JP2002286681A - 電気的接触構造及びセンサ - Google Patents

電気的接触構造及びセンサ

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JP2002286681A JP2001092796A JP2001092796A JP2002286681A JP 2002286681 A JP2002286681 A JP 2002286681A JP 2001092796 A JP2001092796 A JP 2001092796A JP 2001092796 A JP2001092796 A JP 2001092796A JP 2002286681 A JP2002286681 A JP 2002286681A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 例えば電極端子と端子金具との間の様な電気
的接触構造においても、高い接続の信頼性を確保できる
電気的接触構造及びセンサを提供すること。 【解決手段】 検出素子5の酸素濃淡電池27内に形成
された電極リード部39は、複数のビア43にて、酸素
濃淡電池27の表面の電極端子45と電気的に接続され
ている。しかも、これらのビア43は、リードフレーム
13が電極端子45と接触する接点間に位置する様に形
成されている。また、同様に、ヒータ29内に形成され
たリード部47、49は、複数のビア55にて、ヒータ
29の表面の電極端子51、53と電気的に接続されて
いる。しかも、これらのビア55は、リードフレーム1
3が電極端子51、53と接触する接点間に位置する様
に形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば自動車等の
排気ガス中の酸素濃度を測定する酸素センサなどに用い
ることができる電気的接触構造及びセンサに関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば混合ガス中から特定の
ガス成分の濃度を検出するガスセンサとしては、例えば
図7に示す様な酸素センサが知られている。この酸素セ
ンサは、排気管に固定するためのネジ部P1が外表面に
形成された筒状の主体金具P2と、主体金具P2の筒内
に挿入され、酸素イオン伝導性固体電解質体からなる電
池素子を備えた長尺状の検出素子P3と、検出素子P3
を保持するために主体金具P2の筒内下方から順に積層
されるセラミックホルダP4、タルク粉末P5、セラミ
ックスリーブP6とを備えている。
【0003】このうち、前記検出素子P3は、その先端
側(図中下方)には検出部P7が形成され、後端側には
検出部P7にて生じた酸素濃淡電池起電力を外部に取り
出すための複数の電極端子P8が形成されている。そし
て、各電極端子P8には、コネクタ部P9を介してリー
ド線P10が電気的に接続されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記酸素セ
ンサでは、外部から振動を受けて検出素子P3自体が振
動した場合には、検出素子P4がコネクタ部P9から外
れてしまうおそれがあり、その結果、酸素濃度を正確に
測定できなくなるおそれがあった。
【0005】この対策として、セラミックスリーブP6
の貫通孔内にて、検出素子P3の表面に電極端子を設け
るとともに、セラミックスリーブP6と検出素子P4と
の間に板状で長尺の端子金具を配置して、端子金具の一
端と電極端子との導通を確保し、更に端子金具の他端と
リード線P10とを接続する技術が検討されているが、
必ずしも接続の信頼性は十分ではない。
【0006】つまり、前記電極端子は、検出素子P3の
表面にメタライズにより形成されるので、電極端子と端
子金具とが長期間接触しているうちに、端子金具等の振
動によって電極端子のメタライズが剥離して、導通を確
保できなくなるおそれがあった。
【0007】本発明は、前記課題を解決するためになさ
れたものであり、その目的は、例えば電極端子と端子金
具との間の様な電気的接触構造においても、高い接続の
信頼性を確保できる電気的接触構造及びセンサを提供す
ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】(1)請
求項1の発明は、部材(例えば検出素子)の表面にメタ
ライズにより形成された表面導通部(例えば電極端子)
に対して、導電部材(例えば端子金具)を接触させて導
通を得る電気的接触構造に関するものである。
【0009】本発明では、特に、導電部材は表面導通部
