JP2002285733A - すべり支承用カバー - Google Patents

すべり支承用カバー

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JP2002285733A JP2001087638A JP2001087638A JP2002285733A JP 2002285733 A JP2002285733 A JP 2002285733A JP 2001087638 A JP2001087638 A JP 2001087638A JP 2001087638 A JP2001087638 A JP 2001087638A JP 2002285733 A JP2002285733 A JP 2002285733A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】すべり面に侵入した水を迅速に蒸発させて外部
へ排出することにより、カバー内部の水溜まりを防止す
るとともに、すべり支承体とすべり面との間の摩擦係数
を一定に維持し、加えて、すべり支承体とすべり面との
相対移動を利用してカバー材によってすべり面上の水や
汚れ等の拭き取りを可能とする。 【構成】すべり面22を覆った状態で、外面を形成する
防水シート41と内面を形成する不織布の保水層42と
を接着剤等で接合し、保水層42の外周端面43に親水
性塗料45を塗布し、保水層42で吸水したすべり面上
の水を親水性塗料45に浸透させ、親水性塗料45に浸
透した水を外部へ自然蒸発させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建物の下部にすべ
り支承体を設け、基礎上に設けられたすべり面により前
記すべり支承体を介して前記建物をすべり可能に支持す
るすべり支承装置において、前記すべり面を覆うために
使用されるすべり支承用カバーに関する。
【0002】
【従来の技術】建築物においては、地震や振動による変
位を吸収することにより建物に伝達される振動を軽減す
る免震支持装置の一つとして、すべり支承装置を用いる
ことが行なわれている。このすべり支承装置は、建物の
下部にすべり支承体を設け、基礎上に設けられたすべり
面により前記すべり支承体を介して前記建物をすべり可
能に支持するように構成されている。また、このすべり
支承装置は、例えば積層ゴム支承装置など、水平方向に
弾性変位可能な免震支持装置とともに使用されることが
ある。このような建築用のすべり支承装置においては、
摩擦係数を一定に保つために、すべり面に水や埃が付着
することを極力防ぐ必要があり、そのために、防水防塵
用のカバー(すべり支承用カバー)を装着することが行
なわれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
すべり支承用カバーにあっては、カバー材の内面(裏
面)に吸水性や保水性がないため、カバーの接合部(切
れ目)、カバーのすべり支承体との嵌合部(開口部)、
あるいはカバーの周縁部などの隙間から侵入した水がす
べり面上に溜まった場合、カバー内面とすべり面との間
の空気層による通気性のみでは溜まった水分を十分に蒸
発させることができず、すべり支承体とすべり面との間
の摩擦係数を一定に保つことができなくなるという解決
すべき技術的課題があった。
【0004】本発明はこのような従来の技術的課題に鑑
みてなされたものであり、本発明の目的は、すべり支承
体をすべり自在に支持するすべり面に水が侵入した場合
に、侵入した水を迅速に外周端面などへ移動させるとと
もに該外周端面などから蒸発させることにより、すべり
支承体とすべり面との間の摩擦係数を常に一定に保つこ
とができ、また、地震発生などによるすべり支承体とす
べり面との相対移動を利用してカバー材によって該すべ
り面上の水や汚れ等を効果的に拭き取ることができるす
べり支承用カバーを提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明(請求項1)は、
上記目的を達成するため、建物の下部にすべり支承体を
設け、基礎上に設けられたすべり面により前記すべり支
承体を介して前記建物をすべり可能に支持するすべり支
