JP2002286028A - 動圧型軸受ユニット - Google Patents
動圧型軸受ユニットInfo
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Abstract
幅の不均一に起因した軸受剛性の低下を回避する。 【解決手段】 動圧型軸受ユニットの軸部材10のう
ち、軸部15とフランジ部16との角部にヌスミ部17
を設ける。このヌスミ部17をラジアル軸受面51aお
よびスラスト軸受面43bの対向領域を除いて形成し、
ラジアル軸受隙間Craやスラスト軸受隙間Ctbを一
定幅に管理する。
Description
安定性、高耐久性などの優れた特徴を有する動圧型軸受
ユニットに関し、特に各種情報機器におけるスピンドル
モータ、例えば光ディスク(CD−R/RW、DVD−
ROM/RAM)、光磁気ディスク(MO)、磁気ディ
スク(HDD)等に装備されるディスクドライブモー
タ、あるいは複写機、レーザビームプリンタ(LB
P)、バーコードリーダ等に装備されるスキャナモータ
などのスピンドルの支持用として好適なものである。
の一種として、光ディスク装置(DVD−ROM装置
用)のディスクドライブモータを例示するものである。
このモータは、軸部材100を回転自在に支持する軸受
ユニットUと、軸部材100の上端に取り付けられ、駆
動対象である例えば光ディスク3を支持する支持部材4
(ターンテーブル)と、ステータ5およびロータ6を有
するモータ部Mとで構成される。ステータ5に通電する
と、ステータ5との間に生じる励磁力でロータ6が回転
し、ロータ6と一体となった支持部材4および軸部材1
00が回転する。
Uとしては、高回転精度、低コスト、低騒音等に優れた
特徴を備える動圧型軸受の使用が検討され、あるいは実
際に使用されている。図11に示す動圧型軸受ユニット
Uは、円筒状の軸受部材200の内周に複数の傾斜した
動圧溝を有するラジアル軸受面を軸方向の二箇所に離隔
形成したもので、軸部材100の外周面と両ラジアル軸
受面との間に形成された微小な運転隙間(ラジアル軸受
隙間)に流体動圧を発生させて、軸部材100を非接触
で回転自在に支持するものである。軸受部材200は、
有底筒状をなすハウジング300の内周に固定されてい
る(特開平10-42361号公報等参照)。
00先端の球面部をハウジング底部のスラスト支持部4
00に摺接させてスラスト荷重をピボット支持してい
る。これに対し、ラジアルおよびスラストの両方向で厳
しい回転精度(NRRO)を要求され、かつ運転姿勢と
して横向きや逆向き等が想定される用途等では、ラジア
ルおよびスラスト両方向の荷重を動圧型軸受によって非
接触支持する軸受ユニットが存在する。このタイプの軸
受ユニットでは、図13に示すように、軸部材100の
端部に円盤状のフランジ部160を設け、フランジ部1
60の両端面に対向してそれぞれ動圧溝を有するスラス
ト軸受面を配し、スラスト軸受面とフランジ部160の
両端面との間のスラスト軸受隙間に流体動圧を発生させ
て軸部材をスラスト両方向で非接触支持するものが多
い。
種動圧型軸受ユニットでは、ラジアル軸受隙間の幅は一
定でなければならない。なぜなら、回転する軸部材10
0の剛性は、理論的には運転隙間の3乗に反比例するた
め、仮に二箇所のラジアル軸受隙間の幅が異なるような
場合には、隙間が大きい側で軸受剛性が著しく低下し、
双方の軸受剛性のバランスが崩れ、軸部材の振れ回りを
起こして回転精度が悪化するからである。同様の観点か
ら、スラスト軸受隙間の幅も一定にするのが望ましい。
間幅を不均一にするものとして、現状では以下の二つの
要因が考えられている。
面部がラジアル軸受隙間に入り込むことが挙げられる。
すなわち、図11に示すようにスラスト荷重をスラスト
支持部でピボット支持する軸受ユニットでは、軸部材1
00の端部が球面状に形成されているため、図12に示
すように軸端の球面部130が部分的にラジアル軸受面