に弾性的に押圧して接触する接点を複数備えるととも
に、表面導通部は部材の内部に設けられた内部導通部か
ら導通を得ている。従って、幅方向と垂直の導電部材の
長手方向の振動等により、導電部材と表面導通部とが一
部の接点でこすれあっても、表面導通部の一部が剥離す
るのみである。つまり、表面導通部は例えばビアやスル
ーホールを介して内部導通部と導通し、且つ導電部材は
複数の接点を有するので、即ち多くの導通の経路が確保
されているので、表面導通部が多少剥離したとしても、
断線が生じ難い。これにより、高い接続の信頼性が得ら
れる。
【0010】(2)請求項2の発明では、表面導通部は
内部導通部からスルーホール又はビアを介して導通を得
ている。本発明は、表面導通部と内部導通部との電気的
な接続の構造を例示したものであり、特にシートを積層
して検出素子等の板状の部材を製造する場合には、この
スルーホールやビアを利用した電気的接続は好適であ
る。
【0011】尚、ここで、スルーホールとは、表面導通
部と内部導通部とを接続するようにあけられた孔であ
り、その内周面に導電層を形成することにより、表面導
通部と内部導通部との間で導通が可能となる。また、ビ
アとは、前記孔の内部に導電材料を充填して導通を得る
ものである。
【0012】(3)請求項3の発明では、スルーホール
又はビアを、接点間に対応する位置に設けている。従っ
て、ある接点が接触する部分の表面導通部が幅方向に完
全に剥離したとしても、他の接点はスルーホール又はビ
アを介して内部導通部と導通しているので、一層断線が
生じ難い。
【0013】(4)請求項4の発明では、部材は、周囲
の状況に応じて電気的特性が変化する板状素子である。
本発明は、部材の種類を例示したものであり、ここで
は、例えば酸素濃度に応じてその起電力が変化する板状
の酸素検出素子等が挙げられる。
【0014】この様なセンサ機能を有する素子は、電気
的特性の変化を正確に電気信号に変換して取り出す必要
があるので、安定的に良好な電気的な接続を図らなけれ
ばならない。本発明の電気的接触構造は、この様な場合
に有効に利用できる。 (5)請求項5の発明では、板状素子は、主としてセラ
ミックスからなる。
【0015】本発明は、板状素子の材質を例示したもの
であり、ここでは、例えばジルコニアなどが挙げられ
る。板状素子がセラミックスからなる場合には、素子基
体の硬度が高いので、表面に形成された表面導通部は、
導電部材と基材との間に挟圧されて摩耗し易い。本発明
の電気的接触構造は、この様な場合に有効に利用でき
る。
【0016】(6)請求項6の発明は、導電部材は、耐
熱性金属からなる端子金具である。本発明は、導電部材
を例示したものであり、ここでは、例えばNi合金(イ
ンコネル718:登録商標)やFe合金(インコロイ:
登録商標)などの耐熱性金属からなる端子金具が挙げら
れる。
【0017】導電部材として耐熱性金属を用いること
で、表面導通部との電気的接続が高温においても安定す
るので、本発明の電気的接触構造の電気的接続の安定性
を高めることができる。 (7)請求項7の発明では、導電部材は、表面導通部と
の接触部分に、波状又は鋸歯状の凹凸を備えている。
【0018】この接触部分が、例えばセラミックス製の
検出素子とセラミックス製のスリーブとの間に配置され
る場合には、波状又は鋸歯状の凹凸が、左右のセラミッ
クス製の部材との緩衝機能を発揮し、例えば衝撃により
検出素子が破損することを防止することができる。
【0019】更に、表面導通部に対して、導電部材を複
数箇所で弾性的に押圧することになるので、本発明の電
気的接触構造の電気的接続の安定性を高めることができ
る。 (8)請求項8の発明では、表面導通部は、部材から信
号を取り出すために部材表面に形成されたメタライズ層
である。
【0020】本発明により、部材からの信号を確実に外
部に伝えることができる。 (9)請求項9の発明では、表面導通部は、部材中に形
成されたヒータに電圧を印加するために部材表面に形成
されたメタライズ層である。本発明により、ヒータに確
実に電圧を印加することができる。
【0021】(10)請求項10の発明は、上述した電
気的接触構造を備えたセンサである。つまり、上述した
電気的接触構造を備えたセンサは、振動等が加わる過酷
な条件で使用された場合でも、長期間にわたり断線が発
生し難く、耐久性が極めて高いものである。
【0022】(11)請求項11の発明では、センサ
が、測定対象のガスの種類又はガスの濃度を測定するガ
スセンサである。本発明は、センサの種類を例示したも
