JP2002286930A5 - - Google Patents
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他方、熱線吸収タイプでは、特開2000−80319号公報等に記載されているような有機系染料や有機系顔料をコーティングもしくは練り込み、基材等を着色することで上記熱線を遮蔽している。そして、特に染料が安価で取り扱いやすいため広く普及しているが、耐候性に乏しいことが欠点となっている。また、このタイプでは可視光領域の反射によるぎらつきが無く意匠性には優れているが、基材等に吸収された熱エネルギーを室内に放射してしまうため、熱線反射タイプに比べて断熱効率が低い欠点があった。また、上記有機系染料、有機系顔料や金属の酸化物、硫化物や硫酸塩等の着色材を用いた遮光フィルムでは、高い断熱特性とぎらつきの抑制を両立させるような特性を有していなかった。更には、着色材を用いているために色調が鮮やか過ぎてしまう場合が多く、深みや落ち着きのない外観状態となってしまうなどの問題があった。
【0007】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明者等は上記課題を解決するため鋭意検討を行ったところ、可視光領域の光を選択的に吸収し、近赤外、赤外領域の光を透過するような微粒子が含まれる可視光吸収インクを用いて可視光反射性を有する基材の少なくとも片面に可視光吸収膜を形成した場合、形成された可視光吸収膜の作用により上記基材の日射反射特性を保持させたまま可視光領域の光のみ選択的に吸収させられることを見出すに至った。本発明はこのような技術的知見に基づき完成されている。
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明者等は上記課題を解決するため鋭意検討を行ったところ、可視光領域の光を選択的に吸収し、近赤外、赤外領域の光を透過するような微粒子が含まれる可視光吸収インクを用いて可視光反射性を有する基材の少なくとも片面に可視光吸収膜を形成した場合、形成された可視光吸収膜の作用により上記基材の日射反射特性を保持させたまま可視光領域の光のみ選択的に吸収させられることを見出すに至った。本発明はこのような技術的知見に基づき完成されている。
まず、本発明は可視光領域に反射のある基材または可視光領域に金属光沢のある基材を用い、この基材の少なくとも片面に可視光吸収インクをコーティングして可視光吸収膜を形成し、もって上記基材の欠点である可視光領域のぎらつきを防止することを目的としている。更に、上記基材の断熱特性をできるだけ損なわさせないため、人の目に感じる光、特に380nm〜780nmの波長領域の可視光を選択的に吸収し、近赤外および赤外領域(780nm以上)の光を透過するような材料を選択し、これをインク化し、熱線反射タイプの基材の片面もしくは両面にコーティングすることで可視光吸収膜を形成し、可視光領域のぎらつきが少なく、熱線吸収タイプに比べ断熱効率の高い構成を可能としている。
すなわち、本発明に係る熱線反射タイプの断熱材は、金属等を蒸着した基材の片面または両面に可視光吸収インクをコーティングして得られるものである。金属等の蒸着面はそのプラズモンに起因した反射が生じる。よって、紫外線領域から可視、赤外領域にかけて広い範囲で反射特性を示す。この基材表面に上記可視光吸収インクをコーティングすると、金属等の蒸着面で反射される可視光領域の光成分のみが可視光吸収インクで形成された可視光吸収膜に吸収されるため、人の見た目には鏡のようなぎらつきが無くなる。一方、近赤外および赤外領域の光は上記可視光吸収膜を透過し、金属等の蒸着膜面で十分反射されるため、結果として上記基材の高い断熱特性を保持することが可能となる。
例えば、金属蒸着した半透明基材の片面に上記可視光吸収インクを塗布して可視光吸収膜を形成した場合、この可視光吸収膜を室外側に配して半透明基材を設置することで、上記可視光吸収膜が可視光を吸収するため室外側でのぎらつきによる不快感を無くし、また、室外からの赤外線は上記可視光吸収膜を透過して金属蒸着面で反射されるため断熱特性を高く保つことが可能となる。更に、室内側に可視光吸収膜を配置した場合、室内の映り込みが抑制され、室外側においては、金属蒸着面の反射により室外の熱エネルギーは反射されるため、金属蒸着した半透明基材の断熱特性を高く維持することが可能となる。
