JP4145753B2 - 誘発目地部材、及びコンクリート躯体の誘発目地構造 - Google Patents

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本発明は、誘発目地部材、及びコンクリート躯体の誘発目地構造に関する。
従来より、コンクリート躯体の仕上げ面は、乾燥収縮ひずみや日射・降雨の繰り返しによる温・湿度変化に伴いひび割れが発生する。このようなコンクリートのひび割れ対策としては、いろいろな方法があるが、鉛直方向にひび割れ誘発目地を入れる方法が、一般に用いられている。
該誘発目地とは、あらかじめコンクリート打込み型枠に目地棒を取り付けた上でコンクリートを打ち込み、コンクリート躯体の仕上げ面の所望位置に、断面欠損としてひび割れを集中させた目地のことである。こうして形成された誘発目地には、脱型後に後施工としてシーリング材を施工する、もしくはコンクリート躯体の内方で誘発目地と対向する位置に止水材を埋設しておく等の止水処理を施し、ひび割れ部からの水の侵入を防止している(特許文献1,特許文献2参照)。
特開平10−37320号公報(図2参照) 特開平08−209813号公報(図1参照)
しかし、このようなコンクリート躯体の仕上げ面への誘発目地の形成方法では、仕上げ面に対して、外壁仕上げ材や壁面下地材を一体的に設置したい場合に、コンクリート打込み型枠に取り付けた目地棒が、外壁仕上げ材や壁面下地材に覆われることのないよう、目地棒を避けてコンクリート打込み型枠の内方にこれらを仮留めする必要があり、作業が繁雑となりやすく、施工性に劣っていた。
本発明は、上記した従来の問題が考慮されたものであり、作業性が良く、誘発目地及び壁面下地材の両者を容易に形成でき、かつコンクリート躯体への漏水を確実に抑制できる誘発目地部材、及びコンクリート躯体の誘発目地構造を提供することを目的としている。
請求項1記載の誘発目地部材は、コンクリート躯体の仕上げ面に対して、表面が略同一平面を形成するようにコンクリート躯体に配置される壁面下地材と、伸縮に係る変形性能を有し、該壁面の裏面に一方の面を面どうしで接するように固着手段を介して固着される止水シートと、表面に付着する水分を、毛細管現象により内方へ取り込む吸水力を伴う透水性を有し、該止水シートの他方の面に固定手段を介して固定されるとともに、コンクリート躯体の所望の位置に、クラックを誘発させるために形成する誘発目地に嵌合する透水目地材により構成されることを特徴としている。
請求項2記載の誘発目地部材は、前記壁面下地材に、コンクリート部材が用いられることを特徴としている。
請求項3記載の誘発目地部材は、前記壁面下地材の表面に、粗面が形成されることを特徴としている。
請求項4記載の誘発目地部材は、前記壁面下地材に、外壁仕上げ材をコンクリート躯体の仕上げ面に接着して安定して定着させるための後張り下地材としての不織布が用いられることを特徴としている。
請求項5記載の誘発目地部材は、透水目地材が、筒状の排水ドレンと、該排水ドレンの外周面を一様に覆うように備えられ、表面に付着する水分を、毛細管現象により前記排水ドレンに誘導する吸水材により構成されることを特徴としている。
請求項6記載のコンクリート躯体の誘発目地構造は、請求項1から5のいずれか1項に記載の誘発目地部材を用いたコンクリート躯体の誘発目地構造であって、コンクリート躯体の仕上げ面上で所望の位置に、ひび割れを集中誘発するために形成された誘発目地に、前記誘発目地部材を構成する透水目地材を嵌合するとともに、前記止水シートとコンクリート躯体とが面どうしで接する状態で、前記壁面下地材の表面が、コンクリート躯体の仕上げ面と略同一平面を形成するように、前記誘発目地部材がコンクリート躯体に配置されることにより構成されることを特徴としている。
請求項1に記載の誘発目地部材によれば、壁面下地材、止水シート、及び透水目地材が一体に備えられていることから、該誘発目地部材をコンクリート打込み型枠の所望位置に配置し、コンクリートを打設するのみで、コンクリート躯体に対して、仕上げ面の所望位置に誘発目地、誘発目地への止水構造、及び仕上げ面と一体となった壁面下地材を構築できるため、簡略な構成で作業性が良く、施工性を向上することが可能となる。
請求項2に記載の誘発目地部材によれば、壁面下地材にコンクリート部材が用いられていることから、外見上は誘発目地を有しない他のコンクリート躯体の仕上げ面と比較しても遜色がないため、コンクリート躯体の外壁を打放し仕上げ、または塗装仕上げとしたい場合にも、所望の位置に誘発目地を形成することが可能となる。