承装置において、前記すべり面への水やほこりの侵入を
防ぐために該すべり面を覆うために使用されるすべり支
承用カバーであって、前記すべり面を覆った状態での外
側面を形成する防水シートと前記すべり面を覆った状態
での内側面を形成する不織布から成る保水層とを接着剤
等で接合して一体化するとともに、該保水層の外周端面
に親水性塗料の塗布層を形成し、前記すべり面上の水を
前記保水層で吸水するとともに、この吸水した水を前記
親水性塗料に浸透させ、該親水性塗料に浸透した水を外
部へ自然蒸発させることにより、すべり面上に侵入する
水を前記保水層及び前記親水性塗料の層を通して外部へ
排出することを特徴とする。
【0006】他の本発明(請求項7)は、上記目的を達
成するため、建物の下部にすべり支承体を設け、基礎上
に設けられたすべり面により前記すべり支承体を介して
前記建物をすべり可能に支持するすべり支承装置におい
て、前記すべり面への水やほこりの侵入を防ぐために該
すべり面を覆うために使用されるすべり支承用カバーで
あって、該カバーは不織布から成る保水層で形成され、
該保水層の外側面及び外周端面の全域に親水性塗料の塗
布層が形成され、前記すべり面上の水を前記保水層で吸
水するとともに、この吸水した水を前記親水性塗料に浸
透させ、該親水性塗料に浸透した水を外部へ自然蒸発さ
せることにより、すべり面上に侵入する水を前記保水層
及び前記親水性塗料の層を通して外部へ排出することを
特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】以下図面を参照して本発明の実施
の形態を説明する。図1は本発明を適用したすべり支承
用カバーを有するすべり支承装置を使用した建物を模式
的に示す立面図であり、図2は図1中のすべり支承装置
を示す縦断面図である。図1において、建物10は床下
に設置された複数のすべり支承装置20及び複数の積層
ゴム支承装置30によって免震支持されている。図示の
例では、床下は建物10の床面11と地中に構築された
基礎12の上面との間に形成されており、各すべり支承
装置20は建物の柱13の下端部と前記基礎12との間
に構成されている。なお、符号14は地面を例示する。
【0008】前記積層ゴム支承装置30は円柱状の積層
ゴム部31の上下端面にフランジ部材32、33を一体
的に固着接合して構成されており、前記積層ゴム部31
はゴム層と金属や硬質プラスチック板などの補強板とを
交互に一体的に積層した構造を有する。図示の例では、
前記積層ゴム支承装置30は、上下のフランジ部材3
2、33を建物10の柱13及び基礎12に対してボル
ト・ナット等で締結することにより、建物10を免震支
持する状態で取り付けられている。このような積層ゴム
支承装置30は、縦方向には高いばね定数を有し、横方
向(水平方向)には低いばね定数を有しており、通常、
その縦横ばね定数比は800以上という大きな値とな
る。このような積層ゴム支承装置は、例えば、特開昭6
0−261845号公報、特開昭61−14340号公
報、特開昭64−48950号公報などに開示されてい
る。
【0009】図1及び図2において、各すべり支承装置
20は、建物10の柱13の下端部に設けられたすべり
支承体21を基礎12上に設けられたすべり面22上に
水平方向にすべり(摺動)可能に支持する構成を有して
いる。図示の例では、基礎12の上面に平板状のすべり
板23を固定し、該すべり板23の平滑な上面を低摩擦
面に仕上げることにより前記すべり面22が形成されて
いる。このすべり面22を形成する前記すべり板23の
材質としては、鋼又はステンレス等の金属や焼結合金や
PTFE樹脂などが使用され、平滑性に優れ、かつ耐磨
耗性もある低摩擦係数の材料が好ましい。また、前記す
べり板23としては、普通鋼等の平板状のバックプレー
トの上面にステンレス等のスライドプレートを接合し、
該スライドプレートの表面を前記すべり面22として使
用するように構成してもよい。
【0010】一方、前記すべり支承体21側のすべり面
(端面)としても、前記すべり板23と同様の材質であ
ってすべり面22との組合せにより適度な摩擦係数を得
られるものが使用される。さらに、このすべり支承体2