のであり、ここでは、ガスの種類を検出したり、ガスの
濃度を検出するガスセンサが挙げられる。
【0023】このガスセンサとしては、酸素の濃度を測
定する酸素ガスセンサ、NOXの濃度を測定するNOX
スセンサ、HCの濃度を測定するHCガスセンサ、CO
の濃度を測定するCOガスセンサなどが挙げられる。特
にNOXの濃度を測定するNOXガスセンサの場合、電気
信号を高精度で測定する必要があるため、本発明の電気
的接触構造は有効に作用する。
【0024】(12)請求項12の発明では、ガスセン
サが、内燃機関の排気を浄化する触媒(例えば三元触
媒)の下流側に配置される下流ガスセンサ、又は触媒の
上流側に取り付けられる上流ガスセンサ(制御ガスセン
サ)である。本発明は、ガスセンサの使用位置及びその
用途を例示したものである。
【0025】内燃機関の排気中の様な高温下で、振動の
激しい部位に装着されるセンサからの信号を取り出す場
合には、本発明の電気的接触構造は、センサ信号の信頼
性を向上させるのに有効な効果を奏する。
【0026】
【発明の実施の形態】以下に、本発明のガスセンサの実
施の形態の例(実施例)について説明する。 (実施例1)本実施例のガスセンサは、例えば自動車の
排気系に取り付けられて、検出ガス(排気ガス)中の酸
素濃度を測定する酸素センサ(ガスセンサ)である。
【0027】a)まず、本実施例の酸素センサの構成に
ついて、図1〜図3に基づいて説明する。尚、図1は酸
素センサの全体構成を示し、図2は検出素子の構成を示
し、図3は電極端子の電気的接触構造を示している。図
1に示す様に、酸素センサ1は、筒状の主体金具3と、
主体金具3の筒内に挿入される長板状の検出素子5と、
検出素子5を保持するために主体金具3の筒内下方から
積層されるセラミックホルダ7、タルク粉末9、セラミ
ックスリーブ11と、検出素子5にて検出された信号
(即ち、酸素濃淡電池起電力)を取り出すため等に用い
る複数(本実施例では4本)の長尺状のリードフレーム
(端子金具)13とを備えている。
【0028】また、主体金具3の先端側(図中下方)外
周には、検出素子5の突出部分を覆うと共に、複数の孔
部を有し、金属製の二重のプロテクタ15が溶接等によ
って取り付けられている。一方、主体金具3の後端側
(図中上方)外周には、外筒17が溶接等により固定さ
れている。また、外筒17の後端開口部17aには、検
出素子5にて生じた酸素濃淡電池起電力を外部に取り出
すための(リード線19が挿通される)リード線挿通孔
21が形成されたセラミックセパレータ23とグロメッ
ト25とが配置されている。
【0029】上記構成のうち、検出素子5は、長方形状
の軸断面を有し、図2に示すように、それぞれ長板状に
形成された酸素濃淡電池素子27と、酸素濃淡電池素子
27を活性化させるためのヒータ29とが積層されて形
成されている。尚、酸素濃淡電池素子27は、例えば、
ジルコニア等を主体とする酸素イオン伝導性固体電解質
体により形成されている。また、ヒータ29は、例え
ば、導電性セラミックからなる抵抗発熱体パターン31
をセラミック基体中に埋設した公知のセラミックヒータ
から形成されている。
【0030】前記酸素濃淡電池素子27は、その長手方
向の一端側(図中左方)にて、両面に多孔質電極33,
35が形成されており、両電極33,35とそれらの間
に挟まれる固体電解質部分とが検出素子5の検出部37
を構成している。また、多孔質電極33,35には、酸
素濃淡電池素子27の長手方向に沿って酸素センサ1の
後端側に向けて延びる電極リード部37,39が一体に
形成されている。
【0031】この内、ヒータ29と対向しない側の電極
33からの電極リード部37は、その末端が電極端子
(表面導通部)41として用いられる。また、ヒータ2
7に対向する側の電極35の電極リード部(内部導通
部)39は、図3に示すように、酸素濃淡電池素子27
を厚さ方向に横切るビア43により、反対側の素子面に
形成された電極端子45と接続されている。
【0032】尚、酸素濃淡電子素子の一方の表面(図2
の上方)は、検出部37及び電極端子41、45近傍を
除いて、アルミナからなる保護層(図示せず)により覆
われている。一方、前記ヒータ29には、図2に示す様
に、抵抗発熱体パターン31に導通するための二本のリ
ード部(内部導通部)47、49が形成され、ヒータ2
9の酸素濃淡電池素子27と対向しない側の板面末端に
形成された電極端子(表面導通部)51,53に、図3
に示すように、それぞれビア55を介して接続されてい
る。
【0033】このように構成された検出素子5は、図1