請求項3に記載の誘発目地部材によれば、壁面下地材の表面に粗面が形成されることから、コンクリート躯体の外壁を左官仕上げ、またはタイルとしたい場合にも、所望の位置に誘発目地を形成することが可能となる。
請求項4に記載の誘発目地部材によれば、壁面下地材に後張り下地材としての不織布が用いられて、該不織布の裏面がコンクリート躯体に埋設されて該コンクリート躯体に一体化されるとともに、該不織布の表面に外壁仕上げ材を接着して固定するための接着剤を含浸することにより、該不織布を介してコンクリート躯体と外壁仕上げ材とを安定にかつ容易に一体化することが可能となる。
請求項5に記載の誘発目地部材によれば、誘発目地近傍に漏水が生じた際にも、透水目地材の表面に備えられた吸水材に効率よく水分を吸水され、排水ドレンに回収されることから、ひび割れへの漏水を高い精度で抑制することが可能となる。
請求項6に記載のコンクリート躯体の誘発目地構造によれば、誘発目地に止水シートと透水目地材の両者を組み合わせた止水機能が付与されるため、誘発目地にひび割れが生じた際にも、高い精度をもって水分の侵入を抑制することが可能となる。
また、コンクリート躯体の仕上げ面をタイル等の外壁仕上げ材による仕上げとする場合においても、伸縮調整目地と誘発目地との位置あわせを行う必要がないため、作業の繁雑さを解消することが可能となる。
また、前記止水シートが、誘発目地のみでなく、近傍の広い範囲にわたって備えられているため、誘発目地にひび割れが生じず、その発生位置が多少変化しても、ひび割れからの水分の侵入を抑制することが可能となる。
さらに、前記止水シートが伸縮に係る変形性能を有しているため、コンクリート躯体の仕上げ面に発生したひび割れにも追従でき、確実に漏水を防止することが可能となるとともに、ひずみの吸収層となり、壁面下地材及び外壁仕上げ材の剥落防止を図ることが可能となる。
以下、本発明に係る誘発目地部材、コンクリート躯体の誘発目地構造について、その形成方法とともに、図1から図5に基いて説明する。本発明の誘発目地部材は、壁面下地材、止水シート、及び透水目地材が一体に備えられていることから、該誘発目地部材をコンクリート打込み型枠の所望位置に配置し、コンクリートを打設するのみで、仕上げ面の所望位置に誘発目地、誘発目地への止水構造、及びコンクリート躯体の仕上げ面と一体となった壁面下地材を構築できるものである。
図1に示すように、コンクリート躯体5の仕上げ面には、所望の位置に誘発目地構造が形成されている。該誘発目地構造は、コンクリート躯体5の仕上げ面に生じやすいひび割れを集中誘発するために形成した誘発目地6と、該誘発目地部6に備えた誘発目地部材1により構成されている。
該誘発目地部材1は、壁面下地材2と、止水シート3と、透水目地材4により構成されており、該壁面下地材2は、その表面がコンクリート躯体5の仕上げ面と略同一平面を形成するように配置されているもので、本実施の形態では、滑らかに連続するように成形されている。これら壁面下地材2は、コンクリート躯体5を構成しているコンクリートに物性の近い硬質面材により構成されており、本実施の形態では、コンクリートに物性が近く安価な押し出し成形セメント板を用いている。しかし、必ずしもこれにこだわるものではなく、セメント系、金属系、樹脂系、ゴム系等、適宜適切な材料を用いればよい。
また、前記止水シート3は、該壁面下地材2の裏面全面に、一方の面を面どうしを接するようにして固着手段を介して固着されている。該止水シート3は、図1に示すように、他方の面と前記コンクリート躯体5とが面どうしで接するように配置されており、壁面下地材2側から漏水等があった際にも、コンクリート躯体5に漏水が達することのないよう止水するものである。また、該止水シート3は、誘発目地6近傍に発生するひび割れに追従できる面内方向の伸縮に係る変形能力を有している。このため、コンクリート躯体5の仕上げ面にひび割れが発生した際にも、確実に漏水を防止することが可能となるとともに、該止水シート3が、ひずみの吸収層となって、前記壁面下地材2や、後に壁面下地材2に固着される外壁仕上げ材の剥落を防止できるものである。