1としては、前記積層ゴム支承装置30の積層ゴム部3
1と同様の構成の弾性支承体を使用し、その下端面にテ
フロン(登録商標)板等から成るスライド部材を接合し
た構成の弾性すべり支承体を使用してもよい。
【0011】前記すべり支承装置20においては、すべ
り特性(免震特性)を一定に保つためには、すべり面2
2に水分やほこりが付着して摩擦係数が変化することを
極力防止することが要請され、その目的のため、図2に
示すように、すべり面22を覆うためのすべり支承用カ
バー24が装着されている。図3は本発明を適用したす
べり支承用カバーを有するすべり支承装置20の一実施
例の組み付け状態を一部破断して示す模式的斜視図であ
り、図4は図3中のすべり支承用カバー24の組み付け
前の状態を示す模式的分解斜視図であり、図5は図4中
の線5−5に沿って断面することによりすべり支承用カ
バー24の構造を示す模式的縦断面図である。
【0012】図2〜図4において、前記すべり支承用カ
バー24は、前記すべり面22上への水やほこりの侵入
を防ぐために、該すべり面22の全面を覆うようなカバ
ー部材で形成されている。図示のすべり支承装置では、
建物10側のすべり支承体21は円形断面の円筒状部材
で形成されているが、基礎12側のすべり面22を形成
する前記すべり板23としては八角形状の平板部材が使
用されており、該すべり板23を覆うすべり支承用カバ
ー24としては、前記すべり面22と略同じ面積もしく
はそれ以上の面積(十分に広い面積を含む)を有する八
角形状のカバー部材(略相似形のカバー部材)が使用さ
れている。
【0013】また、前記すべり支承用カバー24は、図
3及び図4に示すように中央部を通る切れ目27により
2分割され、現場で組み付けた後で切れ目を密着させた
状態で布テープ(クロステープ)28で結合することで
一体化するように構成され、施工時の組付け作業性の向
上が図られている。なお、図示のすべり支承用カバー2
4では、前記切れ目27に沿う部位に接合部補強用の塩
ビシート29がブチル系接着剤の接着等で固着されてい
る。さらに、前記すべり支承用カバー24の略中央部に
は、組み立てた状態(図2、図3)で建物10側の前記
すべり支承体21の外径面(周面)と防水防塵性を確保
できるような状態で密着嵌合する開口25が形成されて
いる。
【0014】図2〜図4の実施例では、前記すべり支承
用カバー24は平板状をしており、建物10側のすべり
支承体21と嵌合させて前記すべり面22上に載置した
状態で使用される。つまり、すべり支承用カバー24の
裏面(内面、下面)はすべり面22上に載せられ周縁部
では該すべり面22と面一となるかもしくは該すべり面
からはみ出して基礎12の上面に当接している。図2〜
図5において、前記すべり面22への水やほこりの侵入
を防ぐために該すべり面を覆うために使用されるすべり
支承用カバー24は、前記すべり面22を覆った状態
(図2及び図3の状態)での外側面(図示の例では上側
面)を形成する防水シート41と、前記すべり面22を
覆った状態での内面(裏面、図示の例では下面)を形成
する不織布から成る保水層42と一体に接合した構成を
有している。この防水シート41と保水層42との接合
は、例えば熱融着用の接着剤で一体化することにより行
われる。そこで、本実施例に係るすべり支承用カバー2
4においては、該カバーの上側面及び周縁端面(外周端
面)の全域に親水性塗料の塗布層が形成されている。
【0015】前記親水性塗料としては、分子の中の基
(原子団)として、水分子との間に結合を作りやすい水
酸基OH、カルボキシル基COOH、アミノ基NH2
ケトン基CO、スルホ基SO3 Hなどの親水性基を含む
塗料が使用される。また、前記防水シート41として
は、防水性に優れるとともに、例えば防塵性にも優れた
難燃性の防炎シートを使用することが望ましい。この種
の防水シートの具体例としては、例えばカンボウプラス
株式会社により製造販売されているカラーターポリンの
品番APC400F(厚さ0.35mm)を挙げること
ができる。
【0016】前記保水層42としては、不織布から成る
吸水性及び保水性に優れた層が使用される。この種の保
水層の具体例としては、例えば株式会社ブリヂストンに