510の対向領域無いに入り込む場合がある。そのた
め、ラジアル軸受隙間Crの幅が軸端側で大きくなっ
て、隙間幅が不均一化する。
部がラジアル軸受隙間やスラスト軸受隙間に入り込むこ
とが挙げられる。
る軸受ユニットでは、図13に示すように、軸部材10
0の加工時にフランジ部160と円筒状の軸部150と
の間の角部にヌスミ部170が設けられる。ヌスミ部1
70がないと、図14に示すように、旋削時にバイト6
00の先端R形状によって角部が円弧状となり、この円
弧部分が組み立て時に軸受部材200の角部と干渉する
からである。
ようにフランジ部160側にのみヌスミ部170を設け
た場合には、軸部150の研削時に砥石700の先端R
の影響によって角部の軸部150側で半径方向のダレを
生じる。これらの弊害を防止するため、図16に示すよ
うにヌスミ部170は軸部150側およびフランジ部1
60側の双方に設ける必要がある。
ようにヌスミ部170が軸受部材200の面取り部21
0と向き合うが、面取り部210の端縁から直ぐにラジ
アル軸受面510やスラスト軸受面430が始まってい
る場合には、ヌスミ部170が部分的に両軸受面51
0,430に対向し、この結果、ラジアル軸受隙間Cr
やスラスト軸受隙間Ctの隙間幅が不均一になる。
軸受隙間やスラスト軸受隙間の隙間幅の不均一に起因し
た軸受剛性の低下を回避し、軸受ユニットの回転精度を
向上させることを目的とする。
本発明では、軸部材と、軸部材の外周面に面する複数の
動圧溝が形成されたラジアル軸受面と、ラジアル軸受面
と軸部材の外周面との間に形成されたラジアル軸受隙間
とを備え、ラジアル軸受隙間に生じた流体動圧で軸部材
をラジアル方向で支持する動圧型軸受ユニットにおい
て、ラジアル軸受隙間を、少なくともラジアル軸受面の
動圧溝領域で一定に管理した。
な従来品に比べ、当該ラジアル軸受隙間での動圧効果が
高まる。そのため、軸受剛性を向上させることができ、
軸部材の振れ回りを防止して軸部材の回転精度を高める
ことができる。なお、「ラジアル軸受面の動圧溝領域」
とは、ラジアル軸受面に形成した各動圧溝の軸方向両端
で挟まれた領域(図1および図5のS)を意味する。
た軸受部材の内周に形成することができる。
軸受部は、任意の構造を採用することができる。例え
ば、軸部材の端部を接触支持するスラスト支持部を有す
るものとすれば、簡易な構造で低コストにスラスト軸受
部を構成できる。
け、軸端に形成した縮径部をスラスト支持部に摺接させ
ることにより、軸部材がスラスト方向で支持される。こ
の際、縮径部をラジアル軸受面の動圧溝領域の対向領域
外に配置することにより、動圧溝領域をその軸方向全域
で軸部材の円筒部と対向させることができ、ラジアル軸
受隙間を一定幅に管理することが可能となる。
滑らかにつなぐつなぎ部とを設けることができる。球面
部をスラスト支持部に摺接させることにより、軸部材が
スラスト方向でピボット支持される。
部との間の寸法をH、軸受部材端部の面取り寸法をC、こ
の面取り部とラジアル軸受面の動圧溝領域との間の寸法
をL、軸部材の直径をd、軸部材の球面部半径をR、軸部
材のつなぎ部の半径をrとして、 H+C+L>R−[(R−r)2−(d/2−r)2]1/2 の関係を満たすようにすれば、ラジアル軸受面の動圧溝
領域をその軸方向全域で軸部材の円筒部と対向させるこ
とができ、ラジアル軸受隙間が一定幅に管理することが
可能となる。
ることもできる。すなわち、軸部材に軸部とフランジ部
とを設け、フランジ部の端面に面して複数の動圧溝を有
するスラスト軸受面を配置すると共に、スラスト軸受面
とフランジ部の端面との間にスラスト軸受隙間を設け、
スラスト軸受隙間に生じた流体動圧で軸部材をスラスト
方向で支持するのである。
の加工性を考慮して軸部材の軸部とフランジ部との角部
にヌスミ部が形成される。
対向領域外にヌスミ部を形成することにより、ラジアル
軸受隙間を一定幅に管理することができる。この結果、