中に示すように、先端側(図中下方)の検出部37が、
排気管に固定される主体金具3の先端より突出した状態
で、この主体金具3内に固定される。しかも、検出素子
5の電極端子(電極端子41,45,51,53)が形
成された側の端部側の周囲が、セラミックスリーブ11
に覆われた状態で固定される。
【0034】尚、前記検出素子5は、例えばジルコニア
等の材料からなるグリーンシート上に電極等の導電部分
をスクリーン印刷して焼成した素子であり、前記リード
フレーム13が接触する電極端子41,45,51,5
3は、いわゆるメタライズ層である。
【0035】b)次に、本実施例の要部である、リード
フレーム13がセラミックスリーブ11と検出素子5に
挟まれてなる電気的接触構造について、図3及び図4に
基づいて説明する。まず、前記セラミックスリーブ11
は、図4(a)や図4(a)中に記したA方向(即ち、
下端面方向)から、当該セラミックスリーブ11を見た
底面図(拡大した底面図)である図4(b)に示すよう
に、上部中央が上方に突出することにより突出部57が
形成され、中心軸に沿って挿通孔59が形成されてい
る。そして、挿通孔59では、検出素子5の電極端子4
1,45,51,53が形成された側の板面に対応する
側の内壁の隅には、それぞれ溝部61が形成されてい
る。つまり、挿通孔59には、4つの溝部61が形成さ
れ、これにより、挿通孔59は、断面が「エ」字状を呈
している。
【0036】一方、リードフレーム13は、図4(c)
に示すように、外観が略L字状を呈するように形成され
ている。即ち、リードフレーム13は、フレーム本体6
3と、フレーム本体63の一端側が折り曲げられて形成
された折曲部65と、フレーム本体63の折曲部65側
に形成された波状部分67とを備える。また、リードフ
レーム13は、例えば、高温に繰り返し晒されても、弾
性(バネ弾性)を保持可能な周知のインコネル(登録商
標)等のステンレス鋼にて形成されている。
【0037】特に、本実施例では、図3に(検出素子5
を電極端子45、53を含む平面で長手方向に破断し
て)示す様に、検出素子5の酸素濃淡電池27内に形成
された電極リード部39は、複数のビア43にて、酸素
濃淡電池27の表面の電極端子45と電気的に接続され
ている。しかも、これらのビア43は、リードフレーム
13が電極端子45と接触する接点間に位置する様に形
成されている。
【0038】また、同様に、ヒータ29内に形成された
リード部47、49(図では49のみを示す)は、複数
のビア55にて、ヒータ29の表面の電極端子51、5
3(図では53のみを示す)と電気的に接続されてい
る。しかも、これらのビア55は、リードフレーム13
が電極端子51、53と接触する接点間に位置する様に
形成されている。
【0039】そして、上述した構成においては、図4
(d)に示すように、セラミックスリーブ11の挿通孔
59の溝部61に、リードフレーム13を配置した上
で、この挿通孔59に検出素子5が挿通される。その
際、検出素子5の電極端子41,45,51,53に、
リードフレーム13の波状部分67が当接すると共に、
折曲部65がセラミックスリーブ11の下端面に当接す
るように当該リードフレーム13を配置し、しかも、フ
レーム本体63の折曲部65とは反対側の端部(図中上
方)をセラミックスリーブ11から突出させた状態で当
該リードフレーム13を配置する。
【0040】ここで、セラミックスリーブ11に検出素
子3を挿通する際には、リードフレーム13の波状部分
67が検出素子3からの圧力を受けて、図4(b)の矢
印方向に弾性変形する。この結果、セラミックスリーブ
11の溝部61と、検出素子3の電極端子41,45,
51,53との間の隙間が無くなるように密着して、検
出素子5がセラミックスリーブ11にしっかりと固定さ
れる。
【0041】c)次に、酸素センサ1を組み立てる手順
の一例について、図5を用いて説明する。まず、図5
(a)に示すように、セラミックスリーブ11の挿通孔
59に、検出素子3と、セラミックスリーブ11の挿通
孔59の溝部61の内壁とで、リードフレーム13を挟
み込むようにして、検出素子5及びリードフレーム13
を挿通する。このとき、検出素子5の電極端子が形成さ
れた側の端部の位置が、セラミックスリーブ11の突出
部57上端部(図中上方)の位置とほぼ同じとなるよう
に検出素子5を配置し、リードフレーム13の折曲部6
5の上面がセラミックスリーブ11の下端面に当接する
ように配置する。
【0042】尚、この状態では、検出素子5は、リード