より製造販売されているフィブライト(同社の登録商
標)を挙げることができる。このフィブライトは、吸音
材としても使用されるものであり、ポリエステル短繊維
を特殊繊維バインダー(ポリエステル)により繊維間を
結合したポリエステル繊維100%の繊維成形体もしく
は不織布であり、吸音性、吸水性、保水性に優れている
他、断熱性及び通気性にも優れた難燃性のスポンジ状
(綿状)材料であり、構造的には不織布でもある。さら
に、上記フィブライトは、撥水処理が容易で、高耐久性
を有し、環境性にも優れた材料である。
【0017】そして、前記すべり支承用カバー24で
は、通常、厚みが約0.2mm〜約1.5mm程度の防
水シート41の裏面に、厚みが約25mm〜約100m
m程度の保水層42を熱融着用の接着剤で固着した構造
が採用され、その上面及び外周端面に厚みが約0.3m
m〜約5.0mm程度の親水性塗料の塗膜(塗料層)4
5が形成される。その場合、通気性を有する保水層42
は比較的厚さが大きい(例えば50mm程度)層で形成
されるので、その外周端面43は比較的広い面にするこ
とができ、この外周端面43は前記親水性塗料45を介
して外部へ開放されている。そこで、保水層42内に吸
水され保水された水は、この外周端面43を通して親水
性塗料45内へ浸透し、そして、この親水性塗料45に
浸透した水は該親水性塗料45の外表面から外部(外
気)へ自然蒸発していく。こうして、すべり面22上に
侵入する水は前記保水層42及び前記親水性塗料(親水
性塗装)45を通して外部へ順次排出されていく。つま
り、すべり支承用カバー24の外周端面(外縁端面)
は、吸水した水を自然蒸発によって外部へ放散(排出)
する通気面として機能する。従って、すべり支承用カバ
ー24の隙間等から侵入してすべり面22上に溜まる水
は、通気性を有する前記保水層42に吸水され保水され
た後、前記外周端面及び前記親水性塗料45を通して自
然蒸発により逐次外部へ排出されることになる。
【0018】以上説明したすべり支承用カバー24の構
成により、すべり面22を覆った状態での外側面を形成
する防水シート41とすべり面22を覆った状態での内
側面を形成する不織布から成る保水層42とを接着剤等
で接合して一体化するとともに、該保水層の外周端面4
3に親水性塗料の塗布層45を形成し、すべり面22上
の水を保水層42で吸水するとともに、この吸水した水
を親水性塗料45に浸透させ、該親水性塗料45に浸透
した水を外部へ自然蒸発させることにより、すべり面2
2上に侵入する水を保水層42及び親水性塗料の層45
を通して外部へ排出するようにしたすべり支承用カバー
が得られる。
【0019】そして、以上説明したすべり支承用カバー
24によれば、すべり面22上の水を保水層42で吸水
するとともに、この吸水した水を親水性塗料45に浸透
させ、親水性塗料45に浸透した水を外部へ自然蒸発さ
せることで、すべり面22上に侵入する水を外部へ排出
するようにしたので、すべり支承体21をすべり自在に
支持するすべり面22に水が侵入した場合に、侵入した
水をカバーの外周端面部へ移動させるとともに該外周端
面部から迅速に蒸発させて外部へ排出することができ、
それによって、不織布から成る保水層42が多量の水を
含んでビチャビチャ(又はグシャグシャ)になることを
防止することができ、吸水能低下を防止するとともに、
すべり支承体21とすべり面22との間の摩擦係数を常
に一定に保つことができる。
【0020】また、地震発生時に建物10が移動する
と、すべり支承体21とともにすべり支承用カバー24
も移動するので、該すべり支承用カバー24の吸水性を
有する裏面(保水層)42によってすべり面22上の水
や汚れ等を拭き取ることができるという効果(いわゆる
雑巾掛けの効果)も得られる。さらに、前記すべり支承
用カバー(シート)24は、すべり支承体21と嵌合す
る前記開口25から周縁に至る切れ目27によって分割
構造にされているので、すべり支承体21がすべり面2
2に当接したそのままの状態ですべり支承用カバー24
を簡単かつ容易に取り付け取外しすることができ、保守
点検時の作業性及び取扱い性を向上させることができ
る。つまり、図1及び図2の状態でも、すべり支承用カ