さらに、透水目地材4は、該止水シート3の他方の面に固定手段を介して固定されているとともに、コンクリート躯体5に形成された前記誘発目地6に嵌合されている。該透水目地材4は、図1に示すように、前記誘発目地6に嵌合する断面形状を有する棒状に成形されており、透水性を有するとともに、自身の表面に付着した水分を毛細管現象により内方に取り込むような、吸収性能をも有する部材により構成されている。
本実施の形態では、これら透水目地材4に連続発泡体あるいは無機繊維材を用いているが、必ずしもこれにこだわるものではなく、上述する性能を有する材料であれば、発泡ポリエチレン、発泡ポリスチレン、発泡フェノール、ガラス繊維、ロックウール等何れの材料を用いても良い。このような透水目地材4を誘発目地6に配置する構成は、いずれかの現象により止水シート3で抑止できなかった漏水が、誘発目地6に発生するひび割れに侵入することを防止するものである。
なお、該透水目地材4は、必ずしも上述する構成に限るものではなく、例えば、図4に示すように、筒形状の排水ドレン4aを用いるとともに、該排水ドレン4aの外周面を覆うようにして、表面に付着した水分を毛細管現象で吸収できるガラスクロス等の吸水材4bを配置する構成とし、吸水材4bで吸水した水分を排水ドレン4aを介して排水する構成としても良い。
上述する構成の壁面下地材2、止水シート3、及び透水目地材4を一体的に備えている誘発目地部材1を誘発目地6に備えるコンクリート躯体5の誘発目地構造は、誘発目地6に対して、止水シート3と透水目地材4の両者を組み合わせた止水機能が付与されることとなるため、誘発目地6にひび割れが生じた際にも、高い精度をもって水分の侵入を抑制できるものである。
また、誘発目地6を壁面下地材2で覆うことができるため、コンクリート躯体5の仕上げ面をタイル等外壁仕上げ材による仕上げとする場合においても、伸縮調整目地と誘発目地6との位置あわせを行う必要がないため、作業の繁雑さを解消できるものである。
さらに、前記止水シート3が、誘発目地6のみでなく、誘発目地6近傍の広い範囲にわたって備えられているため、誘発目地部6にひび割れが生じず、その発生位置が多少変化しても、ひび割れからの水分の侵入を止水シート3により抑制できる。
これらコンクリート躯体5の誘発目地構造の形成方法は、図5(a)に示すように、まず、あらかじめ組み立てたコンクリート打込み型枠7の内方で、コンクリート躯体5の仕上げ面が形成される面の所望位置に、前記誘発目地部材1を図示しない仮留め手段を介して仮留めする。このとき、誘発目地部材1は、前記壁面下地材2の表面をコンクリート打込み型枠7の内面に当接させるとともに、透水目地材4が鉛直方向に延在するように配置する。
次に、図5(b)に示すように、必要に応じて図示しない配筋を行い、コンクリート打込み型枠7の内方にコンクリート8を打設する。コンクリート8の硬化後、コンクリート打込み型枠7を脱型すると同時に、誘発目地部材1とコンクリート打込み型枠7との間に設けられている仮留め手段を開放する。
これにより、透水目地材4を嵌合するように誘発目地6が形成されるとともに、前記止水シート3の裏面にコンクリート躯体5が当接され、壁面下地材2の表面がコンクリート躯体5の仕上げ面と滑らかに連続するように誘発目地部材1が備えられた誘発目地構造が、コンクリート躯体5に形成されるものである。
このような方法によれば、コンクリート打込み型枠7の、前記所望の箇所に接する位置に、前記誘発目地部材1を固定した後、コンクリート躯体5を構成するコンクリート8を打設するのみでコンクリート躯体5の誘発目地構造を形成でき、従来行われていたような、シーリング材の後施工等が不要となるため、作業性を向上できるものである。
ところで、前記誘発目地部材1を構成する止水シート3は、先にも述べたように、他方の面が前記コンクリート躯体5に直に接することで止水面を形成している。このため、止水性能を向上することを目的に、本実施の形態では、止水シート3に前記コンクリート8との付着性能が高い非加硫ブチルゴムを適用している。
これにより、コンクリート躯体5に誘発目地構造を形成する際に、止水シート3に前記コンクリート8が効率よく付着するため、コンクリート8の硬化後、コンクリート躯体5と止水シート3との間には、密な接面が形成できることとなる。
なお、止水シート3に用いる部材は必ずしもこれにこだわるものではなく、前記コンクリート8との付着性と、面内方向の伸縮に係る高い変形能力を有していれば、塩化ビニルゴム、シリコンゴム及び再生ゴムなど、何れの部材を用いる構成としても良い。また、コンクリート躯体5に発生するひび割れは、該止水シート3にゼロスパンテンションで作用するため、変形能力を十分確保できる部材厚を確保する必要があり、該止水シート3の部材厚は、適用する部材の伸び部物性に応じて異なるが、0.5〜2mm程度が好ましい。