フレーム13及びリードフレーム13の波状部分67の
弾性変形を受けて、セラミックスリーブ11の挿通孔5
9にしっかりと固定された状態となる。次に、図5
(b)に示すように、主体金具3の筒内下方からセラミ
ックホルダ7とタルク粉末9とを順に配置し、この状態
のタルク粉末9の上に、検出素子5が固定された状態の
セラミックスリーブ11を、検出素子5の検出部37側
が主体金具3の開口下端から突出した状態となるように
配置する。
【0043】そして、セラミックスリーブ11の突出部
57の周囲の端面状に加締リング71を配置し、図4
(c)に示すように、主体金具3の後端部を加締リング
71を介してセラミックスリーブ11側に加締める。こ
れにより、タルク粉末9が加圧充填され、この結果、検
出素子5、セラミックホルダ7、セラミックスリーブ1
1と主体金具3とがしっかりと固定される。
【0044】その後、図4(d)に示すように、主体金
具3の先端外周にプロテクタ15を溶接等により固定す
る。そして、図4(e)に示すように、各リードフレー
ム13の端部(図中上方)にリード線19を抵抗溶接し
て固定し、このリード線19を、セラミックセパレータ
23及びグロメット25のリード線挿通孔21にそれぞ
れ挿通して、引き出しておく。
【0045】次いで、リード線19、セラミックセパレ
ータ23、グロメット25等を内側に収容するようにし
て、外筒17をこの状態の主体金具3の上方から被せ
て、主体金具3の後端側外周に、外筒17の先端(図中
下方)を溶接する等して外筒17を固定する。
【0046】そして、図4(f)に示すように、外筒1
7の後端側を、外周に沿って加締めてグロメット25を
固定する。以上の手順により、酸素センサ1を組み立て
ることができる。 d)次に、本実施例の酸素センサ1の使用位置につい
て、図6に基づいて説明する。
【0047】図6に示す様に、例えば自動車の内燃機関
(エンジン)81には、燃焼したガス(排気)を外部に
排出するために排気管83が接続されており、排気管8
3の途中には、排気を浄化するために三元触媒85が取
り付けられている。本実施例の酸素センサ1は、三元触
媒85の下流側に取り付けられる下流ガスセンサ(モニ
タガスセンサ)として使用されるものであり、三元触媒
から排出される排気中の酸素濃度を検出し、その信号を
電子制御装置(ECU)87に出力する。
【0048】従って、この酸素センサ1により検出され
た値が適切な範囲である場合には、三元触媒にて好適に
排気の浄化が行われていることが分かる。尚、本実施例
の酸素センサ1と同様な構成の酸素センサ2を、三元触
媒85の上流側に取り付けて、いわゆる上流側ガスセン
サ(制御ガスセンサ)として使用することもできる。こ
の場合は、エンジン81から排出された排気中の酸素濃
度を検出し、その信号をECU87にて判断して、燃料
供給量や吸気量等を調節することにより、好適な空燃比
制御などを行うことができる。
【0049】e)この様に本実施例の酸素センサ1で
は、独自の電気的接触構造を備えており、この電気的接
触構造において、リードフレーム13は、電極端子4
5、51、53に接触する接点を複数備えるとともに、
電極端子45、51、53は、検出素子5の内部に設け
られた電極リード部39及びリード部47、49からそ
れぞれ複数のビア43、55を介して導通を得ている。
【0050】従って、リードフレーム13の長手方向の
振動等により、リードフレーム13と電極端子45、5
1、53とが一部の接点でこすれあっても、電極端子4
5、51、53の一部が離するのみである。つまり、電
極端子45、51、53は、複数のビア43、55を介
して電極リード部39やリード部47、49と導通して
いるので、電極端子45、51、53が多少剥離したと
しても、断線が生じ難く、極めて信頼性が高いものであ
る。
【0051】しかも、本実施例では、各ビア43、55
は、リードフレーム13の接点間に対応する位置に設け
てあるので、たとえ、ある接点が接触する部分の電極端
子45、51、53が幅方向に完全に剥離したとして
も、他の接点はビア43、55を介して電極リード部3
9やリード部47、49と導通しているので、この点か
らも、断線が生じ難いという効果がある。
【0052】尚、本発明は前記実施例になんら限定され
るものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲におい
て種々の態様で実施しうることはいうまでもない。 (1)例えば、リードフレームに、波状部分を設けるの