バー24をすべり支承装置に簡単に取り付けたり取り外
したりすることができる。
【0021】図6は本発明を適用したすべり支承用カバ
ーの第2実施例の構造を示す図5と同じところの模式的
縦断面図である。前述の第1実施例では、図5に示すよ
うに、防水カバー41の裏面に保水層42を接合した構
造のすべり支承用カバー24の上側表面及び外周端面に
親水性塗料45を塗装したが、防水カバー41を有する
すべり支承用カバーの場合には、図6に第2実施例とし
て示すように、該すべり支承用カバー24の外周端面も
しくは前記保水層42の外周端面の領域に親水性塗料4
5を塗装層を設けるだけでもよく、それによっても前述
の実施例の場合と実質的に同じ作用効果を奏することが
できる。
【0022】図7は本発明を適用したすべり支承用カバ
ーの第3実施例の構造を示す図5と同じところの模式的
縦断面図である。図7の第3実施例では、前述の第1及
び第2実施例における防水カバー41が省略され、不織
布から成る保水層42のみで構成されたすべり支承用カ
バー24の上側表面及び外周端面に親水性塗料45の塗
装層が形成されている。このような図7の構成によれ
ば、保水層42で吸水された水を上側表面及び外周端面
に形成された親水性塗料の層45へより迅速に移動させ
るとともに広い表面から自然蒸発させることができる。
従って、図7の第3実施例によれば、一層効率よく、前
述の第1及び第2の実施例の場合と実質的に同じ作用効
果を奏することができる。なお、前述の実施例では、す
べり支承体21を円形断面の円筒体で形成するととも
に、すべり面22(すべり板23)及びすべり支承用カ
バー24の平面形状を八角形状にしたが、これらの形状
は円形、長円形、各種多角形など任意の形状に選定でき
るものである。
【0023】
【発明の効果】以上の説明から明らかなごとく、本発明
(請求項1)によれば、建物の下部にすべり支承体を設
け、基礎上に設けられたすべり面により前記すべり支承
体を介して前記建物をすべり可能に支持するすべり支承
装置において、前記すべり面への水やほこりの侵入を防
ぐために該すべり面を覆うために使用されるすべり支承
用カバーであって、前記すべり面を覆った状態での外側
面を形成する防水シートと前記すべり面を覆った状態で
の内側面を形成する不織布から成る保水層とを接着剤等
で接合して一体化するとともに、該保水層の外周端面に
親水性塗料の塗布層を形成し、前記すべり面上の水を前
記保水層で吸水するとともに、この吸水した水を前記親
水性塗料に浸透させ、該親水性塗料に浸透した水を外部
へ自然蒸発させることにより、すべり面上に侵入する水
を前記保水層及び前記親水性塗料の層を通して外部へ排
出する構成としたので、すべり面上の水を保水層で吸水
し、この吸水した水を親水性塗料に浸透させ、親水性塗
料に浸透した水を外部へ自然蒸発させることで、すべり
面に侵入した水をカバーの外周端面部へ迅速に移動させ
るとともに該外周端面部から迅速に蒸発させて外部へ排
出することができ、それによって、不織布から成る保水
層が多量の水を含んでビチャビチャになることを防止し
て吸水能低下を防止するとともに、すべり支承体とすべ
り面との間の摩擦係数を常に一定に保つことができ、加
えて、地震発生時などにおけるすべり支承用カバーとす
べり面との相対移動を利用してカバー材により該すべり
面上の水や汚れ等を拭き取ることができるすべり支承用
カバーが提供される。
【0024】請求項2〜6の発明によれば、上記請求項
1の構成に加えて、前記防水シートの厚みは約0.2m
m〜約1.5mm程度であり、前記保水層の厚みは約2
5mm〜約100mm程度であり、前記親水性塗料の塗
布厚さは約0.3mm〜約5.0mm程度である構成、
前記すべり支承体の周囲に密着嵌合する開口と該開口か
ら周縁に至る切れ目とが形成されている構成、前記シー
トの前記開口から周縁に至る切れ目を略対向する2箇所
に形成することにより、該シートを2分割できるように
する構成、前記保水層は通気性及び断熱性に優れた難燃
性部材で形成されている構成、あるいは、前記防水シー
トの表面にも前記親水性塗料の塗布層を形成する構成と
したので、上記効果に加えて、水の排出機能の更なる向
上、施工性の向上、耐久性の向上などの効果を達成する