また、前記誘発目地部材1により、コンクリート躯体5の仕上げ面に一体的に形成できる壁面下地材2は、コンクリート躯体5の仕上げ方法に応じて、その部材や表面の成形を決定すればよい。
図1に示すように、表面が滑らかな押し出し成形セメント板により構成されている壁面下地材2は、外見上は誘発目地6を有しない、他のコンクリート躯体5の仕上げ面と比較しても遜色がないことから、コンクリート躯体5の仕上げ面を打放し仕上げ、または塗装仕上げとしたい場合に有効である。
一方、コンクリート躯体5の仕上げ面に、左官仕上げ、またはタイル等の外壁仕上げ材を用いたい場合には、図2に示すように、前記壁面下地材2の表面に粗面が形成されたものを用いればよい。
なお、コンクリート躯体5の仕上げ面に外壁仕上げ材を後張りするに際しては、外壁仕上げ材をより確実に接着して定着させるために、壁面下地材2として、図3に示すように、外壁仕上げ材をコンクリート躯体5仕上げ面に安定して定着させるための後張り下地材としての不織布9を用いて、その不織布9の裏面をコンクリート躯体5に一体に埋設するとともに、不織布9の表面に外壁仕上げ材を固定するための接着剤を塗布して含浸させるようにしてもよい。
本実施の形態において後張り下地材として用いている不織布9は、短繊維または長繊維相互を接着、もしくはニードリングして製作される立体状の繊維層である。該不織布9は、裏面がコンクリート躯体5に埋設されて一体化されるとともに、表面に外壁仕上げ材を固定するためのモルタル等の接着剤10が塗布され、該接着剤10を効率よく含浸してコンクリート躯体5の表面に、接着剤10と不織布9により構成される仕上げ層11を形成するものである。該仕上げ層11は外壁仕上げ材をコンクリート躯体5に対して接着して安定に定着するための接着層ないし定着層として機能するばかりでなく、不織布9による投錨効果が備えられているため、コンクリート躯体5とタイル等の外壁仕上げ材とを強固に一体化することが可能となる。
また、前記コンクリート躯体5の仕上げ面上に形成された仕上げ層11は、ひずみの吸収層ともなるため、外壁仕上げ材の剥落を防止できるものである。
なお、本実施の形態では、壁面下地材2を誘発目地6近傍のみでなく、コンクリート躯体5の仕上げ面全面を覆うことのできる大きさに成形し、誘発目地6を形成する部位近傍にのみ止水シート3を配置する構成としている。しかし、その構成は必ずしもこれにこだわるものではなく、コンクリート躯体5の誘発目地6に前記透水目地材4が嵌合し、また誘発目地6近傍に止水シート3が備えられ、さらにコンクリート躯体5の仕上げ面に壁面下地材2が配置される構成であれば、何れの構成を用いても良い。
上記した構成からなる誘発目地部材1によれば、壁面下地材2、止水シート3、及び透水目地材4が一体に備えられていることから、該誘発目地部材1をコンクリート打込み型枠7の所望位置に配置し、コンクリート8を打設するのみで、コンクリート躯体5に対して、仕上げ面の所望位置に誘発目地6、誘発目地6への止水構造、及び仕上げ面と一体となった壁面下地材2を構築できるため、簡略な構成で作業性が良く、施工性を向上することが可能となる。
また、壁面下地材2にコンクリート部材を用いることで、外見上は誘発目地6を有しない他のコンクリート躯体の仕上げ面と遜色がない仕上げ面を形成できるため、コンクリート躯体5の外壁を打放し仕上げ、または塗装仕上げとしたい場合にも、所望の位置に誘発目地6を形成することが可能となる。さらに、壁面下地材2の表面に粗面を形成すれば、コンクリート躯体5の外壁を左官仕上げ、またはタイルとしたい場合にも、所望の位置に誘発目地6を形成することが可能となる。
さらに、壁面下地材2として不織布9を用いる場合には、その不織布9を後張り下地材として外壁仕上げ材を接着して安定に固定できるため、コンクリート躯体5と外壁仕上げ材とを容易に一体化することが可能となる。
一方、前記誘発目地部材1を備えたコンクリート躯体5の誘発目地構造によれば、誘発目地6に止水シート3と透水目地材4の両者を組み合わせた止水機能が付与されるため、誘発目地6にひび割れが生じた際にも、高い精度をもって水分の侵入を抑制することが可能となる。また、コンクリート躯体5の仕上げ面を外壁仕上げ材による仕上げとする場合においても、伸縮調整目地と誘発目地6との位置あわせを行う必要がないため、作業の繁雑さを解消することが可能となる。