ヌスミ部がラジアル軸受面の動圧溝領域と対向すること
によるラジアル軸受隙間の不均一化を回避でき、軸受剛
性の向上、軸部材の振れ回り防止が可能となる。
軸受部材端部の面取り寸法をC、この面取り部とラジア
ル軸受面の動圧溝領域との間の寸法をL1として、A<
C+L1の関係を満たすことにより、ラジアル軸受面の
動圧溝領域の対向領域外にヌスミ部を形成することが可
能となる。
ラスト軸受隙間を、少なくともスラスト軸受面の動圧溝
領域で一定に管理してもよい。これにより、スラスト軸
受部の軸受剛性を高めて軸部材の回転精度を高めること
ができる。なお、「スラスト軸受面の動圧溝領域」と
は、スラスト軸受面に形成した各動圧溝の半径方向両端
で挟まれた領域(図6(A)(B)のT)を意味する。
受面の動圧溝領域の対向領域外に上記ヌスミ部を形成す
ることによって行うことができる。
B、軸受部材端部の面取り寸法をC、この面取り部とス
ラスト軸受面の動圧溝領域との間の寸法をL2として、
B<C+L2の関係を満たすことにより、動圧溝領域の
対向領域外にヌスミ部を形成することが可能となる。
金属で形成すれば、圧縮成形等によりラジアル軸受面の
動圧溝加工を低コストに精度よく行うことができる。
情報機器用のスピンドルモータであれば、軸部材(スピ
ンドル)の触れ回りを小さくできるので、情報の記録・
再生精度を高めることができ、さらなる高速化が可能と
なる。
図10に基づいて説明する。
トの断面図である。図示のように、この軸受ユニット
は、軸部材10と、軸部材10を支持する軸受部材20
と、軸受部材20を内周に固定したハウジング30と、
軸部材10をラジアル方向で支持するラジアル軸受部5
0a,50bと、軸部材10をスラスト方向で支持する
スラスト軸受部40(40a,40b)とを主要な構成
要素とする。
に、他端を閉じた有底円筒型をなし、一端側の開口部を
上にしてベース7(図11参照)に固定される[以下の
説明では、ハウジングの開口側(図面上方)を「開口
側」と称し、その軸方向反対側(図面下方)を反開口側
と称する]。ハウジング30の他端側は底部31によっ
て封口されている。この底部31は、図示のように別部
材で形成してハウジング30の筒状部分32の開口部に
嵌合固定する他、筒状部分32と一体成形することもで
きる(図5参照)。
円筒部11と、反開口側を徐々に縮径させた縮径部12
とを具備する。図2に拡大して示すように、縮径部12
は、軸端に形成された球面部13と、断面円弧型に形成
されたつなぎ部14とで構成される。つなぎ部14は、
球面部13と円筒部11の間にあって両者を滑らかにつ
ないでいる。
材10をスラスト方向で支持するスラスト軸受部40が
設けられる。図示例のスラスト軸受部40は、軸部材1
0の軸端をハウジング30に設けたスラスト支持部41
で接触支持するもので、例えば軸部材10の軸端に設け
られた球面部13をハウジング底部31に装着したスラ
ストワッシャ33の端面でピボット支持することにより
構成される。
は潤滑グリースを含浸させて細孔内に油を保有させた含
油焼結金属で円筒状に形成され、圧入あるいは接着によ
ってハウジング30の内周に固定されている。焼結金属
としては、例えば銅系あるいは鉄系、またはその双方を
主成分とするものが使用でき、望ましくは銅を20〜9
5%使用して成形される。
50a,50bを構成する二つのラジアル軸受面51
a,51bが形成される。各軸受面51a,51bに
は、軸方向に対して傾斜した複数の動圧溝52が例えば
ヘリングボーン型に配列形成される。動圧溝52は、軸
方向に対して傾斜して形成されていれば足り、この条件
を満たす限りへリングボーン型以外の他の形状、例えば
スパイラル型に動圧溝を配列することもできる。動圧溝
52の溝深さは、2〜10μm程度が適当で、例えば3
μmの深さに形成される。軸受部材20の外周には、一
または複数(図1では二つ)の溝23が軸方向に沿って