また、上記材料の微粒子を液体中に安定に分散した状態を保持することは、バインダーと配合後、可視光吸収膜としたときの透明性を保持させるために重要である。そして、分散液の評価方法としては、上記微粒子の重量に対しバインダー成分を10倍配合して調製した可視光吸収インクを、25μm厚さの透明PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム上に塗布して形成される可視光吸収膜の膜厚についてその可視光透過率が40〜60%となるよう調整した上記可視光吸収膜形成後における透明PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムのヘイズ値(JIS K 7105に基づいて測定)が3%以下となるような基準を例示できる。ヘイズ値が3%を越えると、微粒子の分散状態が悪く、微粒子同士の凝集が強くなって微粒子の沈降原因となり、更にはバインダーと混合した後に可視光吸収膜としたときの透明性が悪くなる場合がある。従って、上記可視光吸収インクを25μm厚さの透明PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム上に塗布して形成される可視光吸収膜の膜厚についてその可視光透過率が40〜60%となるよう調整した上記可視光吸収膜形成後における透明PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムのヘイズ値が3%以下であることが望ましい。
また、上記樹脂フィルム上にハードコート層等の塗膜を形成するためのバインダーとしては、紫外線硬化樹脂が良く知られている。その代表的な組成は、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート等の光重合性オリゴマーと、単官能アクリレート、多官能アクリレート等の光重合性モノマーの混合物を主成分とし、これにベンゾイン系、アセトフェノン系、チオキサンソン系、パーオキシド系等の光開始剤や、アミン系、キノン系等の光開始助剤を添加したものを用いることができる。さらに、熱重合禁止剤や、接着付与剤、チクソ付与剤、可塑剤、非反応性ポリマーを添加しても良い。紫外線硬化樹脂に、上述した可視光吸収材料の微粒子を直接分散しても良く、また可視光吸収材料の分散液と混合してもよい。また、上述したように接着剤中に本発明に係る可視光吸収インクを混合しても同様の効果が得られる。
また、表1中の日射反射率低減度は、日射反射率低減度=[各実施例の日射反射率(%)]/[比較例に係る可視光吸収インク塗布前の日射反射率すなわち55.3または51.9(%)]で定義される値であり、日射反射率の低下の程度を示す指標で0.25以上を合格としている。すなわち、0.25未満の場合には日射反射率が低下し過ぎていることを示し、形成した可視光吸収膜における近赤外、赤外領域の光反射が少ないことを示している。
【0074】
[確 認]
(1)第1表の「可視光反射率低減度」欄に示された各実施例の数値(0.14〜0.47)から確認されるように、可視光吸収膜が形成されていない比較例に係るAl蒸着フィルムと比べて可視光反射率が大きく低減しており、可視光吸収膜が形成された各実施例に係るAl蒸着フィルム(Al蒸着半透明PETフィルム)からの可視光反射に起因したぎらつきが抑制されることが確認される。
また、第1表の「日射反射率低減度」欄に示された各実施例の数値(0.27〜0.71)から確認されるようにその低減度は0.25以上であり、可視光吸収膜が形成された各実施例に係るAl蒸着フィルムの断熱特性は十分に機能することも確認される。
(2)次に、第2表の「ヘイズ値変化量(%)」欄に示された各実施例の数値(−0.9〜−0.1)から確認されるように、可視光吸収膜が形成されていない比較例に係るAl蒸着フィルムと比べてヘイズ値も大幅に改善されており、可視光吸収膜が形成された各実施例に係るAl蒸着フィルムのクリアな透光性も維持されることが確認される。
(3)更に、第3表の彩度「C * 」欄に示された各実施例の数値から確認されるように、各実施例に係るAl蒸着フィルムにおいては可視光吸収膜を形成しても色調が鮮やか過ぎることもないことが確認される。
【発明の効果】
請求項1〜3に係る発明によれば、
基材の片面若しくは両面に形成された可視光吸収膜の可視光反射率低減度が0.9以下であることから基材からの可視光反射が低減されて可視光領域のぎらつきを抑制することが可能となり、また、日射反射率低減度が0.25以上であることから基材からの日射反射が保持されて基材の断熱特性も維持させることが可能となる効果を有する。
[確 認]
(1)第1表の「可視光反射率低減度」欄に示された各実施例の数値(0.14〜0.47)から確認されるように、可視光吸収膜が形成されていない比較例に係るAl蒸着フィルムと比べて可視光反射率が大きく低減しており、可視光吸収膜が形成された各実施例に係るAl蒸着フィルム(Al蒸着半透明PETフィルム)からの可視光反射に起因したぎらつきが抑制されることが確認される。
