、30×10−5程度であり、塗布面積の割には膨張量が大きくなることによるものである。
【0066】
プロジェクタ内部の温度上昇等により保持枠22と偏光ビームスプリッタ14とがそれぞれ膨張した場合、それらの線膨張係数の差により、図2(B)に示すように、接着剤31を塗布した隙間Hが拡大してH’となる。このため、接着剤31は、保持枠22の材料硬度よりも硬化後の硬度が小さい(柔らかい)もの、具体的には、シリコン系の柔らかい接着剤を用いる。これにより、膨張量の差によって隙間Hが拡大してH’となっても、接着剤31の伸びによって該膨張量の差を吸収し、保持枠22のRB用偏光ビームスプリッタ14に対する接着状態を維持することができる。
【0067】
そして、以上のような保持構造を採ることにより、保持枠22が変形しても、その歪みを波長選択性偏光回転素子R15やRB用偏光ビームスプリッタ14にも伝えないようにすることができる。
【0068】
RB用偏光ビームスプリッタ14も光弾性を引起す要因が十分にあり、設計段階で光弾性係数が低いガラスを選定しているほどである。
【0069】
また、本実施形態では図示していないが、偏光ビームスプリッタと液晶パネルとの間には、λ/4板を設けて偏光を整えるのが一般的である。偏光板と同様に、λ/4板はフィルム状の光学素子であるので、ガラス等の透明部材に貼り付けて使用される。
【0070】
取り付け方法としては、λ/4板のフィルムを隣接する偏光ビームスプリッタに位相方向を調整して直接貼り付ける方法と、1.1mm程度の汎用板ガラスに貼り付けてプラスチックや金属の間接保持部材を介して固定する方法がある。
【0071】
偏光ビームスプリッタに直接貼る場合は問題無いが、板ガラスに貼って間接保持部材を介して保持する場合は、図8に示すような光軸の変位に注意し、かつ最適位相位置からずれないように回転も発生しないように保持する必要がある。
【0072】
本実施形態では、波長選択性偏光回転素子の保持方法に主眼をおいているので、λ/4板の保持方法についての詳しい説明は省略するが、λ/4板を貼り付ける板ガラスにも光弾性は発生するので、光弾性係数の低い材質の選択と、板ガラスに歪みを与えないような保持方法を採用することが望ましい。
【0073】
図5には、本実施形態の光学ユニットの横断面を示している。図5に示すように、RB用偏光ビームスプリッタ14と、保持枠22を介してRB用偏光ビームスプリッタ14に保持された波長選択性偏光回転素子R15との間には、隙間Sが形成されている。また、図3にも示すように、保持枠22の上下には、上記隙間(冷却風路)Sを上下方向に開放するための切り欠き部22dが形成されている。
【0074】
図中に矢印で示すように、高圧冷却ファン25からダクト26により導かれ、ベース23に形成された開口部23hを通ってきた冷却風の一部は、保持枠22の下側の切り欠き部22dを通って隙間Sに流れ込み、保持枠22の上側の切り欠き部22dから上方に抜ける。また、ベース23の開口部23hを通った残りの冷却風は、波長選択性偏光回転素子R15と出側偏光板16との間の空間を流れて上方に抜ける。
【0075】
こうして、波長選択性偏光回転素子Rの両面に沿って冷却風が流れることにより、波長選択性偏光回転素子R15が効率的に冷却され、極力常温付近の温度に維持される。
【0076】
また、出側偏光板16においてもかなりの光エネルギーの吸収があるので、これが過熱状態とならないように冷却風によって冷却される。
【0077】
さらに、RB用偏光ビームスプリッタ14も液晶パネル20B,20Rからの輻射・対流・伝導やその他要因により加熱されるので、上記冷却風により冷却され、光弾性の発生が極力抑えられている。
【0078】
(実施形態2)
図6(A),(B)は、本発明の実施形態2である液晶プロジェクタの光学ユニットに用いられるRB用偏光ビームスプリッタ14と、RB用偏光ビームスプリッタ14に保持枠22’を介して保持される波長選択性偏光回転素子R15とを示している。光学ユニットを構成する他の要素は実施形態1と同じである。但し、本実施形態における波長選択性偏光回転素子R15の保持構造が実施形態1とは異なる。
【0079】
保持枠22’は、RB用偏光ビームスプリッタ14のRB光の出射面14a上の周辺部分に当接するビームスプリッタ側基準面22a’と、RB用偏光ビームスプリッタ14における照明系からのRB光の入射面14b上の周辺部分および液晶パネル20Bに対向するB光の入出射面14cの周辺部分に対して隙間Hを空けて配置される接着面22b’と、ビームスプリッタ側基準面22a’の反対側における3箇所(図6(B)参照)にて半球突起状に形成されて、波長選択性偏光回転素子R15が当接する偏光回転素子側突起22c’とを有する。また、図示しないが、保持枠22’の上下には、実施形態1の保持枠22と同様の切り欠き部(22d)が形成されている。