形成されており、この溝23は軸受部材20に軸部材1
0を挿入する際に、軸受部材20とハウジング底部31
の間にある空気を軸受ユニット外に排出させ、軸部材1
0をスムーズに挿入可能とするための通気路として機能
する。
ール部材61でシールされる。このシール部材61は、
例えば樹脂材料(ポリアミド等)や金属材料(焼結金属
も含む)で形成され、接着や圧入等の手段でハウジング
30の一端開口部に固定される。シール部材61は、そ
の内周面と軸部材10の外周面との間に微小なシール隙
間を介在させた非接触シールで、シール隙間での毛細管
現象によりハウジング30内部からの油漏れを防止す
る。
10の外周面との間にはそれぞれ微小なラジアル軸受隙
間Cra,Crbが形成される。軸部材10が回転する
と、回転に伴う圧力の発生と昇温による油の熱膨張とに
よって軸受部材20の内部の油(潤滑油、又は潤滑グリ
ースの基油)が軸受部材20の表面から滲み出し、動圧
溝52の作用によって軸受隙間Cra,Crbに引き込
まれる。ラジアル軸受隙間Cra,Crbに引き込まれ
た油は、軸受面51a,51bで潤滑油膜を形成して軸
部材10を非接触支持する。ラジアル軸受面51a,5
1bに正圧が発生すると、軸受面51a,51bの表面
に孔(開孔部:多孔質体組織の細孔が外表面に開口した
部分をいう)があるために、油は軸受部材20の内部に
還流するが、次々と新たな油が軸受面51a,51bに
押し込まれ続けるので油膜力および剛性は高い状態で維
持される。この場合、連続して安定した油膜が形成され
るので、高回転精度が得られ、軸振れやNRRO、スキ
ャナモータのジッタ等が低減される。また、軸部材10
と軸受部材20が非接触で回転するために低騒音であ
り、しかも低コストである。
軸端の縮径部12とを備えるものであるが、本発明で
は、縮径部12の形状、本実施形態でいえば球面部13
およびつなぎ部14の形状が、ラジアル軸受面51aの
動圧溝領域(各動圧溝52の軸方向両端で挟まれた領域
S)のスラスト支持部41からの軸方向距離に応じて定
められる。
20の反開口側の端面21とスラスト支持部41との間
の寸法をH、軸受部材20の反開口側端部内周の面取り
寸法(軸方向長さ)をC、この面取り部22と反開口側
ラジアル軸受面51aの動圧溝領域Sとの間の寸法を
L、軸部材10の円筒部11の直径をd、軸部材10の
球面部13の半径をR、軸部材10のつなぎ部14の曲
率半径をrとして、 H+C+L>R−[(R−r)2−(d/2−r)2]1/2 … の関係を満たすように設計される。ここで式の左辺は
スラスト支持部41に対する反開口側ラジアル軸受面5
1aの軸方向位置を、右辺は軸部材10の縮径部12の
形状をそれぞれ定めるものである。
よびつなぎ部14からなる縮径部12が反開口側ラジア
ル軸受面51aの動圧溝領域Sの対向領域外に位置し、
当該動圧溝領域はその軸方向全域が軸部材10の円筒部
11と対向する。そのため、反開口側のラジアル軸受隙
間Craが一定幅となり、反開口側と開口側のラジアル
軸受部50a,50bで軸受剛性をバランスさせて、軸
部材10の振れ回りを防止することが可能となる。
軸受面51aとの間に隙間(長さL)を介在させている
が、二つのラジアル軸受面51a,51bのスパンは、
軸部材10の振れ回りを抑えるべく可能な限り大きくと
ることが望ましいため、一般には上記隙間を省略してL
=0とする場合が多い(図3参照)。
ラジアル軸受面51aの動圧溝領域の対向領域外に縮径
部12を配置した軸受ユニットAと、当該動圧溝領域の
対向領域中に縮径部12を配置した軸受ユニットB(図
12参照)とについて、それぞれ起動停止耐久試験を行
った結果を示すものである。同図より軸受ユニットAの
場合、30万サイクルまで軸振れ量にほとんど変動は見
られないが、軸受ユニットBの場合は初期から軸振れが
大きく、5万サイクルで急激に軸振れが増大して10万
サイクルには到達できないことが理解される。これより