ではなく、鋸歯状の部分を設けてもよい。
【0053】(2)また、前記実施例では、電極端子と
の導通を確保するために、ビアを設けたが、スルーホー
ルにより導通を確保してもよい。 (3)更に、前記ビア等は、電極端子に対して複数設け
ることが断線防止のために好ましいが1箇所でも効果が
ある。また、ビア等を複数設ける場合には、前記接点間
が好ましいが、それ以外の箇所でも効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例の酸素センサを破断して示す説明図で
ある。
【図2】 実施例の酸素センサの検出素子を分解して示
す斜視図である。
【図3】 電極端子の近傍の電気的接触構造を示す断面
図である。
【図4】 (a)はセラミックスリーブを一部破断して
示す説明図、(b)はセラミックスリーブの先端側の底
面を示す説明図、(c)はリードフレームを示す側面
図、(d)セラミックスリーブとリードフレームの概略
構成を示す説明図である。
【図5】 実施例の酸素センサの組み付け手順を示す説
明図である。
【図6】 実施例の酸素センサの使用方法を示す説明図
である。
【図7】 従来技術の説明図である。
【符号の説明】
1…酸素センサ 3…主体金具 5…検出素子 11…セラミックスリーブ 13…端子金具 37、39…電極リード部 41、45、51、53…電極端子 43、55…ビア 47、49…リード部 67…波状部分
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Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 部材の表面にメタライズにより形成され
    た表面導通部に対して、導電部材を接触させて導通を得
    る電気的接触構造において、 前記導電部材は前記表面導通部に弾性的に押圧され接触
    する接点を複数備えるとともに、前記表面導通部は前記
    部材の内部に設けられた内部導通部から導通を得ること
    を特徴とする電気的接触構造。
  2. 【請求項2】 前記表面導通部は前記内部導通部からス
    ルーホール又はビアを介して導通を得ることを特徴とす
    る前記請求項1に記載の電気的接触構造。
  3. 【請求項3】 前記スルーホール又はビアを、前記接点
    間に対応する位置に設けたことを特徴とする請求項2に
    記載の電気的接触構造。
  4. 【請求項4】 前記部材は、周囲の状況に応じて電気的
    特性が変化する板状素子であることを特徴とする請求項
    〜3のいずれかに記載の電気的接触構造。
  5. 【請求項5】 前記板状素子は、主としてセラミックス
    からなることを特徴とする請求項4に記載の電気的接触
    構造。
  6. 【請求項6】 前記導電部材は、耐熱性金属からなる端
    子金具であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか
    に記載の電気的接触構造。
  7. 【請求項7】 前記導電部材は、波状又は鋸歯状の凹凸
    を備えたことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記
    載の電気的接触構造。
  8. 【請求項8】 前記表面導通部は、前記部材から信号を
    取り出すために部材表面に形成されたメタライズ層であ
    ることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の電
    気的接触構造。
  9. 【請求項9】 前記表面導通部は、前記部材中に形成さ
    れたヒータに電圧を印加するために部材表面に形成され
    たメタライズ層であることを特徴とする請求項1〜7の
    いずれかに記載の電気的接触構造。
  10. 【請求項10】 前記請求項1〜9のいずれかに記載の
    電気的接触構造を備えたことを特徴とするセンサ。
  11. 【請求項11】 前記センサが、測定対象のガスの種類
    又はガスの濃度を測定するガスセンサであることを特徴
    とする請求項10に記載のセンサ。
  12. 【請求項12】 前記ガスセンサが、内燃機関の排気を
    浄化する触媒の下流側に配置される下流ガスセンサ、又
    は前記触媒の上流側に配置される上流ガスセンサである
    ことを特徴とする請求項11に記載のセンサ。
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