ことが可能となる。
【0025】請求項7の発明によれば、建物の下部にす
べり支承体を設け、基礎上に設けられたすべり面により
前記すべり支承体を介して前記建物をすべり可能に支持
するすべり支承装置において、前記すべり面への水やほ
こりの侵入を防ぐために該すべり面を覆うために使用さ
れるすべり支承用カバーであって、該カバーは不織布か
ら成る保水層で形成され、該保水層の外側面及び外周端
面の全域に親水性塗料の塗布層が形成され、前記すべり
面上の水を前記保水層で吸水するとともに、この吸水し
た水を前記親水性塗料に浸透させ、該親水性塗料に浸透
した水を外部へ自然蒸発させることにより、すべり面上
に侵入する水を前記保水層及び前記親水性塗料の層を通
して外部へ排出する構成としたので、すべり面上の水を
保水層で吸水し、この吸水した水を親水性塗料に浸透さ
せ、親水性塗料に浸透した水を外部へ自然蒸発させるこ
とで、すべり面に侵入した水をカバーの外面部へ迅速に
移動させるとともに該外面部から迅速に蒸発させて外部
へ排出することができ、それによって、不織布から成る
保水層が多量の水を含んでビチャビチャになることを防
止して吸水能低下を防止するとともに、すべり支承体と
すべり面との間の摩擦係数を常に一定に保つことがで
き、加えて、地震発生時などにおけるすべり支承用カバ
ーとすべり面との相対移動を利用してカバー材により該
すべり面上の水や汚れ等を拭き取ることができるすべり
支承用カバーが提供される。
【0026】請求項8〜11の発明によれば、上記請求
項7の構成に加えて、前記保水層の厚みは約25mm〜
約100mm程度であり、前記親水性塗料の塗布厚さは
約0.3mm〜約5.0mm程度である構成、前記すべ
り支承体の周囲に密着嵌合する開口と該開口から周縁に
至る切れ目とが形成されている構成、前記シートの前記
開口から周縁に至る切れ目を略対向する2箇所に形成す
ることにより、該シートを2分割できるようにする構
成、あるいは、前記保水層は通気性及び断熱性に優れた
難燃性部材で形成されている構成としたので、上記効果
に加えて、水の排出機能の更なる向上、施工性の向上、
耐久性の向上などの効果を達成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したすべり支承用カバーを有する
すべり支承装置を使用した建物を模式的に示す立面図で
ある。
【図2】図1中のすべり支承装置を示す縦断面図であ
る。
【図3】本発明を適用したすべり支承用カバーを有する
すべり支承装置の組み付け状態を一部破断して示す模式
的斜視図である。
【図4】図3中のすべり支承用カバーの組み付け前の状
態を示す模式的分解斜視図である。
【図5】図4中の線5−5に沿って断面することにより
本発明を適用したすべり支承用カバーの第1実施例の構
造を示す模式的縦断面図である。
【図6】図4中の線5−5に沿って断面することにより
本発明を適用したすべり支承用カバーの第2実施例の構
造を示す模式的縦断面図である。
【図7】図4中の線5−5に沿って断面することにより
本発明を適用したすべり支承用カバーの第3実施例の構
造を示す模式的縦断面図である。
【符号の説明】
10 建物 11 床面 12 基礎 13 建物の柱 14 地面 20 すべり支承装置 21 すべり支承体 22 すべり面 23 すべり板 24 すべり支承用カバー 25 開口 27 切れ目 28 布テープ(クロステープ) 29 塩ビシート(接合部補強用) 30 積層ゴム支承装置 41 防水シート 42 保水層 43 保水層の外周端面 45 親水性塗料(親水性塗装の層)

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 建物の下部にすべり支承体を設け、基
    礎上に設けられたすべり面により前記すべり支承体を介
    して前記建物をすべり可能に支持するすべり支承装置に
    おいて、前記すべり面への水やほこりの侵入を防ぐため
    に該すべり面を覆うために使用されるすべり支承用カバ
    ーであって、 前記すべり面を覆った状態での外側面を形成する防水シ
    ートと前記すべり面を覆った状態での内側面を形成する
    不織布から成る保水層とを接着剤等で接合して一体化す