本発明が軸振れの防止に有効であることが確認された。
動圧型軸受で構成した軸受ユニットの一実施形態を示す
ものである。この軸受ユニットの軸部材10は、円筒状
の軸部15と軸部15の反開口側端部で半径方向に突出
するフランジ部16とを備えるもので、フランジ部16
の軸方向両側にそれぞれスラスト軸受部40a,40b
が構成される。軸部材10は、軸部15に別部材のフラ
ンジ部16を圧入することにより、あるいは軸部15と
フランジ部16を鍛造等で一体成形することによって製
作することができる。
グ30の底部31と軸受部材20の反開口側の端面21
との間に配置される。フランジ部16に対向するハウジ
ング底部31の端面35および軸受部材20の端面21
には、それぞれ複数の動圧溝を有するスラスト軸受面4
3a,43bが形成される。図6(A)(B)に示すよ
うに、両スラスト軸受面43a,43bの動圧溝44
は、端面35,21に描いた放射状の仮想線に対して傾
斜した部分を持っており、図示例ではヘリングボーン
型、すなわち半径方向のほぼ中心部に屈曲部分を有する
ほぼV字状の動圧溝44を例示している。
3a,43bと、これらに対向するフランジ部16の両
端面との間に、軸部材10の回転で流体動圧を生じる微
小なスラスト軸受隙間Cta,Ctbがそれぞれ形成さ
れる。
の間の角部には、図7に示すように、その全周にわたっ
てヌスミ部17が形成される。このヌスミ部17は、軸
部15の外周面およびフランジ部16の開口側端面に跨
るようにし、例えば切削加工や鍛造加工によって形成さ
れる。
面よりも開口側で軸部15外周に形成された軸方向部1
8は、反開口側ラジアル軸受面51aの動圧溝領域との
対向領域を除いてこれよりも反開口側に形成され、軸部
15外周よりも外径側でフランジ部16の端面に形成さ
れた半径方向部19は、軸受部材20の端面21に形成
されたスラスト軸受面43bの動圧溝領域との対向領域
を除いてこれよりも内径側に形成される。ここで「スラ
スト軸受面の動圧溝領域」とは、スラスト軸受面の各動
圧溝の半径方向の両端で挟まれた領域Tをいう(図6
(A)(B)参照)。
aおよび開口側のスラスト軸受面43bの各動圧溝領域
S,Tがヌスミ部17と対向することはなく、これによ
り反開口側ラジアル軸受隙間Craおよび開口側スラス
ト軸受隙間Ctbの幅がその全領域(少なくとも動圧溝
領域)で均一化される。そのため、二つのラジアル軸受
部50a,50bでの軸受剛性をバランスさせて軸部材
10の振れ回りを低減させることができ、かつ開口側ス
ラスト軸受部40bの剛性向上を図ることができる。以
上から、軸部材10の回転精度の向上を達成することが
できる。
17の軸方向寸法(軸方向部18の軸方向寸法)をA、
ヌスミ部17の半径方向寸法(半径方向部19の半径方
向寸法)をB、軸受部材20の端部内周の面取り寸法
(半径方向および軸方向の寸法)をC、この面取り部2
2とラジアル軸受面51aの動圧溝領域との間の距離を
L1、面取り部22とスラスト軸受面43bの動圧溝領
域との間の距離をL2として、 A<C+L1 かつ B<C+L2 の関係を満たすように設計しなければならない。
面51a、および開口側のスラスト軸受面43b(各動
圧溝領域)を軸受部材20の面取り部22からそれぞれ
距離L1、L2だけ離隔させているが、一般にラジアル
軸受面51a,51bのスパンは触れ回りを抑えるため
に可能な限り大きくすることが望ましく、また、スラス
ト軸受面43bも半径方向の幅を大きくした方が剛性確
保の点で有利であるため、この距離はL1、L2は0と
する場合が多い(図7参照)。
本発明構造を採用した軸受ユニットAと、図17に示す
ようにヌスミ部17がラジアル軸受面510やスラスト
軸受面430と部分的に対向するように設計した軸受ユ
ニットBについて、軸部材10の浮上開始回転速度およ
び軸振れを測定した結果である。図9より軸受ユニット
Aの場合、正置、横置、倒立等のモータ姿勢を問わず2