また、前記止水シート3が、誘発目地6のみでなく、近傍の広い範囲にわたって備えられているため、誘発目地6にひび割れが生じず、その発生位置が多少変化しても、ひび割れからの水分の侵入を抑制することが可能となる。
さらに、前記止水シート3が伸縮に係る変形性能を有しているため、コンクリート躯体5の仕上げ面に発生したひび割れにも追従でき、確実に漏水を防止することが可能となるとともに、ひずみの吸収層となり、壁面下地材2及び外壁仕上げ材の剥落防止を図ることが可能となる。
これらコンクリート躯体5の誘発目地構造の形成方法によれば、コンクリート打込み型枠7の、前記所望の箇所に接する位置に、前記誘発目地部材1を固定した後、コンクリート躯体5を構成するコンクリート8を打設するのみでよく、シーリング材の後施工が不要となるため、作業性が良く工費削減、工期短縮に大きく寄与することが可能となる。
以上、本発明に係る誘発目地部材1、コンクリート躯体5の誘発目地構造に係る実施の形態について、その形成方法とともに説明したが、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
本発明に係るコンクリート躯体の誘発目地構造を示す図である。 本発明に係るコンクリート躯体の誘発目地構造の他の事例を示す図である。 本発明に係る壁面下地材に後張り下地材として不織布を用いたコンクリート躯体の誘発目地構造を示す図である。 本発明に係る透水目地材の他の事例を示す図である。 本発明に係るコンクリート躯体の誘発目地構造の形成方法を示す図である。
符号の説明
1 誘発目地部材
2 壁面下地材
3 止水シート
4 透水目地材
5 コンクリート躯体
6 誘発目地
7 コンクリート打込み型枠
8 コンクリート
不織布(壁面下地材、後張り下地材)
10 接着剤
11 仕上げ層

Claims (6)

  1. コンクリート躯体の仕上げ面に対して、表面が略同一平面を形成するようにコンクリート躯体に配置される壁面下地材と、
    伸縮に係る変形性能を有し、該壁面下地材の裏面に一方の面を面どうしで接するように固着手段を介して固着される止水シートと、
    表面に付着する水分を、毛細管現象により内方へ取り込む吸水力を伴う透水性を有し、該止水シートの他方の面に固定手段を介して固定されるとともに、コンクリート躯体の所望の位置に、クラックを誘発させるために形成する誘発目地に嵌合する透水目地材により構成されることを特徴とする誘発目地部材。
  2. 請求項1に記載の誘発目地部材において、
    前記壁面下地材に、コンクリート部材が用いられることを特徴とする誘発目地部材。
  3. 請求項2に記載の誘発目地部材において、
    前記壁面下地材の表面に、粗面が形成されることを特徴とする誘発目地部材。
  4. 請求項1に記載の誘発目地部材において、
    前記壁面下地材に、外壁仕上げ材をコンクリート躯体の仕上げ面に接着して安定して定着させるための後張り下地材としての不織布が用いられることを特徴とする誘発目地部材。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の誘発目地部材において、
    透水目地材が、筒状の排水ドレンと、
    該排水ドレンの外周面を一様に覆うように備えられ、表面に付着する水分を、毛細管現象により前記排水ドレンに誘導する吸水材により構成されることを特徴とする誘発目地部材。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載の誘発目地部材を用いたコンクリート躯体の誘発目地構造であって、
    コンクリート躯体の仕上げ面上で所望の位置に、ひび割れを集中誘発するための誘発目地を形成し、
    該誘発目地に、前記誘発目地部材を構成する透水目地材を嵌合するとともに、前記止水シートとコンクリート躯体とが面どうしで接する状態で、前記壁面下地材の表面が、コンクリート躯体の仕上げ面と略同一平面を形成するように、前記誘発目地部材をコンクリート躯体に配置することにより構成されることを特徴とするコンクリート躯体の誘発目地構造。
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