    るとともに、該保水層の外周端面に親水性塗料の塗布層
    を形成し、 前記すべり面上の水を前記保水層で吸水するとともに、
    この吸水した水を前記親水性塗料に浸透させ、該親水性
    塗料に浸透した水を外部へ自然蒸発させることにより、
    すべり面上に侵入する水を前記保水層及び前記親水性塗
    料の層を通して外部へ排出することを特徴とするすべり
    支承用カバー。
  2. 【請求項2】 前記防水シートの厚みは約0.2mm
    〜約1.5mm程度であり、前記保水層の厚みは約25
    mm〜約100mm程度であり、前記親水性塗料の塗布
    厚さは約0.3mm〜約5.0mm程度であることを特
    徴とする請求項1に記載のすべり支承用カバー。
  3. 【請求項3】 前記すべり支承体の周囲に密着嵌合す
    る開口と該開口から周縁に至る切れ目とが形成されてい
    ることを特徴とする請求項1又は2に記載のすべり支承
    用カバー。
  4. 【請求項4】 前記シートの前記開口から周縁に至る
    切れ目を略対向する2箇所に形成することにより、該シ
    ートを2分割できるようにすることを特徴とする請求項
    1〜3のいずれかに記載のすべり支承用カバー。
  5. 【請求項5】 前記保水層は通気性及び断熱性に優れ
    た難燃性部材で形成されていることを特徴とする請求項
    1〜4のいずれかに記載のすべり支承用カバー。
  6. 【請求項6】 前記防水シートの表面にも前記親水性
    塗料の塗布層を形成することを特徴とする請求項1〜5
    のいずれかに記載のすべり支承用カバー。
  7. 【請求項7】 建物の下部にすべり支承体を設け、基
    礎上に設けられたすべり面により前記すべり支承体を介
    して前記建物をすべり可能に支持するすべり支承装置に
    おいて、前記すべり面への水やほこりの侵入を防ぐため
    に該すべり面を覆うために使用されるすべり支承用カバ
    ーであって、該カバーは不織布から成る保水層で形成さ
    れ、該保水層の外側面及び外周端面の全域に親水性塗料
    の塗布層が形成され、 前記すべり面上の水を前記保水層で吸水するとともに、
    この吸水した水を前記親水性塗料に浸透させ、該親水性
    塗料に浸透した水を外部へ自然蒸発させることにより、
    すべり面上に侵入する水を前記保水層及び前記親水性塗
    料の層を通して外部へ排出することを特徴とするすべり
    支承用カバー。
  8. 【請求項8】 前記保水層の厚みは約25mm〜約1
    00mm程度であり、前記親水性塗料の塗布厚さは約
    0.3mm〜約5.0mm程度であることを特徴とする
    請求項7に記載のすべり支承用カバー。
  9. 【請求項9】 前記すべり支承体の周囲に密着嵌合す
    る開口と該開口から周縁に至る切れ目とが形成されてい
    ることを特徴とする請求項7又は8に記載のすべり支承
    用カバー。
  10. 【請求項10】 前記シートの前記開口から周縁に至
    る切れ目を略対向する2箇所に形成することにより、該
    シートを2分割できるようにすることを特徴とする請求
    項7〜9のいずれかに記載のすべり支承用カバー。
  11. 【請求項11】 前記保水層は通気性及び断熱性に優
    れた難燃性部材で形成されていることを特徴とする請求
    項7〜10のいずれかに記載のすべり支承用カバー。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011231459A (ja) * 2010-04-23 2011-11-17 Bridgestone Corp すべり支承構造体用の保護カバー

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JPH09268713A (ja) * 1996-04-02 1997-10-14 Takiron Co Ltd 波板の支持材への取付構造
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