00rpm前後で完全に非接触状態で回転する一方、軸
受ユニットBについては、何れの方向においても800
rpmを超えるまで浮上しないことが明らかとなった。
また、図10より軸振れも明らかに軸受ユニットBの方
が劣ることが明らかとなった。
ラスト軸受隙間の幅が不均一な従来品に比べ、これら軸
受隙間での動圧効果が高まる。そのため、軸受剛性を向
上させることができ、軸部材の振れ回りを防止して軸部
材の回転精度を高めることができる。
ある。
図である。
ある。
軸受ユニットの断面図である。
大断面図である。
る。
モータの断面図である。
である。
る。
る。
る。
る。
である。
Claims (15)
- 【請求項1】 軸部材と、軸部材の外周面に面する複数
の動圧溝が形成されたラジアル軸受面と、ラジアル軸受
面と軸部材の外周面との間に形成されたラジアル軸受隙
間とを備え、ラジアル軸受隙間に生じた流体動圧で軸部
材をラジアル方向で支持する動圧型軸受ユニットにおい
て、 ラジアル軸受隙間が、少なくともラジアル軸受面の動圧
溝領域で一定に管理されていることを特徴とする動圧型
軸受ユニット。 - 【請求項2】 ラジアル軸受面を、軸部材の外周に配置
した軸受部材の内周に形成した請求項1記載の動圧型軸
受ユニット。 - 【請求項3】 軸部材の端部を接触支持するスラスト支
持部を有する請求項2記載の動圧型軸受ユニット。 - 【請求項4】 軸部材が円筒部と軸端に形成された縮径
部とを備え、縮径部をラジアル軸受面の動圧溝領域の対
向領域外に配置した請求項3記載の動圧型軸受ユニッ
ト。 - 【請求項5】 縮径部が、球面部と、球面部と円筒部を
滑らかにつなぐつなぎ部とを具備する請求項4記載の動
圧型軸受ユニット。 - 【請求項6】 軸受部材の端面とスラスト支持部との間
の寸法をH、軸受部材端部の面取り寸法をC、この面取り
部とラジアル軸受面の動圧溝領域との間の寸法をL、軸
部材の直径をd、軸部材の球面部半径をR、軸部材のつ
なぎ部の半径をrとして、 H+C+L>R−[(R−r)2−(d/2−r)2]1/2 の関係を満たす請求項5記載の動圧型軸受ユニット。 - 【請求項7】 軸部材が軸部とフランジ部とを備え、フ
ランジ部の端面に面して複数の動圧溝を有するスラスト
軸受面を配置すると共に、スラスト軸受面とフランジ部
の端面との間にスラスト軸受隙間を設け、スラスト軸受
隙間に生じた流体動圧で軸部材をスラスト方向で支持す
る請求項1または2記載の動圧型軸受ユニット。 - 【請求項8】 軸部材の軸部とフランジ部との角部にヌ
スミ部を形成した請求項7記載の動圧型軸受ユニット。 - 【請求項9】 ラジアル軸受面の動圧溝領域の対向領域
外にヌスミ部を形成した請求項8記載の動圧型軸受ユニ
ット。 - 【請求項10】 ヌスミ部の軸方向寸法をA、軸受部材
端部の面取り寸法をC、この面取り部とラジアル軸受面
の動圧溝領域との間の寸法をL1として、 A<C+L1 の関係を満たすようにした請求項9記載の動圧型軸受ユ
ニット。 - 【請求項11】 スラスト軸受隙間が、少なくともスラ
スト軸受面の動圧溝領域で一定に管理されている請求項
8〜10何れか記載の動圧型軸受ユニット。 - 【請求項12】 スラスト軸受面の動圧溝領域の対向領
域外に上記ヌスミ部を形成した請求項11記載の動圧型
軸受ユニット。 - 【請求項13】 ヌスミ部の半径方向寸法をB、軸受部
材端部の面取り寸法をC、この面取り部とスラスト軸受
面の動圧溝領域との間の寸法をL2として、 B<C+L2 の関係を満たすようにした請求項12記載の動圧型軸受
ユニット。 - 【請求項14】 軸受部材を含油焼結金属で形成した請
求項1〜13何れか記載の動圧型軸受ユニット。 - 【請求項15】 請求項1〜14の何れかに記載した動
圧型軸受ユニットを有する情報機器用のスピンドルモー
タ。
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