【0080】
保持枠22’は、実施形態1と同様に、波長選択性偏光回転素子R15の主材料と同じポリカーボネートか、これに近い線膨張係数を有する材料により製作するのが望ましい。
【0081】
ビームスプリッタ側基準面22a’がRB用偏光ビームスプリッタ14の出射面14aに当接した状態で、接着面22b’とRB用偏光ビームスプリッタ14の入射面14bおよび入出射面14cとの間には、実施形態1にて説明したのと同じ接着剤31が塗布され、保持枠22’がRB用偏光ビームスプリッタ14に接着される。
【0082】
さらに、保持枠22’における偏光回転素子側突起22c’が設けられた位置に対応する3箇所には、板バネ28が取り付けられている。この板バネ28のうち偏光回転素子側突起22c’に対向する位置まで延びた部分には、半球状の突起28aが形成されている。
【0083】
そして、板バネ28のバネ力によって、該板バネ28の突起28aと保持枠22’の偏光回転素子側突起22c’との間に波長選択性偏光回転素子R15を挟み込むことにより、波長選択性偏光回転素子R15が、RB用偏光ビームスプリッタ14の光軸(RB光の出射光軸)の方向への移動や該光軸に対する傾きが阻止され、かつ該光軸に直交する面内での移動(回転等)が許容された状態で保持枠22’(つまりはRB用偏光ビームスプリッタ14)に保持される。
【0084】
波長選択性偏光回転素子R15を板バネ28の突起28aと保持枠22’の偏光回転素子側突起22c’の点で挟むことで、板状の波長選択性偏光回転素子R15に曲げ力が加わらないようにこれを保持することができる。また、保持位置を3点にすることで、板状の波長選択性偏光回転素子R15をこじらず、安定した平面形状を維持したまま保持できるので、波長選択性偏光回転素子R15における応力の発生を抑制することができる。
【0085】
なお、保持位置を4点とすると、必ず1点は他の3点を通る平面から外れるため、波長選択性偏光回転素子R15に曲げ力が加わることになる。また、板バネ28のバネ力を、波長選択性偏光回転素子R15の荷重を支えることができる程度に設定することで、波長選択性偏光回転素子R15が保持枠22’と異なる膨張量となっても、保持点が波長選択性偏光回転素子R15上でずれるので、該膨張量差を吸収することができる。
【0086】
また、波長選択性偏光回転素子R15の板厚方向の膨張は、板ばね28が撓むことにより吸収できる。
【0087】
そして、本実施形態でも、実施形態1と同様に、保持枠22’に保持された波長選択性偏光回転素子R15とRB用偏光ビームスプリッタ14との間にできる隙間Sに冷却風を通し、波長選択性偏光回転素子R15やRB用偏光ビームスプリッタ14の温度上昇による光弾性の発生を抑制する。
【0088】
(実施形態3)
図7(A),(B)には、本発明の実施形態3である液晶プロジェクタの光学ユニットに用いられるRB用偏光ビームスプリッタ14と、RB用偏光ビームスプリッタ14に保持枠22を介して保持される波長選択性偏光回転素子R15とを示している。光学ユニットを構成する他の要素は実施形態1と同じである。
【0089】
本実施形態では、波長選択性偏光回転素子R15は、ポリカーボネートを主材料とする素子本体(ポリカーボネート層)15aと、この素子本体15aの両面又は片面に貼り合わされた2枚のガラス基板(ガラス層)15bとから構成されている。
【0090】
図7(A)は2枚のガラス基板15bが素子本体15aの両面に貼り合わされて波長選択性偏光回転素子R15を構成している場合を、図7(B)は1枚のガラス基板15bが素子本体15aの片面(RB用偏光ビームスプリッタ14側の面)に貼り合わされて波長選択性偏光回転素子R15を構成している場合をそれぞれ示している。
【0091】
ガラス基板が必要になる理由は、液晶パネルの有効表示範囲のサイズが大きくなった場合、0.7mm程度のポリカーボネート材では剛性が足りず、波長選択性偏光回転素子R15自体が変形し易くなり、光学的な透過波面を劣化させる可能性があるからである。
【0092】
このようにガラス基板15bをポリカーボネート材の素子本体15aに貼り合わせた波長選択性偏光回転素子R15を用いる場合、保持枠22は、強固なガラス基板15bを保持することになるので、特に材料の制限はないが、RB用偏光ビームスプリッタ14からの熱を波長選択性偏光回転素子R15にできるだけ伝えないようにするために、熱伝導率が低く、かつ線膨張係数がガラス基板15bに近いものが好ましい。例えば、ポリカーボネートのガラス繊維入り材料や、熱硬化性樹脂のエポキシ系材料が適している。