また、第1表の「日射反射率低減度」欄に示された各実施例の数値(0.27〜0.71)から確認されるようにその低減度は0.25以上であり、可視光吸収膜が形成された各実施例に係るAl蒸着フィルムの断熱特性は十分に機能することも確認される。
(2)次に、第2表の「ヘイズ値変化量(%)」欄に示された各実施例の数値(−0.9〜−0.1)から確認されるように、可視光吸収膜が形成されていない比較例に係るAl蒸着フィルムと比べてヘイズ値も大幅に改善されており、可視光吸収膜が形成された各実施例に係るAl蒸着フィルムのクリアな透光性も維持されることが確認される。
(3)更に、第3表の彩度「C * 」欄に示された各実施例の数値から確認されるように、各実施例に係るAl蒸着フィルムにおいては可視光吸収膜を形成しても色調が鮮やか過ぎることもないことが確認される。
【発明の効果】
請求項1〜3に係る発明によれば、
基材の片面若しくは両面に形成された可視光吸収膜の可視光反射率低減度が0.9以下であることから基材からの可視光反射が低減されて可視光領域のぎらつきを抑制することが可能となり、また、日射反射率低減度が0.25以上であることから基材からの日射反射が保持されて基材の断熱特性も維持させることが可能となる効果を有する。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001092117A JP4348872B2 (ja) | 2001-03-28 | 2001-03-28 | 積層体と可視光吸収膜を有する構造体および可視光吸収インク |
PCT/JP2002/008423 WO2004019084A1 (ja) | 2001-03-28 | 2002-08-21 | 可視光吸収膜とこの可視光吸収膜を有する構造体および可視光吸収膜を形成する可視光吸収インク |
TW91119366A TWI231308B (en) | 2001-03-28 | 2002-08-27 | Visible light-absorbing film, structure having the visible light-absorbing film, and visible light-absorbing ink for forming the visible light-absorbing film |
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001092117A JP4348872B2 (ja) | 2001-03-28 | 2001-03-28 | 積層体と可視光吸収膜を有する構造体および可視光吸収インク |
PCT/JP2002/008423 WO2004019084A1 (ja) | 2001-03-28 | 2002-08-21 | 可視光吸収膜とこの可視光吸収膜を有する構造体および可視光吸収膜を形成する可視光吸収インク |
Publications (3)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
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JP2002286930A5 true JP2002286930A5 (ja) | 2006-01-19 |
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Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2001092117A Expired - Lifetime JP4348872B2 (ja) | 2001-03-28 | 2001-03-28 | 積層体と可視光吸収膜を有する構造体および可視光吸収インク |
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WO2013150983A1 (ja) | 2012-04-02 | 2013-10-10 | 大日精化工業株式会社 | 複合酸化物ブラック顔料及びその製造方法 |
KR101925813B1 (ko) * | 2014-05-27 | 2018-12-06 | 후지필름 가부시키가이샤 | 착색 조성물, 막, 컬러 필터, 패턴 형성 방법, 컬러 필터의 제조 방법, 고체 촬상 소자 및 적외선 센서 |
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