【0093】
そして、本実施形態でも、実施形態1(若しくは実施形態2)と同様に、保持枠22は、波長選択性偏光回転素子R15を、RB用偏光ビームスプリッタ14に対し、そのRB光の出射光軸の方向への移動を阻止し、かつ該出射光軸に直交する面内での移動を許容するように保持させる。
【0094】
また、本実施形態でも、実施形態1と同様に、保持枠22に保持された波長選択性偏光回転素子R15とRB用偏光ビームスプリッタ14との間にできる隙間Sに冷却風を通し、波長選択性偏光回転素子R15やRB用偏光ビームスプリッタ14の温度上昇による光弾性の発生を抑制する。これにより、ガラス板15bとRB用偏光ビームスプリッタ14間の応力発生を抑制することができるとともに、RB用偏光ビームスプリッタ14から波長選択性偏光回転素子R15に伝達される熱は大幅に減少させることができる。
【0095】
(実施形態4)
図8には、本発明の実施形態4である液晶プロジェクタの光学ユニットを示している。該光学ユニットの構成要素は実施形態1と同じである。
【0096】
本実施形態では、波長選択性偏光回転素子15Rを保持枠22”を介して合成偏光ビームスプリッタ16に保持させている点が実施形態1〜3と異なる。
【0097】
ガラス板18でRB用偏光ビームスプリッタ14と合成用偏光ビームスプリッタ10とが強固に連結され、またガラス板17でG用偏光ビームスプリッタ9と合成用偏光ビームスプリッタ10とが強固に連結されているので、プロジェクタの稼動時の温度上昇等の各種環境が変化したり、振動衝撃が加わったりしても偏光ビームスプリッタ9,10,14の相互間の位置関係が変動しないようになっている。
【0098】
このため、波長選択性偏光回転素子R15を、RB用偏光ビームスプリッタ14や、G用偏光ビームスプリッタ9や、ガラス板17,18や、合成用偏光ビームスプリッタ10に保持させることができる。
【0099】
但し、現実的に精度良く波長選択性偏光回転素子R15を保持させるためには、RB用偏光ビームスプリッタ14以外では、波長選択性偏光回転素子R15に隣接する合成用偏光ビームスプリッタ(第1の光学素子)10に波長選択性偏光回転素子R15を保持させるのがよい。
【0100】
このため、本実施形態では、合成用偏光ビームスプリッタ10に保持枠22”を介して波長選択性偏光回転素子R15を保持させるようにしている。なお、これに伴い、ベース23に形成した柱状部23bの形状を実施形態1(図1参照)と異ならせている。
【0101】
なお、本実施形態においては、波長選択性偏光回転素子R15の位置を、RB用偏光ビームスプリッタ14寄りに設定している。これは、発熱源となる偏光板16からできるだけ距離をおき、偏光板16の熱が波長選択性偏光回転素子R15に伝わり難くするためである。
【0102】
保持枠22”の形状および材料(線膨張係数)は、実施形態1〜3にて説明したのと同様である。
【0103】
以上説明した各実施形態によれば、反射型液晶表示素子の優れた特性を生かしつつ、波長選択性偏光回転素子からの漏れ光や波長選択性偏光回転素子の傾きによるレジずれの発生を抑制することができ、高コントラストの投射画像を得ることができる。
【0104】
また、上記各実施形態によれば、光の利用効率を高めることができるとともに、偏光板などの光吸収性の光学素子の負担を減少させることもできる。したがって、発熱源である偏光板に対して要求される冷却能力の低減を図ることができ、冷却ファンの回転数を下げることによる低騒音化にも有効である。
【0105】
なお、上記各実施形態では、波長選択性偏光回転素子の保持方法について説明したが、偏光板や位相差板等、他の光学素子(偏光ビームスプリッタ等の第1の光学素子に入射する光又は第1の光学素子から射出する光に対して光学作用を及ぼす第1の光学素子)の保持についても適用することができる。
【0106】
さらに、以上説明した各実施形態は、以下に示す各発明を実施した場合の一例でもある。また、下記の各発明は上記各実施形態に様々な変更や改良が加えられて実施されるものでもある。
【0107】
〔発明1〕 投射型画像表示装置に用いられる光学ユニットであって、
光の色分離および色合成のうち少なくとも一方を行う、ガラス材により形成された第1光学素子と、
前記第1の光学素子に取り付けられた保持部材と、
前記保持部材により保持され、前記第1の光学素子に入射する光又は前記第1の光学素子から射出する光に対して光学作用を及ぼす、樹脂材により形成された第2の光学素子とを有し、
前記第1の光学素子、前記第2の光学素子および前記保持部材を形成する材料の線膨張係数をそれぞれ、α1,α2およびα3としたとき、
α1<α3≦α2
なる条件を満たすことを特徴とする光学ユニット。
【0108】
〔発明2〕 前記保持部材を形成する材料の線膨張係数α3が、前記第1の光学素子を形成する材料の線膨張係数α1よりも前記第2の光学素子を形成する材料の線膨張係数α2に近いことを特徴とする発明1又は請求項1に記載の光学ユニット。
【0109】
〔発明3〕 投射型画像表示装置に用いられる光学ユニットであって、
光の色分離および色合成のうち少なくとも一方を行う第1光学素子と、
前記第1の光学素子に取り付けられた保持部材と、
前記保持部材により保持され、前記第1の光学素子に入射する光又は前記第1の光学素子から射出する光に対して光学作用を及ぼす第2の光学素子とを有し、前記保持部材は、前記第2の光学素子を、該第2の光学素子を通る前記第1の光学素子の光軸の方向への変位を阻止し、かつ該光軸に直交する方向への変位を許容するよう保持する保持構造を有することを特徴とする光学ユニット。
【0110】
〔発明4〕 前記第2の光学素子が前記保持部材に接着剤を用いて保持されており、
該接着剤の硬化後の硬度が前記第2の光学素子の材料の硬度よりも小さいことを特徴とする発明3に記載の光学ユニット。
【0111】
〔発明5〕 前記第1の光学素子がガラスにより形成され、前記第2の光学素子が樹脂により形成されていることを特徴とする発明3又は4に記載の光学ユニット。
【0112】
〔発明6〕 前記保持部材が前記第1の光学素子に接着剤により取り付けられており、
該接着剤の硬化後の硬度が前記保持部材の材料の硬度よりも小さいことを特徴とする発明3から5のいずれかに記載の光学ユニット。
【0113】
〔発明7〕 前記第1の光学素子と前記第2の光学素子との間に、冷却風を通すための隙間を形成したことを特徴とする発明1(請求項1)から6のいずれかに記載の光学ユニット。
【0114】
〔発明8〕 前記第2の光学素子が波長選択性偏光回転素子であることを特徴とする発明1(請求項1)から7のいずれかに記載の光学ユニット。
【0115】
〔発明9〕 発明1(請求項1)から8のいずれかに記載の光学ユニットを有することを特徴とする投射型画像表示装置。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1である液晶プロジェクタの光学ユニットの構成を示す平面図。
【図2】上記光学ユニットにおける偏光ビームスプリッタによる保持枠を介した波長選択性偏光回転素子の保持方法を説明する平面図。
【図3】上記保持枠の斜視図。
【図4】上記光学ユニットにおける偏光ビームスプリッタへの保持枠を介した波長選択性偏光回転素子の保持方法を説明する正面図。
【図5】上記光学ユニットの冷却方法を説明する側面断面図。
【図6】本発明の実施形態2である液晶プロジェクタの光学ユニットにおける偏光ビームスプリッタによる保持枠を介した波長選択性偏光回転素子の保持方法を説明する平面図および正面図。
【図7】本発明の実施形態3である液晶プロジェクタの光学ユニットにおける偏光ビームスプリッタによる保持枠を介した波長選択性偏光回転素子の保持方法を説明する平面図。
【図8】本発明の実施形態4である液晶プロジェクタの光学ユニットの構成を示す平面図。
【図9】波長選択性偏光回転素子の変位によるレジずれの発生を説明する平面図。
【符号の説明】
1 光源
2 第1フライアイレンズ
3 第2フライアイレンズ
4 偏光変換素子
5 全反射ミラー
6 フィールドレンズ
7 ダイクロイックミラー
8 G用偏光板
9 G用偏光ビームスプリッタ
10 合成用偏光ビームスプリッタ
11 投射レンズ
12 RB用偏光板
13 波長選択性偏光回転素子B
14 RB用偏光ビームスプリッタ
15 波長選択性偏光回転素子R
15a 素子本体
15b ガラス基板
16 出側偏光板
17 ガラス板
18 ガラス板
20 反射型液晶表示素子
21 保持板
22,22’,22” 保持枠
23 ベース
24,25 冷却ファン
26 ダクト
30,31 接着剤
32 板バネ

Claims (1)

  1. 投射型画像表示装置に用いられる光学ユニットであって、
    光の色分離および色合成のうち少なくとも一方を行う第1の光学素子と、
    前記第1の光学素子に取り付けられた保持部材と、
    前記保持部材により保持され、前記第1の光学素子に入射する光又は前記第1の光学素子から射出する光に対して光学作用を及ぼす第2の光学素子とを有し、
    前記第1の光学素子、前記第2の光学素子および前記保持部材を形成する材料の線膨張係数をそれぞれ、α1,α2およびα3としたとき、
    α1<α3≦α2
    なる条件を満たすことを特徴とする光学ユニット。
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